JPH11315264A - 接着用組成物および接着方法 - Google Patents

接着用組成物および接着方法

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JPH11315264A
JPH11315264A JP10142172A JP14217298A JPH11315264A JP H11315264 A JPH11315264 A JP H11315264A JP 10142172 A JP10142172 A JP 10142172A JP 14217298 A JP14217298 A JP 14217298A JP H11315264 A JPH11315264 A JP H11315264A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シランカップリング剤を使用することなく、
無機系基材を含む各種基材に対し優れた接着性を有する
接着用組成物を提供すること。さらには、本発明は柔軟
性を維持しつつ耐熱性にも優れた接着用組成物を提供す
ること。 【解決手段】 基材と基材を、ハードセグメントおよび
疎水性のソフトセグメントからなるポリウレタン、なら
びに加水分解性アルコキシシランを含有してなる接着用
組成物を介して接触させた後、当該接着用組成物を硬化
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着用組成物およ
び当該接着用組成物を用いて基材と基材を接着する方法
に関する。本発明の接着用組成物は、プラスチック、ガ
ラス、金属、モルタル、コンクリート、皮革材料、木、
紙、ゴム、織布、不織布等の各種基材の接着手段、具体
的には、前記各種基材の接着剤、シーリング剤等として
利用できる。特に、本発明の接着用組成物は、ガラス、
金属、モルタル、コンクリート等の無機物または無機物
を主成分とする無機系基材の接着剤、シーリング剤等と
して有用である。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種分野において、各種基材
を接着する手段としてさまざまな有機ポリマーが使用さ
れている。たとえば、ゴム弾性を有し、機械的強度に優
れていることから、ポリウレタンは接着剤、シーリング
剤等として賞用されている。かかるポリウレタンのゴム
弾性は、強靱性を有するハードセグメントが、柔軟性を
有するソフトセグメントのマトリックスから不溶化して
ドメインを形成することから発現される。しかし、ポリ
ウレタンは、一般的に無機系基材に対する接着性が充分
ではなかった。
【0003】こうしたポリウレタンの無機系基材に対す
る接着性を向上させる方法としては、末端にシランカッ
プリング剤を反応させたポリウレタンを使用する方法が
提案されている。しかし、シランカップリング剤は非常
に高価なため接着剤、シーリング剤等の製造原価を引き
上げる。さらにシランカップリング剤は予めポリウレタ
ンと反応させたものを使用する必要があるため接着剤、
シーリング剤等の製造工程が煩雑となる。
【0004】また、ポリウレタンは一般に耐熱性の弱い
材料であり、通常、100〜160℃でハードセグメン
トの溶融により、ゴム弾性が消失して、液状化してしま
う問題がある。したがってポリウレタンは高温環境下で
の接着分野に適用することはできなかった。
【0005】ポリウレタンの耐熱性を向上させる方法と
しては、ハードセグメントの割合を増やしたり、ハード
セグメントに多くのウレア結合を導入する方法等があ
る。しかし、こうした方法によるとポリウレタンの溶剤
不溶化や粘度上昇を招き好ましくない。
【0006】上記方法の他に、ポリウレタンに耐熱性を
付与する方法としては、ゾル−ゲル法を応用した、無機
ガラスとのハイブリッド体を合成する方法がある。すな
わち、テトラエトキシシラン等の加水分解性アルコキシ
シランの加水分解と重縮合を利用して、いわゆるフィラ
ー効果によりポリウレタンに無機ガラスを分散させたハ
イブリッド体を製造するものである。かかるゾル−ゲル
法によれば、育成されるガラス粒子は数nmサイズと非
常に小さいため、当該ガラス粒子がポリウレタンに分散
されていても有機ポリマーの透明性が失われることはな
い。
【0007】しかし、ゾルーゲル法によってポリウレタ
ンの有機・無機ハイブリッド体を製造すると、フィラー
効果によって耐熱性等の性能が向上する一方で、ガラス
粒子がポリウレタン全体に分散されるためポリウレタン
固有のソフトセグメントの柔軟性が失われて脆くなり、
接着剤として充分機能しない場合がある。たとえば、特
開平6−136321号公報には、親水性ソフトセグメ
ントのポリウレタン、加水分解性アルコキシシラン、必
要に応じて触媒とを低級アルコールに溶解したアルコー
ルゾル溶液を用いた有機・無機ハイブリッド体の製造方
法が記載されているが、得られる有機・無機ハイブリッ
ド体は、柔軟性がなく、脆いものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シランカッ
プリング剤を使用することなく、無機系基材を含む各種
基材に対し優れた接着性を有する接着用組成物を提供す
ることを目的とする。さらには、本発明は柔軟性を維持
しつつ耐熱性にも優れた接着用組成物を提供するもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、疎水性のソフトセ
グメントを有するポリウレタンと加水分解性アルコキシ
シランを含有してなる組成物が、前記目的に合致してい
ることを見出した。なお、かかる組成物中の加水分解性
アルコキシシランは、その一部がシラノール基となって
無機系化合物との接着性に寄与すると考えられる。ま
た、加水分解性アルコキシシランの反応により生成する
シリカの殆どは、ポリウレタンのハードセグメントのド
メインに導入されて複合ドメインとなり、当該複合ドメ
インと疎水性のソフトセグメントが二層分離(海島)構
造をとるハイブリッド体となる。かかる二層分離(海
島)構造によりハイブリッド体のマトリックスを構成す
るポリウレタンのソフトセグメントではシリカを含まな
いためその柔軟性をそのまま保持する一方、当該ポリウ
レタンのハードセグメントではシリカとの複合ドメイン
により当該ドメインのみを強靱にして耐熱性を向上でき
る。本発明は、かかる新たな知見に基づいて、完成され
たものである。
【0010】すなわち、ハードセグメントおよび疎水性
のソフトセグメントからなるポリウレタン、ならびに加
水分解性アルコキシシランを含有してなる接着用組成
物;ポリウレタンが、疎水性の高分子ポリオールおよび
有機ポリイソシアネート化合物を主成分としてなる前記
接着用組成物;ポリウレタンが、疎水性の高分子ポリオ
ール、有機ポリイソシアネート化合物および鎖伸長剤を
主成分としてなる前記接着用組成物;疎水性の高分子ポ
リオールが、アルキレン基の炭素数が3以上のポリオキ
シアルキレンジオールおよび/またはポリオレフィンジ
オールである前記接着用組成物;加水分解性アルコキシ
シランが、テトラアルコキシシランおよび/またはその
縮合物である前記接着用組成物;さらに、硬化剤を含有
してなる前記接着用組成物;硬化触媒を含有してなる前
記接着用組成物;硬化触媒が、有機酸触媒である前記接
着用組成物;有機酸触媒が、ギ酸、酢酸およびパラトル
エンスルホン酸から選ばれるいずれか少なくとも1種で
ある前記接着用組成物;基材と基材を、前記接着用組成
物を介して接触させた後、当該接着用組成物を硬化さ
せ、基材と基材を接着する方法、に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明では、有機・無機ハイブリ
ッド体を構成する有機ポリマーとして、ハードセグメン
トおよび疎水性のソフトセグメントからなるポリウレタ
ンを用いる。ポリウレタンのハードセグメントとは、ウ
レタン結合、ウレア結合等の水素結合の受容基を多く含
み、凝集してドメインを形成するようなものをいい、ソ
フトセグメントとは、長鎖状となって有機ポリマーに柔
軟性を与え、ハードセグメントが分散相として存在しう
るマトリックス相(連続相)を形成するようなものをい
う。また疎水性のソフトセグメントとは、ハードセグメ
トとの組み合わせにもよるが、得られるポリウレタンの
水への接触角が70度以上になるようなもの、好ましく
は75度以上になるようなもの、さらに好ましくは80
度以上になるようなものをいう。なお、親水性のソフト
セグメントを有するポリウレタンでは、これを用いて有
機・無機ハイブリッド体により基材を接着しても、ソフ
トセグメントにもシリカが導入されるため接着層が脆く
なる。
【0012】このようなハードセグメントおよび疎水性
のソフトセグメントからなるポリウレタンとしては、た
とえば、疎水性の高分子ポリオールおよび有機ポリイ
ソシアネート化合物を主成分とするポリウレタン、疎
水性の高分子ポリオール、有機ポリイソシアネート化合
物および鎖伸長剤を主成分とするポリウレタンがあげら
れる。
【0013】疎水性の高分子ポリオールは、ポリウレタ
ンのソフトセグメントを形成するものである。疎水性の
高分子ポリオールとしては、たとえば、アルキレン基の
炭素数が3以上(アルキレン基の炭素数のは好ましくは
4以上である。一方アルキレン基の炭素数は8以下、さ
らには6以下とするのが好ましい)のポリオキシアルキ
レンジオールがあげられる。アルキレン基は直鎖状、分
岐鎖状のいずれでもよい。ポリオキシアルキレンジオー
ルは、通常、プロピレンオキサイド、オキセタン、テト
ラヒロドロフラン、3−メチルテトラヒロドロフラン等
のアルキレン基の炭素数が3以上のアルキレンオキサイ
ドを開環重合または共重合することにより得られる。ポ
リオキシアルキレンジオールの具体例としては、ポリオ
キシプロピレンジオール、ポリオキシブチレンジオール
等があげられる。なお、ポリオキシエチレンジオール等
のアルキレン基の炭素数が2以下のものでは親水性が強
く本発明の目的を達成できない。
【0014】また疎水性の高分子ポリオールとしては、
ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオール、ポ
リクロロプレンジオール、ポリブタジエングリコールの
水素化物、ポリイソプレングリコールの水素化物等のポ
リオレフィンジオールがあげられる。
【0015】なお、通常、ポリエステルジオール、ポリ
カーボネートジオール等は、親水性が高いため疎水性の
高分子ジオールにはならないが、高分子ジオールが疎水
性を示し、得られるポリウレタンのソフトセグメントが
疎水性を示すものであれば、本発明の疎水性の高分子ポ
リオールとして使用できるのはいうまでもない。前記以
外のこのような疎水性の高分子ポリオールとしては、炭
素数20〜36程度の疎水性の強いジカルボン酸および
/またはジオール、具体的には(水素化)ダイマー酸お
よび/または(水素化)ダイマージオール等を構成成分
とするポリエステルジオール等があげられる。また、疎
水性の高分子ジオールとしては、2つ以上の水酸基およ
びメルカプト基等の連鎖移動基を1つ有する連鎖移動剤
の存在下にアルキル(メタ)アクリレート等の各種のラ
ジカル重合性不飽和単量体を重合させて得られるアクリ
ルポリマー等のマクロモノマー、ポリジメチルシロキサ
ン等のポリアルコキシシラン類、ヒマシ油ポリオール、
塩素化ポリプロピレンポリオール等があげられる。
【0016】これら疎水性の高分子ポリオールのなかで
も、シリカがハードセグメントに入って複合ドメインを
形成し易い点でアルキレン基の炭素数が3以上のポリオ
キシアルキレンジオールおよび/またはポリオレフィン
ジオールを使用するのが好ましい。ポリオキシアルキレ
ンジオールとしては、特にポリオキシブチレンジオール
が好ましく、ポリオレフィンジオールとしてはポリブタ
ジエンジオールが特に好ましい。
【0017】これら疎水性の高分子ポリオールの数平均
分子量は、通常1500以上、さらには2000以上と
するのが好ましく。また数平均分子量は、6000以下
とするのが好ましい。
【0018】有機ポリイソシアネート化合物は、ポリウ
レタンのハードセグメントを形成するものである。有機
ポリイソシアネート化合物としては、たとえば、鎖状脂
肪族ポリイソシアネート、環状脂肪族ポリイソシアネー
ト、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシ
アネート、アミノ酸誘導体から得られるポリイソシアネ
ート等の各種のものを例示できる。
【0019】鎖状脂肪族ジイソシアネートの具体例とし
ては、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイ
ソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸が
有するカルボキシル基をイソシアネート基に置き換えた
ダイマージイソシアネート等があげられる。環状脂肪族
ジイソシアネートの具体例としては、シクロヘキサン−
1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルメタン−4,4´−ジイソシアネ
ート、1,3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等があげ
られる。芳香族ジイソシアネートの具体例としては、
4,4´−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート
等のジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、
4,4´−ジフェニルテトラメチルメタンジイソシアネ
ート等のテトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネ
ート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4´
−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジベ
ンジルイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシア
ネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート等があげられる。芳香脂肪族ジイソシアネー
トの具体例としては、キシリレンジイソシアネート、m
−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等があげら
れる。アミノ酸誘導体から得られるジイソシアネートの
具体例としては、リジンジイソシアネート等があげられ
る。
【0020】また、本発明のポリウレタンには鎖伸長剤
を使用することもできる。鎖伸長剤はポリウレタンのハ
ードセグメントを形成する。鎖伸長剤としては、通常、
炭素数2〜6程度の低分子ポリオールおよび/または低
分子ポリアミンを使用するのが好ましい。
【0021】低分子ポリオールとしてはエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール等の低分子グリコール類、グリセリン、ブタン
トリオール、ペンタントリオール、ヘキサントリオー
ル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等
の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ソルビトー
ル等の4価以上のアルコールがあげられる。
【0022】また、低分子ポリアミンとしては、エチレ
ンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミ
ン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−
4,4´−ジアミン等のアミン化合物;2−ヒドロキシ
エチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピ
レンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジア
ミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、
2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒ
ドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有する
ジアミン化合物等があげられる。
【0023】これら鎖伸長剤は、前記疎水性の高分子ジ
オールと有機ポリイソシアネート化合物との合計量の2
0重量%以下、さらには15重量%以下とすることが望
ましい。
【0024】前記本発明のポリウレタンは、疎水性の高
分子ポリオールと有機ポリイソシアネート化合物、さら
に必要に応じて鎖伸長剤を反応させることにより得られ
る。反応は、一般的なポリウレタンの製法を採用でき、
一括仕込みの他、鎖伸長剤を用いる場合には疎水性の高
分子ポリオールと有機ポリイソシアネート化合物を予め
反応させるウレタンプレポリマー法を採用することもで
きる。また、各成分の使用量を適宜に調整することによ
り、本発明のポリウレタンの末端は、水酸基、イソシア
ネート基、アミノ基のいずれの官能基とすることもでき
る。その他、本発明のポリウレタンには、必要に応じて
ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類;エタノ
ール、イソプロパノール等の一価アルコ−ル等の鎖長停
止剤を用いることもできる。こうして得られたポリウレ
タンの数平均分子量は1800〜100000程度とす
るのが好ましい。
【0025】加水分解性アルコキシシランは、一般的に
ゾル−ゲル法に用いられているものを使用できる。たと
えば、一般式(1):R1 nSi(OR24-n(式中、n
は0〜2の整数示し、R1は炭素原子に直結した官能基
を持っていてもよい低級アルキル基、アリール基、不飽
和脂肪族残基。同一でも異なっていてもよい。R2は水
素原子または低級アルキル基を示す。)で表される化合
物またはこれらの部分縮合物等を例示できる。なお、低
級アルキル基とは炭素数6以下の直鎖または分岐鎖のア
ルキル基を示す。
【0026】このようなアルコキシシランの具体的とし
ては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラ
ン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン
類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プ
ロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシ
シラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエ
トキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシル
エチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘ
キシルエチルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシ
ラン類、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエト
キシシランまたはこれらの部分縮合物等があげられる。
これらのなかでもテトラアルコキシシラン類またはこれ
らの部分縮合物等が、ポリウレタンのハードセグメント
が形成するドメインとの親和性が良好であり好ましい。
特に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランま
たはこれらの部分縮合物が好ましい。
【0027】加水分解性アルコキシシランの使用量は、
加水分解性アルコキシシランの縮合により生成するシリ
カが、ポリウレタンのハードセグメントが形成するドメ
インの総量を超えると、当該シリカが接着層で凝集、沈
殿して、相分離してしまい、良好な接着状態が得られな
いため、ポリウレタン100重量部に対して、生成する
シリカに換算して1〜50重量部程度とするのが好まし
い。より好ましくは3重量以上であり、また、より好ま
しくは30重量部以下である。
【0028】本発明の接着用組成物は、前記ポリウレタ
ンおよび加水分解性アルコキシシランを含有してなる
が、接着力を向上させるため、さらに硬化剤を含有する
こともできる。硬化剤としては、ポリウレタンの製造に
用いた有機ポリイソシアネート化合物やその縮合物、鎖
伸長剤に用いた低分子ポリアミン等があげられる。硬化
剤は、通常、ポリウレタン100重量部に対して、20
重量部程度以下の範囲で用いる。接着力を向上させるに
は、0.5重量部以上とするのが好ましい。硬化剤は、
接着用組成物が使用される各種用途に適したものを、適
宜に選択して使用でき、いわゆる一液型またはニ液型の
いずれの形態でも使用できる。なお、末端がアミノ基ま
たは水酸基のポリウレタンには硬化剤として有機ポリイ
ソシアネート化合物を、末端がイソシアネート基のポリ
ウレタンには硬化剤としてポリアミン類を加えるニ液型
とした場合が、硬化が早い。ニ液型の接着用組成物を調
製する場合、加水分解性アルコキシシランは、ポリウレ
タンまたは硬化剤のいずれか少なくとも一方に入ってい
ればよい。たとえば、ニ液の組み合わせとしては、ポ
リウレタンおよび加水分解性アルコキシシランからなる
組成物と硬化剤、ポリウレタンと加水分解性アルコキ
シシランおよび硬化剤からなる組成物、等があげられ
る。また、前記ニ液型とした接着剤組成物は、当該組成
物中のポリウレタンまたは硬化剤のイソシアネート基を
ブロック化することにより、一液型として使用できる。
【0029】前記ポリウレタンおよび加水分解性アルコ
キシシラン、さらには硬化剤を含有してなる本発明の接
着用組成物は、当該組成物をそのまま無溶剤型組成物と
して使用でき、またこれらを溶解可能な有機溶媒に溶解
した溶液組成物として使用できる。本発明の接着用組成
物を無溶剤型組成物または溶液組成物のいずれの形態で
使用するかは、本発明の接着用組成物が適用される各種
用途に応じて、適宜に決定すればよい。取扱性のうえで
は溶液組成物として使用するのが好ましい。
【0030】前記溶液組成物に使用される有機溶剤とし
ては、前記ポリウレタンおよび加水分解性アルコキシシ
ランを溶解でき、加水分解性アルコキシシランの加水分
解を進行できる程度の水を含有することのできるものを
用いる。たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系
溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n
−ブタノール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチル
エチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン等のケトン系溶剤;ジメチルホルムアミド等のアミド
系溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶
剤;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル
系溶剤等があげられる。通常、溶液組成物とする場合の
固形分濃度は10〜40重量%程度である。
【0031】また、本発明の接着用組成物を基材の接着
に使用するにあたっては、通常、硬化を促進するため、
加水分解性アルコキシシランの加水分解、縮合を行うこ
とのできる硬化触媒を用いる。かかる硬化触媒として
は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、パラトルエンスルホン
酸、メタンスルホン酸等の有機酸触媒、ホウ酸、リン酸
等の無機酸触媒やアルカリ系の触媒があげられるが、有
機酸触媒を用いた場合に、特にシリカがポリウレタンの
ハードセグメントが形成するドメインのみに誘導される
傾向が強く好ましい。有機酸触媒により、加水分解性ア
ルコキシシランの加水分解を行なうことによって、シラ
ノール残基が多くなって、ポリウレタンのハードセグメ
ントと水素結合性相互作用が強くなる。これら有機酸触
媒のなかでもギ酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸が好
ましい。一方、接着用組成物中に、硬化剤を含む場合に
は、前記加水分解性アルコキシシランの加水分解、縮合
を行うことのできる硬化触媒は、必ずしも必要ではな
い。なお、硬化剤を含む場合には、硬化剤の反応を促進
するオクチル酸第一錫等のルイス酸触媒を含有すること
ができる。
【0032】硬化触媒は、所謂触媒量の使用でよい。す
なわち、前記触媒の使用量は使用する触媒の活性により
適宜決めることができる。通常、使用する加水分解性ア
ルコキシシランに対しモル比率で、触媒能力の高いパラ
トルエンスルホン酸などで0.001〜5モル%程度、
触媒能力の低いギ酸、酢酸などで0.01〜50モル%
程度使用される。硬化触媒の添加時期は特に制限され
ず、ポリウレタンおよび加水分解性アルコキシシラン等
から無溶剤型組成物を調製する際や、ポリウレタンおよ
び加水分解性アルコキシシラン等を有機溶剤に溶解して
溶液組成物を調製する際に添加してもよく、当該組成物
を基材に塗布する直前に添加してもよい。
【0033】なお、本発明の接着用組成物には、本発明
の効果を損なわない範囲で、粘度調節剤、可塑剤、抗菌
剤、防黴剤、レベリング剤、消泡剤、着色剤、安定剤、
溶解性を調製するための溶剤等、有機、無機系各種添加
剤を必要に応じて添加することもできる。また、各種の
接着剤、シーリング剤等の用途において、当該用途にお
いて通常使用される成分を配合して使用できるのはもと
よりである。
【0034】こうして調製された本発明の接着用組成物
は、基材と基材を接触させたのち、硬化(加水分解、縮
合)させることにより基材を接着させる。基材は、各種
用途に応じたものを適宜に選択して使用できる。なお、
硬化に必要な水は、適宜に加えることができ、また空気
中に存在するものを利用することもできる。硬化温度
は、室温でも十分であるが、シリカの前駆体の蒸発に注
意しながら、適宜に300℃以下の温度で加熱すること
もできる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、シランカップリング剤
を使用することなく、無機系基材を含む各種基材に対し
優れた接着性を有する接着用組成物を提供することがで
きる。さらには、本発明の接着用組成物によれば、柔軟
性を維持しつつ耐熱性にも優れた接着層により基材と基
材を接着できる。また、かかる接着層は、耐水性、耐溶
剤性の面でも優れている。
【0036】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
具体的に説明する。なお、各例中、部および%は特記な
し限り重量基準である。
【0037】製造例1 温度計および冷却管を備えた3L容の4つ口コルベン
に、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量20
00)489.9部(0.242モル)とイソホロンジ
イソシアネート107.6部(0.485モル)を仕込
み、窒素気流下、80℃で4時間反応させた。次いで、
系内に酢酸エチル1085部を加え、よく撹拌しながら
50℃まで冷却した後、イソホロンジアミン37.34
部(0.2120モル)とジブチルアミン3.27部
(0.0253モル)を2−プロパノール543部に溶
かした溶液を10分間で滴下し、その後、同温度で1時
間反応させた。かくして、数平均分子量約50000、
固形分30%のポリウレタン溶液を得た。得られたポリ
ウレタンの水への接触角は81.5度であった。
【0038】なお、ポリウレタンの水への接触角は、塗
膜表面に0.03mlの脱イオン水の水滴を滴下し、2
5℃にて協和界面科学社製Contact Angle Meter CA-S15
0を使って測定したものである。
【0039】製造例2 製造例1において、各成分の使用量を、ポリテトラメチ
レングリコール232.3部(0.116モル)、イソ
ホロンジイソシアネート64.2部(0.289モ
ル)、イソホロンジアミン27.34部(0.161モ
ル)、ジブチルアミン1.68部(0.0129モ
ル)、メチルエチルケトン868部、2−プロパノール
434部に変えた他は、製造例1と同じ方法で反応を行
い、数平均分子量約50000、固形分20%のポリウ
レタン溶液を得た。得られたポリウレタンの水への接触
角は82度であった。
【0040】製造例3 製造例1と同様のコルベンに、ポリプロピレングリコー
ル(数平均分子量2000)232.3部(0.116
モル)と4,4´−ジフェニルジメチルメタンジイソシ
アネート121.3部(0.485モル)を仕込み、窒
素気流下、80℃で4時間反応させた。次いで、系内に
酢酸エチル1014部を加え、よく撹拌しながら50℃
まで冷却した後、イソホロンジアミン37.34部
(0.2120モル)とジブチルアミン3.27部
(0.0253モル)を2−プロパノール507部に溶
かした溶液を10分間で滴下し、その後、同温度で1時
間反応させた。かくして、数平均分子量約50000、
固形分30%のポリウレタン溶液を得た。得られたポリ
ウレタンの水への接触角は78度であった。
【0041】製造例4 製造例1と同様のコルベンに、ポリエステルジオール
(数平均分子量2000,旭電化(株)製,商品名 ア
デカニューエース F13−35)491部(0.24
55モル)とイソホロンジイソシアネート109.1部
(0.491モル)を仕込み、窒素気流下、80℃で4
時間反応させた。次いで、系内にメチルエチルケトン1
083部を加え、よく撹拌しながら50℃まで冷却した
後、イソホロンジアミン36.33部(0.214モ
ル)とジブチルアミン3.26部(0.0310モル)
を2−プロパノール542部に溶かした溶液を10分間
で滴下し、その後、同温度で1時間反応させた。かくし
て、数平均分子量約50000、固形分30%のポリウ
レタン溶液を得た。得られたポリウレタンの水への接触
角は69度であった。
【0042】実施例1 製造例1で得られたポリウレタン溶液25部、テトラメ
トキシシラン部分縮合体(多摩化学(株)製,商品名M
S51)0.735部、10%パラトルエンスルホン酸
水溶液0.1gを混合し、接着用溶液組成物を調製し
た。
【0043】実施例2〜5 実施例1において、ポリウレタン溶液の種類、アルコキ
シシランの種類または使用量を表1に示すように変えた
他は実施例1と同様にして接着用溶液組成物を調製し
た。
【0044】実施例6 製造例1で得られたポリウレタン溶液25部、テトラメ
トキシシラン部分縮合体(多摩化学(株)製,商品名M
S51)1.029部、硬化剤としてポリメチレンポリ
フェニレンポリイソシアネート(日本ポリウレタン
(株)製,商品名ミリオネーMR−300)0.15部
(ポリウレタンの末端アミノ基の倍量モル数)、および
オクチル酸第一錫0.01gを混合し、接着用溶液組成
物を調製した。
【0045】比較例1〜3、比較例4−1 製造例1〜4で得られたポリウレタン溶液をそのまま接
着用溶液組成物とした。
【0046】比較例4−2 製造例4で得られたポリウレタン溶液25部、テトラメ
トキシシラン部分縮合体(多摩化学(株)製,商品名M
S51)1.471部、10%パラトルエンスルホン酸
水溶液0.1gを混合し、接着用溶液組成物を調製し
た。
【0047】
【表1】
【0048】表1中、MS−51:テトラメトキシシラ
ン部分縮合体(多摩化学(株)製,商品名MS−5
1)、TEOS:テトラエトキシシラン(ヒュルス社
製,商品名Dynasil A)、PTS水溶液:10
%パラトルエンスルホン酸水溶液、MS−300:ポリ
メチレンポリフェニレンポリイソシアネート(日本ポリ
ウレタン(株)製,商品名ミリオネー MR−300)
を示す。
【0049】(接着性)実施例1〜6、比較例1、3、
4の接着用溶液組成物を、バーコーターNO.40を用
いて、2枚のステンレス板テストパネル(SUS31
6)に塗工後、80℃で3分順風乾燥機で溶剤乾燥させ
た後、2枚のテストパネルを接着し、室温下で24時間
乾燥(硬化)させた。JIS K 6850に従って、2
5℃で引張せん断試験を行った。評価結果を表2に示
す。
【0050】
【表2】
【0051】表2の実施例1〜4と比較例1、実施例5
と比較例3から、本発明の特定のポリウレタン(製造例
1,3)を用いた場合は、本発明外のポリウレタン(比
較例4、製造例4)を用いたよりも接着性の向上が大き
いと認められる。また、実施例6では、硬化剤を使用す
ることにより、接着性が格段に向上している。
【0052】上記実施例1〜4および比較例1〜2の接
着用溶液組成物から得られる接着層中のポリウレタンに
基づくソフトセグメント(以下、SSという)およびハ
ードセグメント(以下、HSという)ならびにシリカ
(アルコキシシランが全てSiO2に変換したと仮定し
たもの)の割合を以下の式により近似的に求めた値を表
3に示す。また、シリカは殆ど全てHSに導入されハイ
ブリッド化によって複合ドメインを形成するため、HS
とシリカの合計をドメインの割合として表3に併せて示
す。
【0053】(1)SSの重量%=(ポリテトラメチレ
ングリコールの仕込み重量/ポリウレタンの固形分重
量)×100 (2)HSの重量%=100−(SSの重量%) (3)シリカの重量%=アルコキシシランの使用量×
(60.02/アルコキシシランの分子量)×(100
/7.5)
【0054】
【表3】
【0055】表3から比較例2で用いたポリウレタン
(製造例2のポリウレタン)は、実施例1〜4および比
較例1で用いたポリウレタン(製造例1のポリウレタ
ン)に比べてHSの割合が多いため、強靱であり耐熱性
に優れていると認められる。また、実施例2または実施
例4と比較例2は見かけ上のドメインの割合が同じであ
る。
【0056】(耐熱性)実施例1〜4、比較例1〜2で
調製した接着剤用溶液組成物を、フッ素樹脂コーティン
グされた容器(縦×横×深さ=10cm×10cm×1.5
cm)に注ぎ、3日間放置して完全に硬化させた後、10
0℃で1時間乾燥させ残存する溶剤を除去して、樹脂フ
ィルムを形成した(膜厚約0.6mm)。樹脂フィルム
を容器から剥がし取り、粘弾性測定器(レオロジ社製,
商品名DVE−V4,測定条件:振幅10(m,振動数
10Hz,スロープ3℃/分)を用いて動的貯蔵弾性率を
測定し、耐熱性を評価した。測定結果を図1に示す。
【0057】図1から、比較例1、2では動的貯蔵弾性
率が、100〜150℃付近で急激に低下するが、実施
例1〜4では200℃を超えても急激な低下はみられな
い。これらから本発明により形成される接着層が耐熱性
に優れていることが認められる。また、−70℃付近に
おける動的貯蔵弾性率の顕著な変化は、連続相であるソ
フトセグメントのTg(ガラス転移点)に由来するもの
であり、実施例1〜4と比較例1とでTgの値が殆ど同
じであることは、シリカはポリウレタンのSSには導入
されておらず、HSと複合ドメインを形成していること
を実証している。なお、比較例2は使用しているポリウ
レタンのHSの割合が比較例1に比べて多いため、比較
例2の動的貯蔵弾性率は比較例1に比べて高いが、比較
例1と同様のポリウレタンを使用し、かつ見かけ上のド
メインの割合が同じ実施例2または実施例4に比べると
動的貯蔵弾性率が急激に低下する温度が低い。これはシ
リカとポリウレタンのHSとの複合ドメインを形成する
ことにより、単にHSの割合を多くするよりも耐熱性向
上効果が大きいことを表す。
【0058】(柔軟性)実施例1〜6、比較例1、3、
4で調製した接着用溶液組成物を、耐熱性の項と同様に
して樹脂フィルムとした。得られたフィルムをダンベル
1号で切り抜き、テンシロン試験機(オリエンテック社
製,商品名UCT−500)を用いて、50cm/分の
引っ張り速度で、フィルムを引き伸ばし、破断するまで
のフィルム伸び(最大伸張)を測定した。25℃で3
回、同じ方法で引っ張り試験を行い、その平均値を表4
に示す。
【0059】(耐水性)実施例1〜6、比較例1、3、
4で調製し接着用溶液組成物を、耐熱性の項と同様にし
て樹脂フィルムとした。得られた樹脂フィルム約0.1
5gを精秤して、脱イオン水20mlに浸し、50〜1
00℃まで加温した。経時的に膜を水中の重量を測定
し、元の樹脂フィルムの重量に対し、約6%の水を含ん
だ時点で、温水浴から上げ、表面の水分を拭い、上皿天
秤に乗せ、25℃で放置した。含水率が5%になった時
点で耐熱性試験と同じ粘弾性試験機で25℃での動的貯
蔵弾性率を測定し、以下の式から弾性保持率を求めた
た。弾性保持率=(含水率5%での動的貯蔵弾性率/コ
ーティング膜の重量)×100。また、コーティング膜
の外観を目視観察した。評価結果を表4に示す。
【0060】
【表4】
【0061】表4から明らかなように、比較例4ではポ
リウレタン(比較例4−1)の柔軟性が、ハイブリッド
体(比較例4−2)となることにより悪くなっている
が、実施例1〜6ではハイブリッド体となっても、比較
例1または比較例3と同様の柔軟性を維持している。ま
た、実施例1〜6は耐水性の点でも優れていることか
ら、シーリング剤としても好適なことが認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜4および比較例1〜2の動的貯蔵弾
性率のグラフである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハードセグメントおよび疎水性のソフト
    セグメントからなるポリウレタン、ならびに加水分解性
    アルコキシシランを含有してなる接着用組成物。
  2. 【請求項2】 ポリウレタンが、疎水性の高分子ポリオ
    ールおよび有機ポリイソシアネート化合物を主成分とし
    てなる請求項1記載の接着用組成物。
  3. 【請求項3】 ポリウレタンが、疎水性の高分子ポリオ
    ール、有機ポリイソシアネート化合物および鎖伸長剤を
    主成分としてなる請求項1記載の接着用組成物。
  4. 【請求項4】 疎水性の高分子ポリオールが、アルキレ
    ン基の炭素数が3以上のポリオキシアルキレンジオール
    および/またはポリオレフィンジオールである請求項2
    または3記載の接着用組成物。
  5. 【請求項5】 加水分解性アルコキシシランが、テトラ
    アルコキシシランおよび/またはその縮合物である請求
    項1〜4のいずれかに記載の接着用組成物。
  6. 【請求項6】 さらに、硬化剤を含有してなる請求項1
    〜5のいずれかに記載の接着用組成物。
  7. 【請求項7】 硬化触媒を含有してなる請求項1〜6の
    いずれかに記載の接着用組成物。
  8. 【請求項8】 硬化触媒が、有機酸触媒である請求項7
    記載の接着用組成物。
  9. 【請求項9】 有機酸触媒が、ギ酸、酢酸およびパラト
    ルエンスルホン酸から選ばれるいずれか少なくとも1種
    である請求項8記載の接着用組成物。
  10. 【請求項10】 基材と基材を、請求項6〜9にいずれ
    かに記載の接着用組成物を介して接触させた後、当該接
    着用組成物を硬化させ、基材と基材を接着する方法。
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