JPH11315145A - 硬化性樹脂組成物、塗料、複層塗膜形成方法及び塗装物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、塗料、複層塗膜形成方法及び塗装物

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JPH11315145A
JPH11315145A JP3687299A JP3687299A JPH11315145A JP H11315145 A JPH11315145 A JP H11315145A JP 3687299 A JP3687299 A JP 3687299A JP 3687299 A JP3687299 A JP 3687299A JP H11315145 A JPH11315145 A JP H11315145A
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JP
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michael
pendant
meth
acrylate
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Pending
Application number
JP3687299A
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English (en)
Inventor
Takashi Irie
貴史 入江
Hiroshi Aoki
啓 青木
Manabu Yoshioka
学 吉岡
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 スーパーハイソリッド化が可能で、硬化不良
がない硬化性樹脂組成物を提供し、それを用いた塗料、
複層塗膜形成方法及び塗装物をも提供する。 【解決手段】 マイケル受容体(a)及びマイケル供与
体(b)からなるか、又は、前記(a)、前記(b)及
びオニウム塩類ペンダント基含有重合体(c)からなる
硬化性樹脂組成物であって、前記(c)は、アクリル系
重合体(c−i)にオニウム塩類(c−ii)をペンダン
トしてなるもの等であり、前記(a)及び前記(b)か
らなる場合には、前記(a)及び前記(b)のうち少な
くとも1つは、前記(c−ii)をペンダントしてなるも
のであり、前記(c−ii)は、第4級アンモニウム塩、
第4級ホスホニウム塩、第3級スルホニウム塩及び第3
級アミンからなる群より選択される少なくとも1種の化
合物である硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性塗料とりわ
け自動車用上塗り塗料として好適な硬化性樹脂組成物、
それを用いた塗料、複層塗膜形成方法及び塗装物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】適切な触媒の存在下においてα,β−不
飽和カルボニル基のような分極した二重結合へ活性メチ
レン基が付加するマイケル付加反応は、反応副生成物を
発生せず、新たに形成された結合が化学的に安定な結合
であるため、塗料等の硬化性樹脂組成物の架橋反応に応
用されている。
【0003】一般にマイケル付加反応においては、活性
水素部位からカルボアニオンを生成させるために、触媒
として強塩基が使用される。マイケル付加反応を塗料等
の硬化性樹脂の架橋反応に応用した従来の技術において
も、強塩基を触媒として使用しているものが多い。
【0004】このような強塩基触媒としては、アルカリ
金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキサイド、第4
級アンモニウムヒドロオキサイド、第4級アンモニウム
ヒドロカーボネート、第3級アミン、グアニジン、アミ
ジン、第3級ホスフィン等が使用されている。
【0005】特開平7−173262号公報(米国特許
第5565525号明細書)及び特開平8−28362
7号公報(欧州特許第0737726号明細書)には、
常温では実質上触媒活性がなく、焼付温度においてはじ
めてマイケル付加反応を促進する触媒活性を発現する触
媒系を使用した一液性熱硬化性樹脂組成物及び塗料が開
示されている。
【0006】この触媒系は、それ自体マイケル付加反応
を促進する触媒活性を有しないオニウム塩類と、エポキ
シ化合物又は5員環カーボネート化合物とを含むもので
ある。エポキシ化合物又は5員環カーボネートは、共有
結合により、マイケル付加反応の供与体(ドナー)又は
受容体(アクセプター)へ結合することもできる。
【0007】しかしながら、例えば、自動車ボディの塗
装において、この触媒系を使用したクリヤー塗料を、着
色顔料を含むベース塗料の上にウェットオンウェットで
塗装した後、両者を同時に焼付硬化させる場合、触媒系
として含まれる第4級アンモニウム塩がベース塗料中へ
拡散し、クリヤー塗料の触媒として機能しないため、ク
リヤー塗料による塗膜が充分に硬化せず、更に、ベース
塗料に移行した第4級アンモニウム塩がベース塗料によ
る塗膜の硬化を阻害するという問題があった。
【0008】そこでこのような場合であっても、クリヤ
ー塗料中に配合される触媒として用いられる化合物が、
塗装時にベース塗料中に拡散するおそれがないものであ
れば、マイケル付加反応を利用した塗料として、更に品
質の高い塗料を得ることができる現状であった。
【0009】更に、近年は、自動車用塗料として、溶剤
の揮発分が少ない塗料が環境汚染の観点から要求されて
おり、自動車中塗り用ベース塗料は水性化される傾向に
あり、自動車上塗り用クリヤー塗料は高固形分化(ハイ
ソリッド化)される傾向にある。特に、自動車上塗り用
クリヤー塗料は、現在では、固形分重量%が45〜60
%のものが通常用いられているが、より一層ハイソリッ
ド化されたスーパーハイソリッドともいうべき超高固形
分化自動車上塗り用クリヤー塗料の出現が望まれてい
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の現状
に鑑み、耐擦傷性、耐酸性等の基本特性を有しつつ、ス
ーパーハイソリッド化が可能であり、マイケル付加反応
促進触媒のベース塗料への拡散による硬化不良がない硬
化性樹脂組成物を提供し、それを用いた塗料、複層塗膜
形成方法及び塗装物をも提供することを目的とするもの
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、マイケル受容
体(a)及びマイケル供与体(b)からなるか、又は、
上記マイケル受容体(a)、上記マイケル供与体(b)
及びオニウム塩類ペンダント基含有重合体(c)からな
る硬化性樹脂組成物であって、上記マイケル受容体
(a)は、α,β−不飽和カルボニル基含有化合物及び
/又はα,β−不飽和カルボニル基含有重合体からな
り、上記マイケル供与体(b)は、活性メチレン基若し
くは活性メチン基含有化合物及び/又は活性メチレン基
若しくは活性メチン基含有重合体からなり、上記オニウ
ム塩類ペンダント基含有重合体(c)は、アクリル系重
合体(c−i)にオニウム塩類(c−ii)をペンダント
してなるもの、又は、活性メチレン基若しくは活性メチ
ン基含有重合体にオニウム塩類(c−ii)をマイケル付
加反応によりペンダントしてなるものであり、上記マイ
ケル受容体(a)及び上記マイケル供与体(b)からな
る場合には、上記マイケル受容体(a)及び上記マイケ
ル供与体(b)のうち少なくとも1つは、上記オニウム
塩類(c−ii)をペンダントしてなるものであり、上記
オニウム塩類(c−ii)は、第4級アンモニウム塩、第
4級ホスホニウム塩、第3級スルホニウム塩及び第3級
アミンからなる群より選択される少なくとも1種の化合
物である硬化性樹脂組成物である。
【0012】本発明はまた、上記硬化性樹脂組成物をビ
ヒクルとして含む塗料でもある。
【0013】本発明はまた、基材上に下塗り塗膜層を形
成し、着色顔料及び/又は光輝性顔料を含むベース塗料
を塗装した上に、上塗り用クリヤー塗料をウェットオン
ウェットで塗装した後、加熱硬化させることよりなる複
層塗膜形成方法であって、上記上塗り用クリヤー塗料
は、上記塗料である複層塗膜形成方法でもある。
【0014】本発明はまた、基材上に下塗り塗膜層を形
成し、着色顔料を含むソリッド塗料を塗装して加熱硬化
した上に、又は、ベース塗料とクリヤー塗料とをウェッ
トオンウェットで塗装して加熱硬化した上に、上塗り用
クリヤー塗料をドライオンウェットで塗装した後、加熱
硬化させることよりなる複層塗膜形成方法であって、上
記上塗り用クリヤー塗料は、上記塗料である複層塗膜形
成方法でもある。
【0015】本発明は更に、複層塗膜により塗装された
塗装物であって、上記複層塗膜の最外層は、上記塗料に
より形成されたものである塗装物でもある。以下に、本
発明を詳述する。
【0016】本発明は、マイケル受容体(a)及びマイ
ケル供与体(b)からなるか、又は、上記マイケル受容
体(a)、上記マイケル供与体(b)及びオニウム塩類
ペンダント基含有重合体(c)からなる硬化性樹脂組成
物である。本発明に係る硬化性樹脂組成物は、マイケル
付加反応により硬化する硬化性樹脂組成物である。本明
細書において、マイケル受容体とは、上記マイケル付加
反応が起こる際に、共有結合を形成する電子対となる電
子を受け取る側を意味し、マイケル供与体とは、上記マ
イケル付加反応が起こる際に、共有結合を形成する電子
対となる電子を与える側を意味する。
【0017】上記マイケル受容体(a)は、α,β−不
飽和カルボニル基含有化合物及び/又はα,β−不飽和
カルボニル基含有重合体からなる。上記α,β−不飽和
カルボニル基含有化合物とは、α,β−不飽和炭素とカ
ルボニル基とからなるα,β−不飽和カルボニル基を分
子内に単数若しくは複数含有する化合物を意味し、上記
α,β−不飽和カルボニル基含有重合体とは、α,β−
不飽和炭素とカルボニル基とからなるα,β−不飽和カ
ルボニル基を単数若しくは複数含有する重合体を意味す
る。
【0018】上記α,β−不飽和カルボニル基含有化合
物としては特に限定されず、例えば、一価アルコールの
(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコールの(メ
タ)アクリル酸エステル等を挙げることができる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、ア
クリル酸又はメタクリル酸を表す。
【0019】上記マイケル受容体(a)として、上記
α,β−不飽和カルボニル基含有化合物を用いる場合
は、塗料を低粘度化することができることから、塗料の
固形分重量%を上げることができ、ハイソリッド化する
のに好ましい。
【0020】上記一価アルコールの(メタ)アクリル酸
エステルを用いる場合は、架橋密度を低くし、塗膜に柔
軟性を与え、上記多価アルコールの(メタ)アクリル酸
エステルを用いる場合は、架橋密度を高くし、塗膜の硬
度を上げることができる。
【0021】上記多価アルコールの(メタ)アクリル酸
エステルとしては特に限定されず、例えば、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペ
リタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペ
リタエリスリトール(ペンタ)ヘキサ(メタ)アクリレ
ート、水添ビスフェノールAジアクリレート、水添ジシ
クロペンタジエチルジアクリレート、ピバリン酸ネオペ
ンチルグリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペン
タジエン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ンのエチレンオキサイド(EO)付加物のトリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオ
キサイド(PO)付加物のトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物のヘキ
サ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、
アクリレート又はメタクリレートを表す。
【0022】上記α,β−不飽和カルボニル基含有重合
体としては特に限定されず、例えば、ポリエステルアク
リレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、脂肪酸含有ポ
リエステル、油脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタ
ンアクリレート樹脂、α,β−不飽和カルボニル基含有
アクリル樹脂、ポリエーテルアクリレート樹脂、(メ
タ)アクリロイル基含有シリコーンオリゴマー等を挙げ
ることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0023】上記ポリエステルアクリレート樹脂、上記
不飽和ポリエステル樹脂及び上記脂肪酸含有ポリエステ
ルとしては特に限定されず、例えば、通常の方法によ
り、多塩基酸と多価アルコールと、必要により、ラクト
ン類、半乾性油、不乾性油等とから重縮合反応により得
られるものを挙げることができる。
【0024】上記多塩基酸としては特に限定されず、例
えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸等の芳香族多塩基酸;テトラヒドロ無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラブロム無水フタ
ル酸、テトラクロル無水フタル酸等の脂環族多塩基酸;
コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水ハイミック
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメ
リット酸等の脂肪族多塩基酸等を挙げることができる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0025】これらのうち、上記不飽和ポリエステル樹
脂を得る場合には、上記多塩基酸としてマレイン酸、無
水マレイン酸、フマル酸のようなα,β−不飽和ジカル
ボン酸と、必要によりその他の多塩基酸とを用いる。上
記不飽和ポリエステル樹脂は、FRP等の成形用樹脂と
して大量に使用されている。
【0026】上記多価アルコールとしては特に限定され
ず、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノー
ルA、ビスフェノールヒドロキシプロピルエーテル、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトール等を挙げることができ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
【0027】上記ラクトン類としては特に限定されず、
例えば、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等を
挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0028】上記半乾性油としては特に限定されず、例
えば、大豆油、サフラワー油、トール油等を挙げること
ができる。上記不乾性油としては特に限定されず、例え
ば、ヤシ油、ヒマシ油等を挙げることができる。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】上記ポリエステルアクリレート樹脂、上記
不飽和ポリエステル樹脂及び上記脂肪酸含有ポリエステ
ルは、油長40%以下のものが好ましい。より好ましく
は油長30%以下である。上記脂肪酸含有ポリエステル
は、顔料を分散する場合に用いる分散用樹脂として適し
ている。
【0030】上記油脂としては特に限定されず、例え
ば、上述した半乾性油、不乾性油及びそれらの脂肪酸等
を挙げることができる。
【0031】上記エポキシアクリレート樹脂としては特
に限定されず、例えば、ビスフェノール型、ノボラック
型等のエポキシ樹脂のエポキシ環と(メタ)アクリル酸
との開環付加反応により得られるもの等を挙げることが
できる。
【0032】上記ウレタンアクリレート樹脂としては特
に限定されず、例えば、多価アルコールとモノ塩基酸及
び/又は多塩基酸とを縮合し、この縮合物の分子鎖末端
の水酸基に(メタ)アクリロイル化イソシアネートプレ
ポリマーを付加して得られるものとして、具体的には、
下記式で表されるもの等を挙げることができる。なお、
本明細書において、(メタ)アクリロイルとは、アクリ
ロイル又はメタクリロイルを表す。
【0033】 (EGn+1 ・PAnn )−(IPDI・HEA)n+1
【0034】上記式中、EGはエチレングリコールを表
し、PAnは、フタル酸を表し、IPDIは、イソホロ
ンジイソシアネートを表し、HEAは、2−ヒドロキシ
エチルアクリレートを表し、nは、モル数を表す。即
ち、上記式で表されるものは、エチレングリコール(n
+1)モルとフタル酸nモルとの縮合物に、イソホロン
ジイソシアネートとヒドロキシエチルアクリレートとの
反応生成物を付加して得られるものである。
【0035】 (PGn+1 ・PAnn )−(IPDI・HEA)n+1
【0036】上記式中、PGは、プロピレングリコール
を表す。
【0037】上記多価アルコールとしては特に限定され
ず、例えば、上述したもの等を挙げることができる。上
記モノ塩基酸としては特に限定されず、例えば、酢酸、
安息香酸等を挙げることができる。上記多塩基酸として
は特に限定されず、例えば、上述したもの等を挙げるこ
とができる。
【0038】上記(メタ)アクリロイル化イソシアネー
トプレポリマーとしては特に限定されず、例えば、ジイ
ソシアネート化合物、イソシアネートプレポリマー等を
通常の方法により(メタ)アクリロイル化したもの等を
挙げることができる。
【0039】上記ジイソシアネート化合物としては特に
限定されず、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート
(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシ
リレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジ
イソシアネート(H−XDI)等の脂肪族ジイソシアネ
ート類;トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート(MDI)等の芳香族ジイ
ソシアネート類等を挙げることができる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0040】上記イソシアネートプレポリマーとしては
特に限定されず、例えば、上記ジイソシアネート化合物
のビウレット体、イソシアヌレート体、トリメチロール
プロパン、ジ(メタ)アクリレート等のアダクト体等を
挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0041】上記ウレタンアクリレート樹脂としては、
他に、水酸基含有化合物(Xモル)とジイソシアネート
化合物(X+1モル)とからなる末端ジイソシアネート
プレポリマーに、水酸基含有アクリル系単量体及び/又
は水酸基含有アクリル系重合体を付加して得られるもの
も挙げることができる。
【0042】上記水酸基含有化合物としては特に限定さ
れず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレー
ト、カージュラE10(商品名、シェル石油化学社製)
と(メタ)アクリル酸との付加体、プラクセルFM−1
(商品名、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
とポリカプロラクトンとの付加物、ダイセル化学工業社
製)、ペントールのトリアクリレート、ジペンタエリス
リトールのペンタアクリレート等の水酸基含有アクリル
系単量体;上述した多価アルコール;PCD300、P
CD540、PCT300(いずれも商品名、ダイセル
化学社製)等のカプロラクトンポリオール等を挙げるこ
とができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0043】上記水酸基含有アクリル系重合体としては
特に限定されず、例えば、上記水酸基含有アクリル系単
量体と、その他のアクリル系単量体や必要によりアクリ
ル系単量体以外のエチレン性不飽和基含有単量体とを通
常の重合方法により重合したもの等を挙げることができ
る。
【0044】上記アクリル系単量体としては特に限定さ
れず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メ
タ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレ
ート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アク
リレート系単量体;アクリルアミド、メチレンビスアク
リルアミド等のアミド基含有単量体;アクリロニトリル
等のニトリル基含有単量体等を挙げることができる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0045】上記アクリル系単量体以外のエチレン性不
飽和基含有単量体としては特に限定されず、例えば、ス
チレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;
イタコン酸、マレイン酸等の酸類;酢酸ビニル等のビニ
ルエステル類等を挙げることができる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0046】上記ウレタンアクリレート樹脂としては、
他に、イソシアネートプレポリマーに、水酸基含有アク
リル系単量体及び/又は水酸基含有アクリル系重合体を
直接に付加して得られるものも挙げることができる。
【0047】上記ウレタンアクリレート樹脂を用いるこ
とにより、硬化塗膜に柔軟性を付与することができる。
【0048】上記α,β−不飽和カルボニル基含有アク
リル樹脂としては特に限定されず、例えば、エポキシ環
の(メタ)アクリル酸による開環付加反応;水酸基の
(メタ)アクリル酸によるアシル化反応等を利用して合
成されるもの等を挙げることができ、具体的には、例え
ば、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有
アクリル系単量体と、それ以外のアクリル系単量体及び
/又はアクリル系単量体以外のエチレン性不飽和基含有
単量体との共重合によって得られるエポキシ基含有アク
リル樹脂に、(メタ)アクリル酸を反応することにより
得られるアクリル化(メタ)アクリレート樹脂;水酸基
含有アクリル樹脂に、イソシアネートプレポリマーの水
酸基含有アクリル系単量体及び/若しくは水酸基含有ア
クリル系重合体とのアダクト体、又は、メタクリロイル
イソシアナート(MAI)、メタクリロイルオキシエチ
ルイソシアナート(MOA)等を付加して得られるアク
リル化ウレタン(メタ)アクリレート樹脂等を挙げるこ
とができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0049】上記アクリル系単量体としては特に限定さ
れず、例えば、上述したアクリル系単量体や水酸基含有
アクリル系単量体と同様のもの等を挙げることができ
る。上記アクリル系単量体以外のエチレン性不飽和基含
有単量体としては特に限定されず、例えば、上述したも
のと同様のもの等を挙げることができる。
【0050】上記α,β−不飽和カルボニル基含有アク
リル樹脂としては、他に、カルボキシル基含有アクリル
樹脂に、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ
基含有アクリル系単量体を反応することによって得られ
るもの等も挙げることができる。
【0051】上記カルボキシル基含有アクリル樹脂とし
ては特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有単量体と、アク
リル系単量体と、必要により、水酸基含有アクリル系単
量体及び/又はアクリル系単量体以外のエチレン性不飽
和基含有単量体とを共重合することにより得られるもの
等を挙げることができる。
【0052】上記アクリル系単量体、水酸基含有アクリ
ル系単量体及びアクリル系単量体以外のエチレン性不飽
和基含有単量体としては特に限定されず、例えば、上述
したものと同様のもの等を挙げることができる。
【0053】上記α,β−不飽和カルボニル基含有アク
リル樹脂としては、他に、水酸基含有アクリル樹脂に、
アクリル酸、メタクリル酸若しくはそれらの反応性誘導
体(アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド
等)によるアシル化反応により得られるもの、及び、水
酸基含有アクリル樹脂に、アクリル酸若しくはメタクリ
ル酸等の低級アルキルエステルとのエステル交換反応に
より、α,β−不飽和カルボニル基を導入することによ
って得られるもの等も挙げることができる。
【0054】上記水酸基含有アクリル樹脂としては特に
限定されず、例えば、上述したものと同様のもの等を挙
げることができる。上記アクリル酸又はメタクリル酸等
の低級アルキルエステルとしては特に限定されず、例え
ば、メチルエステル等を挙げることができる。
【0055】上記ポリエーテルアクリレート樹脂として
は特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0056】上記(メタ)アクリロイル基含有シリコー
ンオリゴマーとしては特に限定されず、例えば、両末端
に3−メタクリロイルオキシプロピル基を有するポリジ
オルガノシロキサン等を挙げることができる。
【0057】また、上記マイケル受容体(a)として
は、他に、(メタ)アクリロイル基含有フッ素系オリゴ
マー、(メタ)アクリロイル基含有フッ素系単量体等を
挙げることができる。
【0058】上述したマイケル受容体(a)は、上述し
たものを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。上記マイケル受容体(a)の数平均分子量(Mn)
は、100〜100000であることが好ましい。より
好ましくは100〜10000である。上記マイケル受
容体(a)として、数平均分子量(Mn)が100〜6
00のものが含まれることが、得られる塗料のハイソリ
ッド化を更に進めることができることから好ましい。特
に、単量体が含まれることにより、得られる塗料のスー
パーハイソリッド化が可能となる。
【0059】上記マイケル受容体(a)の二重結合当量
は85〜10000であることが好ましい。より好まし
くは100〜1000である。なお、本明細書におい
て、当量とは、官能基1個あたりの分子量を意味し、固
形分換算の値である。
【0060】本発明に用いるマイケル供与体(b)は、
活性メチレン基若しくは活性メチン基含有化合物及び/
又は活性メチレン基若しくは活性メチン基含有重合体か
らなる。上記活性メチレン基若しくは活性メチン基含有
化合物とは、活性メチレン基若しくは活性メチン基を分
子内に単数若しくは複数含有する化合物を意味し、活性
メチレン基含有化合物と活性メチン基含有化合物とがあ
る。上記活性メチレン基若しくは活性メチン基含有重合
体とは、活性メチレン基若しくは活性メチン基を分子内
に単数若しくは複数含有する重合体を意味し、活性メチ
レン基含有重合体と活性メチン基含有重合体とがある。
【0061】上記活性メチレン基含有化合物としては特
に限定されず、例えば、アセト酢酸、マロン酸、シアノ
酢酸、それらの誘導体やハーフエステル等の活性メチレ
ン基含有カルボン酸化合物;アセト酢酸エステル、マロ
ン酸エステル、シアノ酢酸エステル、それらの誘導体等
の活性メチレン基含有カルボン酸エステル等を挙げるこ
とができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。これらの中でも、上記活性メチレン基
含有カルボン酸化合物は、熱分解しやすく、マイケル付
加反応における触媒毒となるおそれがあることから、熱
分解しにくく、触媒毒となりにくい活性メチレン基含有
カルボン酸エステルが好ましい。マイケル付加反応にお
ける立体障害が少ないことから、より好ましくは、マロ
ン酸エステル及びその誘導体である。
【0062】上記活性メチレン基含有化合物及び上記活
性メチレン基含有重合体の中でも、活性メチレン基を分
子内に複数含有する化合物及び重合体としては特に限定
されず、例えば、多価アルコール又はポリオールと活性
メチレン基含有カルボン酸エステルとのエステル交換反
応生成物、多価アルコール又はポリオールと活性メチレ
ン基含有カルボン酸化合物とのエステル化反応生成物、
ポリアミン化合物とジケテンとの反応生成物、活性メチ
レン基含有アクリル樹脂、イソシアネート化合物と活性
メチレン基含有化合物との付加反応生成物等を挙げるこ
とができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0063】上記多価アルコール又はポリオールと活性
メチレン基含有カルボン酸エステルとのエステル交換反
応生成物は、通常の方法により、多価アルコール又はポ
リオールと、活性メチレン基含有カルボン酸エステルと
をエステル交換反応することにより合成されるものであ
り、活性メチレン基含有カルボン酸エステルに由来する
構造をもつものである。上記多価アルコール又はポリオ
ールと活性メチレン基含有カルボン酸化合物とのエステ
ル化反応生成物は、通常の方法により、多価アルコール
又はポリオールと、活性メチレン基含有カルボン酸化合
物とをエステル化反応することにより合成されるもので
あり、活性メチレン基含有カルボン酸化合物に由来する
構造をもつものである。
【0064】上記多価アルコールとしては特に限定され
ず、例えば、上述したものと同様のもの等を挙げること
ができる。上記ポリオールとしては特に限定されず、例
えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、
ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール、ポリウ
レタンポリオール、シリコーンポリオール等を挙げるこ
とができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0065】上記活性メチレン基含有カルボン酸エステ
ル、及び、上記活性メチレン基含有カルボン酸化合物と
しては特に限定されず、例えば、上述したものと同様の
もの等を挙げることができる。これらは単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。なお、上記多価アル
コール又は上記ポリオールとマロン酸エステル等との重
縮合により、活性メチレン基を複数有するポリエステル
樹脂を得ることができる。上記活性メチレン基を分子内
に複数含有する化合物及び重合体としては、熱分解しに
くく、マイケル付加反応における立体障害が少なく、触
媒毒となりにくいことから、上記エステル交換反応生成
物、及び、上記活性メチレン基を複数有するポリエステ
ル樹脂が好ましい。より好ましくは、上記多価アルコー
ル又は上記ポリオールとマロン酸エステルとの重縮合に
より得られるオリゴマー又はポリエステル樹脂(ポリエ
ステルポリオール)である。
【0066】上記ポリアミン化合物とジケテンとの反応
生成物は、通常の方法により、ポリアミン化合物とジケ
テンとを反応することにより得られるものである。上記
ポリアミン化合物としては特に限定されず、例えば、エ
チレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−
ジアミノブタン、1,6−ヘキサンジアミン、1,12
−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサ
ン、フェニレンジアミン、ピペラジン、1,2−ジアミ
ノトルエン、ジエチルトルエンジアミン、N,N′−ビ
ス(2−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N′
−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジア
ミン等を挙げることができる。これらは単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。
【0067】上記活性メチレン基含有アクリル樹脂とし
ては、例えば、活性メチレン基含有アクリル系単量体
を、アクリル系単量体や、必要により、水酸基含有アク
リル系単量体及び/又はアクリル系単量体以外のエチレ
ン性不飽和基含有単量体と共重合することにより得られ
るもの等を挙げることができる。
【0068】上記活性メチレン基含有アクリル系単量体
としては特に限定されず、例えば、2−アセトアセトキ
シエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸
単量体;2−(エトキシマロニルオキシ)エチルメタク
リレート等のアルコキシマロニルオキシエチル(メタ)
アクリレート;2−シアノアセトキシエチルエステル、
N−(2−シアノアセトキシエチル)アクリルアミド、
N−(2−プロピオニルアセトキシブチル)アクリルア
ミド、N−4−(アセトアセトキシメチル)ベンジルア
クリルアミド、N−(2−アセトアセトアミドエチル)
アクリルアミド、N−(2−アセトアセトアミドエチ
ル)メタクリルアミド等を挙げることができる。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。こ
れらの中でも、マイケル付加反応における立体障害が少
ないことから、アルコキシマロニルオキシエチル(メ
タ)アクリレートが好ましい。
【0069】上記アクリル系単量体、水酸基含有アクリ
ル系単量体及び上記アクリル系単量体以外のエチレン性
不飽和基含有単量体としては特に限定されず、例えば、
上述したものと同様のもの等を挙げることができる。
【0070】上記イソシアネート化合物と活性メチレン
基含有化合物との付加反応生成物は、通常の方法によ
り、イソシアネート化合物と活性メチレン基含有化合物
との付加反応により得られるものである。
【0071】上記イソシアネート化合物としては特に限
定されず、例えば、上述したジイソシアネート化合物、
イソシアネートプレポリマー、ポリオール末端をジイソ
シアネートで変性したポリイソシアネート等を挙げるこ
とができる。上記活性メチレン基含有化合物としては特
に限定されず、例えば、上述したもの等を挙げることが
できる。
【0072】上記イソシアネート化合物と上記活性メチ
レン基含有化合物との付加反応では、一方を多官能性化
合物として、もう一方を単官能性化合物とする。例え
ば、上記イソシアネート化合物として、ポリオール末端
をジイソシアネートで変性したポリイソシアネートを用
いる場合には、上記活性メチレン基含有化合物として、
マロン酸エステル等の化合物を用いて反応させる。
【0073】逆に、上記イソシアネート化合物として、
単官能性イソシアネート化合物を用いる場合には、上記
活性メチレン基含有化合物として、多官能性活性メチレ
ン基含有化合物又は多官能性活性メチレン基含有重合体
を用いて反応させる。
【0074】上記活性メチン基を分子内に複数含有する
化合物及び重合体としては特に限定されず、例えば、欧
州特許第310011号明細書に開示されているよう
な、メタントリカルボン酸トリアルキルエステルと、多
価アルコール又はポリオールとをエステル交換反応する
ことにより得られるものや、イソシアネート化合物と活
性メチレン基含有化合物との付加反応生成物等を挙げる
ことができる。
【0075】上記マイケル供与体(b)としては、活性
メチレン基及び活性メチン基が共存したものを用いるこ
ともできる。上記活性メチレン基及び活性メチン基が共
存したものとしては特に限定されず、例えば、上記活性
メチレン基含有化合物及び/若しくは上記活性メチレン
基含有重合体と上記活性メチン基含有化合物及び/若し
くは上記活性メチン基含有重合体とを併用したものでも
よいし、又は、活性メチレン基と活性メチン基とを有す
る化合物及び/若しくは重合体でもよい。これらの具体
例としては、活性メチレン基及び活性メチン基含有アク
リル樹脂、マロン酸エステルを原料とするポリエステル
ポリオール等を挙げることができる。
【0076】上記活性メチレン基及び活性メチン基含有
アクリル樹脂としては特に限定されず、例えば、活性メ
チレン基含有アクリル系単量体、活性メチン基含有アク
リル系単量体及びアクリル系単量体と、必要により、水
酸基含有アクリル系単量体及び/又はアクリル系単量体
以外のエチレン性不飽和基含有単量体とを共重合するこ
とにより得られるもの等を挙げることができる。
【0077】上記活性メチレン基含有アクリル系単量
体、アクリル系単量体、水酸基含有アクリル系単量体及
びアクリル系単量体以外のエチレン性不飽和基含有単量
体としては特に限定されず、例えば、上述したものと同
様のもの等を挙げることができる。
【0078】上述したマイケル供与体(b)は、上述し
たものを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。上記マイケル供与体(b)の数平均分子量(Mn)
は、100〜100000であることが好ましい。より
好ましくは100〜10000である。上記マイケル供
与体(b)が、数平均分子量(Mn)が100〜500
のものが含まれると、得られる塗料のハイソリッド化を
更に進行させることができることから好ましい。特に、
単量体が含まれることにより、得られる塗料のスーパー
ハイソリッド化が可能となる。上記マイケル供与体
(b)の活性水素当量は、50〜10000であること
が好ましい。より好ましくは80〜5000である。
【0079】本発明で用いるオニウム塩類ペンダント基
含有重合体(c)としては特に限定されず、例えば、ア
クリル系重合体(c−i)にオニウム塩類(c−ii)を
ペンダントしてなるもの、活性メチレン基又は活性メチ
ン基含有重合体にオニウム塩類(c−ii)をマイケル付
加反応によりペンダントしてなるもの等を挙げることが
できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。本明細書において、オニウム塩類(c−i
i)をペンダントしてなるものとは、重合体の主鎖及び
/又は側鎖に結合した状態で、オニウム塩類(c−ii)
を単数又は複数有するものを意味する。
【0080】上記アクリル系重合体(c−i)としては
特に限定されず、例えば、アクリル系単量体と、必要に
より、水酸基含有アクリル系単量体及び/又はアクリル
系単量体以外のエチレン性不飽和基含有単量体とを共重
合することにより得られるもの等を挙げることができ
る。上記アクリル系単量体、水酸基含有アクリル系単量
体及び上記アクリル系単量体以外のエチレン性不飽和基
含有単量体としては特に限定されず、例えば、上述した
もの等を挙げることができる。
【0081】上記活性メチレン基又は活性メチン基含有
重合体にオニウム塩類(c−ii)をマイケル付加反応に
よりペンダントしてなるものを得る際に用いる上記活性
メチレン基又は活性メチン基含有重合体としては特に限
定されず、例えば、上述したものと同様のもの等を挙げ
ることができ、具体的には、マロン酸ポリエステル等を
挙げることができる。上記マロン酸ポリエステルは、上
述したように重縮合反応によりポリエステルを得る際
に、マロン酸を原料の一部として用いることにより得る
ことができる。この場合、上記活性メチレン基又は活性
メチン基含有重合体にオニウム塩類(c−ii)をマイケ
ル付加反応によりペンダントしてなるものは、ポリエス
テル系縮合体となる。
【0082】本発明の硬化性樹脂組成物の第一の形態
は、上記マイケル受容体(a)及び上記マイケル供与体
(b)からなる場合である。この場合には、上記マイケ
ル受容体(a)及び上記マイケル供与体(b)のうち少
なくとも1つは、上記オニウム塩類(c−ii)をペンダ
ントしてなるものである。
【0083】即ち、本発明の硬化性樹脂組成物が上記マ
イケル受容体(a)及び上記マイケル供与体(b)から
なる場合には、上記オニウム塩類ペンダント基含有重合
体(c)を含まないので、上記マイケル受容体(a)及
び/又は上記マイケル供与体(b)が上記オニウム塩類
(c−ii)をペンダントしてなるものであることによ
り、マイケル付加反応触媒として機能する上記オニウム
塩類(c−ii)をペンダントしてなるものがベース塗膜
に移行しにくくして、本発明の目的を達成しようとする
ものである。
【0084】上記第一の形態においては、 (1)上記マイ
ケル受容体(a)が上記オニウム塩類(c−ii)をペン
ダントしてなるものであり、上記マイケル供与体(b)
が上記オニウム塩類(c−ii)をペンダントしてなるも
のではない場合、 (2)上記マイケル受容体(a)が上記
オニウム塩類(c−ii)をペンダントしてなるものでな
く、上記マイケル供与体(b)が上記オニウム塩類(c
−ii)をペンダントしてなるものである場合、 (3)上記
マイケル受容体(a)及び上記マイケル供与体(b)が
ともに上記オニウム塩類(c−ii)をペンダントしてな
るものである場合等を挙げることができる。
【0085】また、これらの場合には、上記マイケル受
容体(a)及び/又は上記マイケル供与体(b)の一部
が上記オニウム塩類(c−ii)をペンダントしていれば
よく、上記マイケル受容体(a)及び/又は上記マイケ
ル供与体(b)の全部が上記オニウム塩類(c−ii)を
ペンダントしている必要はない。
【0086】なお、上記オニウム塩類(c−ii)をペン
ダントしてなる上記マイケル受容体(a)は、上記α,
β−不飽和カルボニル基含有重合体であり、上記オニウ
ム塩類(c−ii)をペンダントしてなる上記マイケル供
与体(b)は、上記活性メチレン基又は活性メチン基含
有重合体である。
【0087】従って、上記オニウム塩類(c−ii)をペ
ンダントしてなる上記マイケル受容体(a)は、オニウ
ム塩類ペンダント基及びα,β−不飽和カルボニル基含
有重合体であり、上記オニウム塩類(c−ii)をペンダ
ントしてなる上記マイケル供与体(b)は、オニウム塩
類ペンダント基及び活性メチレン基若しくは活性メチン
基含有重合体である。
【0088】また、これらの場合には、下記するように
オニウム塩類ペンダント基含有重合体(c)を含有させ
る必要がなくなるので、製造工程が簡素化する点で好ま
しい。
【0089】上記本発明の第一の形態においては、ペン
ダントした上記オニウム塩類(c−ii)の触媒作用によ
り、上記マイケル供与体(b)が活性水素部位からカル
ボアニオンを生成しやすくなり、マイケル付加反応が促
進される点から、上記マイケル供与体(b)は、上記オ
ニウム塩類(c−ii)をペンダントしてなるものである
ことが好ましい。
【0090】本発明の硬化性樹脂組成物の第二の形態
は、上記マイケル受容体(a)、上記マイケル供与体
(b)及び上記オニウム塩類ペンダント基含有重合体
(c)からなる場合である。この場合には、上記オニウ
ム塩類ペンダント基含有重合体(c)は、上記アクリル
系重合体(c−i)に上記オニウム塩類(c−ii)をペ
ンダントしてなるもの、活性メチレン基又は活性メチン
基含有重合体にオニウム塩類(c−ii)をマイケル付加
反応によりペンダントしてなるもの等である。
【0091】そして、この場合には、上記マイケル受容
体(a)及び上記マイケル供与体(b)は、上記オニウ
ム塩類(c−ii)をペンダントしてなるものであっても
よく、上記オニウム塩類(c−ii)をペンダントしてな
るものでなくてもよい。
【0092】即ち、本発明の硬化性樹脂組成物が上記マ
イケル受容体(a)、上記マイケル供与体(b)及び上
記オニウム塩類ペンダント基含有重合体(c)からなる
場合には、上記オニウム塩類ペンダント基含有重合体
(c)を含み、上記マイケル受容体(a)及び/又は上
記マイケル供与体(b)が上記オニウム塩類(c−ii)
をペンダントしてなるものであるか、又は、上記オニウ
ム塩類(c−ii)をペンダントしてなるものではないこ
とにより、マイケル付加反応触媒として機能する上記オ
ニウム塩類(c−ii)をペンダントしてなるものがベー
ス塗膜に移行しにくくして、本発明の目的を達成しよう
とするものである。
【0093】即ち、上記オニウム塩類ペンダント基含有
重合体(c)を含有する上記第二の形態においては、
(1)上記マイケル受容体(a)が上記オニウム塩類(c
−ii)をペンダントしてなるものであり、上記マイケル
供与体(b)が上記オニウム塩類(c−ii)をペンダン
トしてなるものではない場合、 (2)上記マイケル受容体
(a)が上記オニウム塩類(c−ii)をペンダントして
なるものではなく、上記マイケル供与体(b)が上記オ
ニウム塩類(c−ii)をペンダントしてなるものである
場合、 (3)上記マイケル受容体(a)及び上記マイケル
供与体(b)がともに上記オニウム塩類(c−ii)をペ
ンダントしてなるものである場合、 (4)上記マイケル受
容体(a)及び上記マイケル供与体(b)がともに上記
オニウム塩類(c−ii)をペンダントしてなるものでは
ない場合等を挙げることができる。
【0094】また、これらの場合における上記マイケル
受容体(a)及び/又は上記マイケル供与体(b)が上
記オニウム塩類(c−ii)をペンダントしてなるもので
あるときには、上記マイケル受容体(a)及び/又は上
記マイケル供与体(b)の一部が上記オニウム塩類(c
−ii)をペンダントしていればよく、上記マイケル受容
体(a)及び/又は上記マイケル供与体(b)の全部が
上記オニウム塩類(c−ii)をペンダントしている必要
はない。
【0095】本発明の硬化性樹脂組成物を構成する上記
第一の形態及び上記第二の形態のいずれの形態において
も、上記硬化性樹脂組成物に含有される成分のいずれか
は、上記オニウム塩類(c−ii)をペンダントしてなる
重合体である。
【0096】上記オニウム塩類(c−ii)は、第4級ア
ンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、第3級スルホニ
ウム塩及び第3級アミンからなる群より選択される少な
くとも1種の化合物であり、例えば、共重合可能なエチ
レン性不飽和基を有するオニウム塩類である。本明細書
において、オニウム塩類とは、第4級アンモニウム塩、
第4級ホスホニウム塩、第3級スルホニウム塩、第3級
アミン等の化合物を意味する。
【0097】上記共重合可能なエチレン性不飽和基を有
するオニウム塩類としては特に限定されず、例えば、第
3級アミノアルキル(メタ)アクリレート等の第3級ア
ミン単量体;第4級化アミノアルキル(メタ)アクリレ
ート、第4級化アミノアルキル(メタ)アクリルアミ
ド、第4級アンモニウム(メタ)アクリレート等の第4
級アミン単量体;第4級ホスフィノアルキル(メタ)ア
クリレート、第4級ホスホニウム(メタ)アクリレート
等の単量体等を挙げることができる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0098】上記共重合可能なエチレン性不飽和基を有
するオニウム塩類としては、例えば、2−(メタクリロ
イルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルア
ンモニウムブロマイド、メタクリロイルアミノプロピル
トリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルア
ミノプロピルトリメチルアンモニウムブロマイド、テト
ラブチルアンモニウム(メタ)アクリレート、テトラメ
チルアンモニウム(メタ)アクリレート、トリメチルベ
ンジルアンモニウム(メタ)アクリレート、メタクリロ
イルオキシエチルトリメチルアンモニウムジメチルホス
フェート、トリオクチル(4−ビニルベンジル)ホスホ
ニウムクロライド、トリ−n−ブチル(2−メタクリロ
イルオキシエチル)ホスホニウムクロライド、ジメチル
アミノエチルメタクリレート、2−アシッドホスホキシ
エチルメタクリレートジテトラブチルアンモニウム塩、
トリ−n−ブチルメタクリロイルオキシエチルホスホニ
ウムクロライド、トリ−n−オクチル−4−ビニルベン
ジルホスホニウムクロライド等を挙げることができる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0099】上記オニウム塩類(c−ii)をペンダント
してなる上記アクリル系重合体(c−i)としては特に
限定されず、例えば、第4級アンモニウム塩ペンダント
基含有アクリル樹脂等を挙げることができる。上記活性
メチレン基又は活性メチン基含有重合体にオニウム塩類
(c−ii)をマイケル付加反応によりペンダントしてな
るものとしては特に限定されず、例えば、第4級アンモ
ニウム塩ペンダント基含有ポリエステル系縮合体等を挙
げることができる。
【0100】上記アクリル系重合体(c−i)に上記オ
ニウム塩類(c−ii)をペンダントする方法としては特
に限定されず、例えば、通常の重合方法により、単量体
を重合する際に、上記オニウム塩類(c−ii)を重合す
ることにより、重合体の主鎖及び/又は側鎖にオニウム
塩類ペンダント基を導入することができる。上記活性メ
チレン基又は活性メチン基含有重合体にオニウム塩類
(c−ii)をマイケル付加反応によりペンダントする方
法としては特に限定されず、例えば、上記活性メチレン
基又は活性メチン基含有重合体の活性メチレン基又は活
性メチン基に、通常のマイケル付加反応により、上記オ
ニウム塩類(c−ii)を付加することにより、重合体の
主鎖及び/又は側鎖にオニウム塩類ペンダント基を導入
することができる。
【0101】上記オニウム塩類をペンダントしてなる上
記α,β−不飽和カルボニル基含有重合体としては特に
限定されず、例えば、上記α,β−不飽和カルボニル基
含有アクリル樹脂に第4級アンモニウム塩をペンダント
してなるα,β−不飽和カルボニル基及び第4級アンモ
ニウム塩ペンダント基含有アクリル樹脂等を挙げること
ができる。
【0102】上記α,β−不飽和カルボニル基及び第4
級アンモニウム塩ペンダント基含有アクリル樹脂は、上
記α,β−不飽和カルボニル基含有アクリル樹脂の調製
において、上記カルボキシル基含有アクリル樹脂に、グ
リシジル(メタ)アクリレート等の上記エポキシ基含有
アクリル系単量体を反応することによる開環付加反応に
よってα,β−不飽和カルボニル基を上記カルボキシル
基含有アクリル樹脂に導入する際に、上記エポキシ基含
有アクリル系単量体の一部としてエポキシ基含有第4級
アンモニウム塩を同時又は順次反応させることにより調
製することができる。
【0103】上記エポキシ基含有第4級アンモニウム塩
としては特に限定されず、例えば、グリシジルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、グリシジルトリメチルアン
モニウムブロマイド等を挙げることができる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0104】上記オニウム塩類をペンダントしてなる上
記マイケル供与体(b)としては特に限定されず、例え
ば、活性メチレン基とカルボキシル基とを有するアクリ
ル樹脂へ、エポキシ基含有第4級アンモニウム塩を反応
することにより調製されるもの等を挙げることができ
が、上記オニウム塩類をペンダントしてなる上記活性メ
チレン基含有アクリル樹脂である活性メチレン基及び第
4級アンモニウム塩ペンダント基含有アクリル樹脂等が
好ましい。
【0105】上記エポキシ基含有第4級アンモニウム塩
としては特に限定されず、例えば、上述したものと同様
のもの等を挙げることができる。
【0106】上記オニウム塩類をペンダントしてなる上
記活性メチレン基含有アクリル樹脂は、上記活性メチレ
ン基含有アクリル樹脂を共重合により調製する際に、上
記共重合可能なエチレン性不飽和基を有するオニウム塩
類を共重合することにより調製することができる。
【0107】この場合、上記共重合可能なエチレン性不
飽和基を有するオニウム塩類としては、第3級アミノア
ルキル(メタ)アクリレート、第4級化アミノアルキル
(メタ)アクリレート、第4級化アミノアルキル(メ
タ)アクリルアミド、第4級アンモニウム(メタ)アク
リレート、第4級ホスフィノアルキル(メタ)アクリレ
ート、第4級ホスホニウム(メタ)アクリレートが好ま
しい。
【0108】上記共重合において、上記第3級アミン単
量体を用いる場合は、第3級アミンペンダント基を有す
る活性メチレン基含有アクリル樹脂を調製し、その後に
ハロゲン化アルキル等の第4級化剤を反応させて第3級
アミノ基を第4級化することもできる。
【0109】上記オニウム塩類をペンダントしてなる上
記マイケル供与体(b)としては、他に、第3級スルホ
ニウムをペンダントしてなる上記活性メチレン基含有ア
クリル樹脂を挙げることができる。
【0110】上記第3級スルホニウムをペンダントして
なる上記活性メチレン基含有アクリル樹脂は、グリシジ
ル基を有する上記活性メチレン基含有アクリル樹脂のグ
リシジル基を、スルフィドと酸との混合物に反応させる
ことにより、第3級スルホニウムペンダント基に変換す
ることにより調製することができる。
【0111】上記オニウム塩類(c−ii)をペンダント
してなる重合体に導入されたオニウム塩類ペンダント基
のうち、それ自体でマイケル付加反応触媒の機能を発揮
するものは、第3級アミンからなる第3級アミンペンダ
ント基であり、カウンターアニオンからなる場合は、ハ
イドロキサイドアニオン、カーボネートアニオン、モノ
カルボキシレートアニオン等のオニウムイオンからなる
オニウムイオンペンダント基である。上記オニウム塩類
(c−ii)をペンダントしてなる重合体がこれらのペン
ダント基を有する場合には、後に詳述する共触媒(c−
iii)を添加することなしに上記硬化性樹脂組成物を硬
化させることができる。
【0112】上記オニウム塩類ペンダント基がカウンタ
ーアニオンからなる場合のうち、ハライドアニオン;フ
ェノール性水酸基を有する一塩基性カルボン酸、多塩基
性カルボン酸、硝酸、スルホン酸、硫酸、酸性硫酸エス
テル、亜硫酸、リン酸、酸性リン酸エステル等のアニオ
ンからなるオニウム塩類ペンダント基は、それ自体でマ
イケル付加反応触媒の機能を実質上発揮しないが、共触
媒(c−iii)を共存させることにより、加熱時にマイ
ケル付加反応触媒の機能を発揮することができる。
【0113】上記共触媒(c−iii)を共存させるとき
には、上記硬化性樹脂組成物が上記マイケル受容体
(a)及び上記マイケル供与体(b)からなる場合に
は、上記共触媒(c−iii)を上記マイケル受容体
(a)及び上記マイケル供与体(b)とは別の成分とし
て単独で共存させるか、並びに/又は、上記マイケル受
容体(a)及び上記マイケル供与体(b)のうち少なく
とも1つは、上記共触媒(c−iii)をペンダントして
なるものとする。
【0114】この場合において上記マイケル受容体
(a)及び/又は上記マイケル供与体(b)が上記共触
媒(c−iii)をペンダントしてなるものであるときに
は、上記マイケル受容体(a)及び/又は上記マイケル
供与体(b)の一部が上記共触媒(c−iii)をペンダ
ントしていればよく、上記マイケル受容体(a)及び/
又は上記マイケル供与体(b)の全部が上記共触媒(c
−iii)をペンダントしている必要はない。
【0115】また、上記硬化性樹脂組成物が上記マイケ
ル受容体(a)、上記マイケル供与体(b)及び上記オ
ニウム塩類ペンダント基含有重合体(c)からなる場合
には、上記共触媒(c−iii)を、上記マイケル受容体
(a)、上記マイケル供与体(b)及び上記オニウム塩
類ペンダント基含有重合体(c)とは別の成分として単
独で共存させるか、並びに/又は、上記マイケル受容体
(a)、上記マイケル供与体(b)及び上記オニウム塩
類ペンダント基含有重合体(c)のうち少なくとも1つ
は上記共触媒(c−iii)をペンダントしてなるものと
する。
【0116】この場合における上記マイケル受容体
(a)、上記マイケル供与体(b)及び上記オニウム塩
類ペンダント基含有重合体(c)のうち少なくとも1つ
が上記共触媒(c−iii)をペンダントしてなるもので
あるときには、上記マイケル供与体(b)及び上記オニ
ウム塩類ペンダント基含有重合体(c)のうち少なくと
も1つのうちの一部が上記共触媒(c−iii)をペンダ
ントしていればよく、上記マイケル供与体(b)及び上
記オニウム塩類ペンダント基含有重合体(c)のうち少
なくとも1つのうちの全部が上記共触媒(c−iii)を
ペンダントしている必要はない。
【0117】なお、上記共触媒(c−iii)をペンダン
トしてなる上記マイケル受容体(a)は、上記α,β−
不飽和カルボニル基含有重合体であり、上記共触媒(c
−iii)をペンダントしてなる上記マイケル供与体
(b)は、上記活性メチレン基又は活性メチン基含有重
合体であるのが好ましい。
【0118】上記共触媒(c−iii)は、エポキシ系化
合物及び5員環カーボネート系化合物のうち少なくとも
1つであるのが好ましい。
【0119】上記共触媒(c−iii)を単独で共存させ
る場合、エポキシ系化合物として、例えば、フェニルグ
リシジルエーテル、ビスフェノール型エポキシ樹脂、エ
ピクロルヒドリンと多価アルコールとの反応生成物等の
グリシジルエーテル類;安息香酸グリシジル、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート重合体等のグリシジルエステル類;4−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)メトキシカルボニル−1,2
−エポキシシクロヘキサン、3,4−エポキシシクロヘ
キサンメタノールの(メタ)アクリレート、3,4−エ
ポキシシクロヘキサンメタノールの(メタ)アクリレー
ト重合体等の脂環式エポキシ化合物及び脂環式エポキシ
重合体類;エポキシヘキサデカン等のα−オレフィンエ
ポキシド類;ジグリシジルフタレート、ジグリシジルヘ
キサヒドロフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタ
レート等のジグリシジルフタレート類;水添ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル等のジグリシジルエーテル
類等が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0120】上記エポキシ化合物は、数平均分子量(M
n)が142〜100000、特に400〜10000
であることが好ましく、エポキシ当量が142〜100
000、特に200〜5000であることが好ましい。
【0121】上記エポキシ化合物を、上記マイケル受容
体(a)、上記マイケル供与体(b)又は上記オニウム
塩類ペンダント基含有重合体(c)にペンダントする方
法としては特に限定されず、例えば、上記マイケル受容
体(a)としてエポキシ樹脂又はエポキシアクリレート
樹脂を調製する際に、含有するエポキシ基の化学量論値
より少ない(メタ)アクリル酸を反応させてエポキシ基
の一部を残すことによる方法;上記マイケル供与体
(b)又は上記オニウム塩類ペンダント基含有重合体
(c)を調製する際に、単量体としてグリシジル(メ
タ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アク
リレート、3,4−エポキシシクロヘキサンメタノール
の(メタ)アクリレート等を共重合させる方法等があ
る。
【0122】上記エポキシ化合物をペンダントしてな
る、上記マイケル受容体(a)、上記マイケル供与体
(b)又は上記オニウム塩類ペンダント基含有重合体
(c)としては特に限定されず、例えば、α,β−不飽
和カルボニル基含有及びエポキシ基含有アクリル樹脂、
活性メチレン基及びエポキシ基含有アクリル樹脂等を挙
げることができる。
【0123】上記5員環カーボネート系化合物としては
特に限定されず、例えば、2−オキソジオキソラン(エ
チレンカーボネートともいう。)、その誘導体等を挙げ
ることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0124】上記2−オキソジオキソラン及びその誘導
体は、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコ
ール、1,2−ブチレングリコール等の2個の水酸基が
隣接する炭素原子に結合している1,2−アルキレング
リコールに、例えば、ホスゲンを反応させて環化するこ
とにより調製することができる。
【0125】また、グリセリンにホスゲンを反応させて
環化することにより、2−オキソ−4−ヒドロキシメチ
ルジオキソラン(グリセリンカーボネートともいう)を
調製することができる。これらの5員環カーボネート系
化合物は、上記共触媒(c−iii)として単独で共存さ
せることができる。
【0126】上記グリセリンカーボネートに、分子内に
残っている水酸基を利用して重合性不飽和基を導入する
ことにより、5員環カーボネート系単量体とすることが
できる。この方法としては特に限定されず、例えば、ア
リルアルコール、1−プロペニルアルコール等の重合性
アルコールとのエーテル化反応による方法;アクリル酸
又はメタクリル酸の反応性誘導体であるハライド等との
エステル化反応による方法;メタクリロイルイソシアネ
ートとの付加反応による方法等を挙げることができる。
【0127】上記5員環カーボネート系単量体は、他の
適当な単量体との重合体として、上記共触媒(c−ii
i)として単独で共存させることができ、上記マイケル
受容体(a)、上記マイケル供与体(b)又は上記オニ
ウム塩類ペンダント基含有重合体(c)に共重合により
ペンダントすることができる。
【0128】即ち、アクリル系重合体からなる上記マイ
ケル受容体(a)若しくは上記マイケル供与体(b)、
又は、上記オニウム塩類ペンダント基含有重合体(c)
を調製する際に、上記5員環カーボネート系単量体を共
重合して、上記マイケル受容体(a)、上記マイケル供
与体(b)又は上記オニウム塩類ペンダント基含有重合
体(c)に上記5員環カーボネート系単量体からなるペ
ンダント基を導入することができる。
【0129】例えば、活性メチレン基含有アクリル系単
量体を、アクリル系単量体や、必要により、水酸基含有
アクリル系単量体及び/又はアクリル系単量体以外のエ
チレン性不飽和基含有単量体と共重合する際に、上記5
員環カーボネート系単量体を共重合することにより、上
記5員環カーボネート系化合物をペンダントしてなる上
記マイケル供与体(b)を調製することができる。
【0130】原料を入手しやすいことから、上記5員環
カーボネート系化合物を単独で共存させる場合には、グ
リセリンカーボネートを用いるのが好ましく、他の単量
体と共重合させる場合には、グリセリンカーボネートの
アクリレート又はグリセリンカーボネートのメタクリレ
ートを用いるのが好ましい。
【0131】上記エポキシ系化合物及び上記5員環カー
ボネート系化合物としては、上記グリシジルエーテル類
若しくは上記グリシジルエステル類であるグリシジル化
合物、上記脂環式エポキシ化合物、α−オレフィンエポ
キシド、1,2−アルキレンカーボネート又はグリセリ
ンカーボネートを用いるのが好ましい。
【0132】本発明の硬化性樹脂組成物には、充分な硬
化性を発揮させるために、上記マイケル受容体(a)の
α,β−不飽和カルボニル基及び上記マイケル供与体
(b)の活性メチレン基若しくは活性メチン基を含有さ
せる量比は、α,β−不飽和カルボニル基と活性メチレ
ン基又は活性メチン基とが、2:1〜1:2の当量比と
なるように上記マイケル受容体(a)と上記マイケル供
与体(b)との量を調節することが好ましい。より好ま
しい当量比は、1.5:1〜1:1.5である。
【0133】また、上記硬化性樹脂組成物は、充分な硬
化性を発揮させるために、及び、塗膜性能に悪影響を与
えないために、上記マイケル受容体(a)のα,β−不
飽和カルボニル基及び上記マイケル供与体(b)の活性
メチレン基若しくは活性メチン基の合計当量に対して、
上記オニウム塩類(c−ii)からなるペンダント基が
0.1〜10.0当量%となるように上記オニウム塩類
(c−ii)をペンダントすることが好ましい。より好ま
しくは、0.2〜5.0当量%である。
【0134】また、上記共触媒(c−iii)を必要とす
る場合には、上記硬化性樹脂組成物は、充分な硬化性を
発揮させるために、及び、塗膜性能に悪影響を与えない
ために、上記マイケル受容体(a)のα,β−不飽和カ
ルボニル基及び上記マイケル供与体(b)の活性メチレ
ン基若しくは活性メチン基の合計当量に対して、上記共
触媒(c−iii)が0.5〜100当量%となるように
上記共触媒(c−iii)を共存させて含ませること、及
び/又は、上記共触媒(c−iii)をペンダントさせる
ことが好ましい。より好ましくは、5.0〜40当量%
である。
【0135】本発明の硬化性樹脂組成物は、塗料のビヒ
クルとして用いることができる。このような塗料もま
た、本発明の一つである。上記塗料は、通常の製造方法
に従って、顔料を配合してもよい。上記顔料としては特
に限定されず、例えば、酸化鉄、酸化鉛、カーボンブラ
ック、コールダスト、二酸化チタン、タルク、硫酸化バ
リウム、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、クロ
ムイエロー、金属顔料(例えば、アルミニウムフレーク
等)、有機顔料(例えば、フタロシアニンブルー、シン
カシヤレッド等)、パールマイカ等を挙げることができ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
【0136】上記塗料の固形分含有量は、20〜90重
量%であり、上記マイケル受容体(a)、上記マイケル
供与体(b)又は上記共触媒(c−iii)として、単量
体や化合物等の低分子量物を用いることにより、固形分
含有量を80〜90重量%として、上記塗料をスーパー
ハイソリッド化することができる。
【0137】また、上記塗料の塗布時における固形分含
有量は、10〜80重量%がよく、好ましくは20〜8
0重量%であり、より好ましくは30〜70重量%であ
り、更好ましくは40〜60重量%である。
【0138】上記塗料の調製法としては特に限定され
ず、上述した各配合物を攪拌機等により攪拌することに
より行うことができ、上記顔料を含む場合は、ニーダ
ー、ロール等を用いて混練することにより行うこともで
きる。
【0139】上記塗料は、基板上に、スプレー塗装、刷
毛塗り塗装、浸漬塗装、静電塗装、ロール塗装、流れ塗
装等により塗装することができる。
【0140】上記塗料は、硬化温度が100〜200
℃、好ましくは120〜150℃でマイケル付加反応に
よる架橋反応により硬化塗膜となる。硬化時間は、硬化
温度等により変化するが、120〜150℃で10〜3
0分が適当である。
【0141】本発明の硬化性樹脂組成物をビヒクルとし
た塗料は、上塗り用クリヤー塗料として用いることがで
きる。上記上塗り用クリヤー塗料は、通常、顔料を含ま
ないものであるが、塗膜の透明感を損なわない程度に、
上記顔料を含めてもよい。
【0142】上記上塗り用クリヤー塗料を自動車外板に
用いた場合、自動車外板に要求される耐擦傷性、及び、
近年問題となっている酸性雨に対する耐酸性が、従来の
メラミン樹脂硬化剤を用いるアクリル系上塗り用クリヤ
ー塗料に比べて明らかに優れている。
【0143】また、従来の自動車上塗り用クリヤー塗料
は、固形分重量%が45〜60%のものが用いられてい
たが、上記上塗り用クリヤー塗料は、固形分重量%を7
0〜95%、好ましくは80〜90%とするスーパーハ
イソリッド化が可能であり、溶剤の揮発分を少なくする
ことができる。
【0144】本発明の上塗り用クリヤー塗料は、基材上
に下塗り塗膜層を形成し、着色顔料及び/又は光輝性顔
料を含むベース塗料を塗装した上に、上塗り用クリヤー
塗料をウェットオンウェットで塗装した後、加熱硬化さ
せることよりなる複層塗膜形成方法に適用することがで
きる。
【0145】上記基材としては特に限定されず、例え
ば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛等、これらの合
金及び鋳造物等の金属;ガラス;プラスチック;発泡体
等を挙げることができる。上記上塗り用クリヤー塗料
は、特にプラスチック及び金属に有利に用いることがで
きるが、カチオン電着塗装可能な金属製品に特に好適に
用いることができる。上記金属は、予めリン酸塩、クロ
ム酸塩等で化成処理されたものが特に好ましい。上記基
材を有する塗装物としては特に限定されず、例えば、乗
用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体及び
これらの部品等を挙げることができる。
【0146】上記下塗り塗膜層としては特に限定され
ず、例えば、電着塗膜により形成してもよく、電着塗膜
及び中塗り塗膜により形成してもよい。
【0147】上記電着塗膜の形成は、カチオン型又はア
ニオン型の電着塗料を電着塗装することにより行うこと
ができるが、カチオン型電着塗料が防食性に優れた塗膜
を与える。上記カチオン型電着塗料は、塩基性アミノ基
含有樹脂をベース樹脂とし、酸で中和することにより水
溶化する陰極析出型の熱硬化性電着塗料であり、基材を
陰極にして塗装される。
【0148】上記塩基性アミノ基含有樹脂としては特に
限定されず、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂の
エポキシ基に第2級アミンの付加した樹脂が好ましい。
上記第2級アミンとしては特に限定されず、例えば、ジ
エチレントリアミン等のケチミン化によって第1級アミ
ンを封鎖したもの等を挙げることができる。
【0149】上記カチオン型電着塗料に用いられる架橋
剤としては特に限定されず、例えば、アルコール類、フ
ェノール類、オキシム類、ラクタム類等のブロック剤に
よって封止されたブロックポリイソシアネートが好まし
い。
【0150】上記カチオン型電着塗料には、着色顔料、
体質顔料、防錆顔料等の顔料、親水性及び/又は疎水性
の溶剤、添加剤等を必要に応じて配合することができ
る。上記顔料の配合量は、樹脂固形分100重量部に対
し、5〜150重量部とすることができる。
【0151】上記電着塗膜は、通常、上記電着塗料を電
着塗装した後、焼付け乾燥後の膜厚が10〜40μmと
なるように形成することが好ましく、より好ましくは1
5〜25μmである。また、電着塗装の前には、通常の
化成処理を行うことがより好ましい。
【0152】上記中塗り塗膜は、中塗り塗料を上記電着
塗膜上に塗装することにより形成され、下地欠陥を隠蔽
し、上塗り塗装後の表面平滑性の確保と耐チッピング性
とを付与するためのもので、有機系、無機系の各種着色
顔料及び体質顔料を含むものである。
【0153】上記中塗り塗料に配合される着色顔料とし
ては特に限定されず、例えば、アゾキレート系顔料、不
溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔
料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、
ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリ
ノン系顔料、金属錯体顔料等の有機系顔料;黄塩、黄色
酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等
の無機系顔料;炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレ
ー、タルク等の体質顔料等を挙げることができる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
標準的には、カーボンブラックと二酸化チタンとを主要
顔料としたグレー系中塗り塗料が多用されるが、上塗り
塗膜の隠蔽性に応じて、各種の着色顔料を組み合わせ
た、いわゆるカラー中塗り塗料を用いることもできる。
【0154】上記中塗り塗料に配合される熱硬化性樹脂
としては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂等の塗膜形成性樹脂が挙げられ、これらは、アミノ
樹脂及び/又はブロックイソシアネート樹脂等の硬化剤
と組み合わせて用いられる。これらの中でも、顔料分散
性又は作業性の観点から、アルキド樹脂及び/又はポリ
エステル樹脂とアミノ樹脂との組合わせが好ましい。
【0155】上記中塗り塗料中の固形分含有量は、30
〜70重量%であり、好ましくは35〜55重量%であ
る。また、塗布時には、10〜60重量%であり、好ま
しくは20〜50重量%である。
【0156】上記中塗り塗料の塗装方法は、加熱硬化さ
せた又は未硬化の電着塗膜上に、静電塗装、エアースプ
レー、エアレススプレー等の方法で塗装することが好ま
しく、上記中塗り塗料を塗布した後、中塗り塗膜自体
は、約100〜180℃の温度で加熱硬化させることが
できる。形成される中塗り塗膜の乾燥膜厚は、一般に1
0〜60μm程度が好ましく、より好ましくは20〜5
0μm程度である。乾燥膜厚が10μm未満であると、
下地が隠蔽できず、60μmを超えると、塗装時にワ
キ、タレ等の不具合が起こることもある。
【0157】上記着色顔料及び/又は光輝性顔料を含む
ベース塗料は、上記下塗り塗膜層(電着塗膜層、又は、
必要により中塗り塗膜層)を形成した後、上記下塗り塗
膜層が硬化又は未硬化の状態で塗装される。上塗り塗色
の彩度により、先ず、カラーベース塗料を塗装して、上
塗り塗膜の第1層を形成することが好ましい。この場
合、上塗り塗膜の第2層を光輝性顔料含有ベース塗料に
より形成して意匠性に優れた複層塗膜を形成することが
できる。
【0158】上記ベース塗料に配合される着色顔料とし
ては特に限定されず、例えば、上記中塗り塗料に配合さ
れる着色顔料と同様のものが挙げられる。
【0159】上記ベース塗料に配合される熱硬化性樹脂
としては特に限定されず、例えば、上記中塗り塗料に配
合される熱硬化性樹脂と同様のものが挙げられる。これ
らの中でも、顔料分散性、作業性、耐候性の観点から、
アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂とアミノ樹脂
との組合わせが好ましい。
【0160】上記ベース塗料中の固形分含有量は、15
〜60重量%であり、好ましくは20〜55重量%であ
る。また、塗布時には、10〜50重量%であり、好ま
しくは20〜45重量%である。
【0161】上記中塗り塗料及び上記ベース塗料の形態
は、共に溶液型のものが好ましい。溶液型であれば、有
機溶剤型、水性(水溶性、水分散性、エマルジョン)
型、非水分散型のいずれでもよい。また、必要により、
硬化触媒、表面調製剤等を配合することができる。
【0162】上記ベース塗料の形態が水性型であれば、
バインダーとして、米国特許第5151125号明細書
及び米国特許第5183504号明細書等に具体的に開
示されている熱硬化性樹脂を用いることができる。特
に、米国特許第5183504号明細書に記載のアクリ
ルアミド基、水酸基及び酸基を有するアクリル樹脂とメ
ラミン樹脂とを組み合わせた熱硬化性樹脂は、仕上が
り、外観性能の点で良好である。この場合、良好な仕上
がりの硬化塗膜を得るために、クリアー塗料を塗装する
前に、予め上記ベース塗膜を60〜100℃で2〜10
分間加熱しておくことが好ましい。
【0163】上記ベース塗料は、電着塗膜上又は中塗り
塗膜上に、静電塗装、エアースプレー等の方法で塗装す
ることが好ましく、上記ベース塗料を塗布した後、ベー
ス塗膜自体は、約100〜180℃の温度で加熱硬化さ
せることができる。形成されるベース塗膜の乾燥膜厚
は、一般に10〜60μm程度が好ましく、より好まし
くは20〜50μm程度である。乾燥膜厚が10μm未
満であると、下地が隠蔽できず、60μmを超えると、
塗装時にワキ、タレ等の不具合が起こることもある。
【0164】上記ベース塗膜が着色顔料及び/又は光輝
性顔料含有ベース塗膜のみにより形成される場合、上記
ベース塗膜を塗装した上に、上塗り用クリヤー塗料をウ
ェットオンウェットで塗装した後、加熱硬化させること
により、2コート1べーク(2C1B)の複層塗膜を形
成することができる。
【0165】また、上記ベース塗膜がカラーベース塗膜
及び上記光輝性顔料含有ベース塗膜により形成される場
合、上記カラーベース塗膜を単独で加熱硬化させたとき
には、その上に上記光輝性顔料含有ベース塗料を塗装
し、更にその上に、上塗り用クリヤー塗料をウェットオ
ンウェットで塗装した後、加熱硬化させることにより、
3コート2べーク(3C2B)の複層塗膜を形成するこ
とができる。また、上記カラーベース塗膜を単独で加熱
硬化させないときには、その上にウェットオンウェット
で上記光輝性顔料含有ベース塗料を塗装し、更にその上
に、上塗り用クリヤー塗料をウェットオンウェットで塗
装した後、加熱硬化させることもできる。すなわち、上
記カラーベース塗膜、上記光輝性顔料含有ベース塗膜及
び上塗り用クリヤー塗膜をウェットオンウェットで組合
わせ、複合塗膜を形成した後に加熱硬化することによ
り、3コート1ベーク(3C1B)の複合塗膜を形成す
ることができ、更に優れた意匠性を示す複合塗膜を形成
することができる。
【0166】上記上塗り用クリヤー塗料により形成され
る塗膜は、表面平滑性の確保とその他塗膜に要求される
性能とを付与するためのものであり、上記上塗り用クリ
ヤー塗料には、本発明の上記塗料を用いる。
【0167】上記上塗り用クリヤー塗料は、未硬化の光
輝性顔料含有ベース塗膜上に、静電塗装、エアースプレ
ー等の方法で塗装することが好ましく、上記上塗り用ク
リヤー塗料を塗布した後、クリヤー塗膜自体は、100
〜200℃の温度で加熱硬化させることにより硬化塗膜
を形成することができる。硬化温度が100℃未満であ
ると、硬化が充分でなく、200℃を超えると、硬化塗
膜が固く脆くなる。好ましくは120〜180℃の温度
で加熱硬化させることにより高い架橋度の硬化塗膜を形
成することができる。
【0168】上記クリヤー塗膜の硬化時間は、硬化温度
により変化するが、120℃〜180℃で10〜30分
が適当である。形成される塗膜の乾燥膜厚は、所望の用
途により変化するが、多くの場合10〜80μmが好ま
しく、より好ましくは15〜60μm程度である。乾燥
膜厚が10μm未満であると、下地が隠蔽できず、60
μmを超えると、塗装時にワキ、タレ等の不具合が起こ
ることもある。
【0169】本発明の塗料は、ベース塗料がソリッド塗
料として用いることもでき、例えば、自動車外板上に下
塗り塗膜層を形成し、着色顔料を含むソリッド塗料を塗
装して加熱硬化した上に、上塗り用クリヤー塗料をドラ
イオンウェットで塗装した後、加熱硬化させることより
なる複層塗膜形成方法に適用することができる(2C2
B)。
【0170】上記ベース塗膜がカラーベース塗膜のみに
より形成される場合、上記カラーベース塗料を塗装して
加熱硬化した上に、上記上塗り用クリヤー塗料をドライ
オンウェットで塗装した後、加熱硬化させることより、
2コート2べーク(2C2B)の塗膜を形成することが
できる。
【0171】上記ベース塗膜が光輝性顔料含有ベース塗
膜及び既存のクリヤー塗膜により形成される場合、上記
ベース塗料と既存のクリヤー塗料とをウェットオンウェ
ットで塗装して加熱硬化した上に、上記上塗り用クリヤ
ー塗料をドライオンウェットで塗装した後、加熱硬化さ
せることより、3コート2べーク(3C2B)の複層塗
膜を形成することができる。上記既存のクリヤー塗料と
しては、従来使用されている上塗り用クリヤー塗料のい
ずれであってもよい。
【0172】いずれにおいても、最外層の塗膜は1コー
ト1ベーク(1C1B)の塗膜を形成することとなる。
【0173】本発明の塗料により上記複層塗膜形成方法
を用いて塗膜を形成させた塗装物は、複層塗膜の最外層
が、本発明の硬化性樹脂組成物をビヒクルとして用いた
上塗り用クリヤー塗料により形成されたものであるの
で、耐候性等の基本性能を有し、特に耐擦傷性及び耐酸
性に優れたものである。このような塗装物もまた、本発
明の一つである。
【0174】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0175】合成例1〜8 活性メチレン基及びエポキ
シ基含有アクリル樹脂(b−1)〜(b−5)及び(b
−7)、エポキシ基含有アクリル樹脂並びに活性メチレ
ン基含有アクリル樹脂(b−6) デカンター、コンデンサー、攪拌棒及び滴下ロートを備
えた4つ口フラスコ内にキシレン360重量部を仕込
み、110℃に昇温して、表1に示した単量体及び開始
剤を混合したものを3時間かけて滴下した後、110℃
で0.5時間熟成した。更に、これを110℃に保ち、
t−ブチルペルオキシオクトエート2重量部及びキシレ
ン40重量部を混合したものを0.5時間かけて滴下し
た後、110℃で1.5時間熟成することにより、表1
に示したGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラ
フィー)による数平均分子量(Mn)、活性水素当量及
びエポキシ当量の活性メチレン基及びエポキシ基含有ア
クリル樹脂(b−1)〜(b−5)及び(b−7)、エ
ポキシ基含有アクリル樹脂又は活性メチレン基含有アク
リル樹脂(b−6)を含む表1に示した不揮発分のワニ
スを得た。なお、活性メチレン基及びエポキシ基含有ア
クリル樹脂(b−7)の合成においては、分子量を下げ
るため、重合温度を120℃とした。
【0176】
【表1】
【0177】なお、表1中、活性水素当量及びエポキシ
当量は、固形分換算の値であり、M−100(商品名)
は、ダイセル化学工業社製3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチルメタクリレートであり、M−GMA(商品
名)は、ダイセル化学工業社製β−メチルグリシジルメ
タクリレートである。
【0178】合成例9〜16 活性メチレン基及び第4
級アンモニウム塩ペンダント基含有アクリル樹脂(c−
1)〜(c−6)及び(c−8)並びに第4級アンモニ
ウム塩ペンダント基含有アクリル樹脂(c−7) デカンター、コンデンサー、攪拌棒及び滴下ロートを備
えた4つ口フラスコ内にブタノール360重量部を仕込
み、110℃に昇温して、表2に示した単量体及び開始
剤を混合したものを3時間かけて滴下した後、110℃
で0.5時間熟成した。更に、これを110℃に保ち、
t−ブチルペルオキシオクトエート2重量部及びブタノ
ール40重量部を混合したものを0.5時間かけて滴下
した後、110℃で1.5時間熟成することにより、表
2に示したGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグ
ラフィー)による数平均分子量(Mn)、活性水素当量
及び第4級塩当量の活性メチレン基及び第4級アンモニ
ウム塩ペンダント基含有アクリル樹脂(c−1)〜(c
−6)及び(c−8)、又は、第4級アンモニウム塩ペ
ンダント基含有アクリル樹脂(c−7)を含む表2に示
した不揮発分のワニスを得た。なお、活性メチレン基及
び第4級アンモニウム塩ペンダント基含有アクリル樹脂
(c−8)の合成においては、分子量を下げるため、重
合温度を120℃とした。
【0179】
【表2】
【0180】なお、表2中、活性水素当量及び第4級塩
当量は、固形分換算の値である。
【0181】合成例17 α,β−不飽和カルボニル基
及びエポキシ基含有アクリル樹脂(a−1) 合成例6で得られたエポキシ基含有アクリル樹脂にα,
β−不飽和カルボニル基を導入するため、合成例6で得
られたエポキシ基含有アクリル樹脂400重量部(樹脂
固形分200重量部)に、メタクリル酸24重量部及び
ハイドロキノン0.1重量部を加えて、120℃で酸価
が1以下になるまで反応させることにより、二重結合当
量790(固形分換算)、エポキシ当量3300(固形
分換算)のα,β−不飽和カルボニル基及びエポキシ基
含有アクリル樹脂(a−1)を含む不揮発分52.8%
のワニスを得た。
【0182】合成例18 不飽和ポリエステル樹脂(a
−2) 1,6−ヘキサンジオール236重量部、フタル酸ジメ
チル78重量部、マレイン酸ジメチル230重量部及び
ジブチルスズオキシド1重量部を反応容器に仕込んで、
120℃に昇温して、エステル交換により留出するメタ
ノールを留去しながら徐々に200℃まで昇温した。そ
の後、メタノールの留去がなくなるまで200℃を保つ
ように加熱し続けた後、冷却して、キシレン250重量
部を加えることにより、GPC(ゲルパーミュエーショ
ンクロマトグラフィー)による数平均分子量(Mn)約
1700、二重結合当量264(固形分換算)の不飽和
ポリエステル樹脂(a−2)を含む不揮発分61.4%
のワニスを得た。
【0183】合成例19 活性メチレン基含有縮合体
(b−8) 1,6−ヘキサンジオール236重量部、マロン酸ジメ
チル264重量部及びジブチルスズオキシド1重量部を
反応容器に仕込んで、120℃に昇温して、エステル交
換により留出するメタノールを留去しながら徐々に20
0℃まで昇温した。その後、メタノールの留去がなくな
るまで200℃を保つように加熱し続けた後、冷却し
て、キシレン250重量部を加えることにより、GPC
(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)による
数平均分子量(Mn)約1800、活性水素当量91
(固形分換算)の活性メチレン基含有縮合体(b−8)
を含む不揮発分58.8%のワニスを得た。
【0184】合成例20 活性メチレン基含有縮合体
(b−9) 1,4−シクロヘキサンジメタノール144.1重量
部、マロン酸ジメチル396.4重量部及びリン酸0.
37重量部を反応容器に仕込んで、窒素を吹き込みなが
ら150℃に昇温した後、メタノールを留去しながら徐
々に180℃まで昇温した。更に、メタノールの留去が
なくなるまで180℃を保つように加熱し続けた後、冷
却した。その後、反応混合物から過剰のマロン酸ジメチ
ルを減圧除去することにより、GPC(ゲルパーミュエ
ーションクロマトグラフィー)による数平均分子量(M
n)約660の活性メチレン基含有縮合体(b−9)を
含む不揮発分97%のワニスを得た。
【0185】合成例21 活性メチレン基含有縮合体
(b−10) 水添ビスフェノールA 240重量部、マロン酸ジメチ
ル396.4重量部及びリン酸0.44重量部を反応容
器に仕込んで、窒素を吹き込みながら150℃に昇温し
た後、メタノールを留去しながら徐々に170℃まで昇
温した。更に、メタノールの留去がなくなるまで170
℃を保つように加熱し続けた後、冷却した。その後、反
応混合物から過剰のマロン酸ジメチルを減圧除去するこ
とにより、GPC(ゲルパーミュエーションクロマトグ
ラフィー)による数平均分子量(Mn)約800の活性
メチレン基含有縮合体(b−10)を含む不揮発分98
%のワニスを得た。
【0186】合成例22 活性メチレン基含有縮合体
(b−11) 1,4−シクロヘキサンジメタノール100.9重量
部、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)86.1重
量部、ネオペンチルグリコール(NPG)52.1重量
部、キシレン12重量部及びリン酸0.24重量部を反
応容器に仕込んで、210℃に昇温した後、窒素気流
下、デカンターで脱水を行いながら2.5時間加熱攪拌
した。その後、酸価が6.0になった時点で反応を終了
し、室温まで冷却した。次に、この反応混合物に、マロ
ン酸ジメチル396.4重量部及びネオペンチルグリコ
ール(NPG)7.9重量部を仕込み、窒素気流下、1
50℃に昇温した後、メタノールを留去しながら徐々に
180℃まで昇温した。更に、メタノールの留去がなく
なるまで180℃を保つように加熱し続けた後、冷却し
た。その後、反応混合物から過剰のマロン酸ジメチルを
減圧除去することにより、GPC(ゲルパーミュエーシ
ョンクロマトグラフィー)による数平均分子量(Mn)
約900の活性メチレン基含有縮合体(b−11)を含
む不揮発分86%のワニスを得た。
【0187】合成例23 活性メチレン基及び第4級ア
ンモニウム塩ペンダント基含有縮合体(c−9) 合成例21で合成した活性メチレン基含有縮合体(b−
10)86.9重量部、メタクリロイルオキシエチルト
リメチルアンモニウムクロライド4.4重量部、水添ビ
スフェノールA 7.1重量部及びn−ブタノール1
6.4重量部を反応容器に仕込んで、窒素を吹き込みな
がら100℃に昇温し、3時間攪拌した。核磁気共鳴分
析法(NMR)により、C=C2重結合の消失を確認し
て反応を終了し、活性メチレン基及び第4級アンモニウ
ム塩ペンダント基含有縮合体(c−9)を含む不揮発分
82%のワニスを得た。
【0188】実施例1〜5 表4に示した、マイケル受容体(a)、マイケル供与体
(b)及びオニウム塩類ペンダント基含有アクリル共重
合体(c)からなる樹脂成分の配合(重量部で示す)
に、チバガイギー社製紫外線吸収剤チヌビンT−384
(商品名)10重量部及びチバガイギー社製光安定化剤
サノールLS−440(商品名)5重量部をディスパー
攪拌しながら配合して、均一に溶解することにより本発
明の上塗り用クリヤー塗料を得た。次いで、得られた上
塗り用クリヤー塗料を、フォードカップNo.4で30
秒/20℃となるように粘度調整した。
【0189】リン酸亜鉛処理した厚さ0.8mmのダル
鋼板にカチオン電着塗料である日本ペイント社製パワー
トップPU−50(商品名)を乾燥膜厚約25μmとな
るように電着塗装し、その上に日本ペイント社製オルガ
P−2シーラー(商品名)を乾燥膜厚約40μmとなる
ようにエアースプレー塗装して、140℃で30分間加
熱硬化させた。この塗装試験板に、表3に示した配合
(重量部で示す)のハイソリッドメタリックベース塗料
を乾燥膜厚約16μmとなるようにエアースプレー塗装
して、溶剤塗料ベースの塗装試験板を約7分間セッティ
ングした。
【0190】
【表3】
【0191】なお、表3中、アルペースト7160N
(商品名、東洋アルミニウム社製)は、アルミフレーク
含有量が65重量%のアルミフレークペーストであり、
アクリル樹脂ワニスは、数平均分子量(Mn)180
0、水酸基化100(固形分換算)及び酸価30(固形
分換算)の不揮発分80%のワニスであり、サイメル2
02(商品名、三井サイテック社製)は、不揮発分80
%のメラミン樹脂であり、サイメル327(商品名、三
井サイテック社製)は、不揮発分90%のメラミン樹脂
である。
【0192】次いで、セッティングした溶剤塗料ベース
の塗装試験板の上に、粘度調整した上塗り用クリヤー塗
料をウェットオンウェットで、乾燥膜厚約40μmとな
るようにエアースプレー塗装して、約7分間セッティン
グした後、120℃で25分間加熱硬化させ、塗装方式
として2コート1ベーク(2C1B)の塗装試験板を作
製した。以下に示す評価方法により得られた塗装試験板
の塗膜を評価した。その結果を表4に記載した。
【0193】評価方法 (1)鉛筆硬度 JIS K5400 8.4.2に準拠して鉛筆硬度を
評価した。 (2)外観 塗膜硬化後、塗膜の表面状態を以下の基準により目視評
価した。 ◎:表面の光沢が均一で良好である。 ○:表面の光沢が僅かに不均一である。 ×:全面的に光沢がないか、全面的に光沢が不均一であ
る。
【0194】
【表4】
【0195】なお、表4中、PETAは、ペンタエリス
リトールトリアクリレートである。
【0196】実施例6〜10 樹脂成分として表6に示した配合(重量部で示す)を用
い、ハイソリッドメタリックベース塗料に換えて、表5
に示した配合(重量部で示す)の水性メタリックベース
塗料を用いて水性塗料ベースとした以外は実施例1〜5
と同様にして、塗装試験板を作製して評価した。その結
果を表6に記載した。
【0197】
【表5】
【0198】なお、表5中、メチルエーテル化メラミン
樹脂は、トリアジン環1個当たりのイミノ基含有量が
0.1の不揮発分100%のものであり、水性アクリル
樹脂ワニスは、エチレングリコールモノブチルエーテル
76重量部、スチレン15重量部、メタクリル酸メチル
63重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル48
重量部、アクリル酸−n−ブチル117重量部、メタク
リル酸27重量部、アクリルアミド30重量部、アゾビ
スイソブチロニトリル3重量部、ジメチルエタノールア
ミン28重量部及び脱イオン水200重量部からなる溶
液により重合して得られる数平均分子量(Mn)120
00、水酸基化70(固形分換算)及び酸価58(固形
分換算)のアクリルアミド含有アクリル樹脂を含む不揮
発分50%のワニスである。
【0199】
【表6】
【0200】実施例11〜15 樹脂成分として表7に示した配合(重量部で示す)を用
いた以外は実施例1〜5と同様にして、塗装試験板を作
製して評価した。その結果を表7に記載した。
【0201】
【表7】
【0202】実施例16〜20 樹脂成分として表8に示した配合(重量部で示す)を用
いた以外は実施例6〜10と同様にして、塗装試験板を
作製して評価した。その結果を表8に記載した。
【0203】
【表8】
【0204】実施例21〜25 樹脂成分として表9に示した配合(重量部で示す)を用
いた以外は実施例1〜5と同様にして、塗装試験板を作
製して評価した。その結果を表9に記載した。
【0205】
【表9】
【0206】なお、表9中、TMPTAは、トリメチロ
ールプロパントリアクリレートであり、DPCA−12
0は、日本化薬社製KAYARAD DPCA−120
(商品名、ジペンタエリスリトール1モルとカプロラク
トン12モルとの開環付加物のヘキサアクリレート)で
あり、UA−306Hは、共栄社油脂化学工業社製UA
−306H(商品名、ヘキサメチレンジイソシアネート
1モルとペンタエリスリトールトリアクリレート2モル
の付加物)である。
【0207】実施例26〜30 樹脂成分として表10に示した配合(重量部で示す)を
用いた以外は実施例6〜10と同様にして、塗装試験板
を作製して評価した。その結果を表10に記載した。
【0208】
【表10】
【0209】実施例31及び32 樹脂成分として表11に示した配合(重量部で示す)を
用いた以外は実施例1〜5と同様にして、塗装試験板を
作製して評価した。その結果を表11に記載した。
【0210】
【表11】
【0211】なお、表11中、A−400は、新中村化
学社製NKエステルA−400(商品名、重合度9のポ
リエチレングリコールのジアクリレート)であり、DT
MPTAは、ジトリメチロールプロパンテトラアセトア
セートである。
【0212】実施例33及び34 樹脂成分として表12に示した配合(重量部で示す)を
用いた以外は実施例6〜10と同様にして、塗装試験板
を作製して評価した。その結果を表12に記載した。
【0213】
【表12】
【0214】実施例35〜41 樹脂成分として表13に示した配合(重量部で示す)を
用いた以外は実施例1〜5と同様にして、塗装試験板を
作製して評価した。その結果を表13に記載した。
【0215】
【表13】
【0216】なお、表13中、X−22−164Bは、
信越化学工業社製X−22−164B(商品名、両末端
3−メタクリロイルオキシプロピル基を有するポリシロ
キサン)であり、MACRYNAL LH437は、ヘ
キスト社製MACRYNALLH437(商品名、多官
能メタントリカルボン酸エステル)である。
【0217】実施例42〜48 樹脂成分として表14に示した配合(重量部で示す)を
用いた以外は実施例6〜10と同様にして、塗装試験板
を作製して評価した。その結果を表14に記載した。
【0218】
【表14】
【0219】実施例49〜51 樹脂成分として表15に示した配合(重量部で示す)を
用いた以外は実施例1〜5と同様にして、塗装試験板を
作製して評価した。その結果を表15に記載した。
【0220】
【表15】
【0221】実施例52〜54 樹脂成分として表16に示した配合(重量部で示す)を
用いた以外は実施例6〜10と同様にして、塗装試験板
を作製して評価した。その結果を表16に記載した。
【0222】
【表16】
【0223】比較例1〜4 樹脂成分として表17に示した配合(重量部で示す)を
用いた以外は実施例1〜5と同様にして、塗装試験板を
作製して評価した。その結果を表17に記載した。
【0224】
【表17】
【0225】なお、表13中、TBAClは、テトラブ
チルアンモニウムクロライドであり、TMBPは、トリ
メチルベンジルアンモニウムジブチルホスフェートであ
り、TBABrは、テトラブチルアンモニウムブロマイ
ドである。
【0226】比較例5〜8 樹脂成分として表18に示した配合(重量部で示す)を
用いた以外は実施例6〜10と同様にして、塗装試験板
を作製して評価した。その結果を表18に記載した。
【0227】
【表18】
【0228】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物は、上述の構
成よりなるので、それを用いた塗料は、耐擦傷性、耐酸
性等の基本特性を有しつつ、スーパーハイソリッド化が
可能であり、マイケル付加反応促進触媒のベース塗料へ
の拡散による硬化不良をなくすことができる。本発明の
複層塗膜形成方法は、優れた外観及び塗膜性能を示す複
合塗膜を形成することができる。本発明の塗装物は、優
れた外観及び塗膜性能を有する。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイケル受容体(a)及びマイケル供与
    体(b)からなるか、又は、前記マイケル受容体
    (a)、前記マイケル供与体(b)及びオニウム塩類ペ
    ンダント基含有重合体(c)からなる硬化性樹脂組成物
    であって、前記マイケル受容体(a)は、α,β−不飽
    和カルボニル基含有化合物及び/又はα,β−不飽和カ
    ルボニル基含有重合体からなり、前記マイケル供与体
    (b)は、活性メチレン基若しくは活性メチン基含有化
    合物及び/又は活性メチレン基若しくは活性メチン基含
    有重合体からなり、前記オニウム塩類ペンダント基含有
    重合体(c)は、アクリル系重合体(c−i)にオニウ
    ム塩類(c−ii)をペンダントしてなるもの、又は、活
    性メチレン基若しくは活性メチン基含有重合体にオニウ
    ム塩類(c−ii)をマイケル付加反応によりペンダント
    してなるものであり、前記マイケル受容体(a)及び前
    記マイケル供与体(b)からなる場合には、前記マイケ
    ル受容体(a)及び前記マイケル供与体(b)のうち少
    なくとも1つは、前記オニウム塩類(c−ii)をペンダ
    ントしてなるものであり、前記オニウム塩類(c−ii)
    は、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、第
    3級スルホニウム塩及び第3級アミンからなる群より選
    択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とす
    る硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 マイケル受容体(a)は、多価アルコー
    ルの(メタ)アクリレートエステル、ポリエステルアク
    リレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、脂肪酸含有ポ
    リエステル、油脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタ
    ンアクリレート樹脂、α,β−不飽和カルボニル基含有
    アクリル樹脂、ポリエーテルアクリレート樹脂及び(メ
    タ)アクリロイル基含有シリコーンオリゴマーからなる
    群より選択される少なくとも1種のものである請求項1
    記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 マイケル供与体(b)は、多価アルコー
    ル若しくはポリオールと活性メチレン基含有カルボン酸
    エステルとのエステル交換反応生成物、多価アルコール
    若しくはポリオールと活性メチレン基含有カルボン酸化
    合物とのエステル化反応生成物、ポリアミン化合物とジ
    ケテンとの反応生成物、活性メチレン基含有アクリル樹
    脂、及び、イソシアネート化合物と活性メチレン基含有
    化合物との付加反応生成物からなる群より選択される少
    なくとも1種のものである請求項1又は2記載の硬化性
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 オニウム塩類(c−ii)をペンダントし
    てなるマイケル供与体(b)は、第3級アミノアルキル
    (メタ)アクリレート、第4級化アミノアルキル(メ
    タ)アクリレート、第4級化アミノアルキル(メタ)ア
    クリルアミド、第4級アンモニウム(メタ)アクリレー
    ト、第4級ホスフィノアルキル(メタ)アクリレート及
    び第4級ホスホニウム(メタ)アクリレートからなる群
    より選択される少なくとも1種の単量体からなるペンダ
    ント基を有する活性メチレン基含有アクリル樹脂である
    請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 マイケル受容体(a)及びマイケル供与
    体(b)からなる場合には、共触媒(c−iii)を単独
    で共存させるか、並びに/又は、前記マイケル受容体
    (a)及び前記マイケル供与体(b)のうち少なくとも
    1つは、前記共触媒(c−iii)をペンダントしてなる
    ものであり、前記マイケル受容体(a)、前記マイケル
    供与体(b)及びオニウム塩類ペンダント基含有重合体
    (c)からなる場合には、前記共触媒(c−iii)を単
    独で共存させるか、並びに/又は、前記マイケル受容体
    (a)、前記マイケル供与体(b)及び前記オニウム塩
    類ペンダント基含有重合体(c)のうち少なくとも1つ
    は、前記共触媒(c−iii)をペンダントしてなるもの
    であり、前記共触媒(c−iii)は、エポキシ系化合物
    及び5員環カーボネート系化合物のうち少なくとも1つ
    である請求項1、2、3又は4記載の硬化性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 エポキシ系化合物及び5員環カーボネー
    ト系化合物は、グリシジル化合物、脂環式エポキシ化合
    物、α−オレフィンエポキシド、1,2−アルキレンカ
    ーボネート又はグリセリンカーボネートである請求項6
    記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    硬化性樹脂組成物をビヒクルとして含むことを特徴とす
    る塗料。
  8. 【請求項8】 被塗物上に下塗り塗膜層を形成し、着色
    顔料及び/又は光輝性顔料を含むベース塗料を塗装した
    上に、上塗り用クリヤー塗料をウェットオンウェットで
    塗装した後、加熱硬化させることよりなる複層塗膜形成
    方法であって、前記上塗り用クリヤー塗料は、請求項7
    記載の塗料であることを特徴とする複層塗膜形成方法。
  9. 【請求項9】 基材上に下塗り塗膜層を形成し、着色顔
    料を含むソリッド塗料を塗装して加熱硬化した上に、又
    は、ベース塗料とクリヤー塗料とをウェットオンウェッ
    トで塗装して加熱硬化した上に、上塗り用クリヤー塗料
    をドライオンウェットで塗装した後、加熱硬化させるこ
    とよりなる複層塗膜形成方法であって、前記上塗り用ク
    リヤー塗料は、請求項7記載の塗料であることを特徴と
    する複層塗膜形成方法。
  10. 【請求項10】 複層塗膜により塗装された塗装物であ
    って、前記複層塗膜の最外層は、請求項7記載の塗料に
    より形成されたものであることを特徴とする塗装物。
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