JPH11101844A - 部分放電監視装置 - Google Patents

部分放電監視装置

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JPH11101844A
JPH11101844A JP26013297A JP26013297A JPH11101844A JP H11101844 A JPH11101844 A JP H11101844A JP 26013297 A JP26013297 A JP 26013297A JP 26013297 A JP26013297 A JP 26013297A JP H11101844 A JPH11101844 A JP H11101844A
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signal
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pulse
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光仁 亀井
Chieko Nishida
智恵子 西田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス絶縁機器内の部分放電の位置標定におい
て、部分放電をノイズと識別して効率よく処理を行う。 【解決手段】 放電を検出するセンサ14aの検出信号
20aをコンパレータ27でパルス化し、所定の処理時
間内でパルス数が所定の値を超えることを以て、判定器
30により部分放電発生を判定する部分放電認識装置1
8aを部分放電監視装置に設け、部分放電の発生を認識
した後に、位置標定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガスによって絶
縁されている電力機器における部分放電の発生を監視す
る部分放電監視装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のガス絶縁機器における部分放電の
監視装置について以下に示す。例えば特開平6−118
119号公報「部分放電検出装置」に開示された、部分
放電の発生位置を評定する部分放電監視装置を図につい
て説明する。図11に従来の部分放電監視装置の概念
図、図12にその処理波形の例をそれぞれ示す。図にお
いて1はガス絶縁容器、2はガス絶縁容器1内部を貫通
する導体、3a、3bはガス絶縁容器1に設けられた部
分放電を検出するためのセンサ、4は一定の閾値を持つ
トリガ検出回路、5は波形メモリ、6は位置標定演算器
である。また、7a、7bはセンサ3a、3bの各検出
信号、8はトリガ検出回路4の中に設定された閾値レベ
ル、9a、9bは各検出信号7a、7bにおける閾値レ
ベル8を越えるパルス信号、10はトリガ検出回路4か
ら出力されるパルス信号、11は波形メモリ5から出力
される波形データ、△tは各センサ3a、3bの検出信
号7a、7bの信号時間差、Lはセンサ3a、3b間距
離、pは部分放電発生点、mはセンサ3aから部分放電
発生点pまでの距離である。なお、説明の都合上センサ
3a、3bは2個使用されるものとし、部分放電発生点
pはセンサ3aとセンサ3bとの間において、センサ3
aに近いほうで発生しているものとする。
【0003】次に動作について説明する。まず、ガス絶
縁容器1内のp点における導体2上で部分放電が発生し
た場合、センサ3a、3bで相次いで一定の時間差△t
をもって検出される。これら検出信号7a、7bはトリ
ガ検出回路4に入力され、その中に設定されている閾値
レベル8と比較され、これを越えている場合にはパルス
信号9a、9bを発生させる。これらパルス信号9a、
9bの中で早いほうのパルス信号9a(10)が最終的
にトリガ検出回路4から出力される。波形メモリ5はト
リガ検出回路4の出力であるパルス信号10を受けて、
通常のオシロスコープでプリトリガ機能として周知の方
法にて検出信号7a、7bの波形信号を取り込んで記憶
し、位置標定演算器6にデジタルデータとして表現した
波形データ11を渡す。位置標定演算器6は入力された
波形データ11から、検出信号7a、7bの時間差△t
を計測する。一方この時間差△tはp点からセンサ3a
までの距離mと、p点からセンサ3bまでの距離L−m
の距離差を信号が既知の一定速度vにて走行する間に生
じたものである。従って距離mは式:m=(L−v・△
t)/2により求められ、これにより位置標定演算器5
はセンサ3aから部分放電発生点pまでの距離mを決定
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の部分放電監視装
置は以上のように構成されていたため、例えばノイズに
よってセンサ3a、3bに検出信号7a、7bが発生し
ても、まず同様の処理を行い、処理結果がセンサ3a、
3bの区間以外を標定したり、繰り返し処理の結果が異
なった位置を標定したりした場合は外部ノイズとしてデ
ータを破棄していた。このため、無駄な処理が多くな
り、また、ノイズが多い環境に設置した場合、部分放電
監視装置はノイズ処理にかかりきりとなってオーバフロ
ーが発生する等実用上の問題点があった。
【0005】この発明は、上記のような問題点を解消す
るために成されたものであって、部分放電をノイズと識
別して効率よく監視でき、複雑な波形処理を実行する回
数を減らして装置の負荷を低減できる部分放電監視装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる請求項
1記載の部分放電監視装置は、容器内に封入されたガス
によって絶縁されるガス絶縁機器の上記容器内部におけ
る部分放電の発生をセンサにより検出する手段と、該検
出信号の放電回数または位相情報によって上記部分放電
の発生をノイズと識別して認識する部分放電発生認識手
段とを備えたものである。
【0007】この発明に係わる請求項2記載の部分放電
監視装置は、請求項1において、部分放電発生認識手段
が、センサの検出信号をパルス化するコンパレータと、
上記パルスの数を所定の処理時間内で計数するカウンタ
と、該カウンタ出力によるパルス計数値が所定の値を超
えることを以て部分放電発生と判定する判定器とを備え
たものである。
【0008】この発明に係わる請求項3記載の部分放電
監視装置は、請求項1において、部分放電発生認識手段
が、センサの検出信号をパルス化するコンパレータと、
所定の処理時間を分割する分割タイマと、各分割時間内
で上記パルス数をそれぞれ計数するカウンタと、該カウ
ンタ出力によるパルス計数値が上記処理時間内を継続し
て所定の値を超えることを以て部分放電発生と判定する
判定器とを備えたものである。
【0009】この発明に係わる請求項4記載の部分放電
監視装置は、請求項1において、部分放電発生認識手段
が、センサの検出信号をパルス化するコンパレータと、
課電商用周波数の位相基準信号の発生装置と、該位相基
準信号を同期信号として1サイクル内の所定の期間にお
いて、同期するコンパレータの出力を所定の処理時間内
で加算平均する加算平均回路と、該加算平均結果が閾値
を越えることを以て部分放電発生と判定する判定器とを
備えたものである。
【0010】この発明に係わる請求項5記載の部分放電
監視装置は、請求項1において、部分放電発生認識手段
が、パルス幅を所定の幅に拡げるパルス拡幅器を備え、
コンパレータでパルス化した信号を、上記パルス拡幅器
によりパルス幅を拡げるものである。
【0011】この発明に係わる請求項6記載の部分放電
監視装置は、請求項1において、部分放電発生認識手段
が、センサの検出信号をパルス化するコンパレータと、
課電商用周波数の1サイクルを所定の数で分割する位相
分割器と、分割された各分割位相領域毎に所定の処理時
間内で上記パルス数をそれぞれ計数するカウンタと、該
カウンタ出力によるパルス計数値がいずれか特定の上記
分割位相領域において、上記処理時間内で経時的に増加
することを以て部分放電発生と判定する判定器とを備え
たものである。
【0012】この発明に係わる請求項7記載の部分放電
監視装置は、請求項1〜6のいずれかにおいて、コンパ
レータによりセンサの検出信号をパルス化した直後か
ら、部分放電信号の信号減衰時間より定まる所定の時間
において、新たなパルスを発生させないものである。
【0013】この発明に係わる請求項8記載の部分放電
監視装置は、容器内に封入されたガスによって絶縁され
るガス絶縁機器の上記容器内部における部分放電の発生
を複数のセンサにより検出し、この各センサに到達した
検出信号の時間差から上記部分放電の位置を標定する装
置構成であって、請求項1〜7のいずれかに記載の部分
放電発生認識手段を備え、該部分放電発生認識手段によ
り上記部分放電の発生を認識した後に、上記部分放電の
位置を標定するものである。
【0014】この発明に係わる請求項9記載の部分放電
監視装置は、請求項8において、部分放電の発生を複数
のセンサにより検出した後、部分放電発生認識手段によ
り、いずれかの上記センサの検出信号から上記部分放電
の発生を認識し、その後上記各センサの検出信号をメモ
リに記憶して上記部分放電の位置を標定するものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の実施の形態1について
説明する。まず、ガス絶縁機器の内部において発生した
部分放電信号の挙動を説明する。ガス中で発生した部分
放電信号の第一の特徴は発生の時間継続性である。これ
は例えば、「電気協同研究、第46巻、第4号」の15
4頁、第6−2−5図にあるように、部分放電が一旦発
生するとその状態は数百時間以上も継続することが知ら
れている。また、部分放電信号の第2の特徴は課電位相
に対する発生位相の依存性である。これは例えば、「電
気協同研究、第44巻、第2号」の55頁、第4−7−
6表にまとめて示されており、部分放電を発生させる放
電源が同一であればACの課電位相に対してほぼ同じ領
域にサイクル毎に繰り返し発生する。また、パルスの数
は一つの領域に対し複数発生する事が多い事が知られて
いる。
【0016】図1は、この発明の実施の形態1による、
部分放電の発生位置を評定する部分放電監視装置の概念
図である。図において12はガス絶縁容器、13はガス
絶縁容器12内部を貫通する導体、14a、14bはガ
ス絶縁容器12に設けられた部分放電を検出するための
センサ、15は一定の閾値を持つトリガ検出回路、16
は波形メモリ、17は位置標定演算器、18a、18b
は部分放電発生認識装置、19はor処理回路、20
a、20bはセンサ14a、14bの各検出信号、22
はトリガ検出回路15から出力されるパルス信号、23
は波形メモリ16から出力される波形データ、24a、
24bは部分放電発生認識装置18a、18bから出力
される部分放電発生認識信号、25はor処理回路19
から出力される部分放電発生信号である。また、Lはセ
ンサ14a、14b間距離、pは部分放電発生点、mは
センサ14aから部分放電発生点pまでの距離である。
なお、説明の都合上センサ14a、14bは2個使用さ
れるものとし、部分放電発生点pはセンサ14aとセン
サ14bとの間において、センサ14aに近いほうで発
生しているものとする。
【0017】次に動作について説明する。まず、ガス絶
縁容器12内のp点における導体13上で部分放電が発
生した場合、センサ14a、14bで相次いで一定の時
間差△tをもって検出される。これら検出信号20a、
20bはトリガ検出回路15、波形メモリ16、部分放
電発生認識装置18a、18bに同時に入力する。この
時トリガ検出回路15は従来の処理と同様に、検出信号
20a、20bを閾値レベルと比較し、これを越えてい
る場合にはパルス信号21a、21b(図示せず)を発
生させる。これらパルス信号21a、21bの中で早い
ほうのパルス信号21a(22)が最終的にトリガ検出
回路15から出力される。しかしながら波形メモリ16
は部分放電発生信号25の出力が発生しない限り検出信
号20a、20bの記憶を行わないようにしておく。
【0018】かかる状態において部分放電発生認識装置
18a、18bは検出信号20a、20bの信号をそれ
ぞれ監視し、部分放電が発生しているかどうかを判定
し、発生していれば部分放電発生認識信号24a、24
bを発生する。このとき、検出信号20a、20bの放
電回数または位相情報によって、継続性あるいは発生位
相の課電位相に対する依存性を有するかを判断して、部
分放電の発生を判定する。また、or回路19はいずれ
かの部分放電発生認識装置18a、18bから部分放電
発生認識信号24a、24bが発令されれば波形メモリ
16に対して部分放電発生信号25を入力する。波形メ
モリ16はこの部分放電発生信号25を受信した後に初
めてトリガ検出回路15からの出力パルス信号22を受
け入れて、センサ14a、14bからの検出信号20
a、20bを、通常のオシロスコープでプリトリガ機能
として周知の方法にてその波形信号を取り込んで記憶
し、位置標定演算器17にデジタルデータとして表現し
た波形データ23を渡す。位置標定演算器17は入力さ
れた波形データ23から、検出信号20a、20bの時
間差△tを計測する。一方この時間差△tはp点からセ
ンサ14aまでの距離mと、p点からセンサ14bまで
の距離L−mの距離差を信号が既知の一定速度vにて走
行する間に生じたものである。従って距離mは式:m=
(L−v・△t)/2により求められ、これにより位置
標定演算器17はセンサ14aから部分放電発生点pま
での距離mを決定する。
【0019】この実施の形態では、部分放電の発生を部
分放電発生認識装置18a、18bによって検出した後
に、位置標定を行うものである。上述したように、部分
放電発生認識装置18a、18bは検出信号20a、2
0bの放電回数または位相情報によって、継続性あるい
は発生位相の課電位相に対する依存性を有するかを判断
して、部分放電の発生を判定し、部分放電発生が認識さ
れた場合のみ、検出信号20a、20bを波形メモリ1
6に記憶する。このため、波形メモリ16がノイズによ
る信号を記憶することが防止でき、その後のノイズ処理
も不要となる。この様に、部分放電をノイズと識別して
効率よく監視でき、複雑な波形処理を実行する回数を減
らして装置の負荷も低減できる。
【0020】実施の形態2.上記実施の形態1では、部
分放電発生認識装置18a、18bが備えられた部分放
電監視装置について述べたが、部分放電発生認識装置1
8a、18bについて以下に説明する。図2は部分放電
のパルスパターンを示す図であり、図3は部分放電発生
認識装置18aのブロック構成図である。図において、
20a、24aは上記実施の形態1と同様であり、26
は部分放電信号、27は適当な閾値を持つコンパレー
タ、28はカウンタ、29はタイマ、30は計数結果判
定器である。また、31はコンパレータ27から出力さ
れるパルス信号、32はタイマ29から出力され、処理
時間を設定するタイマ指令値、33はカウンタ28から
出力されるパルス計数値である。なお、説明の都合上、
部分放電発生認識装置18aについてのみ説明するが、
部分放電発生認識装置18bについても同様である。
【0021】次に動作について説明する。まず、センサ
14aから出力された検出信号20aを受けて、コンパ
レータ27は閾値を越えるものについてパルス信号31
を発生させ、そのパルス数をカウンタ28で計数する。
このとき、カウンタ28には、タイマ29から出力され
た、処理時間(例えば1分間)を設定するタイマ指令値
32が入力され、所定の処理時間内でパルス数を累積計
数する。この計数結果であるパルス計数値33は、計数
結果判定器30により、あらかじめ設定されているノイ
ズとの識別値、例えば、1分間で200程度の値と大小
比較を行う。パルス計数値33が上記識別値を越えてい
れば、計数結果判定器30は部分放電発生と判定し、部
分放電発生認識信号24aを出力する。
【0022】ところで、部分放電は一旦発生すると、数
百時間もの間継続することが確認されているが、これに
対し通常の環境ノイズは一過性である。このため、上記
実施の形態2のように、パルス数を商用周波数の1サイ
クル(例えば、20msec)の時間に比べて十分長い
時間累積計数すれば、部分放電とノイズとはそのパルス
計数値33に大きな差が発生するものである。例えば、
1分間の累積計数では、部分放電が発生している場合は
5000カウントを確実に越えるパルス数が確認される
が、ノイズの場合は通常数百カウントのパルス数しか確
認されない。従って、上述したように、識別値を設けて
計数結果判定器30により部分放電とノイズとの識別が
容易に実施できて、部分放電発生の認識が行える。ま
た、部分放電監視装置にこのような部分放電発生認識装
置18aを備えることで、部分放電の監視が効率良く、
また信頼性良く行うことができ、装置の負荷も低減でき
る。
【0023】実施の形態3.次に、この発明の実施の形
態3による部分放電監視装置に備えられた部分放電発生
認識装置18aについて説明する。図4は実施の形態3
による部分放電発生認識装置18aのブロック構成図で
ある。図において、20a、24a、27、および31
は上記実施の形態2と同様であり、28aはカウンタ、
29aは分割タイマ、30aは計数結果判定器、34は
処理時間設定用カウンタである。また、33aはカウン
タ28aから出力されるパルス計数値、35は分割タイ
マ29aから出力される繰り返し分割信号、36は判定
指令タイミングである。
【0024】次に動作について説明する。まず、実施の
形態2と同様に、センサ14aから出力された検出信号
20aを受けて、コンパレータ27は閾値を越えるもの
についてパルス信号31を発生させ、そのパルス数をカ
ウンタ28aで計数する。分割タイマ29aは処理時間
を一定時間、例えば商用周波数の1サイクル毎に分割す
る指令である繰り返し分割信号35を発生する。カウン
タ28aはこの繰り返し分割信号35の間、すなわち各
分割時間(この場合1サイクル)毎にパルス数の計数を
行い、その結果のパルス計数値33aを各分割時間毎に
出力する。一方、繰り返し分割信号35は処理時間設定
用カウンタ34に入力され、全体の処理時間を繰り返し
分割数として、通常の処理で有れば1分間のサイクル数
程度まで計数され、所定数に達すれば判定指令タイミン
グ36を出力する。計数結果判定器30aは各分割時間
毎のパルス計数値33aのデータ群を受け取り、その計
数結果が各分割時間内に部分放電が発生する最低の期待
値、例えば、1サイクルでは1〜2程度を越えているか
どうかを判定し、越えている状態が設定された処理時間
連続していれば、計数結果判定器30aは部分放電発生
と判定し、部分放電発生認識信号24aを出力する。
【0025】ガス絶縁機器内での部分放電発生を認識す
る処理として、上記実施の形態2では商用周波数の1サ
イクルの時間に比較して十分長い時間で、部分放電のパ
ルス数を計数して所定の値を超えるかどうかで判定し
た。通常のノイズではこの様な処理によって部分放電と
の識別が可能であるが、電波の発信のように高周波の繰
り返し信号がセンサ14aで検出された場合等、カウン
タ31は一瞬にして設定値を越える計数を行う事も考え
られる。この実施の形態では、ある一瞬に大量のパルス
数が計数されても、その結果が全体の判定に影響するこ
となく、部分放電の継続性が確認できる。このため、部
分放電発生を、ノイズと識別して認識することが、さら
に信頼性良く行える。また、部分放電監視装置にこのよ
うな部分放電発生認識装置18aを備えることで、部分
放電の監視がさらに効率良く、また信頼性良く行うこと
ができ、装置の負荷も低減できる。
【0026】実施の形態4.次に、この発明の実施の形
態4による部分放電監視装置に備えられた部分放電発生
認識装置18aについて説明する。図5は実施の形態4
による部分放電発生認識装置18aのブロック構成図で
あり、図6はその処理波形を示す図である。図におい
て、20a、24a、27、および31は上記実施の形
態2と同様であり、37はパルス幅を拡げるパルス拡幅
器、38は加算平均回路、39は位相基準発生器、40
は判定器である。また、27aはコンパレータ27の中
に設定した閾値レベル、41は拡幅されたパルス拡幅信
号、42は課電波形、43は位相基準発生器39から出
力された課電波形41における位相基準信号、44は加
算平均回路38による加算平均出力信号、44aは部分
放電出力信号、45は判定器40の中に設定した閾値レ
ベルである。
【0027】次に動作について説明する。まず、実施の
形態2と同様に、センサ14aから出力された検出信号
20aを受けて、コンパレータ27は閾値27aを越え
るものについてパルス信号31を発生させる。このパル
ス信号31をパルス拡幅器37によって、例えば1〜5
msec程度までパルス幅を拡大させたパルス拡幅信号
41に変形する。一方、別途、課電波形42を位相基準
発生器39に取り込み、その波形のゼロクロス点を検出
して位相基準信号43を発生する。加算平均回路38で
は、所定の処理時間内(例えば1分間)で、位相基準信
号43を同期信号として各サイクルのパルス拡幅信号4
1を加算平均し、加算平均出力信号44を出力する。判
定器40は、加算平均出力信号44が設定された閾値4
5を越える部分を有する場合、その部分のみを部分放電
出力信号44aに加工し、同時に部分放電発生と判定し
て部分放電発生認識信号24aを出力する。
【0028】ところで、パルス信号31は例えば「電気
協同研究、第44巻、第2号」の55頁、第4−7−6
表に示されている様に、位相基準信号43に対して一定
の位相領域にて発生しているものの、厳密には揺らぎを
持っていることが確認されている。従って、課電位相に
対して概略同一領域に発生する部分放電によるパルス信
号31は、上記揺らぎを越える程度にパルス幅を拡大し
て加算平均することにより重なり部分が必ず発生し、一
定の振幅を維持するものである。従って、判定器40で
適当な閾値45との比較により、部分放電出力信号44
aが得られ、部分放電の発生が認識できる。これに対
し、ノイズ信号は課電位相に対して依存性がないため、
例えばn回の加算平均を取れば通常1/nになるため、
部分放電と識別される。この様にこの実施の形態では、
部分放電の発生位相の課電位相に対する依存性が確認で
きる。このため、部分放電発生を、ノイズと識別して認
識することが、容易に信頼性良く行える。また、部分放
電監視装置にこのような部分放電発生認識装置18aを
備えることで、部分放電の監視が効率良く、また信頼性
良く行うことができ、装置の負荷も低減できる。
【0029】なお、上記実施の形態ではパルス幅を拡げ
て加算平均処理を行ったが、揺らぎを考慮する必要が無
い場合、パルス信号31をそのまま加算平均しても良
い。
【0030】実施の形態5.次に、この発明の実施の形
態5による部分放電監視装置に備えられた部分放電発生
認識装置18aについて説明する。図7は実施の形態5
による部分放電発生認識装置18aのブロック構成図で
あり、図8はその処理波形を示す図である。図におい
て、20a、24a、27、27a、31および42は
上記実施の形態4と同様であり、46は課電位相を分割
する位相分割器、47は各分割位相領域毎にパルス数を
計数するカウンタ、48a、48b、48c、48dは
位相分割器46から出力される位相分割信号、49a、
49b、49c、49dは各分割位相領域毎に計数した
パルス計数値、50は判定器である。
【0031】次に動作について説明する。まず、実施の
形態4と同様に、センサ14aから出力された検出信号
20aを受けて、コンパレータ27は閾値27aを越え
るものについてパルス信号31を発生させる。一方、別
途、課電波形42を位相基準発生器39に取り込み、位
相分割器46によって、例えば、位相0度〜90度、9
0度〜180度、180度〜270度、270度〜36
0度の4領域に分割し、それぞれの分割位相領域に対応
した時間幅を持つパルス信号である位相分割信号48
a、48b、48c、48dを出力する。カウンタ47
では該位相分割信号48a、48b、48c、48dを
ゲート信号として到来パルス信号31を計数する。これ
により、各分割位相領域毎にパルス計数値49a、49
b、49c、49dが得られ、所定の処理時間内(例え
ば1分間)でいずれか特定の分割位相領域において、パ
ルス計数値49a、49b、49c、49dが経時的に
増加しているかどうかを判定器50で判定する。特定分
割位相領域における経時的増加が認められた場合、部分
放電発生と判定して部分放電発生認識信号24aを出力
する。
【0032】この実施の形態では、課電位相の1サイク
ルを所定の数で分割し、いずれか特定の分割位相領域に
おいて所定の処理時間内で部分放電のパルス計数値が経
時的に増加することを確認できる。この様に、部分放電
の発生位相の課電位相に対する依存性が確認でき、部分
放電発生をノイズと識別して認識することが、容易に信
頼性良く行える。また、部分放電監視装置にこのような
部分放電発生認識装置18aを備えることで、部分放電
の監視が効率良く、また信頼性良く行うことができ、装
置の負荷も低減できる。
【0033】なお、上記実施の形態では説明の都合上、
位相を4領域に分割したが、8〜32程度の数で分割す
るのが望ましく、部分放電の発生位相の課電位相に対す
る依存性が効果的に確認できる。
【0034】また、上記実施の形態2〜5で示した部分
放電発生認識装置18aは、上記実施の形態1で示した
部分放電の発生位置を標定する部分放電監視装置に設け
るだけでなく、部分放電の発生自体を監視したり、また
部分放電に係わるその他の項目を監視する部分放電監視
装置に設けて用いることができる。
【0035】実施の形態6.上記実施の形態2〜5まで
において説明した各信号処理は、部分放電センサ14
a、14bの検出信号20a、20bをコンパレータ2
7によってパルス化した後の処理を行っており、それぞ
れが部分放電の1回の放電に対して1パルスが出力され
ることを前提としている。しかしながら、実際の部分放
電は往復減衰振動をともなっており、閾値27aの位置
によっては1回の放電に対して複数のパルスが出力され
ることがあり得る。そのような場合にも上記実施の形態
1〜5が適用できるように、回路的な対策の例を図につ
いて説明する。
【0036】図9は部分放電の検出信号20aをパルス
化するコンパレータ27の構成図であり、図10はその
処理波形の例である。図に示すように、部分放電センサ
14aから発生した検出信号20aが高速コンパレータ
51に入力する。閾値27aと検出信号20aの関係が
図10に示すものの場合、高速コンパレータ51出力は
1回の部分放電に対して二つのパルスを有するパルス信
号53となる。このパルス信号53を受けたリトリガ禁
止タイマ回路52は、あらかじめ設定された時間幅Ts
(例えば300〜500nsec)の範囲内のパルス
を、パルス信号53の最初のパルスに同期して発生させ
たパルス信号31を出力し、同時にこのパルスが発生し
ている間は次のパルスが発生しても受付を禁止する。
【0037】なお、ここでTsの値は各種のガス絶縁機
器に対して得られた部分放電検出信号20aの波形の減
衰時間によって実験的に確認されたものであり、スペー
サや分岐が多いガス絶縁機器では300nsecに近い
減衰特性、母線のように単純な構造では最大500ns
ec程度の減衰が得られていることによる。この様に、
部分放電の1回の放電に対し、複数のパルスが発生して
も、初回のパルス発生の後、新たなパルスを発生させな
いようにしたため、見かけ上1パルスとして扱うことが
できる。このため、実施の形態2〜5における部分放電
監視装置における各信号処理が信頼性良く行える。
【0038】
【発明の効果】以上のようにこの発明によると、ガス絶
縁機器の容器内部における部分放電の発生をセンサによ
り検出する手段と、該検出信号の放電回数または位相情
報によって上記部分放電の発生をノイズと識別して認識
する部分放電発生認識手段とを部分放電監視装置に備え
たため、部分放電をノイズと識別して効率よく監視で
き、複雑な波形処理を実行する回数を減らして装置の負
荷も低減できる。
【0039】またこの発明によると、部分放電発生認識
手段が、センサの検出信号をパルス化するコンパレータ
と、上記パルスの数を所定の処理時間内で計数するカウ
ンタと、該カウンタ出力によるパルス計数値が所定の値
を超えることを以て部分放電発生と判定する判定器とを
備えたため、部分放電とノイズとの識別が容易に実施で
きて、部分放電発生の認識が行える。また、部分放電監
視装置にこのような部分放電発生認識手段を備えること
で、部分放電の監視が効率良く、また信頼性良く行うこ
とができ、装置の負荷も低減できる。
【0040】またこの発明によると、部分放電発生認識
手段が、センサの検出信号をパルス化するコンパレータ
と、所定の処理時間を分割する分割タイマと、各分割時
間内で上記パルス数をそれぞれ計数するカウンタと、該
カウンタ出力によるパルス計数値が上記処理時間内を継
続して所定の値を超えることを以て部分放電発生と判定
する判定器とを備えたため、部分放電発生をノイズと識
別して認識することがさらに信頼性良く行える。また、
部分放電監視装置にこのような部分放電発生認識手段を
備えることで、部分放電の監視がさらに効率良く、また
信頼性良く行うことができ、装置の負荷も低減できる。
【0041】またこの発明によると、部分放電発生認識
手段が、センサの検出信号をパルス化するコンパレータ
と、課電商用周波数の位相基準信号の発生装置と、該位
相基準信号を同期信号として1サイクル内の所定の期間
において、同期するコンパレータの出力を所定の処理時
間内で加算平均する加算平均回路と、該加算平均結果が
閾値を越えることを以て部分放電発生と判定する判定器
とを備えたため、部分放電発生をノイズと識別して認識
することが容易に信頼性良く行える。また、部分放電監
視装置にこのような部分放電発生認識手段を備えること
で、部分放電の監視が効率良く、また信頼性良く行うこ
とができ、装置の負荷も低減できる。
【0042】またこの発明によると、部分放電発生認識
手段が、パルス幅を所定の幅に拡げるパルス拡幅器を備
え、コンパレータでパルス化した信号を、上記パルス拡
幅器によりパルス幅を拡げるため、部分放電発生をノイ
ズと識別して認識することがさらに信頼性良く確実に行
える。
【0043】またこの発明によると、部分放電発生認識
手段が、センサの検出信号をパルス化するコンパレータ
と、課電商用周波数の1サイクルを所定の数で分割する
位相分割器と、分割された各分割位相領域毎に所定の処
理時間内で上記パルス数をそれぞれ計数するカウンタ
と、該カウンタ出力によるパルス計数値がいずれか特定
の上記分割位相領域において、上記処理時間内で経時的
に増加することを以て部分放電発生と判定する判定器と
を備えたため、部分放電発生をノイズと識別して認識す
ることが、容易に信頼性良く行える。また、部分放電監
視装置にこのような部分放電発生認識手段を備えること
で、部分放電の監視が効率良く、また信頼性良く行うこ
とができ、装置の負荷も低減できる。
【0044】またこの発明によると、コンパレータによ
りセンサの検出信号をパルス化した直後から、部分放電
信号の信号減衰時間より定まる所定の時間において、新
たなパルスを発生させない様にしたため、部分放電監視
装置による各信号処理の信頼性が向上し、部分放電の監
視の信頼性がさらに向上する。
【0045】またこの発明によると、ガス絶縁機器の容
器内部における部分放電の発生を複数のセンサにより検
出し、この各センサに到達した検出信号の時間差から上
記部分放電の位置を標定する部分放電監視装置に、請求
項1〜7のいずれかに記載の部分放電発生認識手段を備
え、該部分放電発生認識手段により上記部分放電の発生
を認識した後に、上記部分放電の位置を標定するように
したため、部分放電をノイズと識別して効率よく位置標
定でき、複雑な波形処理を実行する回数を減らして装置
の負荷も低減できる。
【0046】またこの発明によると、部分放電の発生を
複数のセンサにより検出した後、部分放電発生認識手段
により、いずれかの上記センサの検出信号から上記部分
放電の発生を認識し、その後上記各センサの検出信号を
メモリに記憶して上記部分放電の位置を標定するように
したため、部分放電をノイズと識別して効率よく位置標
定でき、複雑な波形処理を実行する回数を減らして装置
の負荷も低減できる効果が確実に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による、部分放電監
視装置の概念図である。
【図2】 部分放電のパルスパターンを示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による部分放電発生
認識装置のブロック構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態3による部分放電発生
認識装置のブロック構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態4による部分放電発生
認識装置のブロック構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態4による部分放電発生
認識装置の処理波形を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態5による部分放電発生
認識装置のブロック構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態5による部分放電発生
認識装置の処理波形を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態6による部分放電発生
認識装置のコンパレータの構成図である。
【図10】 この発明の実施の形態6による部分放電発
生認識装置のコンパレータの処理波形を示す図である。
【図11】 従来の部分放電監視装置の概念図である。
【図12】 従来の部分放電監視装置の処理波形を示す
図である。
【符号の説明】
12 容器、14a,14b センサ、16 波形メモ
リ、17 位置標定演算器、18a,18b 部分放電
発生認識装置、19 or処理回路、20a,20b
検出信号、24a,24b 部分放電発生認識信号、2
5 部分放電発生信号、27 コンパレータ、28,2
8a カウンタ、29a 分割タイマ、30,30a
計数結果判定器、31 パルス信号、33,33a パ
ルス計数値、37 パルス拡幅器、38 加算平均回
路、39 位相基準発生器、40 判定器、41 パル
ス拡幅信号、43 位相基準信号、44 加算平均出力
信号、45 閾値、46 位相分割器、47 カウン
タ、49a,49b,49c,49d パルス計数値、
50 判定器、51 高速コンパレータ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内に封入されたガスによって絶縁さ
    れるガス絶縁機器の上記容器内部における部分放電の発
    生をセンサにより検出する手段と、該検出信号の放電回
    数または位相情報によって上記部分放電の発生をノイズ
    と識別して認識する部分放電発生認識手段とを備えたこ
    とを特徴とする部分放電監視装置。
  2. 【請求項2】 部分放電発生認識手段が、センサの検出
    信号をパルス化するコンパレータと、上記パルスの数を
    所定の処理時間内で計数するカウンタと、該カウンタ出
    力によるパルス計数値が所定の値を超えることを以て部
    分放電発生と判定する判定器とを備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の部分放電監視装置。
  3. 【請求項3】 部分放電発生認識手段が、センサの検出
    信号をパルス化するコンパレータと、所定の処理時間を
    分割する分割タイマと、各分割時間内で上記パルス数を
    それぞれ計数するカウンタと、該カウンタ出力によるパ
    ルス計数値が上記処理時間内を継続して所定の値を超え
    ることを以て部分放電発生と判定する判定器とを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の部分放電監視装置。
  4. 【請求項4】 部分放電発生認識手段が、センサの検出
    信号をパルス化するコンパレータと、課電商用周波数の
    位相基準信号の発生装置と、該位相基準信号を同期信号
    として1サイクル内の所定の期間において、同期するコ
    ンパレータの出力を所定の処理時間内で加算平均する加
    算平均回路と、該加算平均結果が閾値を越えることを以
    て部分放電発生と判定する判定器とを備えたことを特徴
    とする請求項1記載の部分放電監視装置。
  5. 【請求項5】 部分放電発生認識手段が、パルス幅を所
    定の幅に拡げるパルス拡幅器を備え、コンパレータでパ
    ルス化した信号を、上記パルス拡幅器によりパルス幅を
    拡げることを特徴とする請求項4記載の部分放電監視装
    置。
  6. 【請求項6】 部分放電発生認識手段が、センサの検出
    信号をパルス化するコンパレータと、課電商用周波数の
    1サイクルを所定の数で分割する位相分割器と、分割さ
    れた各分割位相領域毎に所定の処理時間内で上記パルス
    数をそれぞれ計数するカウンタと、該カウンタ出力によ
    るパルス計数値がいずれか特定の上記分割位相領域にお
    いて、上記処理時間内で経時的に増加することを以て部
    分放電発生と判定する判定器とを備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の部分放電監視装置。
  7. 【請求項7】 コンパレータによりセンサの検出信号を
    パルス化した直後から、部分放電信号の信号減衰時間よ
    り定まる所定の時間において、新たなパルスを発生させ
    ないことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の
    部分放電監視装置。
  8. 【請求項8】 容器内に封入されたガスによって絶縁さ
    れるガス絶縁機器の上記容器内部における部分放電の発
    生を複数のセンサにより検出し、この各センサに到達し
    た検出信号の時間差から上記部分放電の位置を標定する
    部分放電監視装置において、請求項1〜7のいずれかに
    記載の部分放電発生認識手段を備え、該部分放電発生認
    識手段により上記部分放電の発生を認識した後に、上記
    部分放電の位置を標定することを特徴とする部分放電監
    視装置。
  9. 【請求項9】 部分放電の発生を複数のセンサにより検
    出した後、部分放電発生認識手段により、いずれかの上
    記センサの検出信号から上記部分放電の発生を認識し、
    その後上記各センサの検出信号をメモリに記憶して上記
    部分放電の位置を標定することを特徴とする請求項8記
    載の部分放電監視装置。
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