JP3544871B2 - 洗濯機の槽体吊持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯機の外箱に槽体を吊持する、洗濯機の槽体吊持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
いわゆる脱水兼用洗濯機においては、一般に、外箱の上部の四隅部から、吊り棒を具えた吊持機構によって槽体が吊持されており、この槽体の内部に、洗濯槽と脱水槽とを兼ねる内槽が配設されている。
図7及び図8は、その吊持機構部分の従来構成を示すもので、洗濯機における外箱1の上部の四隅部(1か所のみ代表して図示)に、それぞれ、凹部2aを有する支持板2が設けられ、一方、外箱1内に配設される槽体3の下部の外周部には、挿通孔4aを有する下部支持部4が一体に設けられている。
【0003】
そして、その下部支持部4の挿通孔4aには、吊り棒5の下部が挿通されている。吊り棒5の下端部には、ワッシャ6を介してスプリング受け部材7が抜け止め状態に装着されており、その上方に、下から順に、圧縮コイルばねから成るスプリング8、ダンパケース9、ゴム製のダンパ部材10、及び下部受け部材11が、それぞれ吊り棒5に挿通された状態で装着され、その最上部に位置する下部受け部材11が、前記下部支持部4の下面に下方から摺動可能に当接するようになっている。又、ダンパ部材10の内周面と、これに対応する吊り棒5の下部外周面との間には、潤滑剤であるグリス12が介在されている。
【0004】
他方、吊り棒5の上端部には上部受け部材13が装着されており、この上部受け部材13が支持板2の凹部2aに摺動可能に当接して支持されるようになっている。
そして、それら、吊り棒5と、上部受け部材13、下部受け部材11、ダンパ部材10、ダンパケース9、スプリング8、スプリング受け部材7、ワッシャ6、並びにグリス12により吊持機構14が構成され、4組の吊持機構14により、槽体3が外箱1に上下動可能に吊持されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のものの場合、特に、脱水時に内槽の回転に伴い振動する槽体3に対し、ダンパ部材10がグリス12を介して吊り棒5との間で摺動することにより、槽体3の振動を減衰する減衰力(摩擦力)が発生する。
【0006】
このとき、スプリング8は、座屈しやすいもので、特に、スプリング受け部材7には、上面にリング状の凸部7aがあり、これにスプリング8の下端が乗り上げたり入り込んだりすることで、座屈しやすい。座屈すれば、スプリング8は、近辺の他の部材、例えば槽体3の外面等に当たり、擦過による騒音が発生する。
【0007】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、騒音の発生を少なくできる洗濯機の槽体吊持装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の洗濯機の槽体吊持装置は、第1に、洗濯機の外箱上部に設けられた上部支持部と、前記外箱の内部に配設される槽体の外周部に設けられた下部支持部と、これら下部支持部及び上部支持部間にわたって配設された吊り棒、この吊り棒の下部外周に前記下部支持部の下面に対して摺動するように設けられた下部受け部材、この下部受け部材の下方で前記吊り棒の下部外周に摺動可能に設けられたダンパ部材、このダンパ部材を収容したダンパケース、並びにこのダンパケースの下側に設けられたスプリングを有し、これら吊り棒、下部受け部材、ダンパ部材、ダンパケース、及びスプリングを介して前記槽体を上下動可能に吊持する吊持機構とを具備するものおいて、前記ダンパケースに前記スプリングを外方より囲う囲い壁を形成したことを特徴とする(請求項1の発明)。
【0014】
このものによれば、スプリングが座屈しようとしたとき、囲い壁に当たることで、それ以上の座屈が阻止され、近辺の他の部材に当たることが防止されるから、スプリングの擦過による騒音の発生がなくなる。
【0015】
この場合、スプリングが圧縮コイルばねで、囲い壁の内周面とダンパケースの外周面との間の間隙寸法を、スプリングの線径の1.0〜1.5倍とするとなお良い(請求項の発明)。
このものによれば、スプリングが座屈しようとしたときのそれ以上の座屈を、囲い壁がより早期の段階で阻止するから、スプリングの擦過による騒音の発生がより確実になくなる。
【0016】
本発明の洗濯機の槽体吊持装置は、第に、洗濯機の外箱上部に設けられた上部支持部と、前記外箱の内部に配設される槽体の外周部に設けられた下部支持部と、これら下部支持部及び上部支持部間にわたって配設された吊り棒、この吊り棒の下部外周に前記下部支持部の下面に対して摺動するように設けられた下部受け部材、この下部受け部材の下方で前記吊り棒の下部外周に摺動可能に設けられたダンパ部材、このダンパ部材の下側に設けられた圧縮コイルばねから成るスプリング、並びにこのスプリングの下端を受けたスプリング受け部材を有し、これら吊り棒、下部受け部材、ダンパ部材、スプリング、及びスプリング受け部材を介して前記槽体を上下動可能に吊持する吊持機構とを具備するものおいて、前記スプリング受け部材の上面部に、前記スプリングの内径よりも径小で、該スプリングを嵌合する筒状リブを設けたことを特徴とする(請求項の発明)。
【0017】
このものによれば、スプリングの下部を嵌合する相手部が筒状リブであることにより、従来のもののような低いリング状凸部と違って、スプリングの下端が容易に乗り上げたり入り込んだりすることがなくなり、それらを原因としたスプリングの座屈が防止されるから、スプリングの擦過による騒音の発生がなくなる。
【0018】
この場合、筒状リブの外径を、スプリングの内径からスプリングの線径を差し引いた寸法よりも大きくするとなお良い(請求項の発明)。
このものによれば、筒状リブへの嵌合状態で、スプリングが座屈しようとしたとき、スプリングが筒状リブに直ちに当接して下部を支えられ、座屈が防止されるから、スプリングの擦過による騒音の発生がより確実になくなる。
【0019】
本発明の洗濯機の槽体吊持装置は、第に、洗濯機の外箱上部に設けられた上部支持部と、前記外箱の内部に配設される槽体の外周部に設けられた下部支持部と、これら下部支持部及び上部支持部間にわたって配設された吊り棒、この吊り棒の下部外周に前記下部支持部の下面に対して摺動するように設けられた下部受け部材、この下部受け部材の下方で前記吊り棒の下部外周に摺動可能に設けられたダンパ部材、このダンパ部材の下側に設けられた圧縮コイルばねから成るスプリング、並びにこのスプリングの下端を受けたスプリング受け部材を有し、これら吊り棒、下部受け部材、ダンパ部材、スプリング、及びスプリング受け部材を介して前記槽体を上下動可能に吊持する吊持機構とを具備するものおいて、前記スプリングの巻回数を、自然数に0.5を加えた数としたことを特徴とする(請求項の発明)。
【0020】
このものによれば、スプリングが上下から平衡に圧縮力を受けるようになり、不平衡に受けることによる座屈が防止されるから、スプリングの擦過による騒音の発生がなくなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例につき、図1ないし図6を参照して説明する。
まず、図2には、洗濯機(脱水兼用洗濯機)21の全体的構成を示しており、外箱22の内部に、槽体としての外槽23を、吊持機構24により吊持して配設している。この場合、吊持機構24は、1組しか図示していないが、4組あり、その1組ずつが直方体の箱状を成す外箱22の四隅部にそれぞれ対応している。
【0022】
外槽23内には、洗濯槽と脱水槽を兼ねる内槽25を回転可能に配設しており、内槽25内の底部には、水流生成用の撹拌体26を配設している。外槽23の外底部には、モータ27を配設すると共に、モータ27の回転力がベルト28を介し伝達されて内槽25及び撹拌体26を回転駆動する駆動機構部29を配設している。
【0023】
なお、詳細な説明は省略するが、上記モータ27及び駆動機構部29により、洗い及びためすすぎの行程においては、撹拌体26を正逆回転させ、脱水及びシャワーすすぎの行程においては、内槽25を撹拌体26と共に一方向に高速回転させるようになっている。内槽25の上端部にはバランスリング30を取付けると共に、シャワーすすぎ及び脱水時に内槽25からの排水をバランスリング30との間を通して行う脱水孔31を形成している。
【0024】
ここで、前述の吊持機構24につき、詳細に述べる。前記外箱22の上部における四隅部には、図1に示すように、上部支持部を構成する金属製の支持板32を取付けている。この支持板32には、上方に開放する球面状の凹部33を形成すると共に、この凹部33の中央部に挿通孔34を形成し、更に、その挿通孔34から外箱22の内方に通じる切欠部35を形成している。
【0025】
これに対して、外槽23は例えばプラスチック製であり、これの外周部の下部には、下部支持部36を上述の支持板32に対応して4個一体に設けている。この下部支持部36は、支持板32の凹部33と対称的に下方に開放する球面状の凹部37を有するものであり、この凹部37の中央部に挿通孔38を形成している。
【0026】
そして、吊り棒39は、金属製にて、下端部を下部支持部36の挿通孔38に挿通しており、上端部を支持板32の挿通孔34に挿通していて、これら支持板32と下部支持部36とを貫通し、その両者間にわたっている。
吊り棒39の下端部側には、上から順に、例えばプラスチック製の下部受け部材40と、弾性を有する例えばゴム製のダンパ部材41、このダンパ部材41を収容するダンパケース42、スプリング43、スプリング受け部材44、及びワッシャ45を、それぞれ吊り棒39に摺動可能に挿通された状態で装着し、吊り棒39の下端部にはそれらの抜止めをする抜止め部39aを形成している。
【0027】
上記下部受け部材40は、球面部46を上面に有する部分を主体部47としており、この主体部47の中央部の上方に筒部48を有していて、吊り棒39が貫通したその筒部48を、下部支持部36の挿通孔38に下方より挿通した状態で、主体部47の球面部46を下部支持部36の凹部37内に摺動可能に当接させている。
【0028】
又、ダンパ部材41は、内周面の上部が吊り棒39の対応する下部の外周面に当接して外槽23の振動の減衰のための適度な摩擦力を及ぼす筒状を成しており、その内周面、特に吊り棒39の下部外周面に当接する部分、この場合、上部の内周面41aを、梨地状に形成している。
【0029】
ここで、梨地は細かい凹凸を無数に有するものであり、図3はそれの一部を拡大して表している。この図3において、Oは基準線を示しており、凹凸の境界位置、すなわち、ダンパ部材41の内周面が梨地状ではなく平滑に形成されていた場合の表面である。これに対して、49は梨地の凸部、50は梨地の凹部を示しており、Ro は多数ある凸部49の高さと多数ある凹部50の深さとのそれぞれ絶対値の平均、すなわち、平均粗さであり、この平均粗さRo を、この場合、5〜20〔μm〕としている。
しかして、上記ダンパ部材41の内周面と吊り棒39の下部外周面との間には、潤滑剤であるグリス51を介在させている。
【0030】
加えて、ダンパ部材41の上部の外周部には、下部受け部材40の主体部47に接するフランジ部52を形成しており、このフランジ部52の上面部と下部受け部材40の主体部47の下面部との間には、この場合、双方の凹部により、潤滑剤溜め部53を形成している。又、フランジ部52には連通孔54を複数形成しており、下部受け部材40の吊り棒39との接触部分である主体部47の下部内周には、グリス51の漏れを阻止するリップ55を装着している。このリップ55は、詳細には図4に示すように、吊り棒39の下部外周面に圧接するリップエッジ55aを、上下に有するものである。
【0031】
ダンパケース42はダンパ部材41よりも径大な筒状を成しており、それらの間には、ダンパ部材41の内周面41aと吊り棒39の下部外周面との接触部分に連なる隙間56が存在し、この隙間56と前記潤滑剤溜め部53とを、連通孔54が連通させている。更に、ダンパケース42の上部の外周部にはフランジ部57を形成しており、このフランジ部57の周囲部から下方へは、円筒状を成す囲い壁58を形成している。
【0032】
スプリング43は、上記ダンパケース42のフランジ部57と前記スプリング受け部材44との間に介在されて、外槽23を弾性支持するものであり、このスプリング43を囲い壁58が外方より囲っている。更に詳細には、スプリング43は圧縮コイルばねから成るものであり、囲い壁58の内周面とダンパケース42の外周面との間の間隙寸法Gは、このスプリング43の線径(直径)dの1.0〜1.5倍としている。
【0033】
そして、スプリング受け部材44は、スプリング43の下端を受けるものであり、これの上面部には筒状リブ59を設けている。この筒状リブ59は、外径D1 がスプリング43の内径D2 よりも径小で上方に延びる例えば円筒状を成すもので、外側にスプリング43を嵌合している。又、この場合、筒状リブ59の外径D1 は、詳細には、スプリング43の内径D2 からスプリング43の線径dを差し引いた寸法よりも大きくしている。
【0034】
更に、図5の(a)はスプリング43を単独の状態で示しており、nはこのスプリング43の1巻回であって、スプリング43はその全体の巻回数を、自然数、この場合、8(8n)に0.5(0.5n)を加えた数としている。
【0035】
一方、吊り棒39の上端部側には、下から順に、例えばプラスチック製の上部受け部材60と、弾性を有するゴム製のダンパ部材61、及びワッシャ62を、吊り棒39に挿通された状態で装着しており、吊り棒39の上端部にはそれらの抜止めをする抜止め部39bを形成している。
【0036】
上記上部受け部材60は、球面部63を下面に有する部分を主体部64としており、この主体部64の中央部の下方に筒部65、上方部に環状壁66、側部に引掛け部67を有していて、図1に示すように、吊り棒39が貫通した筒部65を前記支持板32の切欠部35から入れて挿通孔34に位置させ、引掛け部67を切欠部35内に位置させた状態で、主体部64の球面部63を凹部33に摺動可能に収容させており、もって、吊り棒39、下部受け部材40、ダンパ部材41、ダンパケース42、スプリング43、スプリング受け部材44、ワッシャ45、グリス51、上部受け部材60、ダンパ部材61、及びワッシャ62から成る吊持機構24により外槽23を上下動可能に吊持するようにしている。
【0037】
なお、吊持機構24には、そのほかの摺動部にも潤滑剤であるグリスを介在させている。又、引掛け部67は、上部受け部材60を上述のごとく支持板32に組付けるまでの間、外槽23の上端部に係合させて、吊持機構24を外槽23に仮組みするのに使用するものである。又、上部受け部材60の上面側に配置したダンパ部材61は、前述のダンパ部材41よりも上下の軸方向に短い短円筒状を成しており、環状壁66内に配置している。
【0038】
次に、上記構成のものの作用並びに効果を述べる。
特に、内槽25の回転に伴って外槽23が振動する脱水時、ダンパ部材41がグリス51を介して吊り棒39との間で摺動することにより、外槽23の振動を減衰する減衰力(摩擦力)が発生する。このとき、上記構成のものでは、ダンパ部材41の摺動面である内周面41aを、細かい凹凸を無数に有する梨地状に形成しているので、ダンパ部材41の内周面41aと吊り棒39の外周面との間には、その無数の凹凸によってグリス51を貯えるスペースができており、ダンパ部材41が摺動しても、グリス51はダンパ部材41の内周面41aと吊り棒39の外周面との間に保たれる。従って、外槽23の振動を減衰する減衰力を適度に保つことができる。
【0039】
図6は、槽体23の振動とダンパ部材41の減衰力(ダンパ変換エネルギー)との関係を、発明者の実験結果に基づいて表しており、内槽25の定常回転時の振動域(周波数で15〔Hz〕)での減衰力が、ダンパ部材41の内周面41aを梨地状(この場合、平均粗さRo で10〔μm〕)に形成したものでは、40〔kgfmm〕であり、そうでないもの(平滑なもの)では、50〔kgfmm〕で、梨地状に形成したものが小さいことが証明されている。
【0040】
かくして、上記構成のものの場合、定常回転時での外槽23から床への振動の伝達を少なくできるものであり、騒音の発生を少なくすることができる。なお、梨地状に形成するのは、ダンパ部材41の内周面41aではなく、吊り棒39の下部外周面とすることも考えられるが、しかし、吊り棒39の下部外周面を梨地状に形成したものでは、ダンパ部材41の摩耗が激しく、実際の使用に適さない。
【0041】
一方、吊り棒39に対するダンパ部材41の摩擦により、それらの間からグリス15がはみ出ても、上記構成のものの場合、それは下部受け部材40の下面部とダンパ部材41の上面部との間の潤滑剤溜め部53に溜められ、この潤滑剤溜め部53から連通孔54を通ってダンパ部材42の外周面とダンパケース42の内周面との間の隙間56に至り、そして、その隙間56から吊り棒39の下部外周面とダンパ部材41の内周面41aとの接触部分に戻る。これにより、吊り棒39の下部外周面とダンパ部材41の内周面41aとの接触部分の潤滑がやはり良好に行われ続け、槽体23の振動を減衰する減衰力を適度に保つことができる。従って、これによっても、定常回転時での槽体23から床への振動の伝達を少なくでき、騒音の発生を少なくすることができる。
【0042】
しかも、この場合、下部受け部材40は、吊り棒39との接触部分にグリス51の漏れを阻止するリップ55を有している。これにより、グリス51の、必要な部分からのはみ出しが一層少なくなって、吊り棒39の下部外周面とダンパ部材41の内周面41aとの接触部分の潤滑が更に良好に行われ続けるから、定常回転時での槽体23から床への振動の伝達を更に少なくできて、騒音の発生を一段と少なくすることができる。
【0043】
又、ダンパ部材41を収容したダンパケース42には、スプリング43を外方より囲う囲い壁58を形成している。これにより、スプリング43が座屈しようとしたとき、囲い壁58に当たるから、それ以上の座屈が阻止され、近辺の他の部材、例えば槽体23の外面等にスプリング43が当たることが防止される。よって、その近辺の他の部材に対するスプリング43の擦過による騒音の発生なくすことができる。
【0044】
しかも、槽体23が振動で上昇したとき、それに伴って、下部受け部材40、ダンパ部材41、ダンパケース42も、スプリング43のばね力により上昇し、それによって、吊り棒39の、それまでダンパケース42に覆われていた部分がダンパケース42から露出することにより、それにほこりや水が付着することが心配されるが、囲い壁58はその露出部分を外方より覆い続けるものでもあり、その部分へのほこりや水の付着を防止する。これにより、吊り棒39に対するダンパ部材41の摺動を、ほこりや水の付着に阻害されずに適正に保つことができ、減衰性能を良好に維持することができる。
【0045】
更に、囲い壁58の内周面とダンパケース42の外周面との間の間隙寸法Gを、スプリング(圧縮コイルばね)43の線径dの1.0〜1.5倍としており、これにより、スプリング43が座屈しようとしたときのそれ以上の座屈を、囲い壁58にて、より早期の段階で阻止できるから、スプリング43の擦過による騒音の発生をより確実になくすことができる。
【0046】
加えて、スプリング43の下端を受けるスプリング受け部材44の上面部には、スプリング43の内径よりも径小な筒状リブ59を設けており、これにスプリング43を嵌合している。この場合、スプリング43の下部を嵌合する相手部が、従来のもののような低いリング状凸部7aと違って、筒状リブ59であることにより、スプリング53の下端が容易に乗り上げたり入り込んだりすることがなく、それらを原因としたスプリング43の座屈が防止されるから、上述同様、スプリング43の擦過による騒音の発生をなくすことができる。
【0047】
しかも、この場合、筒状リブ59の外径D1 を、スプリング43の内径D2 からスプリング43の線径dを差し引いた寸法よりも大きくしていることにより、筒状リブ59への嵌合状態で、スプリング43が座屈しようとしたとき、スプリング43が筒状リブ59に直ちに当接して下部を支えられ、座屈が防止されるから、スプリング43の擦過による騒音の発生をより確実になくすことができる。
【0048】
そして、スプリング43は、その巻回数を、自然数に0.5を加えた数としている。図5の(b)は、従来の、スプリング8の巻回数を自然数(図示例は9)としたものを示しており、このものでは、スプリング8が上下の一方の片側(図中右側)をそれぞれダンパケース9及びスプリング受け部材7に当接させているため、その上下の一方の片側から不平衡に圧縮力Pを受けることになって、二点鎖線で示すように座屈する。これに対して、スプリング43の巻回数を、自然数に0.5を加えた数(図示例は8.5)とした上記構成のものでは、図5の(a)に示すように、スプリング43が、上端は一方の片側(図中右側)でダンパケース42に当接し、下端は他方の片側(図中左側)でスプリング受け部材44に当接するので、上下から平衡に圧縮力Pを受けるようになって、座屈せずに縮み、従って、これによっても、スプリング43の擦過による騒音の発生をなくすことができる。
なお、本発明は上記し且つ図面に示した実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
【0049】
【発明の効果】
本発明は以上説明したとおりのもので、下記の効果を奏する。
請求項1の洗濯機の槽体吊持装置によれば、ダンパケースに形成した囲い壁によりスプリングの座屈を防止できるから、スプリングが近辺の他の部材に当たることを回避できて、スプリングの擦過による騒音の発生なくすことができる。しかも、この場合、吊り棒の常時はダンパケースに覆われる部分へのほこりや水の付着も防止できて、吊り棒に対するダンパ部材の摺動を適正に保つことができ、減衰性能を良好に維持することができる。
【0053】
請求項の洗濯機の槽体吊持装置によれば、スプリングが座屈しようとしたときのそれ以上の座屈を、より早期の段階で阻止できて、スプリングの擦過による騒音の発生をより確実になくすことができる。
請求項の洗濯機の槽体吊持装置によれば、スプリングのスプリング受け部材に対する組付けの誤りを原因としたスプリングの座屈を防止できて、上述同様、スプリングの擦過による騒音の発生をなくすことができる。
【0054】
請求項の洗濯機の槽体吊持装置によれば、スプリングをスプリング受け部材に組付けた後、使用状態でのスプリングの座屈を効果的に防止できて、スプリングの擦過による騒音の発生をより確実になくすことができる。
請求項の洗濯機の槽体吊持装置によれば、スプリングが上下から平衡に圧縮力を受けるようになって、座屈を防止できるから、これによっても、スプリングの擦過による騒音の発生をなくすことができる。

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す主要部分の、一部を省略した縦断面図
【図2】洗濯機全体の破断側面図
【図3】ダンパ部材の内周面の一部の拡大縦断面図
【図4】リップ部分の拡大縦断面図
【図5】スプリング単体を、従来のものとの比較で示す側面図
【図6】槽体の振動とダンパ部材の減衰力との関係を従来のものと併せて示す特性図
【図7】従来例を示す主要部分の、一部を省略した分解斜視図
【図8】図1相当図
【符号の説明】
21は洗濯機、22は外箱、23は外槽(槽体)、24は吊持機構、32は支持板(上部支持部)、36は下部支持部、39は吊り棒、40は下部受け部材、41はダンパ部材、41aはダンパ部材の内周面、42はダンパケース、43はスプリング、44はスプリング受け部材、51はグリス(潤滑剤)、53は潤滑剤溜め部、54は連通孔、55はリップ、56は隙間、58は囲い壁、Gは間隙寸法、dはスプリングの線径、59は筒状リブ、D1 は筒状リブの外径、D2 はスプリングの内径を示す。

Claims (5)

  1. 洗濯機の外箱上部に設けられた上部支持部と、
    前記外箱の内部に配設される槽体の外周部に設けられた下部支持部と、
    これら下部支持部及び上部支持部間にわたって配設された吊り棒、この吊り棒の下部外周に前記下部支持部の下面に対して摺動するように設けられた下部受け部材、この下部受け部材の下方で前記吊り棒の下部外周に摺動可能に設けられたダンパ部材、このダンパ部材を収容したダンパケース、並びにこのダンパケースの下側に設けられたスプリングを有し、これら吊り棒、下部受け部材、ダンパ部材、ダンパケース、及びスプリングを介して前記槽体を上下動可能に吊持する吊持機構とを具備するものおいて、
    前記ダンパケースに前記スプリングを外方より囲う囲い壁を形成したことを特徴とする洗濯機の槽体吊持装置。
  2. スプリングが圧縮コイルばねで、囲い壁の内周面とダンパケースの外周面との間の間隙寸法を、スプリングの線径の1.0〜1.5倍としたことを特徴とする請求項1記載の洗濯機の槽体吊持装置。
  3. 洗濯機の外箱上部に設けられた上部支持部と、
    前記外箱の内部に配設される槽体の外周部に設けられた下部支持部と、
    これら下部支持部及び上部支持部間にわたって配設された吊り棒、この吊り棒の下部外周に前記下部支持部の下面に対して摺動するように設けられた下部受け部材、この下部受け部材の下方で前記吊り棒の下部外周に摺動可能に設けられたダンパ部材、このダンパ部材の下側に設けられた圧縮コイルばねから成るスプリング、並びにこのスプリングの下端を受けたスプリング受け部材を有し、これら吊り棒、下部受け部材、ダンパ部材、スプリング、及びスプリング受け部材を介して前記槽体を上下動可能に吊持する吊持機構とを具備するものおいて、
    前記スプリング受け部材の上面部に、前記スプリングの内径よりも径小で、該スプリングを嵌合する筒状リブを設けたことを特徴とする洗濯機の槽体吊持装置。
  4. 筒状リブの外径を、スプリングの内径からスプリングの線径を差し引いた寸法よりも大きくしたことを特徴とする請求項3記載の洗濯機の槽体吊持装置。
  5. 洗濯機の外箱上部に設けられた上部支持部と、
    前記外箱の内部に配設される槽体の外周部に設けられた下部支持部と、
    これら下部支持部及び上部支持部間にわたって配設された吊り棒、この吊り棒の下部外周に前記下部支持部の下面に対して摺動するように設けられた下部受け部材、この下部受け部材の下方で前記吊り棒の下部外周に摺動可能に設けられたダンパ部材、このダンパ部材の下側に設けられた圧縮コイルばねから成るスプリング、並びにこのスプリングの下端を受けたスプリング受け部材を有し、これら吊り棒、下部受け部材、ダンパ部材、スプリング、及びスプリング受け部材を介して前記槽体を上下動可能に吊持する吊持機構とを具備するものおいて、
    前記スプリングの巻回数を、自然数に0.5を加えた数としたことを特徴とする洗濯機の槽体吊持装置。
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