JPH11310254A - 包装袋 - Google Patents

包装袋

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JPH11310254A
JPH11310254A JP13431198A JP13431198A JPH11310254A JP H11310254 A JPH11310254 A JP H11310254A JP 13431198 A JP13431198 A JP 13431198A JP 13431198 A JP13431198 A JP 13431198A JP H11310254 A JPH11310254 A JP H11310254A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で生産性がよく、かつ、内容物の充填も
容易であり、しかも移し替え時の操作性や確実性、容易
性においても優れた注ぎ口を有する包装袋を提供するこ
とを目的とするものである。 【解決手段】 周縁が熱接着部により封止された包装袋
において、前記熱接着部内に前記包装袋の内部と連通す
る溝状の非熱接着部が設けられ、合成樹脂製の樋形状か
らなる補強部材が該溝状の非熱接着部を注ぎ口としたと
きに内容物を注ぎ出す導路となるような該溝状の非熱接
着部の位置に装着されていることを特徴とする包装袋。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状、顆粒状、粉
状物などの流動性を有する内容物を密封包装し、使用時
に内容物を他の容器等に移し替えて使用する詰め替え用
包装袋に関し、更に詳しくは、内容物を他の容器に移し
替える際に、内容物を外にこぼすことなく、確実かつ容
易に移し替えることができる注ぎ口を有する詰め替え用
包装袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、液状、顆粒状、粉状物などの
流動性を有する内容物を密封包装する詰め替え用包装袋
としては、自立性があり立体容器としての特徴も兼ね備
えたスタンディングパウチが多く用いられている。ま
た、使用時に内容物を外にこぼすことなく他の容器に確
実に、かつ、容易に移し替えることができるように、注
ぎ口となる開口部を包装袋のコーナー部に設けるとか、
包装袋の上部に口径の小さい注ぎ口となる部分を設ける
といった方法が採られている。しかし、いずれの方法も
包装袋の注ぎ口が柔らかい上に、移し替える容器の口部
は狭く構成されており、内容物を誤って外にこぼすとい
ったことがあり、使用者に細心の注意を必要とした。ま
た、包装袋の上部に口径の小さい注ぎ口となる部分を設
ける方法は、注ぎ口が内容物により塞がるといった問題
もあった。
【0003】また、上記問題を解決する方法として、包
装袋の上部にプラスチック成形物等の別体の注出具を取
り付ける方法があるが、これは移し替え時の操作性や確
実性、容易性において優れるものの、注出具のコストが
高い上に注出具の取り付けや内容物の充填が容易ではな
く、注出具を取り付けた包装袋を移し替え用包装袋とし
て用いることは採算の上からも、また、製造の上からも
到底できないものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、安価で生産性がよく、かつ、内容物の充填も容易
であり、しかも移し替え時の操作性や確実性、容易性に
おいても優れた注ぎ口を有する包装袋を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記のよ
うな問題点を解決すべく種々研究を重ねた結果、請求項
1記載の発明の包装袋は、周縁が熱接着部により封止さ
れた包装袋において、前記熱接着部内に前記包装袋の内
部と連通する溝状の非熱接着部が設けられ、合成樹脂製
の樋形状からなる補強部材が該溝状の非熱接着部を注ぎ
口としたときに内容物を注ぎ出す導路となるような該溝
状の非熱接着部の位置に装着されていることを特徴とす
るものである。このように構成することにより、溝状の
非熱接着部に設けられた補強部材の箇所を内容物を注ぎ
出す導路とすることにより、操作性においては的確に容
器の口部にあてがうことができ、内容物を外にこぼすこ
とがなくなる。さらに、注ぎ口が移し替え途中に塞がる
こともなく、内容物を最後まで確実に、かつ、容易に移
し替えることができる。
【0006】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の包装袋において、前記補強部材が前記補強部材を前
記溝状の非熱接着部に装着したときに前記補強部材を2
つ重ね合わせて管状としたときの断面の大きさと前記溝
状の非熱接着部の断面の大きさとが略等しくなるように
構成されていることを特徴とするものである。このよう
に構成することにより、本発明の包装袋の最適な包装袋
とすることができる。すなわち、前記溝状の非熱接着部
の樋形状の補強部材が設けられた部分が内容物を包装袋
から注ぎ出すための導路となり、前記溝状の非熱接着部
の前記樋形状の補強部材が設けられていない部分は空気
が通る空気路となり、内容物を注ぎ出す際の脈動を防止
することができると共に、最も短時間で外にこぼすこと
なく、かつ、内容物を最後まで確実に、容易に移し替え
ることができる。
【0007】また、請求項3記載の発明は、請求項1、
2のいずれか記載の包装袋において、前記補強部材は少
なくとも前記補強部材の内面が断面角部を有する形状に
形成されていることを特徴とするものである。このよう
に構成することにより、特に内容物が液状物の場合にお
いては、樋状からなる補強部材の内側が断面U字形状、
断面半円形状等の角部を有さない形状に比べて、最初に
注ぎ出てくる内容物の方向を安定させることができ、内
容物を最初の注ぎ出しから最後の一滴までこぼすことが
なくなる。
【0008】また、請求項4記載の発明は、請求項1〜
3のいずれか記載の包装袋において、前記補強部材がそ
の外面に設けられた長手方向に対して垂直に突出した薄
壁部を有していることを特徴とするものである。このよ
うに構成することにより、前記薄壁部を包装袋の非熱接
着部を形成する熱接着部に合わせて熱接着することによ
り前記熱接着部と一体にすることができ、補強部材を容
易に溝状の非熱接着部に設けることができる。
【0009】また、請求項5記載の発明は、請求項1〜
4のいずれか記載の包装袋において、前記補強部材が前
記溝状の非熱接着部、あるいは、前記溝状の非熱接着部
を形成する前記熱接着部、あるいは、これら両部におい
て前記包装袋に固着されていることを特徴とするもので
ある。このように構成することにより、補強部材を溝状
の非熱接着部に所望の状態で設けることができる。
【0010】また、請求項6記載の発明は、請求項1〜
5のいずれか記載の包装袋において、前記溝状の非熱接
着部が設けられた前記熱接着部が略つの状に設けられて
いることを特徴とするものである。このように構成する
ことにより、注ぎ口となる部分が包装袋から突出してい
るために、注ぎ口を一目で認識することができると共
に、包装袋に収容された内容物を他の容器等に移し替え
る際に、注ぎ口を他の容器等の口部に差し込むなり、あ
てがうなりして内容物を注ぎ出すことができ、操作性や
確実性、容易性が一層高まり、内容物を外にこぼすこと
なく、移し替えることができる。
【0011】また、請求項7記載の発明は、請求項1〜
6のいずれか記載の包装袋において、前記溝状の非熱接
着部が設けられた前記熱接着部の周縁辺で前記補強部材
を残した状態で前記溝状の非熱接着部を横截するための
開始端となる横截切欠が設けられていることを特徴とす
るものである。このように構成することにより、注ぎ口
を設けるための開始端が明確になると共に、引き裂きの
きっかけを与えることができる。
【0012】また、請求項8記載の発明は、請求項1〜
7のいずれか記載の包装袋において、前記包装袋が少な
くとも外層と内層の2層の積層体から構成され、前記積
層体の外層を構成する合成樹脂製のフィルムに、包装袋
になったときに前記補強部材を残した状態で前記溝状の
非熱接着部を横截するための横截切目が刻設されている
ことを特徴とするものである。このように構成すること
により、注ぎ口を設けるために包装袋を引き裂く時に指
先で抵抗なくスムーズに引き裂くことができる。
【0013】また、請求項9記載の発明は、請求項8記
載の包装袋において、前記横截切目が前記横截切欠に連
接して刻設されていることを特徴とするものである。こ
のように構成することにより、引き裂き開始端となる横
截切欠から横截切目へスムーズに引き裂くことができ、
容易に注ぎ口を設けることができる。
【0014】また、請求項10記載の発明は、請求項8、
9のいずれかに記載の包装袋において、前記横截切目が
パルス発振形レーザーによる少なくとも1本の連続ある
いは不連続の切目線であることを特徴とするものであ
る。このように構成することにより、パルス発振型レー
ザーの波長を選択することで、前記外層を構成するフィ
ルムのみに横截切目を刻設することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】上記の本発明について、以下に詳
述する。まず、上記の本発明において、包装袋の本体を
構成する積層体の内層として使用する樹脂としては、積
層体を包装袋とするときに熱接着により封止できるもの
であればよく、たとえば、低密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン─プロピ
レン共重合体、エチレン─酢酸ビニル共重合体、アイオ
ノマー樹脂、エチレン─アクリル酸共重合体、エチレン
─アクリル酸メチル共重合体、エチレン─メタクリル酸
共重合体等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂な
いしはこれらをフィルム化したシートを使用することが
でき、その厚さとしては30〜500 μmが適当である。
【0016】また、包装袋の本体を構成する積層体の外
層として使用する合成樹脂製のフィルムとしては、包装
袋を構成する基本素材となることから、機械的、物理
的、化学的等において優れた性質を有する合成樹脂を用
いることができ、たとえば、ポリエステル系、ポリアミ
ド系、ポリプロピレン系、ポリカーボネート系、ポリア
セタール系等の樹脂を用いることができる。また、これ
らの樹脂を用いたフィルムとしては、未延伸フィルムあ
るいは1軸方向または2軸方向に延伸した延伸フィルム
等のいずれのものでも使用することができ、フィルムの
厚さとしては基本素材としての強度、剛性などについて
必要最低限に保持され得る厚さであればよく、厚過ぎる
とレーザー加工不良等を発生して引き裂き性が低下し、
また、コストが上昇するという欠点もあり、逆に薄過ぎ
ると強度、剛性等が低下して好ましくない。本発明にお
いては、上記のような理由から12〜30μm程度が適当で
ある。また、前記合成樹脂製のフィルムは、必要に応じ
てポリ塩化ビニリデンが塗工されたフィルムやアルミニ
ウムや酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、
酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機物の蒸着層が形成さ
れたフィルムとしてバリアー性を有する構成としてもよ
い。また、前記外層として使用する合成樹脂製のフィル
ムは、前記合成樹脂製フィルムの内層側に一般的には印
刷が施されることが多いために、前記外層として使用す
る合成樹脂製フィルムは印刷適性が求められ、1軸方向
または2軸方向に延伸した延伸フィルムが好適である。
【0017】さらに、本発明においては、前記内層と前
記外層の間に中間層を設けてもよく、前記中間層は通
常、前記内層と前記外層だけでは包装袋としての機能を
十分に果たすことができない場合等に設けられる。前記
機能としては、気体遮断性、機械的強靱性、耐屈曲性、
耐突き刺し性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐寒性、耐薬品性
等であり、包装袋として要求されるこれらの最終的な機
能を中間層を設けることで達成するものである。該中間
層として用いられる基材としては、たとえば、アルミニ
ウム、鉄、銅、錫等の金属箔、あるいは、ポリエチレン
テレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン,ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカー
ボネート、ポリビニルアルコール、エチレン─プロピレ
ン共重合体、エチレン─酢酸ビニル共重合体ケン化物等
のフィルムあるいはこれらにポリ塩化ビニリデンを塗工
したフィルムないしはアルミニウムや酸化珪素、酸化ア
ルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウ
ム等の無機物の蒸着を施したフィルムあるいはポリ塩化
ビニリデン等のフィルムなどを用いることができる。ま
た、これら基材の一種ないしそれ以上を組み合わせて使
用することができる。なお、上記基材の厚さとしては、
包装袋として要求される機能を満たすことができれば良
いのであって、必要に応じて適宜に選ぶことができる。
【0018】また、本発明の包装袋の本体を構成する前
記積層体は前記外層、前記内層、あるいは、必要に応じ
て前記中間層を周知のドライラミネーション法、Tダイ
押し出し法等を適宜用いて貼り合わせることにより得る
ことができる。前記Tダイ押し出し法を用いる場合にあ
っては、接着性を向上させる目的で被押し出し側に必要
に応じてアンカーコート剤を予め塗工しても構わない。
【0019】次に、本発明において、上記の外層として
使用する合成樹脂製フィルムに包装袋になった時に横截
切目を刻設する方法としては、たとえば、加熱した針を
押しつけるニードルパンチ法、エンボスロール法、研磨
ロール法、砥石、研磨テープ等を用いてフィルムを溶融
し、穿孔する熱溶融穿孔法、ナイフ、カッター等を用い
る物理的穿孔法、レーザービーム加工、コロナ放電、プ
ラズマ放電等の加工法等の方法によって行うことができ
る。本発明において、外層として使用する合成樹脂製フ
ィルムに横截切目を刻設するに当たっては、該合成樹脂
製フィルムの単体の状態、あるいは、外層に内層として
使用する熱接着性を有する樹脂ないし該樹脂をフィルム
化したシートを積層した2層からなる積層体の状態、あ
るいは、前記外層と前記内層との間に上記の中間層を設
けた少なくとも3層からなる積層体の状態、さらには、
該積層体を使用してなる包装袋の状態等いずれの状態に
おいて刻設してもよく、これによって外層として使用す
る合成樹脂製フィルムに横截切目を設けることができ
る。
【0020】本発明において、横截切目の形状として
は、直線状、曲線状、ミシン目線状、破線状等の任意の
形状でよく、その本数は、一本ないしそれ以上でよく、
また、連続状であっても、不連続状等のいずれでもよ
い。さらに、横截切目の構造は、貫通孔、ハーフカット
の状態あるいはそれらが混在する状態のいずれの状態で
もよく、本発明では、横截切目部分が弱体化して包装袋
の切目として作用すればよい。
【0021】ところで、本発明において、外層として使
用する合成樹脂製フィルムに切目を設ける方法として
は、パルス発振型のレーザーを用いてミシン目状の切目
を刻設する方法が最も適した方法である。これに用いる
レーザーの種類としては、たとえば、炭酸ガスレーザ
ー、YAGレーザー、半導体レーザー、アルゴンイオン
レーザー等が可能であり、特に限定されるものではな
い。しかし、外層として使用する合成樹脂製フィルムに
切目を刻設する場合は、用いるフィルムがレーザー発振
波長を吸収することが必要である。たとえば、炭酸ガス
レーザーを使用する場合、炭酸ガスレーザー光の10.6ミ
クロンの波長は、ポリアミドフィルム(ナイロン─6フ
ィルム)に選択的に吸収されやすく、線状低密度ポリエ
チレンやエチレン─酢酸ビニル共重合体を主体とするフ
ィルムではその殆どが透過される。そのため、内層の熱
接着性を有するフィルムとして、線状低密度ポリエチレ
ンやエチレン─酢酸ビニル共重合体を主体とするフィル
ムを用い、外層として使用する合成樹脂製フィルムに2
軸延伸ポリアミドフィルム(ナイロン─6フィルム)を
用い、その両者を組み合わせて積層してなる2層からな
る積層体を使用し、これに炭酸ガスレーザーを照射して
レーザー加工を行うと、前記の2軸延伸ポリアミドフィ
ルム(ナイロン─6フィルム)のみに選択的に切目を刻
設することができると共に、前記切目は線状低密度ポリ
エチレンやエチレン─酢酸ビニル共重合体を主体とする
フィルムが溶融して前記切目を閉塞することがなく、極
めて良好に包装袋を引き裂くことができる。また、前記
積層体を用いてなる包装袋の状態で炭酸ガスレーザーを
照射してレーザー加工を行っても、上記と同様な結果を
得ることができる。上記したようにレーザー加工によっ
て、その波長を選択することにより、外層として使用す
る合成樹脂製フィルムに選択的に切目を刻設することが
できる。
【0022】また、横截切欠の形成方法としては、たと
えば、I字形やV字形、あるいは、その他の多角形状等
の刃型を用いて包装袋の所定箇所を型抜きすることによ
り容易に形成することができる。
【0023】次に、本発明の樋形状の補強部材について
説明する。本発明の樋形状の補強部材は、包装袋に収納
された内容物を他の容器に移し替える際に、包装袋の注
ぎ口となる部分に確かな開口状態を保証すると共に注ぎ
口に剛性を持たせ、的確に容器の口部に差し込むなり、
あてがうなりすることができ、内容物を外にこぼすこと
を防止するために設けるものである。このような樋形状
の補強部材としては、剛性のある成形品を用いることが
できるが、内容物を注ぎ出す際に内容物の方向を安定さ
せ、外にこぼすことがないようにするために、樋形状の
補強部材の内容物が通る導路となる面、すなわち、樋形
状の補強部材の内面が断面角部を有する形状に形成され
ている必要がある。このように補強部材の内容物が通る
導路となる面を断面角部を有する形状に形成することに
より、内容物を注ぎ出す際の内容物の出てくる方向を安
定させることができ、外にこぼすことを防止することが
できる。
【0024】また、樋形状の補強部材には該補強部材の
外面(内容物が通る導路となる面とは反対の面)に該補
強部材の長手方向に対して垂直な薄壁部を設けてもよ
く、このような薄壁部を設けることにより、該補強部材
を非熱接着部に装着し易くすると共に前記非熱接着部を
形成する熱接着部に前記薄壁部がくるように合わせ前記
熱接着部を熱接着することにより、前記補強部材を包装
袋に容易に固着することができる。また、前記薄壁部を
補強部材側が肉厚に形成された楔形状とすることによ
り、一層容易に包装袋に固着することができる。
【0025】このような補強部材に使用できる材料とし
ては、たとえば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン─プロピレン共重
合体、エチレン─酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹
脂、エチレン─アクリル酸共重合体、エチレン─アクリ
ル酸メチル共重合体、エチレン─メタクリル酸共重合
体、ポリスチレン、アクリルニトリル─ブタジエン─ス
チレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリウ
レタン、ポリアミド、あるいは、他の半剛性ないし剛性
の合成樹脂などを挙げることができるが、包装袋の内層
に用いる熱接着性を有する樹脂と熱によって溶融し相互
に融着し得るものが好適である。また、前記補強部材は
必要に応じて顔料等で着色されていてもよい。また、前
記補強部材は周知のインジェクション成形法、ブロー成
形法、押し出し加工法、あるいは、折り曲げ加工法(板
状物からの)等で適宜作製すればよい。
【0026】次に、上記の積層体および補強部材を用い
て製造する本発明の包装袋の製造方法について説明す
る。本発明の包装袋の本体の形態としては、三方シール
タイプ、四方シールタイプ、スタンディングパウチ、ガ
セットタイプ、封筒貼りシールタイプ、ピロータイプ等
を任意に選ぶことができ、本発明の包装袋の特徴である
内容物を注ぎ出す注ぎ口の構造および形態を採れるもの
であれば特に限定されるものではない。
【0027】したがって、本発明の包装袋の製袋には、
その本体部分の形態に応じて、それぞれ周知の製袋機を
用いることができ、これに注ぎ口となる部分および補強
部材、切欠、切目を設けるための、たとえば、補強部材
取り付け装置、型抜き装置、切目刻設装置など必要な加
工装置を製袋機に組み込むなり、あるいは、別ラインに
設けるなりすることによって本発明の包装袋を製造する
ことができる。
【0028】次に、図面に示す実施例を用いてさらに詳
しく説明する。図1は本発明にかかる包装袋の一実施例
の平面図、図2〜3は本発明にかかる包装袋に装着する
補強部材の形状を示す斜視図、図4は図1に示す本発明
にかかる包装袋のXーX線の断面図、図5は図1の包装
袋の層構成図であり、図中の1は包装袋、2は底部熱接
着部、3,4は胴部熱接着部、5は溝状の非熱接着部、
6は注ぎ口形成熱接着部、7,7a,7b,7cは補強部材、
8は注ぎ口形成用切欠、9は注ぎ口形成用切目、10は熱
接着部、50,51は薄壁部、60は内面、70は外層、80は内
層、90は積層体、Aは充填口密封用熱接着部をそれぞれ
示す。
【0029】図1は本発明にかかる包装袋の一実施例の
平面図であって、包装袋1は本体部分が胴材と底材とか
らなるスタンディングパウチ形態に製袋された袋であっ
て、図5に示すように前記胴材と前記底材とが15μmの
2軸延伸ナイロンフィルム(片面コロナ放電処理)から
なる外層70と120 μmの線状低密度ポリエチレンフィル
ム(片面コロナ放電処理)とからなる内層80とを2液反
応型ポリウレタン系接着剤を用いて、コロナ放電処理面
同士を周知のドライラミネーション法で貼り合わせた積
層体90から構成されている。包装袋1の底部には舟型形
状の底部熱接着部2が形成されると共に、胴部には該胴
部の両端部に胴部熱接着部3、4が形成されている。さ
らに、前記包装袋1の上部隅角部(図1において左上
部)に前記包装袋1の内部と連通する溝状の非熱接着部
5が略砲弾形状にトリミングされて形成された注ぎ口形
成熱接着部6によって形成され、かつ、前記溝状の非熱
接着部5に成形品からなる樋形状の補強部材7が該溝状
の非熱接着部5を注ぎ口としたときに内容物を注ぎ出す
導路となるような該溝状の非熱接着部5の位置に装着さ
れていると共に、前記樋形状の補強部材7は前記補強部
材7を前記溝状の非熱接着部5に装着したときに前記補
強部材7を2つ重ね合わせて管状としたときの断面の大
きさと前記溝状の非熱接着部5の断面の大きさとが略等
しくなるような大きさのものからなっている。
【0030】また、前記略砲弾形状の注ぎ口形成熱接着
部6の筒状部の先端側周縁辺の対向する位置に注ぎ口形
成用切欠8、8が形成されると共に、前記注ぎ口形成用
切欠8、8を繋ぐ線上に注ぎ口形成用切目9が形成され
ている。また、前記包装袋1の前記略砲弾形状の注ぎ口
形成熱接着部6と前記胴部熱接着部4との間を繋ぐ周縁
部に設けられた充填口密封用熱接着部Aは包装袋1の製
袋段階では熱接着されておらず開口状態になっていて、
この部分から内容物を充填するように構成されている。
【0031】また、前記溝状の非熱接着部5に設ける前
記樋形状の補強部材7は、通常包装袋1の本体部分を構
成する内層と同じ樹脂から構成されているものであっ
て、前記樋形状の補強部材7の代表的なものとして、た
とえば、図2−(A)〜図2−(C)に示すように内容
物が通る導路を形成する内面60が断面角部を有する形状
に形成された補強部材7aを挙げることができる。図2−
(A)は半円柱をその断面半円の弦を底辺とする2等辺
三角形状に切り欠いた樋形状、図2−(B)はV字形状
をした樋形状、図2−(C)は五角形状の筒状体の一辺
を切り欠いた樋形状で構成されている。
【0032】また、前記補強部材7の他の代表的なもの
として、たとえば、図3−(A)〜図3−(C)に示す
ように図2−(A)〜図2−(C)に示した補強部材7a
の開口部と対向する位置の外面の長手方向に垂直に突出
した薄壁部50を有した形状に形成された補強部材7bの構
成、あるいは、図3−(D)〜図3−(F)に示すよう
に図2−(A)〜図2−(C)に示した補強部材7aの開
口部と対向する位置の外面の長手方向に垂直に突出した
前記補強部材7a側が肉厚に形成された楔形状の薄壁部51
を有した形状に形成された補強部材7cの構成を挙げるこ
とができる。前記薄壁部50、51は図3−(A)〜図3−
(F)においては長手方向に連続したものを示したが、
長手方向に不連続に形成されていてもよいし、長手方向
の一部に突出した状態で形成されていても構わない。
【0033】次に、上記の補強部材を包装袋の溝状の非
熱接着部に装着する形態について説明する。図4−
(A)〜図4−(C)は図1に示す本発明にかかる包装
袋のXーX線の断面図である。図4−(A)は補強部材
を溝状の非熱接着部に装着する形態を示した一実施例で
あって、包装袋1の略砲弾形状の注ぎ口形成熱接着部6
によって形成された溝状の非熱接着部5に補強部材7aが
設けられると共に前記溝状の非熱接着部5の内面と前記
補強部材7aの外面とが熱接着部10で熱接着されているも
のである。図4−(B)は補強部材の他の装着形態を示
す一実施例であって、包装袋1の略砲弾形状の注ぎ口形
成熱接着部6によって形成された溝状の非熱接着部5に
補強部材7bが設けられると共に前記略砲弾形状の注ぎ口
形成熱接着部6で補強部材7bの薄壁部50が熱接着されて
補強部材7bが前記溝状の非熱接着部5に固着されている
ものである。図4−(B)においては前記補強部材7bを
前記補強部材7bの前記薄壁部50で前記略砲弾形状の注ぎ
口形成熱接着部6で熱接着したものを示したが、図4−
(A)で示したように前記補強部材7bの外面と前記溝状
の非熱接着部5の内面とが熱接着されていてもよい。図
4−(C)は補強部材の他の装着形態を示す一実施例で
あって、包装袋1の略砲弾形状の注ぎ口形成熱接着部6
によって形成された溝状の非熱接着部5に補強部材7cが
設けられると共に前記溝状の非熱接着部5の内面と前記
補強部材7cの外面とが熱接着部10で熱接着されているも
のである。この場合、前記補強部材7cの薄壁部51は図3
−(E)で示したように図2−(B)のV字形状をした
樋形状の補強部材7aの開口部と対向する位置の外面の長
手方向に垂直に突出した前記補強部材7a側が肉厚に形成
された楔形状からなっているために、前記溝状の非熱接
着部5の内面と前記補強部材7cの外面とが一層熱接着し
易くなっている。また、図4−(A)〜図4−(C)に
おいて、補強部材は該補強部材で形成される導路となる
樋形状の部分の断面積がいずれも、溝状の非熱接着部5
の断面積に対して略1/2になる大きさのものが設けら
れている。また、補強部材を溝状の非熱接着部に装着す
る形態について、補強部材7a,7b,7cを例に挙げて説明
したが、他の形状の補強部材についても図4−(A)〜
図4−(C)で説明したいずれかの装着形態で包装袋に
装着することができることはいうまでもない。
【0034】このように構成された包装袋1は、内容物
充填口となる充填口密封用熱接着部Aの幅も比較的広い
ために、この部分から通常のスタンディングパウチと同
様に、自動充填包装機により容易に内容物を充填すると
共に充填口を熱接着することができる。内容物が充填さ
れた包装袋1は、自立性があり外観的にも優れると共に
取り扱いも容易である。また、注ぎ口となる部分が略つ
の状に突出するように設けられているので一目で注ぎ口
であることがわかる。
【0035】また、内容物を他の容器に移し替える際に
は、前記略砲弾形状の注ぎ口形成熱接着部6の端縁辺に
設けられた横截するための開始端となる横截切欠8か
ら、前記横截切欠8に連接して設けられた横截切目9へ
連続して引き裂いて注ぎ口を設けることができる。その
後に、包装袋1を手でもって、注ぎ口に設けられた補強
部材7が装着された部分を他の容器の口部にあてがうこ
とにより、注ぎ口を容器の口部にしっかりと固定するこ
とができるので、包装袋1を持ち上げて徐々に傾けるだ
けで、途中で注ぎ口が塞がることもなく、確実に、しか
も容易に流量を調節しつつ内容物を移し替えることがで
きる。さらに、前記補強部材は内容物が通る導路となる
内面が断面角部を有する形状に形成されていることによ
り、最初に注ぎ口から出てくる内容物の方向も一定して
おり、一切外に内容物をこぼすこともない。
【0036】
【発明の効果】本発明の包装袋は、今まで縷々説明して
きたように、安価で生産性がよく、かつ、内容物の充填
も容易であると共に、移し替え時の操作性や確実性、容
易性において優れた注ぎ口を有するという効果を奏する
ものである。また、特に内容物が液状物の場合において
は、樋形状からなる補強部材の内面を断面角部を有する
形状とすることにより内容物を注ぎ出す際に内容物の方
向を安定さすことができると共に、樋形状からなる補強
部材の断面積が前記樋形状からなる補強部材を装着する
溝状の非熱接着部の断面積の略1/2の大きさにするこ
とにより内容物を注ぎ出す際の脈動を防止することがで
き、内容物を最初の一滴から最後の一滴まで外にこぼす
ことなくスムーズに、かつ、容易に移し替えることがで
きるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる包装袋の一実施例の平面図であ
る。
【図2】〜
【図3】本発明にかかる包装袋に装着する補強部材の形
状を示す斜視図である。
【図4】図1に示す本発明にかかる包装袋のXーX線の
断面図である。
【図5】図1の包装袋の層構成図である。
【符号の説明】
1 包装袋 2 底部熱接着部 3,4 胴部熱接着部 5 溝状の非熱接着部 6 注ぎ口形成熱接着部 7,7a,7b,7c 補強部材 8 注ぎ口形成用切欠 9 注ぎ口形成用切目 10 熱接着部 50,51 薄壁部 60 内面 70 外層 80 内層 90 積層体 A 充填口密封用熱接着
フロントページの続き (72)発明者 丸上 智史 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周縁が熱接着部により封止された包装袋
    において、前記熱接着部内に前記包装袋の内部と連通す
    る溝状の非熱接着部が設けられ、合成樹脂製の樋形状か
    らなる補強部材が該溝状の非熱接着部を注ぎ口としたと
    きに内容物を注ぎ出す導路となるような該溝状の非熱接
    着部の位置に装着されていることを特徴とする包装袋。
  2. 【請求項2】 前記補強部材が前記補強部材を前記溝状
    の非熱接着部に装着したときに前記補強部材を2つ重ね
    合わせて管状としたときの断面の大きさと前記溝状の非
    熱接着部の断面の大きさとが略等しくなるように構成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の包装袋。
  3. 【請求項3】 前記補強部材は少なくとも前記補強部材
    の内面が断面角部を有する形状に形成されていることを
    特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の包装袋。
  4. 【請求項4】 前記補強部材がその外面に設けられた長
    手方向に対して垂直に突出した薄壁部を有していること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の包装袋。
  5. 【請求項5】 前記補強部材が前記溝状の非熱接着部、
    あるいは、前記溝状の非熱接着部を形成する前記熱接着
    部、あるいは、これら両部において前記包装袋に固着さ
    れていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の包装袋。
  6. 【請求項6】 前記包装袋において前記溝状の非熱接着
    部が設けられた前記熱接着部が略つの状に設けられてい
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の包
    装袋。
  7. 【請求項7】 前記溝状の非熱接着部が設けられた前記
    熱接着部の周縁辺で前記補強部材を残した状態で前記溝
    状の非熱接着部を横截するための開始端となる横截切欠
    が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載の包装袋。
  8. 【請求項8】 前記包装袋が少なくとも外層と内層の2
    層の積層体から構成され、前記積層体の外層を構成する
    合成樹脂製のフィルムに、包装袋になったときに前記補
    強部材を残した状態で前記溝状の非熱接着部を横截する
    ための横截切目が刻設されていることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれかに記載の包装袋。
  9. 【請求項9】 前記横截切目が前記横截切欠に連接して
    刻設されていることを特徴とする請求項8記載の包装
    袋。
  10. 【請求項10】 前記横截切目がパルス発振形レーザーに
    よる少なくとも1本の連続あるいは不連続の切目線であ
    ることを特徴とする請求項8、9のいずれかに記載の包
    装袋。
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