JPH11332611A - 繊維強化熱可塑性樹脂製靴先芯 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂製靴先芯

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JPH11332611A
JPH11332611A JP16415898A JP16415898A JPH11332611A JP H11332611 A JPH11332611 A JP H11332611A JP 16415898 A JP16415898 A JP 16415898A JP 16415898 A JP16415898 A JP 16415898A JP H11332611 A JPH11332611 A JP H11332611A
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thermoplastic resin
fiber
reinforced thermoplastic
sheet
fiber reinforced
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JP16415898A
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Minoru Toyama
稔 登山
Masanori Ishikawa
真範 石川
Takashi Niifuku
隆志 新福
Hiroyoshi Asakino
宏義 朝来野
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い圧迫強度を有し、かつ軽量な靴先芯を提供
する。 【解決手段】連続した強化用繊維に熱可塑性樹脂が含浸
した一方向繊維強化熱可塑性樹脂シートを繊維が直交す
るように重層した積層シートを用いて、加熱加圧成形
し、該強化用繊維の平均繊維長が40mm以上であり且
つ、繊維含有量を35〜75重量%とした靴先芯とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は連続繊維強化熱可塑
性樹脂製靴先芯に関する。さらに詳しくは、連続した強
化用繊維(以下、連続繊維強化材という)に熱可塑性樹
脂が含浸した一方向繊維強化熱可塑性樹脂シートを繊維
が直交するように重層した積層シートを用いて、加熱加
圧成形して得られる連続繊維強化熱可塑性樹脂製靴先芯
に関する。
【0002】
【従来技術】靴用先芯特に安全靴用先芯は靴の甲から靴
の先にかけての強度と剛性を向上させるもので、重量物
の落下などに対する足の保護のため重要視されている。
従来、その材料としては、鋼製のものが実用化されてい
たが、靴の重量が大きくなるため着用者の作業性が悪
く、繊維強化樹脂複合材料による軽量化等が行われてき
た。日本工業規格の革製安全靴には、重作業用(H
種)、普通作業用(S種)および軽作業用(L種)があ
るが、近年、安全靴先芯の規格の規制緩和に伴い、これ
まで鋼(SK7)またはこれ以上の強さを持つ金属材料
との規定があったS種の安全靴においてプラスチック材
料の使用が可能となった。
【0003】しかしながら、これまで提案されている繊
維強化樹脂複合材料製の靴先芯としては、ガラス長繊維
を熱可塑性樹脂マトリックスで複合した基材で、加熱、
加圧成形した靴の先芯において、先芯部が長繊維強化樹
脂からなる安全靴(実開昭62−64304号公報)や
12mm乃至100mm程度の強化繊維をランダムに配
して強化した熱可塑性樹脂シートと織物などの強化繊維
で補強した熱可塑性樹脂シートとをサンドイッチ構造に
した安全靴用先芯(特開平5−147146号公報)や
硬度の異なる異種材料からなる一方向繊維強化シートを
多方向に重層してなる安全靴用先芯(特開平6−141
908号公報)や強化用繊維の体積含有量が30〜80
%で且つ平均繊維長が10〜50mmの強化用繊維を含
有する繊維強化熱可塑性樹脂シートを成形してなる安全
靴用先芯(特開平7−184704号公報)等が挙げら
れるが、何れもJIS T8101−1997に規定さ
れる革製安全靴S種の規格を満たすことができず、その
強度が不十分であった。
【0004】一方、革製安全靴S種の規格を満たす繊維
強化樹脂複合材料製の安全靴用先芯としては、一方向性
の強化繊維をクロス状に配し、補強された繊維強化熱可
塑性樹脂をコア層とし、その両面にランダム状強化用繊
維で補強された熱可塑性樹脂を接合して得られる繊維強
化複合材料からなる安全靴先芯(特開平9−30917
1号公報)が挙げられる。しかしながら、この繊維強化
複合材料からなる安全靴先芯は積層に手間がかかるだけ
でなく、樹脂化の本来の目的である軽量化の効果が少な
い等の問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、高い圧
迫強度を有し、かつ軽量な靴先芯について鋭意検討し
た。その結果、連続繊維強化材に熱可塑性樹脂が含浸し
た一方向繊維強化熱可塑性樹脂シートを繊維が直交する
ように重層した積層シートを用いて、加熱加圧成形して
得られる靴先芯が目的を達成することを見いだし、この
知見に基づき、本発明を完成した。以上の記述から明ら
かなように、本発明の目的は、高い圧迫強度を有し、か
つ軽量な靴先芯を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、連続繊維強化
材に熱可塑性樹脂が含浸した一方向繊維強化熱可塑性樹
脂シートを繊維が直交するように重層した積層シートを
用いて、加熱加圧成形して得られる靴先芯であって、該
連続繊維強化材の平均繊維長が40mm以上であり且
つ、繊維含有量が35〜75重量%であることを特徴と
する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の連続繊維強化熱可塑性樹
脂製靴先芯は、連続繊維強化材に熱可塑性樹脂が含浸し
た一方向繊維強化熱可塑性樹脂シートを繊維が直交する
ように重層し、得られた積層シートを加熱加圧成形する
ことにより得られる。本発明の連続繊維強化熱可塑性樹
脂製靴先芯を構成する一方向繊維強化熱可塑性樹脂シー
トは、一方向に引き揃えられた、連続した強化用繊維す
なわち連続繊維強化材と該連続繊維強化材を相互に接着
させる接着性樹脂とから少なくとも形成されている。
【0008】本発明において、一方向繊維強化熱可塑性
樹脂シートを形成する熱可塑性樹脂は、連続繊維強化材
に含浸されうる熱可塑性樹脂であれば如何なる種類のも
のも包含する。かかる熱可塑性樹脂としては、ポリ−α
−オレフィン系樹脂として、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリ−1−ブテン樹脂、ポリ−4−メチ
ル−1−ペンテン樹脂、プロピレン−エチレン共重合体
樹脂、プロピレン−1−ブテン共重合体樹脂もしくはこ
れらの2種以上の混合物、ポリエステル樹脂として、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
トおよびポリエチレンテレフタレートイソフタレートの
1種以上、ポリアミド樹脂(ナイロン)として、ポリア
ミド−6、ポリアミド−7、ポリアミド−66、ポリア
ミド−610、ポリアミド−11及びポリアミド−1
2、ポリアセタール、ポリウレタンおよびこれらの2種
以上からなる混合物および2種以上からなるポリマーア
ロイ等を挙げることができる。
【0009】熱可塑性樹脂が、ポリ−α−オレフィン系
樹脂の様に分子末端基に強化用繊維特にガラス繊維に対
する界面接着性を付与するための反応性官能基又は極性
官能基を有しない場合には、該樹脂を不飽和酸もしくは
その酸無水物等の誘導体で改質する方策及び/又は不飽
和酸で改質された重合体を非改質樹脂に必要量配合する
方策等を施すことが有用である。これらの中では、汎用
性及び機械的強度等の観点から、結晶性ポリ−α−オレ
フィン樹脂、特に結晶性ポリプロピレン系樹脂が好まし
く用いられる。上記の改質剤として用い得る不飽和酸は
通常は脂肪族不飽和酸であって例えばアクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、シトラコン酸及びメサコン酸か
ら選ばれる1種以上、好ましくはマレイン酸である。ま
た、改質剤として用い得る不飽和酸無水物等の誘導体は
通常は脂肪族不飽和酸無水物であって、例えば無水マレ
イン酸及び無水イタコン酸から選ばれる1種以上、好ま
しくは無水マレイン酸(マレイン酸無水物)である。
【0010】本発明においては、このような改質剤を用
いる際に、必要に応じて有機過酸化物を組み合わせて用
いてもよい。有機過酸化物の例としては、例えば、2,5-
ジメチル(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3-ビス(t-
ブチル-オキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオ
キサイド及びベンゾイルパーオキサイド等を挙げること
ができる。一方向繊維強化熱可塑性樹脂シートを形成す
る熱可塑性樹脂としては、上記のような非改質樹脂及び
改質樹脂を単独で用いてもよいし、これらのうち少なく
とも2種を組み合わせて樹脂組成物として用いてもよ
い。とはいえ、連続繊維強化材であるガラス繊維等との
強固な結合を実現するためには、改質樹脂が、十分な結
合が発現されるに十分な量で存在するように一方向繊維
強化熱可塑性樹脂シートの基材の一方である熱可塑性樹
脂部分を形成させることが重要である。
【0011】このような改質樹脂もしくは改質樹脂組成
物は例えば、基材となる樹脂と、改質剤と、有機過酸化
物とを、ヘンシェルミキサー(商品名)等の混合手段で混
合した後、押出機に供給して溶融混練し、次にこの溶融
混練物を押出成形することによって得ることができる。
また、一方向繊維強化熱可塑性樹脂シートを形成する熱
可塑性樹脂は、必要に応じて各種の添加剤例えば酸化防
止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、樹脂状破壊防止剤、
帯電防止剤、潤滑剤、可塑剤、離型剤、難燃剤(耐炎
剤)、難燃助剤及び結晶化促進剤(造核剤;結晶化
剤)、染料及び顔料等を1種以上添加することができ
る。該添加剤はマトリックスとなる上記の結晶性熱可塑
性樹脂に予め配合された形で用いてもよく、マスターバ
ッチの形で用いてもよい。また、本発明において一方向
繊維強化熱可塑性樹脂シートを形成する熱可塑性樹脂
は、JISで規定の方法で測定したメルトフロ−レ−ト
(MFR)が80g/10分以上、好ましくは100〜
300g/10分である。該MFRが50g/10分以
下の場合、加熱加圧成形の際の流動性が低下し、目的と
する圧迫強度が得られない場合がある。
【0012】本発明において、一方向繊維強化熱可塑性
樹脂シートを形成する連続繊維強化材は、単繊維の集束
体、通常はロービング状のものから開繊されて生じたも
のである。ロービング以外にもヤーンやトウなどを利用
することができる。
【0013】その材質としては、該連続繊維強化材は無
機繊維強化材および有機繊維強化材に大別される。無機
繊維強化材としては、例えば、ガラス繊維、岩綿(ロッ
クウール)、石綿、石英繊維、金属繊維、ウィスカー
(ホイスカー)及び炭素繊維であってもよい。それらの
中で、その性状及び入手容易性等の点で通常的はガラス
繊維が好ましく用いられる。該ガラス繊維としては、硬
質ガラスが好ましく、特に、無アルカリガラスであるE
ガラスが好ましく用いられる。このガラス繊維は樹脂強
化用として通常的に製造されて市販されているガラスロ
ービングであって、通常的にはその平均繊維径4〜30
μm、フィラメント集束本数400〜10000本及び
テックス(Tex)番手300〜20000のものであ
るが、好ましくは平均繊維径9〜23μmのものであ
る。必要に応じて、これらのガラスロービングを合糸し
て用いることもできる。
【0014】また、この無機繊維強化材は、例えば、シ
ラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、
ボロン系カップリング剤、アルミネート系カップリング
剤の少なくとも何れかのような表面処理剤で表面処理し
て用いてもよい。この無機繊維強化材に表面処理が施さ
れると、ポリプロピレン等の疎水性樹脂に対する親和性
が高められ、長繊維強化材開繊物の間にポリプロピレン
等の樹脂が含浸されやすくなる。該無機繊維強化材は、
単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用い
てもよい。他方、有機繊維強化材としては通常、アラミ
ド繊維等を例示することができる。
【0015】本発明で用いる一方向繊維強化熱可塑性樹
脂シートを作製するには、シートの長さ方向(樹脂の流
れ方向)に略平行に配列された連続繊維強化材の内部に
上記の溶融状態の熱可塑性樹脂を含浸させる手順を挙げ
ることができる。連続繊維強化材に樹脂を含浸させる際
には、連続繊維強化材を平面上に可能な限り均一に開繊
し、その開繊物に樹脂を均一に含浸させると、得られる
シートの機械的強度を向上させることができる。
【0016】連続繊維強化材に熱可塑性樹脂を含浸させ
る方法は、該連続繊維強化材に該樹脂を含浸させ得る方
法であれば如何なる方法であってもよい。例えば、この
含浸方法として、特開昭63−264326号公報に開
示のように、ウブ状に繊維束を拡げて並べ、これに溶
融樹脂を被覆したのちに、開繊含浸装置中のジグザグ状
になった特定障壁領域を接触通過させることによって含
浸させる方法、特開平6−254857号公報に開示の
ように、ダイボックス中に千鳥状に設けられた回転可能
なロ−ルにより繊維束を圧迫して開繊し、この開繊した
状態の繊維に樹脂を供給することによって含浸させる方
法、特開昭63−132036号公報に開示のように、
開繊含浸装置中で樹脂を伴った強化用繊維束を上下のロ
−ルで押圧することによって、繊維間に樹脂を機械的に
含浸させる方法等を挙げることができる。
【0017】この種の一方向繊維強化熱可塑性樹脂シー
トは、例えば、ロービング等の連続繊維強化材を平面上
に均一に開繊した後に、押出機内で溶融混練されている
樹脂を該連続繊維強化材に均一に含浸させて形成させる
ことによって得ることができる。該一方向繊維強化熱可
塑性樹脂シートの肉厚は、1.0mm以下が好ましい。1.0mm
より厚い場合は、一方向繊維強化熱可塑性樹脂シートの
積層比率の調整だけでなく加熱加圧成形自体が困難で、
場合によっては、目的とする圧迫強度が得られないだけ
でなく、シートの剛性が高すぎて取り扱いに支障を来す
場合がある。
【0018】一方向繊維強化熱可塑性樹脂シート中の連
続繊維強化材の含有量は35〜75重量%、好ましくは
40〜70重量%である。この量の連続繊維強化材を使
用することによって、連続繊維強化材に樹脂が充分に含
浸され、連続繊維強化材が樹脂によって相互に一体的に
結合される。連続繊維強化材の含有量が30重量%以下
であると、目的とする圧迫強度の効果が充分には発現し
ない場合があり、また、連続繊維強化材の含有量が80
重量%以上に達すると、成形品の外観が悪化するばかり
でなく、目的とする圧迫強度が得られない場合がある。
その原因は、加熱加圧成形の際に繊維の流動が不充分で
あり、繊維の破断が生じるためと考えられる。
【0019】本発明で用いられる積層シートは、一方向
連続繊維強化熱可塑性樹脂シートを繊維が直交するよう
に積層することにより得られる。該積層シートの寸法
は、先芯の金型内に装着できる長さであればいかなる長
さのシートでも良いが、好ましくは、図3、図4に記載
のように、積層シ−トの幅方向の長さ(d)が靴先芯の
幅方向の外周の長さ(a)に対して40%以上の長さか
らなり、積層シートの長さ方向の長さ(c)が靴先芯の
長さ方向の外周の長さ(b)に対して25%以上の長さ
からなる。更に好ましくは、積層シ−トの幅方向の長さ
(d)が靴先芯の幅方向の外周の長さ(a)に対して5
0〜90%の長さであり、積層シートの長さ方向の長さ
(c)が靴先芯の長さ方向の外周の長さ(b)に対して
35〜70%の長さからなる。
【0020】積層シ−トの幅方向の長さ(d)が靴先芯
の幅方向の外周の長さ(a)に対して35%以下の場合
は、目的とする圧迫強度が得られない場合があり、ま
た、積層シートの長さ方向の長さ(c)が靴先芯の長さ
方向の外周の長さ(b)に対して20%以下の場合に
は、繊維の流動が大きく目的の圧迫強度が得られない。
【0021】本発明で用いられる積層シートの積層比率
は、図4の(1)および図4の(2)に模式的に示すよ
うに、繊維強化熱可塑性樹脂シート中の連続繊維強化材
を先芯の幅方向と略平行になるように積層した繊維強化
熱可塑性樹脂シート(A)と先芯の長さ方向と略平行と
なるように積層した繊維強化熱可塑性樹脂シート(B)
との積層比が先芯の幅方向と長さ方向において6:1〜
1:6である事が好ましい。これ以外の範囲だと、目的
の圧迫強度が得られない場合がある。図4の(1)は該
積層比率が1:1のシ−トの例を模式的に示したもので
あり、図4の(2)は積層比率が2:1の例を模式的に
示したものである。
【0022】本発明の一方向連続繊維強化熱可塑性樹脂
シートよりなる連続繊維強化熱可塑性樹脂製靴先芯の先
端部厚みは4〜7mmが好ましい。4mm未満だと目的
とする圧迫強度が得られず、他方7mmを越えると樹脂
化本来の目的である軽量化の効果が損なわれる。
【0023】また、本発明の一方向連続繊維強化熱可塑
性樹脂シートよりなる連続繊維強化熱可塑性樹脂製靴先
芯を作製するには、積層シートを用いて加熱加圧させる
方法であればいかなる方法であってもかまわない。例え
ば、特開平5−147146号に記載されているような
方法など、公知の方法を用いることができる。すなわ
ち、所定の寸法にカットした一方向連続繊維強化熱可塑
性樹脂シ−トを所定の比率で繊維が直交するように積層
させ、得られた積層シ−トを熱可塑性樹脂の融点以上の
温度で加熱プレスに供することで成形用シ−ト材料を
得、次いで該成形用シ−ト材料をコンベアを備えた遠赤
外線加熱オ−ブン等で加熱軟化させ、成形装置にセット
し、賦形する方法や積層シ−トを熱可塑性樹脂の融点以
上の温度にセットされたオ−ブン中で加熱軟化させ、そ
のまま成形装置にセットして賦形する方法等を用いるこ
とができる。また、積層シートを設置する個所は、金型
内に設置した積層シートが、先芯の甲部の両R上に跨る
ようにする事が好ましく、より好ましくは、靴先芯の全
面に積層シ−トを充填することがよく、より高い圧迫強
度を得ることができる。また、一方向強化連続繊維強化
熱可塑性樹脂シ−トを所定の寸法にカットして積層して
もよく、積層シ−トの寸法に合わせるように折り畳みな
がら積層してもよい。
【0024】本発明の積層シートから得られる成形品の
用途は特に限定されず、任意の用途に使用可能であり、
特に、深絞り成形及び高強度が要求される用途に極めて
有効である。積層シートの典型的な用途例として靴先
芯、特に安全靴の靴先芯を挙げることができる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、
実施例および比較例において用いられている用語の定義
および測定方法は以下の通りである。 (1)メルトフロ−レ−ト(MFR):JIS K7210に準
拠。 (2)カ゛ラス繊維含有量:JIS K7052に準拠。 (3)圧迫強度:JIS T8101-1997に準拠。
【0026】実施例1 改質ポリプロピレン{結晶融点(Tm:DSC測定)16
0℃、MFR(21.18N:230℃)130g/10分、無水マレイ
ン酸改質物}を溶融した270℃の温度の浴中に4000本
の個々のフィラメントを集束したガラスロ−ビング9本
を通し、浴槽の出口に設けた100mm×0.4mmのダイスから
図5に示す様式の装置で溶融樹脂が含浸した生成物とし
て引き出し、ニップロ−ルを通して冷却固化させ一方向
連続ガラス繊維強化PPシートを得た。一方向連続ガラ
ス繊維強化PPシートのガラス繊維含有量は50重量%
であった。更に、一方向連続ガラス繊維強化PPシート
を長さ方向50mm、幅方向90mmに切断し、積層比率が1:
1で且つ、繊維が直交するように交互に重ね、30gの
積層シートを得た。得られた積層シートを200℃に設
定されたオーブン中で加熱溶融させた。溶融した積層シ
ートを80℃に設定された金型に装着し、プレス圧力5M
Paの条件下、プレス成形して靴先芯を得た。これを圧迫
試験に供した。その結果を表1に示した。
【0027】実施例2 浴槽の出口に設けたダイスの開口部が100mm×0.3mmであ
ること以外は、実施例1に準拠して靴先芯を得た。一方
向連続ガラス繊維強化PPシートのガラス繊維含有量は
65重量%であった。得られた靴先芯を圧迫試験に供し
た。その結果を表1に示した。
【0028】比較例1 一方向連続ガラス繊維強化PPシートの寸法を長さ方向
25mm、幅方向50mmに切断したこと以外は、実施例1に準
拠して靴先芯を得、これを圧迫試験に供した。その結果
を表1に示した。
【0029】比較例2 浴槽の出口に設けたダイスの開口部が100mm×0.7mmであ
ること以外は、実施例1に準拠して靴先芯を得た。一方
向連続ガラス繊維強化PPシートのガラス繊維含有量は
30重量%であった。得られた靴先芯を圧迫試験に供し
た。その結果を表1に示した。
【0030】比較例3 使用した樹脂のMFRが30g/10minの改質ポリプロピレンを
用いる以外は、実施例2に準拠して靴先芯を得た。一方
向連続ガラス繊維強化PPシートのガラス繊維含有量は
65重量%であった。得られた靴先芯を圧迫試験に供し
た。その結果を表1に示した。
【0031】比較例4 実施例1により得た一方向連続ガラス繊維強化PPシー
トを長さ65mm、幅10mmに裁断し、これをランダ
ム状に積層後加熱加圧成形によりシート状の材料とし
た。得られたシートを実施例1と同様の条件下で加熱加
圧成形して靴先芯を得、これを圧迫試験に供した。その
結果を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の連続繊維強化熱可塑性樹脂製靴
先芯は、JIS T8101−1997革製安全靴S種
に規定される圧迫試験時の中底と靴先芯の隙間が所定値
のときに荷重値が10kN以上の圧迫強度を有し、且つ
軽量であるため靴先芯として、特に安全靴の靴先芯とし
て好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は靴先芯の1側面図を示す。
【図2】は靴先芯の1側面図を示す。
【図3】は靴先芯を上から見た平面図を示す。
【図4】の(1)は幅方向シ−ト(A)と長さ方向シ−
ト(B)の積層比率が1:1のシ−トの模式図を示す。
【図4】の(2)は積層比率が2:1のシ−トの模式図
示す。
【図5】は本発明の一方向繊維強化熱可塑性樹脂シ−ト
の製造装置の例を示す。
【符号の説明】
aは靴先芯の幅方向の外周の長さを、bは靴先芯の長さ
方向の外周の長さを、cは積層シ−トの長さ方向の長さ
を、dは積層シ−トの幅方向の長さを、それぞれ示す。
Aは繊維強化熱可塑性樹脂シート中の強化用繊維を先芯
の幅方向と略平行になるように積層した一方向繊維強化
熱可塑性樹脂シートを、Bは先芯の長さ方向と略平行と
なるように積層した一方向繊維強化熱可塑性樹脂シート
をそれぞれ示す。1は含浸槽を、2はガラス繊維ロ−ビ
ングを、3は開繊ピンを、4は含浸繊維束を、6、7は
賦形ロ−ルを、8は引き取り機を、9は巻き取り機を、
それぞれ示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続した強化用繊維に熱可塑性樹脂が含浸
    した一方向繊維強化熱可塑性樹脂シートを繊維が直交す
    るように重層した積層シートを用いて、加熱加圧成形し
    て得られる靴先芯であって、該積層シ−ト中の該強化用
    繊維の平均繊維長が40mm以上であり且つ、繊維含有
    量が35〜75重量%であることを特徴とする連続繊維
    強化熱可塑性樹脂製靴先芯。
  2. 【請求項2】積層シート中の強化用繊維の平均繊維長が
    50mm〜100mmであることを特徴とする請求項1
    項記載の連続繊維強化熱可塑性樹脂製靴先芯。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂のメルトフロ−レ−ト(MF
    R)が80g/10分以上であることを特徴とする請求
    項1もしくは請求項2のいずれか1項記載の連続繊維強
    化熱可塑性樹脂製靴先芯。
  4. 【請求項4】積層シートの幅方向の長さが先芯の幅方向
    の外周に対して40%以上の長さである事を特徴とする
    請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の連続繊維強化
    熱可塑性樹脂製靴先芯。
  5. 【請求項5】繊維が直交するように重層した積層シート
    において、繊維強化熱可塑性樹脂シート中の強化用繊維
    を先芯の幅方向と略平行になるように積層した繊維強化
    熱可塑性樹脂シートと先芯の長さ方向と略平行になるよ
    うに積層した繊維強化熱可塑性樹脂シートの積層比が先
    芯の幅方向と長さ方向において6:1〜1:6である事
    を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の
    連続繊維強化熱可塑性樹脂製靴先芯。
  6. 【請求項6】靴先芯の先端部厚みが4〜7mmである事
    を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の
    連続繊維強化熱可塑性樹脂製靴先芯。
  7. 【請求項7】熱可塑性樹脂がポリ−α−オレフィン系樹
    脂であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれ
    か1項記載の連続繊維強化熱可塑性樹脂製靴先芯。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002085109A (ja) * 2000-07-14 2002-03-26 Daicel Chem Ind Ltd 安全靴用先芯
JP2003052409A (ja) * 2001-08-10 2003-02-25 Ykk Corp 長繊維強化熱可塑性樹脂からなる安全靴先芯及びその製造方法
JP2019072170A (ja) * 2017-10-16 2019-05-16 株式会社アシックス 靴のソールおよびソールの製造方法

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