JPH11315906A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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Publication number
JPH11315906A
JPH11315906A JP12481798A JP12481798A JPH11315906A JP H11315906 A JPH11315906 A JP H11315906A JP 12481798 A JP12481798 A JP 12481798A JP 12481798 A JP12481798 A JP 12481798A JP H11315906 A JPH11315906 A JP H11315906A
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JP
Japan
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differential
gear
planetary gear
carrier
transmission mechanism
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Application number
JP12481798A
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English (en)
Inventor
Kazutaka Kawada
和隆 川田
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
Application filed by Tochigi Fuji Sangyo KK filed Critical Tochigi Fuji Sangyo KK
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヨーモーメント制御機能を備えながら、小
型、軽量に構成すると共に、耐久性を向上させる。 【解決手段】 デフケース3の回転を車輪側出力軸2
9、31に配分するプラネタリーギヤ式の差動機構5
と、プラネタリーギヤキャリヤ59が静止側のケーシン
グ13に固定され、インターナルギヤ49がデフケース
3に連結されたプラネタリーギヤ式の変速機構7と、変
速機構7のサンギヤ51に一側が連結され、車輪側出力
軸29、31に他側がそれぞれ連結されたクラッチ9、
11と、各クラッチ9、11を断続操作するアクチュエ
ータとを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車体のヨーモー
メント制御機能を備えたデファレンシャル装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特開平7−47850号公報に図4に示
すようなデファレンシャル装置201が記載されてい
る。
【0003】このデファレンシャル装置201は、デフ
ケース203、プラネタリーギヤ式の差動機構205、
変速機構207、一対の多板クラッチ209、211、
これらを締結するアクチュエータなどから構成されてい
る。
【0004】エンジン213の駆動力はトランスミッシ
ョン215から、その出力ギヤ217とデフケース20
3側リングギヤ219との噛み合いによってデフケース
203を回転させる。デフケース203の回転は差動機
構205で分配され、プラネタリーギヤキャリヤ221
を介して右の前輪223側に伝達され、サンギヤ225
を介して左の前輪227側に伝達される。
【0005】変速機構207は互いに噛み合う変速ギヤ
229、231と、互いに噛み合う変速ギヤ233、2
35から構成されている。変速ギヤ229はデフケース
203に固定されており、変速ギヤ231、233はカ
ウンターシャフト237によって相対回転不能に連結さ
れており、変速ギヤ235は各多板クラッチ209、2
11が共用するクラッチハウジング239に固定されて
いる。
【0006】各多板クラッチ209、211はこのクラ
ッチハウジング239とクラッチハブ241、243と
の間に配置されており、クラッチハブ241は右前輪2
23側のプラネタリーギヤキャリヤ221に連結され、
クラッチハブ243は左前輪227側の車軸245に連
結されている。
【0007】多板クラッチ241の締結を解除し、多板
クラッチ243を締結すると、変速機構207によって
右前輪223が減速され、その減速分だけ左前輪227
が増速され、車体に右旋回を促すヨーモーメントが働
く。又、多板クラッチ243の締結を解除し、多板クラ
ッチ241を締結すると、変速機構207によって左旋
回方向のヨーモーメントが生じる。
【0008】このように多板クラッチ241、243を
各別に断続すると、変速機構207の変速機能によって
左右の前輪227、223の間で駆動トルクが移動し、
このヨーモーメント制御機能によって車体に必要な方向
のヨーモーメントを与えれば、車両の旋回性が向上し、
あるいは、直進安定性が向上する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、デファレンシ
ャル装置201は、変速機構207を構成する変速ギヤ
229、231と変速ギヤ233、235とが軸方向に
離れて配置されているから、軸方向にそれだけ大型にな
っている。
【0010】又、変速ギヤ231、233がカウンター
シャフト237上に配置されており、これに加えて、変
速ギヤ235が多板クラッチ241、243のクラッチ
ハウジング239上に配置されているから、デファレン
シャル装置201は径方向にも大型である。
【0011】更に、カウンターシャフト237が一軸の
場合は、変速ギヤ231と噛み合う変速ギヤ229(デ
フケース203)と、変速ギヤ233と噛み合う変速ギ
ヤ235(クラッチハウジング239)に偏心荷重が掛
かり、耐久性などが低下するから、偏心荷重に対応する
ために、支持構造、例えば、ベアリングの強度、個数、
配置箇所などに厳しい仕様が要求され、大きなコスト上
昇を招く。
【0012】又、偏心荷重を防止するために、複数のカ
ウンターシャフト237を車軸245の外周に配置する
と、デファレンシャル装置201は全周で径方向に大型
になる上に、重量も大幅に増加する。
【0013】このように大型で重いデファレンシャル装
置201は、配置スペースと支持部の強度などの点で車
体の搭載性が大きく低下する。
【0014】そこで、この発明は、ヨーモーメント制御
機能を備え、小型、軽量であると共に、回転部材の支持
箇所に偏心荷重が掛からず耐久性に優れたデファレンシ
ャル装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、エンジンの駆動力によって回転駆動される
デフケースと、インターナルギヤがデフケースに固定さ
れ、プラネタリーギヤのキャリヤとサンギヤが一対の出
力軸側にそれぞれ連結されたプラネタリーギヤ式の差動
機構と、この差動機構と同軸に配置されると共に、互い
に径方向に配置されたインターナルギヤとプラネタリー
ギヤとサンギヤとを有し、インターナルギヤとプラネタ
リーギヤのキャリヤとサンギヤの第1部材が静止側のケ
ーシングに固定され、第2部材がデフケースに連結さ
れ、第3部材を自由回転側にしたプラネタリーギヤ式の
変速機構と、この変速機構と同軸に配置されると共に、
第3部材に一側が連結され、前記差動機構のプラネタリ
ーギヤキャリヤとサンギヤとに他側がそれぞれ連結され
た一対のクラッチと、各クラッチを断続操作するアクチ
ュエータとを備えたことを特徴とする。
【0016】一方のクラッチを連結して他方のクラッチ
の連結を解除すると、駆動トルクは変速機構によって変
速される。この変速機能によって、例えば、連結された
クラッチ側の車輪が減速されると、その減速分だけの駆
動トルクが反対側の車輪に移動してこれを増速し、車体
にヨーモーメントが与えられる。
【0017】このヨーモーメント制御機能によって車体
に必要な方向のヨーモーメントを与えれば、車体の挙動
を制御して操縦性や安定性などを大きく向上させること
ができる。
【0018】例えば、旋回走行するときに外輪側のトル
クを大きくし、旋回を促すヨーモーメントを与えれば、
車両の旋回性が大きく向上する。
【0019】又、悪路などのように車体が蛇行するよう
な路面状態や操舵条件では、蛇行と反対方向のヨーモー
メントを車体に与えれば、蛇行が収束し、安定性と直進
性とが向上する。
【0020】これに加えて、本発明のデファレンシャル
装置では、プラネタリーギヤ式の差動機構自体が軸方向
に小型である上に、各ギヤが互いに径方向に配置された
プラネタリーギヤ式の変速機構は、変速ギヤが軸方向に
配置された従来例の変速機構と異なって、軸方向寸法が
大幅に短縮されている。
【0021】更に、このプラネタリーギヤ式変速機構
は、差動機構及びクラッチと同軸に配置されており、カ
ウンターシャフトを用いた従来例と異なって、径方向寸
法も大幅に短縮されており、その上、軽量化されてい
る。
【0022】このように軽量で小型に構成された本発明
のデファレンシャル装置は、配置スペースと支持部(取
り付け部)の強度などの点で、車体への搭載性が大きく
向上する。
【0023】又、同軸配置されたプラネタリーギヤ式変
速機構は、差動機構とクラッチに偏心荷重を与えないか
ら、これらの耐久性が大きく向上する。
【0024】請求項2の発明は、請求項1記載のデファ
レンシャル装置であって、変速機構の第1部材がプラネ
タリーギヤのキャリヤであり、第2部材がインターナル
ギヤであり、第3部材がサンギヤであることを特徴と
し、請求項1の構成と同等の効果を得る。
【0025】又、この構成では、デフケースの駆動トル
クが変速機構で増速され、連結されたクラッチ側の車輪
を増速し、他側の車輪を減速することによって車体にヨ
ーモーメントが与えられる。
【0026】請求項3の発明は、請求項1記載のデファ
レンシャル装置であって、変速機構の第1部材がインタ
ーナルギヤであり、第2部材がプラネタリーギヤのキャ
リヤであり、第3部材がサンギヤであることを特徴と
し、請求項1の構成と同等の効果を得る。
【0027】この構成も、駆動トルクの移動と変速は、
請求項2の構成と同様に行われる。
【0028】請求項4の発明は、請求項1記載のデファ
レンシャル装置であって、変速機構の第1部材がプラネ
タリーギヤのキャリヤであり、第2部材がサンギヤであ
り、第3部材がインターナルギヤであることを特徴と
し、請求項1の構成と同等の効果を得る。
【0029】又、この構成では、連結されたクラッチ側
車輪の回転が変速機構で減速され、連結されたクラッチ
側の車輪を減速し、他側の車輪を増速することによって
車体にヨーモーメントが与えられる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1によって本発明の第1実施形
態を説明する。図1はこの実施形態のフロントデフ1
(デファレンシャル装置)を示しており、このフロント
デフ1は請求項1、2の特徴を備えている。なお、左右
の方向はフロントデフ1を用いた車両及び図1での左右
の方向であり、符号を与えていない部材等は図示されて
いない。
【0031】図1に示したように、フロントデフ1は、
デフケース3、プラネタリーギヤ式の差動機構5、プラ
ネタリーギヤ式の変速機構7、多板クラッチ9、11
(クラッチ)、多板クラッチ9、11をそれぞれ押圧す
る油圧アクチュエータ10、12(アクチュエータ)、
各油圧アクチュエータを操作するコントローラ14など
から構成されている。
【0032】フロントデフ1はキャリヤハウジング13
(静止側のケーシング)の内部に配置されており、デフ
ケース3の左右に形成されたボス部15、15はそれぞ
れベアリング17、17を介してキャリヤハウジング1
3に支承されている。キャリヤハウジング13にはオイ
ル溜りが設けられており、フロントデフ1は、静止状態
で下部がこのオイル溜りに浸されており、回転するとオ
イル溜りからオイルを撥ね上げる。
【0033】デフケース3にはリングギヤ19が固定さ
れており、このリングギヤ19はドライブピニオンギヤ
21と噛み合っている。ドライブピニオンギヤ21はト
ランスミッションのカウンターシャフト23に固定され
ており、このカウンターシャフト23はベアリング25
によってトランスミッションケース27に支承されてい
る。
【0034】エンジンの駆動力はトランスミッションか
らドライブピニオンギヤ21とリングギヤ19とを介し
てデフケース3を回転駆動する。
【0035】デフケース3とキャリヤハウジング13に
は、左右の前輪側に連結された車軸29、31(車輪側
出力軸)が貫入している。各車軸29、31とキャリヤ
ハウジング13との間にはシール33、33が配置され
ており、外部へのオイル洩れと、外部からの異物の侵入
とを防止している。
【0036】プラネタリーギヤ式の差動機構5は、デフ
ケース3に固定されたインターナルギヤ35と、サンギ
ヤ37と、インターナルギヤ35と噛み合った外側のプ
ラネタリーギヤ39と、サンギヤ37と噛み合った内側
のプラネタリーギヤ41と、各プラネタリーギヤ39、
41のシャフト43を支持する左右のプラネタリーギヤ
キャリヤ45、47などから構成されている。
【0037】左のプラネタリーギヤキャリヤ45は左車
軸29に連結されており、サンギヤ37は右車軸31に
連結されている。
【0038】デフケース3を回転させるエンジンの駆動
力は、インターナルギヤ35からピプラネタリーギヤキ
ャリヤ45とサンギヤ37に分配され、車軸29、31
を介して左右の前輪に伝達される。
【0039】又、車両が悪路などを走行中に、前輪間に
駆動抵抗差が生じると、エンジンの駆動力はプラネタリ
ーギヤ39、41の公転によって左右の前輪に差動分配
される。
【0040】プラネタリーギヤ式の変速機構7は差動機
構5と同軸に配置されている。
【0041】変速機構7は、インターナルギヤ49(第
2部材)と、サンギヤ51(第3部材)と、インターナ
ルギヤ49と噛み合った外側のプラネタリーギヤ53
と、サンギヤ51と噛み合った内側のプラネタリーギヤ
55と、各プラネタリーギヤ53、55のシャフト57
を支持するプラネタリーギヤキャリヤ59(第1部材)
などから構成されており、各ギヤ49、53、55、5
1は互いに径方向に配置されている。
【0042】インターナルギヤ49はデフケース3のボ
ス部15に連結されており、サンギヤ51は多板クラッ
チ9、11が共用するクラッチハウジング61に連結さ
れており、プラネタリーギヤキャリヤ59はキャリヤハ
ウジング13に固定されている。
【0043】変速機構7はデフケース3からインターナ
ルギヤ49に入力する回転を増速し、サンギヤ51を介
して各多板クラッチ9、11のクラッチハウジング61
に伝達する。
【0044】各多板クラッチ9、11は差動機構5及び
変速機構7と同軸に配置されている。
【0045】多板クラッチ9は、差動機構5のプラネタ
リーギヤキャリヤ47に連結された中空軸63とクラッ
チハウジング61との間に配置されており、多板クラッ
チ11は、右車軸31とクラッチハウジング61との間
に配置されている。又、中空軸63は右車軸31に嵌装
されている。
【0046】又、各多板クラッチ9、11の間にはそれ
ぞれの隙間を適正に保つ中間板65が固定されている。
【0047】各油圧アクチュエータ10、12はエンジ
ン駆動のオイルポンプから送られる油圧によって作動
し、多板クラッチ9、11をそれぞれ押圧して締結させ
る。
【0048】又、アクチュエータ10、12は油圧アク
チュエータに限らず、例えば、空気式のアクチュエー
タ、電動モータを用いたアクチュエータ、電磁式のアク
チュエータなど、いずれの形式のアクチュエータでもよ
い。
【0049】コントローラは、車両の操舵条件、走行条
件、路面状態などに応じ、油圧アクチュエータを介して
左右の多板クラッチ9、11を各別に断続すると共に、
締結した多板クラッチ9、11の締結力を制御する。
【0050】例えば、左の多板クラッチ9を締結し、右
の多板クラッチ11の締結を解除すると、デフケース3
の駆動トルクは変速機構7で増速された後、多板クラッ
チ9を介して中空軸63とプラネタリーギヤキャリヤ4
7、45から左車軸29に伝達されて左前輪を増速する
と共に、その増速分だけの駆動トルクが差動機構5を介
して右車軸31に移動し右前輪を減速する。
【0051】こうして、車体に右旋回方向のヨーモーメ
ントが与えられる。
【0052】又、右の多板クラッチ11を締結し、左の
多板クラッチ9の締結を解除すると、変速機構7で増速
された駆動トルクは多板クラッチ11から右車軸31に
伝達されて右前輪を増速すると共に、その増速分だけ左
前輪が減速され、車体に左旋回方向のヨーモーメントが
与えられる。
【0053】そこで、車両が右旋回をするときは左の多
板クラッチ9を締結し、左旋回のときは右の多板クラッ
チ11を締結すればそれぞれ車両の旋回性が向上する。
【0054】又、悪路などで車体が蛇行する場合は、同
様に、左右の多板クラッチ9、11を切り換え操作し、
蛇行と反対方向のヨーモーメントを車体に与えることに
よって、蛇行を収束し、直進性と安定性とを向上させる
ことができる。
【0055】又、多板クラッチ9、11の締結力を制御
しこれらを適度に滑らせることによって、変速機構7の
変速比が変わり、ヨーモーメントの調整が可能であるか
ら、走行中の諸条件の変化に応じて車体の旋回性、直進
性、安定性などを精密に制御することができる。
【0056】又、多板クラッチ9、11の締結が解除さ
れると、サンギヤ51が自由回転状態になり、変速機構
7の変速機能が停止する。
【0057】こうして、フロントデフ1が構成されてい
る。
【0058】上記のように、フロントデフ1は、変速機
構7と多板クラッチ9、11のヨーモーメント制御機能
によって車両の操縦性や安定性などを大きく向上させる
ことができる。
【0059】又、フロントデフ1は、プラネタリーギヤ
式の差動機構5自体が軸方向に小型である上に、各ギヤ
が互いに径方向に配置されたプラネタリーギヤ式の変速
機構7を用いたから、変速ギヤが軸方向に配置された従
来例と異なって、軸方向寸法が大幅に短縮されている。
【0060】又、この変速機構7が差動機構5及び各多
板クラッチ9、11と同軸に配置されているから、カウ
ンターシャフト237を用いる従来例と異なって、フロ
ントデフ1は径方向寸法も大幅に短縮され、その上、軽
量化されている。
【0061】このように小型化され軽量化されたフロン
トデフ1は、配置スペースと支持部(取り付け部)の強
度などの点で、車体への搭載性が大きく向上している。
【0062】又、同軸配置された変速機構7は、差動機
構5と各多板クラッチ9、11に偏心荷重を与えないか
ら、これらの耐久性が大きく向上する。
【0063】又、互いに噛み合う2枚のプラネタリーギ
ヤ53、55を用いた変速機構7は、各プラネタリーギ
ヤ53、55の径と、プラネタリーギヤキャリヤ59上
のこれらの支持位置とを変えるだけで、インターナルギ
ヤ49とサンギヤ51を変更せずに、変速機構7の変速
比を低コストで変えることが可能である。
【0064】又、こうして広い範囲で変速比を調整する
ことができるから、変速機構7によるトルク配分割合を
広範囲に設定することが可能になり、それだけ大きなヨ
ーモーメント制御機能が得られる。
【0065】なお、差動機構5と変速機構7の両方にプ
ラネタリーギヤ機構を用いたから、これらの間で部材を
共用することが可能であり、これらを共用することによ
って部材の点数が大きく低減し、部材のコストと部材の
管理コストとが大幅に低減される。
【0066】次に、図2によって本発明の第2実施形態
を説明する。図2はこの実施形態のフロントデフ67
(デファレンシャル装置)を示しており、このフロント
デフ67は請求項1、3の特徴を備えている。又、左右
の方向はフロントデフ67を用いた車両及び図2での左
右の方向であり、符号を与えていない部材等は図示され
ていない。
【0067】なお、図2と第2実施形態の説明の中で、
第1実施形態と同機能の部材等には同一の符号を与えて
引用し、これら同機能部材の重複説明は省く。
【0068】図2に示したように、フロントデフ67
は、デフケース3、差動機構5、プラネタリーギヤ式の
変速機構69、多板クラッチ9、11、多板クラッチ
9、11をそれぞれ押圧する油圧アクチュエータ10、
12、各油圧アクチュエータを操作するコントローラ1
4などから構成されている。
【0069】変速機構69は、インターナルギヤ71
(第1部材)と、サンギヤ73(第3部材)と、これら
と噛み合ったプラネタリーギヤ75と、プラネタリーギ
ヤ75のシャフト77を支持するプラネタリーギヤキャ
リヤ79(第2部材)などから構成されており、各ギヤ
71、75、73は互いに径方向に配置されている。
【0070】インターナルギヤ71はキャリヤハウジン
グ13に固定されており、プラネタリーギヤキャリヤ7
9はデフケース3のボス部15に連結されており、サン
ギヤ73は多板クラッチ9、11のクラッチハウジング
61に連結されている。
【0071】変速機構69はプラネタリーギヤキャリヤ
79から入力するデフケース3の回転を増速し、サンギ
ヤ73を介して各多板クラッチ9、11のクラッチハウ
ジング61に伝達する。
【0072】フロントデフ1と同様に、左の多板クラッ
チ9を締結し、右の多板クラッチ11の締結を解除する
と、デフケース3の駆動トルクは変速機構69で増速さ
れて左前輪を増速し、その増速分だけ右前輪が減速され
て車体に右旋回方向のヨーモーメントが与えられる。
【0073】又、右の多板クラッチ11を締結し、左の
多板クラッチ9の締結を解除すると、車体に左旋回方向
のヨーモーメントが与えられる。
【0074】こうして、フロントデフ67が構成されて
いる。
【0075】上記のように、フロントデフ67は、変速
機構69と多板クラッチ9、11のヨーモーメント制御
機能によって車両の操縦性や安定性などを大きく向上さ
せることができる。
【0076】又、フロントデフ67は、プラネタリーギ
ヤ式の差動機構5が軸方向に小型である上に、各ギヤが
互いに径方向に配置されたプラネタリーギヤ式の変速機
構69を用いたから、従来例と異なって、軸方向寸法が
大幅に短縮されている。
【0077】又、この変速機構69が差動機構5及び各
多板クラッチ9、11と同軸に配置されているから、従
来例と異なって、フロントデフ67は径方向寸法も大幅
に短縮されており、その上、軽量化されている。
【0078】このように小型化され軽量化されたフロン
トデフ67は、配置スペースと支持部(取り付け部)の
強度などの点で、車体への搭載性が大きく向上してい
る。
【0079】又、同軸配置された変速機構69は、差動
機構5と各多板クラッチ9、11に偏心荷重を与えない
から、これらの耐久性が大きく向上する。
【0080】又、両方がプラネタリーギヤ機構である差
動機構5と変速機構69の間で部材を共用すれば、部材
の点数が大きく低減し、部材のコストと部材の管理コス
トとが大幅に低減される。
【0081】次に、図3によって本発明の第3実施形態
を説明する。図3はこの実施形態のフロントデフ81
(デファレンシャル装置)を示しており、このフロント
デフ81は請求項1、4の特徴を備えている。又、左右
の方向はフロントデフ81を用いた車両及び図3での左
右の方向であり、符号を与えていない部材等は図示され
ていない。
【0082】なお、図3と第3実施形態の説明の中で、
第1、2実施形態と同機能の部材等には同一の符号を与
えて引用し、これら同機能部材の重複説明は省く。
【0083】図3に示したように、フロントデフ81
は、デフケース3、差動機構5、プラネタリーギヤ式の
変速機構83、多板クラッチ9、11、多板クラッチ
9、11をそれぞれ押圧する図示外の油圧アクチュエー
タ、各油圧アクチュエータを操作するコントローラなど
から構成されている。
【0084】変速機構83は、インターナルギヤ49
(第3部材)、サンギヤ51(第2部材)、外側と内側
のプラネタリーギヤ53、55と、これらのシャフト5
7を支持するプラネタリーギヤキャリヤ59(第1部
材)などから構成されている。
【0085】インターナルギヤ49は多板クラッチ9、
11のクラッチハウジング61に連結されており、プラ
ネタリーギヤキャリヤ59はキャリヤハウジング13に
固定されており、サンギヤ51はデフケース3のボス部
15に連結されている。
【0086】変速機構83は各多板クラッチ9、11の
クラッチハウジング61を介してインターナルギヤ49
に入力する駆動トルクを増速し、サンギヤ51からデフ
ケース3に伝達する。
【0087】左の多板クラッチ9を締結し、右の多板ク
ラッチ11の締結を解除すると、左前輪の回転は変速機
構83によって減速されると共に、その減速分だけ差動
機構5を介して右前輪が増速され、車体に左旋回方向の
ヨーモーメントが与えられる。
【0088】又、右の多板クラッチ11を締結し、左の
多板クラッチ9の締結を解除すると、車体に右旋回方向
のヨーモーメントが与えられる。
【0089】こうして、フロントデフ81が構成されて
いる。
【0090】上記のように、フロントデフ81は、変速
機構83と多板クラッチ9、11のヨーモーメント制御
機能によって車両の操縦性や安定性などを大きく向上さ
せることができる。
【0091】又、フロントデフ81は、プラネタリーギ
ヤ式の差動機構5が軸方向に小型である上に、各ギヤが
互いに径方向に配置されたプラネタリーギヤ式の変速機
構83を用いたから、従来例と異なって、軸方向寸法が
大幅に短縮されている。
【0092】又、この変速機構83が差動機構5及び各
多板クラッチ9、11と同軸に配置されているから、従
来例と異なって、フロントデフ81は径方向寸法も大幅
に短縮されており、その上、軽量化されている。
【0093】このように小型化され軽量化されたフロン
トデフ81は、配置スペースと支持部(取り付け部)の
強度などの点で、車体への搭載性が大きく向上してい
る。
【0094】又、同軸配置された変速機構83は、差動
機構5と各多板クラッチ9、11に偏心荷重を与えない
から、これらの耐久性が大きく向上する。
【0095】又、プラネタリーギヤ53、55の径と、
プラネタリーギヤキャリヤ59上のこれらの支持位置と
を変えるだけで、インターナルギヤ49とサンギヤ51
を変更せずに、変速機構83の変速比を低コストで変え
ることが可能であり、こうして変速比を広い範囲で調整
することができるから、変速機構83によるトルク配分
割合を広範囲に設定することが可能になり、それだけ大
きなヨーモーメント制御機能が得られる。
【0096】又、両方がプラネタリーギヤ機構である差
動機構5と変速機構83の間で部材を共用すれば、部材
の点数が大きく低減し、部材のコストと部材の管理コス
トとが大幅に低減される。
【0097】なお、本発明のデファレンシャル装置は、
フロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に分配す
るデファレンシャル装置)と、リヤデフ(エンジンの駆
動力を左右の後輪に分配するデファレンシャル装置)
と、センターデフ(エンジンの駆動力を前輪と後輪に分
配するデファレンシャル装置)のいずれにも用いること
ができる。
【0098】
【発明の効果】請求項1のデファレンシャル装置は、プ
ラネタリーギヤ式の差動機構に加えて、プラネタリーギ
ヤ式の変速機構を用いたことにより、軸方向と径方向の
両方で小型化され、又、軽量化されて、車体への搭載性
が大きく向上する。
【0099】又、同軸配置されたプラネタリーギヤ式変
速機構は、差動機構とクラッチに偏心荷重を与えないか
ら、これらの耐久性が大きく向上する。
【0100】又、プラネタリーギヤの径とキャリヤ上の
支承位置とを変えるだけで、変速比を低コストで変える
ことが可能であり、変速比を広い範囲で調整することが
できるから、それだけ大きなヨーモーメント制御機能が
得られる。
【0101】又、プラネタリーギヤ式の差動機構と変速
機構の間で部材を共用することによって、部材のコスト
と部材の管理コストとが大幅に低減される。
【0102】請求項2の発明は、請求項1の構成と同等
の効果を得る。
【0103】請求項3の発明は、請求項1の構成と同等
の効果を得る。
【0104】請求項4の発明は、請求項1の構成と同等
の効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すスケルトン機構図
である。
【図2】本発明の第2実施形態を示すスケルトン機構図
である。
【図3】本発明の第3実施形態を示すスケルトン機構図
である。
【図4】従来例のスケルトン機構図である。
【符号の説明】 1、67、81 フロントデフ(デファレンシャル装
置) 3 デフケース 5 プラネタリーギヤ式の差動機構 7、69、83 プラネタリーギヤ式の変速機構 9、11 多板クラッチ(クラッチ) 10、12 アクチュエータ 13 キャリヤハウジング(静止側のケーシング) 14 コントローラ 29、31 車軸(車輪側出力軸) 35 差動機構のインターナルギヤ 37 差動機構のサンギヤ 39、41 差動機構のプラネタリーギヤ 45、47 差動機構のプラネタリーギヤキャリヤ 49 変速機構7、83のインターナルギヤ(第2部
材:第3部材) 51 変速機構7、83のサンギヤ(第3部材:第2部
材) 53 変速機構7、83の外側のプラネタリーギヤ 55 変速機構7、83の内側のプラネタリーギヤ 59 変速機構7、83のプラネタリーギヤキャリヤ
(第1部材) 71 変速機構69のインターナルギヤ(第1部材) 73 変速機構69のサンギヤ(第3部材) 75 変速機構69のプラネタリーギヤ 79 変速機構69のプラネタリーギヤキャリヤ(第2
部材)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力によって回転駆動され
    るデフケースと、インターナルギヤがデフケースに固定
    され、プラネタリーギヤのキャリヤとサンギヤが一対の
    出力軸側にそれぞれ連結されたプラネタリーギヤ式の差
    動機構と、この差動機構と同軸に配置されると共に、互
    いに径方向に配置されたインターナルギヤとプラネタリ
    ーギヤとサンギヤとを有し、インターナルギヤとプラネ
    タリーギヤのキャリヤとサンギヤの第1部材が静止側の
    ケーシングに固定され、第2部材がデフケースに連結さ
    れ、第3部材を自由回転側にしたプラネタリーギヤ式の
    変速機構と、この変速機構と同軸に配置されると共に、
    第3部材に一側が連結され、前記差動機構のプラネタリ
    ーギヤキャリヤとサンギヤとに他側がそれぞれ連結され
    た一対のクラッチと、各クラッチを断続操作するアクチ
    ュエータとを備えたことを特徴とするデファレンシャル
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、変速機構
    の第1部材がプラネタリーギヤのキャリヤであり、第2
    部材がインターナルギヤであり、第3部材がサンギヤで
    あることを特徴とするデファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の発明であって、変速機構
    の第1部材がインターナルギヤであり、第2部材がプラ
    ネタリーギヤのキャリヤであり、第3部材がサンギヤで
    あることを特徴とするデファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の発明であって、変速機構
    の第1部材がプラネタリーギヤのキャリヤであり、第2
    部材がサンギヤであり、第3部材がインターナルギヤで
    あることを特徴とするデファレンシャル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007278379A (ja) * 2006-04-05 2007-10-25 Toyota Motor Corp 車両用駆動力配分装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007278379A (ja) * 2006-04-05 2007-10-25 Toyota Motor Corp 車両用駆動力配分装置
JP4631784B2 (ja) * 2006-04-05 2011-02-16 トヨタ自動車株式会社 車両用駆動力配分装置

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