JPH11319578A - 透明膜および透明膜の製造方法 - Google Patents

透明膜および透明膜の製造方法

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JPH11319578A
JPH11319578A JP10132493A JP13249398A JPH11319578A JP H11319578 A JPH11319578 A JP H11319578A JP 10132493 A JP10132493 A JP 10132493A JP 13249398 A JP13249398 A JP 13249398A JP H11319578 A JPH11319578 A JP H11319578A
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transparent film
silica
titanium oxide
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film
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JP10132493A
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Tatsuo Mifune
達雄 三舩
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低屈折率でかつ光触媒効果を有する透明膜お
よびその製造方法を提供し、このような透明膜を電子管
の前面パネルの表面コートとして用いることで、反射防
止機能と自己洗浄能力とを兼ね備えた電子管を提供す
る。 【解決手段】 表面を光触媒効果を有する酸化チタンに
よって被覆したシリカ粒子と、前記シリカ粒子のバイン
ダとしてシリカのアルコキシドもしくはポリシロキサン
のいずれか一方を含有する透明膜形成用塗料を塗布して
乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低屈折率でかつ光
触媒効果を有する透明膜およびその製造方法に関し、特
に電子管の前面パネルの表面に好適に使用できる透明膜
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3,図4は、従来のテレビやコンピュ
ータに使用される電子管を示す。図3に示すように、電
子管1の先端部にはガラス製の前面パネル2が形成され
ている。
【0003】この前面パネル2には、電子管1の内部か
ら発生する電磁波を抑制するための帯電防止機能や、外
光による映り込みを抑制するための反射防止機能が要求
されており、そのため前面パネル2の表面には以下のよ
うに構成された表面コート3が設けられている。
【0004】図4に示すように、表面コート3は、上層
4と下層5の2層構造となっている。上層4は、シリカ
にて形成され、約1.48の屈折率を有するものであ
る。
【0005】下層5は、帯電防止機能を有するATOや
ITOの透明導電材料にて形成されており、その屈折率
は約2.0と高いものである。なお、ガラス製の前面パ
ネル2の屈折率は約1.52である。
【0006】このように、屈折率の低い前面パネル2の
表面に比較的屈折率の高い下層5を介して屈折率の低い
上層4を形成し、それぞれの膜厚を制御することで、電
子管1に反射防止機能を付与している。
【0007】従って、この表面コート3は、帯電防止機
能と反射防止機能との2つの機能を有するものである。
なお、上記のような電子管1は、まず、塗布液をスピン
コート法にて前面パネル2の表面に塗布し、乾燥してA
TOやITOである下層5を形成する。そして、乾燥し
た下層5の表面に塗布液をスピンコート法にて塗布し、
乾燥することにより上層4を形成するのが一般的であ
る。この場合の上層4および下層5の膜厚は、塗布液の
粘度とスピンコート時の回転数により制御する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
商品価値を高めるために電子管1に対する多機能化の要
望が高まってきており、前面パネル2に形成される表面
コート3に対しても同様に多機能化が要求されている。
【0009】最近では、特に、酸化チタンによる光触媒
効果を用いたものが注目されている。これは酸化チタン
に紫外線を照射すると活性化されて強い酸化力を生じ、
表面に接する有機物を分解する性質を利用するものであ
り、例えば上層4を酸化チタンにより形成することによ
り、電子管1の表面を素手で触ったときに付着する油分
による指紋の跡を自己洗浄する機能を付与することがで
きる。
【0010】しかしながら、酸化チタンの屈折率は約
2.6と大きいものである。上述のように表面コート2
には、上層4の屈折率を小さくすることで反射防止機能
を付与していることから、酸化チタンのように屈折率の
大きい物質を用いると上層4の屈折率が大きくなり、表
面コート3の反射防止機能が大きく低下するという問題
がある。
【0011】このため、反射防止機能を犠牲にすること
なく、自己洗浄機能を付与するような手段が望まれてい
る。本発明は前記問題点を解決し、低屈折率でかつ光触
媒効果を有する透明膜およびその製造方法を提供し、こ
のような透明膜を電子管の前面パネルの表面コートとし
て用いることで、反射防止機能と自己洗浄能力とを兼ね
備えた電子管を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の透明膜は、表面
を光触媒効果を有する酸化チタンによって被覆したシリ
カ粒子と、前記シリカ粒子のバインダとしてのシリカと
を含む低屈折率でかつ光触媒効果を有することを特徴と
する。
【0013】透明膜の製造方法は、表面を光触媒効果を
有する酸化チタンによって被覆したシリカ粒子と、前記
シリカ粒子のバインダとしてシリカのアルコキシドもし
くはポリシロキサンのいずれか一方を含有する透明膜形
成用塗料を塗布して乾燥することを特徴とする。
【0014】この本発明によると、低屈折率でかつ光触
媒効果、具体的には自己洗浄能力を有する透明膜が得ら
れる。
【0015】
【発明の実施の形態】請求項1記載の透明膜は、表面を
光触媒効果を有する酸化チタンによって被覆したシリカ
粒子と、前記シリカ粒子のバインダとしてのシリカとを
含む低屈折率でかつ光触媒効果を有することを特徴とす
る。
【0016】この構成によると、酸化チタンによって被
覆したシリカ粒子により屈折率を大きくすることなしに
光触媒効果、具体的には自己洗浄能力を付与することが
でき、シリカバインダにより膜状にすることができる。
【0017】請求項2記載の透明膜形成用塗料は、表面
を光触媒効果を有する酸化チタンによって被覆したシリ
カ粒子と、前記シリカ粒子のバインダとしてシリカのア
ルコキシドもしくはポリシロキサンのいずれか一方を含
有することを特徴とする。
【0018】この構成によると、バインダとしてシリカ
のアルコキシドもしくはポリシロキサンのいずれかを用
いることにより、緻密で透明性の高い透明膜を作成する
ことができる。
【0019】請求項3記載の透明膜の製造方法は、請求
項2記載の透明膜形成用塗料を塗布して乾燥することを
特徴とする。請求項4記載の透明膜は、ITOもしくは
ATOによって構成される導電膜を下地層とし、前記下
地層の表面に請求項1記載の透明膜を形成して帯電防止
機能と反射防止機能と自己洗浄機能とを兼ね備えたこと
を特徴とする。
【0020】請求項5記載の透明膜の製造方法は、IT
OもしくはATOによって導電性の下地層を形成し、前
記下地層の表面に請求項2記載の透明膜形成用塗料を塗
布して乾燥することを特徴とする。
【0021】請求項6記載の電子管は、請求項1または
請求項4記載の透明膜を前面パネルの表面に有すること
を特徴とする。この構成によると、反射防止機能と自己
洗浄機能とを兼ね備えた表面コートを有する多機能化さ
れた電子管とすることができる。
【0022】請求項7記載の透明膜の製造方法は、電子
管の前面パネルにITOもしくはATOにより導電性の
下地層を形成し、前記下地層の表面に請求項2記載の透
明膜形成用塗料を塗布して、乾燥することを特徴とす
る。
【0023】請求項8記載の透明膜は、膜の屈折率が
1.5以下となるようにナノメートルオーダーの空孔を
膜中に有することを特徴とする。この構成によると、膜
の屈折率を低くすることで反射防止機能を向上させるこ
とができる。
【0024】請求項9記載の透明膜の製造方法は、請求
項3または請求項5または請求項7において、透明膜形
成用塗料をスプレー法により塗布することを特徴とす
る。この構成によると、塗布時にナノメートルオーダー
の空孔が膜中に形成されるため、膜全体の屈折率を低下
させることができる。
【0025】請求項10記載の透明膜は、請求項1また
は請求項4または請求項8において、表面を酸化チタン
によって被覆したシリカの一次粒子径が100nm以下
であることを特徴とする。
【0026】請求項11記載の透明膜用塗料は、表面を
酸化チタンによって被覆したシリカの一次粒子径が10
0nm以下であることを特徴とする。請求項12記載の
透明膜の製造方法は、請求項3または請求項5または請
求項7または請求項9において、表面を酸化チタンによ
って被覆したシリカの一次粒子径が100nm以下であ
ることを特徴とする。
【0027】以下、本発明の各実施の形態について説明
する。 (実施の形態1)上記従来例を示す図4と同様に上層4
と下層5とからなる2層構造の電子管1の前面パネル2
用の表面コート3を作成し、表面コート3の反射防止機
能と自己洗浄能力とを評価した。
【0028】表面コート3の上層4となる透明膜は、表
面を酸化チタンによって被覆したシリカ粒子とバインダ
としてのシリカとからなる透明膜形成用塗料Aにて形成
される。
【0029】表面を酸化チタンによって被覆したシリカ
粒子は、一次粒子の平均粒径が20nmのシリカ微粒子
をチタンアルコキシドやチタンキレート錯体を出発原料
とする溶液中に入れて湿式法で反応させ、表面に厚さ2
nmの酸化チタン薄膜を成膜した。膜厚の測定は透過型
電子顕微鏡によって測定した。
【0030】この酸化チタンによって被覆したシリカ粒
子の屈折率は1.76となり、成膜なしのシリカの屈折
率1.48に比較してわずかに大きな値であったが、酸
化チタンの屈折率2.6に比較すると大幅に小さい値で
あった。なお、表面を酸化チタンで被覆したシリカ粒子
の屈折率は、酸化チタンの膜厚を変えることにより制御
可能である。
【0031】この表面を酸化チタンで被覆したシリカ粒
子を、バインダとしてのシリカのアルコキシド溶液中に
攪拌しながら投入し、その後サンドミルにて周速10m
/sで分散させ透明膜形成用塗料Aを得た。
【0032】分散は粒度分布計で粒子径を測定しながら
分散し、一次粒子径に近くなった状態で終点とした。透
明膜形成用塗料Aの固形分濃度は、塗布性を考慮して2
重量%とし、前記固形分中には表面を酸化チタンで被覆
したシリカ粒子が50重量%含有されるようにした。
【0033】ところで、この透明膜形成用塗料Aを用い
て電子管1の表面コート3を形成するに際し、空気の屈
折率を1、電子管の前面パネルのガラスの屈折率を1.
52とすると、理想的な反射防止効果を得るためには、
上層4と下層5のそれぞれの膜厚および屈折率が、以下
の関係式(式1)〜(式3)を満たすことが好ましい。
【0034】 n2=n1×√1.52 (式1) t2=λ/4×n2 (式2) n1×t1=λ/4 (式3) なお、n1は上層4を形成する透明膜の屈折率、n2は
下層を形成するATOあるいはITOの屈折率、t1は
上層4の厚さ、t2は下層5の厚さ、λは入射光の波長
を示す。
【0035】上記関係式を満たすように、電子管1の表
面に表面コート3を作成した。下層5を形成するITO
膜はスパッタ法にて成膜するため、この膜の屈折率n2
は材料本来の値である2.0となる。そのため、λの値
を光の中心的な波長500nmと仮定し、ITOの膜厚
t2は(式2)を満たすように250nmとした。
【0036】このITO膜の表面に、スピンコートにて
上記のように作成した透明膜形成用塗料Aを塗布して乾
燥し、上層4を形成した。上層4を形成する透明膜の屈
折率n1は1.62となり、これは(式1)をほぼ満た
すものであった。なお、屈折率n1が透明膜形成用塗料
Aに含まれる酸化チタンを成膜したシリカの粒子の屈折
率1.76より小さくなったのは、スピンコートによる
塗布時の気泡混入などの影響が考えられる。
【0037】また上層4の膜厚t1は、(式3)にあて
はまるように約80nmとなるように塗布した。この1
40nmの膜厚t1を実現するためには、酸化チタンで
被覆したシリカの粒子径を100nm以下とすることが
必要であった。
【0038】このようにしてITO膜からなる下層5
と、酸化チタンで被覆したシリカを含有する透明膜から
なる上層4との2層構造の表面コート3を得た。以下、
上記の表面コート3を有する電子管1が、帯電防止機能
と反射防止機能と自己洗浄能力とを兼ね備えた電子管1
であるかどうかを評価した。
【0039】表面コート3の下層5には、上記従来例を
示す図4と同様に帯電防止機能を有するITO膜がスパ
ッタ法にて形成されていたため、表面コート3の面電気
抵抗値は100Ω/□となり、電子管1の表面コート3
として使用するに十分な帯電防止機能を有するものであ
った。
【0040】また、反射防止機能の有無を調べるため、
光の波長を約400nmから700nmの範囲で変化さ
せ、その反射率を測定した。得られた反射率の測定結果
を図1に示す。
【0041】図1に示すように、光の波長が450nm
から700nmの広い領域で、反射率1%未満の高い反
射防止効果が得られていることがわかった。また、自己
洗浄能力の有無を調べるため、有機物の分解効果を調べ
た。
【0042】測定は、上層4を形成する透明膜中の酸化
チタンで被覆したシリカの含有量を、2重量%から90
重量%の範囲で変化させ、波長350nm、パワー1m
W/cm2のUVランプを照射して、アセトアルデヒド
100ppmを分解するのに要した時間t(min)を
測定した。
【0043】なお、酸化チタン薄膜の厚さをシリカ粒子
の直径の10%の厚さとした場合、すなわち上述のよう
に一次粒子径が20nmのシリカ粒子に厚さ2nmの酸
化チタン薄膜を形成した場合、上層膜中に占める酸化チ
タン薄膜付きシリカ粒子の占める割合は50重量%が上
限であった。
【0044】そのため、50重量%より上の割合のデー
タは、シリカ粒子の直径に対して酸化チタンの膜厚を5
%としたもの、すなわち一次粒子径が20nmのシリカ
粒子に厚さ1nmの酸化チタン薄膜が形成されたシリカ
粒子を上記と同様にして別途作成した。
【0045】また、透明膜中の酸化チタンで被覆したシ
リカの含有量を変化させることにより上層4の厚さおよ
び屈折率が変化する。これに伴ない、下層5を形成する
ITO膜もスパッタ条件を変えることにより膜の疎密さ
を調整し屈折率を変化させて、上記の(式1)〜(式
3)を満たすようにして、各種のサンプルを作成した。
【0046】得られた測定結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1の結果より、上層4を形成する透明膜
中には、表面を酸化チタンで被覆したシリカ粒子が5重
量%以上含まれていれば、充分な自己洗浄効果が得られ
ることがわかった。
【0049】また、これらの表面コート3は自己洗浄機
能があるだけでなく、酸化チタンの親水性の高さから膜
全体の親水性が非常に高く、親油性の汚れが非常に付着
しにくいという効果もあった。
【0050】このように、電子管1の前面パネル2と接
する下層5に、透明導電材料であるITO膜を形成する
ことで、優れた帯電防止機能を有する電子管用の表面コ
ート3が得られるとともに、上層4には、表面を酸化チ
タンで被覆したシリカ粒子とシリカバインダとで構成さ
れた透明膜を形成することで、低屈折率で高い反射防止
機能を有するものとすることができ、さらに、酸化チタ
ンは光触媒機能を有するため、良好な自己洗浄能力が付
与される。 (実施の形態2)表面コート3を形成するに際し、上記
(実施の形態1)では、下層5をスパッタ法により形成
したが、この(実施の形態2)では、スピンコート法に
て形成した。
【0051】まず、スピンコート法に使用するITOの
塗料Bを作成した。一次粒子の平均粒径が約30nmで
あるITO粉末をエチルアルコール中に攪拌しながら混
合した。その後サンドミルにより周速10m/sで分散
し、レーザー式の粒度分布測定機にて粒径をモニターし
ながら分散を進めて、平均粒子径が一次粒子径に近くな
った状態を分散終点とした。
【0052】得られた塗料Bをスピンコートにて電子管
1の前面パネル2の表面に塗布した。その際、ITO膜
の膜厚は、上記(実施の形態1)における(式2)を満
足するように225nmとし、スピンコート塗布時の回
転数を調整して塗布し、乾燥してITO膜を得た。
【0053】得られたITO膜の屈折率は1.8であっ
た。この値は上記(実施の形態1)で得られたスパッタ
法で形成されたITO膜に比較すると小さな値である
が、これは塗布にて形成したために、スパッタ膜よりも
膜の緻密さが低いためである。
【0054】また、上記(実施の形態1)と同様にし
て、透明膜形成用塗料Cを作成した。表面を酸化チタン
で被覆したシリカ粒子の粒子径、酸化チタンの膜厚およ
び固形分濃度は透明膜形成用塗料Aと同様であるが、こ
の透明膜形成用塗料Cは、固形分中の酸化チタンで被覆
したシリカ粒子の含有量を30重量%とした点で異な
る。
【0055】この透明膜形成用塗料Cを前記ITO膜を
形成した前面パネル2の表面にスプレー法にて塗布し、
スプレーの供給エアー量などの条件検討を行い、膜中に
ナノメートルオーダーの気泡が入るようにして塗布し
た。
【0056】塗布条件を検討した結果、ナノメートルオ
ーダーの気泡が膜中に約38%入った状態で塗布するこ
とにより、(実施の形態1)の(式1)を満足する屈折
率1.46の透明膜が得られることがわかった。また、
上層4の膜厚は、(式3)を満足するように86nmに
なるように塗布した。
【0057】こうして得られた表面コート3の性能を評
価するために、上記(実施の形態1)と同様にして、帯
電防止機能、反射防止機能、自己洗浄能力を調べた。表
面コート3は、10000Ω/□の面電気抵抗値を有す
るものであり、これは(実施の形態1)のスパッタ法に
て形成したITO膜の面電気抵抗値に較べて高い値であ
るが、帯電防止膜として充分機能するようなオーダーで
あり、合格レベルのものであった。
【0058】また、図2に示すように、その反射率は光
の波長が450nmから700nmの広い領域で、反射
率1%未満となっており、上記(実施の形態1)と同様
に高い反射防止効果を有するものであった。
【0059】同様に、有機物の分解結果についても(実
施の形態1)とほぼ同様の結果が得られ、良好な自己洗
浄能力を有することが確認された。なお、上記(実施の
形態1),(実施の形態2)では、下層5を形成する透
明膜としてITOを使用したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、ATOを使用することもできる。
【0060】また、透明膜形成用塗料に含まれるシリカ
バインダとしてシリカのアルコキシドを用いたが、ポリ
シロキサンを用いても同様の効果が得られる。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明の透明膜によると、
表面を光触媒効果を有する酸化チタンによって被覆した
シリカ粒子と、前記シリカ粒子のバインダとしてのシリ
カとを含有することで、屈折率を大きくすることなしに
光触媒効果、具体的には自己洗浄能力を付与することが
でき、シリカバインダにより膜状にすることができる。
【0062】また、このような透明膜を表面コートとし
て使用する電子管は、反射防止機能と自己洗浄機能とを
兼ね備えたものとすることができる。さらに、電子管の
前面パネルにITOあるいはATOを介して前記透明膜
を設けることで、得られた電子管には上記効果に加えて
帯電防止機能も付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(実施の形態1)における表面コートの反射率
の測定結果を示す図
【図2】(実施の形態2)における表面コートの反射率
の測定結果を示す図
【図3】従来の電子管の構成図
【図4】従来の表面コートの構成図
【符号の説明】
1 電子管 2 前面パネル 3 表面コート 4 上層 5 下層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01J 5/08 C08J 5/18 9/20 G02B 1/10 Z // C08J 5/18 A

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面を光触媒効果を有する酸化チタンによ
    って被覆したシリカ粒子と、前記シリカ粒子のバインダ
    としてのシリカとを含む低屈折率でかつ光触媒効果を有
    する透明膜。
  2. 【請求項2】表面を光触媒効果を有する酸化チタンによ
    って被覆したシリカ粒子と、前記シリカ粒子のバインダ
    としてシリカのアルコキシドもしくはポリシロキサンの
    いずれか一方を含有する透明膜形成用塗料。
  3. 【請求項3】請求項2記載の透明膜形成用塗料を塗布し
    て乾燥する透明膜の製造方法。
  4. 【請求項4】ITOもしくはATOによって構成される
    導電膜を下地層とし、前記下地層の表面に請求項1記載
    の透明膜を形成して帯電防止機能と反射防止機能と自己
    洗浄機能とを兼ね備える透明膜。
  5. 【請求項5】ITOもしくはATOによって導電性の下
    地層を形成し、前記下地層の表面に請求項2記載の透明
    膜形成用塗料を塗布して乾燥する透明膜の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1または請求項4記載の透明膜を前
    面パネルの表面に有する電子管。
  7. 【請求項7】電子管の前面パネルにITOもしくはAT
    Oにより導電性の下地層を形成し、前記下地層の表面に
    請求項2記載の透明膜形成用塗料を塗布して、乾燥する
    透明膜の製造方法。
  8. 【請求項8】膜の屈折率が1.5以下となるようにナノ
    メートルオーダーの気泡を膜中に有する請求項1または
    請求項4記載の透明膜。
  9. 【請求項9】透明膜形成用塗料をスプレー法により塗布
    する請求項3または請求項5または請求項7記載の透明
    膜の製造方法。
  10. 【請求項10】表面を酸化チタンによって被覆したシリ
    カの一次粒子径が100nm以下である請求項1または
    請求項4または請求項8記載の透明膜。
  11. 【請求項11】表面を酸化チタンによって被覆したシリ
    カの一次粒子径が100nm以下である請求項2記載の
    透明膜形成用塗料。
  12. 【請求項12】表面を酸化チタンによって被覆したシリ
    カの一次粒子径が100nm以下である請求項3または
    請求項5または請求項7または請求項9記載の透明膜の
    製造方法。
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