JP2003206384A - ゴム変性スチレン系樹脂組成物およびそのインジェクションブロー成形品 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物およびそのインジェクションブロー成形品

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JP2003206384A
JP2003206384A JP2002007544A JP2002007544A JP2003206384A JP 2003206384 A JP2003206384 A JP 2003206384A JP 2002007544 A JP2002007544 A JP 2002007544A JP 2002007544 A JP2002007544 A JP 2002007544A JP 2003206384 A JP2003206384 A JP 2003206384A
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rubber
resin composition
weight
higher fatty
fatty acid
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JP2002007544A
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Toshiharu Kawasaki
敏晴 川崎
Shinichi Miura
新一 三浦
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PS Japan Corp
Original Assignee
PS Japan Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形機停止後の再起動時に、成形品中の黒点
状異物の発生が極めて少なく、離型性、連続成形性に優
れた、インジェクションブロー成形用ゴム変性スチレン
系樹脂組成物及びそのインジェクションブロー成形品を
提供すること。 【解決手段】 (a)ゴム状重合体が粒子状に分散して
いるゴム変性スチレン系樹脂100重量部に対して、
(b)3−アリールベンゾフラノン0.006〜0.5
重量部、及び(c)高級脂肪酸金属塩と(d)高級脂肪
酸の両者の合計量を0.02〜0.5重量部添加してな
る、インジェクションブロー成形用ゴム変性スチレン系
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インジェクション
ブロー成形用に改良されたゴム変性スチレン系樹脂組成
物に関し、成形機停止後の再起動時に、成形品中の黒点
状異物の発生が極めて少なく、離型性、連続成形性に優
れた、インジェクションブロー成形用ゴム変性スチレン
系樹脂組成物及びそのインジェクションブロー成形品に
関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム変性スチレン系樹脂は工業的にはラ
ジカル重合法を用いて、ゴム状重合体の存在下で、連続
塊状重合法、懸濁重合法、あるいは乳化重合法により製
造されている。これらの重合法において製造されたゴム
変性スチレン系樹脂は、種々の加工法により成形され、
製品として使用されている。食品用の成形品としては、
容器(トレー、カップ等)、包装用フィルム、シート等
があるが、特にカップ用の容器においては、乳酸飲料等
でインジェクションブローによる成形品が多く使用され
ている。インジェクションブロー成形は、成形時間が非
常に短く、効率良く成形品が得られることが利点ではあ
るが、一方、生産中の成形機を一度停止、降温後に成形
機を再起動する場合、成形品中に黒点状異物の発生が多
く見られ、品質不良による生産性の低下をもたらすとい
う欠点を有する。また、さらには、金型からの成形品の
離型が不良となって、成形品の変形、破壊及び生産性の
低下等を引起す場合がある。インジェクションブロー成
形では、コアに形成されたパリソンが、130°Cから
170°Cという高い温度で、空気が吹き込まれてコア
からの離型、割型内でのブロー成形というプロセスで成
形されるが、通常の射出成形に比べて、コアからの離型
が高温で行われるために、離型性の優れた樹脂組成物が
望まれている。
【0003】離型性の改良については、ゴム変性スチレ
ン系樹脂に高級脂肪酸金属塩や高級脂肪酸を添加するこ
とにより改良されることは公知である。例えば、特公昭
57−42654号公報には、飽和直鎖カルボン酸と高
級脂肪酸の金属塩とからなる組成物が、特開昭54−1
32650号公報には、高級脂肪酸及び/又は高級脂肪
酸金属塩とグリセリンモノステアリン酸とからなる組成
物が、特公昭60−51502号公報には、高級脂肪酸
及び/又は高級脂肪酸金属塩とポリオキシプロピレング
リコールとからなる組成物が、特公昭60−37138
号公報には、カルボン酸類の1価又は2価の飽和脂肪族
アルコールとのエステル類と高級脂肪酸金属塩又はアミ
ドを添加した組成物が、特開昭62−132951号公
報には、特定のゴム濃度、ゴムの体積平均粒径を有する
ゴム変性スチレン系樹脂に異なる高級脂肪酸2種以上と
高級脂肪酸金属塩1種以上を配合した組成物が、離型性
改良の目的で開示されているが、上記、黒点状異物の発
生については何ら開示されていない。
【0004】また、離型性の改良とこれら黒点状異物の
低減に関し、特開昭60−199042号公報、特開昭
62−132951号公報には、ゴム変性ポリスチレン
とゴム変性されていないポリスチレンの特定割合の混合
物に高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸金属塩等を添加し
てなる組成物、また特開平7−62193号公報には、
高級脂肪酸金属塩とポリエチレングリコールとからなる
組成物が開示されているが、黒点状の異物の低減は充分
なものとは言えず、さらに黒点状異物の少ない、離型性
に優れたものが求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インジェク
ションブロー成形用に改良されたゴム変性スチレン系樹
脂組成物に関し、成形機停止後の再起動時に、成形品中
の黒点状異物の発生が極めて少なく、離型性、連続成形
性に優れた、インジェクションブロー成形用ゴム変性ス
チレン系樹脂組成物及びそのインジェクションブロー成
形品を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に鑑み、鋭意研究を進めた結果、ゴム状重合体が粒子
状に分散しているゴム変性スチレン系樹脂に、特定の安
定剤を特定割合で加え、さらに高級脂肪酸金属塩と高級
脂肪酸を特定割合で加えることにより、これまで予想し
得なかったインジェクションブロー成形に優れた特性を
有するゴム変性スチレン系樹脂組成物が得られることを
見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、(a)ゴム状重合体が粒子状に分散しているゴム変
性スチレン系樹脂(以下、単に樹脂ということがあ
る。)と、(b)下記一般式(I)
【化2】 〔式中、R1 は置換若しくは未置換の炭素環式芳香族
基、又は置換若しくは未置換の複素環式芳香族基を表
し、R2 、R3 、R4 及びR5 は、それぞれ独立して水
素原子又は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を示
す。〕で表わされる3−アリールベンゾフラノン、及び
(c)高級脂肪酸金属塩と(d)高級脂肪酸とからなる
ゴム変性スチレン系樹脂組成物であって、(a)樹脂1
00重量部に対して、(b)3−アリールベンゾフラノ
ンの量を0.006〜0.5重量部、及び(c)高級脂
肪酸金属塩と(d)高級脂肪酸の両者の合計量を0.0
2〜0.5重量部添加してなり、さらに、ゴム成分の含
有量が2〜7重量%、粒子状に分散しているゴム状重合
体の重量平均粒子径が1〜6ミクロンの範囲からなる、
成形機停止後の再起動時に、成形品の黒点状異物の発生
が極めて少なく、離型性、連続成形性に優れるインジェ
クションブロー成形用ゴム変性スチレン系樹脂組成物及
びそのインジェクションブロー成形品に関する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、(a)ゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム状重合
体の存在下にスチレン系単量体を重合せしめる塊状重合
法、懸濁重合法、乳化重合法などにて製造することがで
きる。本発明に特定されたゴム粒子径を有するゴム変性
スチレン系樹脂は、重合工程において、ゴム粒子生成時
の攪拌状態などを制御することにより製造することがで
きる。原料として用いるスチレン系単量体としては、ス
チレン単独のみならず、スチレンと共重合可能な他のビ
ニル系単量体とスチレンとの混合物を挙げることができ
る。ここでスチレンと共重合可能な他のビニル系単量体
として、具体的には、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、
ブチルアクリレート、エチルメタクリレート、ハロゲン
含有ビニルモノマー、α−メチルスチレン、o−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン等
があり、これらの1種以上を用いることができる。これ
らスチレンと共重合し得るビニル系単量体は、通常、全
単量体の60重量%以下、好ましくは50重量%以下の
割合で用いることができる。また、原料として用いるゴ
ム状重合体としては、ポリブタジエン、SBR、ポリイ
ソプレン、ニトリルゴム、天然ゴム等のゴム成分を挙げ
ることができる。これらゴム状重合体は1種以上を用い
ることができる。
【0008】本発明においては、熱劣化防止剤として、
無酸素下で発生したラジカルを効果的に捕捉安定化する
ことができる構造のもの、すなわち、(b)前記一般式
(I)で表される3−アリールベンゾフラノンを用い
る。そして、その量は、(a)樹脂100重量部に対し
て0.006〜0.5重量部、好ましくは0.008〜
0.3重量部、更に好ましくは0.01〜0.2重量部
である。ここで、(b)上記3−アリールベンゾフラノ
ンの添加量が0.006重量部未満であると、インジェ
クションブロー成形時の成形機再起動時に、成形品中の
黒点状異物の低減効果が不十分となり、これらの少ない
成形品を得ることが出来ない。一方、(b)上記3−ア
リールベンゾフラノンを0.5重量部より多く添加して
も、添加量に見合うだけの効果が得られない。
【0009】このような熱劣化防止剤としては、例え
ば、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(2,4−ジ
メチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、
5,7−ジ−tert−ブチル−3−(2,5−ジメチ
ルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7
−ジ−tert−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェ
ニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン等を挙げること
ができる。これらの中でも、好ましくは5,7−ジ−t
ert−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−
3H−ベンゾフラン−2−オンである。
【0010】本発明における(d)高級脂肪酸とは、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、アラキジン酸、ベヘニン酸等挙げられ、中でもステ
アリン酸が特に代表的なものである。また、(c)高級
脂肪酸の金属塩とは、高級脂肪酸とリチウム、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウ
ム、亜鉛などの金属との塩類を総称するものである。代
表的な高級脂肪酸の金属塩には、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベ
ヘニン酸等の高級脂肪酸と上記金属の塩があげられ、中
でもステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸マグネシムなどが特に代表的なものである。本
発明に使用される(d)高級脂肪酸と(c)高級脂肪酸
の金属塩は、炭素数12〜22のものが好ましい。
(a)ゴム変性スチレン系樹脂100重量部に対して、
その添加量は、(c)高級脂肪酸金属塩と(d)高級脂
肪酸の両者の合計量を0.02〜0.5重量部の範囲が
好ましい。添加量は、より好ましくは0.05〜0.4
5重量部の範囲である。添加量が0.02重量部未満の
場合は、離型性が不十分である。また、0.5重量部を
越える場合は、成形時に金型まわりに高級脂肪酸や高級
脂肪酸の金属塩が析出し、成形品に転写、品質不良とな
る場合があり、好ましくない。(c)高級脂肪酸金属塩
と(d)高級脂肪酸は、それぞれ1種類でもよく、また
2種類以上の混合物でもよい。
【0011】本発明においては、ゴム変性スチレン系樹
脂組成物中のゴム成分の含有量が2〜7重量%の範囲が
好ましい。より好ましくは3〜6重量%以下の範囲であ
る。また、粒子状に分散しているゴム状重合体の重量平
均粒子径は1〜6ミクロンの範囲が好ましい。より好ま
しくは1.5〜5ミクロンの範囲である。ゴム変性スチ
レン系樹脂組成物中のゴム成分の含有量、及びゴム状重
合体の重量平均粒子径がこの範囲内にあれば、実用的な
強度を有する成形品が得られ好ましい。ゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物中のゴム成分の含有量が2重量%未満の
場合、成形品の衝撃強度が低下するため好ましくない。
また、ゴム成分の含有量が7重量%を越える場合は、成
形品の剛性が低下するため好ましくない。粒子状に分散
しているゴム状重合体の重量平均粒子径については、1
〜6ミクロンの範囲が好ましい。1ミクロン未満の場合
は、光沢などの成形品外観は優れるが衝撃強度の低下が
大きく、さらには離型性が不十分となりやすく、好まし
くない。また、6ミクロンを越える場合は、光沢などの
成形品の外観が悪くなり、好ましくない。
【0012】本発明の樹脂組成物を製造する方法は、特
に限定されたものではなく、例えばスチレンモノマーを
重合する工程の適当な箇所で行ってもよいし、ゴム変性
スチレン系樹脂と各種添加剤を押出機などを用いて溶融
混合を行ってもよい。本発明のゴムスチレン系樹脂組成
物には、所望に応じて、通常用いられている添加剤、例
えば滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、可塑
剤、染料、顔料、各種充填剤などを添加することができ
る。また、他のポリマー、例えば一般のポリスチレン、
スチレン−ブタジエン共重合エラストマー、部分的に又
は完全に水素添加されたスチレン−ブタジエン共重合エ
ラストマー、ポリフェニレンエーテルなどを配合するこ
ともできる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明を実施例及び比較例に
より、詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定
される訳ではない。 [製造例1] 5,7−ジ−tert−ブチル−3−(3,4−ジメチ
ルフェニル)―3H−ベンゾフラン−2−オンの製造 1,2−ジクロロエタン300ml中に、2,4―ジ−
tert−ブチルフェノール(97%)212.5g
(1.00モル)、50%水性グリオキシル酸163.
0g(1.10モル)、p−トルエンスルホン酸1水和
物0.5g(2.6ミリモル)の混合物を加え、窒素下
において3.5時間、水分離器上で還流した。得られた
反応混合物を濃縮し、残留分をヘキサン800ml中に
取り、3回水洗した。水層をヘキサン300mlで更に
抽出し、有機層と合わせて硫酸マグネシウムで乾燥した
後濃縮すると、粘調性化合物が260g得られた。
【0014】上記化合物にo−キシレン500mlを加
え、Fulcat 22B[Laporte Adso
rbents社製、登録商標、シート状シリケート]を
40g添加して、1.5時間、水分離器上で還流した。
次いで、Fulcat 22Bをろ過により除き、過剰
のo−キシレンを留去した。メタノール400mlから
残留分を結晶化し、175.5gの5,7−ジ−ter
t−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H
−ベンゾフラン−2−オンを得た。
【0015】[製造例2] 5,7−ジ−tert−ブチル−3−(2,4−ジメチ
ルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オンの製造 1,2−ジクロロエタン300ml中に、2,4−ジ−
tert−ブチルフェノール(97%)212.5g
(1.00モル)、50%水性グリオキシル酸163.
0g(1.10モル)、p−トルエンスルホン酸1水和
物0.5g(2.6ミリモル)の混合物を加え、窒素下
において3.5時間、水分離器上で還流した。反応混合
物を濃縮し、残留分をヘキサン800ml中に取り、3
回水洗した。水層をヘキサン300mlで更に抽出し、
有機層と合わせて硫酸マグネシウムで乾燥した後濃縮す
ると、粘調性化合物が262g得られた。
【0016】上記化合物にm−キシレン500mlを加
え、Fulcat 22B[Laporte Adso
rbents社製、登録商標、シート状シリケート]を
40g添加して1.5時間、水分離器上還流した。次い
で、Fulcat 22Bをろ過により除き、過剰のm
−キシレンを留去した。メタノール400mlから残留
分を結晶化し、242gの5,7−ジ−tert−ブチ
ル−3−(2,4−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾ
フラン−2−オンが得られた。
【0017】なお、実施例及び比較例における樹脂組成
物及び成形品の分析方法及びインジェクションブロー成
形機の運転条件は、下記の通りである。 (1)ゴム状重合体の重量平均粒子径の測定 30ミクロン径のアパチャーチューブを装着したコール
ターカウンター(コールター・マルチサイザーII型)に
おいて、当該ゴム変性スチレン系樹脂のペレット4〜5
粒をDMF溶媒に溶解せしめた後、その後ジメチルホル
ムアミド電解質溶液に適度な濃度で分散させて測定した
ものである。 (2)成形品中の3−アリールベンゾフラノンの測定 試料調製 :成形品1gをメチルエチルケトンに溶解 測定条件 検出方法 :FID 機器 :島津製製作所 GC17Apf カラム :DB−1(100%ジメチルポリシロキサン) 30m、膜厚0.1μm、0.25mmφ カラム温度 :100℃−2分→5℃/分→260℃−5分 注入口温度 :200℃ 検出器温度 :200℃ キャリアガス :窒素
【0018】 (3)インジェクションブロー成形機の運転条件 機種 住友重機製ネスタールインジェクションブロー成形機(NP−330) 設定温度 ホットランナー:240℃、 ノズル:240℃ シリンダー1:240℃、 シリンダー2:240℃ シリンダー3:230℃、 シリンダー4:200℃ 加熱油コア- 先端:140℃、 コア- 座:120℃ キャビティー冷却水:60℃ スクリュー回転数 100rpm 射出条件 速度:7.25/15 射出圧:一次圧135kg/cm2 、二次圧75kg/cm2 背圧 :10kg/cm2 サイクル 一次射出:2秒、二次射出:0.5秒 冷却:2秒、休止:2秒 、トータル:9.2秒/サイクル
【0019】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、ゴム変性スチレン系樹脂は、種
々のゴム状重合体の重量平均粒子径、ゴム成分の含有量
を有するものを以下の方法で製造した。重合装置として
ピストンフロー型反応器(第1から第3反応器)3基
と、脱揮発分装置1基とを直列に接続して組合せた装置
を使用した。スチレンモノマー88重量部と、エチルベ
ンゼン12重量部に、ゴム状重合体を溶解せしめて、適
当濃度のゴム濃度の混合溶液を調整し、第1反応器から
連続的に重合装置へ供給し、第1反応器での撹拌回転数
を制御することにより、ゴム状重合体の重量平均粒子径
を調整した。第2反応器から第3反応器でさらに重合を
進め、この重合物をさらに脱揮装置で揮発性成分を除去
することによって、ペレット状の各種ゴム成分量のゴム
変性スチレン系樹脂を得た。ゴム状重合体は旭化成
(株)製、ジエン55を用いた。また、各種添加剤を含
有するゴム変性スチレン系樹脂組成物は、上記により得
られたゴム変性スチレン系樹脂に2軸押出機により溶融
混練することにより調製した。
【0020】得られた樹脂を用いて、インジェクション
ブロー成形機で、成形品(高さ65mm。底部55m
m、口部50mmのはっ酵乳用容器)を成形した後、一
度成形機を停止(降温)、40時間後に再起動し、同じ
樹脂を用いて成形品を成形した(1ショット容器8個取
り)。成形安定化のために、最初の10ショットを捨
て、その後、40ショット(容器320個)の成形品に
ついて、黒点状異物のある成形品の個数を目視確認で数
えた。また、離型性及び成形品の変形については、成形
時に成形品が割り金型から円滑に離型し、成形品に変形
がないか目視で確認した。さらに、連続成形性について
は、1000ショットの連続成形で、成形性に問題ない
か、目視で確認した。
【0021】[実施例1]ゴム状重合体の粒子径3.4
ミクロン、ゴム成分4.5重量%の樹脂100重量部に
対し、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(3,4−
ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オンを
0.05重量部、ステアリン酸カルシウム0.2重量
部、ステアリン酸0.1重量部添加して得られた樹脂を
用いて、インジェクションブロー成形機で成形を行い、
成形機再起動時の黒点状異物のある成形品の個数、成形
品の離型性、成形品の変形及び連続成形性を目視で確認
した。結果を表1に示す。 [実施例2]実施例1において、5,7−ジ−tert
−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−
ベンゾフラン−2−オンの添加量を0.15重量部とし
たこと以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を
表1に示す。
【0022】[実施例3]実施例1において、5,7−
ジ−tert−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニ
ル)−3H−ベンゾフラン−2−オンの添加量を0.0
2重量部としたこと以外は、実施例1と同様に評価を行
った。結果を表1に示す。 [実施例4]実施例1において、5,7−ジ−tert
−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−
ベンゾフラン−2−オンの添加量を0.01重量部とし
たこと以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を
表1に示す。 [実施例5]実施例1において、5,7−ジ−tert
−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−
ベンゾフラン−2−オンの代わりに、製造例2で得られ
た5,7−ジ−tert−ブチル−3−(2,4−ジメ
チルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オンを添加
したこと以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果
を表1に示す。
【0023】[実施例6]実施例1において、ステアリ
ン酸カルシウムの代わりに、ステアリン酸亜鉛を添加し
たこと以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を
表1に示す。 [実施例7]実施例1において、ステアリン酸カルシウ
ムの添加量を0.3重量部、ステアリン酸を無添加に変
更したこと以外は、実施例1と同様に評価を行った。結
果を表1に示す。 [実施例8]実施例1において、ステアリン酸カルシウ
ムの添加量を0.1重量部、ステアリン酸の添加量を
0.2重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様に
評価を行った。結果を表1に示す。 [実施例9]実施例1において、ステアリン酸カルシウ
ムを無添加、ステアリン酸の添加を0.3重量部に変更
したこと以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果
を表1に示す。
【0024】[実施例10]実施例1において、樹脂中
のゴム成分含量を5.4重量%に変更したこと以外は、
実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。 [実施例11]実施例1において、樹脂中のゴム成分含
量を6.6重量%、ゴム状重合体粒子を2.1ミクロン
に変更したこと以外は、実施例1と同様に評価を行っ
た。結果を表1に示す。 [実施例12]実施例1において、樹脂中のゴム状重合
体粒子を5.3ミクロンに変更したこと以外は、実施例
1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0025】[比較例1]実施例1において、5,7−
ジ−tert−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニ
ル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、ステアリン酸カ
ルシウム及びステアリン酸を無添加に変更したこと以外
は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示
す。 [比較例2]実施例1において、ステアリン酸カルシウ
ム及びステアリン酸を無添加に変更したこと以外は、実
施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。 [比較例3]実施例1において、5,7−ジ−tert
−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−
ベンゾフラン−2−オンを無添加に変更したこと以外
は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示
す。
【0026】[比較例4]実施例1において、5,7−
ジ−tert−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニ
ル)−3H−ベンゾフラン−2−オンの添加量を0.0
05重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様に評
価を行った。結果を表1に示す。 [比較例5]実施例1において、ステアリン酸カルシウ
ムの添加量を0.01重量部、ステアリン酸を無添加に
変更したこと以外は、実施例1と同様に評価を行った。
結果を表1に示す。 [比較例6]ゴム状重合体の粒子径3.4ミクロン、ゴ
ム成分4.5重量%の樹脂100重量部に対し、ステア
リン酸カルシウム0.5重量部、分子量4000のポリ
エチレングリコール0.5重量部添加して得られた樹脂
を用いて、インジェクションブロー成形機で成形を行
い、成形機再起動時の黒点状異物のある成形品の個数、
成形品の離型性、成形品の変形及び連続成形性を目視で
確認した。結果を表1に示す。
【0027】表1より、前記一般式(I)で表される3
―アリールベンゾフラノンを所定量添加し、かつ高級脂
肪酸金属塩と高級脂肪酸の比率を適正範囲に調整したも
のを所定量添加することにより、インジェクションブロ
ー成形の再起動時に成形品中の黒点状異物が非常に少な
く、かつ離型性、連続成形性に優れ、変形の少ない、安
定した成形品が得られることが分る。一方、比較例1
は、黒点状異物の発生が非常に多く、かつ離型性が悪く
成形が困難なものであった。また、比較例3、4、6
は、黒点状異物が非常に多く、比較例2、5は、離型性
が困難なものであった。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、インジェクションブロー成形に非常に適しており、
成形停止後の再起動時に成形品中の黒点状異物が非常に
少なく、かつ離型性、連続成形性に優れ、黒点状異物の
非常に少ない、かつ変形の少ない安定した成形品を得る
ことができるとともに、生産性が向上し、産業界に果た
す役割は大きい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/1535 C08K 5/1535 // B29K 21:00 B29K 21:00 55:02 55:02 105:16 105:16 Fターム(参考) 4F071 AA77 AC19 AE05 AE11 AH05 BA01 BB06 BB13 BC04 4F208 AA13 AA45 LG01 4J002 BN021 BN141 BN151 EF058 EG027 EG037 EG047 EL076 FD076 FD167 FD168 GG01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ゴム状重合体が粒子状に分散して
    いるゴム変性スチレン系樹脂と、(b)下記一般式
    (I) 【化1】 〔式中、R1 は置換若しくは未置換の炭素環式芳香族
    基、又は置換若しくは未置換の複素環式芳香族基を表
    し、R2 、R3 、R4 及びR5 は、それぞれ独立して水
    素原子又は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を示
    す。〕で表わされる3−アリールベンゾフラノン、及び
    (c)高級脂肪酸金属塩と(d)高級脂肪酸とからなる
    ゴム変性スチレン系樹脂組成物であって、(a)樹脂1
    00重量部に対して、(b)3−アリールベンゾフラノ
    ンの量を0.006〜0.5重量部、及び(c)高級脂
    肪酸金属塩と(d)高級脂肪酸の両者の合計量を0.0
    2〜0.5重量部添加してなる、インジェクションブロ
    ー成形用ゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ゴム変性スチレン系樹脂組成物中のゴム
    成分の含有量が2〜7重量%であり、粒子状に分散して
    いるゴム状重合体の重量平均粒子径が1〜6ミクロンの
    範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のゴム変性
    スチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のゴム変性
    スチレン系樹脂組成物からなるインジェクションブロー
    成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007515528A (ja) * 2003-12-22 2007-06-14 バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト 安定化熱可塑性組成物

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