JPH1131582A - 有機薄膜el素子 - Google Patents

有機薄膜el素子

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JPH1131582A
JPH1131582A JP9193182A JP19318297A JPH1131582A JP H1131582 A JPH1131582 A JP H1131582A JP 9193182 A JP9193182 A JP 9193182A JP 19318297 A JP19318297 A JP 19318297A JP H1131582 A JPH1131582 A JP H1131582A
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一清 永井
Chiaki Tanaka
千秋 田中
Chihaya Adachi
千波矢 安達
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、機械的強度、経時変化がなく耐久性
に優れた有機薄膜EL素子を提供する。 【解決手段】 互いに対向する陽極と陰極間に、単層ま
たは複数層の有機化合物薄膜よりなる発光層を備えた有
機薄膜EL素子において、該有機化合物薄膜の少なくと
も1層が、下記一般式(I)等で表わされる繰り返し単
位からなる芳香族ポリカーボネート樹脂を含有する層で
あることを特徴とする有機薄膜EL素子。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な有機薄膜EL
素子に関し、更に詳しくは耐熱性、機械的強度、経時変
化がなく、耐久性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂
からなる有機薄膜EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機薄膜EL素子は自己発光型で
あるために視野角依存性に富み、視認性が高く、さらに
は薄膜型の完全固体素子であるために省スペース等の観
点から注目され、実用化研究への展開が開始されてい
る。しかしながら、エネルギー変換効率、発光量子効率
のさらなる向上や、経時での有機薄膜の安定性の付与な
ど解決すべき問題が多数ある。
【0003】これまで、有機薄膜EL素子は低分子を利
用したものと高分子を利用したものが報告されている。
低分子系においては、種々の積層構造の採用により高効
率化の実現が、またドーピング法をうまくコントロール
することにより耐久性の向上が報告されている。ただ
し、低分子集合体の場合、長時間における経時での膜状
態の変化が生じることが報告されており、膜の安定性に
関して本質的な問題点を抱えている。一方、高分子系材
料においては、これまで、主にPPV(poly−p−
phenylenevinylene)系列やpoly
−thiophene等について精力的に検討が行われ
てきた。しかしながらこれらの材料系は純度を上げるこ
とが困難であることや、本質的に蛍光量子収率が低いこ
とが挙げられ、高性能なEL素子は得られていないのが
現状である。高分子材料の場合、本質的にガラス状態が
安定であることを考慮した場合、高蛍光量子効率を付与
することができれば、優れたEL素子の構築が可能とな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の現状に鑑みてなされたものであり、発光層の有機薄
膜層を構成する成分として、特に電荷輸送性を有し耐熱
性に優れる芳香族ポリカーボネート樹脂を含有した、経
時変化がなく耐久性に優れる有機薄膜EL素子を提供す
ることをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、特定の芳香族ポリカーボネート樹脂を含有させ
た有機層を有するEL素子が優れた発光特性を有するこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明によれば、互いに対向する陽
極と陰極間に、単層または複数層の有機化合物薄膜より
なる発光層を備えた有機薄膜EL素子において、該有機
化合物薄膜の少なくとも1層が、下記一般式(I)で表
わされる繰り返し単位からなる芳香族ポリカーボネート
樹脂を含有する層であることを特徴とする有機薄膜EL
素子が提供される。
【化1】 [式中、R1、R2、Ar1、Ar2、n及びXは夫々前記
の定義と同一。]
【0007】また、本発明によれば、前記発光層の有機
化合物薄膜の少なくとも1層が、前記一般式で表わされ
る芳香族ポリカーボネート樹脂と電子輸送性物質、或い
は更に発光性物質とを含有する層からなることを特徴と
する前記有機薄膜EL素子が提供される。また、本発明
によれば、互いに対向する陽極と陰極間に、少なくとも
1層のホール注入輸送層を有する複数層の有機化合物薄
膜よりなる発光層を備えた有機薄膜EL素子において、
該ホール注入輸送層の少なくとも1層が、前記一般式
(I)で表わされる芳香族ポリカーボネート樹脂を含有
する層であることを特徴とする有機薄膜EL素子が提供
される。また、本発明によれば、互いに対向する陽極と
陰極間に、複数層の有機化合物薄膜よりなる発光層を備
えた有機薄膜EL素子において、該発光層が、前記一般
式(I)で表わされる芳香族ポリカーボネート樹脂を含
有する層と、少なくとも1層のホール注入輸送層及び/
又は少なくとも1層の電子注入輸送層、もしくは少なく
とも1層のホール及び電子注入輸送層から構成されてい
ることを特徴とする有機薄膜EL素子が提供される。
【0008】更に、本発明によれば、前記芳香族ポリカ
ーボネート樹脂が、下記一般式(2)および(3)で表
わされる繰り返し単位からなり、繰り返し単位の組成比
が0<k/(k+j)≦1である芳香族ポリカーボネー
ト樹脂であることを特徴とする前記各有機薄膜EL素子
が提供される。
【化4】
【化5】 〔式中、R1、R2、Ar1、Ar2、k、j及びXは夫々
前記の定義と同一。〕
【0009】また、本発明によれば、前記芳香族ポリカ
ーボネート樹脂が、下記一般式(4)で表わされる繰り
返し単位からなる芳香族ポリカーボネート樹脂であるこ
とを特徴とする前記各有機薄膜EL素子が提供される。
【化6】 〔式中、R1、R2、n及びXは夫々前記の定義と同
一。〕
【0010】更にまた、本発明によれば、前記芳香族ポ
リカーボネート樹脂が下記一般式(5)および(3)で
表わされる繰り返し単位からなり、繰り返し単位の組成
比が0<k/(k+j)≦1である芳香族ポリカーボネ
ート樹脂であることを特徴とする前記各有機薄膜EL素
子が提供される。
【化7】
【化5】 〔式中、R1、R2、k、j及びXは夫々前記の定義と同
一。〕
【0011】本発明の有機薄膜EL素子の発光層に含有
させる芳香族ポリカーボネート樹脂は、下記一般式
(I)、下記一般式(2)又は下記一般式(2)および
(3)、下記一般式(4)、下記一般式(5)或いは下
記一般式(5)および(3)で表わされる繰り返し単位
からなり、第3級アミノ基を側鎖に有するホール輸送性
と蛍光特性を合せ持つため、有機薄膜EL素子において
は電荷輸送性高分子材料、或いは蛍光材料として使用で
きるものである。
【化1】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】 [上記各式中、R1、R2、Ar1、Ar2、n、k、j及
びXは夫々前記の定義と同一。]
【0012】本発明の有機薄膜EL素子の発光層に含有
させる、上記芳香族ポリカーボネート樹脂は、従来ポリ
カーボネート樹脂の製造法として公知のビスフェノール
と炭酸誘導体との重合と同様の方法で製造できる。すな
わち、本発明の前記一般式(2)、又は一般式(5)で
表される繰り返し単位からなる芳香族ポリカーボネート
樹脂は、下記一般式(6)又は一般式(7)で表される
第3級アミノ基を有するジオール化合物と、ビスアリー
ルカーボネートとのエステル交換法、ホスゲンとの溶液
または界面重合によるホスゲン法、或いは、ジオールか
ら誘導されるモノクロロホーメートあるいはビスクロロ
ホーメートを用いるクロロホーメート法等により製造さ
れる。この際、下記一般式(8)で表されるジオールを
併用することによって、前記一般式(2)で表される繰
り返し単位と前記一般式(3)で表される繰り返し単位
からなる芳香族ポりカーボネート樹脂、或いは前記一般
式(5)で表される繰り返し単位と前記一般式(3)で
表される繰り返し単位からなる芳香族ポリカーボネート
樹脂を製造することができ、こうすることによって所望
の特性を備えた芳香族ポリカーボネート樹脂が得られ
る。前記一般式(2)で表される第3級アミノ基を有す
る繰り返し単位と前記一般式(3)で表される繰り返し
単位との割合、及び前記一般式(5)で表されるアミノ
基を有する繰り返し単位と前記一般式(3)で表される
繰り返し単位との割合は、所望の特性により広い範囲か
ら選択することができる。また、前記一般式(1)、又
は一般式(4)で表される繰り返し単位からなる芳香族
ポリカーボネート樹脂は、下記一般式(6)、又は一般
式(7)で表される第3級アミノ基を有するジオール化
合物と、一般式(8)から誘導されるビスクロロホーメ
ートとの界面重合あるいは溶液重合によって得られる。
また一般式(6)、又は一般式(7)で表される第3級
アミノ基を有するジオール化合物から誘導されるビスク
ロロホーメートと一般式(8)で表されるジオールとの
重合によっても得られる。
【0013】
【化8】
【化9】
【化10】 HO−X−OH (8) 〔各式(6)〜(8)中、R1、R2、Ar1、Ar2及び
Xは夫々前記の定義と同一。〕
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳しく説明す
る。本発明は、上記したように前記一般式(I)、また
は前記一般式(2)、或いは該一般式(2)および前記
一般式(3)で表わされる繰り返し単位からなる芳香族
ポリカーボネート樹脂、特に、前記一般式(4)、また
は前記一般式(5)、或いは該一般式(5)および前記
一般式(3)で表わされる繰り返し単位からなる芳香族
ポリカーボネート樹脂を含有した有機薄膜からなる発光
層を備えた有機薄膜EL素子に関するものである。
【0015】本発明において用いる芳香族ポリカーボネ
ート樹脂は、前記一般式(2)又は(5)で表される繰
り返し単位からなる単独重合体、または、前記一般式
(1)、又は(4)で表される繰り返し単位からなる交
互共重合体、更にまた前記一般式(2)及び(3)、或
いは前記一般式(5)及び(3)で表される繰り返し単
位を構成単位とするランダムまたはブロック共重合体の
いずれでもよい。また、本発明の芳香族ポリカーボネー
ト樹脂の分子量は、ポリスチレン換算数平均分子量で1
000〜1000000、好ましくは2000〜500
000である。
【0016】本発明において用いる芳香族ポリカーボネ
ート樹脂を構成する、前記一般式(1)、(2)、
(4)、及び(5)で表される各繰り返し単位を与える
原料の、前記一般式(6)、及び(7)で表される第3
級アミノ基を有するジオール化合物において、R1
2、R3、R4、R5、R6が置換もしくは無置換のアル
キル基の具体例としては以下のものを挙げることができ
る。C1〜C5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、
これらのアルキル基は更にフッ素原子、シアノ基、フェ
ニル基又はハロゲン原子若しくはC1〜C5のアルキル
基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的に
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i
−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル
基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベ
ンジル基等が挙げられる。
【0017】また、前記一般式(6)、及び(7)で表
される第3級アミノ基含有ジオール化合物において、R
1、R2、R3、R4、R5、R6が置換もしくは無置換の芳
香族炭化水素基である場合の具体例としては以下のもの
を挙げることができる。フェニル基、ナフチル基、ビフ
ェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレ
ニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズ
レニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセ
ニル基等が挙げられ、これらは低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基及びハロゲン原子を置換基として有していて
もよい。また、下記一般式で表される基を挙げることが
できる。
【化11】 〔式中、Bは−O−、−S−、−SO−、−SO2−、
−CO−又は以下の2価基を表す。
【化12】
【化13】 (ここで、R7、R8は、水素原子、置換もしくは無置換
のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、置換もし
くは無置換の芳香族炭化水素基、アミノ基、ニトロ基、
シアノ基を表し、cは1〜12の整数、dは1〜3の整
数を表す。)〕
【0018】前記一般式中のR7及び2価の基Bの具体
例におけるR8が置換もしくは無置換のアルキル基及び
置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基の具体例は前記
1、R2、R3、R4、R5、R6の定義と同様である。ま
た、アミノ基の具体例としては、下記一般式で表される
基が挙げられる。
【化14】 (R9、R10は、置換もしくは無置換のアルキル基、置
換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。) ここで、R9、R10において、置換もしくは無置換のア
ルキル基及び置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基の
具体例は前記R1、R2、R3、R4、R5、R6の定義と同
様である。また、R9、R10は共同で環を形成しても良
い。また、芳香族炭化水素基上の炭素原子と共同で環を
形成しても良い。このような具体例としてピペリジノ
基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。
【0019】更にまた、R1、R2が置換もしくは無置換
の複素環基である場合の該複素環基の具体例としては、
チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラ
ニル基、カルバゾリル基等が挙げられ、これらの複素環
は、前記R1〜R6で定義された置換もしくは無置換のア
ルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を置
換基として有していても良い。
【0020】また、R3、R4がハロゲン原子の場合の、
該ハロゲン原子の具体例としては、フッ素、塩素、臭素
が挙げられる。
【0021】更に、一般式(6)及び(7)において2
価又は3価の芳香族炭化水素基を表すAr1、及びAr2
の具体例としては、前記したR1〜R6で示した芳香族炭
化水素基から誘導される2価基又は3価基を挙げること
ができる。
【0022】また、これら芳香族炭化水素基又は複素環
基は前記したように置換基を有してもよく、以下にその
置換基の具体例を挙げる。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基;好ましくは、C1〜C12とりわけC1
〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖
のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ
素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、
フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基
もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル
基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、
s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフル
オロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエ
チル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル
基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベ
ンジル基、4−メトキシベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR11);R11は(2)で定義
したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エ
トキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−
ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブ
トキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエト
キシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ
基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0023】(4)アリールオキシ基;アリール基とし
てフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1
〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハ
ロゲン原子を置換基として含有しても良い。具体的に
は、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチ
ルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフ
ェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2
−ナフチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基;
具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ
基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。 (6) ;式中R12及びR13は各々独立に(2)で定義したアル
キル基またはアリール基を表し、アリール基としては例
えばフェニル基、またはナフチル基が挙げられ、これら
はC1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基また
はハロゲン原子を置換基として含有しても良い。またア
リール基上の炭素原子と共同で環を形成しても良い。具
体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニ
ルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ
(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリ
ジル基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。 (7)メチレンジオキシ基、またはメチレンジチオ基等
のアルキレンジオキシ基またはアルキレンジチオ基、等
が挙げられる。
【0024】次いで、一般式(8)で示されるジオール
の具体例を以下に示す。1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ベンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,3−
プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパ
ンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリ
コール等の脂肪族ジオールや、1,4−シクロヘキサン
ジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、シクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール等の環状脂肪族ジオール
が挙げられる。
【0025】また、芳香環を有するジオールとしては、
4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,
2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン、2,2−ビス(3、5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメ
チル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサンテ
ン、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾ
エート)、ジエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキ
シベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス(4
−ヒドロキシベンゾエート)、1,3−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−テトラメチルジシロキサン、フェノ
ール変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0026】本発明において用いる芳香族ポリカーボネ
ート樹脂は、前記したように、前記一般式(6)、又は
(7)で表されるアミノ基等を有するジオール化合物
と、必要に応じて前記一般式(8)で表されるジオール
とを、エステル交換法、又はホスゲン法により、或い
は、前記一般式(6)、又は(7)で表されるアミノ基
等を有するジオール化合物と、前記一般式(8)で表さ
れるジオールから誘導されるビスクロロホ−メートと
を、溶媒、脱酸剤の存在下で反応させる方法等により製
造できる。
【0027】以下、前記製造法に関してさらに詳細に説
明する。エステル交換法では、不活性ガス存在下にジオ
ール化合物とビスアリールカーボネートを混合し、通常
減圧下120〜350℃で反応させる。減圧度は段階的
に変化させ、最終的には1mmHg以下にして生成する
フェノール類を系外に留去させる。反応時間は通常1〜
4時間程度である。また、必要に応じて分子量調節剤や
酸化防止剤を加えてもよい。ビスアリールカーボネート
としてはジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカー
ボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p
−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネー
トなどが挙げられる。
【0028】ホスゲン法では、通常脱酸剤および溶媒の
存在下に反応を行う。脱酸剤としては水酸化ナトリウム
や水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、ピリジ
ンなどが用いられる。溶媒としては例えばジクロロメタ
ン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素が用いら
れる。また、反応促進のためにたとえば第3級アミン、
第4級アンモニウム塩などの触媒を用いることができ、
分子量調節剤としてたとえばフェノール、p−tert
−ブチルフェノールなどの末端停止剤を用いることが望
ましい。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜
5時間であり、反応中のpHは通常10以上に保つこと
が好ましい。
【0029】ビスクロロホ−メートを用いる場合はジオ
ール化合物を溶媒に溶解し、脱酸剤を添加し、これにビ
スクロロホ−メートを添加することにより得られる。脱
酸剤としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、
トリプロピルアミンのような第3級アミンおよびピリジ
ンが使用される。反応に使用される溶媒としては、たと
えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエ
タン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、クロ
ロホルムなどのハロゲン化炭化水素およびテトラヒドロ
フラン、ジオキサンなどの環状エーテル系の溶媒が好ま
しい。また、分子量調節剤として、たとえば、フェノー
ル、p−tert−ブチルフェノールなどの末端停止剤
を用いることが望ましい。反応温度は通常0〜40℃、
反応時間は数分〜5時間である。
【0030】本発明において用いる芳香族ポリカーボネ
ート樹脂の具体例を以下に示す。
【表1−(1)】
【0031】
【表1−(2)】
【0032】
【表1−(3)】
【0033】
【表1−(4)】
【0034】上記の方法に従って製造される芳香族ポリ
カーボネート樹脂には、必要に応じて酸化防止剤、光安
定剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤等の添加剤を加えること
ができる。
【0035】次に、本発明の有機薄膜EL素子について
説明する。本発明の有機薄膜EL素子における有機化合
物薄膜層のうち上記の芳香族ポリカーボネート樹脂を含
有する層は、スピンコート法やキャスト法等の公知の方
法によって薄膜化することができる。上記芳香族ポリカ
ーボネート樹脂はジクロロメタンやテトラヒドロフラン
等の有機溶媒に容易に溶解する。従って上記芳香族ポリ
カーボネート樹脂を溶解できる適当な溶媒により適当な
濃度の溶液を作製し、これを用いて上記方法等により塗
工し薄膜を作製できる。電子輸送性物質や発光性物質と
を含有する膜を作製する場合は、上記芳香族ポリカーボ
ネート樹脂溶液にそれらを共に溶解させて塗工すれば作
製できる。また、異種のポリマーは相溶しにくい性質を
利用して一種のポリマー媒体中に他種のポリマー微小分
散相を形成するような膜を作製することもできる。この
場合、樹脂の組み合わせや混合比を変えた混合溶液を作
製し、これを用いて同様な湿式成膜法で塗工すればよ
い。この様な膜に於いては前記芳香族ポリカーボネート
樹脂をポリマー媒体として使用しても良いし、微小分散
相として使用しても良い。
【0036】これらの膜は通常20μm以下と薄いの
で、塗工前に孔径0.45μm以下、より好ましくは孔
径0.1μm以下のフィルターで溶液を濾過して使用す
るのが好ましい。また、有機薄膜EL素子における有機
層が複数の有機化合物薄膜層からなり低分子化合物層を
有する場合には湿式成膜法以外に真空蒸着やスパッタ法
等の乾式成膜法を利用することができる。
【0037】本発明の有機薄膜EL素子を構成する発光
層は、有機化合物薄膜の単層もしくは複数層から構成さ
れてもよい。発光層が単層から構成される場合、その層
が、ポリカーボネート樹脂単独から構成されても良い
し、場合によっては、電子輸送性を有する低分子化合物
の分散や高分子とのブレンドまたは他の電荷輸送性ポリ
マーとのブレンド、さらには蛍光量子効率の極めて高い
蛍光分子を微量ドーピングすることも、高効率化に有効
である。
【0038】本発明の有機薄膜EL素子を構成する発光
層は、さらに、必要であれば、複数層から構成すること
も可能である。この場合、ポリカーボネート樹脂含有層
の上部にさらにスピンコート法や真空蒸着法により電子
注入輸送層や他の発光層等を積層することが可能であ
る。また、ポリカーボネート樹脂含有層を形成する前
に、ホール注入輸送層を形成することも性能向上に有効
な場合がある。
【0039】上記電子輸送性物質としては、電子を輸送
する能力を持つ既存の材料を使用することができる。例
えば、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノ
キノン、チオピランジオキシド、ペリレンテトラカルボ
ン酸、フルオレニリデンメタン、アントラキノジメタ
ン、アントロン等とその誘導体やこれまで優れた電子輸
送性を有することが報告されているオキサジアゾール誘
導体やトリアゾール誘導体を利用することが可能であ
る。
【0040】また、上記蛍光量子効率の極めて高い蛍光
分子としては、溶液状態において強い蛍光を示すレーザ
ー色素等やこれまで有機EL素子に発光材として使用さ
れたきた既存の低分子蛍光性材料を利用することが可能
である。例えば、アントラセン、ナフタレン、フェナン
トレン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フ
ルオレセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペ
リレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノ
ン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエ
ン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベ
ンゾキサゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペン
タジエン、キノリン金属錯体、アミノキノリン金属錯
体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、ジフェニルエチ
レン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピ
ラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダ
ゾールキノレート化オキシノイド化合物、キナクリド
ン、ルブレン等およびそれらの誘導体がある。
【0041】更に、上記ホール注入輸送層を構成する材
料としては、これまで有機EL素子において機能するこ
とが報告されているフタロシアニン系化合物、ポルフィ
リン系化合物、オキサジアゾール、トリアゾール、トリ
フェニルアミン系化合物、ポリシラン等の既存材料を利
用することが可能である。
【0042】この様にして形成された有機化合物薄膜層
の膜厚については特に制限はなく、通常5nmから20
μmの範囲で選ばれる。更に好ましくは5nmから0.
2μmの範囲である。膜厚はピンホール等の膜欠陥の発
生や発光波長での素子内での光干渉や膜厚増加により印
加電圧の上昇等を加味して調整される。
【0043】本発明における有機薄膜EL素子の陽極と
しては4eV、好ましくは4.8eVより大きな仕事関
数を持つ金属、合金、金属酸化物等が利用される。この
ような電極材料の具体例としては、金、白金、パラジウ
ム、銀、タンクステン、ニッケル、コバルト、ITO、
CuI、SnO2、ZnO等の透明電極の利用が挙げら
れる。特に好ましくはITO基板が好適である。ITO
基板の場合、表面の平滑なものが好ましく、また、表面
の汚れを良く洗浄して使用する。洗浄法としては既知の
方法でよいが、オゾン雰囲気下での紫外線照射や酸素雰
囲気下でのプラズマ処理を行ったものが好適である。
【0044】一方、陰極としては、仕事関数の4eVよ
り小さい金属、合金等が利用される。このような物質の
具体例としては、ナトリウム、カルシウム、マグネシウ
ム、リチウム、アルミニウム、サマリウム及びこれらの
合金等が利用できる。
【0045】本発明の有機薄膜EL素子を面発光素子と
して使用する場合は、これらの電極は少なくとも一方が
素子の発光波長領域において十分透明であり、その反対
側は発光波長領域において十分反射率が大きいことが望
まれる。端面発光の場合には透明である必要は無い。透
明電極としては先に述べたITOが好ましく、その基板
も透明なガラス板やプラスチック板が使用される。
【0046】得られた有機薄膜EL素子の環境の温湿
度、雰囲気に対する安定性向上のために、素子の表面に
保護層を設けたり、シリコンオイル等を封入して素子全
体を保護することが有効である。
【0047】このようにして得られた本発明の有機薄膜
EL素子を用い、陽極にプラスを陰極にマイナスを接続
し、電圧を印加するとEL発光を観測することができ
る。通常有機薄膜EL素子では、通電によりジュール熱
が発生しその熱により有機化合物薄膜層の再結晶化、凝
集の進行等や低分子材料の拡散が生じ、これらはいずれ
も素子の耐久性を低下すると言う問題を有している。本
発明の有機薄膜EL素子では、有機化合物薄膜層に融点
が高くアモルファス状態の安定な芳香族ポリカーボネー
ト樹脂を使用するため、結晶化や凝集による素子劣化や
拡散による素子劣化を抑制することができ、良好な耐久
性を有する素子を得ることができる。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明は、これら実施例によって何ら限定されるものでは
ない。
【0049】〔一般式(1)で表わされる繰り返し単位
からなる芳香族ポリカーボネート樹脂(表1中の化合物
No.1)の合成〕窒素気流下、4’−ビス(4−メチ
ルフェニル)アミノ−3,5−ジヒドロキシスチルベン
1.22g(3.0mmol)、トリエチルアミン0.
91g(9.0mmol)を乾燥テトラヒドロフラン1
5mlに溶解させ、5℃に保冷し、これにテトラメチレ
ンエーテルグリコールビス(クロロホーメート)1.1
0g(3.0mmol)を乾燥テトラヒドロフラン3m
lに溶解させたものを30分かけ滴下した。続いて、室
温にて3時間撹拌を行なった後、4%に調整したフェノ
ールのテトラヒドロフラン溶液0.28gを加え、更に
1時間撹拌を行った。次いで、析出しているトリエチル
アミン塩酸塩を濾別し、濾液のテトラヒドロフラン溶液
をメタノール中に滴下し、析出した樹脂を濾別し、減圧
加熱乾燥を行った。更に得られた樹脂をテトラヒドロフ
ランに溶解させ、メタノール中にて析出させる操作を2
回繰り返し、減圧加熱乾燥して目的物の下記構造式で示
される芳香族ポリカーボネート樹脂(表1中No.1の
樹脂)1.45g(収率69.0%)を得た。この樹脂
のTgは44.5℃であり、また、数平均分子量、重量
平均分子量(ポリスチレン換算)はそれぞれ1330
0、36000であった。
【化15】 なお、上記芳香族ポリカーボネート樹脂の元素分析値は
下記の通りであった。 C% H% N% 実測値 72.18 7.01 1.84 計算値 72.65 6.87 2.00
【0050】実施例1 2mmのストライプ状にエッチングを行ったITO基板
を煮沸アルコールにより洗浄し、さらに表面を酸素プラ
ズマにより表面処理した。化合物No.1の芳香族ポリ
カーボネート樹脂の1.0wt%ジクロロメタン溶液を
作製し、孔径0.1μmのメンブランフィルターで濾過
した。この溶液を使用して、ITO基板上にスピンコー
ト法により100nmの膜厚の有機発光層を形成した。
十分乾燥を行った後に、蒸着装置内部に基板をセット
し、10-4Paの真空度にてマスクを介し200nmの
MgAg合金層を形成し、有機薄膜EL素子を作製し
た。発光面のサイズは2mm×2mmであった。このよ
うにして作製したEL素子を用い、ITOを陽極に、M
gAgを陰極に接続したところ、印加電圧10Vにて青
緑色発光が観測された。また、この有機層は結晶化等の
変質は起こさなかった。
【0051】実施例2 実施例1と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、この場合さらにジクロロメタン溶液内に下
記構造式で表わされる2−(4−Biphenyly
l)−5−(4−t−butylphenyl)−1,
3,4−oxadiazole(PBD)(A)を固形
分の30wt%になるように溶解させ、有機発光層を形
成した。このようにして作製したEL素子を用い、IT
Oを陽極に、MgAgを陰極に接続したところ、印加電
圧10Vにて青緑色発光が観測された。また、この有機
層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【化16】
【0052】実施例3 実施例1と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、ジクロロメタン溶液内に2−(4−Bip
henylyl)−5−(4−t−butylphen
yl)−1,3,4−oxadiazole(PBD)
を固形分の30wt%と微量の下記構造式で表わされる
ペリレン誘導体(B)を固形分の3wt%溶解させ、有
機発光層を形成した。このようにして作製したEL素子
を用い、ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したと
ころ、印加電圧10Vにてオレンジ色の発光が観察され
た。また、この有機層は結晶化等の変質は起こさなかっ
た。
【化17】
【0053】実施例4 実施例1と同様に処理したITO基板上に、実施例1と
同じジクロロメタン溶液を用いてdipping法によ
り実施例1と同様な50nmの膜を形成した。十分乾燥
を行った後に、蒸着装置内部に基板をセットし、10-4
Paの真空度にて50nmの下記構造式で表わされる化
合物(C)のAlq分子堆積膜を形成し、さらに、マス
クを介し200nmのMgAg合金層を形成し、有機薄
膜EL素子を作製した。発光面のサイズは2mm×2m
mであった。このようにして作製したEL素子を用い、
ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したところ、印
加電圧10Vにて緑色の発光が観測された。また、この
有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【化18】
【0054】実施例5 実施例2と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、ポリカーボネート樹脂成分として化合物N
o.11を用いた。このようにして作製したEL素子を
用い、ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したとこ
ろ、印加電圧10Vにて青緑色発光が観測された。ま
た、この有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0055】実施例6 実施例4と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、ポリカーボネート樹脂成分として化合物N
o.11を用いた。このようにして作製したEL素子を
用い、ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したとこ
ろ、印加電圧10Vにて緑色発光が観測された。また、
この有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0056】実施例7 2mmのストライプ状にエッチングを行ったITO基板
を煮沸アルコールにより洗浄し、さらに表面を酸素プラ
ズマにより表面処理した。この上にホール注入輸送層と
して銅フタロシアニンの10nmの膜を真空蒸着により
作製した。この上に実施例1で使用した化合物No.1
の芳香族ポリカーボネート樹脂溶液を用いてスピンコー
ト法により90nmの膜厚の有機発光層を形成した。十
分乾燥を行った後に、蒸着装置内部に基板をセットし、
10-4Paの真空度にてマスクを介し200nmのMg
Ag合金層を形成し、有機薄膜EL素子を作製した。発
光面のサイズは2mm×2mmであった。このようにし
て作製したEL素子を用い、ITOを陽極に、MgAg
を陰極に接続したところ、印加電圧10Vにて青緑色発
光が観測された。また、この有機層は結晶化等の変質は
起こさなかった。
【0057】実施例8 実施例7と同様にしてITO基板上に銅フタロシアニン
層と化合物No.1の芳香族ポリカーボネート層を作製
した。この上に実施例4と同じように真空蒸着法により
50nmのAlq分子堆積膜を形成し、さらに、マスク
を介し200nmのMgAg合金層を形成し、有機薄膜
EL素子を作製した。発光面のサイズは2mm×2mm
であった。このようにして作製したEL素子を用い、I
TOを陽極に、MgAgを陰極に接続したところ、印加
電圧10Vにて緑色の発光が観測された。また、この有
機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0058】実施例9 実施例7と同様にしてITO基板上に銅フタロシアニン
層を作製した。この上に実施例3で用いた化合物No.
1の芳香族ポリカーボネート樹脂とPBDとペリレン誘
導体(B)の混合溶液を用いてスピンコート法で有機発
光層を作製した。さらに、真空蒸着法で、下記構造式で
表わされる化合物(D)のオキサジアゾール化合物の3
0nmの電子注入輸送層を作製した。さらに、マスクを
介し200nmのMgAg合金層を形成し、有機薄膜E
L素子を作製した。発光面のサイズは2mm×2mmで
あった。このようにして作製したEL素子を用い、IT
Oを陽極に、MgAgを陰極に接続したところ、印加電
圧10Vにてオレンジ色の発光が観測された。また、こ
の有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【化19】
【0059】
【発明の効果】本発明の有機薄膜EL素子は、発光層を
構成する有機化合物薄膜層に、第3級アミノ基を側鎖に
有する前記一般式(I)、または前記一般式(2)、或
いは該一般式(2)と前記一般式(3)で表わされる繰
り返し単位からなる芳香族ポリカーボネート樹脂を使用
しており、該芳香族ポリカーボネート樹脂は電荷輸送能
を持ち且つ高い機械的強度を有し、融点が高く、安定な
アモルファス状態を有するため、結晶化や凝集、或いは
拡散による素子の劣化を生じることがなく耐久性に優れ
た有機薄膜EL素子である。また、本発明の有機薄膜E
L素子において、上記芳香族ポリカーボネート樹脂とし
て、特に、前記一般式(4)、または前記一般式
(5)、或いは該一般式(5)と前記一般式(3)で表
わされる繰り返し単位からなる芳香族ポリカーボネート
樹脂を使用したものは、上記性能において更に優れた有
機薄膜EL素子である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する陽極と陰極間に、単層ま
    たは複数層の有機化合物薄膜よりなる発光層を備えた有
    機薄膜EL素子において、該有機化合物薄膜の少なくと
    も1層が、下記一般式(I)で表わされる繰り返し単位
    からなる芳香族ポリカーボネート樹脂を含有する層であ
    ることを特徴とする有機薄膜EL素子。 【化1】 〔式中、R1、R2は置換もしくは無置換のアルキル基、
    置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、または置換も
    しくは無置換の複素環基を表し、それぞれ同一でも異な
    っていてもよい。Ar1は置換もしくは無置換の芳香族
    炭化水素の2価基、Ar2は置換もしくは無置換の芳香
    族炭化水素の3価基を表す。nは2〜5000の整数を
    表す。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、また
    は下記一般式で表される2価基 【化2】 {該式中、R3、R4:それぞれ独立して置換もしくは無
    置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水
    素基、またはハロゲン原子 l、m:それぞれ独立して0〜4の整数 Y:単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もし
    くは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、
    −SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−
    (式中Zは脂肪族の2価基を表す。)、または下記一般
    式で表される2価基 【化3】 (式中、R5、R6はそれぞれ独立して置換もしくは無置
    換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素
    基、aは0〜20の整数を、bは1〜2000の整数を
    表す。)}を表す。〕
  2. 【請求項2】 前記発光層の有機化合物薄膜の少なくと
    も1層が、下記一般式(I)で表わされる芳香族ポリカ
    ーボネート樹脂と電子輸送性物質とを含有する層からな
    ることを特徴とする請求項1記載の有機薄膜EL素子。 【化1】 [式中、R1、R2、Ar1、Ar2、n及びXは夫々前記
    の定義と同一。]
  3. 【請求項3】 前記発光層の有機化合物薄膜の少なくと
    も1層が、下記一般式(I)で表わされる芳香族ポリカ
    ーボネート樹脂と電子輸送性物質と発光性物質とを含有
    する層からなることを特徴とする請求項1記載の有機薄
    膜EL素子。 【化1】 [式中、R1、R2、Ar1、Ar2、n及びXは夫々前記
    の定義と同一。]
  4. 【請求項4】 互いに対向する陽極と陰極間に、少なく
    とも1層のホール注入輸送層を有する複数層の有機化合
    物薄膜よりなる発光層を備えた有機薄膜EL素子におい
    て、該ホール注入輸送層の少なくとも1層が、下記一般
    式(I)で表わされる芳香族ポリカーボネート樹脂を含
    有する層であることを特徴とする有機薄膜EL素子。 【化1】 [式中、R1、R2、Ar1、Ar2、n及びXは夫々前記
    の定義と同一。]
  5. 【請求項5】 互いに対向する陽極と陰極間に、複数層
    の有機化合物薄膜よりなる発光層を備えた有機薄膜EL
    素子において、該発光層が、下記一般式(I)で表わさ
    れる芳香族ポリカーボネート樹脂を含有する層と、少な
    くとも1層のホール注入輸送層及び/又は少なくとも1
    層の電子注入輸送層、もしくは少なくとも1層のホール
    及び電子注入輸送層から構成されていることを特徴とす
    る有機薄膜EL素子。 【化1】 [式中、R1、R2、Ar1、Ar2、n及びXは夫々前記
    の定義と同一。]
  6. 【請求項6】 前記芳香族ポリカーボネート樹脂が、下
    記一般式(2)および(3)で表わされる繰り返し単位
    からなり、繰り返し単位の組成比が0<k/(k+j)
    ≦1である芳香族ポリカーボネート樹脂であることを特
    徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の有機薄膜E
    L素子。 【化4】 【化5】 〔式中、R1、R2は置換もしくは無置換のアルキル基、
    置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、または置換も
    しくは無置換の複素環基を表し、それぞれ同一でも異な
    っていてもよい。Ar1は置換もしくは無置換の芳香族
    炭化水素の2価基、Ar2は置換もしくは無置換の芳香
    族炭化水素の3価基を表す。Xは脂肪族の2価基、環状
    脂肪族の2価基、または下記一般式で表される2価基 【化2】 {該式中、R3、R4:それぞれ独立して置換もしくは無
    置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水
    素基、またはハロゲン原子 l、m:それぞれ独立して0〜4の整数 Y:単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もし
    くは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、
    −SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−
    (式中Zは脂肪族の2価基を表す。)、または下記一般
    式で表される2価基 【化3】 (式中、R5、R6はそれぞれ独立して置換もしくは無置
    換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素
    基、aは0〜20の整数を、bは1〜2000の整数を
    表す。)}を表す。kは5〜5000の整数、jは0〜
    5000の整数を表す。〕
  7. 【請求項7】 前記芳香族ポリカーボネート樹脂が、下
    記一般式(4)で表わされる繰り返し単位からなる芳香
    族ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項
    1、2、3、4又は5記載の有機薄膜EL素子。 【化6】 〔式中、R1、R2は置換もしくは無置換のアルキル基、
    置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、または置換も
    しくは無置換の複素環基を表し、それぞれ同一でも異な
    っていてもよい。nは2〜5000の整数を表す。Xは
    脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般
    式で表される2価基 【化2】 {該式中、R3、R4:それぞれ独立して置換もしくは無
    置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水
    素基、またはハロゲン原子 l、m:それぞれ独立して0〜4の整数 Y:単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もし
    くは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、
    −SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−
    (式中Zは脂肪族の2価基を表す。)、または下記一般
    式で表される2価基 【化3】 (式中、R5、R6はそれぞれ独立して置換もしくは無置
    換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素
    基、aは0〜20の整数を、bは1〜2000の整数を
    表す。)}を表す。〕
  8. 【請求項8】 前記芳香族ポリカーボネート樹脂が、下
    記一般式(5)および(3)で表わされる繰り返し単位
    からなり、繰り返し単位の組成比が0<k/(k+j)
    ≦1である芳香族ポリカーボネート樹脂であることを特
    徴とする1、2、3、4又は5記載の有機薄膜EL素
    子。 【化7】 【化5】 〔式中、R1、R2は置換もしくは無置換のアルキル基、
    置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、または置換も
    しくは無置換の複素環基を表し、それぞれ同一でも異な
    っていてもよい。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2
    価基、または下記一般式で表される2価基 【化2】 {該式中、R3、R4:それぞれ独立して置換もしくは無
    置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水
    素基、またはハロゲン原子 l、m:0〜4の整数 Y:単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もし
    くは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、
    −SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−
    (式中Zは脂肪族の2価基を表す。)、または下記一般
    式で表される2価基 【化3】 (式中、R5、R6はそれぞれ独立して置換もしくは無置
    換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素
    基、aは0〜20の整数を、bは1〜2000の整数を
    表す。)}を表す。kは5〜5000の整数、jは0〜
    5000の整数を表す。〕
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