JPH1133276A - 洗濯機の防振装置 - Google Patents

洗濯機の防振装置

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JPH1133276A
JPH1133276A JP9194151A JP19415197A JPH1133276A JP H1133276 A JPH1133276 A JP H1133276A JP 9194151 A JP9194151 A JP 9194151A JP 19415197 A JP19415197 A JP 19415197A JP H1133276 A JPH1133276 A JP H1133276A
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damper
washing machine
compression coil
grease
coil spring
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So Tozaki
宗 戸崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吊り棒の外周を摺動して振動を減衰するダン
パの偏摩耗を極力防止する。 【解決手段】 外箱12の上端隅部と槽体13の支持片
部45との間に吊り棒15を掛渡して吊持する。吊り棒
15の下端部に防振装置18を設ける。防振装置18
を、吊り棒15が挿通され支持片部45の下面に摺接す
る受け部材39、グリス溜め部46や溝部40aを有し
吊り棒15を摺動するダンパ40、ダンパ40を覆い下
方に延びる管状部47を有するダンパケース41、吊り
棒15の下端のばね受け具44、このばね受け具44と
ダンパケース41との間に介在される圧縮コイルばね4
2、この圧縮コイルばね42の外周に嵌合する筒体43
等から構成する。管状部47がダンパケース41ひいて
はダンパ40の摺動時のガイドとなり、吊り棒15に対
し傾いて摺動することを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯機外箱の隅部
と槽体外壁の支持部との間に吊り棒を掛渡して該槽体を
吊持する吊持機構部に設けられ、槽体の振動を抑えるた
めの洗濯機の防振装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】全自動洗濯機において
は、外箱の四隅部において吊り棒を介して槽体(水受
槽)を吊持し、その槽体内に、洗濯槽及び脱水槽を兼ね
た回転槽を設けて構成されている。そして、脱水時には
回転槽が高速回転されるのであるが、その際に生ずる振
動の外箱への伝達を軽減すると共に、振動を減衰させる
ため、一般に、吊り棒の下端部の槽体との連結部分に防
振装置が設けられる。
【0003】図6は、従来の防振装置の構成の一例を示
している。ここで、金属製の吊り棒1は、その上端部が
上部受け部材2を介して、図示しない外箱上端のコーナ
ー部に支持されるようになっており、その吊り棒1の下
部が、槽体3の外壁部に設けられた支持片部4の挿通孔
4aに遊挿されている。そして、前記吊り棒1の下端部
には、ワッシャ5を介してばね受け具6が設けられ、そ
の上方には、前記支持片部4に摺接する受け部材7及び
ゴム製のダンパ8が吊り棒1に挿通された状態に設けら
れている。また、前記ばね受け具6とダンパ8の下面の
上部ばね受け具9との間には、圧縮コイルばね10が介
装されている。これにて、圧縮コイルばね10により、
槽体3の振動が外箱へ伝達されることが抑えられ、ま
た、ダンパ8の内周面と吊り棒1の外周面との間の摺動
摩擦力により、振動が減衰されるようになっている。
【0004】ところで、上記吊り棒1は、外箱の隅部と
その外箱内に設けられた槽体3の支持片部4との間に掛
渡されているため、鉛直方向に対してやや傾いて指向し
ている。これに対し、槽体3の上下方向の振動に伴い、
ダンパ8は、吊り棒1に沿ってほぼ上下方向に移動しな
がら吊り棒1の外周面を摺動することになる。このた
め、ダンパ8の内周面がいわゆる片当たり状態で吊り棒
1の外周面を摺動することになり、ダンパ8の内周面が
偏摩耗してしまうといった不具合があった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、吊り棒とダンパとの間の摺動摩擦力に
より振動を減衰するようにしたものにあって、ダンパの
偏摩耗を極力防止することができる洗濯機の防振装置を
提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の洗濯機の防振装
置は、洗濯機外箱の隅部と槽体外壁の支持部との間に吊
り棒を掛渡して該槽体を吊持する吊持機構部に設けら
れ、前記槽体の振動を抑えるためのものにあって、前記
吊り棒の下部が挿通され前記槽体の支持部の下面に摺接
する受け部材と、前記吊り棒が挿通された状態で前記受
け部材の下面側に位置し該吊り棒の外周面を摺動するダ
ンパと、このダンパの下部を覆うダンパケースと、前記
吊り棒の下端部に設けられたばね受け具と、このばね受
け具と前記ダンパケースとの間に介装された圧縮コイル
ばねとを具備し、前記ダンパケースには前記吊り棒の軸
方向に延びる管状部が設けられ、その管状部を該吊り棒
が挿通されているところに特徴を有する(請求項1の発
明)。
【0007】これによれば、支持部の下面側に位置して
吊り棒が挿通された受け部材,ダンパ,ダンパケースの
三者は、吊り棒の下端部のばね受け具とダンパケースと
の間に介装された圧縮コイルばねのばね力により、支持
部の下面に一体的に押付けられ、その状態で槽体が外箱
に吊持される。そして、槽体が振動すると、その振動が
圧縮コイルばねにより吸収されて外箱へ伝達されること
が抑えられる。
【0008】また、受け部材とダンパケースとの間に挟
まれた形態に設けられるダンパの内周面と吊り棒の外周
面との間の摺動摩擦力により、振動が減衰されるように
なる。このとき、吊り棒は、外箱の隅部と槽体の支持部
との間に掛渡されているため、鉛直方向に対してやや傾
いて指向している事情があるが、ダンパケースに管状部
が設けられているため、径方向の荷重が管状部により受
けられると共に、その管状部がダンパケースひいてはダ
ンパが吊り棒を摺動する際のガイドとなり、ダンパが吊
り棒に対して傾いた状態で摺動することが防止されるよ
うになる。
【0009】この場合、ダンパの内周面部にグリス溜り
部を設けると共に、受け部材とダンパケースとによりそ
のグリスを密封する構成とすることができる(請求項2
の発明)。これによれば、吊り棒とダンパとが摺動する
部分にグリスが塗布され、グリスの粘性による振動減衰
作用が得られるようになると共に、ダンパの内周面の摩
耗が抑えられるようになる。そして、グリスは密封状態
とされるので、グリスが外部に漏れ出ることを防止する
ことができると共に、グリスの酸化や埃等の進入を防止
でき、グリスの性能を長期間にわたって維持することが
できる。
【0010】さらにこのとき、ダンパの内周面部に、グ
リス溜り部から連続し軸方向に延びる複数本の溝部を形
成するようにしても良く(請求項3の発明)、これによ
れば、溝部にグリスが溜ることにより、グリスによる効
果をより一層高めることができる。
【0011】また、グリスの材質としては、合成油を基
油とし、リチウム石鹸系の増ちょう剤を含むものに、固
体潤滑剤及び増粘剤を添加した配合とすることが望まし
く(請求項4の発明)、これにより、グリスによる強固
な被膜を形成することができると共に、グリスの粘性に
よる減衰効果に優れ、更にはグリスの粘度の温度による
影響を小さくすることができる。
【0012】そして、上記した圧縮コイルばねの外周部
に、該圧縮コイルばねの外径よりも内径が小さく且つ該
圧縮コイルばねの密着長とほぼ同等の長さを有する筒体
を嵌合する構成としても良い(請求項5の発明)。これ
によれば、槽体の振動時において、圧縮コイルばねと筒
体との摺動摩擦力による振動減衰効果が得られ、振動減
衰効果をより一層高めることができる。このときの摩擦
力は、圧縮コイルばねが縮むほど大きくなるので、脱水
運転時の初期における振動減衰効果を高めることができ
る。また、筒体は圧縮コイルばねの密着長とほぼ同等の
長さを有するので、圧縮コイルばねの座屈防止の効果も
得ることができる。
【0013】この場合、上記ばね受け具の外径を、筒体
の内径以上とすることが望ましく(請求項6の発明)、
これにより、筒体が圧縮コイルばねの外周部に嵌合させ
た状態を確実に保持することができるようになる。さら
には、ばね受け具に吊り棒の下端部を通すためのバーリ
ング穴を設けるようにすることもでき(請求項7の発
明)、これによれば、バーリング穴によって、ばね受け
具ひいては圧縮コイルばねが、吊り棒に対して傾くこと
を極力防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を全自動洗濯機に適
用した一実施例について、図1ないし図5を参照しなが
ら説明する。まず、図3は本実施例に係る全自動洗濯機
11の概略的な構成を示しており、ここで、ほぼ矩形箱
状をなす外箱12内には、槽体(外槽)13が吊持機構
部14によって吊持状態に設けられている。前記吊持機
構部14は、外箱12の四隅部の上部と前記槽体13の
下部との間に、例えば金属製の吊り棒15を掛渡して吊
持するようになっている。
【0015】このとき、図2にも示すように、前記吊り
棒15の上端部には、上部受け部材16が取付けられて
いる。一方、図3に示すように、前記外箱12の上端部
の四隅部(1か所のみ図示)には例えば三角形状の補強
板17が設けられ、前記吊り棒15の上端部がこの補強
板17の貫通孔を貫通し前記上部受け部材16がいわば
抜止めとなることにより、吊り棒15の上端部を若干量
の揺動が可能に支持するようになっている。そして、前
記吊り棒15の下端部は、後に詳述する防振装置18を
介して前記槽体13の下部に連結されるようになってい
る。
【0016】前記槽体13内には、洗い槽兼脱水槽とし
ての回転槽(内槽)19が回転可能に設けられており、
その回転槽19の内底部には水流生成用の撹拌体(パル
セータ)20が設けられている。一方、槽体13の外底
部には、モータ21が設けられていると共に、そのモー
タ21の回転力がベルト22を介して伝達され前記回転
槽19および撹拌体20を回転駆動する機構部23が設
けられている。詳しい説明は省略するが、これらモータ
21及び機構部23により、洗いやためすすぎの行程に
おいては、前記撹拌体20が正逆回転されるようになっ
ており、脱水やシャワーすすぎ(脱水すすぎ)の行程に
おいては、前記回転槽19が撹拌体20と共に高速で回
転されるようになっている。
【0017】また、槽体13の底部には、前記回転槽1
9からの排水を行うための排水路24が設けられ、この
排水路24に、排水弁25を介して排水ホース26が接
続されている。さらに、槽体13の底部には、該槽体1
3からの排水を行うための排水口27が設けられ、詳し
く図示はしないが、この排水口27が前記排水ホース2
6に接続されている。
【0018】一方、前記回転槽19の上端部にはバラン
スリング28が装着されていると共に、脱水時に回転槽
19からの水の排出をそのバランスリング28との間を
通して行うための脱水孔29が設けられている。また、
前記槽体13の上端部には、ほぼリング状をなす桶カバ
ー30が設けられ、この桶カバー30にはその開口部を
開閉する内蓋31が設けられている。この内蓋31に
は、後部側に位置して、多数個の通水孔32aを有する
凹状部32が形成されている。
【0019】そして、前記外箱12の上端部には、トッ
プカバー33が設けられている。このトップカバー33
には、洗濯物出入口を開閉するための蓋34が設けられ
ている。また、トップカバー33の前部部分には、図示
しない操作パネルや、マイコン等からなる制御回路35
が設けられている。さらに、このトップカバー33の後
部部分には、前記内蓋31の凹状部32から回転槽19
内にシャワー状に注水を行うための、給水弁36や図示
しない注水ケース等からなる給水機構37が設けられ、
また、アンバランス検知スイッチ38も設けられてい
る。
【0020】さて、本実施例に係る防振装置18につい
て以下述べる。図1及び図2に示すように、この防振装
置18は、受け部材39、ダンパ40、ダンパケース4
1、圧縮コイルばね42、筒体43、ばね受け具44等
を備えて構成されている。このうち受け部材39は、例
えばポリプロピレン等のプラスチックからなり、上面部
が球面状とされた円板状をなすと共に、中心部から上方
に突出して延び前記吊り棒15が挿通される管状部39
aを一体に有している。また、この受け部材39の下面
部には、嵌合溝39bがリング状に形成されている。
【0021】一方、図1に示すように、前記槽体13の
下部外周部には、前記各吊り棒15に対応して支持部た
る支持片部45が設けられている。この支持片部45
は、下面が凹状の球面状とされており、この下面に前記
受け部材39の上面が宛がわれた状態とされるようにな
っている。このとき、支持片部45の中心部には透孔4
5aが設けられ、前記管状部39aがその透孔45aを
貫通して上方に突出するのであるが、透孔45aの大き
さは、その透孔45aと管状部39aとの間に、相互に
若干量の摺動(揺動)が可能な隙間が形成されるものと
されている。
【0022】そして、図1及び図2に示すように、前記
ダンパ40は、ゴム例えばアクリロニトリルブタジエン
ゴム(NBR)から、上端に径大部を有する円筒状に構
成され、前記径大部の上面部には、前記嵌合溝39bに
嵌合するリング状の嵌合凸部40aが一体に設けられて
いる。このダンパ40は、前記吊り棒15が挿通された
状態で、上面の嵌合凸部40aが前記嵌合溝39bに嵌
合して受け部材39の下面部に密着状態に位置される。
このダンパ40の内周面が前記吊り棒15の外周面を摺
動するようになっている。
【0023】このとき、図1に示すように、このダンパ
40の上端内周壁部には、グリス溜り部46が形成され
ていると共に、その内周面部には、そのグリス溜り部4
6から連続し軸方向(上下方向)に延びる4本の溝部4
0b(2本のみ図示)が形成されている。このグリス溜
り部46には、所要量のグリスが収容されるようになっ
ているのであるが、本実施例では、このグリスの材質と
して、合成油を基油とし、リチウム石鹸系の増ちょう剤
を含むものに、固体潤滑剤(MoS2 等)及び増粘剤を
添加した配合のものが採用されている。
【0024】前記ダンパケース41は、前記ダンパ40
の下部の径小部分を覆うような円筒容器状をなすと共
に、その上端部には、ばね受けとなるフランジ部41a
が形成されている。そして、このダンパケース41の下
端部には、下方(軸方向)に突出して延び前記吊り棒1
5が挿通される管状部47が一体に設けられている。こ
の場合、管状部47の内径寸法は、吊り棒15の外径寸
法に対して0.1〜0.2mm程度大きいだけで、吊り棒
15はほとんどがたがない状態でこの管状部47を通さ
れている。また、前記ダンパ40は、このダンパケース
41と前記受け部材39との間に挟まれ、もって前記グ
リス溜り部46及び溝部40bが密封状態とされるよう
になっている。
【0025】前記ばね受け具44は、金属板から円形に
構成され、その中心部に上向きのバーリング穴44aが
設けられていると共に、上面の外周部からやや内側に入
った位置にリング状の突条部44bを有して構成されて
いる。このばね受け具44の外径寸法は、後述する筒体
43の内径寸法以上とされている。このばね受け具44
は、前記吊り棒15がそのバーリング穴44aを通され
た状態で、ワッシャ48を介して吊り棒15の下端部に
設けられる。この場合、吊り棒15は、各部材を通され
た後にその下端部が潰されて抜止め状態とされるように
なっている。
【0026】また、前記圧縮コイルばね42は、前記ば
ね受け具44の突条部44bの外周部aと、前記ダンパ
ケース41のフランジ部41aの下面との間に介装され
る。これにて、支持片部45の下面側に位置して吊り棒
15が挿通された受け部材39,ダンパ40,ダンパケ
ース41の三者は、圧縮コイルばね42のばね力によ
り、支持片部45の下面に一体的に押付けられ、もっ
て、槽体13が外箱12に弾性的に吊持されるのであ
る。
【0027】このとき、吊り棒15の状態を支持する補
強板17に対して、支持片部45の透孔45aは内方側
に位置するので、図1に示すように、吊り棒15は、鉛
直方向に対してやや傾斜していることになる。また、槽
体13の重量が小さい(無負荷)のときには、圧縮コイ
ルばね42は比較的伸びた状態(自由長よりは短い)に
あり、前記回転槽19内に洗濯物や洗濯液(水)が収容
されて槽体13の重量が大きくなると、槽体13自体が
外箱12に対して下方に沈み、それに従って圧縮コイル
ばね42が縮んでいくようになっている。
【0028】さらに、本実施例では、前記圧縮コイルば
ね42の外周部に筒体43が嵌合されている。この筒体
43は、例えば塩ビ系エラストマーからチューブ状に構
成され、前記圧縮コイルばね42の外径よりも内径寸法
が小さく、且つ、圧縮コイルばね42の密着長と同等の
長さ寸法を備えて構成されている。この場合、図4にも
示すように、圧縮コイルばね42の外径寸法と筒体43
の内径寸法との差は、無負荷状態(回転槽19内が空の
状態)においては、約1.0mm、最大負荷状態(回転槽
19内が最高水位のとき)においては、約1.9mmとな
るようになっている。
【0029】次に、上記構成の作用について、図4及び
図5も参照して述べる。洗濯機11の運転時、特に脱水
行程の開始時においては、洗濯物のアンバランス等に起
因して回転槽19ひいては槽体13が振動することは避
けられない。このとき、槽体13は、吊持機構部14
(防振装置18)の圧縮コイルばね42によって外箱1
2に対して柔支持構造とされているので、槽体13の振
動が外箱12に伝わることが極力防止されるようになっ
ている。
【0030】そして、防振装置18により、槽体13の
振動に対する減衰力が与えられるようになる。この減衰
力は、吊り棒15とダンパ40との間の摺動摩擦抵抗に
よる減衰効果、及び、ダンパ40の内周面に塗布された
グリスの粘性抵抗による減衰効果、並びに、圧縮コイル
ばね42と筒体43の内周面との間の摺動摩擦抵抗によ
る減衰効果により得られるようになる。
【0031】このとき、槽体13の上下方向の振動に伴
い、防振装置18の受け部材39,ダンパ40,ダンパ
ケース41の三者は、吊り棒15の外周面を軸方向に一
体的に振動するのであるが、このとき、吊り棒15、外
箱12の隅部と槽体13の下部との間に掛渡されている
ため、鉛直方向に対してやや傾いて指向している事情が
ある。このため、ダンパ40等には吊り棒15の軸方向
だけでなく径方向の荷重も加わることになり、ひいて
は、ダンパ40の内周面がいわゆる片当たり状態で吊り
棒15の外周面を摺動することになり、ダンパ40の内
周面が偏摩耗してしまう虞がある。
【0032】ところが、本実施例では、ダンパ40とい
わば一体化されるダンパケース41に、吊り棒15の軸
方向に長い管状部47が設けられているので、径方向の
荷重がその管状部47により受けられるようになり、そ
の管状部47がダンパケース41ひいてはダンパ40が
摺動する際の軸方向へのガイドとなって、ダンパ40が
吊り棒15に対して傾いた状態で摺動することが極力防
止されるようになるのである。
【0033】そして、ダンパ40の内周面にグリスが塗
布されるので、グリスによる摩耗防止効果が得られるこ
とは勿論、そのグリスの材質を、合成油を基油とし、リ
チウム石鹸系の増ちょう剤を含むものに、固体潤滑剤及
び増粘剤を添加した配合としたので、グリスによる強固
な被膜を形成することができると共に、グリスの粘性に
よる減衰効果に優れ、更にはグリスの粘度の温度による
影響を小さくすることができる。図5は、グリスを用い
た本実施例(黒丸)と、グリスを用いない従来例(白
丸)における、振動周波数とダンパ力(減衰力)との関
係を示している。この図5からも、グリスを用いた本実
施例が、特に低い振動周波数において大きなダンパ力が
得られることが理解できる。
【0034】しかも、本実施例では、ダンパ40にグリ
ス溜り部46及び溝部40bを設けると共に、受け部材
39及びダンパケース41によりグリスが密封される構
成としたので、グリスによる効果を高めることができる
と共に、グリスが外部に漏れ出ることを防止でき、さら
に酸化や埃等の進入によるグリスの劣化も防止でき、グ
リスの性能を長期間にわたって維持することができる。
【0035】さらに、前記圧縮コイルばね42と筒体4
3との間の摩擦力は、圧縮コイルばね42が伸びている
ときは、その外径が小さいため小さく、圧縮コイルばね
42が縮むほど大きくなる。この場合、図4に示すよう
に、槽体13の無負荷状態から最大負荷状態に向けて摩
擦力(ダンパ力)が次第に大きくなる関係にある。従っ
て、脱水運転時の初期においてはダンパ力が大きくなっ
て減衰効果が高く、脱水が進行して定常状態になればダ
ンパ力を小さくすることができ、製品の騒音・振動性能
を損なうことなく乗切り性能を向上させることができる
のである。
【0036】また、本実施例では、ばね受け具44に吊
り棒15の下端部を通すためのバーリング穴44aを設
けたので、そのバーリング穴44aによって、ばね受け
具44ひいては圧縮コイルばね42が、吊り棒15に対
して傾くことを極力防止することができ、ダンパ40の
偏摩耗の要因のひとつとなる圧縮コイルばね42の座屈
を防止することができるものである。ばね受け具44の
外径を、筒体43の内径以上としたので、筒体43が圧
縮コイルばね42の外周部に嵌合させた状態を確実に保
持することができる。
【0037】このように本実施例の防振装置18によれ
ば、吊り棒15とダンパ40との間の摺動摩擦力により
振動を減衰するようにしたものにあって、ダンパ40を
覆うダンパケース41を設けると共に、そのダンパケー
ス41に管状部47を設けたので、従来のようなダンパ
8の内周面がいわゆる片当たり状態で吊り棒1の外周面
を摺動しダンパ8の内周面が偏摩耗してしまうものと異
なり、ダンパ40が傾いた状態で吊り棒15を摺動する
ことを防止でき、ダンパ40の偏摩耗を極力防止するこ
とができるという優れた効果を得ることができる。
【0038】また、特に本実施例では、グリス溜め部4
6や溝部40b等グリスを塗布するための構成やグリス
自体の材質に工夫を施し、さらには、圧縮コイルばね4
2の外周に筒体43を嵌合させる構成としたので、振動
減衰効果をより一層高めることができる等の利点を得る
ことができるものである。
【0039】尚、本発明は上記した実施例に限定される
ものではなく、例えばグリス溜め部46や溝部40b等
を設けずとも本発明の所期の目的を達成することがで
き、また、筒体43についても必要に応じて設ければ良
い。その他、塗布構成各部材の材質や形状などについて
も、種々の変形が可能である等、本発明は要旨を逸脱し
内範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【0040】
【発明の効果】以上の説明にて明らかなように、本発明
の洗濯機の防振装置によれば、吊り棒とダンパとの間の
摺動摩擦力により振動を減衰するようにしたものにあっ
て、ダンパを覆うダンパケースを設け、そのダンパケー
スに軸方向に延び吊り棒が挿通される管状部を設けるよ
うにしたので、ダンパの偏摩耗を極力防止することがで
きという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、防振装置部分
の拡大縦断側面図
【図2】防振装置部分の分解斜視図
【図3】洗濯機の概略的縦断側面図
【図4】圧縮コイルばねの外径寸法と筒体の内径寸法と
の差とダンパ力との関係を示す特性図
【図5】振動周波数とダンパ力との関係を従来例と比較
して示す特性図
【図6】従来例を示す図1相当図
【符号の説明】
図面中、11は洗濯機、12は外箱、13は槽体、14
は吊持機構部、15は吊り棒、18は防振装置、39は
受け部材、40はダンパ、40bは溝部、41はダンパ
ケース、42は圧縮コイルばね、43は筒体、44はば
ね受け具、44aはバーリング穴、45は支持片部(支
持部)、46はグリス溜め部、47は管状部を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗濯機外箱の隅部と槽体外壁の支持部と
    の間に吊り棒を掛渡して該槽体を吊持する吊持機構部に
    設けられ、前記槽体の振動を抑えるためのものにおい
    て、 前記吊り棒の下部が挿通され前記槽体の支持部の下面に
    摺接する受け部材と、 前記吊り棒が挿通された状態で前記受け部材の下面側に
    位置し該吊り棒の外周面を摺動するダンパと、 このダンパの下部を覆うダンパケースと、 前記吊り棒の下端部に設けられたばね受け具と、 このばね受け具と前記ダンパケースとの間に介装された
    圧縮コイルばねとを具備し、 前記ダンパケースには前記吊り棒の軸方向に延びる管状
    部が設けられ、その管状部を該吊り棒が挿通されている
    ことを特徴とする洗濯機の防振装置。
  2. 【請求項2】 ダンパの内周面部にはグリス溜り部が設
    けられていると共に、受け部材とダンパケースとにより
    グリスが密封される構成とされていることを特徴とする
    請求項1記載の洗濯機の防振装置。
  3. 【請求項3】 ダンパの内周面部には、グリス溜り部か
    ら連続し軸方向に延びる複数本の溝部が形成されている
    ことを特徴とする請求項2記載の洗濯機の防振装置。
  4. 【請求項4】 グリスは、合成油を基油とし、リチウム
    石鹸系の増ちょう剤を含むものに、固体潤滑剤及び増粘
    剤を添加した配合とされていることを特徴とする請求項
    2又は3記載の洗濯機の防振装置。
  5. 【請求項5】 圧縮コイルばねの外周部には、該圧縮コ
    イルばねの外径よりも内径が小さく且つ該圧縮コイルば
    ねの密着長とほぼ同等の長さを有する筒体が嵌合されて
    いることを特徴する請求項1ないし4のいずれかに記載
    の洗濯機の防振装置。
  6. 【請求項6】 ばね受け具の外径は、筒体の内径以上と
    されていることを特徴とする請求項5記載の洗濯機の防
    振装置。
  7. 【請求項7】 ばね受け具にはバーリング穴が設けら
    れ、吊り棒の下端部がそのバーリング穴を通されている
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の
    洗濯機の防振装置。
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