JPH11326438A - 部分放電検知方法 - Google Patents
部分放電検知方法Info
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- JPH11326438A JPH11326438A JP10148452A JP14845298A JPH11326438A JP H11326438 A JPH11326438 A JP H11326438A JP 10148452 A JP10148452 A JP 10148452A JP 14845298 A JP14845298 A JP 14845298A JP H11326438 A JPH11326438 A JP H11326438A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 測定周波数の電磁波のうち系統電源の周波数
成分から絶縁劣化した電気機器の部分放電の発生を確実
に検知する。 【解決手段】 配電機器等の電気機器の部分放電により
系統電源に同期して発生した電磁波をアンテナ1により
受信し、このアンテナ1の受信信号に含まれた測定周波
数の電磁波のうち系統電源の周波数で変化する成分と,
その2倍の周波数で変化する成分を抽出し、抽出成分の
大きさから放電の有無を判別して部分放電の発生を検知
する。
成分から絶縁劣化した電気機器の部分放電の発生を確実
に検知する。 【解決手段】 配電機器等の電気機器の部分放電により
系統電源に同期して発生した電磁波をアンテナ1により
受信し、このアンテナ1の受信信号に含まれた測定周波
数の電磁波のうち系統電源の周波数で変化する成分と,
その2倍の周波数で変化する成分を抽出し、抽出成分の
大きさから放電の有無を判別して部分放電の発生を検知
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、配電機器等の電
気機器の部分放電を、その電磁波から非接触に検知し、
電気機器の絶縁劣化の非接触検出等を可能にする部分放
電検知方法に関する。
気機器の部分放電を、その電磁波から非接触に検知し、
電気機器の絶縁劣化の非接触検出等を可能にする部分放
電検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、配電線路の柱上機器(碍子,変圧
器等)のような配電機器(配電機材)やモータ等の主に
高電圧が印加される電気機器は、絶縁劣化によっていわ
ゆる部分放電が生じ、この放電によって高周波,広帯域
の電磁波(高周波雑音)を発生する。
器等)のような配電機器(配電機材)やモータ等の主に
高電圧が印加される電気機器は、絶縁劣化によっていわ
ゆる部分放電が生じ、この放電によって高周波,広帯域
の電磁波(高周波雑音)を発生する。
【0003】そして、この種の部分放電は系統電源に同
期し、一般に、系統電圧の正極及び負極で発生すること
から、その発生周波数が系統電源の2倍の周波数にな
る。
期し、一般に、系統電圧の正極及び負極で発生すること
から、その発生周波数が系統電源の2倍の周波数にな
る。
【0004】そのため、前記の電磁波の大きさも、一般
に、系統電源の2倍の周波数で変動する。
に、系統電源の2倍の周波数で変動する。
【0005】そこで、本出願人は特願平8−32785
1号の出願により、設定した測定周波数の受信電磁波の
系統電源の2倍の周波数で変化する成分を抽出し、その
大きさそのもの又はその大きさとバックグランドノイズ
との比から絶縁劣化した電気機器等の部分放電を検知す
る部分放電検知方法を既に発明している。
1号の出願により、設定した測定周波数の受信電磁波の
系統電源の2倍の周波数で変化する成分を抽出し、その
大きさそのもの又はその大きさとバックグランドノイズ
との比から絶縁劣化した電気機器等の部分放電を検知す
る部分放電検知方法を既に発明している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記既出願の部分放電
検知方法の場合、部分放電に基づく電磁波の系統電源の
2倍の周波数で変化する成分を抽出して部分放電の発生
を検知するため、電気機器等の絶縁劣化した放電部分の
環境変化や放電状態自体の変化により、部分放電が系統
電圧の正極側又は負極側のみで発生し、放電に伴う電磁
波の大きさが系統電源に同期してその周波数で変化する
ときには、部分放電を検知できない問題点がある。
検知方法の場合、部分放電に基づく電磁波の系統電源の
2倍の周波数で変化する成分を抽出して部分放電の発生
を検知するため、電気機器等の絶縁劣化した放電部分の
環境変化や放電状態自体の変化により、部分放電が系統
電圧の正極側又は負極側のみで発生し、放電に伴う電磁
波の大きさが系統電源に同期してその周波数で変化する
ときには、部分放電を検知できない問題点がある。
【0007】すなわち、部分放電に基づく電磁波の大き
さが系統電源の周波数で変化する場合、この周波数で変
化する成分を2倍の周波数で変化する成分として抽出し
て検知すると、抽出成分の大きさ(実効値)が系統電源
の周波数で変化する成分として抽出した値より低下する
ことから、部分放電を検知することができず、その検知
ミスが生じる。
さが系統電源の周波数で変化する場合、この周波数で変
化する成分を2倍の周波数で変化する成分として抽出し
て検知すると、抽出成分の大きさ(実効値)が系統電源
の周波数で変化する成分として抽出した値より低下する
ことから、部分放電を検知することができず、その検知
ミスが生じる。
【0008】本発明は、測定周波数の受信電磁波の系統
電源の周波数成分から、絶縁劣化した電気機器等の部分
放電を確実に検知することを課題とする。
電源の周波数成分から、絶縁劣化した電気機器等の部分
放電を確実に検知することを課題とする。
【0009】また、部分放電により発生した電磁波の大
きさが系統電源の周波数,その2倍の周波数のいずれで
変化する場合にも、部分放電を確実に検知することを課
題とする。
きさが系統電源の周波数,その2倍の周波数のいずれで
変化する場合にも、部分放電を確実に検知することを課
題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本願請求項1の部分放電検知方法においては、配
電機器等の電気機器の部分放電により系統電源に同期し
て発生した電磁波をアンテナにより受信し、このアンテ
ナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁波のうち系統
電源の周波数で変化する成分を抽出し、抽出成分の大き
さから放電の有無を判別して部分放電の発生を検知す
る。
めに、本願請求項1の部分放電検知方法においては、配
電機器等の電気機器の部分放電により系統電源に同期し
て発生した電磁波をアンテナにより受信し、このアンテ
ナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁波のうち系統
電源の周波数で変化する成分を抽出し、抽出成分の大き
さから放電の有無を判別して部分放電の発生を検知す
る。
【0011】したがって、部分放電により測定周波数の
受信電磁波が系統電源に同期して発生し、その大きさが
系統電源の周波数で変動する場合、前記電磁波の系統電
源の周波数の成分が抽出される。
受信電磁波が系統電源に同期して発生し、その大きさが
系統電源の周波数で変動する場合、前記電磁波の系統電
源の周波数の成分が抽出される。
【0012】そして、この抽出成分が系統電源の周波数
の成分であるとして、この成分の大きさから部分放電が
検出ミスなく確実に検出される。
の成分であるとして、この成分の大きさから部分放電が
検出ミスなく確実に検出される。
【0013】また、請求項2の部分放電検出方法におい
ては、アンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁
波のうち系統電源の周波数で変化する成分を抽出し、抽
出成分とアンテナの受信信号のバックグランドノイズと
のレベルの比から放電の有無を判別して部分放電の発生
を検知する。
ては、アンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁
波のうち系統電源の周波数で変化する成分を抽出し、抽
出成分とアンテナの受信信号のバックグランドノイズと
のレベルの比から放電の有無を判別して部分放電の発生
を検知する。
【0014】したがって、受信電波に放送電波等のバッ
クグランドノイズが含まれている場合に、アンテナの受
信信号とバックグランドノイズとの比を求めることによ
り、バックグランドノイズを排除して測定周波数の電磁
波のうち系統電源の周波数で変化する成分が抽出され
る。
クグランドノイズが含まれている場合に、アンテナの受
信信号とバックグランドノイズとの比を求めることによ
り、バックグランドノイズを排除して測定周波数の電磁
波のうち系統電源の周波数で変化する成分が抽出され
る。
【0015】そのため、測定周波数の電磁波が部分放電
により系統電源の周波数で変動するときに、バックグラ
ンドノイズの影響を排除して部分放電を検出ミスなく確
実に検出できる。
により系統電源の周波数で変動するときに、バックグラ
ンドノイズの影響を排除して部分放電を検出ミスなく確
実に検出できる。
【0016】さらに、請求項3の部分放電検出方法にお
いては、アンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電
磁波のうち系統電源の周波数で変化する成分を抽出し、
抽出成分の大きさ,前記抽出成分と前記受信信号のバッ
クグランドノイズとのレベルの比の少なくとも一方の判
別結果が放電有りのときに部分放電の発生を検知する。
いては、アンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電
磁波のうち系統電源の周波数で変化する成分を抽出し、
抽出成分の大きさ,前記抽出成分と前記受信信号のバッ
クグランドノイズとのレベルの比の少なくとも一方の判
別結果が放電有りのときに部分放電の発生を検知する。
【0017】したがって、受信した測定周波数の電磁波
のうち系統電源の周波数で変化する成分の大きさから放
電の有無が判別されるとともに、その成分とバックグラ
ンドノイズとの比から放電の有無が判別され、少なくと
もいずれか一方の判別結果が放電有りになれば、部分放
電が検知される。
のうち系統電源の周波数で変化する成分の大きさから放
電の有無が判別されるとともに、その成分とバックグラ
ンドノイズとの比から放電の有無が判別され、少なくと
もいずれか一方の判別結果が放電有りになれば、部分放
電が検知される。
【0018】そのため、測定周波数の受信電磁波のうち
系統電源の周波数で変化する成分から、請求項1,請求
項2の検知方法より一層確実に部分放電を検出できる。
系統電源の周波数で変化する成分から、請求項1,請求
項2の検知方法より一層確実に部分放電を検出できる。
【0019】つぎに、請求項4の部分放電検知方法にお
いては、配電機器等の電気機器の部分放電により系統電
源に同期して発生した電磁波をアンテナにより受信し、
このアンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁波
のうち系統電源の周波数で変化する第1の成分及びその
2倍の周波数で変化する第2の成分を抽出し、両成分そ
れぞれの大きさから放電の有無を判別し、両成分それぞ
れの判別結果の少なくとも一方が放電有のときに部分放
電の発生を検知する。
いては、配電機器等の電気機器の部分放電により系統電
源に同期して発生した電磁波をアンテナにより受信し、
このアンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁波
のうち系統電源の周波数で変化する第1の成分及びその
2倍の周波数で変化する第2の成分を抽出し、両成分そ
れぞれの大きさから放電の有無を判別し、両成分それぞ
れの判別結果の少なくとも一方が放電有のときに部分放
電の発生を検知する。
【0020】したがって、部分放電により受信した測定
周波数の電磁波が系統電源の周波数で変化する場合だけ
でなく、その2倍の周波数で変化する場合にも、それぞ
れの周波数成分の大きさから部分放電を確実に検出する
ことができる。
周波数の電磁波が系統電源の周波数で変化する場合だけ
でなく、その2倍の周波数で変化する場合にも、それぞ
れの周波数成分の大きさから部分放電を確実に検出する
ことができる。
【0021】また、請求項5の部分放電検知方法におい
ては、アンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁
波のうち系統電源の周波数で変化する第1の成分及びそ
の2倍の周波数で変化する第2の成分を抽出し、両成分
の加算値の大きさから放電の有無を判別して部分放電の
発生を検知する。
ては、アンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁
波のうち系統電源の周波数で変化する第1の成分及びそ
の2倍の周波数で変化する第2の成分を抽出し、両成分
の加算値の大きさから放電の有無を判別して部分放電の
発生を検知する。
【0022】したがって、部分放電により受信した測定
周波数の受信電磁波が系統電源の周波数で変化する場合
及びその2倍の周波数で変化する場合に、両周波数の抽
出成分の加算値の大きさから部分放電が検知される。
周波数の受信電磁波が系統電源の周波数で変化する場合
及びその2倍の周波数で変化する場合に、両周波数の抽
出成分の加算値の大きさから部分放電が検知される。
【0023】さらに、請求項6においては、アンテナの
受信信号に含まれた測定周波数の電磁波のうち系統電源
の周波数で変化する第1の成分及びその2倍の周波数で
変化する第2の成分を抽出し、両成分それぞれと受信信
号のバックグランドノイズとのレベルの比から部分放電
の有無を判別し、両成分それぞれの判別結果の少なくと
も一方が放電有のときに放電部分の発生を検知する。
受信信号に含まれた測定周波数の電磁波のうち系統電源
の周波数で変化する第1の成分及びその2倍の周波数で
変化する第2の成分を抽出し、両成分それぞれと受信信
号のバックグランドノイズとのレベルの比から部分放電
の有無を判別し、両成分それぞれの判別結果の少なくと
も一方が放電有のときに放電部分の発生を検知する。
【0024】したがって、部分放電により測定周波数の
受信電磁波が系統電源の周波数で変化する場合及びその
2倍の周波数で変化する場合に、それぞれの成分とバッ
クグランドノイズとの比から部分放電が検知される。
受信電磁波が系統電源の周波数で変化する場合及びその
2倍の周波数で変化する場合に、それぞれの成分とバッ
クグランドノイズとの比から部分放電が検知される。
【0025】また、請求項7においては、アンテナの受
信信号に含まれた測定周波数の電磁波のうち系統電源の
周波数で変化する第1の成分及びその2倍の周波数で変
化する第2の成分を抽出し、両成分それぞれの大きさ又
は両成分の加算値の大きさから放電の有無を判別し、両
成分それぞれと受信信号のバックグランドノイズとのレ
ベルの比又は両成分の加算値とバックグランドノイズと
のレベルの比から部分放電の有無を判別し、両判別結果
の少なくとも一方が放電有のときに部分放電の発生を検
知する。
信信号に含まれた測定周波数の電磁波のうち系統電源の
周波数で変化する第1の成分及びその2倍の周波数で変
化する第2の成分を抽出し、両成分それぞれの大きさ又
は両成分の加算値の大きさから放電の有無を判別し、両
成分それぞれと受信信号のバックグランドノイズとのレ
ベルの比又は両成分の加算値とバックグランドノイズと
のレベルの比から部分放電の有無を判別し、両判別結果
の少なくとも一方が放電有のときに部分放電の発生を検
知する。
【0026】したがって、請求項4又は請求項5の検知
方法と請求項6の検知方法とを組合せ、測定周波数の受
信電磁波が系統電源の周波数で変化する場合及びその2
倍の周波数で変化する場合に、抽出した成分の大きさ
と、抽出した成分とバックグランドノイズとの比とによ
り、極めて精度よく部分放電が検知される。
方法と請求項6の検知方法とを組合せ、測定周波数の受
信電磁波が系統電源の周波数で変化する場合及びその2
倍の周波数で変化する場合に、抽出した成分の大きさ
と、抽出した成分とバックグランドノイズとの比とによ
り、極めて精度よく部分放電が検知される。
【0027】そして、前記各請求項においては、実際に
は電磁波エネルギから部分放電を検出しているため、各
請求項の抽出成分又は第1,第2の成分は、それぞれ実
効値とすることが現実的である。
は電磁波エネルギから部分放電を検出しているため、各
請求項の抽出成分又は第1,第2の成分は、それぞれ実
効値とすることが現実的である。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の1形態につき、図
1ないし図11を参照して説明する。 (第1の実施の形態)まず、図2は部分放電検知に用い
る装置の構成を示し、アンテナ1の0〜200MHz程度
の広帯域の受信信号はプリアンプ2を介してスペクトラ
ムアナライザ3に供給される。
1ないし図11を参照して説明する。 (第1の実施の形態)まず、図2は部分放電検知に用い
る装置の構成を示し、アンテナ1の0〜200MHz程度
の広帯域の受信信号はプリアンプ2を介してスペクトラ
ムアナライザ3に供給される。
【0029】このスペクトラムアナライザ3はいわゆる
携帯形のパソコンからなる後段のコンピュータ装置4の
キーボード操作等により測定条件等が操作設定され、測
定データをコンピュータ装置4に供給する。
携帯形のパソコンからなる後段のコンピュータ装置4の
キーボード操作等により測定条件等が操作設定され、測
定データをコンピュータ装置4に供給する。
【0030】このコンピュータ装置4はスペクトラムア
ナライザ3とともに成分抽出手段を形成し、この成分抽
出手段の抽出結果から部分放電の発生を検知する。
ナライザ3とともに成分抽出手段を形成し、この成分抽
出手段の抽出結果から部分放電の発生を検知する。
【0031】ところで、この実施の形態においては、配
電線路の多数の柱上機器を検知対象の電気機器としてい
わゆる移動測定を行うため、アンテナ1,プリアンプ
2,スペクトラムアナライザ3及びコンピュータ装置4
は車に搭載され、電池5により駆動される。
電線路の多数の柱上機器を検知対象の電気機器としてい
わゆる移動測定を行うため、アンテナ1,プリアンプ
2,スペクトラムアナライザ3及びコンピュータ装置4
は車に搭載され、電池5により駆動される。
【0032】そして、各柱上機器の電柱近傍に移動して
測定を開始すると、アンテナ1の受信信号の周波数特性
は、部分放電が生じていなければ、例えば図3の実線
に示すようになり、部分放電が生じていると、例えば同
図の実線に示すようになる。
測定を開始すると、アンテナ1の受信信号の周波数特性
は、部分放電が生じていなければ、例えば図3の実線
に示すようになり、部分放電が生じていると、例えば同
図の実線に示すようになる。
【0033】なお、図3は0〜200MHzの周波数特性
を示し、実線は健全な電柱での実測特性であり、実線
は約5000pC(ピコクーロン)の部分放電が発生
している電柱での実測特性である。
を示し、実線は健全な電柱での実測特性であり、実線
は約5000pC(ピコクーロン)の部分放電が発生
している電柱での実測特性である。
【0034】そして、実線はノイズ電波に基づく測定
環境のバックグランドノイズ(BGN)の特性に相当
し、実線はこのバックグランドノイズに部分放電の電
磁波が重畳した特性である。
環境のバックグランドノイズ(BGN)の特性に相当
し、実線はこのバックグランドノイズに部分放電の電
磁波が重畳した特性である。
【0035】さらに、この部分放電の電磁波は系統電源
に同期して発生し、その大きさは放電の周期にしたがっ
て変化する。
に同期して発生し、その大きさは放電の周期にしたがっ
て変化する。
【0036】そして、部分放電が系統電圧の正,負両極
側で発生するときは、その電磁波の大きさが例えば図4
に示すように系統電源の周波数の2倍の周波数で変化す
るが、部分放電が系統電圧の正極側又は負極側のみで発
生するときは、その電磁波の大きさが例えば図5に示す
ように系統電源の周波数で変化する。
側で発生するときは、その電磁波の大きさが例えば図4
に示すように系統電源の周波数の2倍の周波数で変化す
るが、部分放電が系統電圧の正極側又は負極側のみで発
生するときは、その電磁波の大きさが例えば図5に示す
ように系統電源の周波数で変化する。
【0037】図4,図5は系統電源が60Hzの場合のア
ンテナ1の受信信号の測定周波数30MHzにおける電磁
波強度の時間変化を示し、図4では120Hz(=60Hz
×2)で変化し、図5では60Hzで変化している。
ンテナ1の受信信号の測定周波数30MHzにおける電磁
波強度の時間変化を示し、図4では120Hz(=60Hz
×2)で変化し、図5では60Hzで変化している。
【0038】そして、この120Hz又は60Hzで変化す
る成分の大きさが、放電部分の環境等に基づき、電磁波
の周波数によって異なるため、これらの成分が十分に大
きくなる周波数を測定周波数に定める。
る成分の大きさが、放電部分の環境等に基づき、電磁波
の周波数によって異なるため、これらの成分が十分に大
きくなる周波数を測定周波数に定める。
【0039】具体的には、実験データやフィールドデー
タから予め適当な測定周波数を選定してコンピュータ装
置4に設定したり、事前に測定しておいた図3の実線
のバックグランドノイズの周波数特性のグラフと,現在
(最新)の例えば図3の実線の周波数特性のグラフと
をコンピュータ装置4の表示画面6に表示し、オペレー
タの操作により、実線,のレベル差が大きく、部分
放電の電磁波に対するバックグランドノイズの影響が少
ない周波数を選び、キーボード7の操作等により、この
周波数を測定周波数に選定してコンピュータ装置4に設
定する。
タから予め適当な測定周波数を選定してコンピュータ装
置4に設定したり、事前に測定しておいた図3の実線
のバックグランドノイズの周波数特性のグラフと,現在
(最新)の例えば図3の実線の周波数特性のグラフと
をコンピュータ装置4の表示画面6に表示し、オペレー
タの操作により、実線,のレベル差が大きく、部分
放電の電磁波に対するバックグランドノイズの影響が少
ない周波数を選び、キーボード7の操作等により、この
周波数を測定周波数に選定してコンピュータ装置4に設
定する。
【0040】つぎに、図1のステップA1 〜A8 は図2
の装置を用いた放電部分の検知手順を示し、測定地点に
到着する前或いは到着後にステップA1 により前記のよ
うにして適当な測定周波数を設定する。
の装置を用いた放電部分の検知手順を示し、測定地点に
到着する前或いは到着後にステップA1 により前記のよ
うにして適当な測定周波数を設定する。
【0041】そして、実際の測定,検知を開始し、コン
ピュータ装置4によりステップA2に示すようにスペク
トラムアナライザ3の測定(タイムドメイン測定)を制
御し、アンテナ1の受信信号の測定周波数の成分につ
き、設定された適当な一定時間測定を行う。
ピュータ装置4によりステップA2に示すようにスペク
トラムアナライザ3の測定(タイムドメイン測定)を制
御し、アンテナ1の受信信号の測定周波数の成分につ
き、設定された適当な一定時間測定を行う。
【0042】この測定のデータは例えば図4,図5に示
すように、時間軸上でバックグランドノイズに系統電源
の周波数の2倍の周波数(120Hz)の成分又は系統電
源の周波数(60Hz)の成分が重畳した波形のデータに
なる。
すように、時間軸上でバックグランドノイズに系統電源
の周波数の2倍の周波数(120Hz)の成分又は系統電
源の周波数(60Hz)の成分が重畳した波形のデータに
なる。
【0043】つぎに、例えば図4,図5の測定波形の特
性グラフをコンピュータ装置4の表示画面6に表示し、
オペレータの判断で部分放電の有無を判定して検知する
ことも可能であるが、多数の電柱の柱上機器について部
分放電の有無を検知するような場合には、自動的に検知
することが処理時間及び労力等の面から望ましい。
性グラフをコンピュータ装置4の表示画面6に表示し、
オペレータの判断で部分放電の有無を判定して検知する
ことも可能であるが、多数の電柱の柱上機器について部
分放電の有無を検知するような場合には、自動的に検知
することが処理時間及び労力等の面から望ましい。
【0044】そこで、スペクトラムアナライザ3から測
定波形のデータが得られると、コンピュータ装置4はス
テップA3 により測定波形のデータのFFT解析を実行
する。
定波形のデータが得られると、コンピュータ装置4はス
テップA3 により測定波形のデータのFFT解析を実行
する。
【0045】そして、この実施の形態にあっては、従来
は検知できなかった測定周波数の受信電磁波の系統電源
の周波数で変化する成分から部分放電を検知するため、
前記FFT解析により、アンテナ1の測定周波数の受信
信号から系統電源の周波数,例えば60Hzで変化する成
分を抽出する。
は検知できなかった測定周波数の受信電磁波の系統電源
の周波数で変化する成分から部分放電を検知するため、
前記FFT解析により、アンテナ1の測定周波数の受信
信号から系統電源の周波数,例えば60Hzで変化する成
分を抽出する。
【0046】さらに、抽出成分の大きさ,具体的には実
効値から放電の有無を判別するため、図1のステップA
4 ,A5 により抽出成分(実効値)と予め設定したしき
い値とを比較し、放電の有無を判別する。
効値から放電の有無を判別するため、図1のステップA
4 ,A5 により抽出成分(実効値)と予め設定したしき
い値とを比較し、放電の有無を判別する。
【0047】そして、抽出成分がしきい値より大きけれ
ばステップA6 により放電有りと判別し、部分放電の発
生を検知する。
ばステップA6 により放電有りと判別し、部分放電の発
生を検知する。
【0048】また、抽出成分がしきい値以下であればス
テップA7 により放電無しと判別する。
テップA7 により放電無しと判別する。
【0049】部分放電により受信した測定周波数の電磁
波が系統電源の周波数で変化する場合には、系統電源の
周波数で変化する抽出成分に応じたしきい値を設定する
ことにより、系統電源の周波数の2倍の周波数で変化す
る成分に応じたしきい値を基準にして判別する場合のよ
うな検知ミスが発生せず、抽出成分の大きさから自動的
に部分放電の有無を精度よく検知することができる。
波が系統電源の周波数で変化する場合には、系統電源の
周波数で変化する抽出成分に応じたしきい値を設定する
ことにより、系統電源の周波数の2倍の周波数で変化す
る成分に応じたしきい値を基準にして判別する場合のよ
うな検知ミスが発生せず、抽出成分の大きさから自動的
に部分放電の有無を精度よく検知することができる。
【0050】そして、部分放電の発生を検知したとき
は、ステップA8 によりコンピュータ装置4から絶縁不
良警報用のアラームを発生するとともに、その表示画面
6に判定結果等を表示してオペレータによる手動の確
認,判断を支援する。
は、ステップA8 によりコンピュータ装置4から絶縁不
良警報用のアラームを発生するとともに、その表示画面
6に判定結果等を表示してオペレータによる手動の確
認,判断を支援する。
【0051】(第2の実施の形態)つぎに、請求項2に
対応する第2の実施の形態につき、図6を参照して説明
する。この実施の形態が第1の実施の形態と異なる点
は、図2のコンピュータ装置4により抽出成分とバック
グランドノイズとの比から放電の有無を判別して部分放
電の発生を検知するようにした点である。
対応する第2の実施の形態につき、図6を参照して説明
する。この実施の形態が第1の実施の形態と異なる点
は、図2のコンピュータ装置4により抽出成分とバック
グランドノイズとの比から放電の有無を判別して部分放
電の発生を検知するようにした点である。
【0052】そして、コンピュータ装置4は図6のステ
ップB1 〜B8 の手順で動作し、そのステップB1 ,B
2 ,B3 により図1のステップA1 ,A2 ,A3 と同様
の処理が行われ、スペクトラムアナライザ3の測定デー
タのFFT解析により、アンテナ1の測定周波数の受信
信号から、系統電源の周波数で変化する成分を抽出す
る。
ップB1 〜B8 の手順で動作し、そのステップB1 ,B
2 ,B3 により図1のステップA1 ,A2 ,A3 と同様
の処理が行われ、スペクトラムアナライザ3の測定デー
タのFFT解析により、アンテナ1の測定周波数の受信
信号から、系統電源の周波数で変化する成分を抽出す
る。
【0053】さらに、コンピュータ装置4はステップB
4 により例えば測定データを、大きなものを除去して平
均化し、バックグランドノイズを求め、このノイズと抽
出成分との比を,具体的にはそれらの実効値の比を演算
する。
4 により例えば測定データを、大きなものを除去して平
均化し、バックグランドノイズを求め、このノイズと抽
出成分との比を,具体的にはそれらの実効値の比を演算
する。
【0054】そして、コンピュータ装置4はステップB
5 ,B6 ,B7 により、ステップB 4 で求めた比と設定
された適当なしきい値とを比較し、求めた比がしきい値
より大きければ放電有りと判別して部分放電の発生を検
知し、基準値以下であれば放電無しと判別する。
5 ,B6 ,B7 により、ステップB 4 で求めた比と設定
された適当なしきい値とを比較し、求めた比がしきい値
より大きければ放電有りと判別して部分放電の発生を検
知し、基準値以下であれば放電無しと判別する。
【0055】なお、部分放電の発生を検知すると、ステ
ップB8 により図1のステップA8と同様の警報を行
う。
ップB8 により図1のステップA8と同様の警報を行
う。
【0056】したがって、この形態の場合は、抽出成分
とバックグランドノイズとの比を求めて部分放電の発生
を検知することができる。
とバックグランドノイズとの比を求めて部分放電の発生
を検知することができる。
【0057】(第3の形態)つぎに、請求項3に対応す
る実施の第3の形態につき、図7等を参照して説明す
る。この実施の形態においては、前記の第1,第2の形
態の検知手法を組合せてさらに精度の高い検知を行う。
る実施の第3の形態につき、図7等を参照して説明す
る。この実施の形態においては、前記の第1,第2の形
態の検知手法を組合せてさらに精度の高い検知を行う。
【0058】そのため、コンピュータ装置4は図7のス
テップC1 〜C10の手順で動作し、そのステップC1 〜
C4 により図1のステップA1 〜A4 と同様の処理を実
行し、FFT解析によりアンテナ1の測定周波数の受信
信号から系統電源の周波数で変化する成分を抽出し、こ
の成分としきい値とを比較して放電の有無を判別し、そ
の結果をステップC5 により第1の判別結果として保持
する。
テップC1 〜C10の手順で動作し、そのステップC1 〜
C4 により図1のステップA1 〜A4 と同様の処理を実
行し、FFT解析によりアンテナ1の測定周波数の受信
信号から系統電源の周波数で変化する成分を抽出し、こ
の成分としきい値とを比較して放電の有無を判別し、そ
の結果をステップC5 により第1の判別結果として保持
する。
【0059】さらに、ステップC6 により図6のステッ
プB4 ,B5 と同様の処理を実行して抽出成分とバック
グランドノイズとの比を求め、この比と基準値とを比較
して放電の有無を判別し、その結果をステップC7 によ
り第2の判別結果として保持する。
プB4 ,B5 と同様の処理を実行して抽出成分とバック
グランドノイズとの比を求め、この比と基準値とを比較
して放電の有無を判別し、その結果をステップC7 によ
り第2の判別結果として保持する。
【0060】さらに、ステップC8 ,C9 により第1,
第2の判別結果の少なくとも一方が放電有りのときに、
部分放電の発生を検知し、ステップC10により図1のス
テップA8 ,図6のステップB8 と同様の警報を行う。
第2の判別結果の少なくとも一方が放電有りのときに、
部分放電の発生を検知し、ステップC10により図1のス
テップA8 ,図6のステップB8 と同様の警報を行う。
【0061】したがって、この形態の場合は抽出成分の
大きさからの判別と、抽出成分とバックグランドノイズ
との比からの判別とが併用され、いずれか一方でも放電
有りと判別すれば、部分放電の発生を検知して警報が行
われ、系統電源の周波数で変動する成分から部分放電の
発生が漏れなく確実に、しかも、一層精度よく検知され
る。
大きさからの判別と、抽出成分とバックグランドノイズ
との比からの判別とが併用され、いずれか一方でも放電
有りと判別すれば、部分放電の発生を検知して警報が行
われ、系統電源の周波数で変動する成分から部分放電の
発生が漏れなく確実に、しかも、一層精度よく検知され
る。
【0062】(第4の形態)つぎに、請求項4に対応す
る実施の第4の形態について、図8を参照して説明す
る。この形態にあっては、部分放電に基づく測定周波数
の受信電磁波に系統電源の周波数で変化する成分,系統
電源の周波数の2倍の周波数で変化する成分のいずれが
含まれている場合にも部分放電の発生を検知し得るよう
にするため、図2のコンピュータ装置4は図8のステッ
プD1 〜D9 の手順で動作する。
る実施の第4の形態について、図8を参照して説明す
る。この形態にあっては、部分放電に基づく測定周波数
の受信電磁波に系統電源の周波数で変化する成分,系統
電源の周波数の2倍の周波数で変化する成分のいずれが
含まれている場合にも部分放電の発生を検知し得るよう
にするため、図2のコンピュータ装置4は図8のステッ
プD1 〜D9 の手順で動作する。
【0063】そして、ステップD1 ,D2 により例えば
図1のステップA1 ,A2 と同様の処理を実行し、図2
のスペクトラムアナライザ3の解析結果の波形データを
収集する。
図1のステップA1 ,A2 と同様の処理を実行し、図2
のスペクトラムアナライザ3の解析結果の波形データを
収集する。
【0064】さらに、ステップD3 によりスペクトラム
アナライザ3の波形データのFFT解析を実行し、アン
テナ1の測定周波数の受信信号から系統電源の周波数で
変化する第1の成分,その2倍の周波数で変化する第2
の成分を別々に検出して抽出する。
アナライザ3の波形データのFFT解析を実行し、アン
テナ1の測定周波数の受信信号から系統電源の周波数で
変化する第1の成分,その2倍の周波数で変化する第2
の成分を別々に検出して抽出する。
【0065】そして、ステップD5 により第1の成分と
予め設定した第1のしきい値とを比較して放電の有無を
判別し、ステップD6 により第2の成分と予め設定した
第2のしきい値とを比較して放電の有無を判別する。
予め設定した第1のしきい値とを比較して放電の有無を
判別し、ステップD6 により第2の成分と予め設定した
第2のしきい値とを比較して放電の有無を判別する。
【0066】このとき、第1,第2の成分のいずれか一
方でも第1,第2のしきい値より大きくなり、ステップ
D5 ,D6 のいずれか一方でも判別結果が放電有りにな
れば、ステップD7 により部分放電の発生を検知する。
方でも第1,第2のしきい値より大きくなり、ステップ
D5 ,D6 のいずれか一方でも判別結果が放電有りにな
れば、ステップD7 により部分放電の発生を検知する。
【0067】そして、ステップD8 の警報処理により、
コンピュータ装置4から絶縁不良警報用のアラームを発
生するとともに、その表示画面6に判定結果等を表示し
てオペレータによる手動の確認,判断を支援する。
コンピュータ装置4から絶縁不良警報用のアラームを発
生するとともに、その表示画面6に判定結果等を表示し
てオペレータによる手動の確認,判断を支援する。
【0068】なお、第1,第2の成分が共にそれぞれの
しきい値以下になり、ステップD5,D6 のいずれの判
別結果も放電無しになっているときは、ステップD9 に
より放電無しと判別して処理を終了する。
しきい値以下になり、ステップD5,D6 のいずれの判
別結果も放電無しになっているときは、ステップD9 に
より放電無しと判別して処理を終了する。
【0069】したがって、この形態の場合は、部分放電
により測定周波数の受信電磁波が系統電源の周波数,そ
の2倍の周波数のいずれで変化するときにも、それぞれ
の周波数の変化成分に応じたしきい値を設定して、部分
放電の発生を確実に検知することができる。
により測定周波数の受信電磁波が系統電源の周波数,そ
の2倍の周波数のいずれで変化するときにも、それぞれ
の周波数の変化成分に応じたしきい値を設定して、部分
放電の発生を確実に検知することができる。
【0070】(第5の形態)つぎに、請求項5に対応す
る実施の第5の形態について、図9を参照して説明す
る。この形態にあっては、図2のコンピュータ装置4が
図9のステップE1 〜E9の手順で動作し、ステップE
1 ,E2 ,E3 により図8のステップD1 ,D2 ,D3
と同様の処理を実行し、アンテナ1の測定周波数の受信
信号から、系統電源の周波数で変化する第1の成分と、
その2倍の周波数で変化する第2の成分とを抽出する。
る実施の第5の形態について、図9を参照して説明す
る。この形態にあっては、図2のコンピュータ装置4が
図9のステップE1 〜E9の手順で動作し、ステップE
1 ,E2 ,E3 により図8のステップD1 ,D2 ,D3
と同様の処理を実行し、アンテナ1の測定周波数の受信
信号から、系統電源の周波数で変化する第1の成分と、
その2倍の周波数で変化する第2の成分とを抽出する。
【0071】つぎに、ステップE4 により第1,第2の
成分を加算し、ステップE5 により両成分の加算値と予
め設定したしきい値とを比較する。
成分を加算し、ステップE5 により両成分の加算値と予
め設定したしきい値とを比較する。
【0072】そして、部分放電により第1,第2の成分
の少なくともいずれか一方が大きくなると、両成分の加
算値がしきい値より大きくなり、ステップE7 により放
電有りの判別に基づいて部分放電の発生を検知し、この
検知に基づき、ステップE8により図8のステップD8
と同様の警報処理を実行する。
の少なくともいずれか一方が大きくなると、両成分の加
算値がしきい値より大きくなり、ステップE7 により放
電有りの判別に基づいて部分放電の発生を検知し、この
検知に基づき、ステップE8により図8のステップD8
と同様の警報処理を実行する。
【0073】なお、部分放電が発生していないときは、
第1,第2の成分の加算値がしきい値以下になり、ステ
ップE9 により放電無しと判別して処理を終了する。
第1,第2の成分の加算値がしきい値以下になり、ステ
ップE9 により放電無しと判別して処理を終了する。
【0074】したがって、この形態の場合は測定周波数
の受信電磁波のうち系統電源の周波数で変化する第1の
成分と,その2倍の周波数で変化する成分との加算値の
大きさから部分放電の発生を確実に検出できる。
の受信電磁波のうち系統電源の周波数で変化する第1の
成分と,その2倍の周波数で変化する成分との加算値の
大きさから部分放電の発生を確実に検出できる。
【0075】(第6の形態)つぎに、請求項6に対応す
る第6の形態について、図10を参照して説明する。こ
の形態にあっては、図2のコンピュータ装置4が図10
のステップF1 〜F9 の手順で動作し、ステップF1 ,
F2 ,F3 により図8のステップD1 ,D2,D3 と同
様の処理を実行し、第1,第2の成分を抽出する。
る第6の形態について、図10を参照して説明する。こ
の形態にあっては、図2のコンピュータ装置4が図10
のステップF1 〜F9 の手順で動作し、ステップF1 ,
F2 ,F3 により図8のステップD1 ,D2,D3 と同
様の処理を実行し、第1,第2の成分を抽出する。
【0076】さらに、ステップF4 により例えば図6の
ステップB4 と同様にして第1,第2の成分それぞれと
バックグランドノイズとの比を求め、ステップF5 ,F
6 により図6のステップB5 と同様にして第1,第2の
成分についての比とそれぞれの基準値とを比較し、放電
の有無を判別する。
ステップB4 と同様にして第1,第2の成分それぞれと
バックグランドノイズとの比を求め、ステップF5 ,F
6 により図6のステップB5 と同様にして第1,第2の
成分についての比とそれぞれの基準値とを比較し、放電
の有無を判別する。
【0077】そして、ステップF5 ,F6 のいずれか一
方でも判別結果が放電有りになれば、ステップF7 によ
り部分放電の発生を検知し、ステップF8 により図8の
ステップD8 と同様の警報処理を実行する。
方でも判別結果が放電有りになれば、ステップF7 によ
り部分放電の発生を検知し、ステップF8 により図8の
ステップD8 と同様の警報処理を実行する。
【0078】なお、ステップF5 ,F6 のいずれの判別
結果も放電無しであれば、ステップF9 により放電無し
と判別して処理を終了する。
結果も放電無しであれば、ステップF9 により放電無し
と判別して処理を終了する。
【0079】(第7の形態)つぎに、請求項7に対応す
る第7の形態について、図11を参照して説明する。こ
の形態にあっては、第4の形態又は第5の形態の検知手
順と第6の形態の検知手順とを組合せて部分放電を検知
するため、図2のコンピュータ装置4が図11のステッ
プG1 〜G10の手順で動作し、ステップG1 ,G2 ,G
3 により例えば図10のステップF1 ,F2 ,F3 と同
様の処理を実施し、測定周波数の電磁波の第1,第2の
成分を抽出する。
る第7の形態について、図11を参照して説明する。こ
の形態にあっては、第4の形態又は第5の形態の検知手
順と第6の形態の検知手順とを組合せて部分放電を検知
するため、図2のコンピュータ装置4が図11のステッ
プG1 〜G10の手順で動作し、ステップG1 ,G2 ,G
3 により例えば図10のステップF1 ,F2 ,F3 と同
様の処理を実施し、測定周波数の電磁波の第1,第2の
成分を抽出する。
【0080】そして、ステップG4 ,G5 の第1の判別
処理法により、図8のステップD4〜D7 ,D9 と同様
の処理又は図9のステップE4 〜E7 ,E9 と同様の処
理を行って第1,第2の成分の大きさから放電の有無を
判別し、ステップG6 ,G7の第2の判別処理により図
10のステップF4 〜F7 ,F9 と同様の処理を行って
第1,第2の成分とバックグランドノイズとの比から放
電の有無を判別する。
処理法により、図8のステップD4〜D7 ,D9 と同様
の処理又は図9のステップE4 〜E7 ,E9 と同様の処
理を行って第1,第2の成分の大きさから放電の有無を
判別し、ステップG6 ,G7の第2の判別処理により図
10のステップF4 〜F7 ,F9 と同様の処理を行って
第1,第2の成分とバックグランドノイズとの比から放
電の有無を判別する。
【0081】さらに、ステップG8 ,G9 により、ステ
ップG5 の第1の判別結果,ステップG6 の第2の判別
結果の少なくともいずれか一方が放電有りであれば部分
放電の発生を検知し、ステップG10により例えば図10
のステップF8 と同様の警報処理を実行する。
ップG5 の第1の判別結果,ステップG6 の第2の判別
結果の少なくともいずれか一方が放電有りであれば部分
放電の発生を検知し、ステップG10により例えば図10
のステップF8 と同様の警報処理を実行する。
【0082】したがって、この形態の場合は2種類の検
知方法を併用し、測定周波数の電磁波の大きさが系統電
源の周波数,その2倍の周波数のいずれで変化するとき
にも、極めて精度よく部分放電の発生を検知することが
できる。
知方法を併用し、測定周波数の電磁波の大きさが系統電
源の周波数,その2倍の周波数のいずれで変化するとき
にも、極めて精度よく部分放電の発生を検知することが
できる。
【0083】ところで、この部分放電の検知方法にあっ
ては、実際は電磁波エネルギを測定しているため、各形
態の抽出成分又は第1の成分a,第2の成分bの大きさ
は、具体的にはそれぞれの実効値の大きさであり、第
5,第7の形態の加算値は、第1,第2の成分a,bの
実効値の加算合成値√(a2 +b2 )である。
ては、実際は電磁波エネルギを測定しているため、各形
態の抽出成分又は第1の成分a,第2の成分bの大きさ
は、具体的にはそれぞれの実効値の大きさであり、第
5,第7の形態の加算値は、第1,第2の成分a,bの
実効値の加算合成値√(a2 +b2 )である。
【0084】つぎに各形態において、測定周波数(同調
周波数)の帯域は、不要なノイズを除去して検知精度を
高めるため、極力狭くすることが好ましい。
周波数)の帯域は、不要なノイズを除去して検知精度を
高めるため、極力狭くすることが好ましい。
【0085】しかし、測定周波数の帯域を狭くすると、
場合によってはいわゆる同調外れが生じ、図2のアンテ
ナ1の受信信号からの部分放電の成分の抽出に失敗する
事態も生じる。
場合によってはいわゆる同調外れが生じ、図2のアンテ
ナ1の受信信号からの部分放電の成分の抽出に失敗する
事態も生じる。
【0086】そこで、測定周波数の帯域を極力狭くして
精度の高い検知を行うときは、測定周波数として、実験
データや周波数スペクトラムデータなどから適当な複数
の周波数を選定し、これらの周波数につき、事前にコン
ピュータ装置4により必要な周波数成分を抽出して部分
放電の発生を試験的に検知し、その結果から最も好適な
周波数を測定周波数に決定することが好ましい。
精度の高い検知を行うときは、測定周波数として、実験
データや周波数スペクトラムデータなどから適当な複数
の周波数を選定し、これらの周波数につき、事前にコン
ピュータ装置4により必要な周波数成分を抽出して部分
放電の発生を試験的に検知し、その結果から最も好適な
周波数を測定周波数に決定することが好ましい。
【0087】また、複数の測定周波数について検知する
ときは、アンテナ1の受信信号を複数台のスペクトラム
アナライザ3に分配し、各アナライザ3の測定データを
コンピュータ装置4に供給し、いわゆる時分割処理等の
並列処理で部分放電を検知すればよい。
ときは、アンテナ1の受信信号を複数台のスペクトラム
アナライザ3に分配し、各アナライザ3の測定データを
コンピュータ装置4に供給し、いわゆる時分割処理等の
並列処理で部分放電を検知すればよい。
【0088】つぎに、アンテナ1は不要なノイズを除去
する面からは、指向性のアンテナにより形成することが
望ましいが、例えば配電線路の多数の柱上機器について
車で移動しながら順次に検知するようなときは、受信範
囲を広くして受信位置等の制限をなくすことが作業時間
の短縮等の面からは好ましく、実際、短時間に検知する
ことが極めて重要であるため、アンテナ1には無指向性
のアンテナを使用することが好ましい。
する面からは、指向性のアンテナにより形成することが
望ましいが、例えば配電線路の多数の柱上機器について
車で移動しながら順次に検知するようなときは、受信範
囲を広くして受信位置等の制限をなくすことが作業時間
の短縮等の面からは好ましく、実際、短時間に検知する
ことが極めて重要であるため、アンテナ1には無指向性
のアンテナを使用することが好ましい。
【0089】つぎに、各形態においては、スペクトラム
アナライザ3及びコンピュータ装置4により、FFT解
析により測定周波数の成分を抽出したが、この成分はD
FT解析等の他の周波数解析(分析)の手法で抽出して
もよく、フィルタ回路等のハードウェア回路により抽出
することも可能である。そして、種々の電気機器の部分
放電の有無の検知に適用できるのは勿論である。
アナライザ3及びコンピュータ装置4により、FFT解
析により測定周波数の成分を抽出したが、この成分はD
FT解析等の他の周波数解析(分析)の手法で抽出して
もよく、フィルタ回路等のハードウェア回路により抽出
することも可能である。そして、種々の電気機器の部分
放電の有無の検知に適用できるのは勿論である。
【0090】
【発明の効果】本発明は、以下に記載する効果を奏す
る。まず、請求項1の場合は、部分放電により測定周波
数の,電磁波が系統電源に同期して発生し、その大きさ
が系統電源の周波数で変動する場合に、アンテナ1の受
信信号の電磁波の系統電源の周波数の成分が抽出され、
この抽出成分が系統電源の周波数の成分であるとして、
この成分の大きさから部分放電が検出されるため、部分
放電により測定周波数の受信電磁波が系統電源の周波数
で変化するときに、部分放電の発生を検出ミスなく確実
に検出することができる。
る。まず、請求項1の場合は、部分放電により測定周波
数の,電磁波が系統電源に同期して発生し、その大きさ
が系統電源の周波数で変動する場合に、アンテナ1の受
信信号の電磁波の系統電源の周波数の成分が抽出され、
この抽出成分が系統電源の周波数の成分であるとして、
この成分の大きさから部分放電が検出されるため、部分
放電により測定周波数の受信電磁波が系統電源の周波数
で変化するときに、部分放電の発生を検出ミスなく確実
に検出することができる。
【0091】また、請求項2の場合は、受信電磁波に放
送電波等のバックグランドノイズが含まれている場合
に、アンテナ1の受信信号とバックグランドノイズとの
比を求めることにより、バックグランドノイズを排除し
て測定周波数の電磁波のうち系統電源の周波数で変化す
る成分を抽出することができ、測定周波数の受信電磁波
が部分放電により系統電源の周波数で変動するときに、
バックグランドノイズの影響を排除して部分放電を検出
ミスなく確実に検出することができる。
送電波等のバックグランドノイズが含まれている場合
に、アンテナ1の受信信号とバックグランドノイズとの
比を求めることにより、バックグランドノイズを排除し
て測定周波数の電磁波のうち系統電源の周波数で変化す
る成分を抽出することができ、測定周波数の受信電磁波
が部分放電により系統電源の周波数で変動するときに、
バックグランドノイズの影響を排除して部分放電を検出
ミスなく確実に検出することができる。
【0092】さらに、請求項3の場合は測定周波数の受
信電磁波のうち系統電源の周波数で変化する成分の大き
さから放電の有無が判別されるとともに、その成分とバ
ックグランドノイズとの比から放電の有無が判別され、
部分放電により少なくともいずれか一方の判別結果が放
電有りになれば部分放電が検知されるため、測定周波数
の電磁波のうち系統電源の周波数の成分から、請求項
1,請求項2の検知方法より一層確実に部分放電を検出
することができる。
信電磁波のうち系統電源の周波数で変化する成分の大き
さから放電の有無が判別されるとともに、その成分とバ
ックグランドノイズとの比から放電の有無が判別され、
部分放電により少なくともいずれか一方の判別結果が放
電有りになれば部分放電が検知されるため、測定周波数
の電磁波のうち系統電源の周波数の成分から、請求項
1,請求項2の検知方法より一層確実に部分放電を検出
することができる。
【0093】つぎに、請求項4の場合は、部分放電によ
り測定周波数の受信電磁波が系統電源の周波数で変化す
る場合だけでなく、その2倍の周波数で変化する場合に
も、それぞれの周波数成分の大きさから部分放電を確実
に検出することができる。
り測定周波数の受信電磁波が系統電源の周波数で変化す
る場合だけでなく、その2倍の周波数で変化する場合に
も、それぞれの周波数成分の大きさから部分放電を確実
に検出することができる。
【0094】また、請求項5の場合は、部分放電により
測定周波数の受信電磁波が系統電源の周波数で変化する
場合及びその2倍の周波数で変化する場合に、両周波数
の抽出成分の加算値の大きさから部分放電を確実に検出
することができる。
測定周波数の受信電磁波が系統電源の周波数で変化する
場合及びその2倍の周波数で変化する場合に、両周波数
の抽出成分の加算値の大きさから部分放電を確実に検出
することができる。
【0095】さらに、請求項6の場合は、部分放電によ
り測定周波数の受信電磁波が系統電源の周波数で変化す
る場合及びその2倍の周波数で変化する場合に、それぞ
れの成分とバックグランドノイズとの比から部分放電を
確実に検知することができる。
り測定周波数の受信電磁波が系統電源の周波数で変化す
る場合及びその2倍の周波数で変化する場合に、それぞ
れの成分とバックグランドノイズとの比から部分放電を
確実に検知することができる。
【0096】また、請求項7の場合は、請求項4又は請
求項5の検知方法と請求項6の検知方法とを組合せ、測
定周波数の電磁波が系統電源の周波数で変化する場合及
びその2倍の周波数で変化する場合に、抽出した成分の
大きさと、抽出した成分とバックグランドノイズとの比
とにより、極めて精度よく部分放電を検知することがで
きる。
求項5の検知方法と請求項6の検知方法とを組合せ、測
定周波数の電磁波が系統電源の周波数で変化する場合及
びその2倍の周波数で変化する場合に、抽出した成分の
大きさと、抽出した成分とバックグランドノイズとの比
とにより、極めて精度よく部分放電を検知することがで
きる。
【0097】そして、本発明では実際には電磁波エネル
ギを測定して部分放電を検知するため、請求項1〜請求
項7の抽出成分又は第1,第2の成分は、それぞれ実効
値とすることが現実的である。
ギを測定して部分放電を検知するため、請求項1〜請求
項7の抽出成分又は第1,第2の成分は、それぞれ実効
値とすることが現実的である。
【図1】本発明の実施の1形態の検知処理説明用のフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図2】図1の検知処理に用いられる装置のブロック図
である。
である。
【図3】図2のアンテナで受信した信号の周波数特性図
の1例である。
の1例である。
【図4】図2のアンテナで受信した信号で,系統電源周
波数の2倍の周波数で変化する部分放電があるときの測
定周波数が30MHzにおける電磁波強度の時間変化の実
測図である。
波数の2倍の周波数で変化する部分放電があるときの測
定周波数が30MHzにおける電磁波強度の時間変化の実
測図である。
【図5】図2のアンテナで受信した信号で,系統電源周
波数で変化する部分放電があるときの測定周波数が30
MHzにおける電磁波強度の時間変化の実測図である。
波数で変化する部分放電があるときの測定周波数が30
MHzにおける電磁波強度の時間変化の実測図である。
【図6】本発明の実施の第2の形態の検知処理説明用の
フローチャートである。
フローチャートである。
【図7】本発明の実施の第3の形態の検知処理説明用の
フローチャートである。
フローチャートである。
【図8】本発明の実施の第4の形態の検知処理説明用の
フローチャートである。
フローチャートである。
【図9】本発明の実施の第5の形態の検知処理説明用の
フローチャートである。
フローチャートである。
【図10】本発明の実施の第6の形態の検知処理説明用
のフローチャートである。
のフローチャートである。
【図11】本発明の実施の第7の形態の検知処理説明用
のフローチャートである。
のフローチャートである。
1 アンテナ 3 スペクトラムアナライザ 4 コンピュータ装置
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 部分放電検知方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、配電機器等の電
気機器の部分放電を、その電磁波から非接触に検知し、
電気機器の絶縁劣化の非接触検出等を可能にする部分放
電検知方法に関する。
気機器の部分放電を、その電磁波から非接触に検知し、
電気機器の絶縁劣化の非接触検出等を可能にする部分放
電検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、配電線路の柱上機器(碍子,変圧
器等)のような配電機器(配電機材)やモータ等の主に
高電圧が印加される電気機器は、絶縁劣化によっていわ
ゆる部分放電が生じ、この放電によって高周波,広帯域
の電磁波(高周波雑音)を発生する。
器等)のような配電機器(配電機材)やモータ等の主に
高電圧が印加される電気機器は、絶縁劣化によっていわ
ゆる部分放電が生じ、この放電によって高周波,広帯域
の電磁波(高周波雑音)を発生する。
【0003】そして、この種の部分放電は系統電源に同
期し、一般に、系統電圧の正極及び負極で発生すること
から、その発生周波数が系統電源の2倍の周波数にな
る。
期し、一般に、系統電圧の正極及び負極で発生すること
から、その発生周波数が系統電源の2倍の周波数にな
る。
【0004】そのため、前記の電磁波の大きさも、一般
に、系統電源の2倍の周波数で変動する。
に、系統電源の2倍の周波数で変動する。
【0005】そこで、本出願人は特願平8−16089
3号の出願により、設定した測定周波数の受信電磁波の
系統電源の2倍の周波数で変化する成分を抽出し、その
大きさそのもの又はその大きさとバックグランドノイズ
との比から絶縁劣化した電気機器等の部分放電を検知す
る部分放電検知方法を既に発明している。
3号の出願により、設定した測定周波数の受信電磁波の
系統電源の2倍の周波数で変化する成分を抽出し、その
大きさそのもの又はその大きさとバックグランドノイズ
との比から絶縁劣化した電気機器等の部分放電を検知す
る部分放電検知方法を既に発明している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記既出願の部分放電
検知方法の場合、部分放電に基づく電磁波の系統電源の
2倍の周波数で変化する成分のみを抽出して部分放電の
発生を検知するため、電気機器等の絶縁劣化した放電部
分の環境変化や放電状態自体の変化により、部分放電が
系統電圧の正極側又は負極側のみで発生し、放電に伴う
電磁波の大きさが系統電源に同期してその周波数で変化
するときには、部分放電を検知できない問題点がある。
検知方法の場合、部分放電に基づく電磁波の系統電源の
2倍の周波数で変化する成分のみを抽出して部分放電の
発生を検知するため、電気機器等の絶縁劣化した放電部
分の環境変化や放電状態自体の変化により、部分放電が
系統電圧の正極側又は負極側のみで発生し、放電に伴う
電磁波の大きさが系統電源に同期してその周波数で変化
するときには、部分放電を検知できない問題点がある。
【0007】すなわち、部分放電に基づく電磁波の大き
さが系統電源の周波数で変化する場合、この周波数で変
化する成分を2倍の周波数で変化する成分として抽出し
て検知すると、抽出成分の大きさ(実効値)が系統電源
の周波数で変化する成分として抽出した値より低下する
ことから、部分放電を検知することができず、その検知
ミスが生じる。
さが系統電源の周波数で変化する場合、この周波数で変
化する成分を2倍の周波数で変化する成分として抽出し
て検知すると、抽出成分の大きさ(実効値)が系統電源
の周波数で変化する成分として抽出した値より低下する
ことから、部分放電を検知することができず、その検知
ミスが生じる。
【0008】本発明は、部分放電により発生した電磁波
の大きさが系統電源の周波数,その2倍の周波数のいず
れで変化する場合にも、部分放電を確実に検知すること
を課題とする。
の大きさが系統電源の周波数,その2倍の周波数のいず
れで変化する場合にも、部分放電を確実に検知すること
を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本願請求項1の部分放電検知方法においては、配
電機器等の電気機器の部分放電により系統電源に同期し
て発生した電磁波をアンテナにより受信し、このアンテ
ナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁波のうち系統
電源の周波数で変化する第1の成分及びその2倍の周波
数で変化する第2の成分を抽出し、両成分それぞれの大
きさから放電の有無を判別し、両成分それぞれの判別結
果の少なくとも一方が放電有のときに部分放電の発生を
検知する。
めに、本願請求項1の部分放電検知方法においては、配
電機器等の電気機器の部分放電により系統電源に同期し
て発生した電磁波をアンテナにより受信し、このアンテ
ナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁波のうち系統
電源の周波数で変化する第1の成分及びその2倍の周波
数で変化する第2の成分を抽出し、両成分それぞれの大
きさから放電の有無を判別し、両成分それぞれの判別結
果の少なくとも一方が放電有のときに部分放電の発生を
検知する。
【0010】したがって、部分放電により受信した測定
周波数の電磁波が系統電源の周波数で変化する場合だけ
でなく、その2倍の周波数で変化する場合にも、それぞ
れの周波数成分の大きさから部分放電を確実に検出する
ことができる。
周波数の電磁波が系統電源の周波数で変化する場合だけ
でなく、その2倍の周波数で変化する場合にも、それぞ
れの周波数成分の大きさから部分放電を確実に検出する
ことができる。
【0011】また、請求項2の部分放電検知方法におい
ては、アンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁
波のうち系統電源の周波数で変化する第1の成分及びそ
の2倍の周波数で変化する第2の成分を抽出し、両成分
の加算値の大きさから放電の有無を判別して部分放電の
発生を検知する。
ては、アンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁
波のうち系統電源の周波数で変化する第1の成分及びそ
の2倍の周波数で変化する第2の成分を抽出し、両成分
の加算値の大きさから放電の有無を判別して部分放電の
発生を検知する。
【0012】したがって、部分放電により受信した測定
周波数の受信電磁波が系統電源の周波数で変化する場合
及びその2倍の周波数で変化する場合に、両周波数の抽
出成分の加算値の大きさから部分放電が検知される。
周波数の受信電磁波が系統電源の周波数で変化する場合
及びその2倍の周波数で変化する場合に、両周波数の抽
出成分の加算値の大きさから部分放電が検知される。
【0013】さらに、請求項3においては、アンテナの
受信信号に含まれた測定周波数の電磁波のうち系統電源
の周波数で変化する第1の成分及びその2倍の周波数で
変化する第2の成分を抽出し、両成分それぞれと受信信
号のバックグランドノイズとのレベルの比から部分放電
の有無を判別し、両成分それぞれの判別結果の少なくと
も一方が放電有のときに部分放電の発生を検知する。
受信信号に含まれた測定周波数の電磁波のうち系統電源
の周波数で変化する第1の成分及びその2倍の周波数で
変化する第2の成分を抽出し、両成分それぞれと受信信
号のバックグランドノイズとのレベルの比から部分放電
の有無を判別し、両成分それぞれの判別結果の少なくと
も一方が放電有のときに部分放電の発生を検知する。
【0014】したがって、部分放電により測定周波数の
受信電磁波が系統電源の周波数で変化する場合及びその
2倍の周波数で変化する場合に、それぞれの成分とバッ
クグランドノイズとの比から部分放電が検知される。
受信電磁波が系統電源の周波数で変化する場合及びその
2倍の周波数で変化する場合に、それぞれの成分とバッ
クグランドノイズとの比から部分放電が検知される。
【0015】また、請求項4においては、アンテナの受
信信号に含まれた測定周波数の電磁波のうち系統電源の
周波数で変化する第1の成分及びその2倍の周波数で変
化する第2の成分を抽出し、両成分それぞれの大きさ又
は両成分の加算値の大きさから放電の有無を判別し、両
成分それぞれと受信信号のバックグランドノイズとのレ
ベルの比又は両成分の加算値とバックグランドノイズと
のレベルの比から部分放電の有無を判別し、両判別結果
の少なくとも一方が放電有のときに部分放電の発生を検
知する。
信信号に含まれた測定周波数の電磁波のうち系統電源の
周波数で変化する第1の成分及びその2倍の周波数で変
化する第2の成分を抽出し、両成分それぞれの大きさ又
は両成分の加算値の大きさから放電の有無を判別し、両
成分それぞれと受信信号のバックグランドノイズとのレ
ベルの比又は両成分の加算値とバックグランドノイズと
のレベルの比から部分放電の有無を判別し、両判別結果
の少なくとも一方が放電有のときに部分放電の発生を検
知する。
【0016】したがって、請求項1又は請求項2の検知
方法と請求項3の検知方法とを組合せ、測定周波数の受
信電磁波が系統電源の周波数で変化する場合及びその2
倍の周波数で変化する場合に、抽出した成分の大きさ
と、抽出した成分とバックグランドノイズとの比とによ
り、極めて精度よく部分放電が検知される。
方法と請求項3の検知方法とを組合せ、測定周波数の受
信電磁波が系統電源の周波数で変化する場合及びその2
倍の周波数で変化する場合に、抽出した成分の大きさ
と、抽出した成分とバックグランドノイズとの比とによ
り、極めて精度よく部分放電が検知される。
【0017】そして、前記各請求項においては、実際に
は電磁波エネルギから部分放電を検出しているため、各
請求項の抽出成分又は第1,第2の成分は、それぞれ実
効値とすることが現実的である。
は電磁波エネルギから部分放電を検出しているため、各
請求項の抽出成分又は第1,第2の成分は、それぞれ実
効値とすることが現実的である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態につき、図1
ないし図8を参照して説明する。 (第1の形態)まず、請求項1に対応する第1の形態に
つき、図1ないし図5を参照して説明する。図2は部分
放電検知に用いる装置の構成を示し、アンテナ1の0〜
200MHz程度の広帯域の受信信号はプリアンプ2を介
してスペクトラムアナライザ3に供給される。
ないし図8を参照して説明する。 (第1の形態)まず、請求項1に対応する第1の形態に
つき、図1ないし図5を参照して説明する。図2は部分
放電検知に用いる装置の構成を示し、アンテナ1の0〜
200MHz程度の広帯域の受信信号はプリアンプ2を介
してスペクトラムアナライザ3に供給される。
【0019】このスペクトラムアナライザ3はいわゆる
携帯形のパソコンからなる後段のコンピュータ装置4の
キーボード操作等により測定条件等が操作設定され、測
定データをコンピュータ装置4に供給する。
携帯形のパソコンからなる後段のコンピュータ装置4の
キーボード操作等により測定条件等が操作設定され、測
定データをコンピュータ装置4に供給する。
【0020】このコンピュータ装置4はスペクトラムア
ナライザ3とともに成分抽出手段を形成し、この成分抽
出手段の抽出結果から部分放電の発生を検知する。
ナライザ3とともに成分抽出手段を形成し、この成分抽
出手段の抽出結果から部分放電の発生を検知する。
【0021】ところで、この実施の形態においては、配
電線路の多数の柱上機器を検知対象の電気機器としてい
わゆる移動測定を行うため、アンテナ1,プリアンプ
2,スペクトラムアナライザ3及びコンピュータ装置4
は車に搭載され、電池5により駆動される。
電線路の多数の柱上機器を検知対象の電気機器としてい
わゆる移動測定を行うため、アンテナ1,プリアンプ
2,スペクトラムアナライザ3及びコンピュータ装置4
は車に搭載され、電池5により駆動される。
【0022】そして、各柱上機器の電柱近傍に移動して
測定を開始すると、アンテナ1の受信信号の周波数特性
は、部分放電が生じていなければ、例えば図3の実線
に示すようになり、部分放電が生じていると、例えば同
図の実線に示すようになる。
測定を開始すると、アンテナ1の受信信号の周波数特性
は、部分放電が生じていなければ、例えば図3の実線
に示すようになり、部分放電が生じていると、例えば同
図の実線に示すようになる。
【0023】なお、図3は0〜200MHzの周波数特性
を示し、実線は健全な電柱での実測特性であり、実線
は約5000pC(ピコクーロン)の部分放電が発生
している電柱での実測特性である。
を示し、実線は健全な電柱での実測特性であり、実線
は約5000pC(ピコクーロン)の部分放電が発生
している電柱での実測特性である。
【0024】そして、実線はノイズ電波に基づく測定
環境のバックグランドノイズ(BGN)の特性に相当
し、実線はこのバックグランドノイズに部分放電の電
磁波が重畳した特性である。
環境のバックグランドノイズ(BGN)の特性に相当
し、実線はこのバックグランドノイズに部分放電の電
磁波が重畳した特性である。
【0025】さらに、この部分放電の電磁波は系統電源
に同期して発生し、その大きさは放電の周期にしたがっ
て変化する。
に同期して発生し、その大きさは放電の周期にしたがっ
て変化する。
【0026】そして、部分放電が系統電圧の正,負両極
側で発生するときは、その電磁波の大きさが例えば図4
に示すように系統電源の周波数の2倍の周波数で変化す
るが、部分放電が系統電圧の正極側又は負極側のみで発
生するときは、その電磁波の大きさが例えば図5に示す
ように系統電源の周波数で変化する。
側で発生するときは、その電磁波の大きさが例えば図4
に示すように系統電源の周波数の2倍の周波数で変化す
るが、部分放電が系統電圧の正極側又は負極側のみで発
生するときは、その電磁波の大きさが例えば図5に示す
ように系統電源の周波数で変化する。
【0027】図4,図5は系統電源が60Hzの場合のア
ンテナ1の受信信号の測定周波数30MHzにおける電磁
波強度の時間変化を示し、図4では120Hz(=60Hz
×2)で変化し、図5では60Hzで変化している。
ンテナ1の受信信号の測定周波数30MHzにおける電磁
波強度の時間変化を示し、図4では120Hz(=60Hz
×2)で変化し、図5では60Hzで変化している。
【0028】そして、この120Hz又は60Hzで変化す
る成分の大きさが、放電部分の環境等に基づき、電磁波
の周波数によって異なるため、これらの成分が十分に大
きくなる周波数を測定周波数に定める。
る成分の大きさが、放電部分の環境等に基づき、電磁波
の周波数によって異なるため、これらの成分が十分に大
きくなる周波数を測定周波数に定める。
【0029】具体的には、実験データやフィールドデー
タから予め適当な測定周波数を選定してコンピュータ装
置4に設定したり、事前に測定しておいた図3の実線
のバックグランドノイズの周波数特性のグラフと,現在
(最新)の例えば図3の実線の周波数特性のグラフと
をコンピュータ装置4の表示画面6に表示し、オペレー
タの操作により、実線,のレベル差が大きく、部分
放電の電磁波に対するバックグランドノイズの影響が少
ない周波数を選び、キーボード7の操作等により、この
周波数を測定周波数に選定してコンピュータ装置4に設
定する。
タから予め適当な測定周波数を選定してコンピュータ装
置4に設定したり、事前に測定しておいた図3の実線
のバックグランドノイズの周波数特性のグラフと,現在
(最新)の例えば図3の実線の周波数特性のグラフと
をコンピュータ装置4の表示画面6に表示し、オペレー
タの操作により、実線,のレベル差が大きく、部分
放電の電磁波に対するバックグランドノイズの影響が少
ない周波数を選び、キーボード7の操作等により、この
周波数を測定周波数に選定してコンピュータ装置4に設
定する。
【0030】つぎに、部分放電に基づく測定周波数の受
信電磁波に系統電源の周波数で変化する成分,系統電源
の周波数の2倍の周波数で変化する成分のいずれが含ま
れている場合にも部分放電の発生を検知し得るようにす
るため、この形態にあっては、図2のコンピュータ装置
4が図1のステップD1〜D9の手順で動作し、測定地点
に到着する前或いは到着後にステップD1 により前記の
ようにして適当な測定周波数を設定する。
信電磁波に系統電源の周波数で変化する成分,系統電源
の周波数の2倍の周波数で変化する成分のいずれが含ま
れている場合にも部分放電の発生を検知し得るようにす
るため、この形態にあっては、図2のコンピュータ装置
4が図1のステップD1〜D9の手順で動作し、測定地点
に到着する前或いは到着後にステップD1 により前記の
ようにして適当な測定周波数を設定する。
【0031】そして、実際の測定,検知を開始し、コン
ピュータ装置4によりステップD2に示すようにスペク
トラムアナライザ3の測定(タイムドメイン測定)を制
御し、アンテナ1の受信信号の測定周波数の成分につ
き、設定された適当な一定時間測定を行う。
ピュータ装置4によりステップD2に示すようにスペク
トラムアナライザ3の測定(タイムドメイン測定)を制
御し、アンテナ1の受信信号の測定周波数の成分につ
き、設定された適当な一定時間測定を行う。
【0032】この測定のデータは例えば図4,図5に示
すように、時間軸上でバックグランドノイズに系統電源
の周波数の2倍の周波数(120Hz)の成分又は系統電
源の周波数(60Hz)の成分が重畳した波形のデータに
なる。
すように、時間軸上でバックグランドノイズに系統電源
の周波数の2倍の周波数(120Hz)の成分又は系統電
源の周波数(60Hz)の成分が重畳した波形のデータに
なる。
【0033】つぎに、例えば図4,図5の測定波形の特
性グラフをコンピュータ装置4の表示画面6に表示し、
オペレータの判断で部分放電の有無を判定して検知する
ことも可能であるが、多数の電柱の柱上機器について部
分放電の有無を検知するような場合には、自動的に検知
することが処理時間及び労力等の面から望ましい。
性グラフをコンピュータ装置4の表示画面6に表示し、
オペレータの判断で部分放電の有無を判定して検知する
ことも可能であるが、多数の電柱の柱上機器について部
分放電の有無を検知するような場合には、自動的に検知
することが処理時間及び労力等の面から望ましい。
【0034】そこで、スペクトラムアナライザ3から測
定波形のデータが得られると、コンピュータ装置4はス
テップD3 により測定波形のデータのFFT解析を実行
し、アンテナ1の測定周波数の受信信号から系統電源の
周波数で変化する第1の成分,その2倍の周波数で変化
する第2の成分を別々に検出して抽出する。
定波形のデータが得られると、コンピュータ装置4はス
テップD3 により測定波形のデータのFFT解析を実行
し、アンテナ1の測定周波数の受信信号から系統電源の
周波数で変化する第1の成分,その2倍の周波数で変化
する第2の成分を別々に検出して抽出する。
【0035】そして、ステップD4を介してステップD5
により第1の成分と予め設定した第1のしきい値とを比
較して放電の有無を判別し、ステップD6 により第2の
成分と予め設定した第2のしきい値とを比較して放電の
有無を判別する。
により第1の成分と予め設定した第1のしきい値とを比
較して放電の有無を判別し、ステップD6 により第2の
成分と予め設定した第2のしきい値とを比較して放電の
有無を判別する。
【0036】このとき、第1,第2の成分のいずれか一
方でも第1,第2のしきい値より大きくなり、ステップ
D5,D6のいずれか一方でも判別結果が放電有りになれ
ば、ステップD7 により部分放電の発生を検知する。
方でも第1,第2のしきい値より大きくなり、ステップ
D5,D6のいずれか一方でも判別結果が放電有りになれ
ば、ステップD7 により部分放電の発生を検知する。
【0037】そして、ステップD8 の警報処理により、
コンピュータ装置4から絶縁不良警報用のアラームを発
生するとともに、その表示画面6に判定結果等を表示し
てオペレータによる手動の確認,判断を支援する。
コンピュータ装置4から絶縁不良警報用のアラームを発
生するとともに、その表示画面6に判定結果等を表示し
てオペレータによる手動の確認,判断を支援する。
【0038】なお、第1,第2の成分が共にそれぞれの
しきい値以下になり、ステップD5,D6のいずれの判別
結果も放電無しになっているときは、ステップD9によ
り放電無しと判別して処理を終了する。
しきい値以下になり、ステップD5,D6のいずれの判別
結果も放電無しになっているときは、ステップD9によ
り放電無しと判別して処理を終了する。
【0039】したがって、この形態の場合は、部分放電
により測定周波数の受信電磁波が系統電源の周波数,そ
の2倍の周波数のいずれで変化するときにも、それぞれ
の周波数の変化成分に応じたしきい値を設定して、部分
放電の発生を確実に検知することができる。
により測定周波数の受信電磁波が系統電源の周波数,そ
の2倍の周波数のいずれで変化するときにも、それぞれ
の周波数の変化成分に応じたしきい値を設定して、部分
放電の発生を確実に検知することができる。
【0040】(第2の形態)つぎに、請求項2に対応す
る第2の形態について、図6を参照して説明する。この
形態にあっては、図2のコンピュータ装置4が図6のス
テップE1〜E9の手順で動作し、ステップE1,E2,E
3により図1のステップD1,D2,D3と同様の処理を実
行し、アンテナ1の測定周波数の受信信号から、系統電
源の周波数で変化する第1の成分と、その2倍の周波数
で変化する第2の成分とを抽出する。
る第2の形態について、図6を参照して説明する。この
形態にあっては、図2のコンピュータ装置4が図6のス
テップE1〜E9の手順で動作し、ステップE1,E2,E
3により図1のステップD1,D2,D3と同様の処理を実
行し、アンテナ1の測定周波数の受信信号から、系統電
源の周波数で変化する第1の成分と、その2倍の周波数
で変化する第2の成分とを抽出する。
【0041】つぎに、ステップE4により第1,第2の
成分を加算し、ステップE5により両成分の加算値と予
め設定したしきい値とを比較する。
成分を加算し、ステップE5により両成分の加算値と予
め設定したしきい値とを比較する。
【0042】そして、部分放電により第1,第2の成分
の少なくともいずれか一方が大きくなると、両成分の加
算値がしきい値より大きくなり、ステップE7 により放
電有りの判別に基づいて部分放電の発生を検知し、この
検知に基づき、ステップE8により図8のステップD8と
同様の警報処理を実行する。
の少なくともいずれか一方が大きくなると、両成分の加
算値がしきい値より大きくなり、ステップE7 により放
電有りの判別に基づいて部分放電の発生を検知し、この
検知に基づき、ステップE8により図8のステップD8と
同様の警報処理を実行する。
【0043】なお、部分放電が発生していないときは、
第1,第2の成分の加算値がしきい値以下になり、ステ
ップE9 により放電無しと判別して処理を終了する。
第1,第2の成分の加算値がしきい値以下になり、ステ
ップE9 により放電無しと判別して処理を終了する。
【0044】したがって、この形態の場合は測定周波数
の受信電磁波のうち系統電源の周波数で変化する第1の
成分と,その2倍の周波数で変化する成分との加算値の
大きさから部分放電の発生を確実に検出できる。
の受信電磁波のうち系統電源の周波数で変化する第1の
成分と,その2倍の周波数で変化する成分との加算値の
大きさから部分放電の発生を確実に検出できる。
【0045】(第3の形態)つぎに、請求項3に対応す
る第3の形態について、図7を参照して説明する。この
形態にあっては、図2のコンピュータ装置4が図7のス
テップF1〜F9の手順で動作し、ステップF1,F2,F
3により図1のステップD1,D2,D3と同様の処理を実
行し、第1,第2の成分を抽出する。
る第3の形態について、図7を参照して説明する。この
形態にあっては、図2のコンピュータ装置4が図7のス
テップF1〜F9の手順で動作し、ステップF1,F2,F
3により図1のステップD1,D2,D3と同様の処理を実
行し、第1,第2の成分を抽出する。
【0046】さらに、ステップF4 により例えば測定デ
ータの大きなものを除去し、平均化してバックグランド
ノイズを求め、第1,第2の成分それぞれとバックグラ
ンドノイズとの比を求め、ステップF5,F6により第
1,第2の成分についての比とそれぞれの基準値とを比
較し、放電の有無を判別する。
ータの大きなものを除去し、平均化してバックグランド
ノイズを求め、第1,第2の成分それぞれとバックグラ
ンドノイズとの比を求め、ステップF5,F6により第
1,第2の成分についての比とそれぞれの基準値とを比
較し、放電の有無を判別する。
【0047】そして、ステップF5,F6のいずれか一方
でも判別結果が放電有りになれば、ステップF7により
部分放電の発生を検知し、ステップF8により図1のス
テップD8 と同様の警報処理を実行する。
でも判別結果が放電有りになれば、ステップF7により
部分放電の発生を検知し、ステップF8により図1のス
テップD8 と同様の警報処理を実行する。
【0048】なお、ステップF5,F6のいずれの判別結
果も放電無しであれば、ステップF 9 により放電無しと
判別して処理を終了する。
果も放電無しであれば、ステップF 9 により放電無しと
判別して処理を終了する。
【0049】(第4の形態)つぎに、請求項4に対応す
る第4の形態について、図8を参照して説明する。この
形態にあっては、第1の形態又は第2の形態の検知手順
と第3の形態の検知手順とを組合せて部分放電を検知す
るため、図2のコンピュータ装置4が図8のステップG
1〜G10の手順で動作し、ステップG1,G2,G3により
例えば図7のステップF1,F2,F3 と同様の処理を実
施し、測定周波数の電磁波の第1,第2の成分を抽出す
る。
る第4の形態について、図8を参照して説明する。この
形態にあっては、第1の形態又は第2の形態の検知手順
と第3の形態の検知手順とを組合せて部分放電を検知す
るため、図2のコンピュータ装置4が図8のステップG
1〜G10の手順で動作し、ステップG1,G2,G3により
例えば図7のステップF1,F2,F3 と同様の処理を実
施し、測定周波数の電磁波の第1,第2の成分を抽出す
る。
【0050】そして、ステップG4,G5の第1の判別処
理法により、図1のステップD4 〜D7 ,D9と同様の
処理又は図6のステップE4〜E7,E9 と同様の処理を
行って第1,第2の成分の大きさから放電の有無を判別
し、ステップG6,G7の第2の判別処理により図7のス
テップF4〜F7,F9 と同様の処理を行って第1,第2
の成分とバックグランドノイズとの比から放電の有無を
判別する。
理法により、図1のステップD4 〜D7 ,D9と同様の
処理又は図6のステップE4〜E7,E9 と同様の処理を
行って第1,第2の成分の大きさから放電の有無を判別
し、ステップG6,G7の第2の判別処理により図7のス
テップF4〜F7,F9 と同様の処理を行って第1,第2
の成分とバックグランドノイズとの比から放電の有無を
判別する。
【0051】さらに、ステップG8,G9により、ステッ
プG5 の第1の判別結果,ステップG6 の第2の判別結
果の少なくともいずれか一方が放電有りであれば部分放
電の発生を検知し、ステップG10により例えば図7のス
テップF8 と同様の警報処理を実行する。
プG5 の第1の判別結果,ステップG6 の第2の判別結
果の少なくともいずれか一方が放電有りであれば部分放
電の発生を検知し、ステップG10により例えば図7のス
テップF8 と同様の警報処理を実行する。
【0052】したがって、この形態の場合は2種類の検
知方法を併用し、測定周波数の電磁波の大きさが系統電
源の周波数,その2倍の周波数のいずれで変化するとき
にも、極めて精度よく部分放電の発生を検知することが
できる。
知方法を併用し、測定周波数の電磁波の大きさが系統電
源の周波数,その2倍の周波数のいずれで変化するとき
にも、極めて精度よく部分放電の発生を検知することが
できる。
【0053】ところで、この部分放電の検知方法にあっ
ては、実際は電磁波エネルギを測定しているため、各形
態の抽出成分又は第1の成分a,第2の成分bの大きさ
は、具体的にはそれぞれの実効値の大きさであり、第
5,第7の形態の加算値は、第1,第2の成分a,bの
実効値の加算合成値√(a2+b2)である。
ては、実際は電磁波エネルギを測定しているため、各形
態の抽出成分又は第1の成分a,第2の成分bの大きさ
は、具体的にはそれぞれの実効値の大きさであり、第
5,第7の形態の加算値は、第1,第2の成分a,bの
実効値の加算合成値√(a2+b2)である。
【0054】つぎに各形態において、測定周波数(同調
周波数)の帯域は、不要なノイズを除去して検知精度を
高めるため、極力狭くすることが好ましい。
周波数)の帯域は、不要なノイズを除去して検知精度を
高めるため、極力狭くすることが好ましい。
【0055】しかし、測定周波数の帯域を狭くすると、
場合によってはいわゆる同調外れが生じ、図2のアンテ
ナ1の受信信号からの部分放電の成分の抽出に失敗する
事態も生じる。
場合によってはいわゆる同調外れが生じ、図2のアンテ
ナ1の受信信号からの部分放電の成分の抽出に失敗する
事態も生じる。
【0056】そこで、測定周波数の帯域を極力狭くして
精度の高い検知を行うときは、測定周波数として、実験
データや周波数スペクトラムデータなどから適当な複数
の周波数を選定し、これらの周波数につき、事前にコン
ピュータ装置4により必要な周波数成分を抽出して部分
放電の発生を試験的に検知し、その結果から最も好適な
周波数を測定周波数に決定することが好ましい。
精度の高い検知を行うときは、測定周波数として、実験
データや周波数スペクトラムデータなどから適当な複数
の周波数を選定し、これらの周波数につき、事前にコン
ピュータ装置4により必要な周波数成分を抽出して部分
放電の発生を試験的に検知し、その結果から最も好適な
周波数を測定周波数に決定することが好ましい。
【0057】また、複数の測定周波数について検知する
ときは、アンテナ1の受信信号を複数台のスペクトラム
アナライザ3に分配し、各アナライザ3の測定データを
コンピュータ装置4に供給し、いわゆる時分割処理等の
並列処理で部分放電を検知すればよい。
ときは、アンテナ1の受信信号を複数台のスペクトラム
アナライザ3に分配し、各アナライザ3の測定データを
コンピュータ装置4に供給し、いわゆる時分割処理等の
並列処理で部分放電を検知すればよい。
【0058】つぎに、アンテナ1は不要なノイズを除去
する面からは、指向性のアンテナにより形成することが
望ましいが、例えば配電線路の多数の柱上機器について
車で移動しながら順次に検知するようなときは、受信範
囲を広くして受信位置等の制限をなくすことが作業時間
の短縮等の面からは好ましく、実際、短時間に検知する
ことが極めて重要であるため、アンテナ1には無指向性
のアンテナを使用することが好ましい。
する面からは、指向性のアンテナにより形成することが
望ましいが、例えば配電線路の多数の柱上機器について
車で移動しながら順次に検知するようなときは、受信範
囲を広くして受信位置等の制限をなくすことが作業時間
の短縮等の面からは好ましく、実際、短時間に検知する
ことが極めて重要であるため、アンテナ1には無指向性
のアンテナを使用することが好ましい。
【0059】つぎに、各形態においては、スペクトラム
アナライザ3及びコンピュータ装置4により、FFT解
析により測定周波数の成分を抽出したが、この成分はD
FT解析等の他の周波数解析(分析)の手法で抽出して
もよく、フィルタ回路等のハードウェア回路により抽出
することも可能である。そして、種々の電気機器の部分
放電の有無の検知に適用できるのは勿論である。
アナライザ3及びコンピュータ装置4により、FFT解
析により測定周波数の成分を抽出したが、この成分はD
FT解析等の他の周波数解析(分析)の手法で抽出して
もよく、フィルタ回路等のハードウェア回路により抽出
することも可能である。そして、種々の電気機器の部分
放電の有無の検知に適用できるのは勿論である。
【0060】
【発明の効果】本発明は、以下に記載する効果を奏す
る。まず、請求項1の場合は、部分放電により測定周波
数の受信電磁波が系統電源の周波数で変化する場合だけ
でなく、その2倍の周波数で変化する場合にも、それぞ
れの周波数成分の大きさから部分放電を確実に検出する
ことができる。
る。まず、請求項1の場合は、部分放電により測定周波
数の受信電磁波が系統電源の周波数で変化する場合だけ
でなく、その2倍の周波数で変化する場合にも、それぞ
れの周波数成分の大きさから部分放電を確実に検出する
ことができる。
【0061】また、請求項2の場合は、部分放電により
測定周波数の受信電磁波が系統電源の周波数で変化する
場合及びその2倍の周波数で変化する場合に、両周波数
の抽出成分の加算値の大きさから部分放電を確実に検出
することができる。
測定周波数の受信電磁波が系統電源の周波数で変化する
場合及びその2倍の周波数で変化する場合に、両周波数
の抽出成分の加算値の大きさから部分放電を確実に検出
することができる。
【0062】さらに、請求項3の場合は、部分放電によ
り測定周波数の受信電磁波が系統電源の周波数で変化す
る場合及びその2倍の周波数で変化する場合に、それぞ
れの成分とバックグランドノイズとの比から部分放電を
確実に検知することができる。
り測定周波数の受信電磁波が系統電源の周波数で変化す
る場合及びその2倍の周波数で変化する場合に、それぞ
れの成分とバックグランドノイズとの比から部分放電を
確実に検知することができる。
【0063】また、請求項4の場合は、請求項1又は請
求項2の検知方法と請求項3の検知方法とを組合せ、測
定周波数の電磁波が系統電源の周波数で変化する場合及
びその2倍の周波数で変化する場合に、抽出した成分の
大きさと、抽出した成分とバックグランドノイズとの比
とにより、極めて精度よく部分放電を検知することがで
きる。
求項2の検知方法と請求項3の検知方法とを組合せ、測
定周波数の電磁波が系統電源の周波数で変化する場合及
びその2倍の周波数で変化する場合に、抽出した成分の
大きさと、抽出した成分とバックグランドノイズとの比
とにより、極めて精度よく部分放電を検知することがで
きる。
【0064】そして、本発明では実際には電磁波エネル
ギを測定して部分放電を検知するため、請求項1〜請求
項4の抽出成分又は第1,第2の成分は、それぞれ実効
値とすることが現実的である。
ギを測定して部分放電を検知するため、請求項1〜請求
項4の抽出成分又は第1,第2の成分は、それぞれ実効
値とすることが現実的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の1形態の検知処理説明用のフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図2】図1の検知処理に用いられる装置のブロック図
である。
である。
【図3】図2のアンテナで受信した信号の周波数特性図
の1例である。
の1例である。
【図4】図2のアンテナで受信した信号で,系統電源周
波数の2倍の周波数で変化する部分放電があるときの測
定周波数が30MHzにおける電磁波強度の時間変化の実
測図である。
波数の2倍の周波数で変化する部分放電があるときの測
定周波数が30MHzにおける電磁波強度の時間変化の実
測図である。
【図5】図2のアンテナで受信した信号で,系統電源周
波数で変化する部分放電があるときの測定周波数が30
MHzにおける電磁波強度の時間変化の実測図である。
波数で変化する部分放電があるときの測定周波数が30
MHzにおける電磁波強度の時間変化の実測図である。
【図6】本発明の実施の第2の形態の検知処理説明用の
フローチャートである。
フローチャートである。
【図7】本発明の実施の第3の形態の検知処理説明用の
フローチャートである。
フローチャートである。
【図8】本発明の実施の第4の形態の検知処理説明用の
フローチャートである。
フローチャートである。
【符号の説明】 1 アンテナ 3 スペクトラムアナライザ 4 コンピュータ装置
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図1】
【図6】
【図7】
【図8】
フロントページの続き (72)発明者 芝原 和人 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内
Claims (8)
- 【請求項1】 配電機器等の電気機器の部分放電により
系統電源に同期して発生した電磁波をアンテナにより受
信し、 前記アンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁波
のうち前記系統電源の周波数で変化する成分を抽出し、 抽出成分の大きさから放電の有無を判別して前記部分放
電の発生を検知することを特徴とする部分放電検知方
法。 - 【請求項2】 配電機器等の電気機器の部分放電により
系統電源に同期して発生した電磁波をアンテナにより受
信し、 前記アンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁波
のうち前記系統電源の周波数で変化する成分を抽出し、 抽出成分と前記受信信号のバックグラウンドノイズとの
レベルの比から放電の有無を判別して前記部分放電の発
生を検知することを特徴とする部分放電検知方法。 - 【請求項3】 配電機器等の電気機器の部分放電により
系統電源に同期して発生した電磁波をアンテナにより受
信し、 前記アンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁波
のうち前記系統電源の周波数で変化する成分を抽出し、 抽出成分の大きさから放電の有無を判別し、 前記抽出成分と前記受信信号のバックグランドノイズと
のレベルの比から放電の有無を判別し、 前記抽出成分の大きさ,前記レベルの比の少なくとも一
方の判別結果が放電有りのときに前記部分放電の発生を
検知することを特徴とする部分放電検知方法。 - 【請求項4】 配電機器等の電気機器の部分放電により
系統電源に同期して発生した電磁波をアンテナにより受
信し、 前記アンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁波
のうち前記系統電源の周波数で変化する第1の成分及び
前記測定周波数の電磁波のうち前記系統電源の周波数の
2倍の周波数で変化する第2の成分を抽出し、 前記両成分それぞれの大きさから放電の有無を判別し、 前記両成分それぞれの判別結果の少なくとも一方が放電
有のときに前記部分放電の発生を検知することを特徴と
する部分放電検知方法。 - 【請求項5】 配電機器等の電気機器の部分放電により
系統電源に同期して発生した電磁波をアンテナにより受
信し、 前記アンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁波
のうち前記系統電源の周波数で変化する第1の成分及び
前記測定周波数の電磁波のうち前記系統電源の周波数の
2倍の周波数で変化する第2の成分を抽出し、 前記両成分の加算値の大きさから放電の有無を判別して
前記部分放電の発生を検知することを特徴とする部分放
電検知方法。 - 【請求項6】 配電機器等の電気機器の部分放電により
系統電源に同期して発生した電磁波をアンテナにより受
信し、 前記アンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁波
のうち前記系統電源の周波数で変化する第1の成分及び
前記測定周波数の電磁波のうち前記系統電源の周波数の
2倍の周波数で変化する第2の成分を抽出し、 前記両成分それぞれと前記受信信号のバックグランドノ
イズとのレベルの比から部分放電の有無を判別し、 前記両成分それぞれの判別結果の少なくとも一方が放電
有のときに前記部分放電の発生を検知することを特徴と
する部分放電検知方法。 - 【請求項7】 配電機器等の電気機器の部分放電により
系統電源に同期して発生した電磁波をアンテナにより受
信し、 前記アンテナの受信信号に含まれた測定周波数の電磁波
のうち前記系統電源の周波数で変化する第1の成分及び
前記測定周波数の電磁波のうち前記系統電源の周波数の
2倍の周波数で変化する第2の成分を抽出し、 前記両成分それぞれの大きさ又は前記両成分の加算値の
大きさから放電の有無を判別し、 前記両成分それぞれと前記受信信号のバックグランドノ
イズとのレベルの比又は前記両成分の加算値と前記バッ
クグランドノイズとのレベルの比から部分放電の有無を
判別し、 前記両判別結果の少なくとも一方が放電有のときに前記
部分放電の発生を検知することを特徴とする部分放電検
知方法。 - 【請求項8】 抽出成分又は第1,第2の成分が実効値
であることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項
3,請求項4,請求項5,請求項6又は請求項7記載の
部分放電検知方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10148452A JP2993931B2 (ja) | 1998-05-12 | 1998-05-12 | 部分放電検知方法 |
US09/309,605 US6297642B1 (en) | 1998-05-12 | 1999-05-11 | Partial discharge detection method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10148452A JP2993931B2 (ja) | 1998-05-12 | 1998-05-12 | 部分放電検知方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11326438A true JPH11326438A (ja) | 1999-11-26 |
JP2993931B2 JP2993931B2 (ja) | 1999-12-27 |
Family
ID=15453099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10148452A Expired - Fee Related JP2993931B2 (ja) | 1998-05-12 | 1998-05-12 | 部分放電検知方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6297642B1 (ja) |
JP (1) | JP2993931B2 (ja) |
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