JPH11325191A - Vベルト用張力帯及び該張力帯を使用した高負荷伝動用vベルト - Google Patents
Vベルト用張力帯及び該張力帯を使用した高負荷伝動用vベルトInfo
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- JPH11325191A JPH11325191A JP12718498A JP12718498A JPH11325191A JP H11325191 A JPH11325191 A JP H11325191A JP 12718498 A JP12718498 A JP 12718498A JP 12718498 A JP12718498 A JP 12718498A JP H11325191 A JPH11325191 A JP H11325191A
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16G—BELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
- F16G5/00—V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
- F16G5/16—V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
- F16G5/166—V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts with non-metallic rings
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 上面に上帆布4が被覆されてなり、長さ方向
に所定ピッチ間隔をあけて多数のブロック8,8,…が
係止固定されるエンドレスのVベルト用張力帯1に対し
て、上帆布4の端部同士の接合部で張力帯の厚みが大き
くなるのを出来る限り抑えつつ、張力帯1の耐寒屈曲性
を向上させる。 【解決手段】 上帆布4の端部同士を、各ブロック8と
係合する上面凹部6,6,…のうちの1つの底部でラッ
プ代が1mm以下となるようにラップジョイントする。
に所定ピッチ間隔をあけて多数のブロック8,8,…が
係止固定されるエンドレスのVベルト用張力帯1に対し
て、上帆布4の端部同士の接合部で張力帯の厚みが大き
くなるのを出来る限り抑えつつ、張力帯1の耐寒屈曲性
を向上させる。 【解決手段】 上帆布4の端部同士を、各ブロック8と
係合する上面凹部6,6,…のうちの1つの底部でラッ
プ代が1mm以下となるようにラップジョイントする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも上面に
補強布が被覆されてなるVベルト用張力帯及び該張力帯
を使用した高負荷伝動用Vベルトに関する技術分野に属
する。
補強布が被覆されてなるVベルト用張力帯及び該張力帯
を使用した高負荷伝動用Vベルトに関する技術分野に属
する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えばコンバインやトラクタ等の
農業用機械や自動車等における変速装置として、変速時
の操作性や燃料消費率の向上等を図る観点から、ベルト
式無段変速装置の開発が進められている。そして、この
種の変速装置に用いられる高負荷伝動用Vベルトとして
は、例えば特開昭60−49151号公報に記載されて
いるものが知られている。
農業用機械や自動車等における変速装置として、変速時
の操作性や燃料消費率の向上等を図る観点から、ベルト
式無段変速装置の開発が進められている。そして、この
種の変速装置に用いられる高負荷伝動用Vベルトとして
は、例えば特開昭60−49151号公報に記載されて
いるものが知られている。
【0003】このものは、両側1対のエンドレス状の張
力帯に、多数のブロックがベルト長さ方向に所定ピッチ
間隔をあけて係止固定されてなっており、図5に示すよ
うに、上記各張力帯Aの上下両面には、各々、ベルト幅
方向に延びるように設けられた多数の上面凹部a及び下
面凹部bがベルト長さ方向(同図の左右方向)に所定ピ
ッチ間隔をあけて配置されている。そして、上記各ブロ
ックBの両側部には、それぞれベルト長さ方向に貫通す
るスリット状の嵌合部cがベルト幅方向に延びるように
設けられ、その嵌合部cの上縁部dが上記各張力帯Aの
上面凹部aに、また下縁部eが下面凹部bにそれぞれ係
合され、これらのことで、各ブロックBは両張力帯A,
Aに係止固定されている。そして、図6に例示するよう
に、上記各張力帯Aは保形層fを有し、その保形層fに
は心線gがベルト長さ方向に延びるように埋設され、か
つ保形層fの上下両面は、補強布としてそれぞれ上帆布
k及び下帆布iで被覆されていて、これらのことで高負
荷伝動に耐えることができるようになっている。すなわ
ち、上記Vベルトでは、プーリに巻き掛けられて走行す
る際に該プーリの溝に沿って曲がるときに、各ブロック
Bがベルト幅方向と直交する面内において揺動しないよ
うに両張力帯A,Aで固定する。このとき、張力帯Aの
上帆布k及び下帆布iが保形層fの変形を抑えること
で、該張力帯Aはその保形作用が高まって各ブロックB
を揺動しないように固定することができ、高負荷伝動が
可能となる。
力帯に、多数のブロックがベルト長さ方向に所定ピッチ
間隔をあけて係止固定されてなっており、図5に示すよ
うに、上記各張力帯Aの上下両面には、各々、ベルト幅
方向に延びるように設けられた多数の上面凹部a及び下
面凹部bがベルト長さ方向(同図の左右方向)に所定ピ
ッチ間隔をあけて配置されている。そして、上記各ブロ
ックBの両側部には、それぞれベルト長さ方向に貫通す
るスリット状の嵌合部cがベルト幅方向に延びるように
設けられ、その嵌合部cの上縁部dが上記各張力帯Aの
上面凹部aに、また下縁部eが下面凹部bにそれぞれ係
合され、これらのことで、各ブロックBは両張力帯A,
Aに係止固定されている。そして、図6に例示するよう
に、上記各張力帯Aは保形層fを有し、その保形層fに
は心線gがベルト長さ方向に延びるように埋設され、か
つ保形層fの上下両面は、補強布としてそれぞれ上帆布
k及び下帆布iで被覆されていて、これらのことで高負
荷伝動に耐えることができるようになっている。すなわ
ち、上記Vベルトでは、プーリに巻き掛けられて走行す
る際に該プーリの溝に沿って曲がるときに、各ブロック
Bがベルト幅方向と直交する面内において揺動しないよ
うに両張力帯A,Aで固定する。このとき、張力帯Aの
上帆布k及び下帆布iが保形層fの変形を抑えること
で、該張力帯Aはその保形作用が高まって各ブロックB
を揺動しないように固定することができ、高負荷伝動が
可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記上帆布
kの端部同士は、通常、ラップジョイントされてはおら
ず、その両端部間に0〜1mmの隙間が存在する突き合
わせ接合とされている。これは、ラップジョイントする
とラップ部において張力帯Aの厚みが大きくなり、特に
ラップ部が上面凹部aの底部に位置する場合、その上面
凹部aに係合されたブロックBの揺動が大きくなって、
そのブロックBが折れる等の不具合が発生すると考えら
れているからである。
kの端部同士は、通常、ラップジョイントされてはおら
ず、その両端部間に0〜1mmの隙間が存在する突き合
わせ接合とされている。これは、ラップジョイントする
とラップ部において張力帯Aの厚みが大きくなり、特に
ラップ部が上面凹部aの底部に位置する場合、その上面
凹部aに係合されたブロックBの揺動が大きくなって、
そのブロックBが折れる等の不具合が発生すると考えら
れているからである。
【0005】しかし、このような突き合わせ接合では、
上帆布kの両端部間における隙間の部分は保形層fが露
出した状態となっているので、上帆布kによる保形層f
上部の変形を抑制する機能は働かず、低温下において径
が小さいプーリでVベルトが曲げられると、引張応力に
より保形層fの露出面にクラックが生じ易くなるという
問題がある。特に、保形層fの露出面が上面凹部aの底
部に位置する場合には、クラックの保形層f内部への進
行も早くなり、張力帯Aの早期破損を招くことになる。
上帆布kの両端部間における隙間の部分は保形層fが露
出した状態となっているので、上帆布kによる保形層f
上部の変形を抑制する機能は働かず、低温下において径
が小さいプーリでVベルトが曲げられると、引張応力に
より保形層fの露出面にクラックが生じ易くなるという
問題がある。特に、保形層fの露出面が上面凹部aの底
部に位置する場合には、クラックの保形層f内部への進
行も早くなり、張力帯Aの早期破損を招くことになる。
【0006】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、上記高負荷伝動用Vベ
ルトの張力帯の上面に被覆された補強布に対し、その端
部同士の接合構造を改良することによって、接合部で張
力帯の厚みが大きくなるのを出来る限り抑えつつ、保形
層の露出を防止して張力帯の耐寒屈曲性を向上させよう
とすることにある。
あり、その目的とするところは、上記高負荷伝動用Vベ
ルトの張力帯の上面に被覆された補強布に対し、その端
部同士の接合構造を改良することによって、接合部で張
力帯の厚みが大きくなるのを出来る限り抑えつつ、保形
層の露出を防止して張力帯の耐寒屈曲性を向上させよう
とすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、張力帯の上面の補強布の端部同士
を、ラップ代が1mm以下となるようにラップジョイン
トするようにした。
めに、この発明では、張力帯の上面の補強布の端部同士
を、ラップ代が1mm以下となるようにラップジョイン
トするようにした。
【0008】具体的には、請求項1の発明では、少なく
とも上面に補強布が被覆されてなり、長さ方向に所定ピ
ッチ間隔をあけて多数のブロックが係止固定されるエン
ドレスのVベルト用張力帯を対象とする。
とも上面に補強布が被覆されてなり、長さ方向に所定ピ
ッチ間隔をあけて多数のブロックが係止固定されるエン
ドレスのVベルト用張力帯を対象とする。
【0009】そして、上記上面の補強布の端部同士は、
ラップ代が1mm以下となるようにラップジョイントさ
れているものとする。
ラップ代が1mm以下となるようにラップジョイントさ
れているものとする。
【0010】このことで、このVベルト用張力帯を用い
た高負荷伝動用Vベルトが低温下における走行時にプー
リによって曲げられても、ラップジョイントされた補強
布により張力帯上部の変形が確実に抑制されるので、張
力帯上面にクラックは生じ難くなる。一方、ラップ代を
1mm以下とすることで、ラップ部における張力帯の厚
み増加を実質的になくすことができる。よって、ラップ
部における張力帯の厚み増加を可及的に抑えつつ、張力
帯の耐寒屈曲性を向上させることができる。
た高負荷伝動用Vベルトが低温下における走行時にプー
リによって曲げられても、ラップジョイントされた補強
布により張力帯上部の変形が確実に抑制されるので、張
力帯上面にクラックは生じ難くなる。一方、ラップ代を
1mm以下とすることで、ラップ部における張力帯の厚
み増加を実質的になくすことができる。よって、ラップ
部における張力帯の厚み増加を可及的に抑えつつ、張力
帯の耐寒屈曲性を向上させることができる。
【0011】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、上面に、ブロックと係合する幅方向に延びる係合
凹部が形成され、上記係合凹部の底部で上面の補強布の
端部同士がラップジョイントされているものとする。
いて、上面に、ブロックと係合する幅方向に延びる係合
凹部が形成され、上記係合凹部の底部で上面の補強布の
端部同士がラップジョイントされているものとする。
【0012】このことにより、補強布の端部同士を係合
凹部の底部で接合するようにしても、突き合わせ接合と
は異なり、低温下でその係合凹部の底部に早期にクラッ
クが生じて張力帯内部に進行するのを防止することがで
きる。一方、ラップ代を1mm以下とすることで、ラッ
プジョイントされた係合凹部において張力帯の厚み増加
を最小限に抑えることができ、その係合凹部に係合され
たブロックを他のブロックと同様に揺動しないように固
定することができる。よって、ブロック折れ等の不具合
の発生を抑制しつつ、低温下でVベルトを走行させる際
に張力帯の早期破損をより一層有効に抑制することがで
きる。
凹部の底部で接合するようにしても、突き合わせ接合と
は異なり、低温下でその係合凹部の底部に早期にクラッ
クが生じて張力帯内部に進行するのを防止することがで
きる。一方、ラップ代を1mm以下とすることで、ラッ
プジョイントされた係合凹部において張力帯の厚み増加
を最小限に抑えることができ、その係合凹部に係合され
たブロックを他のブロックと同様に揺動しないように固
定することができる。よって、ブロック折れ等の不具合
の発生を抑制しつつ、低温下でVベルトを走行させる際
に張力帯の早期破損をより一層有効に抑制することがで
きる。
【0013】請求項3の発明は、高負荷伝動用Vベルト
の発明であり、このVベルトは、請求項1又は2記載の
Vベルト用張力帯に、該張力帯の長さ方向に所定ピッチ
間隔をあけて多数のブロックが係止固定されてなるもの
とする。この発明により、請求項1又は2の発明と同様
の作用効果が得られる。
の発明であり、このVベルトは、請求項1又は2記載の
Vベルト用張力帯に、該張力帯の長さ方向に所定ピッチ
間隔をあけて多数のブロックが係止固定されてなるもの
とする。この発明により、請求項1又は2の発明と同様
の作用効果が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の実施形態に係るエン
ドレスのVベルト用張力帯1を示し、この張力帯1は、
図2に示すように、該張力帯1の長さ方向に所定ピッチ
間隔をあけて多数のブロック8,8,…が係止固定され
ることにより高負荷伝動用Vベルトを構成するものであ
る。このVベルトは、図示は省略するが、各々、固定シ
ーブ及び可動シーブからなる駆動側及び従動側の2つの
変速プーリ間に巻き掛けられてなるベルト式無段変速装
置を構成する際に用いられるものである。
基づいて説明する。図1は本発明の実施形態に係るエン
ドレスのVベルト用張力帯1を示し、この張力帯1は、
図2に示すように、該張力帯1の長さ方向に所定ピッチ
間隔をあけて多数のブロック8,8,…が係止固定され
ることにより高負荷伝動用Vベルトを構成するものであ
る。このVベルトは、図示は省略するが、各々、固定シ
ーブ及び可動シーブからなる駆動側及び従動側の2つの
変速プーリ間に巻き掛けられてなるベルト式無段変速装
置を構成する際に用いられるものである。
【0015】上記張力帯1は、ゴム状弾性材からなる保
形層2を有し、この保形層2の上下中央部には、心線
3,3,…がベルト幅方向に所定ピッチ間隔をあけて埋
設されている。そして、この保形層2の上面は補強布と
しての上帆布4により、また下面は下帆布5によりそれ
ぞれ被覆されている。この上帆布4の端部同士は、後述
の多数の上面凹部6,6,…のうちの1つの底部でラッ
プ代(図1のL)が1mm以下となるようにラップジョ
イントされている。
形層2を有し、この保形層2の上下中央部には、心線
3,3,…がベルト幅方向に所定ピッチ間隔をあけて埋
設されている。そして、この保形層2の上面は補強布と
しての上帆布4により、また下面は下帆布5によりそれ
ぞれ被覆されている。この上帆布4の端部同士は、後述
の多数の上面凹部6,6,…のうちの1つの底部でラッ
プ代(図1のL)が1mm以下となるようにラップジョ
イントされている。
【0016】上記張力帯1の上面には、各々、断面凹字
状をなす係合凹部としての多数の上面凹部6,6,…
が、また下面には、各々、上記上面凹部6,6,…に上
下に対応して断面円弧状をなす多数の下面凹部7,7,
…がそれぞれベルト長さ方向に所定ピッチ間隔でベルト
幅方向に延びるように設けられている。
状をなす係合凹部としての多数の上面凹部6,6,…
が、また下面には、各々、上記上面凹部6,6,…に上
下に対応して断面円弧状をなす多数の下面凹部7,7,
…がそれぞれベルト長さ方向に所定ピッチ間隔でベルト
幅方向に延びるように設けられている。
【0017】上記Vベルトは、ベルト幅方向両側に上記
張力帯1を1つずつ備えていて、その1対の張力帯1,
1に、該各張力帯1の長さ方向(ベルト長さ方向)に所
定ピッチ間隔をあけて各ブロック8が係止固定されてな
っている。この各ブロック8は略逆台形板状をなしてい
て、その両側面は、変速プーリの溝面に摺接する摺接部
9,9とされている。また、各ブロック8の両側部に
は、各々、ベルト長さ方向に貫通しかつベルト幅方向に
延びるスリット状の嵌合部10,10が、側方に向けて
開放された状態に設けられている。この各嵌合部10の
上縁部は、下方に向けて突出する断面凸字状をなしてい
て、上記各張力帯1の各上面凹部6に係合する下向き突
条11とされている。また、上記各嵌合部10の下縁部
は、上方に向けて隆起する断面円弧状をなしていて、上
記各張力帯1の各下面凹部7に係合する上向き突条12
とされている。
張力帯1を1つずつ備えていて、その1対の張力帯1,
1に、該各張力帯1の長さ方向(ベルト長さ方向)に所
定ピッチ間隔をあけて各ブロック8が係止固定されてな
っている。この各ブロック8は略逆台形板状をなしてい
て、その両側面は、変速プーリの溝面に摺接する摺接部
9,9とされている。また、各ブロック8の両側部に
は、各々、ベルト長さ方向に貫通しかつベルト幅方向に
延びるスリット状の嵌合部10,10が、側方に向けて
開放された状態に設けられている。この各嵌合部10の
上縁部は、下方に向けて突出する断面凸字状をなしてい
て、上記各張力帯1の各上面凹部6に係合する下向き突
条11とされている。また、上記各嵌合部10の下縁部
は、上方に向けて隆起する断面円弧状をなしていて、上
記各張力帯1の各下面凹部7に係合する上向き突条12
とされている。
【0018】したがって、上記実施形態では、張力帯1
の上面における上帆布4の端部同士が、各ブロック8と
係合する上面凹部6,6,…の1つの底部でラップジョ
イントされているので、この張力帯1を2つ使用した高
負荷伝動用Vベルトが変速プーリに巻き掛けられて低温
下で走行する際に該変速プーリによって曲げられても、
上帆布4により各張力帯1上部の変形が抑制される。こ
のため、上帆布4の端部同士を上面凹部6の底部で接合
するようにしても、突き合わせ接合する場合とは異な
り、その上面凹部6の底部に早期にクラックが生じるの
を抑制することができる。一方、ラップ代は1mm以下
に設定されているので、ラップジョイントされた上面凹
部6における張力帯1の厚み(図1のt1)を他の各上
面凹部6における張力帯1の厚み(図1のt2)と実質
的に同じ程度にすることができる。この結果、ラップジ
ョイントされた上面凹部6に係合されたブロック8の揺
動を他の各ブロック8と同じように抑制することができ
る。よって、ブロック8が折れる等の不具合の発生を抑
制しつつ、各張力帯1の耐寒屈曲性を向上させることが
できる。
の上面における上帆布4の端部同士が、各ブロック8と
係合する上面凹部6,6,…の1つの底部でラップジョ
イントされているので、この張力帯1を2つ使用した高
負荷伝動用Vベルトが変速プーリに巻き掛けられて低温
下で走行する際に該変速プーリによって曲げられても、
上帆布4により各張力帯1上部の変形が抑制される。こ
のため、上帆布4の端部同士を上面凹部6の底部で接合
するようにしても、突き合わせ接合する場合とは異な
り、その上面凹部6の底部に早期にクラックが生じるの
を抑制することができる。一方、ラップ代は1mm以下
に設定されているので、ラップジョイントされた上面凹
部6における張力帯1の厚み(図1のt1)を他の各上
面凹部6における張力帯1の厚み(図1のt2)と実質
的に同じ程度にすることができる。この結果、ラップジ
ョイントされた上面凹部6に係合されたブロック8の揺
動を他の各ブロック8と同じように抑制することができ
る。よって、ブロック8が折れる等の不具合の発生を抑
制しつつ、各張力帯1の耐寒屈曲性を向上させることが
できる。
【0019】尚、上記実施形態では、上帆布4の端部同
士を上面凹部6の底部でラップジョイントするようにし
たが、上面凹部6が形成されていない部分でラップジョ
イントするようにしてもよい。この場合でも、張力帯1
の厚み増加を可及的に抑えつつ、低温下で張力帯1に早
期にクラックが生じるのを確実に防止することができ
る。
士を上面凹部6の底部でラップジョイントするようにし
たが、上面凹部6が形成されていない部分でラップジョ
イントするようにしてもよい。この場合でも、張力帯1
の厚み増加を可及的に抑えつつ、低温下で張力帯1に早
期にクラックが生じるのを確実に防止することができ
る。
【0020】
【実施例】次に、具体的に実施した実施例について説明
する。先ず、上記実施形態と同様に、上帆布の端部同士
を上面凹部の底部でラップジョイントした張力帯を作製
した。このとき、ラップ代は1mm以下とした。そし
て、この張力帯を用いて高負荷伝動用Vベルトを作製し
た(実施例)。
する。先ず、上記実施形態と同様に、上帆布の端部同士
を上面凹部の底部でラップジョイントした張力帯を作製
した。このとき、ラップ代は1mm以下とした。そし
て、この張力帯を用いて高負荷伝動用Vベルトを作製し
た(実施例)。
【0021】一方、比較のために、上記実施例とはラッ
プ代のみを異ならせた張力帯を作製し、この張力帯を用
いて高負荷伝動用Vベルトを作製した(比較例1)。
尚、この比較例1では、ラップ代を1mmよりも大きく
かつ3mm以下となるようにした。
プ代のみを異ならせた張力帯を作製し、この張力帯を用
いて高負荷伝動用Vベルトを作製した(比較例1)。
尚、この比較例1では、ラップ代を1mmよりも大きく
かつ3mm以下となるようにした。
【0022】また、上帆布の端部同士を上面凹部の底部
で突き合わせ接合した張力帯を作製し、この張力帯を用
いて高負荷伝動用Vベルトを作製した(比較例2)。
尚、この比較例2では、上帆布の両端部間に1mm以下
の隙間を形成するようにした。
で突き合わせ接合した張力帯を作製し、この張力帯を用
いて高負荷伝動用Vベルトを作製した(比較例2)。
尚、この比較例2では、上帆布の両端部間に1mm以下
の隙間を形成するようにした。
【0023】そして、上記実施例及び比較例1,2の各
Vベルトに対して耐寒寿命試験を行った。すなわち、低
温下で各Vベルトを駆動及び従動プーリ間に巻き掛け、
各Vベルトに引張加重を加える一方、従動プーリには負
荷を加えない状態で駆動プーリを回転させ、各Vベルト
が切断するまでの時間を測定した。
Vベルトに対して耐寒寿命試験を行った。すなわち、低
温下で各Vベルトを駆動及び従動プーリ間に巻き掛け、
各Vベルトに引張加重を加える一方、従動プーリには負
荷を加えない状態で駆動プーリを回転させ、各Vベルト
が切断するまでの時間を測定した。
【0024】この耐寒寿命試験の結果を表1に示す。こ
のことより、実施例のVベルトは、比較例1のVベルト
のようにブロックが早期に折れたり、比較例2のVベル
トのように張力帯に早期にクラックが生じて切断したり
するということはなく、耐寒屈曲性が良好であることが
判る。また、実施例のVベルトでは、比較例2のものと
は異なり、上帆布のラップ部以外の部分で張力帯にクラ
ックが生じていることから、上帆布のラップジョイント
による耐寒クラック性への影響はなく、帆布延いては張
力帯が全体に均一になっていることが判る。
のことより、実施例のVベルトは、比較例1のVベルト
のようにブロックが早期に折れたり、比較例2のVベル
トのように張力帯に早期にクラックが生じて切断したり
するということはなく、耐寒屈曲性が良好であることが
判る。また、実施例のVベルトでは、比較例2のものと
は異なり、上帆布のラップ部以外の部分で張力帯にクラ
ックが生じていることから、上帆布のラップジョイント
による耐寒クラック性への影響はなく、帆布延いては張
力帯が全体に均一になっていることが判る。
【0025】
【表1】
【0026】続いて、上帆布の端部同士を上面凹部の底
部でラップジョイントした張力帯において、ラップ代の
大きさが張力帯の厚みにどのように影響するかを調べ
た。すなわち、ラップ代を1.0mm、2.0mm、
3.0mmの3種類とし、各々、ラップ部とラップ部以
外の部分とで上面凹部における張力帯の厚みを測定し、
ラップ部とラップ部以外の部分の平均値との差及びラッ
プ部以外の部分のばらつきを調べた。
部でラップジョイントした張力帯において、ラップ代の
大きさが張力帯の厚みにどのように影響するかを調べ
た。すなわち、ラップ代を1.0mm、2.0mm、
3.0mmの3種類とし、各々、ラップ部とラップ部以
外の部分とで上面凹部における張力帯の厚みを測定し、
ラップ部とラップ部以外の部分の平均値との差及びラッ
プ部以外の部分のばらつきを調べた。
【0027】また、上帆布の端部同士を上面凹部以外の
部分でラップジョイントした張力帯においても、上記測
定と同様にしてラップ代の大きさに対する張力帯の厚み
変化を調べた。
部分でラップジョイントした張力帯においても、上記測
定と同様にしてラップ代の大きさに対する張力帯の厚み
変化を調べた。
【0028】以上の測定結果を図3及び図4にそれぞれ
示す。このことで、ラップ代を1mmとすれば、ラップ
部における張力帯の厚み増加をラップ部以外の部分にお
ける張力帯の厚みのばらつき範囲内に抑えることがで
き、実質的な厚み増加はないことが判る。
示す。このことで、ラップ代を1mmとすれば、ラップ
部における張力帯の厚み増加をラップ部以外の部分にお
ける張力帯の厚みのばらつき範囲内に抑えることがで
き、実質的な厚み増加はないことが判る。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、少なくとも上面に補強布が被覆されてなるVベ
ルト用張力帯として、その上面の補強布の端部同士を、
ラップ代が1mm以下となるようにラップジョイントし
たことにより、ラップ部における張力帯の厚み増加を最
小限に抑えつつ、耐寒屈曲性の向上化を図ることができ
る。
よると、少なくとも上面に補強布が被覆されてなるVベ
ルト用張力帯として、その上面の補強布の端部同士を、
ラップ代が1mm以下となるようにラップジョイントし
たことにより、ラップ部における張力帯の厚み増加を最
小限に抑えつつ、耐寒屈曲性の向上化を図ることができ
る。
【0030】請求項2の発明によると、上面に、ブロッ
クと係合する幅方向に延びる係合凹部を形成し、この係
合凹部の底部で上面の補強布の端部同士をラップジョイ
ントしたことにより、ブロック折れ等の不具合の発生を
抑制しつつ、耐寒寿命をより一層効果的に向上させるこ
とができる。
クと係合する幅方向に延びる係合凹部を形成し、この係
合凹部の底部で上面の補強布の端部同士をラップジョイ
ントしたことにより、ブロック折れ等の不具合の発生を
抑制しつつ、耐寒寿命をより一層効果的に向上させるこ
とができる。
【0031】請求項3の発明によると、高負荷伝動用V
ベルトとして、請求項1又は2記載のVベルト用張力帯
に、該張力帯の長さ方向に所定ピッチ間隔をあけて多数
のブロックが係止固定されてなるものとしたことによ
り、請求項1又は2の発明と同様の作用効果が得られ
る。
ベルトとして、請求項1又は2記載のVベルト用張力帯
に、該張力帯の長さ方向に所定ピッチ間隔をあけて多数
のブロックが係止固定されてなるものとしたことによ
り、請求項1又は2の発明と同様の作用効果が得られ
る。
【図1】本発明の実施形態に係るVベルト用張力帯の一
部を示す側面図である。
部を示す側面図である。
【図2】図1の張力帯を使用した高負荷伝動用Vベルト
の一部を示す斜視図である。
の一部を示す斜視図である。
【図3】上帆布の端部同士を上面凹部の底部でラップジ
ョイントした張力帯において、ラップ代の大きさに対す
る張力帯の厚み変化の測定結果を示すグラフである。
ョイントした張力帯において、ラップ代の大きさに対す
る張力帯の厚み変化の測定結果を示すグラフである。
【図4】上帆布の端部同士を上面凹部以外の部分でラッ
プジョイントした張力帯において、ラップ代の大きさに
対する張力帯の厚み変化の測定結果を示すグラフであ
る。
プジョイントした張力帯において、ラップ代の大きさに
対する張力帯の厚み変化の測定結果を示すグラフであ
る。
【図5】高負荷伝動用Vベルトの従来例を示す側面図で
ある。
ある。
【図6】従来のVベルト用張力帯の構成を示す側面図で
ある。
ある。
1 Vベルト用張力帯 4 上帆布(補強布) 6 上面凹部(係合凹部) 8 ブロック
Claims (3)
- 【請求項1】 少なくとも上面に補強布が被覆されてな
り、長さ方向に所定ピッチ間隔をあけて多数のブロック
が係止固定されるエンドレスのVベルト用張力帯であっ
て、 上記上面の補強布の端部同士は、ラップ代が1mm以下
となるようにラップジョイントされていることを特徴と
するVベルト用張力帯。 - 【請求項2】 請求項1記載のVベルト用張力帯におい
て、 上面に、ブロックと係合する幅方向に延びる係合凹部が
形成され、 上記係合凹部の底部で上面の補強布の端部同士がラップ
ジョイントされていることを特徴とするVベルト用張力
帯。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のVベルト用張力帯
に、該張力帯の長さ方向に所定ピッチ間隔をあけて多数
のブロックが係止固定されてなることを特徴とする高負
荷伝動用Vベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12718498A JPH11325191A (ja) | 1998-05-11 | 1998-05-11 | Vベルト用張力帯及び該張力帯を使用した高負荷伝動用vベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12718498A JPH11325191A (ja) | 1998-05-11 | 1998-05-11 | Vベルト用張力帯及び該張力帯を使用した高負荷伝動用vベルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11325191A true JPH11325191A (ja) | 1999-11-26 |
Family
ID=14953767
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12718498A Pending JPH11325191A (ja) | 1998-05-11 | 1998-05-11 | Vベルト用張力帯及び該張力帯を使用した高負荷伝動用vベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11325191A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009264472A (ja) * | 2008-04-24 | 2009-11-12 | Mitsuboshi Belting Ltd | 高負荷伝動ベルト |
-
1998
- 1998-05-11 JP JP12718498A patent/JPH11325191A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009264472A (ja) * | 2008-04-24 | 2009-11-12 | Mitsuboshi Belting Ltd | 高負荷伝動ベルト |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20050506 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20071026 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20071106 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080304 |