JPH11318485A - トレハロ―スの製造方法 - Google Patents

トレハロ―スの製造方法

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JPH11318485A
JPH11318485A JP11100856A JP10085699A JPH11318485A JP H11318485 A JPH11318485 A JP H11318485A JP 11100856 A JP11100856 A JP 11100856A JP 10085699 A JP10085699 A JP 10085699A JP H11318485 A JPH11318485 A JP H11318485A
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JP
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trehalose
glucose
phosphorylase
phosphate
enzyme
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JP11100856A
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Eisaku Takahashi
栄作 高橋
Toshihiko Wada
敏彦 和田
Yutaka Kouchi
裕 幸内
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この出願発明は、安価な糖質原料と安定な酵
素を用い、目的物の分離精製が発酵法に比べて容易な酵
素法により高い生産性でトレハロースを製造することを
目的とする。 【構成】 α−グルコース 1−リン酸とグルコースか
らトレハロースホスホリラーゼによりトレハロースを製
造する方法において、トレハロースホスホリラーゼがコ
リオルス(Coriolus)属およびレンチテス(Lenzites)属由
来であるトレハロースの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本出願の発明は、トレハロースの
製造方法に関する。
【0002】最近、各種のオリゴ糖が注目され、その開
発が進められている。トレハロースは、微生物界、動物
界、植物界に広く分布する二糖類であり、甘味剤(特開
昭63−240758号公報)、蛋白質の乾燥保護剤
(特表昭63−500562号公報)等の用途が提案さ
れている。
【従来の技術】
【0003】トレハロースの製造法として、従来は上記
天然物からの抽出法、酵母、アースロバクター、ノカル
ディア等の微生物による発酵法等が知られている。しか
しながらこれらの方法においては生産性が高いとはいい
難く、また目的とする糖質の分離精製に煩雑な操作を要
するため、工業的生産には適さない。
【0004】トレハロースの製造法として、マルトース
を基質としてβ−グルコース 1−リン酸を経てトレハ
ロースを製造する酵素法も知られている(特公昭63−
60998号公報)。しかしながら、原料マルトース価
格、マルトースホスホリラーゼの供給および価格に問題
があり、またβ−グルコース 1−リン酸とグルコース
からトレハロースを生成させるトレハロースホスホリラ
ーゼがあまり安定な酵素ではないうえ、酵素源であるユ
ーグレナ(緑藻の1種)の培養が必ずしも容易ではない
という難点がある。
【0005】一方、フラムリナ ベルチペス(Flammuli
na velutipes)より得られる酵素がpH7近辺でα−グ
ルコース 1−リン酸とグルコースからトレハロースを
生成させる酵素として知られている(FEMS Microbiolog
y Letters, 55, 147-150 (1988))。 しかし、フラムリ
ナ ベルチペス(Flammulina velutipes)から得られる
トレハロースホスホリラーゼは安定性が低く酵素調製が
困難であり、かつ長時間高温での使用に耐えないのでト
レハロースの工業的生産には適さない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来知られているトレ
ハロースの製造方法として天然物からの抽出法の他に発
酵法と酵素法が知られているが、発酵法では生産性の低
さおよび目的物の分離精製の煩雑さが、また酵素法では
基質の価格、酵素の供給、価格および不安定さが障害と
なってトレハロースの工業的生産は実現していない。目
的物の分離精製を考慮すると発酵法よりも酵素法がすぐ
れているので、安価な基質に作用してトレハロースを迅
速に収率良く生成させることができ、かつ入手が容易で
安定な酵素の開発が望まれる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本出願の発明は安価な糖
質原料と安定な酵素を用い、目的物の分離精製が発酵法
と比較して容易な酵素法により高い生産性でトレハロー
スを製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】すなわち本出願の発明者らは、α−グルコ
ース 1−リン酸とグルコースからトレハロースを生産
させる能力を具えるとともに安定性に優れたトレハロー
スホスホリラーゼを見いだし、該トレハロースホスホリ
ラーゼを利用して高い生産性でトレハロースを製造する
方法を鋭意研究した結果、本出願の発明に到達したもの
である。
【0009】本出願の発明は、無機リン酸および/また
はその塩の存在下糖質に作用してα−グルコース 1−
リン酸を生成させることができるホスホリラーゼ(以
下、「α−ホスホリラーゼ」と略記する)を無機リン酸
および/またはその塩の存在下糖質に作用させることに
よりα−グルコース 1−リン酸の生成を開始させ、任
意の時間経過後、α−グルコース 1−リン酸を分離す
ることなく、α−グルコース 1−リン酸とグルコース
からトレハロースを生成させることができるトレハロー
スホスホリラーゼ(以下「トレハロースホスホリラー
ゼ」と略記する)およびグルコースを加えて、α−グル
コース 1−リン酸とグルコースからトレハロースを製
造することを特徴とするトレハロースの製造方法を提供
する。
【0010】本出願の発明はまた、無機リン酸および/
またはその塩の存在下糖質に作用してα−グルコース
1−リン酸を生成させることができるα−ホスホリラー
ゼ、α−グルコース 1−リン酸とグルコースからトレ
ハロースを生成させることができるトレハロースホスホ
リラーゼ、無機リン酸および/またはその塩の存在下α
−ホスホリラーゼの作用によりα−グルコース 1−リ
ン酸を生成する糖質、グルコース、および無機リン酸お
よび/またはその塩を任意の順序で混合して反応させト
レハロースを製造することを特徴とするトレハロースの
製造方法を提供する。
【0011】本出願の発明はまた、無機リン酸および/
またはその塩の存在下α−ホスホリラーゼの作用により
α−グルコース 1−リン酸を生成する原料糖質1 Kg
に対する無機リン酸および/またはその塩の濃度を規定
することにより、効率よくトレハロースを製造すること
を特徴とするトレハロースの製造方法を提供する。以
下、本発明の方法をさらに詳細に説明する。
【0012】本発明の方法は、糖質および無機リン酸お
よび/またはその塩の混合物にα−ホスホリラーゼを作
用させ、生成してくるα−グルコース 1−リン酸をト
レハロースホスホリラーゼの存在下グルコースと反応さ
せるトレハロースの製造方法である。
【0013】α−グルコース 1−リン酸の供給源とな
る糖質はデンプン、グリコーゲン、デキストリン、1,
4−α−D−グルカン、セロビオース、セロデキストリ
ン、1,4−β−D−オリゴグルカン、ラミナリビオー
ス、ラミナリン、1,3−β−D−オリゴグルカン、
1,3−β−D−グルカンおよびスクロース等からなる
群から選んで用いる。
【0014】α−ホスホリラーゼはデンプンホスホリラ
ーゼ、グリコーゲンホスホリラーゼ、1,4−α−D−
グルカンホスホリラーゼ、セロビオースホスホリラー
ゼ、セロデキストリンホスホリラーゼ、1,4−β−D
−オリゴグルカンホスホリラーゼ、ラミナリビオースホ
スホリラーゼ、ラミナリンホスホリラーゼ、1,3−β
−D−オリゴグルカンホスホリラーゼ、1,3−β−D
−グルカンホスホリラーゼおよびスクロースホスホリラ
ーゼ等からなる群から原料糖質にあわせて選んで用い
る。
【0015】トレハロースホスホリラーゼは、コリオル
ス(Coriolus)属、トリキャプツム(Trichaptum )属およ
びレンチテス(Lenzites)属由来の担子菌の子実体、菌糸
体あるいは液体培養菌糸体を酵素源として用いることが
できる。さらに具体的には、コリオルス ベルシコロル
(Coriolus versicolor)、コリオルス ヒルスツス(Corio
lus hirsutus)、コリオルス コンソルス(Coriolus cons
ors)、トリキャプツム ビフォルメ(Tricaptum biform
e)およびレンチテス ベツリナ(Lenzites betulina)等
の担子菌の子実体、菌糸体あるいは液体培養菌糸体を酵
素源として用いることができる。
【0016】具体的なトレハロースホスホリラーゼ生産
菌株の例としては、通産省工業技術院生命工学工業技術
研究所に寄託されているコリオルス ベルシコロル(Cor
iolus versicolor)微工研菌寄第 2412号、コリオ
ルス ヒルスツス(Coriolus hirsutus)微工研菌寄第
2711号、コリオルス コンソルス(Coriolus consor
s)微工研菌寄第 988号、トリキャプツム ビフォル
メ(Tricaptum biforme)微工研菌寄第 2712号、レ
ンチテス ベツリナ(Lenzites betulina)微工研条寄第
27号等の担子菌の子実体、菌糸体あるいは液体培養菌
糸体を酵素源として用いることができる。
【0017】また、コリオルス コンソルス(Coriolus c
onsors)ATCC 20565、コリオルス パルガメ
ヌス(Coriolus pargamenus)ATCC 20562等の
担子菌の子実体、菌糸体あるいは液体培養菌糸体を酵素
源として用いることができる。
【0018】これら寄託菌の菌株の同定、命名は今関六
也氏、本郷次男氏共著による「原色日本菌類図鑑」(正
(昭和32年)、続(昭和40年)保育社)、「原色日
本新菌類図鑑」(I巻(昭和62年)、II巻(平成元
年)保育社)および伊藤誠哉氏著「日本菌類誌」(II
巻1部(昭和11年)、2部(昭和14年)、3部(昭
和25年)、4部(昭和30年)、5部(昭和34年)
養賢堂)に準拠するものである。
【0019】本発明の方法に使用し、また通産省工業技
術院生命工学工業技術研究所に寄託した菌種は、該菌種
が着生している腐朽植物体の一部、その植物体上に発生
している子実体の組織、または胞子を適当な寒天培地に
移植し、適温で数週間培養するという培養操作を3回な
いし4回繰り返し行なって純粋分離した。
【0020】本発明の方法のトレハロースホスホリラー
ゼとしては、トレハロースホスホリラーゼの生産能を有
する菌株の変異株に由来する酵素を使用することもでき
る。
【0021】本出願の発明のトレハロースホスホリラー
ゼとしては、トレハロースホスホリラーゼまたは修飾さ
れたトレハロースホスホリラーゼをコードする遺伝子を
適当な宿主に挿入し、そしてその宿主を培養することに
より生産されるトレハロースホスホリラーゼまたは修飾
されたトレハロースホスホリラーゼも使用することがで
きる。
【0022】トレハロースホスホリラーゼを得るには、
上記の担子菌を公知の培養法、例えば酵母エキス0.1
ないし5%、麦芽エキス0.1ないし5%、グルコース
0.5ないし10%、pH5.5ないし7.0の組成の
培地で数日間振とう培養した後、遠心分離により菌体を
集め酵素源とする。また、担子菌を公知のおがくず培地
等で培養した子実体、あるいは市販のヒラタケ、シメ
ジ、ブナシメジ、マイタケ、マッシュルーム等を酵素源
とすることもできる。
【0023】酵素源からのトレハロースホスホリラーゼ
の調製は以下のように行なう。上記担子菌の菌体または
子実体を緩衝液中、例えばリン酸緩衝液中で破砕した
後、不溶物を分離除去して得られる液を粗酵素液とす
る。粗酵素液はそのままトレハロースの製造に用いるこ
ともできるが、さらに分離、精製して用いるのが好まし
い。粗酵素液の分離、精製法としては、硫安沈澱による
塩析法、溶媒沈澱法、イオン交換樹脂による吸着、透析
膜による分離、限外濾過膜による濃縮、ハイドロキシア
パタイトによる吸着、疎水性担体による分離等の一般的
な蛋白質の分離精製法を利用することができる。このよ
うにして得た精製酵素または粗酵素をそのまま用いても
よいが、公知の固定化手段、例えば担体結合法、架橋
法、ゲル包括法、マイクロカプセル化法等を利用して固
定化酵素としてもよい。また、生菌体をポリアクリルア
ミド、κ−カラギナン、アルギン酸、光架橋性樹脂プレ
ポリマー等を利用する包括固定化法により固定化して生
体触媒として用いることもできる。
【0024】本発明の方法の実施態様の一つとしてとし
て、糖質、無機リン酸および/またはその塩、α−ホス
ホリラーゼ、グルコースおよびトレハロースホスホリラ
ーゼを任意の順序で混合して反応させトレハロースを製
造することがあげられる。
【0025】本発明の方法の他の実施態様として、α−
ホスホリラーゼの存在下糖質と無機リン酸および/また
はその塩を反応させてα−グルコース 1−リン酸を生
成させ、次いで任意の時間経過後、α−グルコース 1
−リン酸を分離あるいは分離せずに、グルコースおよび
トレハロースホスホリラーゼを系に加えて、α−ホスホ
リラーゼの作用により生成してくるα−グルコース 1
−リン酸を順次トレハロースに転換させることがあげら
れる。
【0026】さらに本発明の方法の実施態様として、糖
質からのα−グルコース1−リン酸生成反応と、α−グ
ルコース 1−リン酸からのトレハロース生成反応を別
個に実施してもよい。しかしその場合は、第一の反応の
生成混合物からα−グルコース 1−リン酸を分離回収
する必要があることならびに原料糖質に対して化学量論
量の無機リン酸および/またはその塩を使用する必要が
あるので得策ではない。
【0027】本発明の方法の特徴の一つは使用する2種
類の酵素が相互に機能を妨げないこと、および相互の基
質および生成物による阻害作用を受けないことである。
この特徴により、α−ホスホリラーゼによるα−グルコ
ース 1−リン酸の生成を開始した後、任意の時間後に
グルコースとトレハロースホスホリラーゼを追加する
と、既に生成しているα−グルコース 1−リン酸はも
ちろん、未反応の糖質から継続して生成するα−グルコ
ース 1−リン酸もグルコースと反応して目的とするト
レハロースが生成する他、無機リン酸が生成して糖質と
の反応に循環再使用されるので、無機リン酸および/ま
たはその塩の使用量は化学量論量よりもはるかに少なく
てよく実用的見地から有利である。
【0028】本発明の方法においてグルコースはα−グ
ルコース 1−リン酸との反応を除いて不活性であるか
ら、その添加時期はいつでもよい。糖質、無機リン酸お
よび/またはその塩およびα−ホスホリラーゼとともに
最初に反応系に加えてもよいし、任意の時間経過後にト
レハロースホスホリラーゼとともに加えてもよい。任意
の時点でグルコースを単独で反応系に加えてもよい。
【0029】ここまでの説明から容易に推察されるよう
に、本発明の方法においてすべての反応基質と酵素を同
時に混合して反応を開始させることは可能であるばかり
か、好ましい実施態様である。なぜならば、すべての反
応基質と酵素を同時に混合して反応を開始させること
は、α−ホスホリラーゼの作用によるα−グルコース1
−リン酸の生成を開始してからグルコースおよびトレハ
ロースホスホリラーゼを加えてトレハロースの生成を開
始するまでの時間をゼロにすることに相当し、中間体と
して生成するα−グルコース 1−リン酸が直ちにトレ
ハロースに変換される可能性を最大にする。したがって
α−グルコース 1−リン酸が副反応により失われる可
能性を最小にするからである。
【0030】ここまでの説明から容易に推察されるよう
に、基質と酵素の混合の順序に関してなんら制約がない
ことは明らかである。極端な場合にはトレハロースホス
ホリラーゼを最初に加えてもよい。
【0031】本発明の方法の実施にあたり、全反応液1
00容量部(リットル)に対してα−グルコース 1−
リン酸の原料となる糖質を0.1ないし75重量部(キ
ログラム)使用する。例えば、デンプンでは、0.5な
いし50重量部、好ましくは1ないし30重量部、また
スクロースでは0.1ないし75重量部、好ましくは1
ないし50重量部使用する。なお本明細書中で全反応液
の容量とはすべての基質および酵素を加え終わったとき
の反応液の反応温度における容量を意味する。
【0032】本発明の方法の実施にあたり、全反応液1
00容量部(リットル)に対してグルコース0.01な
いし50重量部(キログラム)、好ましくは1ないし2
5重量部使用する。
【0033】本発明の方法において使用する無機リン酸
および/またはその塩としては、オルトリン酸、リン酸
ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素ナトリウ
ム、リン酸二水素カリウム等の通常の無機リン酸及びそ
の塩等を使用することができ、好ましくはリン酸緩衝液
の形態で用いる。
【0034】本発明の方法においては、原料糖質1 kg
に対して無機リン酸および/またはその塩を0.1ミリ
モルないし6モル、好ましくは1ミリモルないし0.5
モル使用する。
【0035】本発明の方法においては、α−グルコース
1−リン酸の供給源となる糖質1kg に対してα−ホ
スホリラーゼを0.1単位以上、好ましくは1単位以上
用い、トレハロースホスホリラーゼを0.1単位以上、
好ましくは1単位以上用いる。酵素の使用量に上限は存
在せず、最適な酵素使用量は経済性を考慮して決定され
る。
【0036】本発明の方法においてα−グルコース 1
−リン酸を製造するときは、pH2ないし10、好まし
くは4ないし9、反応温度10ないし80℃、好ましく
は15ないし60℃で行なう。α−グルコース 1−リ
ン酸からトレハロースを製造するときは、pH2ないし
10、好ましくは4ないし9、反応温度10ないし80
℃、好ましくは15ないし60℃で行なう。
【0037】α−ホスホリラーゼとトレハロースホスホ
リラーゼを同時に存在させて、生成してくるα−グルコ
ース 1−リン酸を順次トレハロースに変換する場合に
は、pH2ないし10、好ましくは4ないし9、更に好
ましくは5ないし8、温度10ないし80℃、好ましく
は15ないし60℃で反応させる。
【0038】本発明の方法を実施するにあたり減圧下、
常圧下あるいは加圧下で行なうことができる。減圧下で
行なうときは0.5ないし1 kg/cm (絶対圧)、加
圧下で行なうときは1ないし10 kg/cm (絶対圧)
の圧力下で行なう。
【0039】本出願の発明の酵素反応終了後、必要であ
れば酵素を失活させ、遠心分離、濾過等により不溶物を
除去し、上清を得ることができる。この上清はトレハロ
ースを主成分とする糖組成物であり、目的に応じてその
まま使用することもでき、必要に応じてトレハロースを
単離精製して用いることもできる。例えば活性炭吸着処
理することによりトレハロースを吸着させ20%エタノ
ール水溶液により溶出させ、ダウエックスTM−1(ダ
ウケミカル社製)、CMセルロース等のアニオン型イオ
ン交換樹脂で処理することによって糖液として精製する
ことができる。また、この糖液をほう酸型イオン交換樹
脂に吸着させ、ほう酸カリウム等の水溶液にて溶出させ
ることにより精製し、最後に濃縮してトレハロースの結
晶を得ることができる。以下に、調製例、実施例により
本出願の発明を具体的に説明する。
【0040】
【実施例】調製例1(トレハロースホスホリラーゼの調
製) 新鮮な市販マイタケ子実体295 g に20mM トリス−
塩酸緩衝液(pH7.5、20%グリセロール、1 mM
EDTA、1 mM ジチオスレイトールを含む。以下同
じ)600 ml を加え、ワーリングブレンダーTM(ダ
イナミックス社、米国)で破砕し、遠心分離により不溶
物を除去し、上清液780 ml を得、これを粗酵素液と
した。この粗酵素液に60%飽和硫酸アンモニウム濃度
になるように硫酸アンモニウムを加え、硫酸アンモニウ
ム沈澱処理を行なった。遠心分離により沈澱物を回収
し、30%硫酸アンモニウムを含む20 mM トリス−塩
酸緩衝液に溶解し、同じ緩衝液で平衡化したブチル−ト
ヨパールTM650(トーソー社製)24 ml を充填し
たカラム(15 mmφ×140 mm)に通し、同じ緩衝液
にて洗浄後、硫酸アンモニウム濃度30%から0%の直
線濃度勾配溶出(20 mM トリス−塩酸緩衝液、総容量
250 ml)を行なった。酵素活性画分を20mMクエン
酸−水酸化ナトリウム緩衝液(pH6.0、20%グリ
セロール、1 mMEDTA、1 mM ジチオスレイトール
を含む。以下同じ)に対して透析し、同じ緩衝液で平衡
化したAF-ブルートヨパールTM650(トーソー社
製)20mlを充填したカラム(15 mmφ×110 mm)
に通し、同じ緩衝液にて洗浄後、塩化カリウム濃度0か
ら0.5Mの直線濃度勾配溶出(20 mM クエン酸−水
酸化ナトリウム緩衝液、総液量200 ml)を行なっ
た。 酵素活性画分をホローファイバー限外濾過装置を
使用して濃縮し、酵素液3.1 ml を得た。この酵素液
のトレハロースホスホリラーゼ活性、比活性は、それぞ
れ10.8単位/ml、3.48単位/mg蛋白質であっ
た。
【0041】酵素の活性は、以下により求めた。すなわ
ちトレハロース10.8 g 、グルタチオン860 mg、
EDTA・2Na17.2 mg を57 mM リン酸カリウ
ム緩衝液(pH7.0)に溶解し全量を100mlとした
溶液1400μl、20mMNADP水溶液100μ
l、26 mM 塩化マグネシウム水溶液100μl、1.
34 mM グルコース 1,6−二リン酸水溶液100μ
l、ホスホグルコムターゼ31単位/ml 水溶液 100
μl、グルコース−6−リン酸脱水素酵素35単位/ml
水溶液100μl、および被検酵素液100μlを混合
し、30℃で反応させて生成するNADPH量を波長3
40 nm の吸光度によって経時的に測定する。この条件
下で1分間に1μmol のNADPHを生成する酵素量を
1単位とする。
【0042】調製例2(トレハロースホスホリラーゼの
調製) 酵母エキス0.75%、グルコース5.0%からなる培
地100 ml (pH5.5)を300 ml 三角フラスコ
に分注して滅菌(120℃、20分間)した。表1の菌
株群から選ばれた各菌株を滅菌した培地に接種し、26
℃、3日間振とう培養した。培養後遠心分離により菌糸
体を集め、20mM リン酸緩衝液(pH7.0)を加
え、ワーリングブレンダーTM(ダイナミックス社、米
国)で破砕し、遠心分離により不溶物を除去し、粗酵素
液を得た。この粗酵素液を20mMリン酸緩衝液(pH
7.0)で平衡化したDEAEトヨパールTM650C
(トーソー社製)を充填したカラムに通し、同じ緩衝液
にて洗浄後、塩化カリウム濃度0から0.5Mの直線濃
度勾配溶出(20mM リン酸緩衝液、総容量400 ml)
を行なった。このときのそれぞれの菌株由来の酵素液の
液量およびそのトレハロースホスホリラーゼの活性、総
活性、比活性を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】調製例3(トレハロースホスホリラーゼの
調製)(参考例) マッシュルーム(アガリクス ビスポルス(Agaricus bis
porus))、まいたけ(グリフォラ フロンドーサ(Grifo
la frondosa))、ひらたけ(プレウロツス オストレア
ツス(Pleurotus ostreatus))、ぶなしめじ(リオフィ
ルム ウルマリウム(Lyophyllum ulmarium))から選ばれ
た各菌株の新鮮な子実体それぞれ100g に20 mM リ
ン酸緩衝液(pH7.0、20%グリセロール、1 mM
EDTA、1 mM ジチオスレイトールを含む。以下同
じ)約150 ml を加え、ワーリングブレンダー
TM(ダイナミックス社、米国)で破砕し、遠心分離に
より不溶物を除去し上清液を得、これを粗酵素液とし
た。粗酵素液を、QAEトヨパール (トーソー社
製)20mlを充填したカラムに通し、同じ緩衝液にて洗
浄後、塩化カリウム濃度0から0.5 M の直線濃度勾
配溶出(20mM リン酸緩衝液、総容量400ml)を行
なった。トレハロースホスホリラーゼ活性画分をホロー
ファイバー限外濾過装置を使用して濃縮し酵素液を得
た。それぞれの菌株由来の酵素液の液量、およびそのト
レハロースホスホリラーゼ活性、総活性、比活性を表2
に示す。
【0045】
【表2】
【0046】調製例4(α−ホスホリラーゼの調製) ジャガイモ350gを小片とし、20 mM リン酸緩衝液
(pH7.0、20%グリセロール、1 mM EDTA、
1 mM ジチオスレイトールを含む。以下同じ)200 m
l を加えワーリングブレンダーTM(ダイナミックス社
製、米国)により破砕し、ガーゼ濾過によりデンプンを
除去し、さらに遠心分離で不溶物を除き粗酵素液400
ml を得た。この粗酵素液を20 mM リン酸緩衝液(p
H7.0)で平衡化したDEAEトヨパールTM650
C(トーソー社製)100 ml に吸着させ、塩化カリウ
ム濃度0から0.5 M の直線濃度勾配溶出(20mM リ
ン酸緩衝液、総容量600 ml)を行ない、各7.6ml
ずつ分画した。α−ホスホリラーゼ活性は、画分31か
ら41に見られた。活性画分を集めて(84ml)ホロー
ファイバー限外濾過装置を使用して濃縮し、5.4 ml
の酵素液を得た。この酵素液の活性は32.3単位/ml
であった。
【0047】酵素の活性は、以下により求めたものであ
る。すなわち、加温溶解して調製した5.72%デンプ
ン水溶液700μl、グルタチオン1.72 g 、ED
TA・2Na34.2 mg を114 mM リン酸カリウム
緩衝液(pH7.0)に溶解し全量を100mlとした溶
液700μl、20mM NADP水溶液100μl、
26 mM 塩化マグネシウム水溶液100μl、1.34
mM グルコース 1,6−二リン酸水溶液100μl、
ホスホグルコムターゼ31単位/ml水溶液100μl、
グルコース−6−リン酸脱水素酵素35単位/ml水溶液
100μl、および被検酵素液100μlを混合し、3
0℃で反応させて生成するNADPH量を波長340 n
m の吸光度によって経時的に測定する。この条件下で1
分間に1μmol のNADPHを生成する酵素量を1単位
とする。
【0048】実施例1(製造例) 200 mM スクロース水溶液750μl、400 mM リ
ン酸カリウム緩衝液(pH6.0)375μl、500
mM MES緩衝液(pH6.0)300μl、スクロー
スホスホリラーゼ(シグマ社製)17.8単位/ml水溶
液50μl、および精製水25μlを混合し、35℃、
10時間、エッペンドルフチューブ中で反応させた。加
熱処理により酵素を失活させた後、反応液中のα−グル
コース1−リン酸量を下記の方法で測定したところ、α
−グルコース 1−リン酸濃度は75 mM であった。こ
のときのスクロースから生成したα−グルコース 1−
リン酸のモル収率は75%であった。
【0049】α−グルコース 1−リン酸の濃度は、以
下により求めた。すなわち、EDTA・2Na17.1
mg を47 mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)に
溶解し、全量を100 ml とした溶液2.5 ml 、1
4.8 mM NADP水溶液100μl、26mM 塩化
マグネシウム水溶液100μl、1.34 mM グルコー
ス 1,6−二リン酸水溶液100μl、ホスホグルコ
ムターゼ31単位/ml水溶液50μl、グルコース−6
−リン酸脱水素酵素35単位/ml水溶液50μl、およ
び被検液100μlを混合し、30℃、30分間反応さ
せて生成するNADPH量を波長340 nm で吸光度測
定しα−グルコース 1−リン酸量とした。
【0050】実施例2 加熱処理により酵素を失活させたα−グルコース 1−
リン酸含有上記実施例1の反応終了液1150μl、5
00 mM グルコース水溶液300μl、酵素調製例1に
より得たトレハロースホスホリラーゼ10.8単位/ m
l 水溶液40μl、および精製水10μlを混合し35
℃、21時間、エッペンドルフチューブ中で反応させ
た。加熱処理により酵素を失活させた後、反応液中のト
レハロース量を下記の方法で測定したところ、トレハロ
ース濃度は33 mM であった。このときのα−グルコー
ス 1−リン酸から生成したトレハロースのモル収率は
57%であった。
【0051】トレハロースの濃度は以下により求めた。
反応液をポリアミンカラム(YMCPackTM Po
lyamine II 4.6 mm φ×250 mm 、YM
C社製)、溶離液アセトニトリル:水=7:3、流速1
ml/min、カラム温度35℃、示差屈折計(セル温度3
5℃)による高速液体クロマトグラフィーにより測定し
た。このHPLC条件においてトレハロースの保持時間
は15.7分であった。
【0052】実施例3 調製例2により得たコリオルス ヒルスツス(Coriolus
hirsutus)微工研菌寄第 2711号由来の酵素液69
ml をホローファイバー限外濾過装置を使用して濃縮
し、トレハロースホスホリラーゼ活性2.4単位/ml
の酵素液2.0mlを得た。この酵素液50μl、500
mM スクロース水溶液50μl、500 mM グルコース
水溶液50μl、400 mM リン酸カリウム緩衝液(p
H6.5)10μl、500 mM MES緩衝液(pH
6.5)50μl、スクロースホスホリラーゼ(シグマ
社製)11.5単位/ ml 水溶液10μl、および精製
水30μlを混合し30℃、18時間、エッペンドルフ
チューブ中で反応させた。加熱処理により酵素を失活さ
せた後、反応液中のトレハロース量を実施例2に記載の
方法で測定したところ、トレハロース濃度は24 mM で
あった。このときのスクロースから生成したトレハロー
スのモル収率は24%であった。
【0053】実施例4(参考例) 調製例3により得たプレウロツス オストレアツス(Pleu
rotus ostreatus)由来のトレハロースホスホリラーゼ
5.1単位/ml 水溶液24μl、500mM スクロース
水溶液50μl、500 mM グルコース水溶液50μ
l、400 mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.5)1
0μl、500mM MES緩衝液(pH6.5)50μ
l、スクロースホスホリラーゼ(シグマ社製)11.5
単位/ml水溶液10μl、および精製水56μlを混合
し30℃、36時間、エッペンドルフチューブ中で反応
させた。加熱処理により酵素を失活させた後、反応液中
のトレハロース量を実施例2に記載の方法で測定したと
ころ、トレハロース濃度は29mM であった。このとき
のスクロースから生成したトレハロースのモル収率は2
9%であった。
【0054】実施例5(参考例) 500 mM スクロース水溶液300μl、500 mM グ
ルコース水溶液300μl、100 mM リン酸カリウム
緩衝液(pH6.5)150μl、500 mMMES緩
衝液(pH6.5)300μl、酵素調製例1によって
得たトレハロースホスホリラーゼ10.8単位/ml 水
溶液50μl、スクロースホスホリラーゼ(シグマ社
製)17.8単位/ml 水溶液30μl、および精製水
370μlを混合し27.5℃、70時間、エッペンド
ルフチューブ中で反応させた。加熱処理により酵素を失
活させた後、反応液中のトレハロース量を実施例2に記
載の方法で測定したところトレハロース濃度は96 mM
であった。このときのスクロースから生成したトレハロ
ースのモル収率は96%であった。
【0055】実施例6(参考例) 1 M スクロース水溶液3 ml、1Mグルコース水溶液3
ml 、0.5Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.5)
0.2 ml、500mM MES緩衝液(pH6.5)2 m
l 、酵素調製例1によって得たトレハロースホスホリラ
ーゼ10.8単位/ml 水溶液0.33 ml、スクロース
ホスホリラーゼ(シグマ社製)17.8単位/ml 水溶
液0.2 ml、および精製水1.27 ml を混合し2
7.5℃、97時間、密閉したガラス容器中で反応させ
た。加熱処理により酵素を失活させた後、反応液中のト
レハロース、フラクトース、グルコース、スクロース量
を実施例2に記載の方法と同じ方法で測定したところ、
それぞれ283、305、18、10 mM であった。こ
のときのスクロースから生成したトレハロースのモル収
率は94%であった。なお、反応液のHPLCプロフィ
ールを図1に示す。図1において、スクロース、グルコ
ース、トレハロース、フラクトースはそれぞれ12.5
分、9.9分、15.7分、8.0分に溶出している。
【0056】実施例7(参考例) 1 M スクロース水溶液300μl、1 M グルコース水
溶液300μl、500mM MES緩衝液(pH6.
5)300μl、 酵素調製例1によって得たトレハロ
ースホスホリラーゼ10.8単位/ml水溶液150μ
l、スクロースホスホリラーゼ(シグマ社製)10.1
単位/ml水溶液150μl、および最終の無機リン酸濃
度が0から100 mM になるように計算量のリン酸緩衝
液と精製水を混合して調製した液300μlを混合し、
27.5℃、4時間エッペンドルフチューブ中で反応さ
せた。加熱処理により酵素を失活させた後、トレハロー
ス量を実施例2に記載の方法で測定した。各無機リン酸
濃度に対して生成したトレハロース濃度を表3に示し
た。その結果、本反応系では、無機リン酸の最適濃度は
スクロース1 kg に対して0.37モルであった。
【0057】
【表3】
【0058】実施例8 600 mM グルコース水溶液200μl、60%デキス
トリン(DE22)水溶液200μl、125 mM リン
酸カリウム緩衝液(pH6.5)10μl、500 mM
MES緩衝液(pH6.5)100μl、酵素調製例4
により得たジャガイモ由来のα−ホスホリラーゼ水溶液
40μl、調製例1によって得たトレハロースホスホリ
ラーゼ10.8単位/ml 水溶液40μl、 および精製
水10μlを混合し35℃、49時間、エッペンドルフ
チューブ中で反応させた。反応液中のトレハロース量を
実施例2に記載の方法で測定した。その際に、反応液を
α−アミラーゼ、グルコアミラーゼで処理し、マルトー
スをグルコースに変えトレハロースを測定したところ、
トレハロース濃度は73 mM であった。このときのデキ
ストリンから生成したトレハロースの重量収率は12.
5%であった。また、グルコースから生成したトレハロ
ースの重量収率は70%であった。
【0059】実施例9 実施例6により生成したトレハロースを単離精製するた
めに、反応終了液を活性炭カラム(25 mmφ×300
mm 、約147 ml、クロマトグラフ用、和光純薬社製)
に通し、トレハロースを吸着させ、水で洗浄し、次に2
0%エタノールで溶出させた。トレハロース画分を減圧
下で濃縮した後、高速液体クロマトグラフィーにより分
取を行なった。分取は、ポリアミンカラム(YMC P
ack Polyamine 10 mmφ×250
mm、YMC社製)、溶離液アセトニトリル:水=70:
30、流速5 ml/min、カラム温度35℃、示差屈折計
(セル温度35℃)によって行なった。保持時間12.
5から16.5分のトレハロースのピークを分取した。
このトレハロース画分を濃縮し白色粉末約750 mg を
得た。
【0060】上記のようにして得た白色粉末の250M
HzプロトンNMRスペクトルは、市販のトレハロース
標品のプロトンNMRのスペクトルと一致した。またこ
の白色粉末のソモギ−ネルソン法による還元糖の試験は
陰性であった。さらにこの白色粉末を0.05N硫酸中
に溶解して20 mM 溶液とし、密閉容器中100℃で1
5時間加熱し、HPLCで測定したところ37 mM のグ
ルコースが得られた。
【0061】
【発明の効果】本発明の方法のように、無機リン酸およ
び/または無機リン酸塩の存在下、α−ホスホリラーゼ
および新規なトレハロースホスホリラーゼを作用させる
ことにより、安価で入手容易な糖質例えばデンプン、ス
クロース、セロビオース等からα−ホスホリラーゼの作
用によりα−グルコース 1−リン酸を生成させ、この
α−グルコース 1−リン酸をトレハロースホスホリラ
ーゼの作用によりグルコースと反応させてトレハロース
を製造することができる。また本発明の方法で用いるト
レハロースホスホリラーゼはトレハロースの生産性ばか
りでなく安定性にも優れ、そのうえ調製も容易なのでト
レハロースの工業的生産に適している。
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例6の酵素反応液の高速液体クロマトグ
ラフィーのプロフィールである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−グルコース 1−リン酸とグルコー
    スからトレハロースホスホリラーゼによりトレハロース
    を製造する方法において、トレハロースホスホリラーゼ
    がコリオルス(Coriolus)属およびレンチテス(Lenzites)
    属由来であることを特徴とするトレハロースの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 トレハロースホスホリラーゼがコリオル
    ス ベルシコロル(Coriolus versicolor)、コリオルス
    ヒルスツス(Coriolus hirsutus)およびレンチテス ベ
    ツリナ(Lenzites betulina)由来であることを特徴とす
    る請求項1に記載のトレハロースの製造方法。
  3. 【請求項3】 α−グルコース−1−燐酸及びグルコー
    スに、トレハロースフォスフォリラーゼをpH2〜10
    で作用させることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    トレハロースの製造法。
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