JPH11333283A - 触媒反応器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒の搬入および搬出が容易で、しかも直上
部空間部を有効に利用することができる触媒反応器を提
供する。 【解決手段】 排ガス煙道に設けられた反応容器と、反
応容器に設けられた触媒搬入口と、触媒搬入口を経て反
応容器内に触媒を搬入する触媒搬入手段とを有し、反応
容器に流入する排ガスを触媒作用によって処理する触媒
反応器において、触媒搬入口９を、反応容器２の側壁面
に天井ケーシング８に沿って設けるとともに、この側壁
面に設けられた触媒搬入口９から一端が突出するよう
に、天井ケーシング８の内壁面に沿ってモノレール４を
設け、このモノレール４に走行可能にチェーンブロック
５を取り付けて反応容器２内の上部空間部を触媒搬入用
空間部１０とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、触媒反応器に係
り、特に、複合発電プラントにおける燃焼装置等から排
出される燃焼排ガス中の窒素酸化物（ＮＯｘ）を除去す
るための水平流横型脱硝用触媒反応器であって、触媒の
搬入および搬出ならびに廃熱回収ボイラ等の連絡配管の
配置が容易で、かつ上部スペースを有効利用することが
できる触媒反応器に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３および図４は、従来の複合発電プラ
ント用横型脱硝触媒反応器の説明図であり、図３は、排
ガス流通方向に垂直な断面図、図４は、排ガス流通方向
に平行な断面図である。図において、この脱硝触媒反応
器は、断面矩形の反応容器２と、該反応容器２の天井ケ
ーシング８に設けられた触媒搬入口６と、該触媒搬入口
６の上部に空間を隔てて水平に設けられた触媒充填架構
３と、該触媒充填架構３に設けられたモノレール４と、
該モノレール４を走行する電動チェーンブロック５とか
ら主として構成されている。１２は、脱硝触媒反応器の
前後の蒸発缶を連結する連絡管である。

【０００３】このような触媒反応器において、脱硝用の
触媒１は、トラックまたはフォークリフト等によって反
応容器２の近傍の吊り下げ位置まで運ばれたのち、触媒
充填架構３に設けられたモノレール４を走行する電動チ
ェーンブロック５によって反応容器２の天井ケーシング
８よりも高い位置まで吊り上げられたのち、前記電動チ
ェーンブロック５の走行によって触媒搬入口６の上部ま
で移動し、該触媒搬入口６から反応容器２の内部の所定
位置に下ろされる。このような触媒搬入操作が繰替えさ
れることにより、触媒１が反応容器２内に順次搬入さ
れ、積み重ねられて触媒層７が形成される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の触媒反応器には以下のよう問題があった。すなわ
ち、複合発電プラントの燃焼装置等から排出される排ガ
ス中のＮＯｘを除去する、排ガス処理装置としての脱硝
用触媒反応器の前後には、通常、廃熱回収ボイラ等が設
置されるので、触媒反応器前後の蒸発缶等を連結する連
結管が必要となり、これら連結管は、通常触媒反応器の
上部スペースに架設される（図３参照）。従って、この
連結管の存在が触媒搬入時の邪魔になり、触媒搬入操作
をスムーズに行うことができないという問題があった。

【０００５】また、反応容器の天井ケーシングの上部に
空間を隔てて触媒搬入手段としてのモノレールおよび電
動チェーンブロクが設けられていたために、反応容器の
直上部の空間を、例えば廃熱回収ボイラのドラム、安全
弁等の分解もしくはメンテナンス時の必要スペース、ま
たはボイラ機器の設置スペースとして利用することがで
きないという問題があった。

【０００６】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、触媒の搬入および搬出が容易で、しかも直上部
空間を有効に利用することができる触媒反応器を提供す
ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願で特許請求する発明は、以下のとおりである。 （１）排ガス煙道に設けられた反応容器と、該反応容器
に設けられた触媒搬入口と、該触媒搬入口を経て前記反
応容器内に触媒を搬入する触媒搬入手段とを有し、前記
反応容器に流入する排ガスを触媒作用によって処理する
触媒反応器において、前記触媒搬入口を、前記反応容器
の側壁面に天井ケーシングに沿って設けるとともに、該
側壁面に設けられた触媒搬入口から一端が突出するよう
に、前記天井ケーシングの内壁面に沿って軌道を設け、
該軌道に走行可能に物体昇降装置を取り付けて前記反応
容器内の上部空間部を触媒搬入用空間部としたことを特
徴とする触媒反応器。

【０００８】（２）前記軌道がモノレールであり、物体
昇降装置がチェーンブロックであることを特徴とする上
記（１）に記載の触媒反応器。 （３）前記触媒搬入用空間部の被処理ガスの流入側に、
該被処理ガスの短絡流を防止する短絡流防止板を設けた
ことを特徴とする上記（１）または（２）に記載の触媒
反応器。 （４）前記触媒が脱硝用触媒であることを特徴とする上
記（１）〜（３）の何れかに記載の触媒反応器。

【０００９】本発明は、触媒搬入口を、反応容器の側壁
面に、しかも天井ケーシングに沿って設けるとともに、
該側壁面に設けられた触媒搬入口から一端が突出するよ
うに、天井ケーシングの内壁面に沿って軌道、例えばモ
ノレールを設け、該モノレールに走行可能に物体昇降装
置、例えばチェーンブロックを取付け前記反応容器内の
上部空間部を触媒搬入用の空間部とする。

【００１０】触媒搬入口を、反応容器の側壁面に天井ケ
ーシングに沿って設けるとともに、該触媒搬入口から一
端が突出するように軌道（モノレール）を設け、該軌道
に物体昇降装置（チェーンブロック）を取り付けたこと
により、触媒搬入手段の全てを反応容器内に納めること
ができるので、触媒反応器の直上空間部を、例えば廃熱
回収ボイラのドラム、安全弁等の分解もしくはメンテナ
ンス時の必要スペース、またはボイラ機器の設置スペー
スとして有効利用することができる。また、触媒搬入口
近傍に連結管が配置されることもないので、触媒の搬入
および搬出がスムーズになる。チェーンブロックは電動
チェーンブロックであることが好ましい。

【００１１】本発明において、反応容器内上部の触媒搬
入用空間部の被処理ガス流入側に、該被処理ガスの短絡
流を防止する短絡流防止板を設けることが好ましい。こ
れによって触媒反応器に流入する被処理ガスが触媒層を
流通しないで、触媒反応器外に短絡的に流出することを
防止し、所定の触媒反応率を確保することができる。本
発明において、触媒として脱硝触媒を用いることによ
り、脱硝触媒の搬入および搬出が容易で、しかも反応容
器直上部の空間を有効利用することができる脱硝用触媒
反応器が得られる。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例によりさら
に詳細に説明する。図１および図２は、本発明の一実施
例である触媒反応器を示す説明図であり、図１は、被処
理ガスの流通方向に垂直な断面図、図２は、被処理ガス
の流通方向に平行な断面図である。図においてこの触媒
反応器は、断面矩形の反応容器２と、該反応容器２の天
井ケーシング８に沿った側壁面に設けられた触媒充填口
９と、前記天井ケーシング８の内壁面に沿って、かつそ
の一端が前記触媒充填口９から外部に突出するように設
けられた触媒搬入手段としてのモノレール４および該モ
ノレール４に走行自在に取り付けられた電動チェーンブ
ロック５と、前記反応容器２の上部空間部１０の被処理
ガスの流入側に配置された短絡流防止板１１から主とし
て構成されている。

【００１３】このような構成において、反応容器２の近
傍まで運び込まれた触媒１は、天井ケーシング８の内壁
面に沿って設けられたモノレール４を走行する電動チェ
ーンブロック５によって吊り上げられ、電動チェーンブ
ロック５の走行に伴って反応容器２の触媒充填口９の上
部に移動し、外触媒充填項９から反応容器２内に搬入さ
れ、所定位置に下ろされる。このような触媒１の搬入操
作が繰り返され、該触媒１が反応容器２の内部で積層さ
れて触媒層７が形成される。触媒の搬入作業が終了した
のち、触媒充填口９が、図示省略した蓋によって閉鎖さ
れて排ガス処理状態となる。

【００１４】本実施例によれば、天井ケーシング８の内
部壁面に沿って、かつその一端が触媒充填口９から外部
に突出するようにモノレール４を設け、該モノレール４
に触媒搬入用の電動チェーンブロック５を、走行自在に
取り付けたことにより、全ての触媒搬入手段が反応容器
２の内部に収納されるので、触媒反応器の直上空間部を
有効利用することができる。触媒反応器直上の空間部
は、例えば各機器の分解またはメンテナンス時の必要ス
ペースとして、またはボイラ機器の設置スペースとして
有効利用される。

【００１５】

【発明の効果】本願の請求項１記載の発明によれば、触
媒搬入口を、反応容器の側壁面に天井ケーシングに沿っ
て設けるとともに、該天井ケーシング内壁面に沿って、
しかもその一端が前記触媒充填口から突出するように軌
道を設け、該軌道上を走行可能に物体昇降装置を取り付
けたことにより、触媒搬入手段の全てを反応容器内に納
めることができるので、触媒反応器直上部の空間部を有
効利用することができる。また、触媒搬入口近傍に連結
管等が配置されることもないので、触媒の搬入および搬
出がスムーズにできる。

【００１６】本願の請求項２に記載の発明によれば、前
記軌道をモノレールとし、物体昇降装置をチェーンブロ
ックとしたことにより、上記発明の効果に加え、触媒の
搬入および搬出操作がより簡単になる。本願の請求項３
記載の発明によれば、触媒搬入用空間部の被処理ガスの
流入側に短絡流防止板を設けたことにより、上記発明の
効果に加え、被処理ガスのショートパスを防止して所定
の触媒反応率を確保することができる。

【００１７】本願の請求項４記載の発明によれば、触媒
を脱硝触媒としたことにより、脱硝触媒の搬入および排
出が容易で、しかも反応容器直上空間部を有効利用する
ことができる脱硝用触媒反応器が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すガス流通方向に垂直な
断面図。

【図２】本発明の一実施例を示すガス流通方向に平行な
断面図。

【図３】従来技術を示すガス流通方向に垂直な断面図。

【図４】従来技術を示すガス流通方向に平行な断面図。

【符号の説明】

１…触媒、２…反応容器、３…触媒充填架構、４…モノ
レール、５…電動チェーンブロック、６…触媒搬入口、
７…触媒層、８…天井ケーシング、９…触媒充填口、１
０…上部空間部、１１…短絡流防止板、１２…連結管。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排ガス煙道に設けられた反応容器と、該
   反応容器に設けられた触媒搬入口と、該触媒搬入口を経
   て前記反応容器内に触媒を搬入する触媒搬入手段とを有
   し、前記反応容器に流入する排ガスを触媒作用によって
   処理する触媒反応器において、前記触媒搬入口を、前記
   反応容器の側壁面に天井ケーシングに沿って設けるとと
   もに、該側壁面に設けられた触媒搬入口から一端が突出
   するように、前記天井ケーシングの内壁面に沿って軌道
   を設け、該軌道に走行可能に物体昇降装置を取り付けて
   前記反応容器内の上部空間部を触媒搬入用空間部とした
   ことを特徴とする触媒反応器。
2. 【請求項２】 前記軌道がモノレールであり、物体昇降
   装置がチェーンブロックであることを特徴とする請求項
   １に記載の触媒反応器。
3. 【請求項３】 前記触媒搬入用空間部の被処理ガスの流
   入側に、該被処理ガスの短絡流を防止する短絡流防止板
   を設けたことを特徴とする請求項１または２に記載の触
   媒反応器。
4. 【請求項４】 前記触媒が脱硝用触媒であることを特徴
   とする請求項１〜３の何れかに記載の触媒反応器。