JPH11330318A - 半導体装置の実装体の製造方法 - Google Patents

半導体装置の実装体の製造方法

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JPH11330318A
JPH11330318A JP10152117A JP15211798A JPH11330318A JP H11330318 A JPH11330318 A JP H11330318A JP 10152117 A JP10152117 A JP 10152117A JP 15211798 A JP15211798 A JP 15211798A JP H11330318 A JPH11330318 A JP H11330318A
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reinforcing
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祐伯  聖
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は前記課題を解決するもので、熱膨張
係数の大きい回路基板や平坦性の悪い(反りやうねりの
大きい)回路基板へ半導体装置をフェースダウンで接続
する場合において、封止樹脂注入前の接続不良を低減さ
せ、また、封止樹脂注入硬化後の接続信頼性を向上させ
ることが可能で、歩留りの高い半導体装置の実装体とそ
の製造方法を提供することにある。 【解決手段】 回路基板2と、回路基板2にフェースダ
ウンで実装された半導体装置4と、回路基板2と半導体
装置4との間隙に配置され、回路基板2および半導体装
置4と接着することにより前記間隙を保持する、絶縁性
樹脂からなる補強部9を備え、補強部9の回路基板2と
の接着面積および半導体装置4との接着面積は、補強部
9一つあたりそれぞれ、実質的に直径が2.2mmの円
の面積以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置をフェ
ースダウンで回路基板に実装する際の半導体装置の実装
体とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化や薄型化などに
伴い、LSIチップの高速化、高集積化、多ピン化と同
時に、LSIチップを高密度に回路基板に実装するため
の高密度実装技術が進んできている。そのため、LSI
チップのパッケージもさまざまな形状や構造が提案され
ている(日経エレクトロニクス1993年8−2号N
o.587掲載『LSIパッケージ最前線高密度実装を
後押し』P93〜99)。フェ−スダウンによる実装構
造もそのうちの一つである。
【0003】半導体装置を回路基板に接続するに際し、
あらかじめ半導体装置の電極パッド上に密着金属や拡散
防止金属の蒸着膜とこの上にメッキにより形成した半田
層とからなる電極構造を有する半導体装置を下向き(フ
ェースダウン)にして、高温に加熱して半田を回路基板
の端子電極に融着する実装構造が、接続後の機械的強度
が強く、接続が一括にできることなどから有効な方法で
あるとされている(例えば、工業調査会、1980年1
月15日発行、日本マイクロエレクトロニクス協会編、
『IC化実装技術』)。
【0004】以下、図面を参照しながら、上述した従来
の半導体装置の実装体とその製造方法の一例について説
明する。
【0005】図21は従来のフェースダウンで実装され
た半導体装置の実装体の概略断面図である。また、図2
2〜図25は従来の半導体装置の実装体の製造工程毎に
おける概略断面図である。
【0006】図21〜図25において、1は端子電極、
2は回路基板、4は半導体装置、、5は突起電極6は封
止樹脂、7は封止樹脂中のフィラー、8は電極パッド、
11は半田接合部、12はパッシベーション膜、13は
拡散防止金属膜、14は密着金属膜である。
【0007】以上のように構成された従来のフェースダ
ウンで実装された半導体装置の実装体とその製造方法に
ついて、その工程にしたがって、図22、図23、図2
4、図25の順にその概略を説明する。
【0008】図22は、突起電極形成工程を示す概略断
面図である。まず、半導体装置4の電極パッド8上にC
rなどの拡散防止金属膜13およびCu等の密着金属膜
14を蒸着により形成する。その後、電極部以外をフォ
トレジストで覆い、メッキ法により密着金属膜14上に
数μm〜数十μmの半田を析出させ突起電極5を形成す
る。また、半田リフローすることにより球状の突起電極
を形成することもできる。
【0009】図23は、載置工程を示す概略断面図であ
る。図22において形成した突起電極5を有する半導体
装置を、回路基板2上の端子電極1の所定の位置に位置
合わせを行ってフェースダウンで載置する。
【0010】図24は、接続工程を示す概略断面図であ
る。200〜300℃の高温に加熱して突起電極5を溶
融し、回路基板2上の端子電極1に融着することによっ
て、半導体装置4の電極パッド8は、回路基板2の端子
電極1と半田接合部11を介して電気的に接続される。
【0011】図25は、封止樹脂充填工程を示す概略断
面図である。半導体装置4と回路基板2との間隙と周辺
部に絶縁性の封止樹脂6を充填、被覆することで、図2
1のような半導体装置の実装体を得るものである。
【0012】なお、最近では半導体装置の電極パッド上
に形成したAu突起電極を導電性接着剤を介して回路基
板の端子電極に接続する実装体も考案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような半導体装置の実装体とその製造方法においては、
以下のような課題を有している。
【0014】まず、第一の課題は、高温に加熱して半田
を溶融して端子電極と接続しているため、熱膨張係数の
大きい回路基板または厚みの薄い回路基板を用いると、
高温下において回路基板が変形し、反りやうねりが生
じ、室温に戻ったときに、接合部に歪み(ストレス)が
発生することである。
【0015】次に、第二の課題は、半田によって接続し
ているために、長期間の高温または熱サイクル(衝撃)
にさらされると、半田接合部が疲労し、もろくなる恐れ
があるということである。
【0016】上記課題を解決する方法として、特開平0
9−321082号公報および特開平10−79571
号公報に記載の半導体装置の実装体およびその製造方法
が提案されている。図26は、特開平09−32108
2号公報に記載の半導体装置の実装体の一例の概略断面
図である。図26に示すように、1は端子電極、2は回
路基板、3は接合層、4は半導体装置、5は突起電極、
6は封止樹脂、7は封止樹脂中のフィラー、8は電極パ
ッド、9は補強部、10は補強部中のフィラー、15は
補強部の広がり径、16はランドである。半導体装置4
の素子表面上の電極パッド8上に2段突起形状の突起電
極5が形成されている。半導体装置4はフェースダウン
で回路基板2上に載置されており、突起電極5の先端部
と回路基板2上の端子電極1とは、導電性接着剤からな
る接合層3を用いて電気的に接続されている。半導体装
置4と回路基板2との間隙には、絶縁性樹脂を用いた補
強部9を設けている。さらに、半導体装置4と回路基板
2との間隙と周辺部に絶縁性の封止樹脂6を充填、被覆
することで半導体装置の実装体を形成している。
【0017】本半導体装置の実装体は、補強部9を備え
ていることにより、半導体装置4の突起電極5と回路基
板2の端子電極1との電気的な接続を機械的に補強する
ことによって、上述した課題を解決しようとするもので
ある。しかし、本半導体装置の実装体においては、以下
に説明するような課題が生じている。
【0018】図27は、上述した半導体装置の実装体の
概略平面透過図である。図27に示すように、1は端子
電極、2は回路基板、4は半導体装置、6は封止樹脂、
9は補強部、15は補強部の広がり径、17は接続部、
18はバイア部、22はボイドである。半導体装置4は
フェースダウンで回路基板2上に載置されており、接続
部17(図26の接合層3の部分に相当する)で電気的
に接続されている。また、半導体装置4と回路基板2と
の間隙には、絶縁性樹脂を用いた補強部9を設けてい
る。さらに、半導体装置4と回路基板2との間隙と周辺
部に絶縁性の封止樹脂6を充填、被覆することで半導体
装置の実装体を得ようとしているものである。しかし、
この場合、半導体装置4が回路基板2にフェースダウン
で載置されたときに、補強部9内に巻き込みによるボイ
ド22が発生しやすいことが確認されている。巻き込ま
れたボイド22は半導体装置4の搭載時の圧力により、
周辺に広がる。また、補強部9がボイド22を含んでい
るため、封止樹脂6注入前の接続が不安定である。ま
た、封止樹脂6の注入時においても、補強部9での巻き
込みによるボイド22が、封止樹脂の封入方向に対して
補強部9の下流側に発生してしまい、封止樹脂6硬化後
に接続信頼性を低下させ、当該実装体の性能のばらつき
を助長させることになってしまう。したがって、所定の
性能を満足する実装体を得るためには、品質管理工程を
強化する必要があり、製品としての歩留りも悪くなり、
その結果、製造コストの上昇を招いていた。
【0019】本発明は、従来の半導体装置の実装体とそ
の製造方法が有する上述した課題を考慮し、熱膨張係数
の大きい回路基板や厚みの薄い回路基板、または平坦性
の悪い(反りやうねりの大きい)回路基板へ半導体装置
をフェースダウンで接続する場合において、封止樹脂注
入前の接続不良を低減させ、また、封止樹脂注入硬化後
の接続信頼性を向上させることが可能で、歩留りの高い
半導体装置の実装体とその製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
には、絶縁性樹脂を用いた補強部を備えた場合におい
て、半導体装置が回路基板にフェースダウンで載置され
たときに、補強部内にボイドが発生しないようにするこ
とである。ボイド発生に影響を及ぼす諸要因(例えば、
絶縁性樹脂の温度、粘着性等)について検討を重ねた結
果、補強部の回路基板との接着面積および補強部の半導
体装置との接着面積が、ボイド発生を左右する要因であ
り、接着面積が所定の面積(直径2.2mmの円の面
積)より小さい場合にはボイドが発生しないことが確認
された。
【0021】すなわち、上記課題を解決するために、第
1の本発明(請求項1に記載の本発明に対応)は、回路
基板と、前記回路基板にフェースダウンで実装された半
導体装置と、前記回路基板と前記半導体装置との間隙に
配置され、前記回路基板および前記半導体装置と接着す
ることにより前記間隙を保持する、絶縁性樹脂からなる
少なくとも一つの補強部を備え、前記補強部の前記回路
基板との接着面積および前記半導体装置との接着面積
は、前記補強部一つあたりそれぞれ、実質的に直径が
2.2mmの円の面積以下であることを特徴とする半導
体装置の実装体である。
【0022】第2の本発明(請求項2に記載の本発明に
対応)は、前記半導体装置が、その素子表面上の電極パ
ッド上に形成され、前記回路基板の端子電極と電気的に
接続されている突起電極を有することを特徴とする第1
の本発明の半導体装置の実装体である。
【0023】第3の本発明(請求項3に記載の本発明に
対応)は、前記回路基板が、その端子電極上に形成さ
れ、前記半導体装置の素子表面上の電極パッドと電気的
に接続されている突起電極を有することを特徴とする第
1の本発明の半導体装置の実装体である。
【0024】なお、第2または第3の本発明において、
前記突起電極の材質が、半田または導電性接着剤である
ことを特徴とする半導体装置の実装体としてもよい。こ
れにより、半田接合部の歪みによる金属疲労を補強部に
よって緩和することができる。
【0025】第4の本発明(請求項4に記載の本発明に
対応)は、前記突起電極と、前記端子電極または前記電
極パッドとの電気的接続は、接合層を介して行われてい
ることを特徴とする第2または第3の本発明の半導体装
置の実装体である。
【0026】なお、第4の本発明において、前記突起電
極の材質が、金、銀、銅、ニッケル、その他の合金のう
ちのいずれかを主成分とすることを特徴とする半導体装
置の実装体としてもよい。
【0027】また、第4の本発明において、前記接合層
が、半田または導電性接着剤からなることを特徴とする
半導体装置の実装体としてもよい。これにより、半田接
合部の歪みによる金属疲労を補強部によって緩和するこ
とができる。
【0028】第5の本発明(請求項5に記載の本発明に
対応)は、前記絶縁性樹脂の硬化反応開始温度が、前記
接合層の硬化温度以下であること、および/または、前
記絶縁性樹脂の硬化時間が、前記接合層の硬化時間より
短いものであることを特徴とする第4の本発明の半導体
装置の実装体である。
【0029】第6の本発明(請求項6に記載の本発明に
対応)は、前記絶縁性樹脂が、その硬化収縮力が前記接
合層の硬化収縮力よりも大きいものであることを特徴と
する第4または第5の本発明の半導体装置の実装体であ
る。
【0030】第7の本発明(請求項7に記載の本発明に
対応)は、前記半導体装置と前記回路基板との間隙に充
填され、さらにその周辺部を被覆する絶縁性の封止樹脂
を備えることを特徴とする第1〜第6のいずれかの本発
明の半導体装置の実装体である。
【0031】第8の本発明(請求項8に記載の本発明に
対応)は、前記絶縁性樹脂の弾性率が、前記封止樹脂の
弾性率以下であることを特徴とする第7の本発明の半導
体装置の実装体である。
【0032】なお、請求項1〜8のいずれかの本発明に
おいて、前記絶縁性樹脂が、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹
脂、光硬化性樹脂、または、これらのいずれかを含んだ
複合樹脂であることを特徴とする半導体装置の実装体と
してもよい。
【0033】また、請求項1〜8のいずれかの本発明に
おいて、前記絶縁性樹脂の硬化前の粘度が、35Pa・
s以上であることを特徴とする半導体装置の実装体とし
てもよい。
【0034】さらに、請求項1〜8のいずれかの本発明
において、前記絶縁性樹脂が、ゴム成分(エラストマ
ー)を含む複合樹脂であることを特徴とする半導体装置
の実装体としてもよい。これにより、半導体装置と回路
基板とが接続固着された際に、ゴム成分(エラストマ
ー)の弾性が接合部にかかる歪み(ストレス)を緩和さ
せることができ、また、封止樹脂が硬化する際に硬化収
縮させることができ、これによって、半導体装置と回路
基板とをより密接に接続させ、封止樹脂の硬化後の接続
信頼性を向上させることが可能となる。
【0035】第9の本発明(請求項9に記載の本発明に
対応)は、前記補強部が、前記半導体装置の素子面内
で、前記補強部が備えられていない場合において、前記
半導体装置の歪みまたはストレスが大きくなると予想さ
れる位置に配置されていることを特徴とする第1〜第8
のいずれかの本発明の半導体装置の実装体である。
【0036】第10の本発明(請求項10に記載の本発
明に対応)は、前記補強部が、複数個備えられており、
前記半導体装置の素子面内の角部に少なくとも配置され
ていることを特徴とする第1〜第8のいずれかの本発明
の半導体装置の実装体である。
【0037】第11の本発明(請求項11に記載の本発
明に対応)は、半導体装置をフェースダウンで回路基板
に実装する半導体装置の実装体の製造方法において、前
記回路基板または前記半導体装置の少なくとも一方に絶
縁性樹脂からなる補強部を少なくとも1カ所形成する補
強部形成工程と、前記補強部形成工程の後、前記半導体
装置を位置合わせした後に前記回路基板に搭載し、前記
半導体装置と前記回路基板とを前記補強部によって接着
保持させる仮止め工程と、前記仮止め工程の後、前記補
強部の前記絶縁性樹脂を硬化させる補強工程と、前記仮
止め工程または前記補強工程と同時、またはこれらの後
に、前記半導体装置の電極パッドと前記回路基板の端子
電極とを電気的に接続する接続工程とを含み、前記補強
部形成工程においては、前記補強工程後の前記補強部の
前記回路基板との接着面積および前記半導体装置との接
着面積が、前記補強部1カ所あたりそれぞれ、実質的に
直径が2.2mmの円の面積以下となるように、前記補
強部を形成することを特徴とする半導体装置の実装体の
製造方法である。
【0038】第12の本発明(請求項12に記載の本発
明に対応)は、前記半導体装置の電極パッド上または前
記回路基板の端子電極上に突起電極を形成する突起電極
形成工程と、前記突起電極形成工程の後、前記突起電極
の先端付近に接合層を形成する接合層形成工程とを、前
記仮止め工程の前に含み、前記補強工程と同時に、前記
接合層を硬化させる接合層硬化工程を含み、前記接続工
程は、前記仮止め工程と同時に、前記突起電極と前記接
合層とを介して、前記半導体装置の電極パッドと前記回
路基板の端子電極とを電気的に接続する工程であること
を特徴とする第11の本発明の半導体装置の実装体の製
造方法である。
【0039】第13の本発明(請求項13に記載の本発
明に対応)は、前記半導体装置の電極パッド上または前
記回路基板の端子電極上突起電極を形成する突起電極形
成工程を、前記仮止め工程の前に含み、前記接続工程
は、前記補強工程と同時に、前記半導体装置または前記
回路基板を加熱し、前記突起電極を溶融させることによ
って、前記突起電極を介して、前記半導体装置の電極パ
ッドと前記回路基板の端子電極とを電気的に接続する工
程であることを特徴とする第11の本発明の半導体装置
の実装体の製造方法である。
【0040】第14の本発明(請求項14に記載の本発
明に対応)は、前記絶縁性樹脂の硬化反応開始温度が、
前記接合層の硬化温度以下であること、および/また
は、前記絶縁性樹脂の硬化時間が、前記接合層の硬化時
間より短いものであることを特徴とする第12の本発明
の半導体装置の実装体の製造方法である。
【0041】第15の本発明(請求項15に記載の本発
明に対応)は、前記絶縁性樹脂が、その硬化収縮力が前
記接合層の硬化収縮力よりも大きいものであることを特
徴とする第12または第14の本発明の半導体装置の実
装体の製造方法である。
【0042】第16の本発明(請求項16に記載の本発
明に対応)は、前記補強部形成工程の前に、前記回路基
板を平坦に保持する回路基板保持工程と、他の全工程が
終了した後、前記回路基板保持工程において平坦に保持
された前記回路基板の保持を解除する回路基板保持解除
工程とを含むことを特徴とする第11〜第15のいずれ
かの本発明の半導体装置の実装体の製造方法である。
【0043】第17の本発明(請求項17に記載の本発
明に対応)は、前記接続工程の後、前記半導体装置と前
記回路基板との間隙と周辺部に絶縁性の封止樹脂を注
入、充填、被覆した後、前記封止樹脂を硬化する封止樹
脂充填工程とを含み、前記補強工程における前記絶縁性
樹脂の硬化は、少なくとも、前記封止樹脂充填工程にお
ける前記封止樹脂の硬化の完了より前に完了しているこ
とを特徴とする第11〜第16のいずれかの本発明の半
導体装置の実装体の製造方法である。
【0044】第18の本発明(請求項18に記載の本発
明に対応)は、前記絶縁性樹脂の弾性率が、前記封止樹
脂の弾性率以下であることを特徴とする第17の本発明
の半導体装置の実装体の製造方法である。
【0045】なお、第11〜第18のいずれかの本発明
において、前記絶縁性樹脂の硬化前の粘度が、35Pa
・s以上であることを特徴とする半導体装置の実装体の
製造方法としてもよい。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0047】まず、図6、7を用いて、以下で説明する
各実施の形態における半導体装置の実装体の全体構造を
説明する。図6は、多層の回路基板2上に半導体装置4
が複数個実装されているもの(マルチチップモジュー
ル)の断面図であり、図7は、回路基板2上に半導体装
置4が単体で実装されているもの(チップスケール(サ
イズ)パッケージ)の断面図である。図6の実装体は、
フェ−スダウンで複数の半導体装置4が多層の回路基板
2上に実装されているものである。半導体装置4と多層
の回路基板2との間隙と周辺部は、封止樹脂6によって
充填、被覆封止されている。図7の実装体は、フェ−ス
ダウンで単体の半導体装置4が回路基板2上に実装され
ている。半導体装置4と回路基板2との間隙と周辺部部
は、封止樹脂6によって充填、被覆封止されているもの
である。
【0048】以下で説明する各実施の形態における半導
体装置の実装体は、図6の実装体、図7の実装体双方に
適用可能であるが、便宜上、図7の実装体を例にとっ
て、図示等を行う。
【0049】(第1の実施の形態)まず、本発明の第1
の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0050】図1は、本発明の第1の実施の形態におけ
る半導体装置の実装体の概略断面図である。図1に示す
ように、1は端子電極、2は回路基板、3は接合層、4
は半導体装置、5は突起電極、6は封止樹脂、7は封止
樹脂中のフィラー、8は電極パッド、9は補強部、10
は補強部中のフィラー、15は補強部の広がり径、16
はランドである。
【0051】半導体装置4の素子表面上の電極パッド8
上に2段突起形状の突起電極5が形成されている。半導
体装置4はフェースダウンで回路基板2上に載置されて
おり、突起電極5の先端部と回路基板2上の端子電極1
とは、導電性接着剤からなる接合層3を介して電気的に
接続されている。半導体装置4と回路基板2との間隙に
は、絶縁性樹脂を用いた補強部9を設けている。さら
に、半導体装置4と回路基板2との間隙および周辺部
は、絶縁性の封止樹脂6により充填、被覆されている。
なお、補強部9と半導体装置4または回路基板2との接
着面は、実質的に円形をしており、その直径すなわち広
がり径15が2.2mm以下となるように、調整されて
いる。
【0052】以上のように、本実施の形態においては、
半導体装置4と回路基板2との間隙に接着面積の直径す
なわち広がり径15が2.2mm以下の絶縁性樹脂を用
いた補強部9を1カ所以上設けることにより、半導体装
置4が回路基板2に実装されたときに、補強部9にボイ
ドの発生が起こらず、それによって、半導体装置4と回
路基板2とが安定して仮固着されるため、接合層3や封
止樹脂6の硬化時における回路基板2の反りやうねりを
抑制し、接合部にかかる歪み(ストレス)を緩和させる
ことができ、このことによって封止樹脂6注入前の接続
不良を低減させ、良品歩留りを高くすることができる。
さらに、封止樹脂6注入時においても、補強部9での巻
き込みによるボイドの発生を抑え、封止樹脂6硬化後の
接続信頼性を向上させることが可能となる。
【0053】なお、図1において、突起電極5の材質と
しては、金の他、銀、銅、ニッケル、合金等を用いるこ
とができる。また、突起電極5の形状は、2段突起形状
であることが望ましいが、ストレート型、テーパー型、
マッシュルーム型であってもかまわない。
【0054】また、接合層3は導電性接着剤からなり、
その導電性接着剤の材質はエポキシ系、ポリアリルエー
テル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリイミド系
等、熱可塑性を有するか添加されたものであれば材質は
問わない。その接合層3に用いられる樹脂は、溶剤型の
熱可塑性樹脂からなることが望ましい。
【0055】また、導電性接着剤に含まれる導電粉の材
質としては、一般に用いられているものであれば何でも
良く、例えば、銀、金、パラジウム等の貴金属粉、ニッ
ケル、銅等の卑金属、半田、銀パラジウム等の合金粉、
銀メッキ銅粉等のような複合粉、さらにカーボンのよう
な導電性を有する卑金属粉等が使用できる。これらの導
電粉は単独でも2種類以上の混合でも使用可能である。
また、これら導電粉はその粒径、形状は特に限定される
ものではない。
【0056】また、補強部9の絶縁性樹脂は、シリンジ
ノズル等ポッティング供給可能なものであれば良い。補
強部9の材質は、エポキシ樹脂系の熱硬化性樹脂または
熱可塑性樹脂または光硬化性樹脂またはこれらのいずれ
かの複合樹脂等が使用可能できる。特に、熱硬化性樹脂
に熱可塑性樹脂もしくはエラストマー(弾性)成分が添
加混合された混合型樹脂、熱硬化性樹脂をゴム変性また
はシリコーン変性したもの等、可撓性を有し絶縁性で低
熱膨張で弾性率が小さいものが望ましい。また、補強部
9に含まれる充填剤はシリカ等の絶縁性で低熱膨張なも
のが望ましい。粒径は、シリンジノズル等から微量塗布
ができるよう10μm以下の微小な粉体が望ましい。充
填量は封止樹脂6の熱膨張係数を考慮して決められる。
本実施の形態においては、通常、補強部9と封止樹脂6
の熱膨張係数は30ppm前後に調整されている。
【0057】さらに、補強部9の絶縁性樹脂は、硬化前
の粘度が35Pa・s以上のものを用いることにより、
容易に、広がり径15が2.2mm以下の補強部9を形
成することができる。
【0058】封止樹脂6は、接合層3と補強部9とを含
むように半導体装置4と回路基板2との間隙と周辺部に
形成されている。図1では半導体装置4の面積が回路基
板2よりも小さいが、回路基板2の面積が半導体装置4
よりも小さくても良い。封止樹脂6は、室温程度の低温
でも半導体装置4と回路基板との間隙への注入が速やか
に行われるため、室温で低粘度で低チクソトロピー指数
またはダイラタンシー型のものが望ましい(例えば、1
0Pa・s/50rpm以下)。封止樹脂6の材質は、
一般に用いられているものであれば何でも良く、例え
ば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とノボラック
型フェノール樹脂等と充填剤を混合したものや、ポリエ
ポキシド(通常エポキシ樹脂またはエポキシ化合物)と
酸無水物樹脂(メチルテトラハイドロフタル酸無水物、
メチルヘキサハイドロフタル酸無水物等の環状脂肪族
系)と充填剤を混合したものからなるものがある。ま
た、封止樹脂6中の充填剤は粒径が50μm以下の粉体
であればかまわないが、シリカ、アルミナ等の酸化化合
物や窒化アルミ等の窒化化合物、炭化珪素系の炭化化合
物、珪化化合物等、熱的に安定で、低熱膨張率のものが
望ましい。
【0059】なお、図1では、補強部9の断面形状はつ
づみ型としているが、太鼓型をしていても良い。
【0060】なお、半導体装置4と樹脂からなる回路基
板2の組み合わせでは、補強部9の直径すなわち広がり
径15は、通常、0.5mm以上1.5mm以下の範囲
で塗布制御するものとする。
【0061】また、半導体装置4と回路基板2との間隙
寸法は、一般的な半導体装置の実装体の標準的な値であ
る65mm〜80mmの範囲としている。
【0062】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態
が上述した第1の実施の形態と異なるのは、本発明の突
起電極が回路基板側に備えられていることに関する点で
ある。したがって、本実施の形態において、第1の実施
の形態と同様の物については、同一符号を付与し、説明
を省略する。また、特に説明のないものについては、第
1の実施の形態と同じとする。
【0063】図2は、本発明の第2の実施の形態におけ
る半導体装置の実装体の概略断面図である。図2に示す
ように、1は端子電極、2は回路基板、3は接合層、4
は半導体装置、5は突起電極、6は封止樹脂、7は封止
樹脂中のフィラー、8は電極パッド、9は補強部、10
は補強部中のフィラー、15は補強部の広がり径、16
はランドである。
【0064】本実施の形態における半導体装置の実装体
では、回路基板2の端子電極1上に突起電極5が形成さ
れている。また、回路基板2の端子電極1上に形成され
た突起電極5は、2段突起形状であってもよい。突起電
極5の材質は銅、銀、金等、導電性のものであれば良
い。
【0065】以上のように、本実施の形態においては、
半導体装置4と回路基板2との間隙に接着面積の直径す
なわち広がり径15が2.2mm以下の絶縁性樹脂を用
いた補強部9を1カ所以上設けることにより、回路基板
2が半導体装置4に実装されたときに、補強部9にボイ
ドの発生が起こらず、それによって、上述した第1の実
施の形態と同様の効果が得られる。
【0066】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態
が上述した第1の実施の形態と異なるのは、本発明の突
起電極が半田接合部であることに関する点である。した
がって、本実施の形態において、第1の実施の形態と同
様の物については、同一符号を付与し、説明を省略す
る。また、特に説明のないものについては、第1の実施
の形態と同じとする。
【0067】図3は、本発明の第3の実施の形態におけ
る半導体装置の実装体の概略断面図である。図3に示す
ように、1は端子電極、2は回路基板、4は半導体装
置、6は封止樹脂、7は封止樹脂中のフィラー、8は電
極パッド、9は補強部、10は補強部中のフィラー、1
1は半田接合部、12はパッシベーション膜、13は拡
散防止金属膜、14は密着金属膜、15は補強部の広が
り径、16はランドである。
【0068】本実施の形態における半導体装置の実装体
では、半導体装置4の素子表面上の電極パッド8上にC
rなどの拡散防止金属膜13およびCu等の密着金属膜
14が形成されている。また、密着金属膜14と回路基
板2の端子電極1とは半田接合部11によって電気的に
接続されている。
【0069】以上のように、本実施の形態においては、
半導体装置4と回路基板2との間隙に接着面積の直径す
なわち広がり径15が2.2mm以下の絶縁性樹脂を用
いた補強部9を1カ所以上設けることにより、回路基板
2が半導体装置4に実装されたときに、補強部9にボイ
ドの発生が起こらず、それによって、上述した第1の実
施の形態と同様の効果が得られる。
【0070】(第4の実施の形態)次に、本発明の第4
の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態
が上述した第1の実施の形態と異なるのは、本発明の補
強部の平面的な配置が特定されていることに関する点で
ある。したがって、本実施の形態において、第1の実施
の形態と同様の物については、同一符号を付与し、説明
を省略する。また、特に説明のないものについては、第
1の実施の形態と同じとする。
【0071】図4は、本発明の第4の実施の形態におけ
る半導体装置の実装体の概略平面透過図である。図4に
示すように、1は端子電極、2は回路基板、4は半導体
装置、6は封止樹脂、9は補強部、17は接続部、18
はバイア部、19は導体パターンである。
【0072】本実施の形態における半導体装置の実装体
では、回路基板2の内層または表層に導体パターン19
が形成されている。導体パターン19は銅が一般的であ
り、その熱膨張係数は約17ppmと大きい。前記導体
パターン19上で半導体装置4と回路基板2との間隙に
補強部9が形成されている。補強部9は、半導体装置4
の素子面内でかつ、補強部9が備えられていない場合に
おいて、半導体装置4の歪みまたはストレスが大きくな
ると予想される位置に配置されている。
【0073】以上のように、本実施の形態においては、
補強部9が半導体装置4の素子面内でかつ、補強部9が
備えられていない場合において、半導体装置4の歪みま
たはストレスが大きくなると予想される位置に配置され
ていることによって、半導体装置4と回路基板2との熱
膨張係数差による接続部17に与える歪みダメージを補
強部9によって吸収・緩和させることができ、このこと
によって封止樹脂6注入前の接続不良を低減させ、良品
歩留りを高くすることができる。また、封止樹脂6の注
入、硬化後においても、接続信頼性を向上させることが
可能となる。
【0074】なお、本実施の形態における半導体装置の
実装体は、上記で説明した以外は、第1の実施の形態に
おける半導体装置の実装体に倣うものとして説明した
が、これに限るものではなく、例えば、第2または第3
の実施の形態における半導体装置の実装体に倣うもので
あってもよい。
【0075】(第5の実施の形態)次に、本発明の第5
の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態
が上述した第1の実施の形態と異なるのは、本発明の補
強部の平面的な配置が特定されていることに関する点で
ある。したがって、本実施の形態において、第1の実施
の形態と同様の物については、同一符号を付与し、説明
を省略する。また、特に説明のないものについては、第
1の実施の形態と同じとする。
【0076】図5は、本発明の第5の実施の形態におけ
る半導体装置の実装体の概略平面透過図である。図5に
示すように、1は端子電極、2は回路基板、4は半導体
装置、6は封止樹脂、9は補強部、17は接続部、18
はバイア部である。
【0077】本実施の形態における半導体装置の実装体
では、図5(a)に示すように、半導体装置4の素子面
内で端子電極1の存在しない4隅の空き領域に補強部9
が半導体装置4の中心から同一距離に均等に配置形成さ
れている。
【0078】以上のように、本実施の形態では補強部9
が半導体装置4の素子面内でかつ、中心から同一距離に
ある四隅部分に均等に配置形成されることによって、半
導体装置4と回路基板2との熱膨張係数差による接続部
17に与える歪みダメージを補強部9によって吸収・緩
和させることができ、このことによって封止樹脂6注入
前の接続不良を低減させ、良品歩留りを高くすることが
できる。また、封止樹脂6の注入、硬化後においても、
接続信頼性を向上させることが可能となる。
【0079】なお、補強部9の平面的な配置は、図5
(a)に示したものに限るものではなく、図5(b)に
示すように、半導体装置4の素子面内で端子電極1で囲
われた4隅に補強部9が半導体装置4の中心から同一距
離に均等に配置形成されてもよい。要するに、補強部
が、半導体装置の素子面内の角部に少なくとも配置され
ておれば、程度に差はあるものの、上述した効果と同様
な効果が得られる。
【0080】また、本実施の形態における半導体装置の
実装体は、上記で説明した以外は、第1の実施の形態に
おける半導体装置の実装体に倣うものとして説明した
が、これに限るものではなく、例えば、第2または第3
の実施の形態における半導体装置の実装体に倣うもので
あってもよい。
【0081】(第6の実施の形態)次に、本発明の第6
の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態
が上述した第1の実施の形態と異なるのは、本発明の補
強部の材質に関する点である。したがって、本実施の形
態において、第1の実施の形態と同様の物については、
同一符号を付与し、説明を省略する。また、特に説明の
ないものについては、第1の実施の形態と同じとする。
【0082】本実施の形態における半導体装置の実装体
について、補強部の材質以外の構成は、第1の実施の形
態における半導体装置の実装体と同じであるので、図1
を参照して説明する。
【0083】補強部9の絶縁性樹脂は、その硬化反応開
始温度が接合層3の硬化温度と同じかそれよりも低く、
かつ、補強部9の絶縁性樹脂の硬化時間が接合層3の硬
化時間より短いものとなっている。以上のように、本実
施の形態においては、補強部9の絶縁性樹脂の硬化反応
開始温度を接合層の硬化温度と同じかそれよりも低く、
補強部9の絶縁性樹脂の硬化時間が接合層3の硬化時間
より短くすることにより、補強部9を接合層と同じ温度
で硬化でき、かつ、短時間で機械的な補強を行うことが
できる。このことによって、第1の実施の形態の効果に
加え、封止樹脂6注入前の接続不良を低減させ、良品歩
留りを高くするとともに、生産性も向上させることがで
きる。また、補強部9の絶縁樹脂の硬化温度で処理し、
低温で半導体装置4と回路基板2とを安定に仮固着さ
せ、接合層を電気的に接続させ、検査することも可能と
なる。
【0084】本実施の形態における半導体装置の実装体
を製造する際、接合層3の導電性接着剤の標準硬化条件
は120℃×2hであり、補強部9の硬化反応開始温度
が110〜115℃である。また、補強部9の絶縁性樹
脂の硬化時間は1h以下である。
【0085】なお、本実施の形態における半導体装置の
実装体は、上記で説明した以外は、第1の実施の形態に
おける半導体装置の実装体に倣うものとして説明した
が、これに限るものではなく、例えば、第2〜第5の実
施の形態における半導体装置の実装体のいずれかに倣う
ものであってもよい。
【0086】(第7の実施の形態)次に、本発明の第7
の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態
が上述した第1の実施の形態と異なるのは、本発明の補
強部の材質に関する点である。したがって、本実施の形
態において、第1の実施の形態と同様の物については、
同一符号を付与し、説明を省略する。また、特に説明の
ないものについては本実施の形態における半導体装置の
実装体について、補強部の材質以外の構成は、第1の実
施の形態における半導体装置の実装体と同じであるの
で、図1を参照して説明する。
【0087】補強部9の絶縁性樹脂は、その弾性率がは
封止樹脂6の弾性率と同じかそれよりも小さいものとな
っている。
【0088】以上のように、本実施の形態においては、
補強部9の絶縁性樹脂の弾性率が封止樹脂6の弾性率と
同じかそれよりも小さいことにより、封止樹脂6の硬化
収縮力により、半導体装置4と回路基板2との間隙にあ
る補強部9と接合層3の接続状態をより安定して密着固
着されるため、接合部にかかる歪み(ストレス)を緩和
させることができる。このことによって、第1の実施の
形態の効果に加え、封止樹脂6硬化後の接続信頼性を向
上させることが可能となる。
【0089】本実施の形態において用いる封止樹脂6の
弾性率は、一般的なものの例を挙げると、約10GPa
である。
【0090】なお、本実施の形態における半導体装置の
実装体は、上記で説明した以外は、第1の実施の形態に
おける半導体装置の実装体に倣うものとして説明した
が、これに限るものではなく、例えば、第2〜第6の実
施の形態における半導体装置の実装体のいずれかに倣う
ものであってもよい。
【0091】(第8の実施の形態)次に、本発明の第8
の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態
が上述した第1の実施の形態と異なるのは、本発明の補
強部の材質に関する点である。したがって、本実施の形
態において、第1の実施の形態と同様の物については、
同一符号を付与し、説明を省略する。また、特に説明の
ないものについては、第1の実施の形態と同じとする。
【0092】本実施の形態における半導体装置の実装体
について、補強部の材質以外の構成は、第1の実施の形
態における半導体装置の実装体と同じであるので、図1
を参照して説明する。
【0093】補強部9の絶縁性樹脂は、ゴム成分(エラ
ストマー)を含む複合樹脂からなっている。
【0094】以上のように、本実施の形態においては、
補強部9の絶縁性樹脂がゴム成分(エラストマー)を含
む複合樹脂からなることにより、半導体装置4と回路基
板2とが接続固着された際に、ゴム成分(エラストマ
ー)の弾性が接合部にかかる歪み(ストレス)を緩和さ
せることができ、また、封止樹脂6が硬化の際に硬化収
縮させることができる。これによって、第1の実施の形
態の効果に加え、半導体装置4と回路基板2とをより密
接に接続させ、封止樹脂6の硬化後の接続信頼性を向上
させることが可能となる。
【0095】本実施の形態において用いるゴム成分(エ
ラストマー)の一般的なものとしては、加硫ゴムと熱可
塑性エラストマーで、弾性率は約10の6乗から7乗P
aのものである。
【0096】なお、本実施の形態における半導体装置の
実装体は、上記で説明した以外は、第1の実施の形態に
おける半導体装置の実装体に倣うものとして説明した
が、これに限るものではなく、例えば、第2〜第7の実
施の形態における半導体装置の実装体のいずれかに倣う
ものであってもよい。
【0097】(第9の実施の形態)次に、本発明の第9
の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0098】図8〜図14は、本発明の第9の実施の形
態における半導体装置の実装体の製造方法の工程を示す
概略断面図である。図8〜図14において、1は端子電
極、2は回路基板、3は接合層、4は半導体装置、5は
突起電極、6は封止樹脂、7は封止樹脂中のフィラー、
8は電極パッド、9は補強部、10は補強部中のフィラ
ー、15は広がり径、16はランド、20は接着シー
ト、21は基板固定治具である。
【0099】以上のように構成された半導体装置の実装
体の製造方法について、その工程にしたがって、図8、
図9、図10、図11、図12、図13、図14の順に
説明する。
【0100】まず、図8は、突起電極形成工程を示す概
略断面図である。図8に示すように、半導体装置4の複
数の電極パッド8の各々に突起電極5を形成する。この
とき、突起電極5は2段突起形状または凸状をしている
ことが望ましいがストレート型であってもよい。突起電
極5は公知のフォトエッチング法やメッキ法やボールボ
ンディング法により形成することができ、材質としては
金の他、ニッケル、銅等を用いることができる。図8に
示すように、2段突起形状の突起電極を使用することに
より、図12のように接合層に導電性接着剤を使用する
際において、接合層の横方向への広がりを抑制すること
ができるため、実装密度の大幅な向上を図ることができ
る。なお、突起電極5は所定の高さにレベリングされて
も良い。
【0101】なお、本実施の形態においては、半導体装
置4の電極パッド8上に突起電極5が形成されていると
したが、回路基板2の端子電極1上に突起電極5が形成
されていても良い。
【0102】図9は、回路基板保持工程を示す概略断面
図である。ガラスやセラミックまたはSUSでできた平
坦な基板固定治具21上に剥離タイプの接着シート20
を貼り付け、その上に、反りやうねりのある回路基板2
を貼付け平坦化する。それによって、回路基板2への半
導体装置4の実装部分10mm□の反りは約10μm以
下に抑えられる。ただし、半導体装置4の大きさは10
mm□のものを使用する。接着シート20はエポキシが
主成分のものを使用する。また、反りやうねりのある回
路基板2を上記の平坦な基板固定治具21と平坦な基板
抑え治具とで挟めて平坦化しても良い。前記基板抑え治
具の半導体装置4の実装部分は半導体装置4が搭載でき
るよう、窓がくり抜かれている。
【0103】なお、本回路基板保持工程においては、上
述したような基板固定治具の使用に限定されるものでは
なく、単純に吸着穴または溝を設けた平坦な治具で回路
基板2を吸着し、平坦に保持する方法を用いてもよい。
【0104】図10は、接続層形成工程を示す概略断面
図である。半導体装置4の突起電極5の形成側を下方に
向けた状態で、接合層3として導電性接着剤の転写膜に
下降させ、突起電極5を導電性接着剤中に浸漬した後、
半導体装置4を上方に引き上げ、各突起電極5の先端付
近に接合層3である導電性接着剤を一括して転写形成す
る。
【0105】図11は、補強部形成工程を示す概略断面
図である。後述する補強工程後に、補強部9の回路基板
2との接着面積および半導体装置4との接着面積が、補
強部1カ所あたりそれぞれ、実質的に直径が2.2mm
の円の面積以下となるように、回路基板2上に絶縁性樹
脂を用いた補強部9を形成する。補強部9はシリンジノ
ズル等ポッティング供給可能なもので形成される。ノズ
ル内径0.33〜0.19mmのものを使用することに
よって、容易に上記接着面の条件を満たすように補強部
9を形成することができる。
【0106】また、補強部9用の絶縁性樹脂は、硬化前
の粘度が35Pa・s以上のものを用いることにより、
容易に上記接着面の条件を満たすように補強部9を形成
することができる。
【0107】なお、補強部9を半導体装置4側に形成す
るとしても良い。
【0108】図8および図10の工程と、図9および図
11の工程とは、互いに独立した工程であり、必ずしも
図番の順に行う必要はない。要するに、図12で示す工
程の前に、図10および図11の工程が完了しておりさ
えすればよい。
【0109】図12は、仮止め工程、接続工程、補強工
程および接合層硬化工程を示す概略断面図である。半導
体装置4を位置合わせした後にフェースダウンで回路基
板2に搭載し、接合層3によって半導体装置4の突起電
極5と回路基板2の端子電極1とを接続すると同時に半
導体装置4と回路基板2とを仮接着保持させるその後、
接合層3を硬化すると同時に補強部9の絶縁性樹脂も硬
化させ、半導体装置4と回路基板2とを補強固定する。
半導体装置4を回路基板2に載置されるときは室温で行
われる。半導体装置4を回路基板2へ載置するときの荷
重は突起電極一つ当たり約1g程度で十分である。
【0110】導電性接着剤を用いた接合層3の硬化条件
は120℃×2hとする。この硬化条件で硬化された後
の接続抵抗値の値は、補強部9無しのときよりも安定し
ており、補強部9の硬化により、接続部がより安定して
仮固着されたと考えられる。これにより、封止樹脂注入
前の接続不良を低減させ、歩留りを高くすることができ
る。また、封止樹脂注入前の検査が行いやすくなる。
【0111】また、補強部9と接合層3の両方の硬化温
度よりも高い温度で硬化してもよい。例えば、150℃
×15〜20minである。これによって、硬化時間が
短縮化され、生産性を向上させることができる。
【0112】図13は、封止樹脂充填工程を示す概略断
面図である。半導体装置4と回路基板2との間隙と周辺
部に絶縁性の封止樹脂を注入、充填、被覆した後、前記
封止樹脂6を硬化する。本実施の形態においては、例え
ば、回路基板2に樹脂基板を使用し、封止樹脂6の注入
温度は45℃とする。そのときの、封止樹脂6の硬化条
件は、120℃×2h+150℃×2hとする。
【0113】図14は、回路基板保持解除工程を示す概
略断面図である。平坦化に保持された回路基板2を取り
外すものである。半導体装置4の実装体は、接着シート
20を約150℃に加熱し、接着シートを軟化させたの
ち、簡単に取り外すことができる。
【0114】以上のように、本実施の形態においては、
補強工程後に、補強部9の回路基板2との接着面積およ
び半導体装置4との接着面積が、補強部1カ所あたりそ
れぞれ、実質的に直径が2.2mmの円の面積以下とな
るように、絶縁性樹脂を用いた補強部9を形成すること
により、半導体装置4が回路基板2に実装されたとき
に、補強部9にボイドの発生が起こらず、半導体装置4
と回路基板2とが安定して仮固着されるため、接合層3
や封止樹脂6の硬化時における回路基板2の反りやうね
りを抑制し、接合部にかかる歪み(ストレス)を緩和さ
せることができ、このことによって封止樹脂6注入前の
接続不良を低減させ、良品歩留りを高くすることができ
る。さらに、封止樹脂6注入時においても、補強部9で
の巻き込みによるボイドの発生を抑え、封止樹脂6硬化
後の接続信頼性を向上させることが可能となる。
【0115】なお、半導体装置4と樹脂からなる回路基
板2の組み合わせでは、補強部9の直径すなわち広がり
径15は、通常、0.5mm以上1.5mm以下の範囲
で塗布制御するものとする。
【0116】また、半導体装置4と回路基板2との間隙
寸法は、一般的な半導体装置の実装体の標準的な値であ
る65mm〜80mmの範囲としている。
【0117】なお、本実施の形態における半導体装置の
実装体の製造方法は、上述した全ての工程を含むもので
あるとして説明したが、これに限るものではなく、少な
くとも、本発明の補強部形成工程と、仮止め工程と、補
強工程と、接続工程とを含むものであればよい。
【0118】(第10の実施の形態)次に、本発明の第
10の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の
形態が上述した第9の実施の形態と異なるのは、本発明
の突起電極が半田接合部であり、本発明の接合層に係る
工程を含んでいないことに関する点である。したがっ
て、本実施の形態において、第9の実施の形態と同様の
物については、同一符号を付与し、説明を省略する。ま
た、特に説明のないものについては、第9の実施の形態
と同じとする。
【0119】図15〜図20は、本発明の第10の実施
の形態における半導体装置の実装体の製造方法の工程を
示す概略断面図である。図15〜図20において、1は
端子電極、2は回路基板、4は半導体装置、5は突起電
極、6は封止樹脂、7は封止樹脂中のフィラー、8は電
極パッド、9は補強部、10は補強部中のフィラー、1
1は半田接合部、12はパッシベーション膜、13は拡
散防止金属膜、14は密着金属膜、15は広がり径、1
6はランド、20は接着シート、21は基板固定治具で
ある。
【0120】以上のように構成された半導体装置の実装
体の製造方法について、その工程にしたがって、図1
5、図16、図17、図18、図19、図20の順に説
明する。
【0121】まず、図15は、突起電極形成工程を示す
概略断面図である。半導体装置4の複数の電極パッド8
上にCrなどの拡散防止金属膜13およびCu等の密着
金属膜14を蒸着により形成する。その後、電極部以外
をフォトレジストで覆い、メッキ法により密着金属膜1
4上に数μm〜数十μmの半田を析出させ、半田リフロ
ーすることにより半球状の半田の突起電極5を形成す
る。
【0122】図16は、回路基板保持工程を示す概略断
面図である。本工程については、上述した第9の実施の
形態の回路基板保持工程と同じである。
【0123】図17は、補強部形成工程を示す概略断面
図である。本工程についても、上述した第9の実施の形
態の補強部形成工程と同じである。
【0124】図18は、仮止め工程、補強工程および接
続工程を示す概略断面図である。半導体装置4を位置合
わせした後に回路基板2に搭載し、半導体装置4または
回路基板2を加熱させることによって、突起電極5を溶
融させ、半導体装置4の突起電極5と回路基板2の端子
電極1とを接続すると同時に補強部9の絶縁性樹脂も硬
化させ、半導体装置4と回路基板2とを補強固定する。
半田の突起電極の溶融温度は、通常、200〜300℃
に設定する。
【0125】図19は、封止樹脂充填工程を示す概略断
面図である。本工程についても、上述した第9の実施の
形態の封止樹脂充填工程と同じである。
【0126】図20は、回路基板保持解除工程を示す概
略断面図である。本工程についても、上述した第9の実
施の形態の回路基板保持解除工程と同じである。
【0127】以上のように、本実施の形態においては、
補強工程後に、補強部9の回路基板2との接着面積およ
び半導体装置4との接着面積が、補強部1カ所あたりそ
れぞれ、実質的に直径が2.2mmの円の面積以下とな
るように、絶縁性樹脂を用いた補強部9を形成すること
により、半導体装置4が回路基板2に実装されたとき
に、補強部9にボイドの発生が起こらず、半導体装置4
と回路基板2とが安定して仮固着されるため、接合層3
や封止樹脂6の硬化時における回路基板2の反りやうね
りを抑制し、接合部にかかる歪み(ストレス)を緩和さ
せることができ、このことによって封止樹脂6注入前の
接続不良を低減させ、良品歩留りを高くすることができ
る。さらに、封止樹脂6注入時においても、補強部9で
の巻き込みによるボイドの発生を抑え、封止樹脂6硬化
後の接続信頼性を向上させることが可能となる。
【0128】なお、本実施の形態における半導体装置の
実装体の製造方法は、上述した全ての工程を含むもので
あるとして説明したが、これに限るものではなく、少な
くとも、本発明の補強部形成工程と、仮止め工程と、補
強工程と、接続工程とを含むものであればよい。
【0129】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0130】以下に述べる実施例1〜4は、第9の実施
の形態における半導体装置の実装体の製造方法にしたが
って製造された、補強部の接着面の直径が1〜2.2m
mの円である半導体装置の実装体であり、比較例1〜3
は、同様の製造方法にしたがって製造された、補強部の
接着面の直径が2.7〜4.8mmの円である半導体装
置の実装体である。
【0131】すなわち、図8〜図14で示された工程に
したがって、長さ10mm×幅10mm×厚さ0.4m
mの半導体装置4をフェースダウンで、長さ11mm×
幅11mm×厚さ0.15mmの回路基板2に実装した
ものである。なお、半導体装置4は、268個の突起電
極5を有しており、これら全てを回路基板2の各端子電
極1と接続した。また、補強部9は、回路基板2の中央
位置に1個形成した。また、実装体完成後の半導体装置
4と回路基板2との間隙寸法は、0.075mmとなる
ようにした。
【0132】図28は、実施例1(補強部の接着面の直
径;1mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真である。図28に
おいて、格子状に配置された小円部は、回路基板のバイ
ア部(バイア径;0.4mm)であり、中央部付近のバ
イア部の一つに重なっている、周辺部よりやや色の濃い
円状の部分が、補強部である。補強部以外の部分は充填
された封止樹脂である。本実施例においては、補強部内
および封止樹脂内にボイドの発生は認められない。
【0133】図29は、実施例2(補強部の接着面の直
径;1.6mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強
部の位置で水平に切断したものの拡大写真である。図2
9において、格子状に配置された小円部は、回路基板の
バイア部であり、中央部付近のバイア部二つに重なって
いる、周辺部よりやや色の濃い円状の部分が、補強部で
ある。補強部以外の部分は充填された封止樹脂である。
本実施例においても補強部内および封止樹脂内にボイド
の発生は認められない。
【0134】図30は、実施例3(補強部の接着面の直
径;1.9mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強
部の位置で水平に切断したものの拡大写真である。図3
0において、格子状に配置された小円部は、回路基板の
バイア部であり、中央部付近のバイア部四つに重なって
いる、周辺部よりやや色の濃い円状の部分が、補強部で
ある。補強部以外の部分は充填された封止樹脂である。
本実施例においても補強部内および封止樹脂内にボイド
の発生は認められない。
【0135】図31は、実施例4(補強部の接着面の直
径;2.2mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強
部の位置で水平に切断したものの拡大写真である。図3
1において、格子状に配置された小円部は、回路基板の
バイア部であり、中央部付近のバイア部九つに重なって
いる、周辺部よりやや色の濃い円状の部分が、補強部で
ある。補強部以外の部分は充填された封止樹脂である。
本実施例においても補強部内および封止樹脂内にボイド
の発生は認められない。
【0136】図32は、比較例1(補強部の接着面の直
径;2.7mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強
部の位置で水平に切断したものの拡大写真である。図3
2において、格子状に配置された小円部は、回路基板の
バイア部であり、中央部付近のバイア部の11個に重な
っている、周辺部よりやや色の濃い円状の部分が、補強
部である。補強部以外の部分は充填された封止樹脂であ
る。本比較例においては、補強部内にボイドの発生が認
められる。
【0137】図33は、比較例2(補強部の接着面の直
径;4.8mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強
部の位置で水平に切断したものの拡大写真である。図3
3において、格子状に配置された小円部は、回路基板の
バイア部であり、中央部付近のバイア部の28個に重な
っている、周辺部よりやや色の濃い円状の部分が、補強
部である。補強部以外の部分は充填された封止樹脂であ
る。本比較例においても、補強部内にボイドの発生が認
められる。
【0138】図34、図35は、比較例3(補強部の接
着面の直径;2.8mm)の半導体装置の実装体を完成
後に補強部の位置で水平に切断したものの拡大写真であ
り、図28〜図33に比べて倍率を上げて拡大したもの
である。図34、図35において、格子状に配置された
小円部は、回路基板のバイア部であり、中央部から上部
にかけての、周辺部よりやや色の濃い部分が、補強部で
ある。補強部以外の部分は充填された封止樹脂である。
本比較例においては、補強部内のみならず、封止樹脂内
(補強部に隣接した部分)にもボイドの発生が認められ
る。比較のため、実施例2(補強部の接着面の直径;
1.6mm)を同倍率で拡大したものを図36に示す。
拡大してみても、本実施例においては、補強部内および
封止樹脂内にボイドの発生は認められない。
【0139】以上により、補強部の回路基板との接着面
積および半導体装置との接着面積が、前記補強部一つあ
たりそれぞれ、実質的に直径が2.2mmの円の面積以
下であれば、半導体装置が回路基板に実装されたとき
に、補強部にボイドの発生が起こらず、封止樹脂注入時
においても、補強部での巻き込みによるボイドを発生を
抑えれることが確認された。
【0140】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明は、熱膨張係数の大きい回路基板や厚みの薄
い回路基板、または平坦性の悪い(反りやうねりの大き
い)回路基板へ半導体装置をフェースダウンで接続する
場合において、封止樹脂注入前の接続不良を低減させ、
また、封止樹脂注入硬化後の接続信頼性を向上させるこ
とが可能で、歩留りの高い半導体装置の実装体とその製
造方法を提供することができる。すなわち、半導体装置
が回路基板に実装されたときに、補強部にボイドの発生
が起こらず、それによって、半導体装置と回路基板とが
安定して仮固着されるため、接合層や封止樹脂の硬化時
における回路基板の反りやうねりを抑制し、接合部にか
かる歪み(ストレス)を緩和させることができ、このこ
とによって封止樹脂注入前の接続不良を低減させ、良品
歩留りを高くすることができる。さらに、封止樹脂注入
時においても、補強部での巻き込みによるボイドを発生
を抑え、封止樹脂硬化後の接続信頼性を向上させること
ができる。
【0141】請求項9の本発明は、回路基板面の部分的
に熱膨張係数が大きい箇所における歪み(ストレス)を
緩和、吸収することができる。
【0142】請求項10の本発明は、半導体装置の4隅
部分にかかる歪み(ストレス)を緩和、吸収することが
でき、半導体装置のサイズが大きくなればよりこの効果
は大きくなり、半導体装置の4隅部分の接続信頼性を向
上させることができる。
【0143】請求項5、14の本発明は、補強部を接合
層と同じ温度で硬化でき、かつ、短時間で硬化させるこ
とができる。
【0144】請求項6、15の本発明は、補強部の絶縁
性樹脂の硬化収縮力が接合層の硬化収縮力よりも大きく
することにより、接合層の電気的な接続を良好かつ安定
にし、また、半導体装置と回路基板とを機械的に保持す
ることができる。
【0145】請求項8、18の本発明は、補強部の絶縁
性樹脂が硬化した後に封止樹脂を注入し硬化した際に、
補強部の絶縁性樹脂の弾性率が封止樹脂の弾性率よりも
小さいため、歪み(ストレス)が生じたときに緩和、吸
収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における半導体装置
の実装体の概略断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態における半導体装置
の実装体の概略断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態における半導体装置
の実装体の概略断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態における半導体装置
の実装体の概略平面透過図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態における半導体装置
の実装体の概略平面透過図である。
【図6】多層の回路基板上に半導体装置が複数個実装さ
れているもの(マルチチップモジュール)の概略断面図
である。
【図7】回路基板上に半導体装置が単体で実装されてい
るもの(チップスケールパッケージまたはチップサイズ
パッケージ)の概略断面図である。
【図8】本発明の第9の実施の形態における半導体装置
の実装体の製造方法の突起電極形成工程を示す概略断面
図である。
【図9】本発明の第9の実施の形態における半導体装置
の実装体の製造方法の回路基板保持工程を示す概略断面
図である。
【図10】本発明の第9の実施の形態における半導体装
置の実装体の製造方法の接続層形成工程を示す概略断面
図である。
【図11】本発明の第9の実施の形態における半導体装
置の実装体の製造方法の補強部形成工程を示す概略断面
図である。
【図12】本発明の第9の実施の形態における半導体装
置の実装体の製造方法の仮止め工程、接続工程、補強工
程および接合層硬化工程を示す概略断面図である。
【図13】本発明の第9の実施の形態における半導体装
置の実装体の製造方法の封止樹脂充填工程を示す概略断
面図である。
【図14】本発明の第9の実施の形態における半導体装
置の実装体の製造方法の回路基板保持解除工程を示す概
略断面図である。
【図15】本発明の第10の実施の形態における半導体
装置の実装体の製造方法の突起電極形成工程を示す概略
断面図である。
【図16】本発明の第10の実施の形態における半導体
装置の実装体の製造方法の回路基板保持工程を示す概略
断面図である。
【図17】本発明の第10の実施の形態における半導体
装置の実装体の製造方法の補強部形成工程を示す概略断
面図である。
【図18】本発明の第10の実施の形態における半導体
装置の実装体の製造方法の仮止め工程、補強工程および
接続工程を示す概略断面図である。
【図19】本発明の第10の実施の形態における半導体
装置の実装体の製造方法の封止樹脂充填工程を示す概略
断面図である。
【図20】本発明の第10の実施の形態における半導体
装置の実装体の製造方法の回路基板保持解除工程を示す
概略断面図である。
【図21】従来の半田接合層を有する半導体装置の実装
体の概略断面図である。
【図22】従来の半田接合層を有する半導体装置の製造
方法の突起電極形成工程を示す概略断面図である。
【図23】従来の半田接合層を有する半導体装置の製造
方法の載置工程を示す概略断面図である。
【図24】従来の半田接合層を有する半導体装置の製造
方法の接続工程を示す概略断面図である。
【図25】従来の半田接合層を有する半導体装置の製造
方法の封止樹脂充填工程を示す概略断面図である。
【図26】補強部を備えた従来の半導体装置の実装体の
概略断面図である。
【図27】補強部を備えた従来の半導体装置の実装体の
概略平面透過図である。
【図28】本発明の実施例1(補強部の接着面の直径;
1mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の位置
で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプレイ
上に表示した中間調画像をプリンターから出力したもの
であり、図面に代わる写真である。
【図29】本発明の実施例2(補強部の接着面の直径;
1.6mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプ
レイ上に表示した中間調画像をプリンターから出力した
ものであり、図面に代わる写真である。
【図30】本発明の実施例3(補強部の接着面の直径;
1.9mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプ
レイ上に表示した中間調画像をプリンターから出力した
ものであり、図面に代わる写真である。
【図31】本発明の実施例4(補強部の接着面の直径;
2.2mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプ
レイ上に表示した中間調画像をプリンターから出力した
ものであり、図面に代わる写真である。
【図32】本発明の比較例1(補強部の接着面の直径;
2.7mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプ
レイ上に表示した中間調画像をプリンターから出力した
ものであり、図面に代わる写真である。
【図33】本発明の比較例2(補強部の接着面の直径;
4.8mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプ
レイ上に表示した中間調画像をプリンターから出力した
ものであり、図面に代わる写真である。
【図34】本発明の比較例3(補強部の接着面の直径;
2.8mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプ
レイ上に表示した中間調画像をプリンターから出力した
ものであり、図面に代わる写真である。
【図35】本発明の比較例3(補強部の接着面の直径;
2.8mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプ
レイ上に表示した中間調画像をプリンターから出力した
ものであり、図面に代わる写真である。
【図36】本発明の実施例2(補強部の接着面の直径;
1.6mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプ
レイ上に表示した中間調画像をプリンターから出力した
ものであり、図面に代わる写真である。
【符号の説明】
1 端子電極 2 回路基板 3 接合層 4 半導体装置 5 突起電極 6 封止樹脂 7 封止樹脂中のフィラー 8 電極パッド 9 補強部 10 補強部中のフィラー 11 半田接合部 12 パッシベーション膜 13 拡散防止金属膜 14 密着金属膜 15 広がり径 16 ランド 17 接続部 18 バイア部 19 導体パターン 20 接着シート 21 基板固定治具 22 ボイド
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 半導体装置の実装体の製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項】 半導体装置をフェースダウンで回路基板
に実装する半導体装置の実装体の製造方法において、前
記回路基板を平坦に保持する回路基板保持工程と、前記
回路基板または前記半導体装置の少なくとも一方に絶縁
性樹脂からなる補強部を少なくとも1カ所形成する補強
部形成工程と、前記補強部形成工程の後、前記半導体装
置を位置合わせした後に前記回路基板に搭載し、前記半
導体装置と前記回路基板とを前記補強部によって接着保
持させる仮止め工程と、前記仮止め工程の後、前記補強
部の前記絶縁性樹脂を硬化させる補強工程と、前記仮止
め工程または前記補強工程と同時、またはこれらの後
に、前記半導体装置の電極パッドと前記回路基板の端子
電極とを電気的に接続する接続工程と、前記回路基板保
持工程において平坦に保持された前記回路基板の保持を
解除する回路基板保持解除工程とを含み、前記補強部形
成工程においては、前記補強工程後の前記補強部の前記
回路基板との接着面積および前記半導体装置との接着面
積が、前記補強部1カ所あたりそれぞれ、実質的に直径
が2.2mmの円の面積以下となるように、前記補強部
を形成することを特徴とする半導体装置の実装体の製造
方法。
【請求項】 前記半導体装置の電極パッド上または前
記回路基板の端子電極上に突起電極を形成する突起電極
形成工程と、前記突起電極形成工程の後、前記突起電極
の先端付近に接合層を形成する接合層形成工程とを、前
記仮止め工程の前に含み、前記補強工程と同時に、前記
接合層を硬化させる接合層硬化工程を含み、前記接続工
程は、前記仮止め工程と同時に、前記突起電極と前記接
合層とを介して、前記半導体装置の電極パッドと前記回
路基板の端子電極とを電気的に接続する工程であること
を特徴とする請求項に記載の半導体装置の実装体の製
造方法。
【請求項】 前記半導体装置の電極パッド上または前
記回路基板の端子電極上突起電極を形成する突起電極形
成工程を、前記仮止め工程の前に含み、前記接続工程
は、前記補強工程と同時に、前記半導体装置または前記
回路基板を加熱し、前記突起電極を溶融させることによ
って、前記突起電極を介して、前記半導体装置の電極パ
ッドと前記回路基板の端子電極とを電気的に接続する工
程であることを特徴とする請求項に記載の半導体装置
の実装体の製造方法。
【請求項】 前記絶縁性樹脂の硬化反応開始温度は、
前記接合層の硬化温度以下であること、および/また
は、前記絶縁性樹脂の硬化時間は、前記接合層の硬化時
間より短いものであることを特徴とする請求項に記載
の半導体装置の実装体の製造方法。
【請求項】 前記絶縁性樹脂は、その硬化収縮力が前
記接合層の硬化収縮力よりも大きいものであることを特
徴とする請求項またはに記載の半導体装置の実装体
の製造方法。
【請求項】 前記接続工程の後、前記半導体装置と前
記回路基板との間隙と周辺部に絶縁性の封止樹脂を注
入、充填、被覆した後、前記封止樹脂を硬化する封止樹
脂充填工程とを含み、前記補強工程における前記絶縁性
樹脂の硬化は、少なくとも、前記封止樹脂充填工程にお
ける前記封止樹脂の硬化の完了より前に完了しているこ
とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の半導体
装置の実装体の製造方法。
【請求項】 前記絶縁性樹脂の弾性率は、前記封止樹
脂の弾性率以下であることを特徴とする請求項に記載
の半導体装置の実装体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置をフェ
ースダウンで回路基板に実装する際の半導体装置の実装
体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化や薄型化などに
伴い、LSIチップの高速化、高集積化、多ピン化と同
時に、LSIチップを高密度に回路基板に実装するため
の高密度実装技術が進んできている。そのため、LSI
チップのパッケージもさまざまな形状や構造が提案され
ている(日経エレクトロニクス1993年8−2号N
o.587掲載『LSIパッケージ最前線高密度実装を
後押し』P93〜99)。フェ−スダウンによる実装構
造もそのうちの一つである。
【0003】半導体装置を回路基板に接続するに際し、
あらかじめ半導体装置の電極パッド上に密着金属や拡散
防止金属の蒸着膜とこの上にメッキにより形成した半田
層とからなる電極構造を有する半導体装置を下向き(フ
ェースダウン)にして、高温に加熱して半田を回路基板
の端子電極に融着する実装構造が、接続後の機械的強度
が強く、接続が一括にできることなどから有効な方法で
あるとされている(例えば、工業調査会、1980年1
月15日発行、日本マイクロエレクトロニクス協会編、
『IC化実装技術』)。
【0004】以下、図面を参照しながら、上述した従来
の半導体装置の実装体とその製造方法の一例について説
明する。
【0005】図21は従来のフェースダウンで実装され
た半導体装置の実装体の概略断面図である。また、図2
2〜図25は従来の半導体装置の実装体の製造工程毎に
おける概略断面図である。
【0006】図21〜図25において、1は端子電極、
2は回路基板、4は半導体装置、、5は突起電極6は封
止樹脂、7は封止樹脂中のフィラー、8は電極パッド、
11は半田接合部、12はパッシベーション膜、13は
拡散防止金属膜、14は密着金属膜である。
【0007】以上のように構成された従来のフェースダ
ウンで実装された半導体装置の実装体とその製造方法に
ついて、その工程にしたがって、図22、図23、図2
4、図25の順にその概略を説明する。
【0008】図22は、突起電極形成工程を示す概略断
面図である。まず、半導体装置4の電極パッド8上にC
rなどの拡散防止金属膜13およびCu等の密着金属膜
14を蒸着により形成する。その後、電極部以外をフォ
トレジストで覆い、メッキ法により密着金属膜14上に
数μm〜数十μmの半田を析出させ突起電極5を形成す
る。また、半田リフローすることにより球状の突起電極
を形成することもできる。
【0009】図23は、載置工程を示す概略断面図であ
る。図22において形成した突起電極5を有する半導体
装置を、回路基板2上の端子電極1の所定の位置に位置
合わせを行ってフェースダウンで載置する。
【0010】図24は、接続工程を示す概略断面図であ
る。200〜300℃の高温に加熱して突起電極5を溶
融し、回路基板2上の端子電極1に融着することによっ
て、半導体装置4の電極パッド8は、回路基板2の端子
電極1と半田接合部11を介して電気的に接続される。
【0011】図25は、封止樹脂充填工程を示す概略断
面図である。半導体装置4と回路基板2との間隙と周辺
部に絶縁性の封止樹脂6を充填、被覆することで、図2
1のような半導体装置の実装体を得るものである。
【0012】なお、最近では半導体装置の電極パッド上
に形成したAu突起電極を導電性接着剤を介して回路基
板の端子電極に接続する実装体も考案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような半導体装置の実装体とその製造方法においては、
以下のような課題を有している。
【0014】まず、第一の課題は、高温に加熱して半田
を溶融して端子電極と接続しているため、熱膨張係数の
大きい回路基板または厚みの薄い回路基板を用いると、
高温下において回路基板が変形し、反りやうねりが生
じ、室温に戻ったときに、接合部に歪み(ストレス)が
発生することである。
【0015】次に、第二の課題は、半田によって接続し
ているために、長期間の高温または熱サイクル(衝撃)
にさらされると、半田接合部が疲労し、もろくなる恐れ
があるということである。
【0016】上記課題を解決する方法として、特開平0
9−321082号公報および特開平10−79571
号公報に記載の半導体装置の実装体およびその製造方法
が提案されている。図26は、特開平09−32108
2号公報に記載の半導体装置の実装体の一例の概略断面
図である。図26に示すように、1は端子電極、2は回
路基板、3は接合層、4は半導体装置、5は突起電極、
6は封止樹脂、7は封止樹脂中のフィラー、8は電極パ
ッド、9は補強部、10は補強部中のフィラー、15は
補強部の広がり径、16はランドである。半導体装置4
の素子表面上の電極パッド8上に2段突起形状の突起電
極5が形成されている。半導体装置4はフェースダウン
で回路基板2上に載置されており、突起電極5の先端部
と回路基板2上の端子電極1とは、導電性接着剤からな
る接合層3を用いて電気的に接続されている。半導体装
置4と回路基板2との間隙には、絶縁性樹脂を用いた補
強部9を設けている。さらに、半導体装置4と回路基板
2との間隙と周辺部に絶縁性の封止樹脂6を充填、被覆
することで半導体装置の実装体を形成している。
【0017】本半導体装置の実装体は、補強部9を備え
ていることにより、半導体装置4の突起電極5と回路基
板2の端子電極1との電気的な接続を機械的に補強する
ことによって、上述した課題を解決しようとするもので
ある。しかし、本半導体装置の実装体においては、以下
に説明するような課題が生じている。
【0018】図27は、上述した半導体装置の実装体の
概略平面透過図である。図27に示すように、1は端子
電極、2は回路基板、4は半導体装置、6は封止樹脂、
9は補強部、15は補強部の広がり径、17は接続部、
18はバイア部、22はボイドである。半導体装置4は
フェースダウンで回路基板2上に載置されており、接続
部17(図26の接合層3の部分に相当する)で電気的
に接続されている。また、半導体装置4と回路基板2と
の間隙には、絶縁性樹脂を用いた補強部9を設けてい
る。さらに、半導体装置4と回路基板2との間隙と周辺
部に絶縁性の封止樹脂6を充填、被覆することで半導体
装置の実装体を得ようとしているものである。しかし、
この場合、半導体装置4が回路基板2にフェースダウン
で載置されたときに、補強部9内に巻き込みによるボイ
ド22が発生しやすいことが確認されている。巻き込ま
れたボイド22は半導体装置4の搭載時の圧力により、
周辺に広がる。また、補強部9がボイド22を含んでい
るため、封止樹脂6注入前の接続が不安定である。ま
た、封止樹脂6の注入時においても、補強部9での巻き
込みによるボイド22が、封止樹脂の封入方向に対して
補強部9の下流側に発生してしまい、封止樹脂6硬化後
に接続信頼性を低下させ、当該実装体の性能のばらつき
を助長させることになってしまう。したがって、所定の
性能を満足する実装体を得るためには、品質管理工程を
強化する必要があり、製品としての歩留りも悪くなり、
その結果、製造コストの上昇を招いていた。
【0019】本発明は、従来の半導体装置の実装体とそ
の製造方法が有する上述した課題を考慮し、熱膨張係数
の大きい回路基板や厚みの薄い回路基板、または平坦性
の悪い(反りやうねりの大きい)回路基板へ半導体装置
をフェースダウンで接続する場合において、封止樹脂注
入前の接続不良を低減させ、また、封止樹脂注入硬化後
の接続信頼性を向上させることが可能で、歩留りの高い
半導体装置の実装体の製造方法を提供することを目的と
するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
には、絶縁性樹脂を用いた補強部を備えた場合におい
て、半導体装置が回路基板にフェースダウンで載置され
たときに、補強部内にボイドが発生しないようにするこ
とである。ボイド発生に影響を及ぼす諸要因(例えば、
絶縁性樹脂の温度、粘着性等)について検討を重ねた結
果、補強部の回路基板との接着面積および補強部の半導
体装置との接着面積が、ボイド発生を左右する要因であ
り、接着面積が所定の面積(直径2.2mmの円の面
積)より小さい場合にはボイドが発生しないことが確認
された。
【0021】すなわち、上記課題を解決するために、第
の本発明(請求項に記載の本発明に対応)は、半導
体装置をフェースダウンで回路基板に実装する半導体装
置の実装体の製造方法において、前記回路基板を平坦に
保持する回路基板保持工程と、前記回路基板または前記
半導体装置の少なくとも一方に絶縁性樹脂からなる補強
部を少なくとも1カ所形成する補強部形成工程と、前記
補強部形成工程の後、前記半導体装置を位置合わせした
後に前記回路基板に搭載し、前記半導体装置と前記回路
基板とを前記補強部によって接着保持させる仮止め工程
と、前記仮止め工程の後、前記補強部の前記絶縁性樹脂
を硬化させる補強工程と、前記仮止め工程または前記補
強工程と同時、またはこれらの後に、前記半導体装置の
電極パッドと前記回路基板の端子電極とを電気的に接続
する接続工程と、前記回路基板保持工程において平坦に
保持された前記回路基板の保持を解除する回路基板保持
解除工程とを含み、前記補強部形成工程においては、前
記補強工程後の前記補強部の前記回路基板との接着面積
および前記半導体装置との接着面積が、前記補強部1カ
所あたりそれぞれ、実質的に直径が2.2mmの円の面
積以下となるように、前記補強部を形成することを特徴
とする半導体装置の実装体の製造方法である。
【0038】第の本発明(請求項に記載の本発明に
対応)は、前記半導体装置の電極パッド上または前記回
路基板の端子電極上に突起電極を形成する突起電極形成
工程と、前記突起電極形成工程の後、前記突起電極の先
端付近に接合層を形成する接合層形成工程とを、前記仮
止め工程の前に含み、前記補強工程と同時に、前記接合
層を硬化させる接合層硬化工程を含み、前記接続工程
は、前記仮止め工程と同時に、前記突起電極と前記接合
層とを介して、前記半導体装置の電極パッドと前記回路
基板の端子電極とを電気的に接続する工程であることを
特徴とする第の本発明の半導体装置の実装体の製造方
法である。
【0039】第の本発明(請求項に記載の本発明に
対応)は、前記半導体装置の電極パッド上または前記回
路基板の端子電極上突起電極を形成する突起電極形成工
程を、前記仮止め工程の前に含み、前記接続工程は、前
記補強工程と同時に、前記半導体装置または前記回路基
板を加熱し、前記突起電極を溶融させることによって、
前記突起電極を介して、前記半導体装置の電極パッドと
前記回路基板の端子電極とを電気的に接続する工程であ
ることを特徴とする第の本発明の半導体装置の実装体
の製造方法である。
【0040】第の本発明(請求項に記載の本発明に
対応)は、前記絶縁性樹脂の硬化反応開始温度が、前記
接合層の硬化温度以下であること、および/または、前
記絶縁性樹脂の硬化時間が、前記接合層の硬化時間より
短いものであることを特徴とする第の本発明の半導体
装置の実装体の製造方法である。
【0041】第の本発明(請求項に記載の本発明に
対応)は、前記絶縁性樹脂が、その硬化収縮力が前記接
合層の硬化収縮力よりも大きいものであることを特徴と
する第または第の本発明の半導体装置の実装体の製
造方法である。
【0042】第の本発明(請求項に記載の本発明に
対応)は、前記接続工程の後、前記半導体装置と前記回
路基板との間隙と周辺部に絶縁性の封止樹脂を注入、充
填、被覆した後、前記封止樹脂を硬化する封止樹脂充填
工程とを含み、前記補強工程における前記絶縁性樹脂の
硬化は、少なくとも、前記封止樹脂充填工程における前
記封止樹脂の硬化の完了より前に完了していることを特
徴とする第〜第のいずれかの本発明の半導体装置の
実装体の製造方法である。
【0044】第の本発明(請求項に記載の本発明に
対応)は、前記絶縁性樹脂の弾性率が、前記封止樹脂の
弾性率以下であることを特徴とする第の本発明の半導
体装置の実装体の製造方法である。
【0044】第の本発明(請求項に記載の本発明に
対応)は、第1〜7のいずれかの製造方法によって製造
された半導体装置の実装体である。
【0045】なお、第〜第のいずれかの本発明にお
いて、前記絶縁性樹脂の硬化前の粘度が、35Pa・s
以上であることを特徴とする半導体装置の実装体の製造
方法としてもよい。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0047】まず本発明の半導体装置の実装体の製造方
法を説明する前に、種々の半導体装置の実装体について
説明する。以下に、図6、7を用いて半導体装置の実装
体の全体構造を説明する。図6は、多層の回路基板2上
に半導体装置4が複数個実装されているもの(マルチチ
ップモジュール)の断面図であり、図7は、回路基板2
上に半導体装置4が単体で実装されているもの(チップ
スケール(サイズ)パッケージ)の断面図である。図6
の実装体は、フェ−スダウンで複数の半導体装置4が多
層の回路基板2上に実装されているものである。半導体
装置4と多層の回路基板2との間隙と周辺部は、封止樹
脂6によって充填、被覆封止されている。図7の実装体
は、フェ−スダウンで単体の半導体装置4が回路基板2
上に実装されている。半導体装置4と回路基板2との間
隙と周辺部部は、封止樹脂6によって充填、被覆封止さ
れているものである。
【0048】以下で説明する半導体装置の実装体は、図
6の実装体、図7の実装体双方に適用可能であるが、便
宜上、図7の実装体を例にとって、図示等を行う。
【0049】(第1の)まず、本発明の第1の例を図
面を参照して説明する。
【0050】図1は、本発明の第1の例における半導体
装置の実装体の概略断面図である。図1に示すように、
1は端子電極、2は回路基板、3は接合層、4は半導体
装置、5は突起電極、6は封止樹脂、7は封止樹脂中の
フィラー、8は電極パッド、9は補強部、10は補強部
中のフィラー、15は補強部の広がり径、16はランド
である。
【0051】半導体装置4の素子表面上の電極パッド8
上に2段突起形状の突起電極5が形成されている。半導
体装置4はフェースダウンで回路基板2上に載置されて
おり、突起電極5の先端部と回路基板2上の端子電極1
とは、導電性接着剤からなる接合層3を介して電気的に
接続されている。半導体装置4と回路基板2との間隙に
は、絶縁性樹脂を用いた補強部9を設けている。さら
に、半導体装置4と回路基板2との間隙および周辺部
は、絶縁性の封止樹脂6により充填、被覆されている。
なお、補強部9と半導体装置4または回路基板2との接
着面は、実質的に円形をしており、その直径すなわち広
がり径15が2.2mm以下となるように、調整されて
いる。
【0052】以上のように、本例においては、半導体装
置4と回路基板2との間隙に接着面積の直径すなわち広
がり径15が2.2mm以下の絶縁性樹脂を用いた補強
部9を1カ所以上設けることにより、半導体装置4が回
路基板2に実装されたときに、補強部9にボイドの発生
が起こらず、それによって、半導体装置4と回路基板2
とが安定して仮固着されるため、接合層3や封止樹脂6
の硬化時における回路基板2の反りやうねりを抑制し、
接合部にかかる歪み(ストレス)を緩和させることがで
き、このことによって封止樹脂6注入前の接続不良を低
減させ、良品歩留りを高くすることができる。さらに、
封止樹脂6注入時においても、補強部9での巻き込みに
よるボイドの発生を抑え、封止樹脂6硬化後の接続信頼
性を向上させることが可能となる。
【0053】なお、図1において、突起電極5の材質と
しては、金の他、銀、銅、ニッケル、合金等を用いるこ
とができる。また、突起電極5の形状は、2段突起形状
であることが望ましいが、ストレート型、テーパー型、
マッシュルーム型であってもかまわない。
【0054】また、接合層3は導電性接着剤からなり、
その導電性接着剤の材質はエポキシ系、ポリアリルエー
テル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリイミド系
等、熱可塑性を有するか添加されたものであれば材質は
問わない。その接合層3に用いられる樹脂は、溶剤型の
熱可塑性樹脂からなることが望ましい。
【0055】また、導電性接着剤に含まれる導電粉の材
質としては、一般に用いられているものであれば何でも
良く、例えば、銀、金、パラジウム等の貴金属粉、ニッ
ケル、銅等の卑金属、半田、銀パラジウム等の合金粉、
銀メッキ銅粉等のような複合粉、さらにカーボンのよう
な導電性を有する卑金属粉等が使用できる。これらの導
電粉は単独でも2種類以上の混合でも使用可能である。
また、これら導電粉はその粒径、形状は特に限定される
ものではない。
【0056】また、補強部9の絶縁性樹脂は、シリンジ
ノズル等ポッティング供給可能なものであれば良い。補
強部9の材質は、エポキシ樹脂系の熱硬化性樹脂または
熱可塑性樹脂または光硬化性樹脂またはこれらのいずれ
かの複合樹脂等が使用可能できる。特に、熱硬化性樹脂
に熱可塑性樹脂もしくはエラストマー(弾性)成分が添
加混合された混合型樹脂、熱硬化性樹脂をゴム変性また
はシリコーン変性したもの等、可撓性を有し絶縁性で低
熱膨張で弾性率が小さいものが望ましい。また、補強部
9に含まれる充填剤はシリカ等の絶縁性で低熱膨張なも
のが望ましい。粒径は、シリンジノズル等から微量塗布
ができるよう10μm以下の微小な粉体が望ましい。充
填量は封止樹脂6の熱膨張係数を考慮して決められる。
本例においては、通常、補強部9と封止樹脂6の熱膨張
係数は30ppm前後に調整されている。
【0057】さらに、補強部9の絶縁性樹脂は、硬化前
の粘度が35Pa・s以上のものを用いることにより、
容易に、広がり径15が2.2mm以下の補強部9を形
成することができる。
【0058】封止樹脂6は、接合層3と補強部9とを含
むように半導体装置4と回路基板2との間隙と周辺部に
形成されている。図1では半導体装置4の面積が回路基
板2よりも小さいが、回路基板2の面積が半導体装置4
よりも小さくても良い。封止樹脂6は、室温程度の低温
でも半導体装置4と回路基板との間隙への注入が速やか
に行われるため、室温で低粘度で低チクソトロピー指数
またはダイラタンシー型のものが望ましい(例えば、1
0Pa・s/50rpm以下)。封止樹脂6の材質は、
一般に用いられているものであれば何でも良く、例え
ば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とノボラック
型フェノール樹脂等と充填剤を混合したものや、ポリエ
ポキシド(通常エポキシ樹脂またはエポキシ化合物)と
酸無水物樹脂(メチルテトラハイドロフタル酸無水物、
メチルヘキサハイドロフタル酸無水物等の環状脂肪族
系)と充填剤を混合したものからなるものがある。ま
た、封止樹脂6中の充填剤は粒径が50μm以下の粉体
であればかまわないが、シリカ、アルミナ等の酸化化合
物や窒化アルミ等の窒化化合物、炭化珪素系の炭化化合
物、珪化化合物等、熱的に安定で、低熱膨張率のものが
望ましい。
【0059】なお、図1では、補強部9の断面形状はつ
づみ型としているが、太鼓型をしていても良い。
【0060】なお、半導体装置4と樹脂からなる回路基
板2の組み合わせでは、補強部9の直径すなわち広がり
径15は、通常、0.5mm以上1.5mm以下の範囲
で塗布制御するものとする。
【0061】また、半導体装置4と回路基板2との間隙
寸法は、一般的な半導体装置の実装体の標準的な値であ
る65mm〜80mmの範囲としている。
【0062】(第2の例)次に、本発明の第2の例を図
面を参照して説明する。本が上述した第1の例と異な
るのは、本発明の突起電極が回路基板側に備えられてい
ることに関する点である。したがって、本例において、
第1のと同様の物については、同一符号を付与し、説
明を省略する。また、特に説明のないものについては、
第1の例と同じとする。
【0063】図2は、本発明の第2の例における半導体
装置の実装体の概略断面図である。図2に示すように、
1は端子電極、2は回路基板、3は接合層、4は半導体
装置、5は突起電極、6は封止樹脂、7は封止樹脂中の
フィラー、8は電極パッド、9は補強部、10は補強部
中のフィラー、15は補強部の広がり径、16はランド
である。
【0064】本例における半導体装置の実装体では、回
路基板2の端子電極1上に突起電極5が形成されてい
る。また、回路基板2の端子電極1上に形成された突起
電極5は、2段突起形状であってもよい。突起電極5の
材質は銅、銀、金等、導電性のものであれば良い。
【0065】以上のように、本例においては、半導体装
置4と回路基板2との間隙に接着面積の直径すなわち広
がり径15が2.2mm以下の絶縁性樹脂を用いた補強
部9を1カ所以上設けることにより、回路基板2が半導
体装置4に実装されたときに、補強部9にボイドの発生
が起こらず、それによって、上述した第1の例と同様の
効果が得られる。
【0066】(第3の例)次に、本発明の第3の例を図
面を参照して説明する。本例が上述した第1の例と異な
るのは、本発明の突起電極が半田接合部であることに関
する点である。したがって、本例において、第1の例
同様の物については、同一符号を付与し、説明を省略す
る。また、特に説明のないものについては、第1の例
同じとする。
【0067】図3は、本発明の第3の例における半導体
装置の実装体の概略断面図である。図3に示すように、
1は端子電極、2は回路基板、4は半導体装置、6は封
止樹脂、7は封止樹脂中のフィラー、8は電極パッド、
9は補強部、10は補強部中のフィラー、11は半田接
合部、12はパッシベーション膜、13は拡散防止金属
膜、14は密着金属膜、15は補強部の広がり径、16
はランドである。
【0068】本例における半導体装置の実装体では、半
導体装置4の素子表面上の電極パッド8上にCrなどの
拡散防止金属膜13およびCu等の密着金属膜14が形
成されている。また、密着金属膜14と回路基板2の端
子電極1とは半田接合部11によって電気的に接続され
ている。
【0069】以上のように、本例においては、半導体装
置4と回路基板2との間隙に接着面積の直径すなわち広
がり径15が2.2mm以下の絶縁性樹脂を用いた補強
部9を1カ所以上設けることにより、回路基板2が半導
体装置4に実装されたときに、補強部9にボイドの発生
が起こらず、それによって、上述した第1の例と同様の
効果が得られる。
【0070】(第4の例)次に、本発明の第4の例を図
面を参照して説明する。本例が上述した第1の例と異な
るのは、本発明の補強部の平面的な配置が特定されてい
ることに関する点である。したがって、本例において、
第1の例と同様の物については、同一符号を付与し、説
明を省略する。また、特に説明のないものについては、
第1の例と同じとする。
【0071】図4は、本発明の第4の例における半導体
装置の実装体の概略平面透過図である。図4に示すよう
に、1は端子電極、2は回路基板、4は半導体装置、6
は封止樹脂、9は補強部、17は接続部、18はバイア
部、19は導体パターンである。
【0072】本例における半導体装置の実装体では、回
路基板2の内層または表層に導体パターン19が形成さ
れている。導体パターン19は銅が一般的であり、その
熱膨張係数は約17ppmと大きい。前記導体パターン
19上で半導体装置4と回路基板2との間隙に補強部9
が形成されている。補強部9は、半導体装置4の素子面
内でかつ、補強部9が備えられていない場合において、
半導体装置4の歪みまたはストレスが大きくなると予想
される位置に配置されている。
【0073】以上のように、本例においては、補強部9
が半導体装置4の素子面内でかつ、補強部9が備えられ
ていない場合において、半導体装置4の歪みまたはスト
レスが大きくなると予想される位置に配置されているこ
とによって、半導体装置4と回路基板2との熱膨張係数
差による接続部17に与える歪みダメージを補強部9に
よって吸収・緩和させることができ、このことによって
封止樹脂6注入前の接続不良を低減させ、良品歩留りを
高くすることができる。また、封止樹脂6の注入、硬化
後においても、接続信頼性を向上させることが可能とな
る。
【0074】なお、本例における半導体装置の実装体
は、上記で説明した以外は、第1の例における半導体装
置の実装体に倣うものとして説明したが、これに限るも
のではなく、例えば、第2または第3の例における半導
体装置の実装体に倣うものであってもよい。
【0075】(第5の例)次に、本発明の第5の例を図
面を参照して説明する。本例が上述した第1のと異な
るのは、本発明の補強部の平面的な配置が特定されてい
ることに関する点である。したがって、本例において、
第1の例と同様の物については、同一符号を付与し、説
明を省略する。また、特に説明のないものについては、
第1の例と同じとする。
【0076】図5は、本発明の第5の例における半導体
装置の実装体の概略平面透過図である。図5に示すよう
に、1は端子電極、2は回路基板、4は半導体装置、6
は封止樹脂、9は補強部、17は接続部、18はバイア
部である。
【0077】本例における半導体装置の実装体では、図
5(a)に示すように、半導体装置4の素子面内で端子
電極1の存在しない4隅の空き領域に補強部9が半導体
装置4の中心から同一距離に均等に配置形成されてい
る。
【0078】以上のように、本例では補強部9が半導体
装置4の素子面内でかつ、中心から同一距離にある四隅
部分に均等に配置形成されることによって、半導体装置
4と回路基板2との熱膨張係数差による接続部17に与
える歪みダメージを補強部9によって吸収・緩和させる
ことができ、このことによって封止樹脂6注入前の接続
不良を低減させ、良品歩留りを高くすることができる。
また、封止樹脂6の注入、硬化後においても、接続信頼
性を向上させることが可能となる。
【0079】なお、補強部9の平面的な配置は、図5
(a)に示したものに限るものではなく、図5(b)に
示すように、半導体装置4の素子面内で端子電極1で囲
われた4隅に補強部9が半導体装置4の中心から同一距
離に均等に配置形成されてもよい。要するに、補強部
が、半導体装置の素子面内の角部に少なくとも配置され
ておれば、程度に差はあるものの、上述した効果と同様
な効果が得られる。
【0080】また、本例における半導体装置の実装体
は、上記で説明した以外は、第1の例における半導体装
置の実装体に倣うものとして説明したが、これに限るも
のではなく、例えば、第2または第3の例における半導
体装置の実装体に倣うものであってもよい。
【0081】(第6の例)次に、本発明の第6の例を図
面を参照して説明する。本例が上述した第1の例と異な
るのは、本発明の補強部の材質に関する点である。した
がって、本において、第1のと同様の物について
は、同一符号を付与し、説明を省略する。また、特に説
明のないものについては、第1の例と同じとする。
【0082】本例における半導体装置の実装体につい
て、補強部の材質以外の構成は、第1の例における半導
体装置の実装体と同じであるので、図1を参照して説明
する。
【0083】補強部9の絶縁性樹脂は、その硬化反応開
始温度が接合層3の硬化温度と同じかそれよりも低く、
かつ、補強部9の絶縁性樹脂の硬化時間が接合層3の硬
化時間より短いものとなっている。以上のように、本例
においては、補強部9の絶縁性樹脂の硬化反応開始温度
を接合層の硬化温度と同じかそれよりも低く、補強部9
の絶縁性樹脂の硬化時間が接合層3の硬化時間より短く
することにより、補強部9を接合層と同じ温度で硬化で
き、かつ、短時間で機械的な補強を行うことができる。
このことによって、第1のの効果に加え、封止樹脂6
注入前の接続不良を低減させ、良品歩留りを高くすると
ともに、生産性も向上させることができる。また、補強
部9の絶縁樹脂の硬化温度で処理し、低温で半導体装置
4と回路基板2とを安定に仮固着させ、接合層を電気的
に接続させ、検査することも可能となる。
【0084】本例における半導体装置の実装体を製造す
る際、接合層3の導電性接着剤の標準硬化条件は120
℃×2hであり、補強部9の硬化反応開始温度が110
〜115℃である。また、補強部9の絶縁性樹脂の硬化
時間は1h以下である。
【0085】なお、本例における半導体装置の実装体
は、上記で説明した以外は、第1のにおける半導体装
置の実装体に倣うものとして説明したが、これに限るも
のではなく、例えば、第2〜第5の例における半導体装
置の実装体のいずれかに倣うものであってもよい。
【0086】(第7の例)次に、本発明の第7の例を図
面を参照して説明する。本が上述した第1の例と異な
るのは、本発明の補強部の材質に関する点である。した
がって、本例において、第1の例と同様の物について
は、同一符号を付与し、説明を省略する。また、特に説
明のないものについては 本例における半導体装置の実
装体について、補強部の材質以外の構成は、第1の例
おける半導体装置の実装体と同じであるので、図1を参
照して説明する。
【0087】補強部9の絶縁性樹脂は、その弾性率がは
封止樹脂6の弾性率と同じかそれよりも小さいものとな
っている。
【0088】以上のように、本例においては、補強部9
の絶縁性樹脂の弾性率が封止樹脂6の弾性率と同じかそ
れよりも小さいことにより、封止樹脂6の硬化収縮力に
より、半導体装置4と回路基板2との間隙にある補強部
9と接合層3の接続状態をより安定して密着固着される
ため、接合部にかかる歪み(ストレス)を緩和させるこ
とができる。このことによって、第1の例の効果に加
え、封止樹脂6硬化後の接続信頼性を向上させることが
可能となる。
【0089】本例において用いる封止樹脂6の弾性率
は、一般的なものの例を挙げると、約10GPaであ
る。
【0090】なお、本例における半導体装置の実装体
は、上記で説明した以外は、第1の例における半導体装
置の実装体に倣うものとして説明したが、これに限るも
のではなく、例えば、第2〜第6のにおける半導体装
置の実装体のいずれかに倣うものであってもよい。
【0091】(第8の)次に、本発明の第8のを図
面を参照して説明する。本例が上述した第1のと異な
るのは、本発明の補強部の材質に関する点である。した
がって、本において、第1のと同様の物について
は、同一符号を付与し、説明を省略する。また、特に説
明のないものについては、第1のと同じとする。
【0092】本例における半導体装置の実装体につい
て、補強部の材質以外の構成は、第1のにおける半導
体装置の実装体と同じであるので、図1を参照して説明
する。
【0093】補強部9の絶縁性樹脂は、ゴム成分(エラ
ストマー)を含む複合樹脂からなっている。
【0094】以上のように、本においては、補強部9
の絶縁性樹脂がゴム成分(エラストマー)を含む複合樹
脂からなることにより、半導体装置4と回路基板2とが
接続固着された際に、ゴム成分(エラストマー)の弾性
が接合部にかかる歪み(ストレス)を緩和させることが
でき、また、封止樹脂6が硬化の際に硬化収縮させるこ
とができる。これによって、第1の例の効果に加え、半
導体装置4と回路基板2とをより密接に接続させ、封止
樹脂6の硬化後の接続信頼性を向上させることが可能と
なる。
【0095】本例において用いるゴム成分(エラストマ
ー)の一般的なものとしては、加硫ゴムと熱可塑性エラ
ストマーで、弾性率は約10の6乗から7乗Paのもの
である。
【0096】なお、本例における半導体装置の実装体
は、上記で説明した以外は、第1の例における半導体装
置の実装体に倣うものとして説明したが、これに限るも
のではなく、例えば、第2〜第7の例における半導体装
置の実装体のいずれかに倣うものであってもよい。
【0097】(第の実施の形態)次に、本発明の第
の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0098】図8〜図14は、本発明の第の実施の形
態における半導体装置の実装体の製造方法の工程を示す
概略断面図である。図8〜図14において、1は端子電
極、2は回路基板、3は接合層、4は半導体装置、5は
突起電極、6は封止樹脂、7は封止樹脂中のフィラー、
8は電極パッド、9は補強部、10は補強部中のフィラ
ー、15は広がり径、16はランド、20は接着シー
ト、21は基板固定治具である。
【0099】以上のように構成された半導体装置の実装
体の製造方法について、その工程にしたがって、図8、
図9、図10、図11、図12、図13、図14の順に
説明する。
【0100】まず、図8は、突起電極形成工程を示す概
略断面図である。図8に示すように、半導体装置4の複
数の電極パッド8の各々に突起電極5を形成する。この
とき、突起電極5は2段突起形状または凸状をしている
ことが望ましいがストレート型であってもよい。突起電
極5は公知のフォトエッチング法やメッキ法やボールボ
ンディング法により形成することができ、材質としては
金の他、ニッケル、銅等を用いることができる。図8に
示すように、2段突起形状の突起電極を使用することに
より、図12のように接合層に導電性接着剤を使用する
際において、接合層の横方向への広がりを抑制すること
ができるため、実装密度の大幅な向上を図ることができ
る。なお、突起電極5は所定の高さにレベリングされて
も良い。
【0101】なお、本実施の形態においては、半導体装
置4の電極パッド8上に突起電極5が形成されていると
したが、回路基板2の端子電極1上に突起電極5が形成
されていても良い。
【0102】図9は、回路基板保持工程を示す概略断面
図である。ガラスやセラミックまたはSUSでできた平
坦な基板固定治具21上に剥離タイプの接着シート20
を貼り付け、その上に、反りやうねりのある回路基板2
を貼付け平坦化する。それによって、回路基板2への半
導体装置4の実装部分10mm□の反りは約10μm以
下に抑えられる。ただし、半導体装置4の大きさは10
mm□のものを使用する。接着シート20はエポキシが
主成分のものを使用する。また、反りやうねりのある回
路基板2を上記の平坦な基板固定治具21と平坦な基板
抑え治具とで挟めて平坦化しても良い。前記基板抑え治
具の半導体装置4の実装部分は半導体装置4が搭載でき
るよう、窓がくり抜かれている。
【0103】なお、本回路基板保持工程においては、上
述したような基板固定治具の使用に限定されるものでは
なく、単純に吸着穴または溝を設けた平坦な治具で回路
基板2を吸着し、平坦に保持する方法を用いてもよい。
【0104】図10は、接続層形成工程を示す概略断面
図である。半導体装置4の突起電極5の形成側を下方に
向けた状態で、接合層3として導電性接着剤の転写膜に
下降させ、突起電極5を導電性接着剤中に浸漬した後、
半導体装置4を上方に引き上げ、各突起電極5の先端付
近に接合層3である導電性接着剤を一括して転写形成す
る。
【0105】図11は、補強部形成工程を示す概略断面
図である。後述する補強工程後に、補強部9の回路基板
2との接着面積および半導体装置4との接着面積が、補
強部1カ所あたりそれぞれ、実質的に直径が2.2mm
の円の面積以下となるように、回路基板2上に絶縁性樹
脂を用いた補強部9を形成する。補強部9はシリンジノ
ズル等ポッティング供給可能なもので形成される。ノズ
ル内径0.33〜0.19mmのものを使用することに
よって、容易に上記接着面の条件を満たすように補強部
9を形成することができる。
【0106】また、補強部9用の絶縁性樹脂は、硬化前
の粘度が35Pa・s以上のものを用いることにより、
容易に上記接着面の条件を満たすように補強部9を形成
することができる。
【0107】なお、補強部9を半導体装置4側に形成す
るとしても良い。
【0108】図8および図10の工程と、図9および図
11の工程とは、互いに独立した工程であり、必ずしも
図番の順に行う必要はない。要するに、図12で示す工
程の前に、図10および図11の工程が完了しておりさ
えすればよい。
【0109】図12は、仮止め工程、接続工程、補強工
程および接合層硬化工程を示す概略断面図である。半導
体装置4を位置合わせした後にフェースダウンで回路基
板2に搭載し、接合層3によって半導体装置4の突起電
極5と回路基板2の端子電極1とを接続すると同時に半
導体装置4と回路基板2とを仮接着保持させるその後、
接合層3を硬化すると同時に補強部9の絶縁性樹脂も硬
化させ、半導体装置4と回路基板2とを補強固定する。
半導体装置4を回路基板2に載置されるときは室温で行
われる。半導体装置4を回路基板2へ載置するときの荷
重は突起電極一つ当たり約1g程度で十分である。
【0110】導電性接着剤を用いた接合層3の硬化条件
は120℃×2hとする。この硬化条件で硬化された後
の接続抵抗値の値は、補強部9無しのときよりも安定し
ており、補強部9の硬化により、接続部がより安定して
仮固着されたと考えられる。これにより、封止樹脂注入
前の接続不良を低減させ、歩留りを高くすることができ
る。また、封止樹脂注入前の検査が行いやすくなる。
【0111】また、補強部9と接合層3の両方の硬化温
度よりも高い温度で硬化してもよい。例えば、150℃
×15〜20minである。これによって、硬化時間が
短縮化され、生産性を向上させることができる。
【0112】図13は、封止樹脂充填工程を示す概略断
面図である。半導体装置4と回路基板2との間隙と周辺
部に絶縁性の封止樹脂を注入、充填、被覆した後、前記
封止樹脂6を硬化する。本実施の形態においては、例え
ば、回路基板2に樹脂基板を使用し、封止樹脂6の注入
温度は45℃とする。そのときの、封止樹脂6の硬化条
件は、120℃×2h+150℃×2hとする。
【0113】図14は、回路基板保持解除工程を示す概
略断面図である。平坦化に保持された回路基板2を取り
外すものである。半導体装置4の実装体は、接着シート
20を約150℃に加熱し、接着シートを軟化させたの
ち、簡単に取り外すことができる。
【0114】以上のように、本実施の形態においては、
補強工程後に、補強部9の回路基板2との接着面積およ
び半導体装置4との接着面積が、補強部1カ所あたりそ
れぞれ、実質的に直径が2.2mmの円の面積以下とな
るように、絶縁性樹脂を用いた補強部9を形成すること
により、半導体装置4が回路基板2に実装されたとき
に、補強部9にボイドの発生が起こらず、半導体装置4
と回路基板2とが安定して仮固着されるため、接合層3
や封止樹脂6の硬化時における回路基板2の反りやうね
りを抑制し、接合部にかかる歪み(ストレス)を緩和さ
せることができ、このことによって封止樹脂6注入前の
接続不良を低減させ、良品歩留りを高くすることができ
る。さらに、封止樹脂6注入時においても、補強部9で
の巻き込みによるボイドの発生を抑え、封止樹脂6硬化
後の接続信頼性を向上させることが可能となる。
【0115】なお、半導体装置4と樹脂からなる回路基
板2の組み合わせでは、補強部9の直径すなわち広がり
径15は、通常、0.5mm以上1.5mm以下の範囲
で塗布制御するものとする。
【0116】また、半導体装置4と回路基板2との間隙
寸法は、一般的な半導体装置の実装体の標準的な値であ
る65mm〜80mmの範囲としている。
【0117】なお、本実施の形態における半導体装置の
実装体の製造方法は、上述した全ての工程を含むもので
あるとして説明したが、これに限るものではなく、少な
くとも、本発明の補強部形成工程と、仮止め工程と、補
強工程と、接続工程とを含むものであればよい。
【0118】(第2の実施の形態)次に、本発明の第
の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態
が上述した第の実施の形態と異なるのは、本発明の突
起電極が半田接合部であり、本発明の接合層に係る工程
を含んでいないことに関する点である。したがって、本
実施の形態において、第9の実施の形態と同様の物につ
いては、同一符号を付与し、説明を省略する。また、特
に説明のないものについては、第9の実施の形態と同じ
とする。
【0119】図15〜図20は、本発明の第の実施の
形態における半導体装置の実装体の製造方法の工程を示
す概略断面図である。図15〜図20において、1は端
子電極、2は回路基板、4は半導体装置、5は突起電
極、6は封止樹脂、7は封止樹脂中のフィラー、8は電
極パッド、9は補強部、10は補強部中のフィラー、1
1は半田接合部、12はパッシベーション膜、13は拡
散防止金属膜、14は密着金属膜、15は広がり径、1
6はランド、20は接着シート、21は基板固定治具で
ある。
【0120】以上のように構成された半導体装置の実装
体の製造方法について、その工程にしたがって、図1
5、図16、図17、図18、図19、図20の順に説
明する。
【0121】まず、図15は、突起電極形成工程を示す
概略断面図である。半導体装置4の複数の電極パッド8
上にCrなどの拡散防止金属膜13およびCu等の密着
金属膜14を蒸着により形成する。その後、電極部以外
をフォトレジストで覆い、メッキ法により密着金属膜1
4上に数μm〜数十μmの半田を析出させ、半田リフロ
ーすることにより半球状の半田の突起電極5を形成す
る。
【0122】図16は、回路基板保持工程を示す概略断
面図である。本工程については、上述した第9の実施の
形態の回路基板保持工程と同じである。
【0123】図17は、補強部形成工程を示す概略断面
図である。本工程についても、上述した第9の実施の形
態の補強部形成工程と同じである。
【0124】図18は、仮止め工程、補強工程および接
続工程を示す概略断面図である。半導体装置4を位置合
わせした後に回路基板2に搭載し、半導体装置4または
回路基板2を加熱させることによって、突起電極5を溶
融させ、半導体装置4の突起電極5と回路基板2の端子
電極1とを接続すると同時に補強部9の絶縁性樹脂も硬
化させ、半導体装置4と回路基板2とを補強固定する。
半田の突起電極の溶融温度は、通常、200〜300℃
に設定する。
【0125】図19は、封止樹脂充填工程を示す概略断
面図である。本工程についても、上述した第9の実施の
形態の封止樹脂充填工程と同じである。
【0126】図20は、回路基板保持解除工程を示す概
略断面図である。本工程についても、上述した第9の実
施の形態の回路基板保持解除工程と同じである。
【0127】以上のように、本実施の形態においては、
補強工程後に、補強部9の回路基板2との接着面積およ
び半導体装置4との接着面積が、補強部1カ所あたりそ
れぞれ、実質的に直径が2.2mmの円の面積以下とな
るように、絶縁性樹脂を用いた補強部9を形成すること
により、半導体装置4が回路基板2に実装されたとき
に、補強部9にボイドの発生が起こらず、半導体装置4
と回路基板2とが安定して仮固着されるため、接合層3
や封止樹脂6の硬化時における回路基板2の反りやうね
りを抑制し、接合部にかかる歪み(ストレス)を緩和さ
せることができ、このことによって封止樹脂6注入前の
接続不良を低減させ、良品歩留りを高くすることができ
る。さらに、封止樹脂6注入時においても、補強部9で
の巻き込みによるボイドの発生を抑え、封止樹脂6硬化
後の接続信頼性を向上させることが可能となる。
【0128】なお、本実施の形態における半導体装置の
実装体の製造方法は、上述した全ての工程を含むもので
あるとして説明したが、これに限るものではなく、少な
くとも、本発明の補強部形成工程と、仮止め工程と、補
強工程と、接続工程とを含むものであればよい。
【0129】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0130】以下に述べる実施例1〜4は、第の実施
の形態における半導体装置の実装体の製造方法にしたが
って製造された、補強部の接着面の直径が1〜2.2m
mの円である半導体装置の実装体であり、比較例1〜3
は、同様の製造方法にしたがって製造された、補強部の
接着面の直径が2.7〜4.8mmの円である半導体装
置の実装体である。
【0131】すなわち、図8〜図14で示された工程に
したがって、長さ10mm×幅10mm×厚さ0.4m
mの半導体装置4をフェースダウンで、長さ11mm×
幅11mm×厚さ0.15mmの回路基板2に実装した
ものである。なお、半導体装置4は、268個の突起電
極5を有しており、これら全てを回路基板2の各端子電
極1と接続した。また、補強部9は、回路基板2の中央
位置に1個形成した。また、実装体完成後の半導体装置
4と回路基板2との間隙寸法は、0.075mmとなる
ようにした。
【0132】図28は、実施例1(補強部の接着面の直
径;1mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真である。図28に
おいて、格子状に配置された小円部は、回路基板のバイ
ア部(バイア径;0.4mm)であり、中央部付近のバ
イア部の一つに重なっている、周辺部よりやや色の濃い
円状の部分が、補強部である。補強部以外の部分は充填
された封止樹脂である。本実施例においては、補強部内
および封止樹脂内にボイドの発生は認められない。
【0133】図29は、実施例2(補強部の接着面の直
径;1.6mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強
部の位置で水平に切断したものの拡大写真である。図2
9において、格子状に配置された小円部は、回路基板の
バイア部であり、中央部付近のバイア部二つに重なって
いる、周辺部よりやや色の濃い円状の部分が、補強部で
ある。補強部以外の部分は充填された封止樹脂である。
本実施例においても補強部内および封止樹脂内にボイド
の発生は認められない。
【0134】図30は、実施例3(補強部の接着面の直
径;1.9mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強
部の位置で水平に切断したものの拡大写真である。図3
0において、格子状に配置された小円部は、回路基板の
バイア部であり、中央部付近のバイア部四つに重なって
いる、周辺部よりやや色の濃い円状の部分が、補強部で
ある。補強部以外の部分は充填された封止樹脂である。
本実施例においても補強部内および封止樹脂内にボイド
の発生は認められない。
【0135】図31は、実施例4(補強部の接着面の直
径;2.2mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強
部の位置で水平に切断したものの拡大写真である。図3
1において、格子状に配置された小円部は、回路基板の
バイア部であり、中央部付近のバイア部九つに重なって
いる、周辺部よりやや色の濃い円状の部分が、補強部で
ある。補強部以外の部分は充填された封止樹脂である。
本実施例においても補強部内および封止樹脂内にボイド
の発生は認められない。
【0136】図32は、比較例1(補強部の接着面の直
径;2.7mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強
部の位置で水平に切断したものの拡大写真である。図3
2において、格子状に配置された小円部は、回路基板の
バイア部であり、中央部付近のバイア部の11個に重な
っている、周辺部よりやや色の濃い円状の部分が、補強
部である。補強部以外の部分は充填された封止樹脂であ
る。本比較例においては、補強部内にボイドの発生が認
められる。
【0137】図33は、比較例2(補強部の接着面の直
径;4.8mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強
部の位置で水平に切断したものの拡大写真である。図3
3において、格子状に配置された小円部は、回路基板の
バイア部であり、中央部付近のバイア部の28個に重な
っている、周辺部よりやや色の濃い円状の部分が、補強
部である。補強部以外の部分は充填された封止樹脂であ
る。本比較例においても、補強部内にボイドの発生が認
められる。
【0138】図34、図35は、比較例3(補強部の接
着面の直径;2.8mm)の半導体装置の実装体を完成
後に補強部の位置で水平に切断したものの拡大写真であ
り、図28〜図33に比べて倍率を上げて拡大したもの
である。図34、図35において、格子状に配置された
小円部は、回路基板のバイア部であり、中央部から上部
にかけての、周辺部よりやや色の濃い部分が、補強部で
ある。補強部以外の部分は充填された封止樹脂である。
本比較例においては、補強部内のみならず、封止樹脂内
(補強部に隣接した部分)にもボイドの発生が認められ
る。比較のため、実施例2(補強部の接着面の直径;
1.6mm)を同倍率で拡大したものを図36に示す。
拡大してみても、本実施例においては、補強部内および
封止樹脂内にボイドの発生は認められない。
【0139】以上により、補強部の回路基板との接着面
積および半導体装置との接着面積が、前記補強部一つあ
たりそれぞれ、実質的に直径が2.2mmの円の面積以
下であれば、半導体装置が回路基板に実装されたとき
に、補強部にボイドの発生が起こらず、封止樹脂注入時
においても、補強部での巻き込みによるボイドを発生を
抑えれることが確認された。
【0140】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明は、熱膨張係数の大きい回路基板や厚みの薄
い回路基板、または平坦性の悪い(反りやうねりの大き
い)回路基板へ半導体装置をフェースダウンで接続する
場合において、封止樹脂注入前の接続不良を低減させ、
また、封止樹脂注入硬化後の接続信頼性を向上させるこ
とが可能で、歩留りの高い半導体装置の実装体の製造方
法を提供することができる。すなわち、半導体装置が回
路基板に実装されたときに、補強部にボイドの発生が起
こらず、それによって、半導体装置と回路基板とが安定
して仮固着されるため、接合層や封止樹脂の硬化時にお
ける回路基板の反りやうねりを抑制し、接合部にかかる
歪み(ストレス)を緩和させることができ、このことに
よって封止樹脂注入前の接続不良を低減させ、良品歩留
りを高くすることができる。さらに、封止樹脂注入時に
おいても、補強部での巻き込みによるボイドを発生を抑
え、封止樹脂硬化後の接続信頼性を向上させることがで
きる。
【0141】また、回路基板面の部分的に熱膨張係数が
大きい箇所における歪み(ストレス)を緩和、吸収する
ことができる。
【0142】また、半導体装置の4隅部分にかかる歪み
(ストレス)を緩和、吸収することができ、半導体装置
のサイズが大きくなればよりこの効果は大きくなり、半
導体装置の4隅部分の接続信頼性を向上させることがで
きる。
【0143】また、補強部を接合層と同じ温度で硬化で
き、かつ、短時間で硬化させることができる。
【0144】また、補強部の絶縁性樹脂の硬化収縮力が
接合層の硬化収縮力よりも大きくすることにより、接合
層の電気的な接続を良好かつ安定にし、また、半導体装
置と回路基板とを機械的に保持することができる。
【0145】また、補強部の絶縁性樹脂が硬化した後に
封止樹脂を注入し硬化した際に、補強部の絶縁性樹脂の
弾性率が封止樹脂の弾性率よりも小さいため、歪み(ス
トレス)が生じたときに緩和、吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1例における半導体装置の実装体の
概略断面図である。
【図2】本発明の第2例における半導体装置の実装体の
概略断面図である。
【図3】本発明の第3例における半導体装置の実装体の
概略断面図である。
【図4】本発明の第4例における半導体装置の実装体の
概略平面透過図である。
【図5】本発明の第5例における半導体装置の実装体の
概略平面透過図である。
【図6】多層の回路基板上に半導体装置が複数個実装さ
れているもの(マルチチップモジュール)の概略断面図
である。
【図7】回路基板上に半導体装置が単体で実装されてい
るもの(チップスケールパッケージまたはチップサイズ
パッケージ)の概略断面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における半導体装置
の実装体の製造方法の突起電極形成工程を示す概略断面
図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における半導体装置
の実装体の製造方法の回路基板保持工程を示す概略断面
図である。
【図10】本発明の第の実施の形態における半導体装
置の実装体の製造方法の接続層形成工程を示す概略断面
図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における半導体装
置の実装体の製造方法の補強部形成工程を示す概略断面
図である。
【図12】本発明の第の実施の形態における半導体装
置の実装体の製造方法の仮止め工程、接続工程、補強工
程および接合層硬化工程を示す概略断面図である。
【図13】本発明の第の実施の形態における半導体装
置の実装体の製造方法の封止樹脂充填工程を示す概略断
面図である。
【図14】本発明の第の実施の形態における半導体装
置の実装体の製造方法の回路基板保持解除工程を示す概
略断面図である。
【図15】本発明の第の実施の形態における半導体装
置の実装体の製造方法の突起電極形成工程を示す概略断
面図である。
【図16】本発明の第の実施の形態における半導体装
置の実装体の製造方法の回路基板保持工程を示す概略断
面図である。
【図17】本発明の第の実施の形態における半導体装
置の実装体の製造方法の補強部形成工程を示す概略断面
図である。
【図18】本発明の第の実施の形態における半導体装
置の実装体の製造方法の仮止め工程、補強工程および接
続工程を示す概略断面図である。
【図19】本発明の第の実施の形態における半導体装
置の実装体の製造方法の封止樹脂充填工程を示す概略断
面図である。
【図20】本発明の第の実施の形態における半導体装
置の実装体の製造方法の回路基板保持解除工程を示す概
略断面図である。
【図21】従来の半田接合層を有する半導体装置の実装
体の概略断面図である。
【図22】従来の半田接合層を有する半導体装置の製造
方法の突起電極形成工程を示す概略断面図である。
【図23】従来の半田接合層を有する半導体装置の製造
方法の載置工程を示す概略断面図である。
【図24】従来の半田接合層を有する半導体装置の製造
方法の接続工程を示す概略断面図である。
【図25】従来の半田接合層を有する半導体装置の製造
方法の封止樹脂充填工程を示す概略断面図である。
【図26】補強部を備えた従来の半導体装置の実装体の
概略断面図である。
【図27】補強部を備えた従来の半導体装置の実装体の
概略平面透過図である。
【図28】本発明の実施例1(補強部の接着面の直径;
1mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の位置
で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプレイ
上に表示した中間調画像をプリンターから出力したもの
であり、図面に代わる写真である。
【図29】本発明の実施例2(補強部の接着面の直径;
1.6mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプ
レイ上に表示した中間調画像をプリンターから出力した
ものであり、図面に代わる写真である。
【図30】本発明の実施例3(補強部の接着面の直径;
1.9mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプ
レイ上に表示した中間調画像をプリンターから出力した
ものであり、図面に代わる写真である。
【図31】本発明の実施例4(補強部の接着面の直径;
2.2mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプ
レイ上に表示した中間調画像をプリンターから出力した
ものであり、図面に代わる写真である。
【図32】本発明の比較例1(補強部の接着面の直径;
2.7mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプ
レイ上に表示した中間調画像をプリンターから出力した
ものであり、図面に代わる写真である。
【図33】本発明の比較例2(補強部の接着面の直径;
4.8mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプ
レイ上に表示した中間調画像をプリンターから出力した
ものであり、図面に代わる写真である。
【図34】本発明の比較例3(補強部の接着面の直径;
2.8mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプ
レイ上に表示した中間調画像をプリンターから出力した
ものであり、図面に代わる写真である。
【図35】本発明の比較例3(補強部の接着面の直径;
2.8mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプ
レイ上に表示した中間調画像をプリンターから出力した
ものであり、図面に代わる写真である。
【図36】本発明の実施例2(補強部の接着面の直径;
1.6mm)の半導体装置の実装体を完成後に補強部の
位置で水平に切断したものの拡大写真であり、ディスプ
レイ上に表示した中間調画像をプリンターから出力した
ものであり、図面に代わる写真である。
【符号の説明】 1 端子電極 2 回路基板 3 接合層 4 半導体装置 5 突起電極 6 封止樹脂 7 封止樹脂中のフィラー 8 電極パッド 9 補強部 10 補強部中のフィラー 11 半田接合部 12 パッシベーション膜 13 拡散防止金属膜 14 密着金属膜 15 広がり径 16 ランド 17 接続部 18 バイア部 19 導体パターン 20 接着シート 21 基板固定治具 22 ボイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 別所 芳宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路基板と、前記回路基板にフェースダ
    ウンで実装された半導体装置と、前記回路基板と前記半
    導体装置との間隙に配置され、前記回路基板および前記
    半導体装置と接着することにより前記間隙を保持する、
    絶縁性樹脂からなる少なくとも一つの補強部を備え、前
    記補強部の前記回路基板との接着面積および前記半導体
    装置との接着面積は、前記補強部一つあたりそれぞれ、
    実質的に直径が2.2mmの円の面積以下であることを
    特徴とする半導体装置の実装体。
  2. 【請求項2】 前記半導体装置は、その素子表面上の電
    極パッド上に形成され、前記回路基板の端子電極と電気
    的に接続されている突起電極を有することを特徴とする
    請求項1に記載の半導体装置の実装体。
  3. 【請求項3】 前記回路基板は、その端子電極上に形成
    され、前記半導体装置の素子表面上の電極パッドと電気
    的に接続されている突起電極を有することを特徴とする
    請求項1に記載の半導体装置の実装体。
  4. 【請求項4】 前記突起電極と、前記端子電極または前
    記電極パッドとの電気的接続は、接合層を介して行われ
    ていることを特徴とする請求項2または3に記載の半導
    体装置の実装体。
  5. 【請求項5】 前記絶縁性樹脂の硬化反応開始温度は、
    前記接合層の硬化温度以下であること、および/また
    は、前記絶縁性樹脂の硬化時間は、前記接合層の硬化時
    間より短いものであることを特徴とする請求項4に記載
    の半導体装置の実装体。
  6. 【請求項6】 前記絶縁性樹脂は、その硬化収縮力が前
    記接合層の硬化収縮力よりも大きいものであることを特
    徴とする請求項請求項4または5に記載の半導体装置の
    実装体。
  7. 【請求項7】 前記半導体装置と前記回路基板との間隙
    に充填され、さらにその周辺部を被覆する絶縁性の封止
    樹脂を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載の半導体装置の実装体。
  8. 【請求項8】 前記絶縁性樹脂の弾性率は、前記封止樹
    脂の弾性率以下であることを特徴とする請求項7に記載
    の半導体装置の実装体。
  9. 【請求項9】 前記補強部は、前記半導体装置の素子面
    内で、前記補強部が備えられていない場合において、前
    記半導体装置の歪みまたはストレスが大きくなると予想
    される位置に配置されていることを特徴とする請求項1
    〜8のいずれかに記載の半導体装置の実装体。
  10. 【請求項10】 前記補強部は、複数個備えられてお
    り、前記半導体装置の素子面内の角部に少なくとも配置
    されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに
    記載の半導体装置の実装体。
  11. 【請求項11】 半導体装置をフェースダウンで回路基
    板に実装する半導体装置の実装体の製造方法において、
    前記回路基板または前記半導体装置の少なくとも一方に
    絶縁性樹脂からなる補強部を少なくとも1カ所形成する
    補強部形成工程と、前記補強部形成工程の後、前記半導
    体装置を位置合わせした後に前記回路基板に搭載し、前
    記半導体装置と前記回路基板とを前記補強部によって接
    着保持させる仮止め工程と、前記仮止め工程の後、前記
    補強部の前記絶縁性樹脂を硬化させる補強工程と、前記
    仮止め工程または前記補強工程と同時、またはこれらの
    後に、前記半導体装置の電極パッドと前記回路基板の端
    子電極とを電気的に接続する接続工程とを含み、前記補
    強部形成工程においては、前記補強工程後の前記補強部
    の前記回路基板との接着面積および前記半導体装置との
    接着面積が、前記補強部1カ所あたりそれぞれ、実質的
    に直径が2.2mmの円の面積以下となるように、前記
    補強部を形成することを特徴とする半導体装置の実装体
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記半導体装置の電極パッド上または
    前記回路基板の端子電極上に突起電極を形成する突起電
    極形成工程と、前記突起電極形成工程の後、前記突起電
    極の先端付近に接合層を形成する接合層形成工程とを、
    前記仮止め工程の前に含み、前記補強工程と同時に、前
    記接合層を硬化させる接合層硬化工程を含み、前記接続
    工程は、前記仮止め工程と同時に、前記突起電極と前記
    接合層とを介して、前記半導体装置の電極パッドと前記
    回路基板の端子電極とを電気的に接続する工程であるこ
    とを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の実装体
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記半導体装置の電極パッド上または
    前記回路基板の端子電極上突起電極を形成する突起電極
    形成工程を、前記仮止め工程の前に含み、前記接続工程
    は、前記補強工程と同時に、前記半導体装置または前記
    回路基板を加熱し、前記突起電極を溶融させることによ
    って、前記突起電極を介して、前記半導体装置の電極パ
    ッドと前記回路基板の端子電極とを電気的に接続する工
    程であることを特徴とする請求項11に記載の半導体装
    置の実装体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記絶縁性樹脂の硬化反応開始温度
    は、前記接合層の硬化温度以下であること、および/ま
    たは、前記絶縁性樹脂の硬化時間は、前記接合層の硬化
    時間より短いものであることを特徴とする請求項12に
    記載の半導体装置の実装体の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記絶縁性樹脂は、その硬化収縮力が
    前記接合層の硬化収縮力よりも大きいものであることを
    特徴とする請求項12または14に記載の半導体装置の
    実装体の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記補強部形成工程の前に、前記回路
    基板を平坦に保持する回路基板保持工程と、他の全工程
    が終了した後、前記回路基板保持工程において平坦に保
    持された前記回路基板の保持を解除する回路基板保持解
    除工程とを含むことを特徴とする請求項11〜15のい
    ずれかに記載の半導体装置の実装体の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記接続工程の後、前記半導体装置と
    前記回路基板との間隙と周辺部に絶縁性の封止樹脂を注
    入、充填、被覆した後、前記封止樹脂を硬化する封止樹
    脂充填工程とを含み、前記補強工程における前記絶縁性
    樹脂の硬化は、少なくとも、前記封止樹脂充填工程にお
    ける前記封止樹脂の硬化の完了より前に完了しているこ
    とを特徴とする請求項11〜16のいずれかに記載の半
    導体装置の実装体の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記絶縁性樹脂の弾性率は、前記封止
    樹脂の弾性率以下であることを特徴とする請求項17に
    記載の半導体装置の実装体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7312533B2 (en) 2000-03-31 2007-12-25 Infineon Technologies Ag Electronic component with flexible contacting pads and method for producing the electronic component
JP2013067814A (ja) * 2013-01-08 2013-04-18 Hitachi Chemical Co Ltd 樹脂封止型半導体装置の製造方法及び樹脂封止型半導体装置
JP2014196521A (ja) * 2014-07-25 2014-10-16 日立化成株式会社 液状エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2015110803A (ja) * 2015-02-26 2015-06-18 日立化成株式会社 液状エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2021013025A (ja) * 2013-07-19 2021-02-04 日亜化学工業株式会社 発光装置

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