JP3764561B2 - 洗濯機の防振装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯機外箱の隅部と槽体外壁の支持部との間に吊り棒を掛渡して該槽体を吊持する吊持機構部に設けられ、槽体の振動を抑えるための洗濯機の防振装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
全自動洗濯機においては、外箱の四隅部において吊り棒を介して槽体(水受槽)を吊持し、その槽体内に、洗濯槽及び脱水槽を兼ねた回転槽を設けて構成されている。そして、脱水時には回転槽が高速回転されるのであるが、その際に生ずる振動の外箱への伝達を軽減すると共に、振動を減衰させるため、一般に、吊り棒の下端部の槽体との連結部分に防振装置が設けられる。
【0003】
図6は、従来の防振装置の構成の一例を示している。ここで、金属製の吊り棒1は、その上端部が上部受け部材2を介して、図示しない外箱上端のコーナー部に支持されるようになっており、その吊り棒1の下部が、槽体3の外壁部に設けられた支持片部4の挿通孔4aに遊挿されている。そして、前記吊り棒1の下端部には、ワッシャ5を介してばね受け具6が設けられ、その上方には、前記支持片部4に摺接する受け部材7及びゴム製のダンパ8が吊り棒1に挿通された状態に設けられている。また、前記ばね受け具6とダンパ8の下面の上部ばね受け具9との間には、圧縮コイルばね10が介装されている。これにて、圧縮コイルばね10により、槽体3の振動が外箱へ伝達されることが抑えられ、また、ダンパ8の内周面と吊り棒1の外周面との間の摺動摩擦力により、振動が減衰されるようになっている。
【0004】
ところで、上記吊り棒1は、外箱の隅部とその外箱内に設けられた槽体3の支持片部4との間に掛渡されているため、鉛直方向に対してやや傾いて指向している。これに対し、槽体3の上下方向の振動に伴い、ダンパ8は、吊り棒1に沿ってほぼ上下方向に移動しながら吊り棒1の外周面を摺動することになる。このため、ダンパ8の内周面がいわゆる片当たり状態で吊り棒1の外周面を摺動することになり、ダンパ8の内周面が偏摩耗してしまうといった不具合があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、吊り棒とダンパとの間の摺動摩擦力により振動を減衰するようにしたものにあって、ダンパの偏摩耗を極力防止することができる洗濯機の防振装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の洗濯機の防振装置は、洗濯機外箱の隅部と槽体外壁の支持部との間に吊り棒を掛渡して該槽体を吊持する吊持機構部に設けられ、前記槽体の振動を抑えるためのものにあって、前記吊り棒の下部が挿通され前記槽体の支持部の下面に摺接する受け部材と、前記吊り棒が挿通された状態で前記受け部材の下面側に位置し該吊り棒の外周面を摺動するダンパと、このダンパの下部を覆うダンパケースと、前記吊り棒の下端部に設けられたばね受け具と、このばね受け具と前記ダンパケースとの間に介装された圧縮コイルばねとを具備し、前記ダンパケースには、前記吊り棒の軸方向下方に向けて延び、該吊り棒が挿通され、前記ダンパ部分に作用する径方向の荷重を受けると共に、該ダンパが吊り棒を摺動する際のガイドとなる管状部が設けられていると共に、前記受け部材には、前記支持部に形成された透孔を貫通して前記吊り棒の軸方向上方に向けて延び、該吊り棒が挿通される管状部が設けられているところに特徴を有する(請求項1の発明)。
【0007】
これによれば、支持部の下面側に位置して吊り棒が挿通された受け部材,ダンパ,ダンパケースの三者は、吊り棒の下端部のばね受け具とダンパケースとの間に介装された圧縮コイルばねのばね力により、支持部の下面に一体的に押付けられ、その状態で槽体が外箱に吊持される。そして、槽体が振動すると、その振動が圧縮コイルばねにより吸収されて外箱へ伝達されることが抑えられる。
【0008】
また、受け部材とダンパケースとの間に挟まれた形態に設けられるダンパの内周面と吊り棒の外周面との間の摺動摩擦力により、振動が減衰されるようになる。このとき、吊り棒は、外箱の隅部と槽体の支持部との間に掛渡されているため、鉛直方向に対してやや傾いて指向している事情があるが、ダンパケースに管状部が設けられているため、径方向の荷重が管状部により受けられると共に、その管状部がダンパケースひいてはダンパが吊り棒を摺動する際のガイドとなり、ダンパが吊り棒に対して傾いた状態で摺動することが防止されるようになる。
【0012】
そして、上記した圧縮コイルばねの外周部に、該圧縮コイルばねの外径よりも内径が小さく且つ該圧縮コイルばねの密着長とほぼ同等の長さを有する筒体を嵌合する構成としても良い(請求項2の発明)。これによれば、槽体の振動時において、圧縮コイルばねと筒体との摺動摩擦力による振動減衰効果が得られ、振動減衰効果をより一層高めることができる。このときの摩擦力は、圧縮コイルばねが縮むほど大きくなるので、脱水運転時の初期における振動減衰効果を高めることができる。また、筒体は圧縮コイルばねの密着長とほぼ同等の長さを有するので、圧縮コイルばねの座屈防止の効果も得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を全自動洗濯機に適用した一実施例について、図1ないし図5を参照しながら説明する。まず、図3は本実施例に係る全自動洗濯機11の概略的な構成を示しており、ここで、ほぼ矩形箱状をなす外箱12内には、槽体(外槽)13が吊持機構部14によって吊持状態に設けられている。前記吊持機構部14は、外箱12の四隅部の上部と前記槽体13の下部との間に、例えば金属製の吊り棒15を掛渡して吊持するようになっている。
【0015】
このとき、図2にも示すように、前記吊り棒15の上端部には、上部受け部材16が取付けられている。一方、図3に示すように、前記外箱12の上端部の四隅部(1か所のみ図示)には例えば三角形状の補強板17が設けられ、前記吊り棒15の上端部がこの補強板17の貫通孔を貫通し前記上部受け部材16がいわば抜止めとなることにより、吊り棒15の上端部を若干量の揺動が可能に支持するようになっている。そして、前記吊り棒15の下端部は、後に詳述する防振装置18を介して前記槽体13の下部に連結されるようになっている。
【0016】
前記槽体13内には、洗い槽兼脱水槽としての回転槽(内槽)19が回転可能に設けられており、その回転槽19の内底部には水流生成用の撹拌体(パルセータ)20が設けられている。一方、槽体13の外底部には、モータ21が設けられていると共に、そのモータ21の回転力がベルト22を介して伝達され前記回転槽19および撹拌体20を回転駆動する機構部23が設けられている。詳しい説明は省略するが、これらモータ21及び機構部23により、洗いやためすすぎの行程においては、前記撹拌体20が正逆回転されるようになっており、脱水やシャワーすすぎ(脱水すすぎ)の行程においては、前記回転槽19が撹拌体20と共に高速で回転されるようになっている。
【0017】
また、槽体13の底部には、前記回転槽19からの排水を行うための排水路24が設けられ、この排水路24に、排水弁25を介して排水ホース26が接続されている。さらに、槽体13の底部には、該槽体13からの排水を行うための排水口27が設けられ、詳しく図示はしないが、この排水口27が前記排水ホース26に接続されている。
【0018】
一方、前記回転槽19の上端部にはバランスリング28が装着されていると共に、脱水時に回転槽19からの水の排出をそのバランスリング28との間を通して行うための脱水孔29が設けられている。また、前記槽体13の上端部には、ほぼリング状をなす桶カバー30が設けられ、この桶カバー30にはその開口部を開閉する内蓋31が設けられている。この内蓋31には、後部側に位置して、多数個の通水孔32aを有する凹状部32が形成されている。
【0019】
そして、前記外箱12の上端部には、トップカバー33が設けられている。このトップカバー33には、洗濯物出入口を開閉するための蓋34が設けられている。また、トップカバー33の前部部分には、図示しない操作パネルや、マイコン等からなる制御回路35が設けられている。さらに、このトップカバー33の後部部分には、前記内蓋31の凹状部32から回転槽19内にシャワー状に注水を行うための、給水弁36や図示しない注水ケース等からなる給水機構37が設けられ、また、アンバランス検知スイッチ38も設けられている。
【0020】
さて、本実施例に係る防振装置18について以下述べる。図1及び図2に示すように、この防振装置18は、受け部材39、ダンパ40、ダンパケース41、圧縮コイルばね42、筒体43、ばね受け具44等を備えて構成されている。このうち受け部材39は、例えばポリプロピレン等のプラスチックからなり、上面部が球面状とされた円板状をなすと共に、中心部から上方に突出して延び前記吊り棒15が挿通される管状部39aを一体に有している。また、この受け部材39の下面部には、嵌合溝39bがリング状に形成されている。
【0021】
一方、図1に示すように、前記槽体13の下部外周部には、前記各吊り棒15に対応して支持部たる支持片部45が設けられている。この支持片部45は、下面が凹状の球面状とされており、この下面に前記受け部材39の上面が宛がわれた状態とされるようになっている。このとき、支持片部45の中心部には透孔45aが設けられ、前記管状部39aがその透孔45aを貫通して上方に突出するのであるが、透孔45aの大きさは、その透孔45aと管状部39aとの間に、相互に若干量の摺動(揺動)が可能な隙間が形成されるものとされている。
【0022】
そして、図1及び図2に示すように、前記ダンパ40は、ゴム例えばアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)から、上端に径大部を有する円筒状に構成され、前記径大部の上面部には、前記嵌合溝39bに嵌合するリング状の嵌合凸部40aが一体に設けられている。このダンパ40は、前記吊り棒15が挿通された状態で、上面の嵌合凸部40aが前記嵌合溝39bに嵌合して受け部材39の下面部に密着状態に位置される。このダンパ40の内周面が前記吊り棒15の外周面を摺動するようになっている。
【0023】
このとき、図1に示すように、このダンパ40の上端内周壁部には、グリス溜り部46が形成されていると共に、その内周面部には、そのグリス溜り部46から連続し軸方向(上下方向)に延びる4本の溝部40b(2本のみ図示)が形成されている。このグリス溜り部46には、所要量のグリスが収容されるようになっているのであるが、本実施例では、このグリスの材質として、合成油を基油とし、リチウム石鹸系の増ちょう剤を含むものに、固体潤滑剤(MoS2 等)及び増粘剤を添加した配合のものが採用されている。
【0024】
前記ダンパケース41は、前記ダンパ40の下部の径小部分を覆うような円筒容器状をなすと共に、その上端部には、ばね受けとなるフランジ部41aが形成されている。そして、このダンパケース41の下端部には、下方(軸方向)に突出して延び前記吊り棒15が挿通される管状部47が一体に設けられている。この場合、管状部47の内径寸法は、吊り棒15の外径寸法に対して0.1〜0.2mm程度大きいだけで、吊り棒15はほとんどがたがない状態でこの管状部47を通されている。また、前記ダンパ40は、このダンパケース41と前記受け部材39との間に挟まれ、もって前記グリス溜り部46及び溝部40bが密封状態とされるようになっている。
【0025】
前記ばね受け具44は、金属板から円形に構成され、その中心部に上向きのバーリング穴44aが設けられていると共に、上面の外周部からやや内側に入った位置にリング状の突条部44bを有して構成されている。このばね受け具44の外径寸法は、後述する筒体43の内径寸法以上とされている。このばね受け具44は、前記吊り棒15がそのバーリング穴44aを通された状態で、ワッシャ48を介して吊り棒15の下端部に設けられる。この場合、吊り棒15は、各部材を通された後にその下端部が潰されて抜止め状態とされるようになっている。
【0026】
また、前記圧縮コイルばね42は、前記ばね受け具44の突条部44bの外周部aと、前記ダンパケース41のフランジ部41aの下面との間に介装される。これにて、支持片部45の下面側に位置して吊り棒15が挿通された受け部材39,ダンパ40,ダンパケース41の三者は、圧縮コイルばね42のばね力により、支持片部45の下面に一体的に押付けられ、もって、槽体13が外箱12に弾性的に吊持されるのである。
【0027】
このとき、吊り棒15の状態を支持する補強板17に対して、支持片部45の透孔45aは内方側に位置するので、図1に示すように、吊り棒15は、鉛直方向に対してやや傾斜していることになる。また、槽体13の重量が小さい(無負荷)のときには、圧縮コイルばね42は比較的伸びた状態(自由長よりは短い)にあり、前記回転槽19内に洗濯物や洗濯液(水)が収容されて槽体13の重量が大きくなると、槽体13自体が外箱12に対して下方に沈み、それに従って圧縮コイルばね42が縮んでいくようになっている。
【0028】
さらに、本実施例では、前記圧縮コイルばね42の外周部に筒体43が嵌合されている。この筒体43は、例えば塩ビ系エラストマーからチューブ状に構成され、前記圧縮コイルばね42の外径よりも内径寸法が小さく、且つ、圧縮コイルばね42の密着長と同等の長さ寸法を備えて構成されている。この場合、図4にも示すように、圧縮コイルばね42の外径寸法と筒体43の内径寸法との差は、無負荷状態(回転槽19内が空の状態)においては、約1.0mm、最大負荷状態(回転槽19内が最高水位のとき)においては、約1.9mmとなるようになっている。
【0029】
次に、上記構成の作用について、図4及び図5も参照して述べる。洗濯機11の運転時、特に脱水行程の開始時においては、洗濯物のアンバランス等に起因して回転槽19ひいては槽体13が振動することは避けられない。このとき、槽体13は、吊持機構部14(防振装置18)の圧縮コイルばね42によって外箱12に対して柔支持構造とされているので、槽体13の振動が外箱12に伝わることが極力防止されるようになっている。
【0030】
そして、防振装置18により、槽体13の振動に対する減衰力が与えられるようになる。この減衰力は、吊り棒15とダンパ40との間の摺動摩擦抵抗による減衰効果、及び、ダンパ40の内周面に塗布されたグリスの粘性抵抗による減衰効果、並びに、圧縮コイルばね42と筒体43の内周面との間の摺動摩擦抵抗による減衰効果により得られるようになる。
【0031】
このとき、槽体13の上下方向の振動に伴い、防振装置18の受け部材39,ダンパ40,ダンパケース41の三者は、吊り棒15の外周面を軸方向に一体的に振動するのであるが、このとき、吊り棒15、外箱12の隅部と槽体13の下部との間に掛渡されているため、鉛直方向に対してやや傾いて指向している事情がある。このため、ダンパ40等には吊り棒15の軸方向だけでなく径方向の荷重も加わることになり、ひいては、ダンパ40の内周面がいわゆる片当たり状態で吊り棒15の外周面を摺動することになり、ダンパ40の内周面が偏摩耗してしまう虞がある。
【0032】
ところが、本実施例では、ダンパ40といわば一体化されるダンパケース41に、吊り棒15の軸方向に長い管状部47が設けられているので、径方向の荷重がその管状部47により受けられるようになり、その管状部47がダンパケース41ひいてはダンパ40が摺動する際の軸方向へのガイドとなって、ダンパ40が吊り棒15に対して傾いた状態で摺動することが極力防止されるようになるのである。
【0033】
そして、ダンパ40の内周面にグリスが塗布されるので、グリスによる摩耗防止効果が得られることは勿論、そのグリスの材質を、合成油を基油とし、リチウム石鹸系の増ちょう剤を含むものに、固体潤滑剤及び増粘剤を添加した配合としたので、グリスによる強固な被膜を形成することができると共に、グリスの粘性による減衰効果に優れ、更にはグリスの粘度の温度による影響を小さくすることができる。図5は、グリスを用いた本実施例(黒丸)と、グリスを用いない従来例(白丸)における、振動周波数とダンパ力(減衰力)との関係を示している。この図5からも、グリスを用いた本実施例が、特に低い振動周波数において大きなダンパ力が得られることが理解できる。
【0034】
しかも、本実施例では、ダンパ40にグリス溜り部46及び溝部40bを設けると共に、受け部材39及びダンパケース41によりグリスが密封される構成としたので、グリスによる効果を高めることができると共に、グリスが外部に漏れ出ることを防止でき、さらに酸化や埃等の進入によるグリスの劣化も防止でき、グリスの性能を長期間にわたって維持することができる。
【0035】
さらに、前記圧縮コイルばね42と筒体43との間の摩擦力は、圧縮コイルばね42が伸びているときは、その外径が小さいため小さく、圧縮コイルばね42が縮むほど大きくなる。この場合、図4に示すように、槽体13の無負荷状態から最大負荷状態に向けて摩擦力(ダンパ力)が次第に大きくなる関係にある。従って、脱水運転時の初期においてはダンパ力が大きくなって減衰効果が高く、脱水が進行して定常状態になればダンパ力を小さくすることができ、製品の騒音・振動性能を損なうことなく乗切り性能を向上させることができるのである。
【0036】
また、本実施例では、ばね受け具44に吊り棒15の下端部を通すためのバーリング穴44aを設けたので、そのバーリング穴44aによって、ばね受け具44ひいては圧縮コイルばね42が、吊り棒15に対して傾くことを極力防止することができ、ダンパ40の偏摩耗の要因のひとつとなる圧縮コイルばね42の座屈を防止することができるものである。ばね受け具44の外径を、筒体43の内径以上としたので、筒体43が圧縮コイルばね42の外周部に嵌合させた状態を確実に保持することができる。
【0037】
このように本実施例の防振装置18によれば、吊り棒15とダンパ40との間の摺動摩擦力により振動を減衰するようにしたものにあって、ダンパ40を覆うダンパケース41を設けると共に、そのダンパケース41に管状部47を設けたので、従来のようなダンパ8の内周面がいわゆる片当たり状態で吊り棒1の外周面を摺動しダンパ8の内周面が偏摩耗してしまうものと異なり、ダンパ40が傾いた状態で吊り棒15を摺動することを防止でき、ダンパ40の偏摩耗を極力防止することができるという優れた効果を得ることができる。
【0038】
また、特に本実施例では、グリス溜め部46や溝部40b等グリスを塗布するための構成やグリス自体の材質に工夫を施し、さらには、圧縮コイルばね42の外周に筒体43を嵌合させる構成としたので、振動減衰効果をより一層高めることができる等の利点を得ることができるものである。
【0039】
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、例えばグリス溜め部46や溝部40b等を設けずとも本発明の所期の目的を達成することができ、また、筒体43についても必要に応じて設ければ良い。その他、塗布構成各部材の材質や形状などについても、種々の変形が可能である等、本発明は要旨を逸脱し内範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明にて明らかなように、本発明の洗濯機の防振装置によれば、吊り棒とダンパとの間の摺動摩擦力により振動を減衰するようにしたものにあって、ダンパを覆うダンパケースを設け、そのダンパケースに軸方向に延び吊り棒が挿通される管状部を設けるようにしたので、ダンパの偏摩耗を極力防止することができという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、防振装置部分の拡大縦断側面図
【図2】防振装置部分の分解斜視図
【図3】洗濯機の概略的縦断側面図
【図4】圧縮コイルばねの外径寸法と筒体の内径寸法との差とダンパ力との関係を示す特性図
【図5】振動周波数とダンパ力との関係を従来例と比較して示す特性図
【図6】従来例を示す図1相当図
【符号の説明】
図面中、11は洗濯機、12は外箱、13は槽体、14は吊持機構部、15は吊り棒、18は防振装置、39は受け部材、40はダンパ、40bは溝部、41はダンパケース、42は圧縮コイルばね、43は筒体、44はばね受け具、44aはバーリング穴、45は支持片部(支持部)、46はグリス溜め部、47は管状部を示す。
Claims (2)
- 洗濯機外箱の隅部と槽体外壁の支持部との間に吊り棒を掛渡して該槽体を吊持する吊持機構部に設けられ、前記槽体の振動を抑えるためのものにおいて、
前記吊り棒の下部が挿通され前記槽体の支持部の下面に摺接する受け部材と、
前記吊り棒が挿通された状態で前記受け部材の下面側に位置し該吊り棒の外周面を摺動するダンパと、
このダンパの下部を覆うダンパケースと、
前記吊り棒の下端部に設けられたばね受け具と、
このばね受け具と前記ダンパケースとの間に介装された圧縮コイルばねとを具備し、
前記ダンパケースには、前記吊り棒の軸方向下方に向けて延び、該吊り棒が挿通され、前記ダンパ部分に作用する径方向の荷重を受けると共に、該ダンパが吊り棒を摺動する際のガイドとなる管状部が設けられていると共に、
前記受け部材には、前記支持部に形成された透孔を貫通して前記吊り棒の軸方向上方に向けて延び、該吊り棒が挿通される管状部が設けられていることを特徴とする洗濯機の防振装置。 - 圧縮コイルばねの外周部には、該圧縮コイルばねの外径よりも内径が小さく且つ該圧縮コイルばねの密着長とほぼ同等の長さを有する筒体が嵌合されていることを特徴する請求項1記載の洗濯機の防振装置。
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