JP7264683B2 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
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Description
(構成1)
主たる構成単位として、(A)下記式(1)
で表される構成単位(A)、
(B)下記式(2)
で表される構成単位(B)、および
(C)下記式(3)
で表される構成単位(C)から構成され、全構成単位における構成単位(A)の割合が5~15モル%、構成単位(B)の割合が20~60モル%、構成単位(C)の割合が25~75モル%であるポリカーボネート樹脂(D)100質量部に対し、融点が100℃以上であるリン系安定剤(E)0.01~0.5質量部、ヒンダードフェノール系安定剤0.01~1質量部(F)、及び融点130℃以上の紫外線吸収剤(G)0.1~5質量部を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
式(1)におけるR1~R2は夫々独立して水素原子、炭素原子数1~6のアルキル基であり、式(2)におけるR3~R4は夫々独立して炭素原子数1~6のアルキル基であり、Xは単結合、置換もしくは無置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素原子数1~10のアルキリデン基であり、式(3)におけるWは単結合、置換もしくは無置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素原子数1~10のアルキリデン基である前項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(構成3)
粘度平均分子量が15,000~40,000である前項1または前項2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(構成4)
構成単位(A)が、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレンから誘導された構成単位である前項1~3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(構成5)
構成単位(B)が、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパンから誘導された構成単位である前項1~4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(構成6)
構成単位(C)が、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導された構成単位である前項1~5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(構成7)
耐候促進試験2000hr前後での黄色変化度(ΔYI)が10以下である前項1~6のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(構成8)
乾熱試験120℃、2000hr後前後での黄色変化度(ΔYI)が6以下である前項1~7のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(構成9)
前項1~8のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を射出成形してなる成形品。
(構成10)
前項1~8のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を押出成形してなるシートまたはフィルム。
(構成11)
前項9に記載の成形品もしくは前項10に記載のシートまたはフィルムを用いた自動車用内装部品。
<ポリカーボネート樹脂(D)>
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂(D)(ポリカーボネート共重合体および共重合ポリカーボネートブレンド物を含む)は、主たる構成単位として、(A)下記式(1)
で表される構成単位(A)、
で表される構成単位(B)、および
ポリカーボネート樹脂(D)は、必要に応じてポリオルガノシロキサン単位を含有する構成単位を、共重合することもできる。
比粘度(ηSP)=(t-t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mvを算出したものである。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-4Mv0.83
c=0.7
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、その成形加工時の熱安定性を向上させることを主たる目的として各種のリン系安定剤(E)が配合される。かかるリン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステルなどが例示される。更にかかるリン系安定剤は第3級ホスフィンを含む。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、その成形加工時の熱安定性、耐熱老化性および成形品の耐乾熱性を向上させることを主たる目的として、ヒンダードフェノール系安定剤が配合される。
本発明に使用されるポリカーボネート組成物は紫外線吸収剤(G)を含有する。紫外線吸収剤(G)としては、融点130℃以上である紫外線吸収剤が使用される。融点が下限未満である紫外線吸収剤を使用した場合、耐乾熱性および耐候性に劣り、且つ射出成形時の金型付着物が多くなり、金型汚染や得られる成形品の色相や外観が悪化することになり好ましくない。紫外線吸収剤(G)の融点は好ましくは140℃以上であり、より好ましくは150℃以上であり、さらに好ましくは170℃以上であり、特に好ましくは190℃以上である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、離型剤、流動改質剤および帯電防止剤などのそれ自体公知の機能剤を含有できる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、離型剤を併用しても良い。離型剤としては、例えば、脂肪酸エステル、ポリオレフィン系ワックス(ポリエチレンワックス、1-アルケン重合体など。酸変性などの官能基含有化合物で変性されているものも使用できる)、フッ素化合物(ポリフルオロアルキルエーテルに代表されるフッ素オイルなど)、パラフィンワックス、蜜蝋などを挙げることができる。これらの中でも入手の容易さ、離型性および透明性の点から脂肪酸エステルが好ましい。離型剤を含有させる割合は、ポリカーボネート樹脂(D)100重量部に対して、好ましくは0.005~0.5重量部、より好ましくは0.007~0.4重量部、更に好ましくは0.01~0.3重量部である。含有量が上記範囲の下限以上では、離型性の改良効果が明確に発揮され、上限以下の場合、成形時の金型汚染などの悪影響が低減され好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、流動改質剤を含むことができる。かかる流動改質剤としては、スチレン系オリゴマー、ポリカーボネートオリゴマー(高度分岐型、ハイパーブランチ型および環状オリゴマー型を含む)、ポリアルキレンテレフタレートオリゴマー(高度分岐型、ハイパーブランチ型および環状オリゴマー型を含む)高度分岐型およびハイパーブランチ型の脂肪族ポリエステルオリゴマー、テルペン樹脂、並びにポリカプロラクトン等が好適に例示される。かかる流動改質剤は、ポリカーボネート樹脂(D)100重量部当たり、好ましくは0.1~30重量部、より好ましくは1~20重量部、さらに好ましくは2~15重量部である。特にポリカプロラクトンが好適であり、組成割合はポリカーボネート樹脂(D)100重量部あたり、特に好ましくは2~7重量部である。ポリカプロラクトンの分子量は数平均分子量で表して1,000~70,000であり、1,500~40,000が好ましく、2,000~30,000がより好ましく、2,500~15,000が更に好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、帯電防止性を向上させることを主たる目的として帯電防止剤を配合することができる。帯電防止剤としては、スルホン酸ホスホニウム塩、亜リン酸エステル、カプロラクトン系重合体等を使用することができ、スルホン酸ホスホニウム塩が好ましく使用される。かかるスルホン酸ホスホニウム塩の具体例としては、ドデシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルオクチルホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム、オクタデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム、ジブチルベンゼンスルホン酸トリブチルメチルホスホニウム、ジブチルナフチルスルホン酸トリフェニルホスホニウム、ジイソプロピルナフチルスルホン酸トリオクチルメチルホスホニウム等が挙げられる。中でも、ポリカーボネートとの相溶性及び入手が容易な点で、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウムが好ましい。帯電防止剤の量は、ポリカーボネート樹脂(D)100重量部に対し、好ましくは0.1~5.0重量部、より好ましくは0.2~3.0重量部、さらに好ましくは0.3~2.0重量部、特に好ましくは0.5~1.8重量部配合される。0.1重量部以上では、帯電防止の効果が得られ、5.0重量部以下であると透明性や機械的強度に優れ、成形品表面にシルバーや剥離が生じず外観不良を引き起こし難い。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、アミンを含む塩基性環境下でポリマー分解を抑制することが可能である。種々検討の結果、アミン化合物によるポリカーボネートの解重合反応は、アミン化合物がポリカーボネートのカーボネート結合に作用し、カルバミン酸エステルオリゴマーを中間体として生成しながら、解重合が進行することを見出した。そこで、アミン化合物によるカーボネート結合への反応を抑制するために、主たる構成単位として前記式(2)で表される構成単位(B)から構成されることにより、芳香環の置換基がカーボネート結合に対する立体障害の役割を果たすことを見出した。
比粘度(ηSP)=(t-t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mvを算出したものである。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-4Mv0.83
c=0.7
ポリウレタン樹脂は、一般に、ポリオールとポリイソシアネートとを触媒及び必要に応じて発泡剤、界面活性剤、難燃剤、架橋剤等の存在下に反応させて製造される。ポリウレタン樹脂の製造には数多くの金属系化合物や第3級アミン化合物を触媒として用いることが知られている。これら触媒は単独又は併用することにより工業的にも多用されている。発泡剤として、水、低沸点有機化合物、又はそれらの両方を用いるポリウレタンフォームの製造においては、生産性、成形性に優れることから、これら触媒のうち、とりわけ第3級アミン化合物が広く用いられている。このような第3級アミン化合物としては、例えば、従来公知のトリエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルプロパンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’,N’-トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N,N-ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、射出成形、射出圧縮成形、インジェクションブロー成形、二色成形、押出成形またはブロー成形などの方法により目的の成形品を得ることができる。
(1)粘度平均分子量
ポリカーボネート樹脂組成物の粘度平均分子量は、以下の方法で測定、算出したものである。
まず、押出により得られたポリカーボネート樹脂組成物ペレットを、30倍重量の塩化メチレンと混合して溶解させ、可溶分をセライト濾過により採取した。その後得られた溶液から溶媒を除去した後の得られた固体を十分に乾燥し、該固体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から、その溶液の20℃における比粘度(ηsp)を測定した。そして、下記式により算出されるMvを粘度平均分子量とした。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c
[η]=1.23×10-4Mv0.83
ηsp:比粘度
η:極限粘度
c:定数(=0.7)
Mv:粘度平均分子量
ポリカーボネート樹脂40mgを0.6ml重クロロホルム溶液に溶解し、日本電子製400MHzの核磁気共鳴装置により、1H-NMRを測定し、各構成単位に特徴のあるスペクトルピーク面積比より、ポリカーボネート樹脂の組成比を算出した。
TAインスツルメント社製の熱分析システムDSC-2910を使用して、JIS K7121に従い窒素雰囲気下(窒素流量:40ml/min)、昇温速度:20℃/minの条件下で測定した。
島津ハイドロショットHTM-1を使用し、試験速度7m/秒、衝撃芯半径6.4mmで、鉛筆硬度の測定の際に得られた3段型プレートの厚み2mm部にて衝撃エネルギーを測定し、目視にて破壊形態を観察した。
JIS K7202-2に準拠し、Mスケールにて試験を実施した。試験片は縦横100mm、厚み8mmの平板を使用した。
算術平均粗さ(Ra)が0.03μmとしたキャビティ面を持つ金型を使用し、日本製鋼所製射出成形機J-75E3を用いて、シリンダ温度280℃、金型温度80℃の条件で、保圧時間20秒および冷却時間20秒にて幅50mm、長さ90mm、厚みがゲート側から3mm(長さ20mm)、2mm(長さ45mm)、1mm(長さ25mm)である3段型プレートを成形した。かかる3段型プレートの厚み2mm部における鉛筆硬度をJIS K5600に則して測定した。
算術平均粗さ(Ra)が0.03μmとしたキャビティ面を持つ金型を使用し、日本製鋼所製の射出成形機 J-75E3を用いてシリンダ温度290℃、金型温度80℃の条件で、保圧時間20秒および冷却時間20秒にて幅50mm、長さ90mm、厚みがゲート側から3mm(長さ20mm)、2mm(長さ45mm)、1mm(長さ25mm)である3段型プレートを成形した。自動車座席クッション材に使用されている軟質ウレタンフォームを縦横50mm、厚み5mmの形状にカッターを用いて切削し、3段型プレートとともにガラス製密閉容器に封入し、85℃に設定した熱風式乾燥機内で1000時間放置した後の試験片外観を目視観察した。
○:変化なし
×:表面白化
各実施例で得たペレットを、算術平均粗さ(Ra)が0.03μmとしたキャビティ面を持つ金型を使用し、日本製鋼所製の射出成形機 J-75E3を用いてシリンダ温度290℃、金型温度80℃の条件で、保圧時間20秒および冷却時間20秒にて幅50mm、長さ90mm、厚みがゲート側から3mm(長さ20mm)、2mm(長さ45mm)、1mm(長さ25mm)である3段型プレートを成形した。得られたプレートについて熱風乾燥機を用い、120℃の条件で、2,000hr処理をした。乾熱試験2,000hr処理前後でプレート厚み2mm部のYI(黄色度)を測定し、黄色変化度(ΔYI)を評価した。評価機器として日本電色(株)製SE2000型を用いてC光源、視野角2°、透過法で測定した。
各実施例で得たペレットを、算術平均粗さ(Ra)が0.03μmとしたキャビティ面を持つ金型を使用し、日本製鋼所製の射出成形機 J-75E3を用いてシリンダ温度290℃、金型温度80℃の条件で、保圧時間20秒および冷却時間20秒にて幅50mm、長さ90mm、厚みがゲート側から3mm(長さ20mm)、2mm(長さ45mm)、1mm(長さ25mm)である3段型プレートを成形した。得られたプレートについて、スガ試験機株式会社製スーパーキセノンウェザーメーター試験機SX75を用い、照射照度180W/m2(300-400nm)、雨あり(18分/120分)、照射時:ブラックパネル温度63℃湿度50%、降雨時:槽内温度38℃湿度95%の条件で、2,000hr処理をした。耐候促進試験2,000hr処理前後でプレート厚み2mm部のYI(黄色度)を測定し、黄色変化度(ΔYI)を評価した。評価機器として日本電色(株)製SE2000型を用いてC光源、視野角2°、透過法で測定した。
各実施例で得たペレットを、術平均粗さ(Ra)が0.03μmとしたキャビティ面を持つ金型を使用し、日本製鋼所製の射出成形機 J-75E3を用いてシリンダ温度350℃、金型温度85℃の条件で、保圧時間30秒および冷却時間40秒にて幅50mm、長さ90mm、厚みがゲート側から3mm(長さ20mm)、2mm(長さ45mm)、1mm(長さ25mm)である3段型プレートを成形した。成形を連続して300ショット行った後、金型可動部側の成形品型内ならびに固定部側の成形品が接する部分をさらしで拭いた際にさらしの表面着色状態を目視観察した。
○:さらしにほとんど着色が認められない
△:さらしにわずかな着色がある
×:さらしに著しい着色がある
[製造例1]
温度計、撹拌機および還流冷却器の付いた反応器に、48%水酸化ナトリウム水溶液4,555部およびイオン交換水22,730部を仕込み、これに9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン(本州化学製)596部、ビスフェノールC(本州化学製)1,618部、ビスフェノールA(新日鐵化学製)1,799部、およびハイドロサルファイト7.94部(和光純薬製)を溶解した後、塩化メチレン13,415部を加え、撹拌下、15~25℃でホスゲン2,000部を約70分かけて吹き込んだ。ホスゲンの吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液650部およびp-tert-ブチルフェノール87.6部を加え、撹拌を再開、乳化後トリエチルアミン3.94部を加え、さらに28~35℃で1時間撹拌して反応を終了した。
9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン(本州化学製)298部、ビスフェノールC(本州化学製)1,820部、ビスフェノールA(新日鐵化学製)1,799部、p-tert-ブチルフェノール71.0部とした以外は製造例1と同様の手法にてポリカーボネート樹脂パウダー(D-2)を得た。該パウダーを評価した結果を表1に示した。
9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン(本州化学製)894部、ビスフェノールC(本州化学製)1,213部、ビスフェノールA(新日鐵化学製)1,979部、p-tert-ブチルフェノール106.5部とした以外は製造例1と同様の手法にてポリカーボネート樹脂パウダー(D-3)を得た。該パウダーを評価した結果を表1に示した。
9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン(本州化学製)179部、ビスフェノールC(本州化学製)2,023部、ビスフェノールA(新日鐵化学製)1,691部、p-tert-ブチルフェノール92.3部とした以外は製造例1と同様の手法にてポリカーボネート樹脂パウダー(D-4)を得た。該パウダーを評価した結果を表1に示した。
9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン(本州化学製)1,193部、ビスフェノールC(本州化学製)1,618部、ビスフェノールA(新日鐵化学製)1,439部、p-tert-ブチルフェノール92.3部とした以外は製造例1と同様の手法にてポリカーボネート樹脂パウダー(D-5)を得た。該パウダーを評価した結果を表1に示した。
<ポリカーボネート樹脂組成物の製造>
表1および表2に記載の各成分を表1および表2記載の割合で計量して混合しブレンダーにて混合した後、ベント式二軸押出機を用いて溶融混練し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。PCに添加する添加剤はブレンダーによる全体の混合を行った。ベント式二軸押出機は(株)日本製鋼所製:TEX30α(完全かみ合い、同方向回転、2条ネジスクリュー)を使用した。混練ゾーンはベント口手前に1箇所のタイプとした。押出条件は吐出量30kg/hr、スクリュー回転数250rpm、ベントの真空度1kPaであり、また押出温度は第1供給口から混錬ゾーン前までを220~250℃、混錬ゾーンを250~260℃、以降ダイスまでを260~270℃とした。なお、上記の樹脂組成物の製造はHEPAフィルターを通した清浄な空気が循環する雰囲気において実施し、また作業時に異物の混入がないよう十分に注意して行った。
E-1;ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(融点:235℃、ADEKA社製)
E-2;トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(融点:184℃、BASF社製)
E-3;テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4-ビフェニルジホスホナイト(融点:90℃、クラリアント社製)
<フェノール系安定剤(F)>
F-1;オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート(融点:52℃、BASF社製)
F-2;ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(融点:183℃、BASF社製)
<紫外線吸収剤(G)>
G-1;2,2’-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール](融点:200℃、ADEKA社製)
G-2;2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(へキシル)オキシ-フェノール(融点:152℃、BASF社製)
G-3;2-(2′ヒドロキシ-5′-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(融点:108℃、BASF社製)
Claims (11)
- 主たる構成単位として、(A)下記式(1)
で表される構成単位(A)、
(B)下記式(2)
で表される構成単位(B)、および
(C)下記式(3)
で表される構成単位(C)から構成され、全構成単位における構成単位(A)の割合が5~15モル%、構成単位(B)の割合が20~60モル%、構成単位(C)の割合が25~75モル%であるポリカーボネート樹脂(D)100質量部に対し、融点が100℃以上であるリン系安定剤(E)0.01~0.5質量部、ヒンダードフェノール系安定剤(F)0.01~1質量部、及び融点130℃以上の紫外線吸収剤(G)0.1~5質量部を含有し、リン系安定剤(E)はトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを1種または2種で用い、ヒンダードフェノール系安定剤(F)はペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネートを単独または2種で用い、紫外線吸収剤(G)は2,2’-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘキシルオキシ-フェノールを単独または2種で用いることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。 - 式(1)におけるR1~R2は夫々独立して水素原子、炭素原子数1~6のアルキル基であり、式(2)におけるR3~R4は夫々独立して炭素原子数1~6のアルキル基であり、Xは単結合、置換もしくは無置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素原子数1~10のアルキリデン基であり、式(3)におけるWは単結合、置換もしくは無置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素原子数1~10のアルキリデン基である請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 粘度平均分子量が15,000~40,000である請求項1または請求項2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 構成単位(A)が、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレンから誘導された構成単位である請求項1~3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 構成単位(B)が、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパンから誘導された構成単位である請求項1~4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 構成単位(C)が、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導された構成単位である請求項1~5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 耐候促進試験2000hr前後での黄色変化度(ΔYI)が12以下である請求項1~6のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 乾熱試験120℃、2000hr前後での黄色変化度(ΔYI)が6以下である請求項1~7のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1~8のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を射出成形してなる成形品。
- 請求項1~8のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を押出成形してなるシートまたはフィルム。
- 請求項9に記載の成形品もしくは請求項10に記載のシートまたはフィルムを用いた自動車用内装部品。
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