JPH11326269A - 限界電流式酸素センサ - Google Patents

限界電流式酸素センサ

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JPH11326269A
JPH11326269A JP10130153A JP13015398A JPH11326269A JP H11326269 A JPH11326269 A JP H11326269A JP 10130153 A JP10130153 A JP 10130153A JP 13015398 A JP13015398 A JP 13015398A JP H11326269 A JPH11326269 A JP H11326269A
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JP
Japan
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film
solid electrolyte
oxygen
oxygen sensor
limiting current
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Pending
Application number
JP10130153A
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English (en)
Inventor
Satoru Nakao
知 中尾
Akito Kurosaka
昭人 黒坂
Masahiro Sato
昌啓 佐藤
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度から低濃度まで広い濃度範囲にわたっ
て酸素濃度測定が可能で、且つ大量生産に適した限界電
流式酸素センサを提供する。 【解決手段】 基板11上にカソード膜12、固体電解
質膜13及びアノード膜14を順次積層し、固体電解質
膜13を拡散律速層とする。アノード膜14はガス透過
性を持たず、少なくとも一部に孔15が形成されてい
る。この孔15を通して酸素ガスを固体電解質膜13へ
流入させることにより、固体電解質膜13への流入ガス
量を制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は環境モニタや酸欠警
報器、ボイラやエンジン等の燃焼制御に用いられる酸素
センサであって、高い安定性・信頼性を有しかつ安価で
大量生産に適した構造の限界電流式酸素センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】限界電流式酸素センサは酸素イオンを輸
送する固体電解質と酸素の供給を制限しイオンの輸送を
律速するガス拡散律速部から構成されている。市販され
ている限界電流式酸素センサは、例えば図9に示すよう
に、固体電解質板1の両面に電極(カソード2及びアノ
ード3)を形成し、カソード(陰極)2の表面を、細い
酸素ガス流入孔4を開けたセラミックのキャップ5や、
通気性を持った多孔質材料で覆われた構造になってい
る。固体電解質板1の両面の電極間に電圧を印加する
と、カソード2と固体電解質1の境界面で、雰囲気中に
存在する酸素ガスがイオン化され酸素イオンを生じる。
酸素イオンは電圧勾配に従って固体電解質1内をアノー
ド(陽極)3に向かって輸送され、アノード3で再びガ
ス化して雰囲気中へ放出される。このとき、電極間には
輸送された酸素の量に従って電流が流れる。電流は印加
電圧が高いほど、また雰囲気の酸素濃度が高いほど大き
くなるが、カソード2を上記のようなキャップ5や多孔
質材料で覆うことにより雰囲気ガスの供給量を制限する
と、流れる電流は電圧によらず雰囲気の酸素濃度にのみ
依存するようになる。すなわち、カソード2の近傍に流
入する酸素の量に比べ、固体電解質1の酸素イオンの輸
送能力が十分大きいとき、流れる電流はカソード2を被
覆している材料の酸素ガス通過速度によって律速され
る。
【0003】この様な構造の限界電流式酸素センサは長
期間にわたって安定で信頼性が高い特徴を持っているた
め、精密な酸素濃度分析計などに用いられている。ま
た、酸素ガス流入孔4の寸法を変えることによって、広
い酸素濃度領域に対応した高精度の酸素センサを供給す
ることができる。しかしながら、このセンサは、チップ
一個一個について加工、組み立てを必要とするため大量
生産が難しく、製造コストが高いこともあり、その用途
は限られていた。
【0004】近年、半導体製造に用いられてきた薄膜形
成やフォトリソグラフィの技術を適用することによっ
て、ウエハ単位で製造でき、大量生産に適した薄膜酸素
センサの研究が盛んになってきている。それら薄膜酸素
センサの一例として、図10に示すようなサンドイッチ
型薄膜酸素センサが考案されている(佐藤ほか、電気学
会研究会資料、センサマイクロマシン部門総合研究会C
S−97−41、1997年11月)。このセンサは、
セラミック基板6上にカソード膜7、ジルコニア膜8及
びアノード膜9を順次積層したもので、ジルコニア膜8
を通って流入する酸素ガスをイオン化してそのイオン電
流を測定するものである。このセンサではジルコニア膜
8はイオン伝導体であると同時に拡散律速層としても機
能するため、センサの構造はきわめて単純になってい
る。また、小型化が容易であるのみならず、周辺回路や
他のセンサなどとの複合化も可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図10に示し
た通気性を持つ膜を拡散律速層とする限界電流式酸素セ
ンサの場合、図9で示した従来の細い酸素ガス流入孔4
で通気度を制限する方法に比べ、急峻で広範囲な平坦領
域を得ることが難しかった。1つの小孔を律速部とする
場合、拡散流入速度は孔径によって一意に決定される
が、通気性を持つ膜の場合、種々の拡散定数を持った無
数の微細孔からガスが流入するため、出力はそれらの寄
与の合成となり、限界電流の立ち上がりは不明瞭にな
る。そのため、広い濃度範囲、特に高濃度領域において
酸素濃度を測定することが難しかった。
【0006】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、高濃度から低濃度まで広い濃度範囲にわたって酸
素濃度測定が可能であり、しかも安価で大量生産に適し
た限界電流式酸素センサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る限界電流式
酸素センサは、基板上にカソード膜、固体電解質膜及び
アノード膜を順次積層し、前記固体電解質膜を拡散律速
層とする酸素センサにおいて、前記アノード膜が、ガス
透過性を持たず、少なくとも一部に孔が形成され、この
孔を通して酸素ガスを前記固体電解質膜へ流入させるこ
とにより、前記固体電解質膜への流入ガス量を制限する
ものであることを特徴とする。
【0008】基板上に形成された固体電解質膜の表面全
面からガスが流入すると、基板内の位置によって固体電
解質膜の膜厚や組織が微妙に異なっているため、流入し
たガスは種々の拡散速度でカソードに到達する。本発明
では、最上面のアノード膜で固体電解質膜全面からのガ
スの流入を遮断すると共に、その少なくとも一部に孔を
形成することにより、孔のみからガスを固体電解質膜へ
と流入させるようにしているので、固体電解質膜内での
拡散経路が狭い領域に制限され、流入するガスのカソー
ドへの拡散速度も狭い範囲に限定される。このため、明
瞭な限界電流特性を得ることができる。孔の大きさを測
定すべき酸素濃度に応じて任意に設定することにより、
高濃度から低濃度まで広い濃度範囲に対応した酸素セン
サが得られる。アノード膜の孔は、リフトオフ法等によ
って精度良く形成することができる。また、この発明の
限界電流式酸素センサは、基板上にカソード膜、固体電
解質膜及びアノード膜を順次積層して形成されるもので
あるため、大量生産に適し、小型化も容易である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の好ましい実施の形態について説明する。実施例 図1〜図3は、本発明の一実施例に係る限界電流式酸素
センサを製造工程に沿って示す斜視図である。まず、図
1に示すように、アルミナ基板11上にPtをスパッタ
法で成膜し、フォトリソグラフィ技術のリフトオフ法を
用いてカソード電極12(例えば2.5mm×2.5m
m)とリードパターン12aを形成した。ここで基板1
1には耐熱性と機械的強度に優れた緻密なアルミナ基板
を使用したが、同じような特徴を持つジルコニア、フォ
ルステライトなどの焼結体やサファイア、シリコンなど
の単結晶、または種々のガラスを基板11として用いる
こともできる。電極材に関しても耐熱材であるPtやP
t−Rh以外にもPt−Pd、Pt−Agなどいくつか
の材料が使用可能である(高橋他、特公平5−2217
7号)。
【0010】第2の工程として、図2に示すように、基
板11上のカソード電極12を覆うようにイットリア添
加部分安定化ジルコニアからなる固体電解質膜13を成
膜した。成膜にはプレーナ型RFマグネトロンスパッタ
装置を用い、スパッタガスとして10%酸素入りアルゴ
ンガスを使用し、スパッタ時の圧力は0.7mTorr
とし、イットリア8mol%添加安定化ジルコニア焼結
体のターゲットをスパッタ源とした。1時間あたりの堆
積速度は0.4μmで、本実施例では膜厚は10μmに
設定した。3.5mm×3.5mmのマスクを使いカソ
ード電極より一回り大きな領域に成膜した。
【0011】第3の工程では、図3に示すように、ジル
コニアの固体電解質膜13の上にPtをスパッタ法で1
μm成膜し、リフトオフ法を用いてアノード電極14と
そのリードパターン14aを形成した。アノード電極1
4の外形はカソード電極12と同一寸法としたが、中心
部に直径0.5mmの孔15を設けた。孔15の直径お
よび孔位置はリフトオフ法を用いることによって高い寸
法精度で作製することができる。
【0012】Pt/ジルコニア/Ptのサンドイッチ構
造を形成した後、センサチップに対して800℃の大気
中で2時間熱処理を施した。熱処理前のPt膜(アノー
ド電極14)は下地のジルコニア膜(固体電解質膜1
3)の結晶粒上に成長し、下地の組織を延長した構造に
なっている。熱処理によりPt膜(アノード電極14)
は均質化し、ガスの流入をより完全に遮断することがで
きる。また、Pt(アノード電極14)の厚さが0.7
μm未満では、電極は一様な膜とならずに網目状の膜と
なり下地のジルコニア(固体電解質膜13)にガスが流
入してしまう。
【0013】Pt(カソード電極12)、ジルコニア
(固体電解質膜13)、Pt(アノード電極14)を順
次積層した基板11の裏面には図示していないPtのヒ
ータパターンをフォトリソグラフィ技術を用いて形成
し、基板11の裏面からPt膜でサンドイッチされたジ
ルコニア膜を均一に加熱できるようにした。
【0014】このようにして作製したサンドイッチ構造
を持つ本実施例の薄膜酸素センサは、図4に示すよう
に、加熱温度500℃、21%酸素雰囲気中において、
印加電圧0.7Vから1.5Vの範囲で平坦な限界電流
領域を示し、従来に比べ限界電流領域が明瞭で電圧範囲
も広くなっていることが確認された。また、本センサは
酸素濃度60%においても1.4Vから1.8Vの間で
平坦領域を示したことから、高酸素濃度においても精度
良く測定ができることが確認できた。さらに孔径を小さ
くして流入する酸素ガス量をしぼることにより、より高
濃度(90%以上)での測定も可能になる。
【0015】なお、図5に示すように、孔16は長方形
でも良いし、複数設けられていても同様の効果を得るこ
とができる。また、図6に示すように、アノード電極1
7を形成する膜でカソード電極12の引き出し部を除く
固体電解質13の全体を覆うことにより、膜側面から基
板との境界面に沿って流入するガスを遮断して一層の測
定精度向上をはかることもできる。
【0016】比較例 第2の工程までは実施例と同様で、アノード電極18の
厚さを0.5μmとし、図7に示すように、孔を持たな
い一様な膜とした。膜厚を0.5μmとした場合、80
0℃の熱処理によってPt膜は網目状となり、雰囲気中
の酸素ガスはジルコニア膜表面の全ての場所から流入で
きる。実施例と同様に裏面にヒータを形成し、500℃
に加熱しながら限界電流特性を測定した。その結果、図
8に示すように、比較例のセンサは、実施例のセンサに
比べ平坦領域の下端が不明瞭で、酸素濃度21%雰囲気
における平坦領域は1.1Vから1.5Vであった。酸
素濃度60%では、明瞭な限界電流領域が得られなかっ
た。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
固体電解質膜を拡散律速層とする限界電流式酸素センサ
いおいて、酸素ガスを透過しないアノード膜で表面を被
覆し、その少なくとも一部に設けた孔からのみ酸素ガス
を流入させる構造とすることにより、従来に比べ、より
明瞭な限界電流特性を得ることができ、高酸素濃度領域
においても正確な酸素濃度を測定することができるとと
もに、測定濃度に応じて最適の穴径を選択することによ
って、低濃度から高濃度までのあらゆる濃度領域におい
てより正確に酸素濃度を測定できる限界電流式酸素セン
サを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る限界電流式酸素セン
サの第1工程後の状態を示す斜視図である。
【図2】 同酸素センサの第2工程後の状態を示す斜視
図である。
【図3】 同酸素センサの第3工程後の状態を示す斜視
図である。
【図4】 同酸素センサの限界電流特性を示すグラフで
ある。
【図5】 本発明の他の実施例に係る限界電流式酸素セ
ンサの斜視図である。
【図6】 本発明の更に他の実施例に係る限界電流式酸
素センサの斜視図である。
【図7】 比較例の限界電流式酸素センサの斜視図であ
る。
【図8】 同比較例の酸素センサの限界電流特性を示す
グラフである。
【図9】 従来のバルク型限界電流式酸素センサの断面
図である。
【図10】 従来のサンドイッチ型限界電流式酸素セン
サの断面図である。
【符号の説明】
11…基板、12…カソード電極、13…固体電解質
膜、14,17,18…アノード電極、15,16…
孔。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にカソード膜、固体電解質膜及び
    アノード膜を順次積層し、前記固体電解質膜を拡散律速
    層とする酸素センサにおいて、 前記アノード膜は、ガス透過性を持たず、少なくとも一
    部に孔が形成され、この孔を通して酸素ガスを前記固体
    電解質膜へ流入させることにより、前記固体電解質膜へ
    の流入ガス量を制限するものであることを特徴とする限
    界電流式酸素センサ。
  2. 【請求項2】 前記アノード膜は、リフトオフ法によっ
    て前記孔が形成されたものであることを特徴とする請求
    項1記載の限界電流式酸素センサ。
JP10130153A 1998-05-13 1998-05-13 限界電流式酸素センサ Pending JPH11326269A (ja)

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