JPH11310130A - 鉄道車両の車体傾斜制御装置 - Google Patents

鉄道車両の車体傾斜制御装置

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JPH11310130A
JPH11310130A JP11947398A JP11947398A JPH11310130A JP H11310130 A JPH11310130 A JP H11310130A JP 11947398 A JP11947398 A JP 11947398A JP 11947398 A JP11947398 A JP 11947398A JP H11310130 A JPH11310130 A JP H11310130A
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博彦 柿沼
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勝美 野田
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昭祐 後藤
Yorimitsu Sato
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Sカーブである反向曲線の前段曲線と後段曲
線との接続部分から後段曲線入口付近での車体傾斜制御
遅れを補償して乗り心地を向上すること。 【解決手段】 メモリには、始発駅からの線路の曲線の
番号と、Sカーブであることを表すS字データと、Sカ
ーブの前段曲線の距離とをストアしておき、ヨーレート
センサによって車体のヨーイング方向の角速度ωを検出
し、速度センサによって車両の走行速度vを検出し、こ
れによって線路の曲線の曲率ρ=ω/vを演算して求
め、こうして検出した曲線の数をカウンタで計数し、メ
モリにストアされた内容に基づき、Sカーブであること
が判断されると、前段曲線からの走行距離を計測し、前
段曲線と後段曲線との接続部分から走行方向上流側の予
め定める位置に到達した後には、接続部分で車体の床面
がレール面傾斜角αにほぼ等しくなるように、時間経過
に伴って車体の左右の傾斜角γを小さく制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両における
線路の曲線走行中に、車体を傾斜して、特に、前段曲線
と後段曲線とが連続するSカーブとも呼ばれる反向曲線
で、たとえば乗客が、遠心力に起因した横方向の力を感
じさせないようにして乗り心地を向上することができる
鉄道車両の車体傾斜制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車体の傾斜駆動のためのアク
チュエータとして、空気ばねおよび空気圧シリンダなど
が使用されている。このアクチュエータは、その応答速
度が低く、したがって車体傾斜制御の遅れが発生する。
このことは特に、Sカーブである反向曲線では、前段曲
線に連続する後段曲線での傾斜制御の遅れが著しくな
り、車高制御性能の低下を招いている。
【0003】さらに他の典型的な先行技術は、特開平6
−107172である。この先行技術は、鉄道車両の車
体傾斜制御において、走行路線の形状を予め知ってお
り、車体傾斜における先行制御を可能とするための手法
を開示する。この先行技術では、走行路線の形状、すな
わち曲率半径、カント量、乗客に横方向の力を感じさせ
ないために必要な車体の傾斜角を、車体左右方向加速度
計および走行速度情報からオフラインデータとして事前
に計測する。
【0004】この先行技術では、路線情報と走行距離の
正確な関係を、事前に計測して大容量のメモリにストア
しておく必要がある。またこの先行技術によって車体傾
斜制御を行うにあたっては、走行距離を検出するために
走行速度および車輪の回転数の積算値に基づいて算出し
なければならず、したがって計測ノイズなどの影響を補
正するための構成が、さらに必要である。
【0005】他の先行技術は、特開平7−309237
である。この先行技術では、走行路線情報が予め判って
いる車体傾斜制御において、先行制御を行うために、走
行路線の曲率半径およびカント量から算出される必要な
車体傾斜角の微分値をアクチュエータの操作量として使
用する。このアクチュエータによって、車体を左右に傾
斜する。
【0006】この先行技術でも、走行路線情報をストア
する大容量のメモリを必要とするとともに、その走行路
線情報には路線形状と起点からの走行距離の正確な関係
を必要とし、したがって走行速度および車輪の回転数の
積算値から算出する走行距離を、計測ノイズなどの悪影
響による補正を行うための構成がさらに必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、予め
準備すべき路線情報である線路のデータをできるだけ少
なくして、しかも走行距離の誤差を小さくして高精度で
Sカーブである反向曲線での車体の傾斜制御を行うこと
ができる鉄道車両の車体傾斜制御装置を提供することで
あり、特に反向曲線での前段曲線と後段曲線との連続部
分における車高制御性能を良好に達成することができる
鉄道車両の車体傾斜制御装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)線路の
曲線を検出する曲線検出手段と、(b)車両の走行距離
を計測する距離計測手段と、(c)メモリであって、予
め定める始点からの線路の曲線の番号と、第1方向の前
段曲線と、第1方向とは反向する第2方向の後段曲線と
が連続する連続曲線であることを表す前段曲線に対応す
るS字データと、前記前段曲線の距離とをストアするメ
モリと、(d)車体を左右に傾斜するように駆動する車
体傾斜駆動手段と、(e)曲線検出手段の出力に応答
し、前記始点からの曲線を計数するカウンタと、(f)
制御手段であって、距離計測手段とカウンタとの出力に
応答し、メモリから、計測された曲線の番号に対応する
S字データと、前記曲線の距離とを読出し、前段曲線の
後段曲線との接続部分よりも走行方向上流側の予め定め
る位置に到達するまでの前段曲線の走行中、および後段
曲線の走行中、重力の床面平行成分と遠心力の床面平行
成分とが釣り合うように車体傾斜駆動手段を駆動制御
し、前記予め定める位置から前記接続部分までの前段曲
線の走行中、前記接続部分に到達した時点で車体の床面
がレール面傾斜角にほぼ等しくなるように車体傾斜駆動
手段を制御して、時間経過に伴って車体の左右の傾斜角
γを小さくする制御手段とを含むことを特徴とする鉄道
車両の車体傾斜制御装置である。
【0009】本発明に従えば、メモリに予めストアして
ある曲線の番号と、反向曲線であることを表すS字デー
タと、前段曲線の距離とをストアしておけばよく、この
ようなメモリにストアされる情報は、従来からほとんど
の路線で線路敷設時に既に実際に計測されて収集されて
いる。したがって本発明の実施のためにそのようなデー
タを再度、計測する必要がなく、本発明の実施が容易で
ある。
【0010】本発明に従えば、曲線検出手段によって検
出した曲線の数を、始点、たとえば始発駅からの曲線の
数をカウンタで計数し、その計数値に対応した曲線の番
号を有するS字データと前段曲線の距離とをメモリから
読出し、前段曲線において前段曲線と後段曲線との接続
部分よりも走行方向上流側の予め定める位置から、車体
傾斜駆動手段を制御し、時間経過に伴って車体の左右の
傾斜角γを小さくしてゆき、接続部分では車体の床面
が、カントに対応したレール面傾斜角αにほぼ等しくす
る。したがって前記接続部分から後段曲線を走行する当
初に、車体が外軌側に大きく傾斜してしまうことを防ぐ
ことができる。
【0011】こうしてメモリに予めストアしておいた曲
線情報、すなわち上述のように曲線の番号とS字データ
と前段曲線の距離とに基づき、前段曲線の終了を予測
し、事前に車体傾斜を水平に、すなわち車体の左右の傾
斜角γを小さくするように、戻し始めることによって、
連続した後段曲線における車体傾斜制御遅れ補償を行
う。
【0012】本発明で必要とするメモリにストアされた
曲線情報は、その曲線が反向曲線であるかどうか、すな
わち前段曲線と後段曲線とが近接して直線部分が零また
はごく短くたとえば連続しているかどうかの情報と、前
段曲線の距離とだけである。したがってメモリのストア
容量を大きくする必要はない。
【0013】また本発明に従えば、距離計測手段は、S
字データによって走行する曲線が反向曲線の前段曲線で
あることを判別したとき、その前段曲線の始端、すなわ
ち前段曲線の入口緩和曲線の走行方向上流側端部からの
距離を、距離計測手段によって計測するだけであり、長
距離にわたる距離計測を行う必要はない。したがって走
行距離の誤差を小さく抑制し、走行距離に対応して車体
傾斜駆動を高精度で行うことができる。こうして反向曲
線の開始のたびに前段曲線の始端からの走行距離のみを
計測して算出すればよく、したがって計測ノイズなどの
悪影響による累積誤差の発生を防ぐことができ、その走
行距離の計測値を補正するための構成が必要ではない。
【0014】また本発明は、曲線検出手段は、車体のヨ
ーイング方向の角速度ωを検出するヨーレートセンサ
と、車両の走行速度vを検出する速度センサと、ヨーレ
ートセンサと速度センサとからの出力に応答し、線路の
曲線を判別して制御手段に与える曲線判別手段とを有す
ることを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、線路の曲線を検出するた
めに、ヨーレートセンサによって走行している車両のヨ
ーイング方向の角速度ωを検出するとともに、速度発電
機などの速度センサによって車両の走行速度vを検出
し、こうして得られた角速度ωおよび走行速度vによっ
て予め定める演算式、たとえば曲率ρ=角速度ω/走行
速度vに代入することによって、線路の曲率ρを算出す
ることができる。こうして得られた曲率ρを、たとえば
予め定める弁別レベル±th1,±th2でレベル弁別
することによって、走行中の線路が曲線かまたは直線か
を判別することができる。
【0016】こうして走行速度の大小に依存しないでリ
アルタイムで精度よく線路曲率ρを検出することができ
る。したがって先行技術のように膨大な線路データを収
集してメモリにストアする必要がなく、線路データを収
集する作業が不要となり、また大容量のメモリが不要と
なる。またノイズなどに起因した誤動作を防ぐことがで
きる。
【0017】また本発明は、車体傾斜駆動手段は、台車
の左右で車体を昇降駆動する空気ばねと、空気ばねに圧
縮空気を供給/排気する電磁弁とを有し、制御手段は、
車両に設けられ、車体の床面に平行な加速度を検出する
加速度センサと、加速度センサの出力に応答し、その検
出加速度がほぼ零となるための車体の左右の傾斜角γを
算出する傾斜角算出手段と、傾斜角算出手段の出力に応
答し、電磁弁を制御する車高制御手段とを有することを
特徴とする。
【0018】本発明に従えば、車両を左右に傾斜駆動す
る車体傾斜駆動手段は、空気ばねと、その空気ばねに圧
縮空気を供給しまたは排気する電磁弁とを備え、各車両
には、車体の床面に平行な加速度を検出する加速度セン
サが設けられ、その床面に平行な加速度が零となるよう
に車体を傾斜角γを算出し、車高制御手段によって電磁
弁を開閉制御する。こうして各車両の構成が異なってい
ても、また乗客などの荷重が各車両毎に異なっていて
も、各車両の乗客は、横方向の力を感じないようにし
て、乗り心地を向上することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
全体の構成を簡略化して示すブロック図である。車両5
は、台車50上に車体8が旋回することができるように
支持されて構成される。台車50は、左右の車輪17,
18と、それらを支持する台車枠9と、台車枠9上で車
体8を支持する左右の空気ばね19,20とを備える。
車体8は、空気ばね19,20によって緩衝されて台車
50に支持されるとともに、車体8を左右に傾斜するよ
うに車高を制御することができる。
【0020】一対のレール27は、線路28の曲線でカ
ントC1(次の図2参照)を有し、水平面に対するレー
ル面傾斜角は図2において参照符αで示されている。レ
ール27によって台車50の車輪17,18が案内され
る。車輪17,18の回転速度に対応した電圧を導出す
る速度発電機などの速度センサ11は、ライン29を介
して車両の速度を表す信号を導出して曲線検出回路12
に与える。
【0021】車体8には、その車体8のヨーイング方向
の角速度ωを検出するヨーレートジャイロなどのヨーレ
ートセンサ10が備えられる。ヨーレートセンサ10か
らの出力は、ライン30を介して曲線検出回路12に与
えられる。
【0022】曲線検出回路12は、線路28の曲率ρ
(=ω/v)を演算するとともに、さらにその曲率ρの
時間変化率である微分値dρ/dtを演算して、後述の
図9、図10に関連して述べるようにレベル弁別し、曲
線を検出して、その出力をライン32に導出する。
【0023】制御手段33において、車体8の床面34
には、加速度センサ35が設けられる。この加速度セン
サ35は、車体8の幅方向(すなわち走行方向に垂直方
向、図1の左右方向)の床面34に平行な加速度成分
を、検出する。この加速度センサ35の出力は、ライン
36を介してフィルタ37に与えられ、ノイズなどが除
去され、傾斜角算出手段38に与えられる。この傾斜角
算出手段38には、加速度指令値設定手段39からの加
速度指令値を表す信号が与えられる。この加速度指令値
は、加速度の車体8の床面34に平行な左右方向の成分
がほぼ零となるための値である。傾斜角算出手段38
は、加速度センサ35によって検出される加速度がほぼ
零となるための車体8の左右の傾斜角γを算出してライ
ン40に与える。
【0024】台車枠9と車体8との間に、後述の図11
に示されるように、車高検出手段42,43が設けら
れ、車体8の左右の車高情報が得られる。この車高情報
は、ライン44を介して、前述のライン40からの傾斜
角γを表す信号とともに、車高制御手段41に与えられ
る。車高制御手段41は、傾斜角γが達成されるよう
に、空気ばね19,20の空気圧を供給/排出するため
の左右の電磁弁制御信号をライン45,46にそれぞれ
導出する。
【0025】ライン45,46には、スイッチング手段
であるゲート14が設けられる。ゲート14は、ライン
32からの曲線検出信号に応答し、曲線が検出されたと
きにのみ、導通状態となり、これによって空気ばね1
9,20の膨張収縮が制御されることになる。
【0026】図2は、車両5の曲線走行状態を示す簡略
化した断面図である。線路28のカントは参照符C1で
示されている。図3の参照符8で示される車体の姿勢
は、傾斜制御が行われた状態を示しており、床面34上
の乗客には、遠心力Fの床面平行成分Fcosβが作用す
る。その乗客には、重力をmとするとき、重力の床面平
行成分mg・sinβが作用する。ここでgは重力加速度
である。参照符48は、車体の傾斜制御が行われず、床
面34が水平面に対してレール面傾斜角αと同一である
状態を示している。
【0027】乗客が、横方向の力を感じないようにして
乗り心地を向上するには、 mg・sinβ = F・cosβ …(1) が成立する必要がある。ここで β = α+γ …(2) である。傾斜角γは、乗客の重力mgの鉛直方向が床面
34に垂直な直線47と成す角度である。カントC1に
対応したレール面傾斜角αを、角度βから差し引いた傾
斜角γ(=β−α)は、乗客に横方向の力を感じさせな
いために必要な空気ばね19,20によって達成される
べき傾斜角である。
【0028】図3は、本発明に係る原理を示す説明図で
ある。鉄道車両5には、鉄道車両5のヨーイング方向の
角速度ωを検出するためのヨーレートセンサ10と、鉄
道車両の走行速度vを検出するための車速センサ11
と、角速度ωおよび走行速度vに基づいて鉄道線路の曲
率を算出して曲線状態を判断する曲線検出回路12が搭
載されている。
【0029】曲線検出回路12は、得られた角速度ωお
よび走行速度vに基づいて所定の演算式、ρ=ω/vに
代入することによって、線路の曲率ρを算出する。さら
に、得られた曲率ρを時間微分するこによって曲率微分
dρ/dtを算出する。これらの曲率ρおよび曲率微分
dρ/dtの大きさや正負を判定することによって、走
行位置における線路の状態、たとえば直線、右曲線、左
曲線、入口緩和曲線、本曲線、出口緩和曲線などを判別
する。
【0030】図4(a)は右曲線の鉄道線路の平面形状
の一例を示す平面図であり、図4(b)は図4(a)に
対応する曲率ρを示すグラフ、図4(c)は図4(a)
に対応する曲率微分dρ/dtを示すグラフである。図
4(a)において、鉄道車両5が鉄道線路28を地点A
〜地点Dの順番で通過しており、鉄道線路28は、図4
(b)に示すように、1)地点Aから手前は曲率ρ=0
である直線部分、2)地点A〜地点Bの範囲は曲率ρが
0から徐々に変化する入口緩和曲線部分、3)地点B〜
地点Cの範囲は一定の曲率ρを持つ本曲線部分、4)地
点C〜地点Dの範囲は曲率ρが一定値から0に向けて徐
々に変化する出口緩和曲線部分、5)地点Dから以降は
曲率ρ=0である直線部分、となる形状を例示してい
る。
【0031】図4(b)に示すように、線路状態に応じ
た区間を特定するために、入口緩和曲線部分で閾値th
1が設定され、出口緩和曲線部分で閾値th2が設定さ
れている。
【0032】図4(c)は、図4(b)のグラフを微分
したものであり、曲率ρが時間変化しない範囲、すなわ
ち地点Aの手前、地点B〜地点C、および地点D以降に
おいて曲率微分dρ/dt=0となる。また、地点A〜
地点Bにおいて上に凸のピークが現われ、地点C〜地点
Dにおいて下に凸のピークが現われる。
【0033】図4(c)においても同様に、線路状態に
応じた区間を特定するために、入口緩和曲線部分で閾値
th3が設定され、出口緩和曲線部分で閾値th4が設
定されている。
【0034】図5(a)は左曲線の鉄道線路の平面形状
の一例を示す平面図であり、図5(b)は図5(a)に
対応する曲率ρを示すグラフ、図5(c)は図5(a)
に対応する曲率微分dρ/dtを示すグラフである。図
5(a)において、鉄道車両5が鉄道線路28を前述と
同様に地点A〜地点Dの順番で通過する。
【0035】図5(b)に示すように、線路状態に応じ
た区間を特定するために、入口緩和曲線部分で閾値−t
h1が設定され、出口緩和曲線部分で閾値−th2が設
定されている。
【0036】図5(c)は、図5(b)のグラフを微分
したものであり、曲率ρが時間変化しない範囲、すなわ
ち地点Aの手前、地点B〜地点C、および地点D以降に
おいて曲率微分dρ/dt=0となる。また、地点A〜
地点Bにおいて下に凸のピークが現われ、地点C〜地点
Dにおいて上に凸のピークが現われる。
【0037】図5(c)においても同様に、線路状態に
応じた区間を特定するために、入口緩和曲線部分で閾値
−th3が設定され、出口緩和曲線部分で閾値−th4
が設定されている。
【0038】再び図1を参照して、ライン29を介する
速度センサ11からの出力は、積分回路51によって積
分され、これによってライン52からは、計測された走
行距離を表す信号が導出されて曲線検出回路12に与え
られる。
【0039】曲線検出回路12には、カウンタ53が接
続される。カウンタ53は、ライン52から導出される
曲線検出信号を計数し、カウントアップ時と同期して積
分回路51はリセットされる。発車検出回路54は、車
両5が始発駅を発車することを検出し、これによって積
分回路51およびカウンタ53を曲線検出回路12が前
述のようにリセットする。
【0040】曲線検出回路12にはまた、メモリ55が
接続される。曲線検出回路12は、たとえばマイクロコ
ンピュータなどによって実現される処理回路であっても
よい。
【0041】図6は、メモリ55のストア内容を説明す
るための図である。このメモリ55には、始発駅からの
線路の曲線の番号56が1,2,3,4,5,…ストア
され、これらの各曲線番号に対応して、S字データ57
と、曲線距離58とがそれぞれストアされる。距離58
は入口緩和曲線の距離59と本距離の距離60と出口緩
和曲線の距離61とから成る。S字データ57と言うの
は、図4の右曲線または図5の左曲線のうちのいずれか
一方である第1方向(たとえば左曲線)の前段曲線と、
第1方向とは反向する第2方向(たとえば右曲線)の後
段曲線とが連続する連続曲線であるとき、図6では「連
続」と記載されており、反向曲線でないときには、すな
わち各曲線間に直線が介在しているときには、図6にお
いて「非連続」と記載されてストアされる。
【0042】図7は、図1に示される本発明の実施の一
形態の動作を説明するための図である。図7(a)に示
されるように、車両5は、S字カーブである反向曲線を
走行するものとする。先行技術では、図7(b)に示さ
れるように、制御手段33の働きによって、傾斜角γの
指令値は、加速度センサ35によって検出される車体水
平方向遠心力をフィルタ37を介して傾斜角算出手段3
8にフィードバックすることによって求め、車高制御手
段41の働きによって、空気ばね19,20に強制的に
給排気することによって、車高を調整する。その結果、
従来では、図7(c)に示されるように、連続した反向
曲線の走行時、前段曲線の傾斜応答遅れD1によって、
後段曲線の傾斜応答遅れD2がさらに大きくなる(D1
<D2)。
【0043】この問題を解決するために本発明の実施の
一形態では、図7(d)に示されるように曲線検出回路
12は図8に示される動作によって傾斜角γの指令値を
発生し、これによって車体8は図7(e)に示されるよ
うに傾斜される。本発明の補償の考え方によれば、前段
曲線と後段曲線との接続部分よりも走行方向上流側であ
る前段曲線の予め定める位置で、時刻t4で接続部分に
到達するまでに、車体8の床面34がレール面傾斜角α
にほぼ等しくなるように空気ばね19,20を制御す
る。図7(d)では、本曲線の終端の時刻t3よりも走
行方向上流側に距離Lに到達した時刻t9で、傾斜角γ
の指令値を時刻t4よりも先の時刻t10で零となるよ
うにたとえば直線状に戻し始める。
【0044】図8は、曲線検出回路12の動作を説明す
るためのフローチャートである。ステップa1において
車両5が始発駅を発車したことが発車検出回路54によ
って検出されると、積分回路51とカウンタ53とがリ
セットされる。ステップa2において曲線が検出され、
その曲線検出信号がライン32から導出されると、カウ
ンタ53によってその曲線が計数される。曲線検出回路
12は、カウンタ53の計数値に対応するメモリ55に
ストアされた曲線番号56を判断して読出す。このメモ
リ55からは、その曲線番号56に対応するS字データ
57と距離58とをステップa3で読出す。
【0045】ステップa4では、現在走行中の曲線がS
カーブであるか、すなわちS字データ57が「連続」で
あるかどうかを判断する。S字データ57が「連続」で
あるとき、すなわちSカーブであるときには、図7の時
刻t1で積分回路51を一旦、リセットし、そのSカー
ブの前段曲線の入口部、すなわち始端からの走行距離を
求めてライン52に導出する。ステップa6では、車両
5の走行位置が、後段曲線の入口部、すなわち後段曲線
の始点から予め定める距離L前である予め定める位置に
到達したかどうかが判断される。この予め定める位置に
時刻t9において到達したときには、傾斜角γの指令値
を図7(b)に示されるように時刻t10で零となるよ
うに水平に、すなわち床面34が角度αに等しくなるよ
うに、時間経過に伴ってたとえば本曲線中で戻し始め
る。ステップa8において傾斜角γの指令値が水平に戻
ったかどうかが判断される。車高検出手段42,43に
よって検出される車高値が等しいときには、床面34が
角度αに等しくなって水平に戻ったものと判断する。こ
うして前段曲線と後段曲線との接続部分では、車体8の
床面34は水平となっている。そこで次のステップa9
では、後段曲線における傾斜角指令値を算出して、前述
の時刻t1以降と同様にして車体傾斜制御を行う。
【0046】ステップa4において現在、走行中の曲線
がSカーブでないものと判断されたときには、ステップ
a9に移る。
【0047】図9は、横軸に曲率ρ、縦軸に曲率微分d
ρ/dtをとって2次元表示したグラフである。曲率ρ
に関して、正および負の閾値th1、th2がそれぞれ
設定されており、閾値th1、th2は必ずしも一致し
ていなくてもよい。また、曲率微分dρ/dtに関し
て、閾値Th3、th4が設定されている。
【0048】このグラフにおいて、1)−th1<ρ<
th1、または−th2<ρ<th2の領域は直線、
2)ρ≧th1、およびdρ/dt≧th3の領域は右
入口緩和曲線、3)ρ≧th1、ρ≧th2およびth
3<dρ/dt<th4の領域は右本曲線、4)ρ≧t
h2、およびdρ/dt≦th4の領域は右出口緩和曲
線、5)ρ≦−th1、およびdρ/dt≧th3の領
域は左入口緩和曲線、6)ρ≦−th1、ρ≦−th
2、およびth3<dρ/dt<th4の領域は左本曲
線、7)ρ≦−th2、およびdρ/dt≦th4の領
域は左出口緩和曲線、にそれぞれ分類することができ
る。
【0049】たとえば、図4(a)の線路上を鉄道車両
1が走行する場合、線路状態を示す座標(ρ、dρ/d
t)は地点Aから手前でρ=0、dρ/dt=0の原点
に位置しており、地点Aに進入すると次第に右斜め上方
に移動して、閾値th1と交差する点aで右入口緩和曲
線の領域に入って右回りに回転して、次に閾値th3と
交差する点bで右本曲線の領域に入る。さらに、鉄道車
両1が右本曲線を走行している間は、座標(ρ、dρ/
dt)は曲率ρ=一定値で、曲率微分dρ/dt=0に
留まり、地点Cにさしかかると閾値th4と交差する点
cで右出口緩和曲線の領域に入って右回りに回転し、次
に閾値th2と交差する点dで直線領域に入ってから地
点Dを通過する時点で、原点に戻る。こうして線路状態
を示す座標(ρ、dρ/dt)の軌跡を調べることによ
って、線路の状態を認識することが可能になる。図5に
関しても同様である。
【0050】図10は、曲線検出回路12の動作を示す
フローチャートである。ヨーレートセンサ10からの角
速度ωおよび車速センサ11からの走行速度vに基づい
て線路の曲率ρを算出し、その時間微分である曲率微分
dρ/dtも演算した後、まずステップs1において曲
率ρ≧0か否かを判定し、すなわち線路が右カーブか左
カーブかを判別する。なお、ここでは右カーブのとき曲
率ρが正の値となる例を説明している。
【0051】ρ≧0であれば、ステップs2に移行して
曲率微分dρ/dt≧0か否かを判定し、すなわち線路
が緩和曲線であるかを判別する。dρ/dt≧0であれ
ば、ステップs3に移行して曲率ρ≧th1か否かを判
定し、曲率ρが閾値th1より小さければ現在位置の線
路は直線部分であると判断した後、次の測定のためにス
タートへ戻る。ステップs3において、曲率ρが閾値t
h1以上であれば、次のステップs4で曲率微分dρ/
dt≧th3か否かを判定し、曲率微分dρ/dtが閾
値th3より小さければ現在位置の線路が右本曲線であ
ると判断した後、スタートへ戻る。また、曲率微分dρ
/dtが閾値th3以上であれば、右入口緩和曲線であ
ると判断してスタートへ戻る。
【0052】ステップs2において曲率微分dρ/dt
が負の値であればステップs5へ移行して、曲率ρ≧t
h2か否かを判定し、曲率ρが閾値th2より小さけれ
ば現在位置の線路は直線部分であると判断した後、スタ
ートへ戻る。また、曲率ρが閾値th2以上であれば、
次のステップs6で曲率微分dρ/dt≦th4か否か
を判定し、曲率微分dρ/dtが閾値th4より大きけ
れば現在位置の線路が右本曲線であると判断した後、ス
タートへ戻る。また、曲率微分dρ/dtが閾値th4
以下であれば、右出口緩和曲線であると判断してスター
トへ戻る。
【0053】左カーブについても同様に、ステップs1
においてρ≧0でなければ(すなわちρ<0であれ
ば)、ステップs7に移行して曲率微分dρ/dt≦0
か否かを判定し、すなわち線路が緩和曲線であるかを判
別する。dρ/dt≦0であれば、ステップs8に移行
して曲率ρ≦−th2か否かを判定し、曲率ρが閾値−
th2より大きければ現在位置の線路は直線部分である
と判断した後、次の測定のためにスタートへ戻る。ステ
ップs8において、曲率ρが閾値−th2以下であれ
ば、次のステップs9で曲率微分dρ/dt≦th4か
否かを判定し、曲率微分dρ/dtが閾値th3より大
きければ現在位置の線路が左本曲線であると判断した
後、スタートへ戻る。また、曲率微分dρ/dtが閾値
th4以下であれば、左入口緩和曲線であると判断して
スタートへ戻る。
【0054】ステップs7において曲率微分dρ/dt
が0より大きければステップs10へ移行して、曲率ρ
≦−th1か否かを判定し、曲率ρが閾値−th1より
大きければ現在位置の線路は直線部分であると判断した
後、スタートへ戻る。また、曲率ρが閾値−th1以下
であれば、次のステップs11で曲率微分dρ/dt≦
th3か否かを判定し、曲率微分dρ/dtが閾値th
3より小さければ現在位置の線路が左本曲線であると判
断した後、スタートへ戻る。また、曲率微分dρ/dt
が閾値th3以上であれば、左出口緩和曲線であると判
断してスタートへ戻る。
【0055】こうして曲率ρおよび曲率微分dρ/dt
の値を各閾値と比較することによって、座標(ρ、dρ
/dt)が図9のどの領域に位置するかを判断すること
ができる。
【0056】図11は、車両5における空気ばね19,
20に関連する構成を簡略化して示す断面図である。コ
ンプレッサ21からの圧縮空気は、空気溜22に貯留さ
れた後、分岐して給気弁23,24を経由して空気ばね
19,20に送られる。余分な圧力は、排気弁25,2
6を経由して大気に放出される。給気弁23,24およ
び排気弁25,26は、電磁弁から構成される。車高検
出手段42,43が設置され、車両5が曲線を走行する
際に発生する超過遠心力によって空気ばね19,20が
過度に変形して車体8の下部と台車50の台車枠9との
接触によるいわゆる底づき現象が発生することを防ぐた
めに、本発明では、これらの空気ばね19,20が潰れ
てしまわないように、車高フィードバック制御が車高制
御手段41によって行われる。
【0057】
【発明の効果】請求項1の本発明によれば、メモリに
は、走行路線の曲線の番号とS字データと前段曲線の距
離とをストアしておけばよく、したがってそのメモリの
容量はわずかでよく、これによって反向曲線の後段曲線
に入る入口付近での車体の傾斜駆動制御を高精度に行
い、たとえば乗客が横方向の力を感じることを防いで、
乗り心地を向上することができる。
【0058】また本発明によれば、距離計測手段は、反
向曲線の前段曲線における始端からの車両の走行距離を
計測すればよく、したがって長距離にわたる走行距離を
計測する必要はなく、これによって計測ノイズなどの悪
影響による累積誤差の発生を抑制し、前段曲線と後段曲
線との接続部分から走行方向上流側における予め定める
位置を正確に検出して、前記接続部分では車体の床面が
レール面傾斜角αにほぼ等しくなるように車体傾斜駆動
手段を制御することができる。これによって後段曲線の
入口付近での傾斜制御遅れを補償することができる。
【0059】請求項2の本発明によれば、曲線を検出す
るために、ヨーレートセンサおよび速度センサを用いる
ので、従来のように膨大な線路データを収集してメモリ
にストアする必要がなく、大容量のメモリを必要としな
い。また車両の走行位置を検出する必要がなく、車両の
傾斜駆動の誤動作を生じるおそれはない。
【0060】請求項3の本発明によれば、車両の車体の
緩衝をするための空気ばねを用いて、車両の床面に平行
な加速度が零またはほぼ零となるように、車体の左右の
傾斜角γを算出して電磁弁を開閉制御し、車高制御を行
うようにしたので、前述のように車両の乗客に体感され
る横方向加速度を打ち消すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の全体の構成を簡略化し
て示すブロック図である。
【図2】車両5の曲線走行状態を示す簡略化した断面図
である。
【図3】本発明の原理を示す説明図である。
【図4】図4(a)は右曲線の鉄道線路の平面形状の一
例を示す平面図であり、図4(b)は図4(a)に対応
する曲率ρを示すグラフ、図4(c)は図4(a)に対
応する曲率微分dρ/dtを示すグラフである。
【図5】図5(a)は左曲線の鉄道線路の平面形状の一
例を示す平面図であり、図5(b)は図5(a)に対応
する曲率ρを示すグラフ、図5(c)は図5(a)に対
応する曲率微分dρ/dtを示すグラフである。
【図6】メモリ55の構成を示す図である。
【図7】本発明の装置の動作を説明するための図であ
る。
【図8】曲線検出回路12の動作を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図9】横軸に曲率ρ、縦軸に曲率微分dρ/dtをと
って2次元表示したグラフである。
【図10】曲線検出回路12の動作を示すフローチャー
トである。
【図11】車両5における空気ばね19,20に関連す
る構成を簡略化して示す断面図である。
【符号の説明】
4 編成列車 5 車両 8 車体 9 台車枠 10 ヨーレートセンサ 11 速度センサ 12 曲線検出回路 14 ゲート 17,18 車輪 19,20 空気ばね 21 コンプレッサ 22 空気溜 23,24 給気弁 25,26 排気弁 27 レール 28 線路 31,37 フィルタ 33 制御手段 34 床面 35 加速度センサ 38 傾斜角算出手段 39 加速度指令値設定手段 41 車高制御手段 42,43 車高検出手段 50 台車 51 積分回路 53 カウンタ 54 発車検出回路 55 メモリ 56 曲線番号 57 S字データ 58 距離
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】他の先行技術は、特開平7−309234
である。この先行技術では、走行路線情報が予め判って
いる車体傾斜制御において、先行制御を行うために、走
行路線の曲率半径およびカント量から算出される必要な
車体傾斜角の微分値をアクチュエータの操作量として使
用する。このアクチュエータによって、車体を左右に傾
斜する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)線路の
曲線を検出する曲線検出手段と、(b)車両の走行距離
を計測する距離計測手段と、(c)メモリであって、予
め定める始点からの線路の曲線の番号と、第1方向の前
段曲線と、第1方向とは反向する第2方向の後段曲線と
が連続する連続曲線であることを表す前段曲線に対応す
るS字データと、前記前段曲線の走行方向の距離とを記
憶するメモリと、(d)車体を左右に傾斜するように駆
動する車体傾斜駆動手段と、(e)曲線検出手段の出力
に応答し、前記始点からの曲線を計数するカウンタと、
(f)制御手段であって、距離計測手段とカウンタとの
出力に応答し、メモリから、計測された曲線の番号に対
応するS字データと、前段曲線の走行方向の距離とを読
出し、前段曲線の後段曲線との接続部分よりも走行方向
上流側の前段曲線の途中で前段曲線の終了を予測すべき
予め定める位置に到達するまでの前段曲線の走行中、お
よび後段曲線の走行中、重力の床面平行成分と遠心力の
床面平行成分とが釣り合うように車体傾斜駆動手段を駆
動制御し、前記予め定める位置から前記接続部分までの
前段曲線の走行中、前記接続部分に到達した時点で車体
の床面がレール面傾斜角にほぼ等しくなるように車体傾
斜駆動手段を制御して、時間経過に伴って車体の左右の
傾斜角γを小さくする制御手段とを含むことを特徴とす
る鉄道車両の車体傾斜制御装置である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明に従えば、メモリに予めストアして
ある曲線の番号と、反向曲線であることを表すS字デー
タと、前段曲線の距離とをストアしておけばよく、この
ようなメモリにストアされる情報は、従来からほとんど
の路線で線路敷設時に既に実際に計測されて収集されて
いる。したがって本発明の実施のためにそのようなデー
タを再度、計測する必要がなく、本発明の実施が容易で
ある。用語「ストア」は、メモリに記憶する意味を表わ
す。用語「距離」は、線路の走行方向の距離を表わす。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】こうしてメモリに予めストアしておいた曲
線情報、すなわち上述のように曲線の番号とS字データ
と前段曲線の距離とに基づき、前段曲線の途中の予め定
める位置で、前段曲線の終了を予測し、事前に車体傾斜
を水平に、すなわち車体の左右の傾斜角γを小さくする
ように、戻し始めることによって、連続した後段曲線に
おける車体傾斜制御遅れ補償を行う。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】また本発明は、車体傾斜駆動手段は、台車
の左右で車体を昇降駆動する空気ばねと、空気ばねに圧
縮空気を供給または排気する電磁弁とを有し、制御手段
は、車両に設けられ、車体の床面に平行な加速度を検出
する加速度センサと、加速度センサの出力に応答し、そ
の検出加速度がほぼ零となるための車体の左右の傾斜角
γを算出する傾斜角算出手段と、傾斜角算出手段の出力
に応答し、電磁弁を制御する車高制御手段とを有するこ
とを特徴とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇野 知之 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 村上 清 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番18 号 川崎重工業株式会社兵庫工場内 (72)発明者 山田 忠 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番18 号 川崎重工業株式会社兵庫工場内 (72)発明者 柿沼 博彦 北海道札幌市中央区宮ノ森4条13丁目7− 12 (72)発明者 野田 勝美 北海道札幌市手稲区稲穂4条3丁目117− 186 (72)発明者 後藤 昭祐 北海道札幌市東区北7条18丁目1−11− 302 (72)発明者 佐藤 頼光 北海道江別市文京台南町30番の11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)線路の曲線を検出する曲線検出手
    段と、 (b)車両の走行距離を計測する距離計測手段と、 (c)メモリであって、 予め定める始点からの線路の曲線の番号と、 第1方向の前段曲線と、第1方向とは反向する第2方向
    の後段曲線とが連続する連続曲線であることを表す前段
    曲線に対応するS字データと、前記前段曲線の距離とを
    ストアするメモリと、 (d)車体を左右に傾斜するように駆動する車体傾斜駆
    動手段と、 (e)曲線検出手段の出力に応答し、前記始点からの曲
    線を計数するカウンタと、 (f)制御手段であって、 距離計測手段とカウンタとの出力に応答し、 メモリから、計測された曲線の番号に対応するS字デー
    タと、前記曲線の距離とを読出し、 前段曲線の後段曲線との接続部分よりも走行方向上流側
    の予め定める位置に到達するまでの前段曲線の走行中、
    および後段曲線の走行中、重力の床面平行成分と遠心力
    の床面平行成分とが釣り合うように車体傾斜駆動手段を
    駆動制御し、前記予め定める位置から前記接続部分まで
    の前段曲線の走行中、前記接続部分に到達した時点で車
    体の床面がレール面傾斜角にほぼ等しくなるように車体
    傾斜駆動手段を制御して、時間経過に伴って車体の左右
    の傾斜角γを小さくする制御手段とを含むことを特徴と
    する鉄道車両の車体傾斜制御装置。
  2. 【請求項2】 曲線検出手段は、 車体のヨーイング方向の角速度ωを検出するヨーレート
    センサと、 車両の走行速度vを検出する速度センサと、 ヨーレートセンサと速度センサとからの出力に応答し、
    線路の曲線を判別して制御手段に与える曲線判別手段と
    を有することを特徴とする請求項1記載の鉄道車両の車
    体傾斜制御装置。
  3. 【請求項3】 車体傾斜駆動手段は、 台車の左右で車体を昇降駆動する空気ばねと、 空気ばねに圧縮空気を供給/排気する電磁弁とを有し、 制御手段は、 車両に設けられ、車体の床面に平行な加速度を検出する
    加速度センサと、 加速度センサの出力に応答し、その検出加速度がほぼ零
    となるための車体の左右の傾斜角γを算出する傾斜角算
    出手段と、 傾斜角算出手段の出力に応答し、電磁弁を制御する車高
    制御手段とを有することを特徴とする請求項1または2
    記載の鉄道車両の車体傾斜制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2009241722A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Railway Technical Res Inst 振子車両の車体傾斜角の制御方法及び振子車両の車体傾斜角の制御システム
JP2015174540A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 新日鐵住金株式会社 鉄道車両の車上アタック角測定方法及び装置

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