JP2007023087A - 銀鏡メッキ用プライマー樹脂および該樹脂を含有する銀鏡メッキ用プライマー組成物 - Google Patents

銀鏡メッキ用プライマー樹脂および該樹脂を含有する銀鏡メッキ用プライマー組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 種々のプラスチック等の基材と銀鏡メッキ層との密着性などを向上しうるプライマー層を形成するための銀鏡メッキ用プライマー樹脂、該樹脂を含有する銀鏡メッキ用プライマー組成物を提供すること。
【解決手段】 高分子ポリオールとジイソシアネートと鎖伸長剤から得られ、かつエポキシ基と反応性を持つ官能基を有するポリウレタン樹脂(1)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなることを特徴とする銀鏡メッキ用プライマー樹脂を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、銀鏡メッキ層をプラスチック基材に密着・接合させるためのプライマー樹脂、および該樹脂を含有するプライマー組成物に関する。
従来、自動車、家電部品等の樹脂成形品の表面に金属メッキを施して、金属光沢を付与することが行われている。
プラスチックなどの非導電性材料に、金属光沢を付与する方法として、プラスチックメッキ技術が知られている。プラスチックメッキは、プラスチック基材表面を無電解メッキで導電化した後、電気メッキする方法である。無電解メッキ法では、通常、基材の前処理の第一段階として、クロム酸等の強酸化性薬品もしくは強アルカリ性薬品による化学的な表面粗化、またはブラスト処理等の機械的な表面粗化等による投錨効果によって、非導電性材料とメッキ層との密着性を向上させる方法が採られている。
近年、前記のようなクロム酸など有害な物質を使用せず、銀鏡反応を利用した方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。該文献に記載された金属光沢を有する塗膜の形成方法では、樹脂基材表面に金属を含むベース溶液が吹き付けられ、この表面に銀イオンなどの金属イオンを含む水溶液と、還元剤を含む水溶液とを同時に吹き付け、銀鏡反応により金属イオンを還元して金属を析出させた後、純水で洗浄し、水酸化ナトリウムなどの定着剤を吹き付けた後にクリア塗装されている。
また、無電解メッキの前処理として、下地塗料(プライマー)を基材に塗布し、基材と金属メッキ層との密着性等を向上させる方法が提案されている。該プライマーとしては、2液型ウレタン系や2液型アクリル系のベースコート剤(特許文献2参照)や、樹脂とアルコキシシラン、コロイダルシリカ、シランカップリング剤、金属酸化物コロイドからなるプライマ剤(特許文献3)等が知られている。
しかしながら、特許文献2に記載のベースコート剤(高分子量成分/イソシアネート硬化剤等の有機成分のみ)では、得られる塗膜表面の疎水性が強く、表面活性剤として用いる塩化第一スズ水溶液に対する濡れ性が悪い。そのため、スズイオンを均一に塗布することが容易でなく、その結果、ムラの無い金属光沢を持った銀鏡膜を得難くなる。また特許文献3に記載のプライマ剤では、無機成分を比較的多量に含有されているため、基材に対する密着性や、樹脂成分と無機成分との相溶性が充分でない。そのため、該プライマ剤の溶液安定性が不充分であり、無機成分の分離・沈殿が生じ易く、また得られる塗膜が白濁したり、銀鏡面に対する塗膜密着性に振れが起こりやすい。
特開2001−46958号公報 特開2003−155580号公報 特開2000−129452号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、種々のプラスチック等の基材と銀鏡メッキ層との密着性などを向上しうるプライマー層を形成するための銀鏡メッキ用プライマー樹脂、該樹脂を含有する銀鏡メッキ用プライマー組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定のポリウレタン樹脂と特定のシラン化合物とを構成成分としてなる反応生成物を用いることにより前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、高分子ポリオールとジイソシアネートと鎖伸長剤から得られ、かつエポキシ基と反応性を持つ官能基を有するポリウレタン樹脂(1)(以下、ポリウレタン樹脂(1)という)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)(以下、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)という)とを反応させてなることを特徴とする銀鏡メッキ用プライマー樹脂;および当該銀鏡メッキ用プライマー樹脂を含有する銀鏡メッキ用プライマー組成物に関する。
本発明の銀鏡メッキ用プライマー樹脂は、ゾル−ゲル硬化、ウレタン硬化反応を伴うため力学強度、耐熱性に優れたプライマー層を形成するものである。したがって、該銀鏡メッキ用プライマー樹脂を含有してなる本発明の銀鏡メッキ用プライマー組成物を使用することにより、銀メッキ層を、プラスチック等の基材表面に強固に密着・接合させることができ、また意匠性に優れる銀メッキ層を備えるメッキ製品を簡易且つ容易に製造できる。
本発明で用いるポリウレタン樹脂(1)は、高分子ポリオールとジイソシアネートと鎖伸長剤から得られ、かつエポキシ基と反応性を持つ官能基を有するものであり、高分子ポリオールで構成されるソフトセグメントと、ジイソシアネート、鎖伸長剤および必要により重合停止剤で構成されるハードセグメントとからなるものである。
当該高分子ポリオールとしては、特に限定されず、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオールなど各種公知のものが挙げられる。当該高分子ポリオールは、数平均分子量が300〜10000の範囲であり、分子末端に水酸基を持つものが好ましい。数平均分子量が300未満になると溶解性や溶液安定性が低下する傾向があり、また10000を越えると弾性が低下する傾向がある。最終的に得られるプライマー層の力学物性を考慮すると、好ましくは500〜6000の範囲内とされる。また、プライマー層の耐久性などの諸性能の点から、上記高分子ポリオールのうちでもポリエステルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールが特に好適である。
当該ポリエステルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール等の飽和もしくは不飽和の各種公知の低分子グリコール類またはn−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、バーサティック酸グリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル類と、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸またはこれらに対応する酸無水物やダイマー酸、ひまし油およびその脂肪酸などとを脱水縮合せしめて得られるポリエステルポリオール類、あるいは環状エステル化合物を開環重合して得られるポリエステルポリオール類などがあげられる。なお、低分子グリコールと二塩基酸とから得られる高分子ポリオールの場合には、該グリコール類のうち5モル%までは以下の各種ポリオールに置換することができる。たとえばグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
また、ポリカーボネートポリオールとしては、一般に多価アルコールとジメチルカーボネートの脱メタノール縮合反応、多価アルコールとジフェニルカーボネートの脱ウレタン縮合反応または多価アルコールとエチレンカーボネートの脱エチレングリコール縮合反応など公知の反応で得られる。これら反応で使用される多価アルコールとしては1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール等の飽和もしくは不飽和の各種公知の低分子グリコール類、1,4−シクロヘキサンジグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコールなどが挙げられる。
またポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランなどを開環重合して得られるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
また、ポリオレフィンポリオ−ルとしては、末端に水酸基を持つポリブタジエンポリオールやポリイソプレンポリオール、あるいはそれらを水添したものなどが挙げられる。
また、アクリルポリオールとしては、水酸基含有ラジカル重合性モノマー及び必要に応じて使用するその他のラジカル重合性モノマーからなるモノマー組成物を常法によって重合して得られるものを、格別限定なく使用できる。水酸基含有ラジカル重合性モノマーの具体例としては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルをε−カプロラクトンによって開環させたもの等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。その他のラジカル重合性モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、ポリエチレングリコールモノアクリル酸エステル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、ポリエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル,メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニル;ビニルプロピルエーテルやビニルブチルエーテル等のビニルエーテル;無水マレイン酸等が挙げられる。さらに、末端に水酸基を有するα、ω−アクリルジオールなども用いることができる。
ポリウレタン樹脂(1)の構成成分であるジイソシアネート化合物としては芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のジイソシアネート類を使用することができる。たとえば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等がその代表例として挙げられる。
またポリウレタン樹脂(1)に使用する鎖伸長剤としては、たとえば前記ポリエステルポリオールの項で述べた低分子グリコール類やジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸など分子内にカルボキシル基を持つグリコール類、またエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等のポリアミン類、L−リジン、L−アルギニンなど分子内にカルボキシル基を持つポリアミン類、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の分子内に水酸基を有するもの等が挙げられる。
また、ポリウレタン樹脂(1)の構成成分として、分子量を調節するために重合停止剤を使用することもできる。重合停止剤としては、たとえば、ジ−n−ブチルアミン、n−ブチルアミン等のアルキルモノアミン類や、D−アラニン、D−グルタミン酸など分子内にカルボキシル基を持つモノアミン類、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、グリコール酸など分子内にカルボキシル基を持つアルコール類等が挙げられる。
本発明に用いるポリウレタン樹脂(1)を製造する方法としては、高分子ポリオールとジイソシアネート化合物ならびに鎖伸長剤および/または重合停止剤を、適当な溶媒中で一度に反応させる一段法、高分子ポリオールとジイソシアネート化合物とを、イソシアネート基過剰の条件で反応させ、高分子ポリオールの末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを調製し、次いでこれを適当な溶媒中で鎖伸長剤および必要に応じて、重合停止剤と反応させる二段法等が挙げられる。均一なポリマー溶液をうる目的には二段法が好ましい。これら製造法において、使用される溶剤としては通常、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンなどの溶剤を単独または混合して使用できる。
ポリウレタン樹脂(1)におけるエポキシ基と反応性を有する官能基は、ポリウレタン樹脂(1)の末端、主鎖のいずれに存在していてもよい。かかるエポキシ基反応性官能基としては、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基などの酸性基、アミノ基、水酸基、メルカプト基などがあげられるが、通常はエポキシ基との反応性や、官能基付与容易性の点から酸性基、アミノ基が好ましい。ポリウレタン樹脂(1)に酸性基を付与する方法に限定はないが、例えば前記の鎖伸長剤や重合停止剤のうちで、カルボキシル基を持つものを用いれば容易にカルボキシル基を付与できる。またポリウレタン樹脂(1)にアミノ基を付与する方法に限定はないが、例えばプレポリマーの末端イソシアネート基に対し、アミノ基が過剰になるようポリアミン類を反応させればよい。ポリウレタン樹脂(1)におけるエポキシ基反応性官能基の量は特に制限されないが、通常は0.1〜20KOHmg/gであることが好ましい。0.1KOHmg/g未満になると、得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)の柔軟性や耐熱性が低下し、また20KOHmg/gを超えると該部分縮合物(2)の耐水性が低下する傾向がある。
本発明で用いるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)は、エポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるものである。
エポキシ化合物(A)としては、1分子中に水酸基を1つ持つエポキシ化合物であれば、エポキシ基の数は特に限定されない。また、エポキシ化合物(A)としては、分子量が小さいもの程、アルコキシシラン部分縮合物(B)に対する相溶性がよく、耐熱性や密着性付与効果が高いことから、炭素数が15以下のものが好適である。その具体例としては、エピクロロヒドリンと、水、2価アルコールまたはフェノール類とを反応させて得られる分子末端に1つの水酸基を有するモノグリシジルエーテル類;エピクロロヒドリンとグリセリンやペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールとを反応させて得られる分子末端に1つの水酸基を有するポリグリシジルエーテル類;エピクロロヒドリンとアミノモノアルコールとを反応させて得られる分子末端に1つの水酸基を有するエポキシ化合物;分子中に1つの水酸基を有する脂環式炭化水素モノエポキシド(例えば、エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール);脂肪族不飽和アルコールを酸化して得られるエポキシアルコール類;ジシクロペンタジエンなどの不飽和脂環化合物を酸化、水和した脂環式エポキシアルコールなどが例示できる。
これらのエポキシ化合物(A)のうちでも、一般式(1):
Figure 2007023087
(式中、Xは−(CH−を、mは1〜10の整数を表す。)で表される化合物などが例示できる。
一般式(1)における化合物のうち、mが1であるグリシドールが、入手容易であることや、得られる銀鏡メッキ用プライマー樹脂に対する耐熱性付与効果の点やアルコキシシラン部分縮合物(B)との反応性も高いため、好ましい。また、mが3以上のものを用いた場合には毒性が低くなり、かつ硬化膜の柔軟性の向上が著しいため好ましい。
またアルコキシシラン部分縮合物(B)としては、一般式(2):
Si(OR4−n(式中、nは0または1を示す。Rは、炭素原子に直結した官能基を持っていてもよい低級(炭素数1〜4)アルキル基、アリール基または不飽和脂肪族残基を示す。Rはメチル基またはエチル基を示し、R同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)で表される加水分解性アルコキシシランモノマーを酸又はアルカリ水の存在下で加水分解し、部分的に縮合させて得られるものが用いられる。
このような加水分解性アルコキシシランモノマーの具体的としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、等のテトラアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類が挙げられる。なお、これらアルコキシシラン部分縮合物(B)としては、前記例示のものを特に制限なく使用できるが、これら例示物のうちの2種以上を混合使用する場合には、テトラメトキシシランを、アルコキシシラン部分縮合物(B)を構成する全てのアルコキシシランモノマー中70モル%以上用いて合成されたものが好ましい。
アルコキシシラン部分縮合物(B)は、例えば次の一般式(3)または(4)で示される。一般式(3):
Figure 2007023087
(式中、Rは、炭素原子に直結した官能基を持っていてもよい低級アルキル基、アリール基又は不飽和脂肪族残基を示す。Rはメチル基またはエチル基を示し、R同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
一般式(4):
Figure 2007023087
(一般式(4)中、Rは一般式(3)中のRと同じ。)
アルコキシシラン部分縮合物(B)の数平均分子量は230〜2000程度、一般式(3)および(4)において、平均繰り返し単位数pは2〜11が好ましい。pの値が11を超えると、得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)の溶解性が悪くなり、反応温度において、ポリウレタン樹脂(1)との相溶性が低下し、反応性が落ちる傾向があるため好ましくない。pが2未満であると、エポキシ化合物(A)との脱アルコール反応反応途中に反応系外にアルコールと一緒に留去され易くなる。アルコキシシラン部分縮合物(B)の中では、テトラメトキシシラン部分縮合物が特に好ましい。
エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)は、エポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)を脱アルコール(エステル交換)反応させることにより得られる。エポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との使用割合は、アルコキシ基が実質的に残存するような割合であれば特に制限されないが、通常、エポキシ化合物(A)の水酸基の当量/アルコキシシラン部分縮合物(B)のアルコキシル基の当量=0.01/1〜0.7/1となる仕込み比率で、アルコキシシラン部分縮合物(B)とエポキシ化合物(A)を脱アルコール反応させることが好ましい。前記仕込み比率が少なくなるとエポキシ変性されていないアルコキシシラン部分縮合物(B)の割合が増加するため、前記仕込み比率は、0.03以上/1とするのが好ましい。また、前記仕込み比率が大きくなると、反応系におけるエポキシ基が多官能化し、当該部分縮合物(2)の合成時にゲル化しやすくなるため、前記仕込み比率は、0.5以下/1とするのが好ましい。
エポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応は、たとえば、前記各成分を仕込み、加熱して生成するアルコールを留去しながら行う。反応温度は50〜150℃程度、好ましくは70〜110℃であり、全反応時間は1〜15時間程度である。なお、脱アルコール反応を110℃を超える温度で行うと、反応系中でアルコキシシランの縮合に伴って、反応生成物の分子量が上がりすぎ、高粘度化やゲル化する傾向がある。このような場合には、脱アルコール反応を反応途中で、停止させるなどの方法により高粘度化、ゲル化を防止できる。
また、エポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応に際しては、反応促進のために従来公知の触媒の内、エポキシ環を開環しないものを使用することができる。たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、砒素、セリウム、硼素、カドミウム、マンガンのような金属や、これら酸化物、有機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド等があげられる。これらのなかでも、特に有機錫、有機酸錫が好ましく、具体的には、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫などが有効である。
また、上記反応は溶剤中で行うこともできる。溶剤としては、エポキシ化合物(A)とアルコキシシラン縮合物(B)とを溶解し、且つエポキシ化合物(A)のエポキシ基に対して不活性なものであれば、特に限定されない。このような有機溶剤としては、ポリウレタン樹脂(1)の製造に使用した溶剤を用いるのが好ましい。
本発明の目的物である銀鏡メッキ用プライマー樹脂は、ポリウレタン樹脂(1)とエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させて得られる。ポリウレタン樹脂(1)とエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)の使用割合は、特に制限されないが、当該部分縮合物(2)のオキシラン環の当量/ポリウレタン樹脂(1)のエポキシ基反応性官能基の合計当量(当量比)が0.30〜5の範囲とするのが好ましい。0.30未満では、得られる銀鏡メッキ用プライマー樹脂が十分に本発明の効果を発揮できず、また5を超えると銀鏡メッキ用プライマー樹脂中の未反応エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)の割合が増えるため好ましくない。
該銀鏡メッキ用プライマー樹脂の製造は、たとえば、前記各成分を仕込み、実質的に無水状態で加熱して反応を行う。本反応はポリウレタン樹脂(1)の酸性基及び/又はアミノ基とエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)のオキシラン基の反応を主目的にしており、本反応中に当該部分縮合物(2)のアルコキシシリル部位のゾル−ゲル反応によるシリカの生成を抑える必要がある。そのため、反応温度は室温〜150℃程度、好ましくは40〜120℃であり、全反応時間は1〜10時間程度で行うのが好ましい。
また、上記の反応に際しては、特に触媒は必要としないが、反応促進のために従来公知の触媒を使用することができる。例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)ウレタンなどの三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などをあげることができる。反応触媒はポリウレタン樹脂(1)の固形分100重量部に対し、0.01〜5重量部の割合で使用してもよい。
また、上記反応は使用目的によって、溶剤中でも、無溶剤下でも行うことができる。溶剤としては、ポリウレタン樹脂(1)およびエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)を溶解する溶剤であれば特に制限はない。このような溶剤としては、ポリウレタン樹脂(1)、又はエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)の製造時に用いたものを使用することができる。
こうして得られた本発明の銀鏡メッキ用プライマー樹脂は、その分子中にアルコキシシラン部分縮合物(B)に由来するアルコキシ基を有している。当該アルコキシ基の含有量は、特に限定はされないが、このアルコキシ基は溶剤の蒸発や加熱処理により、又は水分(湿気)との反応によりゾル−ゲル反応や脱アルコール縮合して、相互に結合した硬化物を形成するために必要となるため、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂は通常、アルコキシシラン部分縮合物(B)のアルコキシ基の50〜95モル%、好ましくは60〜90モル%を未反応のままで保持しておくのがよい。
本発明の銀鏡メッキ用プライマー樹脂から得られる硬化物は、ゲル化した微細なシリカ部位(シロキサン結合の高次網目構造)を有するものである。また該銀鏡メッキ用プライマー樹脂は、ポリウレタン樹脂(1)中のエポキシ基反応性官能基の一部がシラン変性されたポリウレタン樹脂を主成分とするが、該銀鏡メッキ用プライマー樹脂中には未反応のアルコキシシラン部分縮合物(B)やエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)、反応に使用した溶剤や触媒を含有されていてもよい。なお未反応のアルコキシシラン部分縮合物(B)、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)は硬化時に、加水分解、重縮合によりシリカ硬化し、銀鏡メッキ用プライマー樹脂と一体化する。
本発明のプライマー組成物は、該銀鏡メッキ用プライマー樹脂を含有しておればよく、その他の成分は特に限定されるものではなく、用途によって従来公知のポリマー材料を適宜に併用できる。このようなポリマー材料としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂などを例示できる。また本発明の銀鏡メッキ用プライマー樹脂は、該樹脂中の固形残分中のSi含有量が、シリカ重量換算で0.5〜30重量%となることが好ましい。ここで言う固形残分中のシリカ重量換算Si含有量とは、該銀鏡メッキ用プライマー樹脂のアルコキシシリル部位がゾル−ゲル硬化反応を経て、シリカ部位に硬化した時のシリカ部位の重量パーセントである。0.5重量%未満であると銀メッキ層との密着性、耐熱性、強度など本発明の効果が得られ難くなるし、30重量%を越えると、プライマー硬化物層が脆くなり過ぎ、基材への密着性および強度が逆に落ちてしまう傾向がある。該プライマー組成物は溶剤により適宜に濃度を調整でき、該溶剤としては、銀鏡メッキ用プライマー樹脂を溶解できるものであれば、特に制限なく使用できる。また、プライマー硬化物の力学的強度や耐熱性を調整する目的で、固形残分中のSi含有量を調整する必要がある場合、該プライマー組成物に、アルコキシシラン部分縮合物(B)やポリウレタン樹脂(1)を配合しても構わない。
また、本発明のプライマー組成物には、基材に対する密着性や力学強度を調整するために、従来公知のポリウレタン樹脂の硬化に用いられる各種硬化剤および無機粒子を使用しても構わない。該硬化剤としては、特にイソシアネート系硬化剤が望ましく、前記ポリウレタン樹脂に用いられるイソシアネート化合物単量体、及びそのビュレットタイプ・ヌレートタイプ・アダクトタイプ等の多量体等を挙げることができる。イソシアネート系硬化剤の使用量は、プライマー組成物の固形分に対し50%程度以下が望ましい。また、無機粒子としては、従来公知の充填剤が格別限定なく使用でき、例えば、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム等無機粒子およびそれらを溶剤に分散させた分散体などが挙げられるが、プライマー組成物との相溶性の面から、シリカ粒子および溶液分散体のコロイダルシリカが好ましい。無機粒子はプライマー組成物の固形残分に対し前記Si含有量と合わせて30%以下となることが望ましい。
更に、前記プライマー組成物には、シリカ硬化反応を低温で速くする目的で、従来公知の酸又は塩基性触媒、金属系触媒などのゾル−ゲル硬化触媒や水を含有させてもよい。また、その他、前記プライマー組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、表面処理剤、難燃剤、粘度調節剤、可塑剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤、消泡剤、着色剤、安定剤、カップリング剤等を配合してもよい。
本発明の銀鏡メッキ用プライマー樹脂から得られる銀鏡メッキ用プライマー組成物は、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などからなる各種プラスチック基材に適用でき、例えば自動車用の各種の内外装部品、エアコンハウジング、携帯電話、ノートパソコンなどの家電製品など、各種メッキ製品に好適である。
当該プライマー組成物から形成されるプライマー層は、該銀鏡メッキ用プライマー樹脂に由来するアルコキシシリル部位のゾル−ゲル硬化により生成する殆ど全てのシリカが、ポリウレタン樹脂のハードセグメントと結合し、ハードセグメントとシリカの複合ドメインとなり、複合ドメインとソフトセグメントがミクロの二層分離(海島)構造をとるハイブリッド体を形成する。該二層分離(海島)構造によりハイブリッド体のマトリックスを構成するポリウレタンのソフトセグメントではシリカを含まないためその柔軟性をそのまま保持し、基材に対する密着性などを付与する。一方、当該ポリウレタンのハードセグメントではシリカとの複合ドメインにより当該ドメインのみを強靭にすることができるため、得られるプライマー層の力学強度、耐熱性などが向上するものと推定される。さらに、ゾルーゲル反応によりプライマー表面にSi−OHが生成し、親水性が増すことにより、該プライマに対する表面活性処理剤の濡れ性が良好となり、その結果、銀鏡メッキ層への密着性が向上させることができる。
以下に製造例、実施例および比較例をあげて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、各例中、%は特記しない限り重量基準である。
製造例1(エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(E1)の製造)
攪拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、グリシドール(日本油脂(株)製、商品名「エピオールOH」)1400gおよびテトラメトキシシラン部分縮合物(多摩化学(株)製、商品名「メチルシリケート51」、Siの平均個数が4)8957.9gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら、90℃に昇温した後、触媒としてジブチル錫ジラウレート2.0gを加え、反応させた。反応中、分水器を使ってメタノールを留去し、その量が約630gに達した時点で冷却した。昇温後冷却までに要した時間は5時間であった。ついで、13kPaで約10分間、系内に残存するメタノール約80gを減圧除去した。このようにして、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(E1)を得た。なお、仕込み時のエポキシ化合物(A)の水酸基の当量/アルコキシシラン縮合物(B)のアルコキシル基の当量(当量比)=0.10、エポキシ当量は512g/eqである。
製造例2(エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(E2)の製造)
製造例1と同様の反応装置に、グリシドール250.0gおよびテトラメトキシシラン部分縮合物(多摩化学(株)製、商品名「メチルシリケート56」、Siの平均個数が10)2675.4gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら、90℃に昇温した後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5gを加え、反応させた。反応中、分水器を使ってメタノールを留去し、その量が約125gに達した時点で冷却した。昇温後冷却までに要した時間は6.5時間であった。ついで、13kPaで約10分間、系内に残存するメタノール約5gを減圧除去した。このようにして、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(E2)を得た。なお、仕込み時のエポキシ化合物(A)の水酸基の当量/アルコキシシラン縮合物(B)のアルコキシル基の当量(当量比)=0.05、エポキシ当量は830g/eqである。
製造例3(ポリウレタン樹脂(PU1)の製造)
製造例1と同様の反応装置に、ポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルCD220」、分子量2000)1000部とイソホロンジイソシアネート278部を仕込み、窒素気流下に100℃で6時間反応させ、これにメチルエチルケトン548部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン46.4部、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン14.2部 、ジ−n−ブチルアミン6.1部、メチルエチルケトン1249部及びイソプロピルアルコール776部からなる混合物の存在下に、上記ウレタンプレポリマー溶液1000部を添加し、50℃で3時間反応させた。かくして、数平均分子量約15000、樹脂固形分のアミン価が4.0mgKOH/g、固形分25%のポリウレタン溶液(PU1)を得た。
製造例4(ポリウレタン樹脂(PU2)の製造)
製造例1と同様の反応装置に、ポリエステルポリオール((株)クラレ製、商品名「クラレポリオールP2011」、分子量2000)500部、およびクラレポリオールP520、分子量500)とイソホロンジイソシアネート500部を仕込み、窒素気流下に100℃で4時間反応させ、これにメチルエチルケトン643部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン38.4部、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン14.4部 、ジエタノールアミン24.3部、メチルエチルケトン1254部及びイソプロピルアルコール777部からなる混合物の存在下に、上記ウレタンプレポリマー溶液1000部を添加し、50℃で3時間反応させた。かくして、数平均分子量約6000、樹脂固形分のアミン価が2.0mgKOH/g、固形分25%のポリウレタン溶液(PU2)を得た。
実施例1(銀鏡メッキ用プライマー樹脂(PR1)の製造)
製造例3で得られたポリウレタン樹脂(PU1)100部を50℃に加温した後、製造例3で得たエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(E1)3.7部を加え、窒素気流下、60℃で4時間反応させ、銀鏡メッキ用プライマー樹脂(PR1)を得た。なお該樹脂(固形残分)中のSi含有量はシリカ重量換算で6.5%であった。
実施例2(銀鏡メッキ用プライマー樹脂(PR2)の製造)
製造例4で得られたポリウレタン樹脂(PU2)100部を50℃に加温した後、製造例3で得たエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(E1)0.8部を加え、窒素気流下、60℃で4時間反応させ、銀鏡メッキ用プライマー樹脂(PR2)を得た。なお該樹脂(固形残分)中のSi含有量はシリカ重量換算で1.5%であった。
実施例3(銀鏡メッキ用プライマー樹脂(PR3)の製造)
製造例4で得られたポリウレタン樹脂(PU2)100部を50℃に加温した後、製造例2で得たエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(E2)3.7部を加え、窒素気流下、60℃で4時間反応させ、銀鏡メッキ用プライマー樹脂(PR3)を得た。なお該樹脂(固形残分)中のSi含有量はシリカ重量換算で6.5%であった。
実施例4〜6、7〜9(プライマー組成物の調製)
実施例1〜3で得られた銀鏡メッキ用プライマー樹脂をそのまま用いた(実施例4〜6)。さらに、実施例1〜3で得られた銀鏡メッキ用プライマー樹脂にイソシアネート硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHX」)(実施例7〜9)、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、商品名「オルガノシリカゾルMEK−ST」、製品中SiO含有率;30重量%)を、表1に示す割合で混合し、プライマー組成物を調製した。
比較例1
ポリウレタン樹脂(PU1)をそのまま用いた。
比較例2(特許文献2記載の2液型ポリウレタン系樹脂プライマーに相当)
ポリウレタン樹脂(PU1)/イソシアネート硬化剤を表1に示す割合で混合し、比較用プライマー組成物を調製した。
比較例3(特許文献2記載の2液型ポリウレタン系樹脂プライマーに相当)
ポリウレタン樹脂(PU2)/イソシアネート硬化剤を表1に示す割合で混合し、比較用プライマー組成物を調製した。
比較例4(特許文献3記載のプライマーに相当)
ポリウレタン樹脂(PU1)に前記オルガノシリカゾルMEK−ST及びγ−グリシドキシドプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製、商品名「KBM403」)を表1に示す割合で混合し、比較用プライマー組成物を調製した。
Figure 2007023087
(プライマー塗工試験片の調製)
実施例4〜9および比較例1〜4に記載した各プライマーおよび希釈溶剤(トルエン/酢酸ブチル/メトキシプロピルアセテート=10/20/70(%))を1:1の重量割合で混合し、該混合物をそれぞれイソプロパノール洗浄乾燥したABS試験片に、乾燥後膜厚が20μmになるようスプレー塗布した後、80℃で、60分乾燥させることにより、各プライマー塗工試験片を調製した。
(銀鏡メッキ層形成)
ついで、上記プライマー塗工試験片の表面に0.2%塩化第一スズ水溶液を塗布した後、水洗した。水洗後の試験片にアンモニア性硝酸銀水溶液((株)アドバンス製、商品名「SX−A」および還元剤水溶液((株)アドバンス製、商品名「SX-B」および「SX-C」の1:1混合液)を同時にスプレー塗布することによって、銀メッキ層を形成させ、残留分を水洗除去することにより、銀メッキ処理試験片(メッキ膜厚み0.05μm)を得た。
(トップクリアー塗膜形成)
上記の銀メッキ処理試験片に、アクリルポリオール(大日本インキ化学工業(株)製、商品名「アクリディックA−802」、不揮発分50%、水酸基価80KOHmg/g)、コロネートHX(該アクリルポリオールの水酸基1当量に対して、コロネートHXのNCO基が1当量となる割合)、レベリング剤(信越シリコーン(株)製、商品名「KP−321」 プライマー組成物に対し0.1%)および前記プライマー塗布工程で用いたと同様の希釈溶剤を混合してなるトップクリアー塗料を、乾燥後膜厚が20μmとなるようにスプレー塗布し、80℃60分乾燥硬化させることによりトップクリアー層を形成させた。
(評価方法)
1)密着性
トップクリアー塗膜形成後の試験片に対し、JIS K5400に準拠して、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行い、下記の基準に基づいて判定した。
○:剥離、カット部の欠けや剥離は全くなし。 ×:カット部の欠けや剥離が認められる。
2)銀鏡面の状態
銀面を目視で観察し、下記基準に基づいて判定した。
○:銀面が均一に形成されている。 ×:銀面が不均一、または割れ・着色がある。
3)耐水性
試験片を40℃の温水に5日間浸漬後、取出し、表面に付着した水を拭った後、25℃で1時間放置した。その後JIS K5400に準拠して、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行い、下記の基準に基づいて判定した。
○:剥離、カット部の欠けや剥離は全くなし。 ×:カット部の欠けや剥離が認められる。
Figure 2007023087

Claims (9)

  1. 高分子ポリオールとジイソシアネートと鎖伸長剤から得られ、かつエポキシ基と反応性を持つ官能基を有するポリウレタン樹脂(1)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなることを特徴とする銀鏡メッキ用プライマー樹脂。
  2. 高分子ポリオールがポリエステルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールである請求項1記載の銀鏡メッキ用プライマー樹脂。
  3. アルコキシシラン部分縮合物(B)がテトラメトキシシラン部分縮合物である請求項1又は2に記載の銀鏡メッキ用プライマー樹脂。
  4. 前記エポキシ化合物(A)がグリシドールである請求項1〜3のいずれかに記載の銀鏡メッキ用プライマー樹脂。
  5. 前記ポリウレタン樹脂(1)が、イソシアネート基末端のウレタンプレポリマーをジアミンで鎖伸長して得られるものである請求項1〜4のいずれかに記載の銀鏡メッキ用プライマー樹脂。
  6. エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)のオキシラン環の当量/ポリウレタン樹脂(1)のエポキシ基反応性官能基の当量(当量比)が0.30〜5の範囲である請求項1〜5のいずれかに記載の銀鏡メッキ用プライマー樹脂。
  7. 請求項1〜6に記載の銀鏡メッキ用プライマー樹脂を含有することを特徴とする銀鏡メッキ用プライマー組成物。
  8. 更にイソシアネート系硬化剤を含有する請求項7記載の銀鏡メッキ用プライマー組成物。
  9. 更にコロイダルシリカを含有する請求項7または8記載の銀鏡メッキ用プライマー組成物。
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