JPH09318698A - 部分放電検知方法及び部分放電検知装置 - Google Patents

部分放電検知方法及び部分放電検知装置

Info

Publication number
JPH09318698A
JPH09318698A JP8160893A JP16089396A JPH09318698A JP H09318698 A JPH09318698 A JP H09318698A JP 8160893 A JP8160893 A JP 8160893A JP 16089396 A JP16089396 A JP 16089396A JP H09318698 A JPH09318698 A JP H09318698A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
partial discharge
frequency
antenna
detection target
target component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8160893A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3091833B2 (ja
Inventor
Katsunori Tsuji
克典 辻
Takeshi Hotta
剛 堀田
Kiyoshi Haruta
清 春田
Hiromi Ishii
博美 石井
Yukimasa Miyabayashi
幸正 宮林
Kazuto Shibahara
和人 芝原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokuriku Electric Power Co
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Hokuriku Electric Power Co
Nissin Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hokuriku Electric Power Co, Nissin Electric Co Ltd filed Critical Hokuriku Electric Power Co
Priority to JP08160893A priority Critical patent/JP3091833B2/ja
Publication of JPH09318698A publication Critical patent/JPH09318698A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3091833B2 publication Critical patent/JP3091833B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランダムノイズや突発ノイズ等のバックグラ
ンドノイズの影響を排除してアンテナの受信信号から配
電機器等の種々の電気機器の部分放電の有無を検知す
る。 【解決手段】 配電機器等の電気機器の部分放電により
系統電源に同期して発生した電磁波をアンテナ1により
受信し、このアンテナ1の受信信号に含まれた設定した
測定周波数の電磁波の系統電源周波数の2倍の周波数で
変化する検知対象成分を抽出し、この成分の大きさから
部分放電の有無を検知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、配電機器等の電
気機器の部分放電を、その電磁波の受信により非接触に
検知し、電気機器の絶縁劣化の非接触検出等を可能にす
る部分放電検知方法及び部分放電検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、配電線路の柱上機器(ブッシン
グ,変圧器等)のような配電機器(配電機材)やモータ
等の主に高電圧が印加される電気機器は、絶縁劣化によ
っていわゆる部分放電が生じ、この放電に伴って高周
波,広帯域の電磁波を発生する。
【0003】この電磁波は系統電源の電圧(電源電圧)
が図10の(a)に示すように変化する場合、部分放電
の発生に基づき、同図の(b)に示すようにその正,負
のピークに同期して発生し、系統電源に同期する。しか
も、その大きさ(レベル)は一般に部分放電が進行する
に従って大きくなる。
【0004】そして、この電磁波を検出して部分放電を
非接触に検知すれば、絶縁劣化の有無の非接触検出が行
えるため、従来、特定周波数の電磁波をアンテナにより
受信して測定し、その測定レベルと設定レベルとを比較
して部分放電の有無を検知し、測定レベルが設定レベル
以上になったときに部分放電を検知したとして、アラー
ム,指針又は音で絶縁劣化を報知することが行われてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記部分放電により生
じた電磁波は微弱であり、従来の部分放電の検知の場
合、アンテナの受信信号に混入した放送波,通信波及び
車のエンジンや産業機器等から発生したノイズ,突発ノ
イズ等のいわゆるバックグランドノイズ(BGN)のノ
イズ電波の影響を受け易い。
【0006】そして、放送波,通信波等の周波数が決ま
っているノイズ電波については、受信信号の同調周波数
を上記ノイズ電波の周波数から外すなど、それらの影響
を排除して測定が行えるが、同調周波数帯でのいわゆる
ランダムノイズや突発ノイズは、除去することはできな
い。
【0007】そして、従来は測定周波数の受信信号のレ
ベルをそのまま設定レベルと比較して検知するのみであ
るため、とくに前記のノイズ電波の影響を受けて誤検知
が生じる問題点があり、例えば配電線路の柱上機器の絶
縁劣化を非接触検出する場合、車のエンジン等から発生
したノイズ等からなるバックグランドノイズのノイズ電
波により絶縁劣化が誤検出されて検出の信頼性が低下す
る。
【0008】本発明は、とくにバックグランドノイズの
影響を排除してアンテナの受信信号から電気機器の部分
放電の有無等を精度よく検知することを課題とし、その
ための検知方法及び装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1の部分放電検知方法は、配電機器等の電
気機器の部分放電により系統電源に同期して発生した電
磁波をアンテナにより受信し、このアンテナの受信信号
に含まれた設定した測定周波数の電磁波の系統電源周波
数の2倍の周波数で変化する検知対象成分を抽出し、検
知対象成分の大きさから部分放電の有無を検知する。
【0010】この場合、図10の(a),(b)からも
明らかなように部分放電の電磁波が系統電源に同期して
発生し、その大きさの変動周波数は系統電源の2倍にな
る。
【0011】したがって、アンテナの測定周波数の電磁
波の受信信号につき、系統電源に同期してその2倍の周
波数で変化する検知対象成分を抽出すると、バックグラ
ンドノイズの成分を排除して部分放電による電磁波が抽
出される。そして、抽出した検知対象成分の大きさから
精度よく部分放電の有無が検知される。
【0012】この部分放電の有無の検知を実現するた
め、請求項2の部分放電検知装置は、配電機器等の電気
機器の部分放電により系統電源に同期して発生した電磁
波を受信するアンテナと、このアンテナの受信信号に含
まれた設定した測定周波数の電磁波の系統電源周波数の
2倍の周波数で変化する検知対象成分を抽出する成分抽
出手段と、検知対象成分の大きさから部分放電の有無を
検知する放電判定手段とを備える。
【0013】また、請求項3の部分放電検知方法は、配
電機器等の電気機器の部分放電により系統電源に同期し
て発生した電磁波をアンテナにより受信し、このアンテ
ナの受信信号に含まれた設定した測定周波数の電磁波の
系統電源周波数の2倍の周波数で変化する検知対象成分
を抽出し、アンテナの受信信号のバックグランドノイズ
のレベルを検知し、検知対象成分とバックグランドノイ
ズとのレベルの比から部分放電の有無を検知する。
【0014】したがって、この場合は設定した測定周波
数の受信信号から系統電源周波数の2倍の周波数で変化
する検知対象成分を抽出するとともに、そのバックグラ
ンドノイズを検知し、抽出した検知対象成分とバックグ
ランドノイズとの比により、部分放電の有無が精度よく
検知される。
【0015】そして、この部分放電の有無の検知を実現
するため、請求項4の部分放電検知装置は、配電機器等
の電気機器の部分放電により系統電源に同期して発生し
た電磁波を受信するアンテナと、このアンテナの受信信
号に含まれた設定した測定周波数の電磁波の系統電源周
波数の2倍の周波数で変化する検知対象成分を抽出する
成分抽出手段と、アンテナの受信信号のバックグランド
ノイズのレベルを検知するノイズ検知手段と、検知対象
成分と前記バックグランドノイズとのレベル比から前記
部分放電の有無を検知する放電判定手段とを備える。
【0016】さらに、請求項5の部分放電検知方法は、
配電機器等の電気機器の部分放電により系統電源に同期
して発生した電磁波をアンテナにより受信し、このアン
テナの受信信号に含まれた設定した測定周波数の電磁波
の系統電源周波数の2倍の周波数で変化する検知対象成
分を抽出し、アンテナの受信信号のバックグランドノイ
ズのレベルを検知し、検知対象成分の大きさから部分放
電の有無を検知し、検知対象成分とバックグランドノイ
ズとのレベルの比から前記部分放電の有無を検知し、検
知対象成分の大きさ,レベルの比の少なくとも一方の検
知結果が放電有りのときに部分放電の発生を検知する。
【0017】したがって、この場合は請求項1の検知方
法と請求項3の検知方法とを組合わせた手法により、い
ずれか一方の方法で部分放電有りと検知されたときに部
分放電の発生を検知し、部分放電の発生を、バックグラ
ンドノイズの影響を排除して精度よく確実に検知するこ
とができ、検知機能が著しく向上する。
【0018】そして、この部分放電の有無の検知を実現
するため、請求項6の部分放電検知装置は、配電機器等
の電気機器の部分放電により系統電源に同期して発生し
た電磁波を受信するアンテナと、このアンテナの受信信
号に含まれた設定した測定周波数の電磁波の系統電源周
波数の2倍の周波数で変化する検知対象成分を抽出する
周波数成分抽出手段と、アンテナの受信信号のバックグ
ランドノイズのレベルを検知するノイズ検知手段と、検
知対象成分の大きさから部分放電の有無を検知する第1
の判定手段と、検知対象成分とバックグランドノイズと
のレベルの比から前記部分放電の有無を検知する第2の
判定手段と、第1,第2の判定手段の少なくとも一方の
判定結果が放電有りのときに部分放電の発生を検知する
第3の判定手段とを備える。
【0019】つぎに、測定周波数を複数設定し、各測定
周波数について請求項1,請求項3又は請求項5の検知
を行うときは、各測定周波数につき、同時に又は順次
に、検知対象成分を抽出して部分放電の有無を検知する
ことにより部分放電の電磁波との同期外れを防ぐことが
でき、検知漏れを無くすことが可能となる。。
【0020】この場合、請求項2,請求項4又は請求項
6の部分放電検知装置において、複数の測定周波数につ
き、同時に又は順次に、成分抽出手段により検知対象成
分を抽出して部分放電の有無又は発生を検知すればよ
い。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態につき、図1
ないし図9を参照して説明する。 (第1の実施の形態)まず、請求項1,請求項2に対応
する第1の実施の形態につき、図1ないし図6を参照し
て説明する。
【0022】図2は部分放電検知装置の構成を示し、ア
ンテナ1の0〜200MHz程度の広帯域の受信信号はプ
リアンプ2を介してスペクトラムアナライザ3に供給さ
れる。
【0023】このスペクトラムアナライザ3はいわゆる
携帯形のパソコンからなる後段のコンピュータ装置4の
キーボード操作等により測定条件等が操作設定され、測
定データをコンピュータ装置4に供給する。
【0024】つぎに、コンピュータ装置4はスペクトラ
ムアナライザ3とともに成分抽出手段を形成するととも
に、この成分抽出手段の抽出結果から部分放電の有無を
検知する放電判定手段を形成し、図1のフローチャート
に従って動作する。
【0025】ところで、この実施の形態においては、配
電線路の柱上機器を検知対象の電気機器とし、設定した
測定周波数の電磁波の系統電源周波数の2倍の周波数で
変化する検知対象成分の大きさから部分放電の有無を検
知する。
【0026】この場合、いわゆる移動測定を行うため、
アンテナ1,プリアンプ2,スペクトラムアナライザ3
及びコンピュータ装置4は車に搭載され、電池5により
駆動される。
【0027】一方、前記柱上機器が取付けられた電柱近
傍でのアンテナ1の受信信号の周波数特性は、絶縁不良
により部分放電が生じている場合に例えば図3の実線
に示すようになり、部分放電が生じていない場合には例
えば同図の実線に示すようになる。
【0028】なお、図3は0〜200MHzの周波数特性
を示し、実線は約5000pC(ピコクーロン)の部
分放電が発生している電柱での実測特性であり、実線
は健全な電柱での実測特性である。
【0029】そして、実線はノイズ電波に基づく測定
環境のバックグランドノイズ(BGN)の特性に相当
し、実線はこのバックグランドノイズに部分放電の電
磁波が重畳した特性である。
【0030】このとき、部分放電の電磁波は図10の
(b)に示したように系統電源に同期してその2倍の周
波数で時間変化する。
【0031】しかも、実線,の比較からも明らかな
ように、絶縁不良によって発生した部分放電の電磁波の
受信レベルは、絶縁不良が発生しないときのバックグラ
ンドノイズのレベルより高くなり、しかも、そのレベル
差は周波数等によって異なる。
【0032】そこで、実験データやフィールドデータか
ら予め測定周波数を選定しておき、コンピュータ装置4
に設定しておく。或いは、既に測定された図3の実線
のバックグランドノイズの周波数特性のグラフと,現在
の周波数特性測定データに基づく例えば同図の実線の
周波数特性のグラフとをコンピュータ装置4の表示画面
6に表示し、オペレータの操作により、実線,のレ
ベル差が大きく、部分放電の電磁波に対するバックグラ
ンドノイズの影響が少ない周波数を選び、キーボード7
により、この周波数を測定周波数に選定してコンピュー
タ装置4に設定する。
【0033】このようにして、測定地点に到着する前或
いは到着後に図1のステップA1 に示すように測定周波
数を選定し、コンピュータ装置4により同図のステップ
2に示すようにスペクトラムアナライザ3のタイムド
メイン測定を制御し、設定された適当な一定時間の測定
を行う。この測定データは図4に示すように、時間軸上
でバックグランドノイズの成分(ベースノイズ成分)a
に系統電源周波数の2倍の周波数の成分(120Hz成
分)bがパルス状に重畳した波形になる。
【0034】一方、車のエンジンから発生したノイズ電
波や突発ノイズは、系統電源と非同期であり、そのた
め、検知対象成分を抽出すれば、自動的にこれらのノイ
ズ電波等が排除される。
【0035】なお、図5,図6に絶縁不良により部分放
電が生じている場合及び健全な場合の測定周波数の受信
信号の時間変化の実測例を示す。
【0036】図5は測定周波数35MHzに120Hzの検
知対象成分が発生している場合の特性であり、図6は測
定周波数が30MHzで車のエンジンノイズがバックグラ
ンドノイズとして発生している健全な場合の特性であ
る。
【0037】そして、図5,図6からも明らかなよう
に、図5では測定時間100msecに等間隔の12個のピ
ークが明りょうに現れている。
【0038】つぎに、測定した例えば図5の特性グラフ
をコンピュータ装置4の表示画面6に表示し、オペレー
タの判断で部分放電の有無を判定して検知することも可
能であるが、例えば数十万本もある電柱の柱上機器につ
いて部分放電の有無を検知するような場合には、自動的
に検知することが処理時間及び労力等の面から望まし
い。
【0039】そこで、スペクトラムアナライザ3から測
定データが得られると、コンピュータ装置4は図1のス
テップA3 により、測定データのFFT解析を実行し、
測定周波数の受信信号から系統電源周波数の2倍の周波
数,例えば120Hzで変化する検知対象成分を抽出す
る。
【0040】そして、コンピュータ装置4は抽出した検
知対象成分の大きさから部分放電の有無を検知するた
め、図1のステップA4 〜A7 の放電判定手段を動作
し、ステップA4 ,A5 により検知対象成分と予め設定
したレベル(設定レベル)とを比較し、部分放電の有無
の判定を行う。
【0041】そして、検知対象成分のレベルが設定レベ
ルより大きければステップA6 により部分放電有りと判
定し、検知対象成分のレベルが設定レベル以下であれば
ステップA7 により部分放電無しと判定し、検知対象成
分の大きさから、バックグランドノイズ等を排除して自
動的に部分放電の有無を精度よく検知する。
【0042】なお、部分放電有りの判定時は図1のステ
ップA8 により、コンピュータ装置4から絶縁不良警報
用のアラームを発生するとともに、その表示画面6に判
定結果等を表示してオペレータによる手動の確認,判断
を支援する。
【0043】(第2の実施の形態)つぎに、請求項3及
び請求項4に対応する第2の実施の形態につき、図7等
を参照して説明する。この実施の形態が第1の実施の形
態と異なる点は、図2のコンピュータ装置4に、検知対
象成分とバックグランドノイズとの比から部分放電の有
無を検知する放電判定手段を設け、前記比から部分放電
の有無を検知するようにした点である。そして、コンピ
ュータ装置4は図7のフローチャートに従って動作す
る。
【0044】この場合、図7のステップB1 ,B2 ,B
3 により図1のステップA1 ,A2,A3 と同様の処理
が行われ、成分抽出手段のFFT解析によりアンテナ1
の測定周波数の受信信号から、系統電源周波数の2倍の
周波数で変化する検知対象成分が抽出される。
【0045】そして、ステップB4 によりコンピュータ
装置4のノイズ検知手段は、例えば図4の測定周波数の
測定データからそのうちの大きなレベルを除去して各レ
ベルの測定データを平均化し、同図のバックグランドノ
イズ成分aのレベルをバックグランドノイズレベルとし
て求め、このレベルと抽出した検知対象成分との比を算
出する。
【0046】さらに、ステップB5 ,B6 ,B7 により
コンピュータ装置4の放電判定手段が動作し、ステップ
4 により求めた比と設定された適当な基準値とを比較
し、求められた比が基準値より大きければ部分放電有り
と判定し、基準値以下であれば部分放電無しと判定す
る。
【0047】また、部分放電有りのときはステップB8
により図1のステップA8 と同様の警報を行う。そし
て、この場合は、検知対象成分の抽出により車のエンジ
ン等から発生したノイズ(ランダムノイズ)を除去する
とともに、検知対象成分とバックグランドノイズとの比
を求めて検知する。したがって、バックグランドノイズ
の小さい地域での検知精度を著しく高めることができ
る。
【0048】(第3の実施の形態)つぎに、請求項5及
び請求項6に対応する第3の実施の形態につき、図8等
を参照して説明する。この実施の形態においては、第
1,第2の実施の形態の検知手法を併用し、さらに精度
の高い検知を行うため、図2のコンピュータ装置4に、
成分抽出手段,ノイズ検知手段及び第1,第2の実施の
形態の放電判定手段に相当する第1,第2の判定手段を
備えるとともに、両判定手段の少なくとも一方の判定結
果が放電有りのときに部分放電の発生を検知する第3の
判定手段を備える。
【0049】そして、コンピュータ装置4は図8のフロ
ーチャートにしたがって動作する。この場合、図8のス
テップC1 〜C4 により図1のステップA1 〜A4 と同
様の処理が行われ、成分抽出手段のFFT解析によりア
ンテナ1の測定周波数の受信信号から系統電源周波数の
2倍の周波数で変化する検知対象成分が抽出され、この
成分と設定レベルとを比較して部分放電の有無が検知さ
れる。
【0050】そして、この検知結果がステップC5 によ
り第1の判定結果として第1の判定手段に保持される。
つぎに、ステップC6 により図7のステップB4 ,B5
と同様の処理が行われ、抽出された検知対象成分とバッ
クグランドノイズとの比が求められ、この比と基準値と
を比較して部分放電の有無が検知される。
【0051】そして、この検知結果がステップC7 によ
り第2の判定結果として第2の判定手段に保持される。
さらに、ステップC8 ,C9 により第1,第2の判定結
果の少なくとも一方が部分放電有りのときにのみ、最終
的に、部分放電が発生していると判断し、ステップC10
により図1のステップA8 ,図7のステップB8 と同様
の警報を行う。
【0052】したがって、この場合は検知対象成分の大
きさからの判別と、検知対象成分とバックグランドノイ
ズとの比からの判別とを併用し、いずれか一方でも部分
放電有りと判別すれば、部分放電の発生を検知して警報
が行われ、部分放電の発生が漏れなく確実に、しかも、
一層精度よく検知される。
【0053】ところで、前記各実施の形態において、測
定周波数(同調周波数)の帯域は、不要なノイズを除去
して検知精度を高めるため、極力狭くすることが好まし
い。しかし、測定周波数の帯域を狭くすると、場合によ
っては部分放電による成分との同調が外れ、アンテナ1
の受信信号からの部分放電の成分の抽出に失敗する事態
も生じる。
【0054】そこで、測定周波数の帯域を極力狭くして
精度の高い検知を行うときは、測定周波数として、実験
データや周波数スペクトラムデータなどから適当な複数
の周波数を選定し、これらの測定周波数につき、コンピ
ュータ装置4の成分抽出手段等により、同時に又は順次
に検知対象成分を抽出して部分放電の有無又は発生を複
数回検知し、その結果から部分放電の有無を自動判定又
はオペレータの手動判定により検知することが好まし
い。
【0055】そして、複数の測定周波数について同時に
検知するときは、例えば図9に示すように、プリアンプ
2の後段に分配器8を設けてアンテナ1の受信信号を複
数台のスペクトラムアナライザ3に分配し、さらに、各
アナライザ3の測定データをコンピュータ装置4に供給
し、このコンピュータ装置4により、例えば各スペクト
ラムアナライザ3の出力につき、図1,図7又は図8の
処理を時分割処理等を施せばよい。
【0056】一方、アンテナ1は不要なノイズを除去す
る面からは、指向性のアンテナにより形成することが望
ましいが、例えば配電線路の多数の柱上機器について車
で移動しながら順次に検知するようなときは、受信範囲
を広くして受信位置等の制限をなくすことが作業時間の
短縮等の面からは好ましく、実際、短時間に検知するこ
とが極めて重要であるため、アンテナ1には無指向性の
アンテナが使用される。
【0057】そのため、アンテナ1の受信信号には車の
エンジンのノイズ等の種々のノイズが必ず混入する。そ
して、各実施の形態のように、これらのノイズを排除し
て精度よく部分放電を検知すれば、短時間に精度の高い
検知が行え、配電線路の多数の電柱の柱上機器の部分放
電の有無の検知等に著しい効果を奏する。
【0058】また、前記各実施の形態においてはスペク
トラムアナライザ3及びコンピュータ装置4により、F
FT解析により測定周波数の検知対象成分を抽出した
が、この成分はDFT解析等の他の周波数解析(分析)
の手法で抽出してもよく、フィルタ回路等のハードウェ
ア回路により抽出することも可能である。
【0059】さらに、各機器の構成等は各実施の形態の
ものに限定されるものではなく、その際、駆動電源は電
池以外であってもよい。そして、種々の電気機器の部分
放電の有無の検知に適用できるのは勿論である。
【0060】
【発明の効果】本発明は、以下に記載する効果を奏す
る。まず、請求項1の部分放電検知方法及び請求項2の
部分放電検知装置の場合、設定した測定周波数の電磁波
につき、系統電源周波数の2倍の周波数で変化する検知
対象成分を抽出することにより、バックグランドノイズ
等を排除して部分放電による電磁波が精度よく抽出され
る。
【0061】そして、抽出した検知対象成分の大きさか
ら精度よく部分放電の有無が検知されるため、この検知
に基づき、配電機器等の電気機器の絶縁不良を非接触に
精度よく検知することができる。
【0062】また、請求項3の部分放電検知方法及び請
求項4の部分放電検知装置の場合、系統電源周波数の2
倍の周波数で変化する検知対象成分が抽出され、抽出し
た検知対象成分とバックグランドノイズとの比により、
とくに、バックグランドノイズが小さい地域で部分放電
の有無を精度よく検知することができる。
【0063】さらに、請求項5の部分放電検知方法及び
請求項6の部分放電検知装置の場合は、抽出した検知対
象成分の大きさから検知された部分放電の有無の判別結
果と、抽出した検知対象成分とバックグランドノイズと
の比から検知した部分放電の有無の判別結果との併用に
より、一層確実かつ精度よく部分放電の有無を検知する
ことができる。
【0064】また、請求項7の部分放電検知方法及び請
求項8の部分放電検知装置の場合は、測定周波数を複数
設定して測定周波数の同調外れを回避することにより、
部分放電の有無をより確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のフローチャートで
ある。
【図2】本発明の第1の実施の形態の装置構成のブロッ
ク図である。
【図3】図2のスペクトラムアナライザで処理した受信
信号の周波数特性図である。
【図4】図2のスペクトラムアナライザで処理した受信
信号の部分放電があるときの電磁波強度の時間変化の特
性図である。
【図5】図2のスペクトラムアナライザで処理した受信
信号の部分放電があるときの電磁波強度の時間変化の実
測図である。
【図6】図2のスペクトラムアナライザで処理した測定
周波数の受信信号の部分放電がなくランダムノイズが発
生しているときの電磁波強度の時間変化の実測図であ
る。
【図7】本発明の第2の実施の形態のフローチャートで
ある。
【図8】本発明の第3の実施の形態のフローチャートで
ある。
【図9】本発明の他の装置構成のブロック図である。
【図10】(a)は系統電圧の波形図,(b)は(a)
に対応した部分放電の発生タイミングを表わした図であ
る。
【符号の説明】
1 アンテナ 3 スペクトラムアナライザ 4 コンピュータ装置
フロントページの続き (72)発明者 春田 清 富山県富山市牛島町15番1号 北陸電力株 式会社内 (72)発明者 石井 博美 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内 (72)発明者 宮林 幸正 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内 (72)発明者 芝原 和人 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配電機器等の電気機器の部分放電により
    系統電源に同期して発生した電磁波をアンテナにより受
    信し、 前記アンテナの受信信号に含まれた設定した測定周波数
    の電磁波の前記系統電源周波数の2倍の周波数で変化す
    る検知対象部分を抽出し、 前記検知対象成分の大きさから前記部分放電の有無を検
    知することを特徴とする部分放電検知方法。
  2. 【請求項2】 配電機器等の電気機器の部分放電により
    系統電源に同期して発生した電磁波を受信するアンテナ
    と、 前記アンテナの受信信号に含まれた設定した測定周波数
    の電磁波の前記系統電源周波数の2倍の周波数で変化す
    る検知対象成分を抽出する成分抽出手段と、 前記検知対象成分の大きさから前記部分放電の有無を検
    知する放電判定手段とを備えたことを特徴とする部分放
    電検知装置。
  3. 【請求項3】 配電機器等の電気機器の部分放電により
    系統電源に同期して発生した電磁波をアンテナにより受
    信し、 前記アンテナの受信信号に含まれた設定した測定周波数
    の電磁波の前記系統電源周波数の2倍の周波数で変化す
    る検知対象成分を抽出し、 前記アンテナの受信信号のバックグランドノイズのレベ
    ルを検知し、 前記検知対象成分と前記バックグランドノイズとのレベ
    ルの比から部分放電の有無を検知することを特徴とする
    部分放電検知方法。
  4. 【請求項4】 配電機器等の電気機器の部分放電により
    系統電源に同期して発生した電磁波を受信するアンテナ
    と、 前記アンテナの受信信号に含まれた設定した測定周波数
    の電磁波の前記系統電源周波数の2倍の周波数で変化す
    る検知対象成分を抽出する成分抽出手段と、 前記アンテナの受信信号のバックグランドノイズのレベ
    ルを検知するノイズ検知手段と、 前記検知対象成分と前記バックグランドノイズとのレベ
    ルの比から放電の有無を検知する放電判定手段とを備え
    たことを特徴とする部分放電検知装置。
  5. 【請求項5】 配電機器等の電気機器の部分放電により
    系統電源に同期して発生した電磁波をアンテナにより受
    信し、 前記アンテナの受信信号に含まれた設定した測定周波数
    の電磁波の前記系統電源周波数の2倍の周波数で変化す
    る検知対象成分を抽出し、 前記アンテナの受信信号のバックグランドノイズのレベ
    ルを検知し、 前記検知対象成分の大きさから前記部分放電の有無を検
    知し、 前記検知対象成分と前記バックグランドノイズとのレベ
    ルの比から前記部分放電の有無を検知し、 前記検知対象成分の大きさ,前記レベルの比の少なくと
    も一方の検知結果が放電有りのときに前記部分放電の発
    生を検知することを特徴とする部分放電検知方法。
  6. 【請求項6】 配電機器等の電気機器の部分放電により
    系統電源に同期して発生した電磁波を受信するアンテナ
    と、 前記アンテナの受信信号に含まれた設定した測定周波数
    の電磁波の前記系統電源周波数の2倍の周波数で変化す
    る検知対象成分を抽出する成分抽出手段と、 前記アンテナの受信信号のバックグランドノイズのレベ
    ルを検知するノイズ検知手段と、 前記検知対象成分の大きさから前記部分放電の有無を検
    知する第1の判定手段と、 前記検知対象成分と前記バックグランドノイズとのレベ
    ルの比から前記部分放電の有無を検知する第2の判定手
    段と、 前記第1,第2の判定手段の少なくとも一方の判定結果
    が放電有りのときに前記部分放電の発生を検知する第3
    の判定手段とを備えたことを特徴とする部分放電検知装
    置。
  7. 【請求項7】 複数の測定周波数につき、同時に又は順
    次に検知対象成分を抽出して部分放電の有無又は発生を
    検知することを特徴とする請求項1,請求項3又は請求
    項5記載の部分放電検知方法。
  8. 【請求項8】 複数の測定周波数につき、同時に又は順
    次に、成分抽出手段により検知対象成分を抽出して部分
    放電の有無又は発生を検知することを特徴とする請求項
    2,請求項4又は請求項6記載の部分放電検知装置。
JP08160893A 1996-05-31 1996-05-31 部分放電検知方法及び部分放電検知装置 Expired - Fee Related JP3091833B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08160893A JP3091833B2 (ja) 1996-05-31 1996-05-31 部分放電検知方法及び部分放電検知装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08160893A JP3091833B2 (ja) 1996-05-31 1996-05-31 部分放電検知方法及び部分放電検知装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09318698A true JPH09318698A (ja) 1997-12-12
JP3091833B2 JP3091833B2 (ja) 2000-09-25

Family

ID=15724648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08160893A Expired - Fee Related JP3091833B2 (ja) 1996-05-31 1996-05-31 部分放電検知方法及び部分放電検知装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3091833B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11326438A (ja) * 1998-05-12 1999-11-26 Hokuriku Electric Power Co Inc:The 部分放電検知方法
JP2010032450A (ja) * 2008-07-31 2010-02-12 Meidensha Corp 対象電気機器からの部分放電電磁波有無判定方法
JP2013253966A (ja) * 2012-05-07 2013-12-19 Tokyo Electric Power Co Inc:The 課電式電路事故探査レーダ
CN103926461A (zh) * 2014-04-03 2014-07-16 北京锐质科控电气有限公司 局放信号空间定位接收频率的选频方法
CN104062570A (zh) * 2014-07-14 2014-09-24 国家电网公司 一种电力变压器局部放电信号选频方法
CN104111375A (zh) * 2014-07-07 2014-10-22 国家电网公司 空气中设备绝缘内部放电检测系统接收频率的选频方法
CN104583788A (zh) * 2012-11-15 2015-04-29 柳湖电机工业株式会社 利用三维图案的局部放电检测装置的试验方法
CN105974288A (zh) * 2016-07-12 2016-09-28 国网天津市电力公司 一种可屏蔽干扰的35kV互感器局部放电试验方法
CN113866570A (zh) * 2021-08-06 2021-12-31 厦门欧易奇机器人有限公司 一种基于声纹的局放监测方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101513808B1 (ko) * 2013-10-30 2015-04-20 김기태 단열 지붕의 방수 구조 및 단열 지붕의 방수 시공 방법

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6378278U (ja) * 1986-11-11 1988-05-24
JPH05157796A (ja) * 1991-12-10 1993-06-25 Sumitomo Electric Ind Ltd 部分放電測定装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6378278U (ja) * 1986-11-11 1988-05-24
JPH05157796A (ja) * 1991-12-10 1993-06-25 Sumitomo Electric Ind Ltd 部分放電測定装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11326438A (ja) * 1998-05-12 1999-11-26 Hokuriku Electric Power Co Inc:The 部分放電検知方法
JP2010032450A (ja) * 2008-07-31 2010-02-12 Meidensha Corp 対象電気機器からの部分放電電磁波有無判定方法
JP2013253966A (ja) * 2012-05-07 2013-12-19 Tokyo Electric Power Co Inc:The 課電式電路事故探査レーダ
CN104583788A (zh) * 2012-11-15 2015-04-29 柳湖电机工业株式会社 利用三维图案的局部放电检测装置的试验方法
CN103926461A (zh) * 2014-04-03 2014-07-16 北京锐质科控电气有限公司 局放信号空间定位接收频率的选频方法
CN104111375A (zh) * 2014-07-07 2014-10-22 国家电网公司 空气中设备绝缘内部放电检测系统接收频率的选频方法
CN104062570A (zh) * 2014-07-14 2014-09-24 国家电网公司 一种电力变压器局部放电信号选频方法
CN105974288A (zh) * 2016-07-12 2016-09-28 国网天津市电力公司 一种可屏蔽干扰的35kV互感器局部放电试验方法
CN113866570A (zh) * 2021-08-06 2021-12-31 厦门欧易奇机器人有限公司 一种基于声纹的局放监测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3091833B2 (ja) 2000-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2993931B2 (ja) 部分放電検知方法
US6809523B1 (en) On-line detection of partial discharge in electrical power systems
US5982181A (en) Insulated device diagnosing system for diagnosing device based upon partial discharge signal data analyzed by frequency
KR100691655B1 (ko) 가스절연기기의 부분방전진단장치 및 진단방법
EP1993181B1 (en) Arc detector
JPH09318698A (ja) 部分放電検知方法及び部分放電検知装置
JP5228558B2 (ja) 電磁波検知による部分放電検出装置及びその検出方法
EP0831334B1 (en) Method for detecting electrical connection between antenna and receiver for a motor vehicle
KR100503215B1 (ko) 전력용 설비의 이상신호 진단시스템
JP2578320B2 (ja) 部分放電検知方法および部分放電検知装置
JP2845882B2 (ja) ガス絶縁機器の部分放電監視装置
US20030188573A1 (en) Method and apparatus for tire flaw detection
JPH09133732A (ja) 電気機器の異常振動監視装置
JPH11101844A (ja) 部分放電監視装置
RU2207581C2 (ru) Способ определения состояния линейной изоляции распределительных сетей и определения места её повреждения
JP3077739B2 (ja) 部分放電測定方法
JP3177313B2 (ja) 電力機器の絶縁劣化診断方法
Lauersdorf et al. Detection and suppression of corona discharges during PD-measurement by means of RI-reception
JP2541739B2 (ja) 電気機器の部分放電検出方法および電気機器の部分放電検出装置
JP2500432B2 (ja) 部分放電発生配電線路柱装架機器の検出方法および部分放電発生配電線路柱装架機器の検出装置
JPH0894682A (ja) 絶縁劣化診断装置
JPH06160460A (ja) 電気機器の部分放電検出方法および部分放電検出装置
JP2002323532A (ja) 電気機器の部分放電検出方法
JPH10160783A (ja) 碍子の塩害検出用アンテナ、及び、碍子の塩害検出装置
Håkansson et al. A non-tachometer based order analysis method for interior noise measurements in cars

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees