JPH11323065A - ゴム変性スチレン系樹脂組成物、およびその中空成形品 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物、およびその中空成形品

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JPH11323065A
JPH11323065A JP10134886A JP13488698A JPH11323065A JP H11323065 A JPH11323065 A JP H11323065A JP 10134886 A JP10134886 A JP 10134886A JP 13488698 A JP13488698 A JP 13488698A JP H11323065 A JPH11323065 A JP H11323065A
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賢彦 青木
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英章 坂本
Atsushi Takahashi
淳 高橋
Tetsuya Niimura
哲也 新村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空成形時に不良品の発生が少なく、耐黄変
性、強度にも優れ、かつ臭気の少ないスチレン系樹脂組
成物、およびその中空成形品を提供する。 【解決手段】(a)ゴム変性スチレン系樹脂100重量
部に対し、ゴム変性スチレン系樹脂以外のスチレン系樹
脂0〜70重量部、流動パラフィン0〜10重量部、お
よび高級脂肪酸、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルか
ら選ばれた添加剤1種以上を合計0.1〜1重量部含有
してなるゴム変性スチレン系樹脂組成物であって、かつ
(b)残存スチレン系単量体が200ppm未満、
(c)温度200℃におけるメルトテンションが2〜1
0gであることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組
成物、およびその中空成形品。該組成物のBHT含有量
が20ppm未満、温度200℃、5Kg荷重時のMF
Rが5〜10g/10minがさらに好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は中空成形性良好なゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物、及び臭気、黄変が少なく
かつ強度に優れた、その中空成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム変性スチレン系樹脂は安価であり比
較的中空形成性が良好であることから、従来より乳酸菌
飲料容器に代表される食品容器などの中空成形分野に用
いられている。しかし最近では生産性向上を目的とし
て、流動性が高い、成形時に不良現象が発生しにくい、
成形品に偏肉が生じない等のいわゆる中空成形性の一層
良好な樹脂の発現が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】成形時の不良現象とし
ては、離型性不良による成形品の金型への噛込みや金型
が汚染されることに起因する成形品表面の汚れ、また成
形機のノズルから射出された樹脂が切れずに糸状にのび
て成形品表面に付着する糸ひき等があげられる。
【0004】特開昭60−199042号公報、特開昭
62−132951号公報にはゴム変性スチレン系樹脂
またはこれとゴムで変性されないスチレン系樹脂を混合
したものに高級脂肪酸や高級脂肪酸の金属塩を添加して
中空成形時の離型性や偏肉、糸ひきなどを改良する技術
が記載されている。しかし、中空成形時の離型性や偏
肉、糸ひきなどは改良されるが、反面では高級脂肪酸や
高級脂肪酸の金属塩の添加によって金型が汚染しやす
く、成形品外観が低下するという問題点が生じ、まだ改
善の余地が大きかった。
【0005】一方中空成形品としては、特に外観性能が
要求されており、金型汚染による成形品の汚れや糸ひき
による付着以外にも、保存中の黄変等が重要視されてい
る。さらに、中空成形品は食品容器に用いられることが
多いことから、成形品の臭気の有無も重要である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、中空成形
品の強度を維持したうえで、前記の問題点である離型
性、金型汚染性、糸ひき性等を原因とする成形不良現象
の改良や臭気の低減、黄変の防止等の解決を目的として
鋭意検討を行った結果、ゴム変性スチレン系樹脂に特定
の高級脂肪酸系化合物を特定量配合して組成物としたも
ので、かつ該組成物中の残存スチレン系単量体量、およ
び該組成物のメルトテンションの値を規定することによ
りこの目的が達成されることを見出し、本発明を完成す
るに至った。さらに、該組成物中の2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノールの量、および該組成物のメ
ルトフローレート値を特定することがより効果的である
ことを見出した。
【0007】即ち、本発明は、(a)ゴム変性スチレン
系樹脂(i)100重量部に対し、ゴム変性スチレン系
樹脂以外のスチレン系樹脂(ii)0〜70重量部、流
動パラフィン(iii)0〜10重量部、ならびに高級
脂肪酸、高級脂肪酸塩、及び高級脂肪酸エステルから選
ばれた添加剤1種以上(iv)を合計0.1〜1重量部
含有してなるゴム変性スチレン系樹脂組成物であって、
かつ該ゴム変性スチレン系樹脂組成物は(b)残存スチ
レン系単量体が200ppm未満で、かつ(c)温度2
00℃におけるメルトテンションが2〜10gであるこ
とを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成物、及びそ
の中空成形品を提供するものである。
【0008】以下に本発明を詳しく説明する。本発明の
ゴム変性スチレン系樹脂組成物は、ゴム変性スチレン系
樹脂(i)100重量部に対し、ゴム変性スチレン系樹
脂以外のスチレン系樹脂(以下「スチレン系樹脂」とい
う)(ii)を0〜70重量部、好ましくは0〜60重
量部、さらに好ましくは0〜50重量部含有する。スチ
レン系樹脂(ii)が70重量部を越えると強度に劣る
成形品となる。
【0009】本発明で、流動パラフィン(iii)は0
〜10重量部、好ましくは1〜6重量部、さらに好まし
くは2〜5重量部含有する。これが10重量部を越える
と金型汚染が発生して成形品の外観が劣り好ましくな
い。
【0010】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、高級脂肪酸、高級脂肪酸塩、及び高級脂肪酸エステ
ルから選ばれた添加剤1種以上(iv)を合計0.1〜
1重量部、好ましくは0.2〜0.8重量部、さらに好
ましく0.3〜0.6重量部含有する。(iv)の添加
量が0.1重量部未満の場合、離型性が劣り金型への噛
み込みが発生しやすくなり、また添加量が1重量部を越
える場合は、添加量に見合っただけの効果が発現しない
ばかりでなく、金型汚染が発生して成形品が外観に劣る
ものとなり実際的でない。
【0011】本発明に用いるゴム変性スチレン系樹脂
(i)は、所定量の合成ゴムをスチレン系単量体、ある
いはスチレン系単量体を主成分としこれと共重合可能な
ビニル単量体との混合物に溶解して重合させる方法によ
って製造されるものをいう。スチレン系単量体の好まし
い例としては、スチレン、p−メチルスチレン、p−t
−ブチルスチレン、α−メチルスチレン等があげられ、
これと共重合可能なビニル単量体の例としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、およびこれ
らのエステル類があげられる。
【0012】合成ゴムとしては、ポリブタジエン、ブタ
ジエンを50重量%以上含むブタジエンとこれと共重合
可能なビニル単量体とのランダムまたはブロック共重合
体があげられる。共重合可能なビニル単量体としては、
スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、
アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸および
これらのエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のビニルシアン単量体などがあげられる。合成
ゴムとしては、このほかポリイソプレン、ポリクロロプ
レン、エチレン−プロピレン−ジエンモノマーの三元共
重合体等もあげられる。なお、ゴム変性スチレン系樹脂
(i)中の合成ゴムの含量は特に制限はないが、ゴム変
性スチレン系樹脂(i)100重量%に対し、3〜10
重量%が好ましい範囲である。また、合成ゴムはゴム変
性スチレン系樹脂中に平均粒子径0.5〜7μmに分散
していることが好ましい。さらに好ましい平均粒子径は
2〜5μmである。
【0013】本発明に用いるスチレン系樹脂(ii)と
は、スチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルス
チレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体を重
合して、またはスチレン系単量体を主成分としこれと共
重合可能な共役ジエン系単量体以外のビニル単量体、例
えばアクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸
あるいはこれらのエステル類等を共重合して得られるも
のである。なお、スチレン系樹脂(ii)には特に制限
はないが、温度200℃において、5Kg荷重のメルト
フローレート値(MFR)が0.3〜15g/10分の
もの、さらに好ましくは0.4〜10g/10分のもの
を使用することが糸ひきや強度の面から好ましい。
【0014】本発明に用いる流動パラフィン(iii)
は、沸点的には潤滑油留分に属する、きわめて純度の高
い液状飽和炭化水素の混合物であると定義される公知の
流動パラフィン(ホワイトオイルとも称される)であれ
ば差し支えないが、金型汚染の面から10mmHg(1
3hPa)の減圧下における初留温度が220℃以上の
ものが好ましく、さらに好ましくは230℃以上のもの
である。
【0015】本発明の添加剤1種以上(iv)を構成す
る高級脂肪酸とは炭素数が10以上で主鎖中の不飽和数
が1以下のカルボン酸をいうが、ゴム変性スチレン系樹
脂(i)との相溶性の点から炭素数が10〜24の範囲
のものが好ましい。例えば、ステアリン酸(炭素数1
8)、ベヘニン酸(炭素数22)、オレイン酸(炭素数
18)、エルカ酸(炭素数22、不飽和数1)等があげ
られる。
【0016】また高級脂肪酸塩とは前記高級脂肪酸の金
属塩をいう。本発明では金属の種類によって限定される
ものではないが、アルミニウム、カルシウム、マグネシ
ウム、亜鉛等が一般的である。
【0017】さらに高級脂肪酸エステルとは前記高級脂
肪酸とアルコールからなる化合物である。アルコールと
してはメチルアルコール、エチルアルコール等が一般的
であるが、本発明の高級脂肪酸エステルはアルコールの
炭素数をとくに制限するものではない。
【0018】本発明の添加剤1種以上(iv)は前記高
級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩および高級脂肪酸エステ
ルから選ばれた1種以上からなる。
【0019】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物の
製造方法はとくに制限はなく、ゴム変性スチレン系樹脂
(i)、ゴム変性スチレン系樹脂以外のスチレン系樹脂
(ii)、流動パラフィン(iii)および添加剤1種
以上(iv)の所定量を公知の方法で混合することで製
造される。別法としてゴム変性スチレン系樹脂(i)の
製造時に、またはスチレン系樹脂(ii)の製造時に、
その製造工程で流動パラフィン(iii)および添加剤
1種以上(iv)を添加して、流動パラフィン(ii
i)および添加剤1種以上(iv)を所定量含有したゴ
ム変性スチレン系樹脂(i)か、またはスチレン系樹脂
(ii)を得、これを混合して本発明のゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物とする方法もある。
【0020】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、例えばゴム変性スチレン系樹脂(i)〜添加剤1種
以上(iv)をブレンダーで予備混合した後、押出機で
混練りしてペレット状にして供給することができる。あ
るいはその中空成形品を製造するに際して(i)〜(i
v)を射出中空成形機に直接供給し、該成形機内で組成
物となすことも可能である。
【0021】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物に
は他の公知の添加剤、例えば前記の流動パラフィン以外
の可塑剤や酸化防止剤、帯電防止剤を必要に応じて添加
することもできる。但し、その添加量は本発明における
効果に影響を及ぼさない範囲で添加することが好まし
く、具体的には添加量を2重量%以下とすることが好ま
しい。
【0022】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物中
に残存するスチレン系単量体は200ppm未満、好ま
しくは150ppm未満、さらに好ましくは100pp
m未満である。スチレン系単量体の残存量が200pp
m以上である場合は、成形品の臭気がひどくなるばかり
か、金型汚染を起こし、成形品の外観が劣るものにな
る。残存量の調整は、本発明のゴム変性スチレン系樹脂
組成物に用いるゴム変性スチレン系樹脂(i)の製造時
に、および、またはスチレン系樹脂(ii)の製造時
に、開始剤の増量で重合率を高めることや脱揮条件の強
化等により、これら(i)および、または(ii)に含
まれるスチレン系単量体を減らすことで間接的に達成す
ることができる。別法として、ゴム変性スチレン系樹脂
組成物自体をさらに脱揮操作を加えることにより直接的
に減らして本発明の規定する200ppm未満とするこ
ともできる。両方を組み合わせることでもよい。なお、
本発明において、スチレン系単量体の残存量は下記の条
件にて測定を行った。 測定機:ガスクロマトグラフ(以下、GCと記す)
島津製作所社製「GC12A」 カラム:ガラスカラム3mmφ×3本 温度:115℃
【0023】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物の
温度200℃におけるメルトテンションは2〜10g、
好ましくは2.5〜8g、さらに好ましくは3〜6gで
ある。メルトテンションが2g未満であると、糸ひきを
起こし成形品外観が劣ったり、成形品に偏肉が発生し強
度に劣るものとなる。またメルトテンションが10gを
越えると成形品が得られなかったり、強度に劣るものと
なる。メルトテンションの調整は、ゴム変性スチレン系
樹脂および、またはスチレン系樹脂の分子量、分子量分
布等により行うことができる。なお、本発明の温度20
0℃におけるメルトテンションは以下の条件にて測定し
た。 測定機:東洋精機社製「キャピログラフ1B」 ダイ:L/D=40mm/1mm バレル径:9.55mm プランジャー降下速度:5mm/分 引取速度:40m/分
【0024】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物中
に含まれる2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ールは20ppm未満が好ましく、さらに好ましくは1
5ppm未満、最も好ましくは10ppm未満である。
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(別
名:ブチル化ヒドロキシトルエン、BHTと略される)
とは、ゴム変性スチレン系樹脂の原料となる合成ゴム、
とりわけポリブタジエンの安定剤として使用されている
もので、通常はポリブタジエン100重量部に対して
0.1〜0.5重量部添加されている。このポリブタジ
エンを原料に使用したゴム変性スチレン系樹脂にはBH
Tが20ppm以上含まれる。しかし、ゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物中にこれが20ppm以上存在すると、
成形品が経時的に黄変することがある。BHTの調整
は、BHTを含まないポリブタジエンを使用する等によ
り可能である。なお、本発明において、BHT量は下記
の条件にて測定を行った。 測定機:GC 島津製作所社製「GC14A」 カラム:キャピラリーカラム「DB−1」(0.52
mmφ×30m) 温度:160℃
【0025】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、JIS K6871に基づく温度200℃、5Kg
荷重時のメルトフローレート値が5〜10g/10分で
あることが好ましい。5g/10分未満であると中空成
形性が劣る場合があり、10g/10分を越えると得ら
れる成形品の強度が低下するおそれがある。メルトフロ
ーレート値の調整は、流動パラフィンの量、ゴム変性ス
チレン系樹脂中の合成ゴム含量、ゴム変性スチレン系樹
脂および、またはスチレン系樹脂の分子量の調整により
行うことができる。
【0026】本発明の中空成形品は本発明のゴム変性ス
チレン系樹脂組成物を中空成形してなる。中空成形の加
工手法としては公知の手法が採用でき、形状も特に制限
はないが、乳酸菌飲料容器に代表されるようなインジェ
クションブローによる10mL〜200mLの小型容器
がとくに好ましい。
【0027】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明をさらに説明す
る。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例に示したデータは先に説明したも
のを除き、以下に記載の方法によって測定したものであ
る。 (イ)流動パラフィン量 石油エーテルを抽剤として樹脂組成物からこれを抽出
し、つぎの条件で測定して求めた。 測定機:GC ヒューレットパッカード社製「HP5
890−II」 カラム:キャピラリーカラム「HP−5」(0.2m
mφ×12m) 温度:50〜300℃ (ロ)噛込み:成形時に、離型性が劣ると金型内に成形
品が残ってしまう不具合が生じる。200ショット連続
成形を行った際、この頻度割合を求めて噛込み発生率
(%)とした。 (ハ)糸ひき:成形時糸ひき現象が発生すると、その糸
ひきした樹脂が成形品表面に貼り付き不良成形品とな
る。こうした糸ひきが原因である外観不良品が、200
個の成形品のなかにいくつあるか数え、この不良品個数
の成形品200個に対する割合を求めて糸ひき発生率
(%)とした。1%以下を合格とした。 (ニ)金型汚れ:200ショット連続成形を行った際、
金型に付着した成分が、更に成形品に付着することによ
る外観不良が発生したものを×、発生しなかったものを
○とした。○を合格とした。 (ホ)黄変:成形品を温度80℃、湿度80%で100
時間放置した際の色相の変化を目視で評価し、黄変した
ものを×、微小の黄変は観察されたが目立たない程度の
ものを△、黄変しなかったものを○とした。△〜○を合
格とした。 (ヘ)臭気:成形品を洗浄した容器に入れ、密閉して2
4時間放置し、24時間後の容器内の臭気を臭気センサ
ー(カルモア社製「KALMOR−Σ」)にて測定し数
値化した。数値は少ないほうが臭気が少なく、200以
下を合格とした。 (ト)圧縮強度:前述の成形品の圧縮強度を測定した。
圧縮試験機の圧縮用治具を平板にして、その平板に容器
が垂直に当たるようにして、圧縮し、容器が壊れる時の
荷重を測定し、その数値を圧縮強度とした。数値が1
4.0Kg以上を合格とした。
【0028】実施例1 下記混合物(1)を12.0Kg/時間の速度で容量1
0Lの第一重合缶へ連続的に供給した。 混合物(1) ポリブタジエン(旭化成社製「L101」)4.0重量% スチレン 88.3重量% エチルベンゼン 4.0重量% 流動パラフィン(モービル石油社製「ホワイトレックス335」) 3.7重量% 定常状態に達した後で、第一重合缶の温度は135℃と
した。出口の樹脂濃度は6重量%であった。これに連結
した容量20Lの第二重合缶の温度を138℃とし、分
散相であるゴム状物質の平均粒子径が3.0μmになる
ように攪拌した。出口の樹脂濃度は21重量%であっ
た。更にこのものを第二重合缶に連結した容量30Lの
第三重合缶に送り、温度120〜140℃で重合させ
た。第三重合缶には別にt−ドデシルメルカプタンを
1.2g/時間で添加した。出口の樹脂濃度は55重量
%であった。最後にこのものを第三重合缶に連結した容
量30Lの第四重合缶に送り、温度145〜165℃で
樹脂濃度80%まで重合させた。
【0029】得られた重合液は、第四重合缶に連結した
減圧槽に送り、ここで温度240℃、10mmHg(1
3hPa)の減圧下で連続的に揮発成分を除去し、ダイ
スから溶融ストランドを引き出し、水冷後カッターにて
切断してペレットを得た。このときのペレットの収量は
10.0Kg/時間、また、ペレット中の残存スチレン
は300ppmであった。
【0030】前記の要領で得られたゴム変性スチレン系
樹脂100重量部に対し、ポリスチレン(温度200
℃、5kg荷重でのメルトフローレート値が1.7g/
10分)20重量部、ステアリン酸0.5重量部、モノ
ステアリン酸グリコール0.1重量部及びステアリン酸
カルシウム0.1重量部を混合した後、20mmHg
(27hPa)の減圧下で押出し、ゴム変性スチレン系
樹脂組成物を得た。なお、添加剤のうち、高級脂肪酸及
び高級脂肪酸エステルは高速液体クロマトグラフによ
り、高級脂肪酸金属塩は金属の原子吸光分析法により定
量を行った結果、実施例1についてはステアリン酸が
0.46%、モノステアリン酸グリールが0.09%、
及びステアリン酸カルシウムが0.08%検出された。
得られた組成物の物性を表1に示す。つぎに得られた組
成物を住友重機械工業社製、射出吹き込み成形機;「ネ
オピマツト260/700 50S」で中空成形して中
空成形品を得、前記の方法で評価した。評価結果を表1
に示す。
【0031】実施例2 60mmHg(80hPa)の減圧下で押出した以外は
実施例1と同様に行い、ゴム変性スチレン系樹脂組成物
及び中空成形品を得た。評価結果を表1に示す。
【0032】実施例3 ポリスチレンとして、200℃、5kg荷重でのメルト
フローレート値が0.5g/10分のものを使用した以
外は実施例1と同様に行い、ゴム変性スチレン系樹脂組
成物及び中空成形品を得た。評価結果を表1に示す。
【0033】実施例4 混合物(1)を下記混合物(2)に変更した以外は実施
例1と同様に行い、ゴム変性スチレン系樹脂組成物及び
中空成形品を得た。評価結果を表1に示す。 混合物(2) ポリブタジエン(旭化成社製「L101」)4.0重量% スチレン 88.3重量% エチルベンゼン 3.9重量% 流動パラフィン(モービル石油社製「ホワイトレックス335」) 3.7重量% 1%ジビニルベンゼン(エチルベンゼン溶液) 0.1重量%
【0034】実施例5 混合物(1)を下記混合物(4)に変更した以外は実施
例1と同様に行い、ゴム変性スチレン系樹脂組成物及び
中空成形品を得た。評価結果を表1に示す。 混合物(4) ポリブタジエン(旭化成社製「ジエン55A」)4.0重量% スチレン 88.3重量% エチルベンゼン 4.0重量% 流動パラフィン(モービル石油社製「ホワイトレックス335」) 3.7重量%
【0035】実施例6 ポリスチレンとして200℃、5kg荷重でのメルトフ
ローレート値が8g/10分のものを使用した以外は、
実施例1と同様に行い、ゴム変性スチレン系樹脂組成物
及び中空成形品を得た。評価結果を表1に示す。
【0036】実施例7 添加剤として、ステアリン酸0.5重量部、モノステア
リン酸グリコール0.1重量部に換えて、ベヘニン酸
0.5重量部と、ステアリン酸カルシウム0.1重量部
を同様に添加した以外は、実施例1と同様に行い、ゴム
変性スチレン系樹脂組成物及び中空成形品を得た。評価
結果を表1に示す。
【0037】比較例1 添加剤として、ステアリン酸、モノステアリン酸グリコ
ール及びステアリン酸カルシウムを全く添加しなかった
以外は実施例1と同様に行い、ゴム変性スチレン系樹脂
組成物及び中空成形品を得た。評価結果を表2に示す。
噛込み発生率が高いことが判る。
【0038】比較例2 常圧下で押出した以外は実施例1と同様に行い、ゴム変
性スチレン系樹脂組成物及び中空成形品を得た。評価結
果を表2に示す。表2に示した通り、金型汚れによる成
形不良が多くなり、臭気も強くなることが判る。
【0039】比較例3 ポリスチレンとして200℃、5kg荷重でのメルトフ
ローレート値が23g/10分のものを使用した以外
は、実施例1と同様に行い、ゴム変性スチレン系樹脂組
成物及び中空成形品を得た。評価結果を表2に示す。表
2に示した通り、糸ひきが多くなり、強度に劣ることが
判る。
【0040】比較例4 混合物(1)を下記混合物(3)に変更した以外は実施
例1と同様に行い、ゴム変性スチレン系樹脂組成物及び
中空成形品を得た。評価結果を表2に示す。表2に示し
た通り、強度に劣ることが判る。 混合物(3) ポリブタジエン(旭化成社製「L101」)4.0重量% スチレン 88.3重量% エチルベンゼン 3.7重量% 流動パラフィン(モービル石油社製「ホワイトレックス335」) 3.7重量% 1%ジビニルベンゼン(エチルベンゼン溶液) 0.3重量%
【0041】比較例5 常圧下で押出時、BHTを0.01重量部混合して押出
した以外は実施例1と同様に行い、ゴム変性スチレン系
樹脂組成物及び中空成形品を得た。評価結果を表2に示
す。表2に示した通り、金型汚れによる成形不良が多く
なり、黄変しやすいものであることが判る。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は中空成形性が良好であり、本発明のゴム変性スチレン
系樹脂組成物を中空成形して得た中空成形品は臭気、黄
変が少なくかつ強度に優れており、実用的価値が高いも
のである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 25:02 91:00) B29K 25:00 96:02 B29L 22:00 (72)発明者 新村 哲也 千葉県市原市五井南海岸6番地 電気化学 工業株式会社千葉工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ゴム変性スチレン系樹脂(i)1
    00重量部に対し、ゴム変性スチレン系樹脂以外のスチ
    レン系樹脂(ii)0〜70重量部、流動パラフィン
    (iii)0〜10重量部、ならびに高級脂肪酸、高級
    脂肪酸塩、及び高級脂肪酸エステルから選ばれた添加剤
    1種以上(iv)を合計0.1〜1重量部含有してなる
    ゴム変性スチレン系樹脂組成物であって、かつ該ゴム変
    性スチレン系樹脂組成物は(b)残存スチレン系単量体
    が200ppm未満で、かつ(c)温度200℃におけ
    るメルトテンションが2〜10gであることを特徴とす
    るゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
    ェノールの含有量が20ppm未満であることを特徴と
    する請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 温度200℃、5Kg荷重時のメルトフ
    ローレート値が5〜10g/10分であることを特徴と
    する請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれか1項記
    載のゴム変性スチレン系樹脂組成物をそれぞれ成形加工
    してなる中空成形品。
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