JPH11329668A - スパークプラグ - Google Patents
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- JPH11329668A JPH11329668A JP13884698A JP13884698A JPH11329668A JP H11329668 A JPH11329668 A JP H11329668A JP 13884698 A JP13884698 A JP 13884698A JP 13884698 A JP13884698 A JP 13884698A JP H11329668 A JPH11329668 A JP H11329668A
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Abstract
を介してIrを主成分とするIr合金よりなるチップを
抵抗溶接してなるスパークプラグにおいて、緩和層の材
料を最適化して、チップの接合性を向上させる。 【解決手段】 Ni基合金よりなる中心電極3の先端部
3a及び接地電極4の対向部4aには、それぞれ、Ir
を主成分とするIr合金よりなるチップ51、52が、
層状の緩和層61、62を介して抵抗溶接されている。
緩和層61、62の構成材料は、900℃における線膨
張係数がIr合金とNi基合金との間の範囲にあり、且
つ900℃におけるヤング率がこれら両合金よりも小さ
いものとしている。
Description
等に設置されるスパークプラグに関し、特に、Irを主
成分とするIr合金チップを接地電極や中心電極に設け
たスパークプラグにおけるチップの接合性向上に関す
る。
に絶縁体を介して絶縁保持された中心電極と、取付金具
に接合された接地電極とを備える。そして、中心電極の
絶縁体から露出した部分と接地電極とを対向させ、この
対向部(火花放電部)に、火花放電が行われる放電ギャ
ップを形成する。さらに、プラグの長寿命、高性能化の
ために、放電ギャップにおいて中心電極および/または
接地電極に、火花放電部電極材としての貴金属よりなる
チップを溶接する。
従来より、Ptを主成分とするPt合金が多く使用され
てきたが、Pt合金では、将来のより厳しいエンジン仕
様に対し、耐消耗性の不足が予想される。そこで近年、
Pt合金よりも高融点であるIrを主成分とするIr合
金の使用が検討されており、例えば特開平9−7733
号公報のように、Ir−Rh合金チップを用いたものが
提案されている。
においてチップが接合されるチップ接合部の構成母材
は、通常、Niを主成分とするNi基合金であるが、上
記のようにIr合金よりなるチップでは、Ptを主成分
とするPt合金(例えば、90Pt−10Ir合金、8
0Pt−20Ir合金等)に比べて、Ni基合金との線
膨張係数の差が大きい。そのため、高温の燃焼室内で使
用されるプラグにおいては、チップとチップ接合部との
接合部分に、温度変化により両者の線膨張差に起因する
熱応力が発生する。
接チップ接合部に溶接しようとすると、剥離を防止する
ためには、両者の溶融を十分に行うことが可能なレーザ
溶接を用いる必要がある。しかし、一方では、レーザ溶
接は、設備及び製造面等からコストが高いため、レーザ
溶接に比べて、溶接エネルギーは低いがコストの低い抵
抗溶接によって溶接したいという要請がある。
金よりなるチップを溶接するにあたっては、チップとチ
ップ接合部との間に、両者の中間の線膨張係数を有する
緩和層を介在させ、それによって上記熱応力を低減させ
る方法がとられており、このようなものとしては、特開
平1−319284号公報に記載のものがある。これ
は、Ir−Ni合金等のIr合金チップを用いて、Pt
−Ni合金等からなる緩和層を介在させたものである。
それによって、チップにかかる熱応力を低減できるとさ
れている。
金よりなるチップとチップ接合部とを抵抗溶接するにあ
たって、両者の中間の線膨張係数を有する緩和層を用い
たものを、種々試作し検討した。その結果、緩和層の材
料によっては、上記熱応力が発生すると、チップと緩和
層との接合界面、又は、緩和層とチップ接合部との接合
界面に、亀裂、剥離が生じ、最悪の場合チップが脱落し
てしまうことがわかった。
であり、中心電極および/または接地電極に、緩和層を
介してIrを主成分とするIr合金よりなるチップを抵
抗溶接してなるスパークプラグにおいて、緩和層の材料
を最適化して、チップの接合性を向上させることを目的
とする。
チップ接合部とを緩和層を介して抵抗溶接するにあたっ
て、緩和層を、Ir合金とチップ接合部の構成母材との
中間の線膨張係数を有するものとしても、材料によって
は上記各接合界面に亀裂、剥離が生じてしまうことか
ら、線膨張係数以外の物性について実験検討を行った。
その結果、緩和層のヤング率が上記Ir合金及び母材よ
りも小さい値であれば、剥離が抑制され、チップの接合
性を向上できることがわかった。請求項1ないし請求項
14記載の発明は、上記検討結果に基づいてなされたも
のである。
を主成分とするIr合金よりなるチップ(51、52)
とチップ接合部(3a、4a)との間に介在する層状の
緩和層(61、62)を、線膨張係数がIr合金とチッ
プ接合部(3a、4a)の構成母材(以下、電極母材と
いう)であるNi基合金との間の範囲にあり、且つヤン
グ率がこれら両合金よりも小さい材料から構成されたも
のとしたことを特徴としている。
材料が、上記両合金の中間の線膨張係数を有するから、
少なくとも従来と同等の熱応力緩和作用を確保でき、さ
らに、上記両合金よりも小さいヤング率を有するから、
緩和層(61、62)を柔らかいものとでき、接合部分
の熱応力吸収が効率的になされる。従って、両方の効果
によって、従来より高いレベルでの熱応力緩和が可能と
なり、抵抗溶接によるチップの接合性を向上させること
ができる。
よりなるチップ(51、52)は、請求項2もしくは請
求項3記載の発明のように、Irが50wt%以上含有
されているもの、もしくは、Irが50wt%以上含有
されておりIrに対してRh、Pt、Ru、Pdおよび
Wのうち少なくとも1種が添加されているものを用いる
ことができる。
は、本発明者の実験検討した結果に基づき、緩和層(6
1、62)の構成材料の線膨張係数及びヤング率の好ま
しい値を提供するものである。ここで、両物性とも、9
00℃での値としたのは、高温の燃焼室内で使用される
プラグにおいて、例えばエンジンのスロットル全開(例
えば6000rpm)のとき、プラグの温度が約900
℃になることが理由である。
料において、請求項4記載の発明では、900℃におけ
るヤング率が15×104 MPa以下であるスパークプ
ラグを提供し、請求項5記載の発明では、同ヤング率が
5×104 MPa以上15×104 MPa以下スパーク
プラグを提供し、請求項6記載の発明では、900℃に
おける線膨張係数が10×10-6(/℃)〜11×10
-6(/℃)であるスパークプラグを提供する。ここで、
ヤング率の下限を5×104 MPaとしたのは、過小で
あると材料が軟らかすぎて、接合界面ではなく緩和層自
体に亀裂が生じる恐れがあると考えたことによる。
は、緩和層(61、62)の構成材料としての具体的な
合金材料を提供するものである。また、請求項10及び
請求項11記載の発明は、緩和層(61、62)の厚さ
(t)を、実験的に見いだされた好ましい範囲としたも
のである。ここで、その厚さ(t)が0.2mm以上で
あれば、良好な接合性を実現できるが、0.2mmより
薄いと緩和層自体に亀裂が生じてしまう。また、0.6
mmを厚さ(t)上限としたのは、これより厚くしても
接合性が飽和するため0.6mm以下で十分であり、
0.6mmより厚くしても厚くした分だけ材料コストが
かかるという理由による。
記載の緩和層(61、62)において、緩和層(61、
62)を、チップ(51、52)側に配設された第1緩
和層(61a、62a)と、この第1緩和層(61a、
62a)とチップ接合部(3a、4a)との間に配設さ
れ第1緩和層(61a、62a)及びNi基合金の中間
の線膨張係数を有する第2緩和層(61b、62b)と
の2層構造としたことを特徴している。
プ接合部(3a、4a)との間で線膨張係数を段階的に
変えることができ、それにより熱応力も段階的に緩和で
きる。そのため、特にチップ(51、52)の径が大き
い場合、有効である。ここで、上記第1、第2緩和層
(61a、62a、61b、62b)は、それぞれ、請
求項13記載の発明のように、Pt−Ir合金、Pt−
Ni合金を用いることができる。
(51、52)と緩和層(61、62)との溶接部分に
おいて、チップ(51、52)は緩和層(61、62)
よりも外周が大きいことを特徴としており、溶接部分に
おいてチップ全面に緩和層が溶接される場合に比べて、
チップ(51、52)にかかる熱応力を低減できるた
め、接合性を向上できる。
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
について説明する。本実施形態は例えば内燃機関の点火
栓として用いられる。図1に本実施形態のスパークプラ
グの全体構成を示す半断面図である。スパークプラグ
は、円筒形状の取付金具1を有しており、この取付金具
1は、図示しないエンジンブロックに固定するための取
付ネジ部1aを備えている。取付金具1の内部には、ア
ルミナセラミック(Al2 O3 )等からなる絶縁体2が
固定されており、この絶縁体2の先端部2aは、取付金
具1から露出するように設けられている。
れ、絶縁体2を介して取付金具1に絶縁保持されてお
り、図1に示すように、中心電極3の先端部3aは絶縁
体2の先端部2aから露出するように設けられている。
この中心電極3は、内材がCu等の熱伝導性に優れた金
属材料、外材がNi基合金等の耐熱性および耐食性に優
れた金属材料により構成された円柱体をなす。
より固定され、途中で略L字に曲げられて、溶接部分と
は反対の対向部4aにおいて中心電極3の先端部3aと
放電ギャップ6を隔てて対向している。この接地電極4
も、中心電極3は、内材がCu等の熱伝導性に優れた金
属材料、外材がNi基合金等の耐熱性および耐食性に優
れた金属材料により構成されている。ここで、図2に図
1における両電極3、4の対向部の拡大図を示す。
aには、Irを主成分とするIr合金(本例では90I
r−10Rh、数値は重量%)よりなるチップ(放電
層)51が、層状の緩和層61を介して抵抗溶接により
固定され、一方、接地電極4の対向部4aには、同じく
Ir合金(本例では90Ir−10Rh)よりなるチッ
プ(放電層)52が、層状の緩和層62を介して抵抗溶
接により固定されている。ここで、図3はチップ51、
52接合部分の断面図を示し、両電極3、4共に、チッ
プの接合断面は図3に示す同一構成である。
φ1.0mm、厚さが0.3mmの円盤状で、両チップ
51、52の隙間(例えば約1mm)が上記の放電ギャ
ップ6をなす。また、両緩和層61、62は、両チップ
51、52と同径(例えばφ1.0mm)で、厚さtが
0.2〜0.6mmの円盤状の層である。ここで、チッ
プ接合部である中心電極3の先端部3a及び接地電極4
の対向部4aは、共にNi基合金であり、本例ではイン
コネル(登録商標)としている。
の構成材料において、線膨張係数αを、両チップ51、
52の構成材料であるIr合金とチップ接合部3a、4
aを構成する電極母材であるNi基合金との間の範囲と
し、且つ、ヤング率EをIr合金及びNi基合金よりも
小さいものとした独自の構成としている。これは、両緩
和層61、62の構成材料に関する種々の実験検討を行
い、その結果に基づき見出したものである。以下、検討
の一例を述べる。
は、中心電極3側と接地電極4側とでは、同一の構成及
び溶接方法であるため、接地電極4側について述べる。
本例では、チップ52をIr−10Rh合金(Irが9
0重量%、Rh10重量%のもの)を用いた径がφ1.
0mm、厚さが0.3mmの円盤状のものとした。な
お、接地電極4の電極母材は、上述のようにNi基合金
であるインコネル(登録商標)とした。
ける線膨張係数α(×10-6/℃)が、チップ52の構
成材料であるIr−10Rh合金とインコネル(登録商
標)との中間値を持つ、合金Pt−20Ir(Ptが8
0重量%、Irが20重量%の意味、以下の合金も同様
に表記)、Pt−20Ir−2Ni、Pt−10Ni、
Ir−50Niの各材料を用い、径がφ1.0mm、厚
さtが0.2mmの円盤状のものを作成した。
℃)は、チップ52の構成材料であるIr−10Rh合
金がα=7.8であり、緩和層62については、Pt−
20Irがα=9.5、Pt−20Ir−2Niがα=
10.5、Pt−10Niがα=11.6、Ir−50
Niがα=11.3であり、電極母材がα=14.8で
ある。そして、溶接は、初めに、緩和層62を接地電極
4の対向部4aに抵抗溶接し、次に、チップ52を抵抗
溶接する方法で行った。溶接条件は、加圧力が30k
g、電流値が1200A、サイクル数が10サイクルと
した。
接地電極4の対向部(チップ接合部)4aに抵抗溶接さ
れたスパークプラグについて、緩和層62の上記各材料
毎に接合性を調べた。接合性は、以下の耐久テストにて
調査した。テストは、6気筒2000ccエンジンで実
施し、運転条件はアイドル状態(例えば約300℃)で
1分保持、スロットル全開状態(例えば約900℃で)
6000rpm、1分保持の繰り返しを100時間行っ
た。
プ径Cに対する剥離長さ(A+B)の比(A+B)/C
に100をかけた剥離率(%)で評価した。上記耐久テ
ストの結果を図5に示す。図5は、線膨張係数α(×1
0-6/℃)と剥離率(%)との関係を示すもので、
(a)はチップ接合部4aと緩和層62との接合面(母
材−緩和層接合面)70、(b)はチップ52と緩和層
62との接合面(チップ−緩和層接合面)71について
のものである。
2を溶接するため、2つの接合面70、71での接合性
確保が必要となるが、耐久テスト後の剥離率が50%以
下であれば、接合性が確保されたものとした。図5に示
す様に、緩和層材料が、Pt合金系(Pt−20Ir、
Pt−20Ir−2Ni、Pt−10Ni)のものは、
上記両接合面70、71において、剥離率が50%以下
であり接合性が確保されている。しかし、Ir合金系
(Ir−50Ni)は、母材−緩和層接合面において剥
離率が50%より大きく、接合性が確保されているとは
いえず、本発明の緩和層の構成材料としては不適当であ
る。
記Pt合金系及びIr−50Ni共に、Ir−10Rh
合金と電極母材(インコネル)との中間の値であるが、
900℃におけるヤング率E(×104 MPa)は、チ
ップ52の構成材料であるIr−10Rh合金がE=3
8.0、緩和層62については、Pt−20IrがE=
10.6、Pt−20Ir−2NiがE=10.8、P
t−10NiがE=11.0、Ir−50NiがE=2
5.0であり、電極母材がE=15.6であり、上記P
t合金系は、ほぼ一定でIr−10Rh合金及び電極母
材よりも小さいが、Ir−50NiはIr−10Rh合
金と電極母材との中間である。
記ヤング率Eと熱応力との関係は、図6の様であり、緩
和層のヤング率Eが大きくなるに連れて熱応力も大きく
なる。なお、同図においては、緩和層の線膨張係数αを
Ir−10Rh合金とインコネルとのほぼ中間の11.
0(×10-6/℃)とし、熱応力は、各接合面70、7
1のエッジ部70a、71a(図3参照)に発生する応
力の最大値を用い、且つ上記Pt合金系の母材−緩和層
接合面70を1と規格化したときの応力比で整理してあ
る。
に基づき、緩和層62の構成材料の900℃におけるヤ
ング率Eを、次のように規定した。Ir合金は、電極母
材であるインコネル(登録商標)よりもヤング率Eが大
きいため、緩和層62の構成材料のヤング率Eをインコ
ネルよりも小さいものとすれば、Ir合金及び電極母材
よりも小さくなる。また、ヤング率Eが過小であると、
軟らかすぎて緩和層自体に亀裂が生じる恐れがあると考
え、900℃におけるヤング率E(×104 MPa)を
5以上15以下を好ましい範囲とした。
基合金、チップがIr合金よりなる場合、の緩和層の構
成材料について、上記検討例と同様に種々検討を行い、
線膨張係数αをIr合金と電極母材であるNi基合金と
の間の範囲とし、且つ、ヤング率EをIr合金及びNi
基合金よりも小さいものとすれば、接合性を確保できる
ことを見出した。
確保の両立という面からみると、図5に示す様に、Pt
−20Ir−2Niからなる緩和層62は、両接合面7
0、71での剥離率が共に25%以下であり、上記検討
例中では最も接合性に優れていると考えられる。本発明
者の検討によれば、このPt−20Ir−2Niと同程
度の接合性効果を示すものとしては、Pt−Ir−Ni
合金において、Ptが65重量%〜89重量%、Irが
10重量%〜30重量%、Niが1重量%〜5重量%の
組成を有するものが好ましく、また、900℃における
線膨張係数α(×10-6/℃)については、10〜11
のものが好ましい。
は、上述のように0.2mm以上0.6mm以下として
いるが、これは、チップ厚さtと上記接合面70、71
における剥離率との関係について検討した結果に基づ
く。その検討結果の一例を図7に示す。同図は、Pt−
20Ir−2Niよりなる緩和層62について、チップ
厚さt0.1〜1.0mmについて、上記耐久テスト後
の母材−緩和層接合面70における剥離率を評価し、厚
さの効果を調べたものである。
小さくなり、0.6mm以上になるとほぼ一定となる。
ここで、厚さtが0.1mm、0.15mmのもの(図
7中×マークで示す)は、接合面70での剥離率は許容
範囲だが、緩和層62自体に縦亀裂が生じた。他の材料
よりなる緩和層62についても同傾向であり、これから
緩和層62の厚さtは、実用上好適な範囲として、0.
2〜0.6mmの範囲とした。
和層62について、線膨張係数α、ヤング率E、厚さt
を規定したが、中心電極3側の緩和層61についても、
全く同様のことがいえる。以上、本実施形態について述
べてきたが、本実施形態によれば、緩和層61、62の
構成材料が、Ir合金と電極母材であるNi基合金との
中間の線膨張係数αを有するから、少なくとも従来と同
等の熱応力緩和作用を確保でき、さらに、上記両合金よ
りも小さいヤング率Eを有するから、緩和層61、62
を柔らかいものとでき、接合部分の熱応力吸収が効率的
になされる。従って、両方の効果によって、従来より高
いレベルでの熱応力緩和が可能となり、チップ51、5
2の接合性を向上させることができる。
に比べて安価な抵抗溶接での接合が可能となり、Ir合
金チップを有する低コストかつ高信頼性であるプラグを
得ることができる。さらに、接合信頼性向上により、プ
ラグ交換時間の大幅拡大が可能となり、プラグの長寿命
化が図れる。また、本実施形態は、熱負荷の厳しい環境
で使用されるスパークプラグに用いて好適である。
層61、62をチップ接合部3a、4aに抵抗溶接し、
次に、チップ51、52を抵抗溶接するという、2回の
抵抗溶接を行っているが、それ以外にも、あらかじめチ
ップ51、52と緩和層61、62とが接合されたクラ
ッド状のチップを、1回で抵抗溶接してもよい。
ップと緩和層との接合面面積及び緩和層とチップ接合部
との接合面面積が大きくなると、かかる熱応力も大きく
なる。その一例を図8に示す。ここで、図8はFEM解
析によるチップ径と熱応力との関係を示す。図8におい
ては、チップ52(厚さ0.3mm)と緩和層62(厚
さ0.2mm)との合計厚さ(0.5mm)をチップの
厚さとし、チップ52の径(緩和層62の径も同様)を
φ1.0mm、φ2.0mmとした場合について、上記
図6と同様の応力比を各接合面70、71について調べ
たものである。図8から、チップ径が大きくなるほど応
力比が大、すなわち熱応力が大きくなり剥離しやすくな
ることがわかる。
成を図9に示す。図9(a)では、緩和層62を、チッ
プ52側に配設された第1緩和層62aと、この第1緩
和層62aとチップ接合部4aとの間に配設され第1緩
和層62a及びNi基合金の中間の線膨張係数を有する
第2緩和層62bとの2層構造としている。ここで、中
心電極3側の緩和層61も、第1緩和層61a及び第2
緩和層62bの2層構造とできる。
に比べて、チップ51、52とチップ接合部3a、4a
との間で線膨張係数を段階的に変えることができ、それ
により熱応力も段階的に緩和できる。そのため、図9
(a)の構成は、チップ径が大きい場合(例えばφ1.
5mm以上)に有効である。例えば、第1緩和層として
Pt−Ir合金、第2緩和層としてPt−Ni合金を用
いることができる。
合面71において、チップ51、52が緩和層61、6
2よりも外周が大きいもの、すなわち緩和層61、62
よりも大きなチップ51、52を接合すれば、接合性を
確保しつつ、耐消耗性を大幅に向上することができる。
緩和層61、62の径をチップ径よりも小さくすること
により、チップ径が大きくても、実質的に接合面にかか
る熱応力を小さくできる。
と、緩和層61、62は、円盤状以外にも、棒状、角柱
状に構成されていても良い。
構成を示す半断面図である。
拡大図である。
あり、(a)は母材−緩和層接合面について、(b)は
チップ−緩和層接合面についてのものである。
を示すグラフである。
離率との関係を示すグラフである。
示すグラフである。
部、4…接地電極、4a…接地電極の対向部、51、5
2…チップ、61、62…緩和層、61a、62a…第
1緩和層、61b、62b…第2緩和層。
Claims (14)
- 【請求項1】 中心電極(3)と、 前記中心電極(3)を絶縁保持する取付金具(1)と、 前記取付金具(1)に固定され、前記中心電極(3)に
放電ギャップを隔てて対向する接地電極(4)とを備
え、 前記両電極(3、4)の対向部において、前記中心電極
(3)および/または前記接地電極(4)に、Irを主
成分とするIr合金よりなるチップ(51、52)が接
合されているスパークプラグであって、 前記チップ(51、52)は、前記中心電極(3)およ
び/または前記接地電極(4)の前記チップ(51、5
2)が接合されるチップ接合部(3a、4a)上に、層
状の緩和層(61、62)を介して設けられており、 前記チップ接合部(3a、4a)の構成母材はNi基合
金であり、 前記緩和層(61、62)は、線膨張係数が前記Ir合
金と前記Ni基合金との間の範囲にあり、且つヤング率
が前記Ir合金及び前記Ni基合金よりも小さい材料か
ら構成されていることを特徴とするスパークプラグ。 - 【請求項2】 前記チップ(51、52)は、Irが5
0wt%以上含有されているものであることを特徴とす
る請求項1に記載のスパークプラグ。 - 【請求項3】 前記チップ(51、52)は、Irが5
0wt%以上含有されており、Irに対してRh、P
t、Ru、PdおよびWのうち少なくとも1種が添加さ
れているものであることを特徴とする請求項1に記載の
スパークプラグ。 - 【請求項4】 前記緩和層(61、62)の構成材料
は、900℃におけるヤング率が15×104 MPa以
下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
1つに記載のスパークプラグ。 - 【請求項5】 前記緩和層(61、62)の構成材料
は、900℃におけるヤング率が5×104 MPa以上
であることを特徴とする請求項4に記載のスパークプラ
グ。 - 【請求項6】 前記緩和層(61、62)の構成材料
は、900℃における線膨張係数が10×10-6(/
℃)〜11×10-6(/℃)であることを特徴とする請
求項4または5に記載のスパークプラグ。 - 【請求項7】 前記緩和層(61、62)の構成材料
は、Ptを構成要素として含む合金であることを特徴と
する請求項1ないし6のいずれか1つに記載のスパーク
プラグ。 - 【請求項8】 前記緩和層(61、62)の構成材料
は、Pt−Ir−Ni合金であることを特徴とする請求
項7に記載のスパークプラグ。 - 【請求項9】 前記Pt−Ir−Ni合金は、Ptが6
5重量%〜89重量%、Irが10重量%〜30重量
%、Niが1重量%〜5重量%の組成を有するものであ
ることを特徴とする請求項8に記載のスパークプラグ。 - 【請求項10】 前記緩和層(61、62)の厚さ
(t)は、0.2mm以上であることを特徴とする請求
項1ないし9のいずれか1つに記載のスパークプラグ。 - 【請求項11】 前記緩和層(61、62)の厚さ
(t)は、0.6mm以下であることを特徴とする請求
項10に記載のスパークプラグ。 - 【請求項12】 前記緩和層(61、62)は、前記チ
ップ(51、52)側に配設された第1緩和層(61
a、62a)と、この第1緩和層(61a、62a)と
前記チップ接合部(3a、4a)との間に配設され前記
第1緩和層(61a、62a)及び前記Ni基合金の中
間の線膨張係数を有する第2緩和層(61b、62b)
との2層構造からなることを特徴とする請求項7に記載
のスパークプラグ。 - 【請求項13】 前記第1緩和層(61a、62a)は
Pt−Ir合金からなり、前記第2緩和層(61b、6
2b)はPt−Ni合金からなることを特徴とする請求
項12に記載のスパークプラグ。 - 【請求項14】 前記チップ(51、52)と前記緩和
層(61、62)との溶接部分において、前記チップ
(51、52)は前記緩和層(61、62)よりも外周
が大きいことを特徴とする請求項1ないし13のいずれ
か1つに記載のスパークプラグ。
Priority Applications (3)
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---|---|---|---|
JP13884698A JPH11329668A (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | スパークプラグ |
US09/313,361 US6346766B1 (en) | 1998-05-20 | 1999-05-18 | Spark plug for internal combustion engine and method for manufacturing same |
DE19922925A DE19922925A1 (de) | 1998-05-20 | 1999-05-19 | Zündkerze für einen Verbrennungsmotor und Verfahren zu ihrer Herstellung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP13884698A JPH11329668A (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | スパークプラグ |
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JPH11329668A true JPH11329668A (ja) | 1999-11-30 |
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Family Applications (1)
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- 1998-05-20 JP JP13884698A patent/JPH11329668A/ja active Pending
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