JPH11320768A - 耐候性樹脂積層体 - Google Patents

耐候性樹脂積層体

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JPH11320768A
JPH11320768A JP10129217A JP12921798A JPH11320768A JP H11320768 A JPH11320768 A JP H11320768A JP 10129217 A JP10129217 A JP 10129217A JP 12921798 A JP12921798 A JP 12921798A JP H11320768 A JPH11320768 A JP H11320768A
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Koji Mori
浩司 森
Atsuo Akata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐候性を有し、長期間にわたって優れ
た透明性と耐衝撃性とを維持できる樹脂積層体を提供す
る。 【解決手段】 本発明の耐候性樹脂積層体は、樹脂基材
の少なくとも一方の表面に、一般式(1) : 【化1】 (式中、Aは炭素数1〜6のアルキレン基等を示す。R
1 、R3 は水素原子等を示す。R2 、R4 は基(2) を示
す。)で表わされるベンゾトリアゾール系化合物を含有
する被覆層を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築、道路施設、
建設機械等に好適に用いられる、ポリカーボネート系樹
脂積層体等の耐候性樹脂積層体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】例え
ばポリカーボネート系樹脂等の優れた透明性と耐衝撃性
を有する樹脂は、従来より各種厚みの平板状、波板状、
折版(角波板)状に加工して、建築、道路施設、農業分
野等に広く使用されている。
【0003】しかし、例えばポリカーボネート系樹脂か
らなるシートを屋外で使用すると紫外線により劣化し、
変色するため、紫外線に対する防護層が必要になる。そ
こで、特開平8−72208号公報には、ポリカーボネ
ートシートを紫外線から保護するために、0.25〜
5.0重量%程度の紫外線吸収剤を含有するアクリレー
ト系組成物からなるフィルムでポリカーボネートシート
を被覆したプラスチック多層シートが開示されている。
【0004】しかしながら、上記公報で使用されている
従来公知の添加型紫外線吸収剤では、単位重量当たりの
紫外線吸収能が低いため、充分な紫外線吸収能を得よう
とすると添加量が増大して、コストが高くなったり、成
形性が低下したりする。また、従来公知の添加型紫外線
吸収剤を用いた場合、かかる紫外線吸収剤の大部分が低
分子化合物であって蒸気圧が高いため、成形加工時に蒸
散するという問題が生じる。さらに、樹脂との相溶性も
充分ではないため、成形体表面から経時的にブリードア
ウトしたり、特に屋外で使用する場合には雨や洗剤を含
む水等によって紫外線吸収剤が流れ出てしまうという問
題もある。
【0005】このため、従来の添加型紫外線吸収剤で
は、樹脂に充分な耐候性を付与する事が困難であって、
例えばポリカーボネート樹脂においては、その優れた透
明性と耐衝撃性とを長期にわたって維持することができ
なかった。
【0006】また、従来公知の添加型紫外線吸収剤の中
でも、特にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は紫外線
吸収能に優れた化合物であるものの、結晶性が高く、樹
脂との相溶性が低いため、これを添加すると樹脂の機械
的強度が低下するという問題があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、優れた耐候性を有し、長期間にわたって優れた透明
性や耐衝撃性を維持することのできる樹脂積層体を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、一般式(1):
【0009】
【化3】 〔式中、Aは直接結合するか、炭素数1〜6のアルキレ
ン基、基:−O−、基:−NH−、基:−S−、基:−
SO−または基:−SO2 −を示す。R1 およびR3
同一または異なって、水素原子、炭素数1〜4のアルキ
ル基、アリール基、炭素数1〜4のアルコキシ基または
ハロゲン原子を示す。R2 およびR4 は同一または異な
って、基(2) :
【0010】
【化4】 (式中、R5 は直接結合するか、炭素数1〜12の直鎖
状または分岐状のアルキレン基を示す。R6 およびR7
は同一または異なって、水素または炭素数1〜10のア
ルキル基を示す。mは1〜20の整数を示し、nは1〜
10の整数を示す。)を示す。〕で表わされるベンゾト
リアゾール系化合物を含有する樹脂組成物で樹脂基材を
被覆すれば、耐候性に優れ、優れた透明性と耐衝撃性と
を長期間にわたって維持することのできる樹脂積層体が
得られるという新たな事実を見出し、本発明を完成する
に至った。
【0011】すなわち、本発明の樹脂積層体は、樹脂基
材の少なくとも一方の表面に、前記一般式(1) で表わさ
れるベンゾトリアゾール系化合物を含有する被覆層を設
けたことを特徴とする。
【0012】前記ビスベンゾトリアゾール系化合物(1)
は、単位重量当たりの紫外線吸収能が極めて高く、従来
の添加型紫外線吸収剤よりも優れている。また、融点が
高いことに起因して耐蒸散性が高く、さらに樹脂との相
溶性も高いことから、成形加工時に蒸散したり、成形体
の表面からブリードアウトすることがない。さらに、耐
金属イオン性にも優れている。
【0013】従って、上記ビスベンゾトリアゾール系化
合物(1) を紫外線吸収剤として使用した上記本発明の耐
候性樹脂積層体によれば、樹脂基材の透明性や耐衝撃性
を損なうことなく、優れた耐候性を発現することができ
る。
【0014】本発明の耐候性樹脂積層体において、樹脂
基材がポリカーボネート系樹脂組成物からなるときは、
ポリカーボネート系樹脂本来の優れた透明性や耐衝撃性
を損なうことなく、優れた耐候性を付与することができ
る。
【0015】また、前記樹脂基材がビスベンゾトリアゾ
ール系化合物(1) を0.02〜5重量%含有するとき
は、ポリカーボネート系樹脂本来の優れた透明性や耐衝
撃性を損なうことなく、耐候性をより一層向上させるこ
とができる。
【0016】本発明の耐候性樹脂積層体において、被覆
層が、(a) ビスベンゾトリアゾール系化合物(1) を1〜
50重量%含有するアクリル系樹脂組成物からなる厚さ
10〜35μmの層、(b) ビスベンゾトリアゾール系化
合物(1) を1〜5重量%含有するアクリル系樹脂組成物
からなる厚さ10〜35μmの外層と、ビスベンゾトリ
アゾール系化合物(1) を1〜5重量%含有するポリカー
ボネート系樹脂組成物からなる厚さ15〜100μmの
内層との2層構造、または(c) ビスベンゾトリアゾール
系化合物(1) を1〜50重量%含有するポリカーボネー
ト系樹脂組成物からなる厚さ1〜35μmの層であると
きは、とりわけ樹脂基材がポリカーボネート系樹脂組成
物からなる場合において、樹脂積層体に耐候性を付与す
るという効果がより一層優れたものとなる。
【0017】また、本発明の耐候性樹脂組成物は、上記
例示の被覆層が樹脂基材の両面に設けられたものであっ
てもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の耐候性樹脂積層体
について詳細に説明する。
【0019】本発明の耐候性樹脂積層体における樹脂基
材としては、例えばポリカーボネート系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、A
BS系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、アセテート系樹脂、エポキシ系
樹脂等の従来公知の種々の樹脂が挙げられるが、中で
も、特に紫外線による劣化が顕著であるポリカーボネー
ト系樹脂が好適に用いられる。
【0020】樹脂基材の形状は特に限定されるものでは
なく、例えばシート状、フィルム状等の種々の形状を用
いることができる。また、樹脂基材の厚みも特に限定さ
れるものではなく、樹脂の種類、機械的強度、耐候性樹
脂積層体の用途等の観点から適宜設定することができ
る。
【0021】一方、本発明の耐候性樹脂積層体における
被覆層には、例えばポリカーボネート系樹脂、アクリル
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、アセテート系樹脂、シリコーン系樹脂等
の従来公知の種々の樹脂を用いることができるが、例え
ば樹脂基材としてポリカーボネート系樹脂を用いる場合
には、ポリカーボネート系樹脂が本来有する優れた透明
性や耐衝撃性を損なわないようするため、被覆層におけ
る樹脂としてポリカーボネート系樹脂やアクリル系樹脂
を用いるのが好ましい。
【0022】被覆層の厚みは特に限定されるものではな
く、樹脂基材本来の機械的強度や、透明性等の特性を損
なわない範囲で、あるいは耐候性樹脂積層体の用途に応
じて適宜設定することができる。
【0023】〔ポリカーボネート系樹脂〕本発明におい
て使用されるポリカーボネート系樹脂とは、種々のジヒ
ドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホ
スゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフ
ェニルカーボネート等の炭酸エステルとを反応させるエ
ステル交換法によって得られる重合体であり、代表的な
ものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(ビスフェノール−A)から製造されたポ
リカーボネート樹脂が挙げられる。
【0024】上記ジヒドロキシジアリール化合物として
は、ビスフェノールAの他に、例えばビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニ
ルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3
−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジクロロフェニル)プロパン等のビス(ヒドロ
キシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキ
シアリール)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルジフェニルエーテル等のジヒドロキシジ
アリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ
メチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリー
ルスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメ
チルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリー
ルスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニル
スルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチ
ルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスル
ホン類等が挙げられる。
【0025】これらは単独または2種類以上混合して使
用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジル
ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニル等を混合して使用してもよい。
【0026】さらに、上記のジヒドロキシアリール化合
物とともに3価以上のフェノール化合物を混合して使用
してもよい。3価以上のフェノールとしては、例えばフ
ロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−
(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン−2、4,6−
ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシ
フェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−
〔4,4−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)−シ
クロヘキシル〕−プロパン等があげられる。
【0027】ポリカーボネート系樹脂の粘度平均分子量
は通常10000〜100000、好ましくは1000
0〜40000である。かかるポリカーボネート系樹脂
を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じ
て使用することができる。
【0028】〔アクリル系樹脂〕本発明において使用さ
れるアクリル系樹脂としては、種々の(メタ)アクリル
酸エステルを塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の
重合方法によって得られる重合体であって、代表的なも
のとしては、メタクリル酸メチルのホモポリマーである
メタクリル酸メチル(MMA)等が挙げられる。
【0029】上記(メタ)アクリル酸エステルとして
は、メタクリル酸メチルのほかに、例えばアクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸イソブチル、アクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−ヘキシル等が挙げられる。
【0030】これらは単独で、または2種以上を混合し
て用いられる。
【0031】アクリル系樹脂の重量平均分子量は通常5
000〜1000000、好ましくは10000〜50
0000である。かかるアクリル系樹脂を製造するに際
し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用すること
ができる。
【0032】〔ビスベンゾトリアゾール系化合物〕本発
明に用いられる一般式(1) で表されるビスベンゾトリア
ゾール系化合物は蒸気圧が極めて低く、分解温度も35
0℃以上と、従来の添加型紫外線吸収剤に比べて著しく
高いので、ポリカーボネート系樹脂やアクリル系樹脂に
配合して成形加工する際に蒸散、分解等を引き起こすこ
とがない。
【0033】また、ビスベンゾトリアゾール系化合物
(1) の分子中、一方のベンゾトリアゾリルフェノールが
もう一方のベンゾトリアゾリルフェノールのフェノール
性水酸基に対して嵩高い置換基となるため、当該フェノ
ール性水酸基を保護する。その結果、金属イオンとの接
触によって変色するなどの問題がなく、優れた耐金属イ
オン性を有する。
【0034】さらに、長鎖ポリエステル基を分子中に複
数個有するため、汎用樹脂に対して極めて高い相溶性を
示す。従って、ポリカーボネート系樹脂やアクリル系樹
脂に配合した後、ブリードアウトするという問題が生じ
るおそれが極めて少ない。また、ポリカーボネート系樹
脂に配合して押出成形等によって加工すると、エステル
交換反応によって、ビスベンゾトリアゾール系化合物
(1) 中の基(2) で表される部分とポリカーボネート系樹
脂の主鎖または側鎖とが反応することがあり、この場合
には、前述のブリードアウトという問題を生じることが
なくなる。
【0035】一般式(1) で表されるビスベンゾトリアゾ
ール系化合物において、Aで示される炭素数1〜6のア
ルキレン基としては、例えばメチレン、エチレン、トリ
メチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメ
チレン、エチリデン、プロピレン、プロピリデン、イソ
プロピリデン、エチルエチレン、2−ブチリデン、1−
メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、2,2
−ジメチルトリメチレン等の、直鎖状または分岐状の基
が挙げられる。
【0036】一般式(1) 中のAは、上記アルキレン基を
示すほかに、オキシ基(−O−)、アミノ基(−NH
−)、チオ基(−S−)、スルフィニル基(−SO−)
またはスルホニル基(−SO2 −)等の基、あるいは単
結合を示す。Aが単結合を示す場合、Aを挟んで両側に
あるベンゾトリアゾリルフェノールが下記の一般式(17)
に示すように直接結合する。
【0037】一般式(1) 中、R1 およびR3 で示される
炭素数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、tert−ブチル等があげられる。ア
リール基としては、フェニル環上に炭素数1〜4のアル
キル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子等
を有することのあるフェニル、ナフチル基等が挙げられ
る。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えばメト
キシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等が挙げら
れる。ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0038】一般式(1) 中、R5 で示される炭素数1〜
12の直鎖状または分岐状のアルキレン基としては、前
記例示の炭素数1〜6のアルキレン基のほか、例えばヘ
プタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメ
チレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン等の、直鎖
状または分岐状である炭素数が7〜12のアルキレン基
が挙げられる。本発明においては、上記アルキレン基の
中でも特に炭素数が2〜4のものが好ましい。
【0039】一般式(1) 中、R6 およびR7 で示される
炭素数1〜10のアルキル基としては、前記炭素数1〜
4のアルキル基のほか、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル等の基が挙げられる。
【0040】また、鎖状ポリエステルの繰り返し単位の
数mを任意に変えることにより化合物の性状を結晶、ワ
ックス状またはオイル状に調整できる。
【0041】一般式(1) で表される本発明のビスベンゾ
トリアゾール系化合物は、具体的には一般式(11)〜(17)
で表される。
【0042】
【化5】
【0043】
【化6】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は前記と同じであ
る。(CH2 x は炭素数1〜6の直鎖状または分岐状
のアルキレン基を示す。) 本発明に用いられるビスベンゾトリアゾール系化合物
(1) の具体例な化合物名を以下に示す。 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(グリコロイル
オキシエチル)フェノール]、 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(3−ヒドロキ
シプロパノイルオキシエチル)フェノール]、 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(4−ヒドロキ
シブタノイルオキシエチル)フェノール]、 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(5−ヒドロキ
シヘプタノイルオキシエチル)フェノール]、 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(6−ヒドロキ
シヘキサノイルオキシエチル)フェノール]、 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(16−ヒドロ
キシ−4,11−ジオキソ−3,10−ジオキサヘキサ
デシル)フェノール]、 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(24−ヒドロ
キシ−4,11,18−トリオキソ−3,10,17−
トリオキサトリコシル)フェノール]、 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(31−ヒドロ
キシ−4,11,18,25−テトラオキソ−3,1
0,17,24−テトラオキサヘキサデシル)フェノー
ル]、 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(37−ヒドロ
キシ−4,11,18,25,32−ヘプタオキソ−
3,10,24,31−ヘプタオキサヘプタトリアコン
チル)フェノール] 上記例示のビスベンゾトリアゾール系化合物(1) は通常
単独で使用するが、二つ以上併用して使用することが可
能である。また、市販の汎用紫外線吸収剤、ヒンダード
アミン系光安定剤、その他の高分子添加剤と併用して使
用することもできる。
【0044】〔耐候性樹脂積層体の実施形態〕本発明の
耐候性樹脂積層体の第1の実施形態としては、ポリカー
ボネート系樹脂組成物からなる樹脂基材の一方の表面
に、ビスベンゾトリアゾール系化合物(1) を1〜50重
量%含有するアクリル系樹脂組成物からなる厚さ10〜
35μmの被覆層が設けたものが挙げられる。
【0045】上記第1の実施形態において、被覆層にお
けるビスベンゾトリアゾール系化合物(1) の含有量が1
重量%を下回ると、成形物であるポリカーボネート系樹
脂積層体に充分な耐候性を付与できなくなるおそれがあ
る。逆に、50重量%を超えてビスベンゾトリアゾール
系化合物(1) を含有させても、被覆層の紫外線吸収能に
変化がなく、かえって被覆層の成形性が低下したり、樹
脂基材であるポリカーボネート本来の透明性が損なわれ
てしまうおそれが生じる。ビスベンゾトリアゾール系化
合物(1) の含有量は、上記範囲の中でも特に1〜30重
量%であるのが好ましく、1〜15重量%であるのがよ
り好ましい。
【0046】また、上記第1の実施形態において、被覆
層の厚みが10μmを下回ると、樹脂積層体に充分な耐
候性を付与できなくなるおそれがある。一方、厚みが3
5μmを超えても紫外線吸収能をより一層向上させると
いう顕著な効果が見られず、製造コストを増大させるだ
けである。
【0047】本発明の耐候性樹脂積層体の第2の実施形
態としては、ポリカーボネート系樹脂組成物からなる樹
脂基材の一方の表面に、ビスベンゾトリアゾール系化合
物(1) を1〜5重量%含有するアクリル系樹脂組成物か
らなる厚さ10〜35μmの外層と、ビスベンゾトリア
ゾール系化合物(1) を1〜5重量%含有するポリカーボ
ネート樹脂組成物からなる厚さ10〜35μmの内層と
の2層からなる被覆層が設けたものが挙げられる。
【0048】上記第2の実施形態において、外側に設け
られたアクリル系樹脂組成物からなる被覆層および内側
に設けられたポリカーボネート系樹脂組成物からなる被
覆層におけるビスベンゾトリアゾール系化合物(1) の含
有量がそれぞれ1重量%を下回ると、樹脂積層体に充分
な耐候性を付与できなくなるおそれがある。逆に、5重
量%を超えてビスベンゾトリアゾール系化合物(1) を含
有させても、被覆層の紫外線吸収能をより一層向上させ
るという顕著な効果が見られず、製造コストを増大させ
るだけである。
【0049】また、上記第2の実施形態において、被覆
層の厚みが上記範囲を外れたときの問題点としては、前
述と同様である。
【0050】本発明の耐候性樹脂積層体の第3の実施形
態としては、ポリカーボネート系樹脂組成物からなる樹
脂基材の一方の表面に、ビスベンゾトリアゾール系化合
物(1) を1〜50重量%含有するポリカーボネート系樹
脂組成物からなる厚さ1〜35μmの被覆層が設けたも
のが挙げられる。
【0051】上記第3の実施形態において、被覆層にお
けるビスベンゾトリアゾール系化合物(1) の含有量が1
重量%を下回ると、成形物であるポリカーボネート系樹
脂積層体に充分な耐候性を付与できなくなるおそれがあ
る。逆に、50重量%を超えてビスベンゾトリアゾール
系化合物(1) を含有させても、被覆層の紫外線吸収能を
より一層向上させるという顕著な効果が見られず、製造
コストを増大させるだけである。ビスベンゾトリアゾー
ル系化合物(1) の含有量は、上記範囲の中でも特に1〜
30重量%であるのが好ましく、1〜15重量%である
のがより好ましい。
【0052】また、上記第3の実施形態において、被覆
層の厚みが上記範囲を外れたときの問題点としては、前
述と同様である。
【0053】上記第1〜3の実施形態において、樹脂基
材の厚みは特に限定されないが、樹脂積層体の機械的強
度等の観点から、通常0.01〜1mmに設定される。
樹脂基材の厚みが0.01mmを下回ると、樹脂積層体
の機械的強度等が不十分になるおそれがある。逆に、厚
みが1mmを超えると、樹脂積層体の透明性が損なわれ
るおそれがある。樹脂基材の厚みは、上記範囲の中で
も、特に0.05〜1mmであるのが好ましく、0.1
〜0.8mmであるのがより好ましい。
【0054】また、上記第1〜3の実施形態において、
樹脂基材を構成するポリカーボネート系樹脂組成物は、
ビスベンゾトリアゾール系化合物(1) を0.02〜5重
量%含有してもよい。この場合、ポリカーボネート系樹
脂本来の優れた透明性や耐衝撃性を損なうことなく、耐
候性をより一層高めることができる。
【0055】さらに、上記第1〜3の実施形態におい
て、被覆層は樹脂基材の両方の表面に設けてもよい。こ
の場合、ポリカーボネート系樹脂本来の優れた透明性や
耐衝撃性を損なうことなく、耐候性をより一層高めるこ
とができる。また、かかる耐候性樹脂積層体によれば、
高価なアクリル系樹脂組成物からなる被覆層を使用しな
くても、充分な耐候性を有するポリカーボネート系樹脂
積層体を得ることができる。
【0056】〔耐候性樹脂積層体の製造〕本発明の耐候
性樹脂積層体において、樹脂基材や被覆層、あるいは両
者の間に設けられる層を構成するポリカーボネート系樹
脂組成物やアクリル系樹脂組成物の製造方法については
何ら制限はなく、上記ビスベンゾトリアゾール系化合物
(1) を重合途中または重合後のポリカーボネート系樹脂
やアクリル系樹脂に配合することにより得ることができ
る。配合に際しては、バンバリーミキサー、押出機、ロ
ール等公知の混合機を用いることができる。
【0057】なお、ポリカーボネート系樹脂組成物やア
クリル系樹脂組成物に対し、必要に応じて他の添加剤、
例えば着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、滑
剤、難燃剤等を適宜配合することもできる。
【0058】上述のポリカーボネート系樹脂組成物やア
クリル系樹脂組成物を用いてシート基材や被覆層を作成
する方法についても特に制限はなく、Tダイフィルムキ
ャスト押出機、インフレーションフィルム装置等の公知
にフィルム押出装置にて各々の層を作製することができ
る。
【0059】また、本発明の積層体を製造する方法とし
ては、例えばポリカーボネート系樹脂からなるシート基
材に接着剤を介して被覆層を接合する方法、シート基材
の押出成形と同時に被覆層を供給してラミネートする方
法、シート基材や被覆層等を同時に共押出する方法等が
挙げられる。
【0060】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
【0061】〔ビスベンゾトリアゾール系化合物の製
造〕 合成例1 冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた四
頭フラスコに2,2’−メチレンビス[6−(2H−
1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−
(2−ヒドロキシエチル)フェノール](商品名「RU
VA−100」、大塚化学(株)製)129.3gおよ
びε−カプロラクトン(ダイセル化学工業(株)製)1
70.3gを加え、さらにモノ−n−ブチルスズ脂肪酸
塩(商品名「SCAT−24」、三共有機合成(株)
製)を50ppmの割合で加えた。
【0062】次いで、反応温度を150℃に保ちながら
6時間反応して、目的化合物である2,2’−メチレン
ビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−
2−イル)−4−(2,3−ヒドロキシ−4,11,1
8−トリオキソ−3,10,17−トリオキサトリコシ
ル)フェノール]を得た(収率98%)。
【0063】目的化合物は粘調性のあるオイルであっ
て、酸価(mgKOH/g)1.8、粘度2645cP
(60℃)、数平均分子量(Mn)1391、重量平均
分子量(Mw)1688およびMw/Mn=1.213
であった。
【0064】合成例2 「RUVA−100」の配合量を93.7gとし、ε−
カプロラクトンの配合量を206.3gとしたほかは、
合成例1と同様にして反応を行い、目的化合物である
2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベ
ンゾトリアゾール−2−イル)−4−(37−ヒドロキ
シ−4,11,18,25,32−ヘプタオキソ−3,
10,24,31−ヘプタオキサヘプタトリアコンチ
ル)フェノール]を得た(収率98%)。
【0065】目的化合物はワックス状の固体であって、
酸価(mgKOH/g)2.5、粘度987cP(60
℃)、Mn=2017、Mw=2465およびMw/M
n=1.222であった。
【0066】〔耐候性樹脂積層体の製造〕 実施例1 耐衝撃性に優れたアクリル樹脂ペレット(商品名「アク
リペットIRH70」、三菱レイヨン(株)製)100
重量部に対して、紫外線吸収剤(合成例1で得られたビ
スベンゾトリアゾール系化合物)1重量部を混合した
後、混練タイプのスクリューとフィルム用口金とを組合
わせた40mmφの単軸押出機に投入して製膜し、アク
リル系樹脂組成物からなる厚さ30μmのフィルム(被
覆層)を得た。
【0067】次いで、ポリカーボネートペレット(商品
名「ノバレックス7027P」、三菱化学(株)製)1
00重量部に対して前記紫外線吸収剤1重量部を添加し
て、前述と同様な方法で製膜し、ポリカーボネート系樹
脂組成物からなる厚さ20μmのフィルムを得た。
【0068】さらに、前出の「ノバレックス7027
P」に紫外線吸収剤を添加せずに、前述と同様な方法で
製膜し、厚さ1mmのシート基材を作製するとともに、
その際、あらかじめ作製した厚さ30μmの被覆層と、
ポリカーボネート系樹脂組成物からなる厚さ20μmの
フィルムとを両面からラミネートした。
【0069】こうして、ポリカーボネートからなる厚さ
1mmのシート状樹脂基材の一方の表面に、ビスベンゾ
トリアゾール系化合物(1) を1重量%含有するアクリル
系樹脂組成物からなる被覆層を有し、他方の表面にビス
ベンゾトリアゾール系化合物(1) を1重量%含有するポ
リカーボネート系樹脂組成物からなる層を有する耐候性
樹脂積層体を得た。
【0070】こうして得られた積層体について耐候性試
験を行った。試験は、JIS K−6735(ポリカー
ボネート板)に基づくJIS A−1415(プラスチ
ック建築材料の促進曝露試験方法)に規定の方法に従っ
て、供試試料の被覆層に向けて紫外線を照射して200
時間曝露し、曝露後の試料についてJIS K−710
3(プラスチック黄色度及び黄変度試験方法)に規定さ
れている黄変度を測定するとともに、顕微鏡により照射
面のクラック発生状況を観察した。
【0071】本発明において、黄変度(ΔYI)は、曝
露後の試料を白紙上に載せたときに目視で黄変を判別し
得る限界値(ΔYI=5)以下であればよい。
【0072】耐候性試験の結果を表1に示す。
【0073】実施例2 紫外線吸収剤として、合成例2で得られたビスベンゾト
リアゾール系化合物1重量部を用いたほかは、実施例1
と同様にして耐候性樹脂積層体を得た。
【0074】実施例3 前出のアクリル樹脂ペレット(「アクリペットIRH7
0」)100重量部に対して、紫外線吸収剤(合成例1
で得られたビスベンゾトリアゾール系化合物)2重量部
を混合したほかは、実施例1と同様にして厚さ30μm
の被覆層を得た。
【0075】次いで、前出のポリカーボネートペレット
(「ノバレックス7027P」)に紫外線吸収剤を添加
せずに、前述と同様な方法で製膜し、厚さ1mmのシー
ト基材を作製するとともに、その際、上記被覆層をラミ
ネートした。
【0076】こうして、ポリカーボネートからなる厚さ
1mmのシート状樹脂基材の表面に、ビスベンゾトリア
ゾール系化合物(1) を1重量%含有するアクリル系樹脂
組成物からなる被覆層を有する耐候性樹脂積層体を得
た。
【0077】実施例4 紫外線吸収剤として、合成例2で得られたビスベンゾト
リアゾール系化合物2重量部を用いたほかは、実施例3
と同様にして耐候性ポリカーボネート系樹脂積層体を得
た。
【0078】実施例5 前出のポリカーボネートペレット(「ノバレックス70
27P」)100重量部に対して、紫外線吸収剤(合成
例1で得られたビスベンゾトリアゾール系化合物)2重
量部を混合した後、混練タイプのスクリューとフィルム
用口金とを組合わせた40mmφの単軸押出機に投入し
て製膜し、ポリカーボネート系樹脂組成物からなる厚さ
30μmのフィルム(被覆層)を得た。
【0079】次いで、前出の「ノバレックス7027
P」に紫外線吸収剤を添加せずに、前述と同様な方法で
製膜し、厚さ1mmのシート基材を作製するとともに、
その際、上記被覆層をラミネートした。
【0080】こうして、ポリカーボネートからなる厚さ
1mmのシート状樹脂基材の表面に、ビスベンゾトリア
ゾール系化合物(1) を1重量%含有するポリカーボネー
ト系樹脂組成物からなる被覆層を有する耐候性樹脂積層
体を得た。
【0081】比較例1 前出のアクリル樹脂ペレット(「アクリペットIRH7
0」)100重量部に対して、市販の紫外線吸収剤(商
品名「チヌビン234」、チバガイギー製)1重量部を
混合したほかは、実施例1と同様にして被覆層を得た。
【0082】次いで、前出のポリカーボネートペレット
(「ノバレックス7027P」)100重量部に対して
前出の紫外線吸収剤(「チヌビン234」)1重量部を
添加して、前述と同様な方法で製膜し、ポリカーボネー
ト系樹脂組成物からなる厚さ20μmのフィルムを得
た。
【0083】さらに、前出の「ノバレックス7027
P」に紫外線吸収剤を添加せずに、前述と同様な方法で
製膜し、厚さ1mmのシート基材を作製するとともに、
その際、あらかじめ作製した厚さ30μmの被覆層と、
ポリカーボネート系樹脂組成物からなる厚さ20μmの
フィルムとを両面からラミネートした。
【0084】こうして、ポリカーボネートからなる厚さ
1mmのシート状樹脂基材の一方の表面に、市販の紫外
線吸収剤を1重量%含有するアクリル系樹脂組成物から
なる被覆層を有し、他方の表面に市販の紫外線吸収剤を
1重量%含有するポリカーボネート系樹脂組成物からな
る層を有する耐候性樹脂積層体を得た。
【0085】実施例2〜5および比較例1で得られた耐
候性樹脂積層体について、実施例1と同様にして耐候性
試験を行った。その結果を表1に示す。
【0086】
【表1】 表1より明らかなように、一般式(1) で表されるビスベ
ンゾトリアゾール系化合物を紫外線吸収剤として使用し
た実施例1〜5の耐候性樹脂積層体は、黄変度が非常に
小さくかつクラック発生も認められなかった。すなわ
ち、非常に耐候性に優れたものであることがわかった。
【0087】これに対し、市販の紫外線吸収剤を使用し
た比較例1では、黄変度が高く、かつクラックの発生も
顕著であった。
【0088】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の耐候性樹
脂積層体によれば、屋外での使用に供したとしても、太
陽光による劣化がほとんどなく、長期間にわたって優れ
た耐候性を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 耐候性樹脂積層体
【特許請求の範囲】
【化1】 〔式中、Aは直接結合するか、炭素数1〜6のアルキレ
ン基、基:−O−、基:−NH−、基:−S−、基:−
SO−または基:−SO2 −を示す。R1 およびR3
同一または異なって、水素原子、炭素数1〜4のアルキ
ル基、アリール基、炭素数1〜4のアルコキシ基または
ハロゲン原子を示す。R2 およびR4 は同一または異な
って、基(2) :
【化2】 (式中、R5 は直接結合するか、炭素数1〜12の直鎖
状または分岐状のアルキレン基を示す。R6 およびR7
は同一または異なって、水素または炭素数1〜10のア
ルキル基を示す。mは1〜20の整数を示し、nは1〜
10の整数を示す。)を示す。〕で表わされるベンゾト
リアゾール系化合物を1〜50重量%含有する、アクリ
ル系樹脂組成物からなる厚さ10〜35μmの樹脂層を
設けたことを特徴とする耐候性樹脂積層体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築、道路施設、
建設機械等に好適に用いられる、ポリカーボネート系樹
脂積層体等の耐候性樹脂積層体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】例え
ばポリカーボネート系樹脂等の優れた透明性と耐衝撃性
を有する樹脂は、従来より各種厚みの平板状、波板状、
折版(角波板)状に加工して、建築、道路施設、農業分
野等に広く使用されている。しかし、例えばポリカーボ
ネート系樹脂からなるシートを屋外で使用すると紫外線
により劣化し、変色するため、紫外線に対する防護層が
必要になる。そこで、特開平8−72208号公報に
は、ポリカーボネートシートを紫外線から保護するため
に、0.25〜5.0重量%程度の紫外線吸収剤を含有
するアクリレート系組成物からなるフィルムでポリカー
ボネートシートを被覆したプラスチック多層シートが開
示されている。
【0003】しかしながら、上記公報で使用されている
従来公知の添加型紫外線吸収剤では、単位重量当たりの
紫外線吸収能が低いため、充分な紫外線吸収能を得よう
とすると添加量が増大して、コストが高くなったり、成
形性が低下したりする。また、従来公知の添加型紫外線
吸収剤を用いた場合、かかる紫外線吸収剤の大部分が低
分子化合物であって蒸気圧が高いため、成形加工時に蒸
散するという問題が生じる。さらに、樹脂との相溶性も
充分ではないため、成形体表面から経時的にブリードア
ウトしたり、特に屋外で使用する場合には雨や洗剤を含
む水等によって紫外線吸収剤が流れ出てしまうという問
題もある。
【0004】このため、従来の添加型紫外線吸収剤で
は、樹脂に充分な耐候性を付与する事が困難であって、
例えばポリカーボネート樹脂においては、その優れた透
明性と耐衝撃性とを長期にわたって維持することができ
なかった。また、従来公知の添加型紫外線吸収剤の中で
も、特にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は紫外線吸
収能に優れた化合物であるものの、結晶性が高く、樹脂
との相溶性が低いため、これを添加すると樹脂の機械的
強度が低下するという問題があった。
【0005】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、優れた耐候性を有し、長期間にわたって優れた透明
性や耐衝撃性を維持することのできる樹脂積層体を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、一般式(1):
【0007】
【化3】
【0008】〔式中、Aは直接結合するか、炭素数1〜
6のアルキレン基、基:−O−、基:−NH−、基:−
S−、基:−SO−または基:−SO2 −を示す。R1
およびR3 は同一または異なって、水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基、アリール基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基またはハロゲン原子を示す。R2 およびR4 は同
一または異なって、基(2) :
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R5 は直接結合するか、炭素数1
〜12の直鎖状または分岐状のアルキレン基を示す。R
6 およびR7 は同一または異なって、水素または炭素数
1〜10のアルキル基を示す。mは1〜20の整数を示
し、nは1〜10の整数を示す。)を示す。〕で表わさ
れるベンゾトリアゾール系化合物を含有する樹脂層をポ
リカーボネート系樹脂組成物からなる基材に積層すれ
ば、耐候性に優れ、優れた透明性と耐衝撃性とを長期間
にわたって維持することのできる樹脂積層体が得られる
という新たな事実を見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】すなわち、本発明の樹脂積層体は、ポリカ
ーボネート系樹脂組成物からなる基材の少なくとも一方
の表面に、前記一般式(1) で表わされるベンゾトリアゾ
ール系化合物を所定量含有する、アクリル系樹脂組成物
および/またはポリカーボネート系樹脂組成物からなる
所定の厚みの樹脂層を設けたことを特徴とする。前記ビ
スベンゾトリアゾール系化合物(1) は、単位重量当たり
の紫外線吸収能が極めて高く、従来の添加型紫外線吸収
剤よりも優れている。また、融点が高いことに起因して
耐蒸散性が高く、さらに樹脂との相溶性も高いことか
ら、成形加工時に蒸散したり、成形体の表面からブリー
ドアウトすることがない。さらに、耐金属イオン性にも
優れている。
【0012】従って、上記ビスベンゾトリアゾール系化
合物(1) を紫外線吸収剤として使用した上記本発明の耐
候性樹脂積層体によれば、ポリカーボネート系樹脂組成
物からなる基材の透明性や耐衝撃性を損なうことなく、
優れた耐候性を発現することができる。本発明の耐候性
樹脂積層体において、樹脂基材がポリカーボネート系
樹脂組成物からなることから、ポリカーボネート系樹脂
本来の優れた透明性や耐衝撃性を損なうことなく、優れ
た耐候性を付与することができる。
【0013】また、前記樹脂基材がビスベンゾトリアゾ
ール系化合物(1) を0.02〜5重量%含有するとき
は、ポリカーボネート系樹脂本来の優れた透明性や耐衝
撃性を損なうことなく、耐候性をより一層向上させるこ
とができる。本発明の耐候性樹脂積層体において、樹脂
層が、(a) ビスベンゾトリアゾール系化合物(1) を1〜
50重量%含有するアクリル系樹脂組成物からなる厚さ
10〜35μmの層、(b) ビスベンゾトリアゾール系化
合物(1) を1〜5重量%含有するアクリル系樹脂組成物
からなる厚さ10〜35μmの外層(第2の層)と、ビ
スベンゾトリアゾール系化合物(1) を1〜5重量%含有
するポリカーボネート系樹脂組成物からなる厚さ15〜
100μmの内層(第1の層)との2層構造、または
(c) ビスベンゾトリアゾール系化合物(1) を1〜50重
量%含有するポリカーボネート系樹脂組成物からなる厚
さ1〜35μmの層であるときは、とりわけ樹脂基材が
ポリカーボネート系樹脂組成物からなる場合において、
樹脂積層体に耐候性を付与するという効果がより一層優
れたものとなる。
【0014】また、本発明の耐候性樹脂組成物は、上記
例示の樹脂層がポリカーボネート系樹脂組成物からなる
基材の両面に設けられたものであってもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の耐候性樹脂積層体
について詳細に説明する。本発明の耐候性樹脂積層体に
おいて、ポリカーボネート系樹脂組成物からなる基材の
形状は特に限定されるものではなく、例えばシート状、
フィルム状等の種々の形状を用いることができる。ま
た、樹脂基材の厚みも特に限定されるものではなく、樹
脂の種類、機械的強度、耐候性樹脂積層体の用途等の観
点から適宜設定することができる。
【0016】一方、本発明の耐候性樹脂積層体における
樹脂層には、例えばポリカーボネート系樹脂、アクリル
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、アセテート系樹脂、シリコーン系樹脂等
の従来公知の種々の樹脂を用いることができるが、例え
ば樹脂基材としてポリカーボネート系樹脂が本来有す
る優れた透明性や耐衝撃性を損なわないようするため、
樹脂層における樹脂としてポリカーボネート系樹脂やア
クリル系樹脂を用いるのが好ましい。
【0017】樹脂層の厚みは特に限定されるものではな
く、ポリカーボネート系樹脂組成物からなる基材本来の
機械的強度や、透明性等の特性を損なわない範囲で、あ
るいは耐候性樹脂積層体の用途に応じて適宜設定するこ
とができる。 〔ポリカーボネート系樹脂〕本発明において使用される
ポリカーボネート系樹脂とは、種々のジヒドロキシジア
リール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、ま
たはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボ
ネート等の炭酸エステルとを反応させるエステル交換法
によって得られる重合体であり、代表的なものとして
は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(ビスフェノール−A)から製造されたポリカーボネー
ト樹脂が挙げられる。
【0018】上記ジヒドロキシジアリール化合物として
は、ビスフェノールAの他に、例えばビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニ
ルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3
−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジクロロフェニル)プロパン等のビス(ヒドロ
キシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキ
シアリール)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルジフェニルエーテル等のジヒドロキシジ
アリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ
メチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリー
ルスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメ
チルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリー
ルスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニル
スルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチ
ルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスル
ホン類等が挙げられる。
【0019】これらは単独または2種類以上混合して使
用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジル
ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニル等を混合して使用してもよい。さらに、上記
のジヒドロキシアリール化合物とともに3価以上のフェ
ノール化合物を混合して使用してもよい。3価以上のフ
ェノールとしては、例えばフロログルシン、4,6−ジ
メチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−
トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,
3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾー
ル、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−
エタンおよび2,2−ビス−〔4,4−(4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル〕−プロパン
等があげられる。
【0020】ポリカーボネート系樹脂の粘度平均分子量
は通常10000〜100000、好ましくは1000
0〜40000である。かかるポリカーボネート系樹脂
を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じ
て使用することができる。 〔アクリル系樹脂〕本発明において使用されるアクリル
系樹脂としては、種々の(メタ)アクリル酸エステルを
塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の重合方法によ
って得られる重合体であって、代表的なものとしては、
メタクリル酸メチルのホモポリマーであるメタクリル酸
メチル(MMA)等が挙げられる。
【0021】上記(メタ)アクリル酸エステルとして
は、メタクリル酸メチルのほかに、例えばアクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸イソブチル、アクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−ヘキシル等が挙げられる。これら
は単独で、または2種以上を混合して用いられる。
【0022】アクリル系樹脂の重量平均分子量は通常5
000〜1000000、好ましくは10000〜50
0000である。かかるアクリル系樹脂を製造するに際
し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用すること
ができる。 〔ビスベンゾトリアゾール系化合物〕本発明に用いられ
る一般式(1) で表されるビスベンゾトリアゾール系化合
物は蒸気圧が極めて低く、分解温度も350℃以上と、
従来の添加型紫外線吸収剤に比べて著しく高いので、ポ
リカーボネート系樹脂やアクリル系樹脂に配合して成形
加工する際に蒸散、分解等を引き起こすことがない。
【0023】また、ビスベンゾトリアゾール系化合物
(1) の分子中、一方のベンゾトリアゾリルフェノールが
もう一方のベンゾトリアゾリルフェノールのフェノール
性水酸基に対して嵩高い置換基となるため、当該フェノ
ール性水酸基を保護する。その結果、金属イオンとの接
触によって変色するなどの問題がなく、優れた耐金属イ
オン性を有する。
【0024】さらに、長鎖ポリエステル基を分子中に複
数個有するため、汎用樹脂に対して極めて高い相溶性を
示す。従って、ポリカーボネート系樹脂やアクリル系樹
脂に配合した後、ブリードアウトするという問題が生じ
るおそれが極めて少ない。また、ポリカーボネート系樹
脂に配合して押出成形等によって加工すると、エステル
交換反応によって、ビスベンゾトリアゾール系化合物
(1) 中の基(2) で表される部分とポリカーボネート系樹
脂の主鎖または側鎖とが反応することがあり、この場合
には、前述のブリードアウトという問題を生じることが
なくなる。
【0025】一般式(1) で表されるビスベンゾトリアゾ
ール系化合物において、Aで示される炭素数1〜6のア
ルキレン基としては、例えばメチレン、エチレン、トリ
メチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメ
チレン、エチリデン、プロピレン、プロピリデン、イソ
プロピリデン、エチルエチレン、2−ブチリデン、1−
メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、2,2
−ジメチルトリメチレン等の、直鎖状または分岐状の基
が挙げられる。
【0026】一般式(1) 中のAは、上記アルキレン基を
示すほかに、オキシ基(−O−)、アミノ基(−NH
−)、チオ基(−S−)、スルフィニル基(−SO−)
またはスルホニル基(−SO2 −)等の基、あるいは単
結合を示す。Aが単結合を示す場合、Aを挟んで両側に
あるベンゾトリアゾリルフェノールが下記の一般式(17)
に示すように直接結合する。
【0027】一般式(1) 中、R1 およびR3 で示される
炭素数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、tert−ブチル等があげられる。ア
リール基としては、フェニル環上に炭素数1〜4のアル
キル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子等
を有することのあるフェニル、ナフチル基等が挙げられ
る。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えばメト
キシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等が挙げら
れる。ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0028】一般式(1) 中、R5 で示される炭素数1〜
12の直鎖状または分岐状のアルキレン基としては、前
記例示の炭素数1〜6のアルキレン基のほか、例えばヘ
プタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメ
チレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン等の、直鎖
状または分岐状である炭素数が7〜12のアルキレン基
が挙げられる。本発明においては、上記アルキレン基の
中でも特に炭素数が2〜4のものが好ましい。
【0029】一般式(1) 中、R6 およびR7 で示される
炭素数1〜10のアルキル基としては、前記炭素数1〜
4のアルキル基のほか、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル等の基が挙げられる。ま
た、鎖状ポリエステルの繰り返し単位の数mを任意に変
えることにより化合物の性状を結晶、ワックス状または
オイル状に調整できる。
【0030】一般式(1) で表される本発明のビスベンゾ
トリアゾール系化合物は、具体的には一般式(11)〜(17)
で表される。
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は前
記と同じである。(CH2 x は炭素数1〜6の直鎖状
または分岐状のアルキレン基を示す。) 本発明に用いられるビスベンゾトリアゾール系化合物
(1) の具体例な化合物名を以下に示す。 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(グリコロイル
オキシエチル)フェノール]、 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(3−ヒドロキ
シプロパノイルオキシエチル)フェノール]、 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(4−ヒドロキ
シブタノイルオキシエチル)フェノール]、 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(5−ヒドロキ
シヘプタノイルオキシエチル)フェノール]、 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(6−ヒドロキ
シヘキサノイルオキシエチル)フェノール]、 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(16−ヒドロ
キシ−4,11−ジオキソ−3,10−ジオキサヘキサ
デシル)フェノール]、 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(24−ヒドロ
キシ−4,11,18−トリオキソ−3,10,17−
トリオキサトリコシル)フェノール]、 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(31−ヒドロ
キシ−4,11,18,25−テトラオキソ−3,1
0,17,24−テトラオキサヘキサデシル)フェノー
ル]、 ・2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(37−ヒドロ
キシ−4,11,18,25,32−ヘプタオキソ−
3,10,24,31−ヘプタオキサヘプタトリアコン
チル)フェノール] 上記例示のビスベンゾトリアゾール系化合物(1) は通常
単独で使用するが、二つ以上併用して使用することが可
能である。また、市販の汎用紫外線吸収剤、ヒンダード
アミン系光安定剤、その他の高分子添加剤と併用して使
用することもできる。
【0034】〔耐候性樹脂積層体の実施形態〕本発明の
耐候性樹脂積層体の第1の実施形態としては、ポリカー
ボネート系樹脂組成物からなる樹脂基材の一方の表面
に、ビスベンゾトリアゾール系化合物(1) を1〜50重
量%含有するアクリル系樹脂組成物からなる厚さ10〜
35μmの樹脂設けたものが挙げられる。
【0035】上記第1の実施形態において、樹脂層にお
けるビスベンゾトリアゾール系化合物(1) の含有量が1
重量%を下回ると、成形物であるポリカーボネート系樹
脂積層体に充分な耐候性を付与できなくなるおそれがあ
る。逆に、50重量%を超えてビスベンゾトリアゾール
系化合物(1) を含有させても、樹脂層の紫外線吸収能に
変化がなく、かえって樹脂層の成形性が低下したり、樹
脂基材であるポリカーボネート本来の透明性が損なわれ
てしまうおそれが生じる。ビスベンゾトリアゾール系化
合物(1) の含有量は、上記範囲の中でも特に1〜30重
量%であるのが好ましく、1〜15重量%であるのがよ
り好ましい。
【0036】また、上記第1の実施形態において、樹脂
層の厚みが10μmを下回ると、樹脂積層体に充分な耐
候性を付与できなくなるおそれがある。一方、厚みが3
5μmを超えても紫外線吸収能をより一層向上させると
いう顕著な効果が見られず、製造コストを増大させるだ
けである。本発明の耐候性樹脂積層体の第2の実施形態
としては、ポリカーボネート系樹脂組成物からなる樹脂
基材の一方の表面に、ビスベンゾトリアゾール系化合物
(1) を1〜5重量%含有するアクリル系樹脂組成物から
なる厚さ10〜35μmの外層(第2の樹脂層)と、ビ
スベンゾトリアゾール系化合物(1) を1〜5重量%含有
するポリカーボネート樹脂組成物からなる厚さ10〜3
5μmの内層(第1の樹脂層)との2層からなる樹脂
設けたものが挙げられる。
【0037】上記第2の実施形態において、外側に設け
られたアクリル系樹脂組成物からなる第2の樹脂層およ
び内側に設けられたポリカーボネート系樹脂組成物から
なる第1の樹脂層におけるビスベンゾトリアゾール系化
合物(1) の含有量がそれぞれ1重量%を下回ると、樹脂
積層体に充分な耐候性を付与できなくなるおそれがあ
る。逆に、5重量%を超えてビスベンゾトリアゾール系
化合物(1) を含有させても、樹脂層の紫外線吸収能をよ
り一層向上させるという顕著な効果が見られず、製造コ
ストを増大させるだけである。
【0038】また、上記第2の実施形態において、樹脂
層の厚みが上記範囲を外れたときの問題点としては、前
述と同様である。本発明の耐候性樹脂積層体の第3の実
施形態としては、ポリカーボネート系樹脂組成物からな
る樹脂基材の一方の表面に、ビスベンゾトリアゾール系
化合物(1) を1〜50重量%含有するポリカーボネート
系樹脂組成物からなる厚さ1〜35μmの樹脂設け
たものが挙げられる。
【0039】上記第3の実施形態において、樹脂層にお
けるビスベンゾトリアゾール系化合物(1) の含有量が1
重量%を下回ると、成形物であるポリカーボネート系樹
脂積層体に充分な耐候性を付与できなくなるおそれがあ
る。逆に、50重量%を超えてビスベンゾトリアゾール
系化合物(1) を含有させても、樹脂層の紫外線吸収能を
より一層向上させるという顕著な効果が見られず、製造
コストを増大させるだけである。ビスベンゾトリアゾー
ル系化合物(1) の含有量は、上記範囲の中でも特に1〜
30重量%であるのが好ましく、1〜15重量%である
のがより好ましい。
【0040】また、上記第3の実施形態において、樹脂
層の厚みが上記範囲を外れたときの問題点としては、前
述と同様である。上記第1〜3の実施形態において、
リカーボネート系樹脂組成物からなる基材の厚みは特に
限定されないが、樹脂積層体の機械的強度等の観点か
ら、通常0.01〜1mmに設定される。前記基材の厚
みが0.01mmを下回ると、樹脂積層体の機械的強度
等が不十分になるおそれがある。逆に、厚みが1mmを
超えると、樹脂積層体の透明性が損なわれるおそれがあ
る。前記基材の厚みは、上記範囲の中でも、特に0.0
5〜1mmであるのが好ましく、0.1〜0.8mmで
あるのがより好ましい。
【0041】また、上記第1〜3の実施形態において、
樹脂基材を構成するポリカーボネート系樹脂組成物は、
ビスベンゾトリアゾール系化合物(1) を0.02〜5重
量%含有してもよい。この場合、ポリカーボネート系樹
脂本来の優れた透明性や耐衝撃性を損なうことなく、耐
候性をより一層高めることができる。さらに、上記第1
〜3の実施形態において、樹脂層はポリカーボネート系
樹脂組成物からなる基材の両方の表面に設けてもよい。
この場合、ポリカーボネート系樹脂本来の優れた透明性
や耐衝撃性を損なうことなく、耐候性をより一層高める
ことができる。また、かかる耐候性樹脂積層体によれ
ば、高価なアクリル系樹脂組成物からなる樹脂層を使用
しなくても、充分な耐候性を有するポリカーボネート系
樹脂積層体を得ることができる。
【0042】〔耐候性樹脂積層体の製造〕本発明の耐候
性樹脂積層体において、樹脂基材や樹脂層、あるいは両
者の間に設けられる層を構成するポリカーボネート系樹
脂組成物やアクリル系樹脂組成物の製造方法については
何ら制限はなく、上記ビスベンゾトリアゾール系化合物
(1) を重合途中または重合後のポリカーボネート系樹脂
やアクリル系樹脂に配合することにより得ることができ
る。配合に際しては、バンバリーミキサー、押出機、ロ
ール等公知の混合機を用いることができる。
【0043】なお、ポリカーボネート系樹脂組成物やア
クリル系樹脂組成物に対し、必要に応じて他の添加剤、
例えば着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、滑
剤、難燃剤等を適宜配合することもできる。上述のポリ
カーボネート系樹脂組成物やアクリル系樹脂組成物を用
いてシート基材や樹脂層を作成する方法についても特に
制限はなく、Tダイフィルムキャスト押出機、インフレ
ーションフィルム装置等の公知にフィルム押出装置にて
各々の層を作製することができる。
【0044】また、本発明の積層体を製造する方法とし
ては、例えばポリカーボネート系樹脂からなるシート基
材に接着剤を介して樹脂層を接合する方法、シート基材
の押出成形と同時に樹脂層を供給してラミネートする方
法、シート基材や樹脂層等を同時に共押出する方法等が
挙げられる。
【0045】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。 〔ビスベンゾトリアゾール系化合物の製造〕合成例1 冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた四
頭フラスコに2,2’−メチレンビス[6−(2H−
1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−
(2−ヒドロキシエチル)フェノール](商品名「RU
VA−100」、大塚化学(株)製)129.3gおよ
びε−カプロラクトン(ダイセル化学工業(株)製)1
70.3gを加え、さらにモノ−n−ブチルスズ脂肪酸
塩(商品名「SCAT−24」、三共有機合成(株)
製)を50ppmの割合で加えた。
【0046】次いで、反応温度を150℃に保ちながら
6時間反応して、目的化合物である2,2’−メチレン
ビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−
2−イル)−4−(2,3−ヒドロキシ−4,11,1
8−トリオキソ−3,10,17−トリオキサトリコシ
ル)フェノール]を得た(収率98%)。目的化合物は
粘調性のあるオイルであって、酸価(mgKOH/g)
1.8、粘度2645cP(60℃)、数平均分子量
(Mn)1391、重量平均分子量(Mw)1688お
よびMw/Mn=1.213であった。
【0047】合成例2 「RUVA−100」の配合量を93.7gとし、ε−
カプロラクトンの配合量を206.3gとしたほかは、
合成例1と同様にして反応を行い、目的化合物である
2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベ
ンゾトリアゾール−2−イル)−4−(37−ヒドロキ
シ−4,11,18,25,32−ヘプタオキソ−3,
10,24,31−ヘプタオキサヘプタトリアコンチ
ル)フェノール]を得た(収率98%)。
【0048】目的化合物はワックス状の固体であって、
酸価(mgKOH/g)2.5、粘度987cP(60
℃)、Mn=2017、Mw=2465およびMw/M
n=1.222であった。 〔耐候性樹脂積層体の製造〕 実施例1 耐衝撃性に優れたアクリル樹脂ペレット(商品名「アク
リペットIRH70」、三菱レイヨン(株)製)100
重量部に対して、紫外線吸収剤(合成例1で得られたビ
スベンゾトリアゾール系化合物)1重量部を混合した
後、混練タイプのスクリューとフィルム用口金とを組合
わせた40mmφの単軸押出機に投入して製膜し、アク
リル系樹脂組成物からなる厚さ30μmのフィルム(
層)を得た。
【0049】次いで、ポリカーボネートペレット(商品
名「ノバレックス7027P」、三菱化学(株)製)1
00重量部に対して前記紫外線吸収剤1重量部を添加し
て、前述と同様な方法で製膜し、ポリカーボネート系樹
脂組成物からなる厚さ20μmのフィルムを得た。さら
に、前出の「ノバレックス7027P」に紫外線吸収剤
を添加せずに、前述と同様な方法で製膜し、厚さ1mm
のシート基材を作製するとともに、その際、あらかじめ
作製した厚さ30μmの樹脂層と、ポリカーボネート系
樹脂組成物からなる厚さ20μmのフィルムとを両面か
らラミネートした。
【0050】こうして、ポリカーボネートからなる厚さ
1mmのシート状樹脂基材の一方の表面に、ビスベンゾ
トリアゾール系化合物(1) を1重量%含有するアクリル
系樹脂組成物からなる樹脂層を有し、他方の表面にビス
ベンゾトリアゾール系化合物(1) を1重量%含有するポ
リカーボネート系樹脂組成物からなる層を有する耐候性
樹脂積層体を得た。
【0051】こうして得られた積層体について耐候性試
験を行った。試験は、JIS K−6735(ポリカー
ボネート板)に基づくJIS A−1415(プラスチ
ック建築材料の促進曝露試験方法)に規定の方法に従っ
て、供試試料の樹脂層に向けて紫外線を照射して200
時間曝露し、曝露後の試料についてJIS K−710
3(プラスチック黄色度及び黄変度試験方法)に規定さ
れている黄変度を測定するとともに、顕微鏡により照射
面のクラック発生状況を観察した。
【0052】本発明において、黄変度(ΔYI)は、曝
露後の試料を白紙上に載せたときに目視で黄変を判別し
得る限界値(ΔYI=5)以下であればよい。耐候性試
験の結果を表1に示す。 実施例2 紫外線吸収剤として、合成例2で得られたビスベンゾト
リアゾール系化合物1重量部を用いたほかは、実施例1
と同様にして耐候性樹脂積層体を得た。
【0053】実施例3 前出のアクリル樹脂ペレット(「アクリペットIRH7
0」)100重量部に対して、紫外線吸収剤(合成例1
で得られたビスベンゾトリアゾール系化合物)2重量部
を混合したほかは、実施例1と同様にして厚さ30μm
樹脂層を得た。
【0054】次いで、前出のポリカーボネートペレット
(「ノバレックス7027P」)に紫外線吸収剤を添加
せずに、前述と同様な方法で製膜し、厚さ1mmのシー
ト基材を作製するとともに、その際、上記樹脂層をラミ
ネートした。こうして、ポリカーボネートからなる厚さ
1mmのシート状樹脂基材の表面に、ビスベンゾトリア
ゾール系化合物(1) を1重量%含有するアクリル系樹脂
組成物からなる樹脂層を有する耐候性樹脂積層体を得
た。
【0055】実施例4 紫外線吸収剤として、合成例2で得られたビスベンゾト
リアゾール系化合物2重量部を用いたほかは、実施例3
と同様にして耐候性ポリカーボネート系樹脂積層体を得
た。 実施例5 前出のポリカーボネートペレット(「ノバレックス70
27P」)100重量部に対して、紫外線吸収剤(合成
例1で得られたビスベンゾトリアゾール系化合物)2重
量部を混合した後、混練タイプのスクリューとフィルム
用口金とを組合わせた40mmφの単軸押出機に投入し
て製膜し、ポリカーボネート系樹脂組成物からなる厚さ
30μmのフィルム(樹脂層)を得た。
【0056】次いで、前出の「ノバレックス7027
P」に紫外線吸収剤を添加せずに、前述と同様な方法で
製膜し、厚さ1mmのシート基材を作製するとともに、
その際、上記樹脂層をラミネートした。こうして、ポリ
カーボネートからなる厚さ1mmのシート状樹脂基材の
表面に、ビスベンゾトリアゾール系化合物(1) を1重量
%含有するポリカーボネート系樹脂組成物からなる樹脂
層を有する耐候性樹脂積層体を得た。
【0057】比較例1 前出のアクリル樹脂ペレット(「アクリペットIRH7
0」)100重量部に対して、市販の紫外線吸収剤(商
品名「チヌビン234」、チバガイギー製)1重量部を
混合したほかは、実施例1と同様にして樹脂層を得た。
次いで、前出のポリカーボネートペレット(「ノバレッ
クス7027P」)100重量部に対して前出の紫外線
吸収剤(「チヌビン234」)1重量部を添加して、前
述と同様な方法で製膜し、ポリカーボネート系樹脂組成
物からなる厚さ20μmのフィルムを得た。
【0058】さらに、前出の「ノバレックス7027
P」に紫外線吸収剤を添加せずに、前述と同様な方法で
製膜し、厚さ1mmのシート基材を作製するとともに、
その際、あらかじめ作製した厚さ30μmの樹脂層と、
ポリカーボネート系樹脂組成物からなる厚さ20μmの
フィルムとを両面からラミネートした。こうして、ポリ
カーボネートからなる厚さ1mmのシート状樹脂基材の
一方の表面に、市販の紫外線吸収剤を1重量%含有する
アクリル系樹脂組成物からなる樹脂層を有し、他方の表
面に市販の紫外線吸収剤を1重量%含有するポリカーボ
ネート系樹脂組成物からなる層を有する耐候性樹脂積層
体を得た。
【0059】実施例2〜5および比較例1で得られた耐
候性樹脂積層体について、実施例1と同様にして耐候性
試験を行った。その結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1より明らかなように、一般式(1) で表
されるビスベンゾトリアゾール系化合物を紫外線吸収剤
として使用した実施例1〜5の耐候性樹脂積層体は、黄
変度が非常に小さくかつクラック発生も認められなかっ
た。すなわち、非常に耐候性に優れたものであることが
わかった。これに対し、市販の紫外線吸収剤を使用した
比較例1では、黄変度が高く、かつクラックの発生も顕
著であった。
【0062】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の耐候性樹
脂積層体によれば、屋外での使用に供したとしても、太
陽光による劣化がほとんどなく、長期間にわたって優れ
た耐候性を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂基材の少なくとも一方の表面に、一般
    式(1) : 【化1】 〔式中、Aは直接結合するか、炭素数1〜6のアルキレ
    ン基、基:−O−、基:−NH−、基:−S−、基:−
    SO−または基:−SO2 −を示す。R1 およびR3
    同一または異なって、水素原子、炭素数1〜4のアルキ
    ル基、アリール基、炭素数1〜4のアルコキシ基または
    ハロゲン原子を示す。R2 およびR4 は同一または異な
    って、基(2) : 【化2】 (式中、R5 は直接結合するか、炭素数1〜12の直鎖
    状または分岐状のアルキレン基を示す。R6 およびR7
    は同一または異なって、水素または炭素数1〜10のア
    ルキル基を示す。mは1〜20の整数を示し、nは1〜
    10の整数を示す。)を示す。〕で表わされるベンゾト
    リアゾール系化合物を含有する被覆層を設けたことを特
    徴とする耐候性樹脂積層体。
  2. 【請求項2】樹脂基材がポリカーボネート系樹脂組成物
    からなる請求項1記載の耐候性樹脂積層体。
  3. 【請求項3】樹脂基材が前記一般式(1) で表されるビス
    ベンゾトリアゾール系化合物を0.02〜5重量%含有
    する請求項2記載の耐候性樹脂積層体。
  4. 【請求項4】被覆層が、前記一般式(1) で表されるビス
    ベンゾトリアゾール系化合物を1〜50重量%含有する
    アクリル系樹脂組成物からなる厚さ10〜35μmの層
    である請求項1記載の耐候性樹脂積層体。
  5. 【請求項5】被覆層が、前記一般式(1) で表されるビス
    ベンゾトリアゾール系化合物を1〜5重量%含有するア
    クリル系樹脂組成物からなる厚さ10〜35μmの外層
    と、一般式(1) で表されるビスベンゾトリアゾール系化
    合物を1〜5重量%含有するポリカーボネート系樹脂組
    成物からなる厚さ15〜100μmの内層との2層から
    なる請求項1記載の耐候性樹脂積層体。
  6. 【請求項6】被覆層が、前記一般式(1) で表されるビス
    ベンゾトリアゾール系化合物を1〜50重量%含有する
    ポリカーボネート系樹脂組成物からなる厚さ1〜35μ
    mの層である請求項1記載の耐候性樹脂積層体。
  7. 【請求項7】被覆層が樹脂基材の両面に設けられた請求
    項4〜6のいずれかに記載の耐候性樹脂積層体。
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