JPH1131526A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JPH1131526A
JPH1131526A JP9183871A JP18387197A JPH1131526A JP H1131526 A JPH1131526 A JP H1131526A JP 9183871 A JP9183871 A JP 9183871A JP 18387197 A JP18387197 A JP 18387197A JP H1131526 A JPH1131526 A JP H1131526A
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lithium
secondary battery
carbonate
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additive
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JP9183871A
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Hiroshi Horiuchi
博志 堀内
Masami Tsutsumi
正己 堤
Isao Watanabe
勲 渡辺
Tsutomu Miyashita
勉 宮下
Tamotsu Yamamoto
保 山本
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は非水電解液を用いたリチウム二次電
池に関し、高電圧及び高エネルギー密度を保持しつつ、
充放電可能なサイクル回数を増大させ、リチウム負極の
充放電効率の向上を図ったリチウム二次電池の提供を目
的とする。 【解決手段】 リチウム、又はリチウム合金からなる負
極とリチウムイオンの充放電可能な正極とリチウム塩を
有機溶媒に溶解させた標準非水電解液を備えるリチウム
二次電池であって、該標準非水電解液に対して、例えば
ビス(4−ニトロフェニル)カーボネート等の炭酸エス
テルからなる添加剤を1.0 Wt%程度添加した非水電解
液を用いることにより、充放電可能なサイクルの長寿命
化と充放電効率の良好なリチウム二次電池を実現するこ
とが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液を用い
たリチウム二次電池に関するものである。近年、時計、
電卓等に用いる電池として金属リチウムを負極とする一
次電池が高電圧(3〜4V)と高エネルギー密度である
という点で注目され、実用化されている。しかしながら
パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサやビデオカ
メラ、電話等のポータブル化に伴って、充放電可能な電
池が必要となっている。
【0002】現在、3V級のリチウム二次電池が開発さ
れ、実用化されているが、なおその電圧、エネルギー密
度の点では十分に満足できるものではなく、より高エネ
ルギー密度で充放電サイクル特性に優れた4V級のリチ
ウム二次電池の実用化が期待されている。
【0003】
【従来の技術】従来の金属リチウム(Li)を負極として用
いたリチウム二次電池は、正極の活物質としてマンガン
酸リチウム(LiMn2O4) 、またはコバルト酸リチウム(LiC
oO2)を用いている。また電解液としては6弗化リン酸リ
チウム(LiPF6) や過塩素酸リチウム(LiClO4) 等からな
るリチウム塩の溶質を、エチレンカーボネート(EC)とジ
メチルカーボネート(DMC) などとを混合してなる有機溶
媒に溶解した非水電解液を用いて電池電圧が4Vと高
く、高エネルギー密度の二次電池の実現に向かって鋭
意、研究・開発が試みられている。
【0004】上記した二次電池では、充放電サイクルの
繰り返しによって前記リチウム負極は前記非水電解液と
電気化学的な可逆反応が行われ、例えば放電時には負極
であるリチウムが非水電解液中にイオンとして溶解し、
充電時には前記リチウム負極上にリチウムイオンが金属
リチウムとして析出するという現象が繰り返して生じ
る。
【0005】従って、高電圧で、高エネルギー密度の二
次電池を得るためには、充放電反応の可逆性が良好で、
リチウム負極に対する非水電解液の電気化学的な安定性
を有することが重要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来のリチウム負極を用いるリチウム二次電池では、充放
電の繰り返しに伴ってリチウム負極が非水電解液と反応
してその表面が異常に変化する。即ち、充電時のリチウ
ム負極の表面には金属リチウム以外の導電性の低い絶縁
性で、放電時の非水電解液に対して不溶解となる何等か
の不働態膜が形成される。また充電時のリチウム負極の
表面に析出する電析リチウムが樹枝状、繊維状、或いは
針状という、所謂デンドライトになり、これが成長する
ことにより負極と正極の内部短絡が発生したり、負極よ
り脱落して反応性の高い金属粉末となって溶解するとい
ったことに起因して、リチウム負極への充電(析出)量
に対する放電(溶解)量が小さくなって充放電効率が低
下することから十分な充放電サイクル回数が得られなく
なり、電池寿命が短くなるという欠点があった。
【0007】本発明は上記した従来の問題点に鑑み、充
放電サイクルの繰り返し中の非水電解液と電気化学的に
反応するリチウム負極の表面に対する溶解と、リチウム
金属の析出が均一で、かつ円滑に行われ、高電圧及び高
エネルギー密度を保持しつつ、リチウム負極の充放電効
率の向上を図った新規なリチウム二次電池を提供するこ
とを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、リチウム、またはリチウム合金からなる
負極と、リチウムイオンの充放電可能な正極と、リチウ
ム塩を有機溶媒に溶解させた非水電解液を備えるリチウ
ム二次電池であって、上記非水電解液に、構造式(1)
【0009】
【化5】
【0010】で表される炭酸エステル(式のRはアルキ
ル基を有する化合物)が添加されていることを特徴とす
るリチウム二次電池を用いる。また、前記構造式(1)
中のRが構造式(2)
【0011】
【化6】
【0012】で表される化合物である炭酸エステルを用
いる。更に、前記構造式(1)中のRが構造式(3)
【0013】
【化7】
【0014】(但し、式中のR1 は水素原子、炭素数が
1〜6のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基から選ばれる基、mは1〜10で
ある)で表される化合物である炭酸エステルを用いる。
【0015】更に、前記構造式(1)中のRが構造式
(4)
【0016】
【化8】
【0017】(但し、式中のR2 ,R3 ,R4 は水素原
子、炭素数が1〜6のアルキル基、フェニル基、ベンジ
ル基、ベンジルオキシカルボニル基から選ばれる基、n
は1〜10である)で表される化合物である炭酸エステ
ルを用いる。
【0018】このようにリチウム二次電池における前記
有機溶媒にリチウム塩を溶解させた非水電解液中に、構
造式(1)
【0019】
【化9】
【0020】で表される炭酸エステルからなる添加剤が
添加されていることによって、理由は定かではないが、
リチウム負極の表面に前記添加剤が吸着、或いは化学的
に反応して電気化学的に安定な面となり、充放電時の非
水電解液とリチウム負極との間の電気化学的な反応が微
妙に変化してリチウム金属の析出形態が変わり、デンド
ライトの発生が抑止され、均等な析出や溶解が円滑に生
じるためであろうと考察されることから、充放電可能な
サイクル数を増大させ、リチウム負極の充放電特性を著
しく向上させることができる。従って、充放電効率の良
好なリチウム二次電池を実現することが可能となる。
【0021】なお、上記炭酸エステルからなる添加剤の
具体的なものとしては、例えばビス(4−ニトロフェニ
ル)カーボネート、2−(メチルスルホニル)エチル4
−ニトロフェニルカーボネート、2−(トリメチルシリ
ル)エチルp−ニトロフェニルカーボネート等の適用が
好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明の実施例
について詳細に説明する。図1は本発明のリチウム二次
電池の充放電特性を測定するためのコイン型セルの一実
施例を示す概略分解側断面図である。
【0023】本発明の第1実施例としては、図示のよう
にステンレス、またはニッケル等からなる下缶(負極端
子を兼ねる)1bと上缶( 正極端子を兼ねる)1a とで構成
するセル容器1における前記下缶1b内に、厚さが70μ
mで、大きさが15mmφのリチウム負極 (Li) 2と、
該リチウム負極2上にポリプロピレン製のセパレータ3
を介して、例えばエチレンカーボネート(EC)とジメチル
カーボネート(DMC) を1:2の容量比で混合した有機溶
媒に、6フルオロリン酸リチウム(LiPF6) からなるリチ
ウム塩の電解質を溶解した1mol/1のLiPF6/EC+DM
C の標準非水電解液に対して、構造式(1)
【0024】
【化10】
【0025】中のRが構造式(2)
【0026】
【化11】
【0027】で表される化合物である炭酸エステル、例
えばビス(4−ニトロフェニル)カーボネートからなる
添加剤を1.0wt%添加された非水電解液が含侵され
たガラス繊維濾紙等からなる電解液保持材4が積層配置
されている。
【0028】また、前記電解液保持材4上には、更に1
5mmφの大きさで、22.5mgの重さのコバルト酸
リチウム(LiCoO2)からなる正極5、チタンメッシュ6及
び集電体7が積層され、該集電体7上に板ばね8を介し
て上缶1aを前記下缶1bに対してガスケット9で内部を気
密に保持するよう嵌め込んで一体に圧接成形することに
より二次電池を構成している。
【0029】そして、かかる二次電池の前記リチウム負
極2と正極5との間に所定の電圧を印加して1.0mA
/cm2 の電流密度で充電を行い、例えば4.2Vの電
圧に充電されたら放電に切り換え、放電電圧が3.0V
に降下した時点で充電に切り換えるといった充放電サイ
クルを繰り返し行って充電及び放電の電池容量を測定
し、その充放電サイクル数は初期放電容量が80%に減
少した回数で判定し、かつ充放電可能なサイクル回数と
してカウントする充放電実験を行った。
【0030】その結果、前記リチウム負極2の表面に前
記添加剤が吸着、或いは化学的に反応して安定な面とな
り、充放電時の非水電解液の構成物質とリチウム負極2
との間の電気化学的な反応が微妙に変化してリチウム金
属の析出・溶解の形態が変わり、デンドライトの発生が
抑止され、均等な析出や溶解が円滑に生じるためであろ
うと考えられる現象に基づくものか理由は定かでない
が、充放電可能なサイクル数が図2に示されるように当
該添加剤を添加しない従来例の29回と比較して69回
と約2倍以上に著しく増加させることができ、リチウム
負極2の充放電特性を著しく向上させることが可能とな
る。
【0031】因に、前記した二次電池のセル容器1内の
電解液保持材4に含侵させた非水電解液として、前記標
準非水電解液に添加剤を添加しない非水電解液と、該標
準非水電解液にビス(4−ニトロフェニル)カーボネー
トからなる添加剤をその添加量を種々に変えて添加した
複数の非水電解液を用いた二次電池をそれぞれ前記した
充放電実験により充放電可能なサイクル回数を調べた。
【0032】その充放電実験の結果は図3の添加量と充
放電サイクル数との関係を示す図によって明らかなよう
に、前記標準非水電解液に添加剤を添加しない非水電解
液を用いた場合の例に比べて、該標準非水電解液に対す
るビス(4−ニトロフェニル)カーボネートからなる添
加剤を1.0wt%程度添加された非水電解液を用いた
場合には、充放電可能なサイクル回数が極大値となって
おり、充放電特性が著しく向上することが確認できた。
【0033】なお、前記標準非水電解液に対するビス
(4−ニトロフェニル)カーボネートからなる添加剤の
添加量が0.1wt%以下では該添加量が少ないため前
記リチウム負極2に対する添加効果が殆ど発揮されず、
また添加剤の添加量が1.0wt%以上では添加剤がリ
チウム負極2と過剰に反応するためか添加効果は減少す
る傾向にあることが示されている。従って、前記標準非
水電解液に対するビス(4−ニトロフェニル)カーボネ
ートからなる添加剤の添加量は1.0wt%程度が好ま
しい。
【0034】充放電(溶解・析出)の繰り返しによって
リチウム負極の不能による寿命がくる原因は未だ定かで
はないが、次のようなことも考えられる。即ち、リチ
ウム金属の析出は電流効率100%近くで行われるが、
その際にリチウム負極の表面に非水電解液に対して難溶
解、或いは不溶解な電導性の低い異種の膜(不働態膜)
が一部に形成される。また、リチウム負極の表面に析
出する電析リチウムがデンドライト、或いは粉末状にな
り、正極との接触、負極との接触の悪化、或いは負極外
へ離脱して溶解に寄与されない。更に不働態膜の生成
はリチウム金属の析出時に活性な(析出に際して脱溶媒
和されたばかりの溶媒和していない裸の)リチウムイオ
ンと非水電解液との反応でも生成すると考えられるが、
このような問題は前記ビス(4−ニトロフェニル)カー
ボネートからなる添加剤の適量を添加した非水電解液を
用いることによってリチウム負極の表面状態が改善さ
れ、該リチウム負極の表面への不働態膜の生成が防止さ
れると推考される。
【0035】次に本発明のリチウム二次電池の第2実施
例について図2及び図4を参照しながら詳細に説明す
る。本発明の第2実施例が前記第1実施例と異なってい
る点は、前記した二次電池のセル容器内の電解液保持材
に含侵させた非水電解液として、例えば、エチレンカー
ボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC) を1:2の
容量比で混合した有機溶媒に、6フルオロリン酸リチウ
ム(LiPF6) からなるリチウム塩の電解質を溶解した1m
ol/1のLiPF6/EC+DMC の標準非水電解液に対して、
構造式(1)
【0036】
【化12】
【0037】中のRが構造式(3)
【0038】
【化13】
【0039】で表される化合物である炭酸エステル、例
えば2−(メチルスルホニル)エチル4−ニトロフェニ
ルカーボネートからなる添加剤を1.0wt%添加され
た非水電解液を用いたことである。
【0040】このように構成したリチウム二次電池にお
いても、前記第1実施例において説明した同様の充放電
実験により充放電可能なサイクル回数を調べた結果、前
記リチウム負極の表面に前記添加剤が吸着、或いは化学
的に反応して安定な面となり、充放電時の非水電解液の
構成物質とリチウム負極2との間の電気化学的な反応が
微妙に変化してリチウム金属の析出・溶解の形態が変わ
り、デンドライトの発生が抑止され、均等な析出や溶解
が円滑に生じるためであろうと考えられる現象に基づく
ものか理由は定かでないが、充放電可能なサイクル数が
図2に示されるように当該添加剤を添加しない従来例の
29回と比較して65回と約2倍以上と著しく増加させ
ることができ、リチウム負極の充放電特性を著しく向上
させることが可能となる。
【0041】因に、前記した二次電池のセル容器内の電
解液保持材に含侵させた非水電解液として、前記標準非
水電解液に添加剤を添加しない非水電解液と、該標準非
水電解液に2−(メチルスルホニル)エチル4−ニトロ
フェニルカーボネートからなる添加剤をその添加量を種
々に変えて添加した複数の非水電解液を用いた二次電池
をそれぞれ前記した充放電実験により充放電可能なサイ
クル回数を調べた。
【0042】その充放電実験の結果は図4の添加剤の添
加量と充放電サイクル数との関係を示す図によって明ら
かなように、前記標準非水電解液に添加剤を添加しない
非水電解液を用いた場合の例に比べて、該標準非水電解
液に対する2−(メチルスルホニル)エチル4−ニトロ
フェニルカーボネートからなる添加剤を1.0wt%程
度添加された非水電解液を用いた場合では、充放電可能
なサイクル回数が極大値となっており、充放電特性が著
しく向上することが確認できた。
【0043】なお、前記標準非水電解液に対する2−
(メチルスルホニル)エチル4−ニトロフェニルカーボ
ネートからなる添加剤の添加量が0.1wt%以下では
該添加量が少ないため前記リチウム負極2に対する添加
効果が殆ど発揮されず、またその添加量が1.0wt%
以上では添加剤がリチウム負極2と過剰に反応するため
か添加効果は減少する傾向にある。従って、前記標準非
水電解液に対する2−(メチルスルホニル)エチル4−
ニトロフェニルカーボネートからなる添加剤の添加量は
1.0wt%程度が最も好ましい。
【0044】次に本発明のリチウム二次電池の第3実施
例について図2及び図5を参照しながら詳細に説明す
る。本発明の第3実施例が前記第1,第2実施例と異な
っている点は、前記した二次電池のセル容器内の電解液
保持材に含侵させた非水電解液として、例えば、エチレ
ンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC) を
1:2の容量比で混合した有機溶媒に、6フルオロリン
酸リチウム(LiPF6) からなるリチウム塩の電解質を溶解
した1mol/1のLiPF6/EC+DMC の標準非水電解液に
対して、構造式(1)
【0045】
【化14】
【0046】中のRが構造式(4)
【0047】
【化15】
【0048】で表される化合物である炭酸エステル、例
えば2−(トリメチルシリル)エチルp−ニトロフェニ
ルカーボネートからなる添加剤を1.0wt%添加され
た非水電解液を用いたことである。
【0049】このように構成したリチウム二次電池にお
いても、前記第1,第2実施例において説明した同様の
充放電実験により充放電可能なサイクル回数を調べた結
果、前記リチウム負極の表面に前記添加剤が吸着、或い
は化学的に反応して安定な面となり、充放電時の非水電
解液の構成物質とリチウム負極との間の電気化学的な反
応が微妙に変化してリチウム金属の析出・溶解の形態が
変わり、デンドライトの発生が抑止され、均等な析出や
溶解が円滑に生じるためであろうと考えられる現象に基
づくものか理由は定かでないが、充放電可能なサイクル
数が図2に示されるように当該添加剤を添加しない従来
例の29回と比較して51回と約1.8倍程度に増加さ
せることができ、リチウム負極の充放電特性を著しく向
上させることが可能となる。
【0050】因に、本実施例においても前記した二次電
池のセル容器内の電解液保持材に含侵させた非水電解液
として、前記標準非水電解液に添加剤を添加しない非水
電解液と、該標準非水電解液に2−(トリメチルシリ
ル)エチルp−ニトロフェニルカーボネートからなる添
加剤をその添加量を種々に変えて添加した複数の非水電
解液を用いた二次電池をそれぞれ前記した充放電実験に
より充放電可能なサイクル回数を調べた。
【0051】その充放電実験の結果は図5の添加剤の添
加量と充放電サイクル数との関係を示す図によって明ら
かなように、前記標準非水電解液に添加剤を添加しない
非水電解液を用いた場合の例に比べて、該標準非水電解
液に対する2−(トリメチルシリル)エチルp−ニトロ
フェニルカーボネートからなる添加剤を1.0wt%程
度添加された非水電解液を用いた場合では、充放電可能
なサイクル回数が極大値となっており、充放電特性が著
しく向上することが確認できた。
【0052】なお、前記標準非水電解液に対する2−
(トリメチルシリル)エチルp−ニトロフェニルカーボ
ネートからなる添加剤の添加量が0.1wt%以下では
該添加量が少ないため前記リチウム負極2に対する添加
効果は殆どなく、またその添加量が1.0wt%以上で
は添加剤がリチウム負極と過剰に反応するためか添加効
果は減少する傾向にある。従って、前記標準非水電解液
に対する2−(トリメチルシリル)エチルp−ニトロフ
ェニルカーボネートからなる添加剤の添加量は1.0w
t%程度が最も好ましい。
【0053】従って、上記したビス(4−ニトロフェニ
ル)カーボネート、2−(メチルスルホニル)エチル4
−ニトロフェニルカーボネート、2−(トリメチルシリ
ル)エチルp−ニトロフェニルカーボネート等を添加剤
として1.0wt%程度添加した非水電解液をリチウム
二次電池に用いることにより、高電圧及び高エネルギー
密度を保持しつつ、充放電効率の良好な長寿命のリチウ
ム二次電池を実現することができる。
【0054】なお、上記した実施例においては、リチウ
ム二次電池用の非水電解液に用いる溶質(電解質)であ
るリチウム塩として、LiPF6(6フルオロリン酸リチウ
ム) を用いた場合の例について説明したが、本発明はそ
のような例に限定されるものではなく、例えば、LiCL
04, LiBF4, LiAsF6, LiAlCl4, LiCF3SO3, LiSbF6,LiN(C
2F 5SO2)2等から選択される少なくとも一種のリチウム塩
を用いることができる。
【0055】また、前記電解質の有機溶媒としてはエチ
レンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC) と
の混合液を用いた場合の例について説明したが、本発明
はそのような例に限定されるものではなく、例えば、プ
ロピレンカーボネート、テトラヒドロフラン、ジメチル
スルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3-ジオキソラ
ン、4-メチル-1,3- ジオキソラン、1,2-ジメトキシエタ
ン、2-メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、ジエチ
ルカーボネート、ジメチルホルムアミド、アセトニトリ
ル、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、メ
チルエチルカーボネート等から選択される少なくとも一
種の有機溶媒を用いることができる。
【0056】更に、添加剤としても本実施例ではビス
(4−ニトロフェニル)カーボネート、2−(メチルス
ルホニル)エチル4−ニトロフェニルカーボネート、2
−(トリメチルシリル)エチルp−ニトロフェニルカー
ボネート等を用いた場合の例について説明したが、この
例の他に例えば、2−(エチルスルホニル)エチル4−
ニトロフェニルカーボネート、2−(トリエチルシリ
ル)エチルp−ニトロフェニルカーボネート等から選択
される少なくとも一種を添加剤として用いることができ
る。
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るリチウム二次電池によれば、リチウム塩を有機溶
媒に溶解した標準非水電解液に、ニトロフェニル基を含
む炭酸エステル化合物からなる添加剤の適量を添加した
非水電解液を用いることによって、充放電可能なサイク
ル回数が著しく増加され、高電圧及び高エネルギー密度
を保持しつつ、充放電効率の良好な長寿命のリチウム二
次電池を容易に実現することが可能となる顕著な効果を
奏し、実用上極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のリチウム二次電池の充放電特性を測
定するためのコイン型セルの一実施例を示す概略分解側
断面図である。
【図2】 本発明の標準非水電解液〔1mol/1-LiPF6/EC
+DMC(1:2)〕へ添加する添加剤別と充放電可能なサイク
ル数との関係を示す図である。
【図3】 本発明の標準非水電解液へのビス(4−ニト
ロフェニル)カーボネートの添加量と充放電サイクル数
との関係を示す図である。
【図4】 本発明の標準非水電解液への2−(メチルス
ルホニル)エチル4−ニトロフェニルカーボネートの添
加量と充放電サイクル数との関係を示す図である。
【図5】 本発明の標準非水電解液への2−(トリメチ
ルシリル)エチルp−ニトロフェニルカーボネートの添
加量と充放電サイクル数との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 セル容器 1a 上缶 1b 下缶 2 リチウム負極 3 セパレータ 4 電解液保持材 5 正極 6 チタンメッシュ 7 集電体 8 板ばね 9 ガスケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 勲 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 宮下 勉 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 山本 保 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム、またはリチウム合金からなる
    負極と、リチウムイオンの充放電可能な正極と、リチウ
    ム塩を有機溶媒に溶解させた非水電解液を備えるリチウ
    ム二次電池であって、 上記非水電解液に、構造式(1) 【化1】 で表される炭酸エステル(式中のRはアルキル基を有す
    る化合物)が添加されていることを特徴とするリチウム
    二次電池。
  2. 【請求項2】 前記構造式(1)中のRが構造式(2) 【化2】 で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記
    載のリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 前記構造式(1)中のRが構造式(3) 【化3】 (但し、式中のR1 は水素原子、炭素数が1〜6のアル
    キル基、フェニル基、ベンジル基、ベンジルオキシカル
    ボニル基から選ばれる基、mは1〜10である)で表さ
    れる化合物であることを特徴とする請求項1に記載のリ
    チウム二次電池。
  4. 【請求項4】 前記構造式(1)中のRが構造式(4) 【化4】 (但し、式中のR2 ,R3 ,R4 は水素原子、炭素数が
    1〜6のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、ベンジ
    ルオキシカルボニル基から選ばれる基、nは1〜10で
    ある)で表される化合物であることを特徴とする請求項
    1に記載のリチウム二次電池。
JP9183871A 1997-07-09 1997-07-09 リチウム二次電池 Withdrawn JPH1131526A (ja)

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