JP3015725B2 - 鉄道線路状態検知装置および方法ならびに車体姿勢制御装置 - Google Patents

鉄道線路状態検知装置および方法ならびに車体姿勢制御装置

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JP3015725B2
JP3015725B2 JP8021267A JP2126796A JP3015725B2 JP 3015725 B2 JP3015725 B2 JP 3015725B2 JP 8021267 A JP8021267 A JP 8021267A JP 2126796 A JP2126796 A JP 2126796A JP 3015725 B2 JP3015725 B2 JP 3015725B2
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railway
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武憲 檜野
知之 宇野
清 村上
忠 山田
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Kawasaki Motors Ltd
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道線路の曲線部
分を検知することができる鉄道車両ならびに鉄道線路の
曲線検知装置および方法に関し、さらに鉄道線路の曲線
部分を検知して車体の姿勢を制御する車体姿勢制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】先行技術の一例として、特開平6−10
7172号公報があり、加速度センサ、傾斜角度セン
サ、速度発電機、標識検出器を搭載した測定車両を軌道
上で何回も往復して、床面左右定常加速度、走行速度、
車体傾斜角度を測定し、走行毎に曲率半径、カント量を
算出するようにして、走行距離に対応した線路データを
先行収集しておいて、実際の車両走行時における車体制
御用のデータとして使用するようにした曲線情報算出方
法および車体傾斜制御方法が開示されている。
【0003】他の先行技術として、特開平7−1089
33号公報があり、地上水平面に対する車体の傾斜角検
出器と、車体床面平行左右方向の加速度検出器と、車輪
の回転数検出器と、これら検出器からの検出信号を予め
入力・記録している線路データと比較・演算する制御装
置を備えた鉄道車両において、車体の傾斜角と車体の左
右方向加速度より算出した曲率半径および車輪回転数よ
り積算した走行距離に基づく車両の走行位置を、線路デ
ータの曲率半径および曲線位置と比較し、線路データ中
に該当する曲線がある場合に、車輪回転数より積算した
走行位置d1と線路データの曲線位置D1との差を補正
量として車両の走行位置を補正するようにした鉄道車両
の走行位置補正方法が開示されている。
【0004】このように鉄道線路の始発駅からの走行距
離と線路敷設状況(直線部分か曲線部分か)の関係を線
路データとして大容量の記憶装置に予め格納しておい
て、現在の走行位置に対応する線路データを読み出すこ
とによって、鉄道線路の曲線検知を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来は、始発駅からの
走行距離を基準にして線路データを特定している。この
走行距離を検出する方法として、1)鉄道車両に設置さ
れた速度発電機から得られる走行速度データを時間積分
して算出する方法、2)車輪の回転数を積算する方法、
などが用いられている。
【0006】しかし、これらの方法では、計測ノイズな
どによる累積誤差の発生が不可避であり、走行距離が長
くなるほど走行位置の誤差が大きくなる。そのため、曲
線部分を特定する精度には自ずと限界がある。したがっ
て、始発駅からだけでなく、途中に基準補正用の標識を
設置して、走行距離のリセットを行う必要があるが、演
算処理が複雑になる。
【0007】また、線路データは全ての鉄道網について
収集する必要があり、極めて膨大なデータ量になるおそ
れがあり、線路データを格納する記憶装置の規模も大型
化する。さらに、測定車によるデータ収集時における線
路形状が工事などで変更されると、工事の度にデータ収
集を行う必要がある。
【0008】本発明の目的は、鉄道線路状態をリアルタ
イムで精度良く検出できる鉄道線路状態検知装置および
方法を提供することである。
【0009】また本発明の目的は、鉄道線路状態をリア
ルタイムで検知して、最適な車体姿勢を保持できる車体
姿勢制御装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、鉄道車両にお
いて台車から空気バネで弾性支持された車体に搭載され
たセンサからの信号に基づいて、鉄道線路の曲率ρを算
出する曲率算出手段と、曲率算出手段で得られた曲率の
時間微分dρ/dtを算出する時間微分算出手段と、曲
率ρおよび時間微分dρ/dtから成る2次元座標が複
数の線路状態領域に予め区分され、曲率算出手段で算出
した曲率ρおよび時間微分算出手段で算出した曲率の時
間微分dρ/dtから成る座標(ρ、dρ/dt)の位
置を調べることによって、現在の走行位置における鉄道
線路状態を判別する線路状態判別手段とを備えたことを
特徴とする鉄道線路状態検知装置である。本発明に従え
ば、曲率ρおよび時間微分dρ/dtから成る2次元座
標を複数の線路状態領域に予め区分しておいて、曲率算
出手段で算出した曲率ρおよび時間微分算出手段で算出
した曲率の時間微分dρ/dtから成る座標(ρ、dρ
/dt)の位置を調べることによって、現在の走行位置
における鉄道線路状態、たとえば直線、右入口緩和曲
線、右本曲線、右出口緩和曲線、左入口緩和曲線、左本
曲線、左出口緩和曲線をリアルタイムで確実に判別でき
る。また本発明は、鉄道車両において台車から空気バネ
で弾性支持された車体に搭載されたセンサからの信号に
基づいて、鉄道線路の曲率ρを算出する工程と、曲率算
出手段で得られた曲率の時間微分dρ/dtを算出する
工程と、曲率ρおよび時間微分dρ/dtから算出する
工程と、曲率ρおよび時間微分dρ/dtから成る2次
元座標を複数の線路状態領域に予め区分しておいて、算
出した曲率ρおよび曲率の時間微分dρ/dtから成る
座標(ρ、dρ/dt)の位置を調べることによって、
現在の走行位置における鉄道線路状態を判別する工程と
を備えたことを特徴とする鉄道線路状態検知方法であ
る。本発明に従えば、曲率ρおよび時間微分dρ/dt
から成る2次元座標を複数の線路状態領域に予め区分し
ておいて、算出した曲率ρおよび曲率の時間微分dρ/
dtから成る座標(ρ、dρ/dt)の位置を調べるこ
とによって、現在の走行位置における鉄道線路状態、た
とえば直線、右入口緩和曲線、右本曲線、右出口緩和曲
線、左入口緩和曲線、左本曲線、左出口緩和曲線をリア
ルタイムで確実に判別できる。
【0011】また本発明は、鉄道車両において台車から
空気バネで弾性支持された車体に搭載されたセンサから
の信号に基づいて、鉄道線路の曲率ρを算出する曲率算
出手段と、曲率算出手段で得られた曲率の時間微分dρ
/dtを算出する時間微分算出手段と、曲率ρおよび時
間微分dρ/dtから成る2次元座標が複数の線路状態
領域に予め区分され、曲率算出手段で算出した曲率ρお
よび時間微分算出手段で算出した曲率の時間微分dρ/
dtから成る座標(ρ、dρ/dt)の位置を調べるこ
とによって、現在の走行位置における鉄道線路状態を判
別する線路状態判別手段と、線路状態判別手段で得られ
た鉄道線路状態に基づいて、車体の姿勢を制御する姿勢
制御手段とを備えたことを特徴とする車体姿勢制御装置
である。本発明に従えば、曲率ρおよび時間微分dρ/
dtから成る2次元座標を複数の線路状態領域に予め区
分しておいて、曲率算出手段で算出した曲率ρおよび時
間微分算出手段で算出した曲率の時間微分dρ/dtか
ら成る座標(ρ、dρ/dt)の位置を調べることによ
って、現在の走行位置における鉄道線路状態、たとえば
直線、右入口緩和曲線、右本曲線、右出口緩和曲線、左
入口緩和曲線、左本曲線、左出口緩和曲線をリアルタイ
ムで確実に判別できる。さらに、現在の走行位置が線路
の曲線部分にあるか否かを判定し、車体の姿勢制御に直
ちに反映させることが可能になる。鉄道車両が曲線部分
に進入している場合には車体の姿勢を曲率中心側へ傾斜
させることによって、遠心力の影響を緩和することが可
能になる。現在位置の線路が直線部分である場合、姿勢
制御手段の動作を停止するように構成してもよい。
【0012】また本発明は、鉄道車両において台車から
空気バネで弾性支持された車体に搭載されたセンサから
の信号に基づいて、鉄道線路の曲率ρを算出する曲率算
出手段と、曲率算出手段で得られた曲率の時間微分dρ
/dtを算出する時間微分算出手段と、曲率ρおよび時
間微分dρ/dtから成る2次元座標が複数の線路状態
領域に予め区分され、曲率算出手段で算出した曲率ρお
よび時間微分算出した曲率の時間微分dρ/dtから成
る座標(ρ、dρ/dt)の位置を調べることによっ
て、現在の走行位置における鉄道線路状態を判別する線
路状態判別手段と、線路状態判別手段で得られた鉄道線
路状態に基づいて、車体の姿勢を制御する姿勢制御手段
とを備え、前記姿勢制御手段は、車体と台車との間に設
けられた左右一対の車高検知装置と、車体と台車との間
に設けられた左右一対の空気バネと、空気バネの圧力を
供給する圧縮空気供給機構とを備え、車高検知装置が検
出した車体の姿勢に基づいて、各空気バネの圧力をそれ
ぞれ制御して車高制御を行うことを特徴とする車体姿勢
制御装置である。本発明に従えば、曲率ρおよび時間微
分dρ/dtから成る2次元座標を複数の線路状態領域
に予め区分しておいて、曲率算出手段で算出した曲率ρ
および時間微分算出手段で算出した曲率の時間微分dρ
/dtから成る座標(ρ、dρ/dt)の位置を調べる
ことによって、現在の走行位置における鉄道線路状態、
たとえば直線、右入口緩和曲線、右本曲線、右出口緩和
曲線、左入口緩和曲線、左本曲線、左出口緩和曲線をリ
アルタイムで確実に判別できる。さらに、現在の走行位
置が線路の曲線部分にあるか否かを判定し、車体の姿勢
制御に直ちに反映させることが可能になる。鉄道車両が
曲線部分に進入している場合には車体の姿勢を曲率中心
側へ傾斜させることによって、遠心力の影響を緩和する
ことが可能になる。現在位置の線路が直線部分である場
合、姿勢制御手段の動作を停止するように構成してもよ
い。 また、姿勢制御手段として左右一対の車高検知装置が検
出した車体の姿勢に基づいて、左右一対の空気バネの圧
力をそれぞれ制御して車高制御を行うことによって、簡
単な構成で乗り心地の改善が図られる。
【0013】また本発明は、線路状態判別手段が現在の
線路状態を曲線と判別したときは車高制御を行い、直線
路と判別したときは車高制御を停止することを特徴とす
る。本発明に従えば、直線路を走行しているときに車高
制御を停止することによって、車体振動による影響を解
消でき、部品の寿命を延ばすことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る原理を示す
説明図である。鉄道車両には、鉄道車両のヨー方向の角
速度ωを検出するためのヨーレートセンサ10と、鉄道
車両の走行速度vを検出するための車速センサ11と、
角速度ωおよび走行速度vに基づいて鉄道線路の曲率を
算出して曲線状態を判断する曲線検知装置12が搭載さ
れている。
【0015】曲線検知装置12は、得られた角速度ωお
よび走行速度vに基づいて所定の演算式、ρ=ω/vに
代入することによって、線路の曲率ρを算出する。さら
に、得られた曲率ρを時間微分するこによって曲率微分
dρ/dtを算出する。これらの曲率ρおよび曲率微分
dρ/dtの大きさや正負を判定することによって、走
行位置における線路の状態、たとえば直線、右曲線、左
曲線、入口緩和曲線、本曲線、出口緩和曲線などを判別
する。
【0016】図2は、本発明の実施の一形態を示す構成
図である。鉄道車両1は、人や荷物を搭載する車体2
と、車輪によって支持される台車3と、車体2と台車と
を弾性支持するための空気バネ16などで構成されてい
る。
【0017】車体2の天井付近には、ヨーレートジャイ
ロ等から成るヨーレートセンサ10が取付けられてい
る。台車3には、車輪の軸の回転速度を検出する速度発
電機等の車速センサ11と、車体の傾斜角度を検出する
ために一定間隔離れて設置された左右一対の車高検知装
置15などが取付けられている。
【0018】ヨーレートセンサ10から出力される角速
度ωおよび車速センサ11から出力される走行速度v
は、曲線検知装置12に入力され、現在の走行位置にお
ける線路の状態を判別する。
【0019】一方、車体姿勢制御装置13は、車高検知
装置15から出力される車高情報に基づいて空気バネ1
6の高さ制御を行い、車体2が所望の姿勢を保持するよ
うに制御している。車体姿勢制御装置13と空気バネ1
6との間には、曲線検知装置12からの指令信号によっ
て動作するゲート14が介在しており、たとえば線路が
直線である場合には車体姿勢制御を停止するように機能
する。
【0020】図3(a)は鉄道線路の平面形状の一例を
示す平面図であり、図3(b)は図3(a)に対応する
曲率ρを示すグラフ、図3(c)は図3(a)に対応す
る曲率微分dρ/dtを示すグラフである。図3(a)
において、鉄道車両1が鉄道線路5を地点A〜地点Dの
順番で通過しており、鉄道線路5は、図3(b)に示す
ように、1)地点Aから手前は曲率ρ=0である直線部
分、2)地点A〜地点Bの範囲は曲率ρが0から徐々に
変化する入口緩和曲線部分、3)地点B〜地点Cの範囲
は一定の曲率ρを持つ本曲線部分、4)地点C〜地点D
の範囲は曲率ρが一定値から0に向けて徐々に変化する
出口緩和曲線部分、5)地点Dから以降は曲率ρ=0で
ある直線部分、となる形状を例示している。
【0021】図3(b)に示すように、線路状態に応じ
た区間を特定するために、入口緩和曲線部分で閾値th
1が設定され、出口緩和曲線部分で閾値th2が設定さ
れている。
【0022】図3(c)は、図3(b)のグラフを微分
したものであり、曲率ρが時間変化しない範囲、すなわ
ち地点Aの手前、地点B〜地点C、および地点D以降に
おいて曲率微分dρ/dt=0となる。また、地点A〜
地点Bにおいて上に凸のピークが現われ、地点C〜地点
Dにおいて下に凸のピークが現われる。
【0023】図3(c)においても同様に、線路状態に
応じた区間を特定するために、入口緩和曲線部分で閾値
th3が設定され、出口緩和曲線部分で閾値th4が設
定されている。
【0024】図4は、横軸に曲率ρ、縦軸に曲率微分d
ρ/dtをとって2次元表示したグラフである。曲率ρ
に関して、正および負の閾値th1、th2がそれぞれ
設定されており、閾値th1、th2は必ずしも一致し
ていなくてもよい。また、曲率微分dρ/dtに関し
て、閾値Th3、th4が設定されている。
【0025】このグラフにおいて、1)−th1<ρ<
th1、または−th2<ρ<th2の領域は直線、
2)ρ≧th1、およびdρ/dt≧th3の領域は右
入口緩和曲線、3)ρ≧th1、ρ≧th2およびth
3<dρ/dt<th4の領域は右本曲線、4)ρ≧t
h2、およびdρ/dt≦th4の領域は右出口緩和曲
線、5)ρ≦−th1、およびdρ/dt≧th3の領
域は左入口緩和曲線、6)ρ≦−th1、ρ≦−th
2、およびth3<dρ/dt<th4の領域は左本曲
線、7)ρ≦−th2、およびdρ/dt≦th4の領
域は左出口緩和曲線、にそれぞれ分類することができ
る。
【0026】たとえば、図3(a)の線路上を鉄道車両
1が走行する場合、線路状態を示す座標(ρ、dρ/d
t)は地点Aから手前でρ=0、dρ/dt=0の原点
に位置しており、地点Aに進入すると次第に右斜め上方
に移動して、閾値th1と交差する点aで右入口緩和曲
線の領域に入って右回りに回転して、次に閾値th3と
交差する点bで右本曲線の領域に入る。さらに、鉄道車
両1が右本曲線を走行している間は、座標(ρ、dρ/
dt)は曲率ρ=一定値で、曲率微分dρ/dt=0に
留まり、地点Cにさしかかると閾値th4と交差する点
cで右出口緩和曲線の領域に入って右回りに回転し、次
に閾値th2と交差する点dで直線領域に入ってから地
点Dを通過する時点で、原点に戻る。こうして線路状態
を示す座標(ρ、dρ/dt)の軌跡を調べることによ
って、線路の状態を認識することが可能になる。
【0027】図5は、曲線検知装置12の動作を示すフ
ローチャートである。ヨーレートセンサ10からの角速
度ωおよび車速センサ11からの走行速度vに基づいて
線路の曲率ρを算出し、その時間微分である曲率微分d
ρ/dtも演算した後、まずステップs1において曲率
ρ≧0か否かを判定し、すなわち線路が右カーブか左カ
ーブかを判別する。なお、ここでは右カーブのとき曲率
ρが正の値となる例を説明している。
【0028】ρ≧0であれば、ステップs2に移行して
曲率微分dρ/dt≧0か否かを判定し、すなわち線路
が緩和曲線であるかを判別する。dρ/dt≧0であれ
ば、ステップs3に移行して曲率ρ≧th1か否かを判
定し、曲率ρが閾値th1より小さければ現在位置の線
路は直線部分であると判断した後、次の測定のためにス
タートへ戻る。ステップs3において、曲率ρが閾値t
h1以上であれば、次のステップs4で曲率微分dρ/
dt≧th3か否かを判定し、曲率微分dρ/dtが閾
値th3より小さければ現在位置の線路が右本曲線であ
ると判断した後、スタートへ戻る。また、曲率微分dρ
/dtが閾値th3以上であれば、右入口緩和曲線であ
ると判断してスタートへ戻る。
【0029】一方、ステップs2において曲率微分dρ
/dtが負の値であればステップs5へ移行して、曲率
ρ≧th2か否かを判定し、曲率ρが閾値th2より小
さければ現在位置の線路は直線部分であると判断した
後、スタートへ戻る。また、曲率ρが閾値th2以上で
あれば、次のステップs6で曲率微分dρ/dt≦th
4か否かを判定し、曲率微分dρ/dtが閾値th4よ
り大きければ現在位置の線路が右本曲線であると判断し
た後、スタートへ戻る。また、曲率微分dρ/dtが閾
値th4以下であれば、右出口緩和曲線であると判断し
てスタートへ戻る。
【0030】左カーブについても同様に、ステップs1
においてρ≧0でなければ、ステップs7に移行して曲
率微分dρ/dt≦0か否かを判定し、すなわち線路が
緩和曲線であるかを判別する。dρ/dt≦0であれ
ば、ステップs8に移行して曲率ρ≦−th2か否かを
判定し、曲率ρが閾値−th2より大きければ現在位置
の線路は直線部分であると判断した後、次の測定のため
にスタートへ戻る。ステップs8において、曲率ρが閾
値−th2以下であれば、次のステップs9で曲率微分
dρ/dt≦th4か否かを判定し、曲率微分dρ/d
tが閾値th3より大きければ現在位置の線路が左本曲
線であると判断した後、スタートへ戻る。また、曲率微
分dρ/dtが閾値th4以下であれば、左入口緩和曲
線であると判断してスタートへ戻る。
【0031】一方、ステップs7において曲率微分dρ
/dtが0より大きければステップs10へ移行して、
曲率ρ≦−th1か否かを判定し、曲率ρが閾値−th
1より大きければ現在位置の線路は直線部分であると判
断した後、スタートへ戻る。また、曲率ρが閾値−th
1以下であれば、次のステップs11で曲率微分dρ/
dt≦th3か否かを判定し、曲率微分dρ/dtが閾
値th3より小さければ現在位置の線路が左本曲線であ
ると判断した後、スタートへ戻る。また、曲率微分dρ
/dtが閾値th3以上であれば、左出口緩和曲線であ
ると判断してスタートへ戻る。
【0032】こうして曲率ρおよび曲率微分dρ/dt
の値を各閾値と比較することによって、座標(ρ、dρ
/dt)が図4のどの領域に位置するかを判断できる。
【0033】図6は、本発明に係る車体姿勢制御装置を
示す構成図である。車体2と台車3との間に左右一対の
空気バネ16が介在することによって、振動を緩和して
いる。車体2には、空気バネ16を駆動する姿勢制御機
構が搭載されており、コンプレッサ21からの圧縮空気
はいったん空気溜22に格納された後、左右に分岐して
電磁弁から成る吸気弁23、24を経由して空気バネ1
6に送られ、余分な圧力は電磁弁から成る排気弁25、
26を経由して大気に放出される。
【0034】車体2と台車3との間を連結するように左
右一対の車高検知装置15が設置されている。鉄道車両
1が曲線路を走行する際に発生する超過遠心力によって
空気バネ16が過度に変形し、車体2と台車3との接触
による底当たりが発生する。その対策として、車高検知
装置15を用いて車体2の姿勢を検出し、空気バネ16
がつぶれないように車高フィードバック制御を行う。
【0035】こうした車高フィードバック制御におい
て、本発明に係る曲線検知装置12からの信号に基づい
て、図2のようなゲート14が動作して、たとえば線路
が直線である場合には車高制御を停止するように機能す
る。これは、直線路の走行時には、振動によって車体2
の姿勢が左右に振れるため、電磁弁から成る吸気弁2
3、24および排気弁25、26の開閉動作が頻繁にな
る。その対策として、曲線路走行時にのみ車高制御を行
い、直線路走行時には車高制御を行わないことで、電磁
弁から成る吸気弁23、24および排気弁25、26の
動作回数を格段に減少させることができ、電磁弁などの
各部品の寿命を延ばすことができる。
【0036】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、曲
率ρおよび時間微分dρ/dtから成る2次元座標を複
数の線路状態領域に予め区分しておいて、曲率算出手段
で算出した曲率ρおよび時間微分算出手段で算出した曲
率の時間微分dρ/dtから成る座標(ρ、dρ/d
t)の位置を調べることによって、現在の走行位置にお
ける鉄道線路状態、たとえば直線、右入口緩和曲線、右
本曲線、右出口緩和曲線、左入口緩和曲線、左本曲線、
左出口緩和曲線をリアルタイムで確実に判別できる。
【0037】また本発明によれば、現在の走行位置が線
路の曲線部分にあるか否かを判定し、車体の姿勢制御に
直ちに反映させることが可能になる。鉄道車両が曲線部
分に進入している場合には車体の姿勢を曲率中心側へ傾
斜させることによって、遠心力の影響を緩和することが
可能になる。
【0038】また本発明によれば、姿勢制御手段として
左右一対の車高検知装置が検出した車体の姿勢に基づい
て、左右一対の空気バネの圧力をそれぞれ制御して車高
制御を行うことによって、簡単な構成で乗り心地の改善
が図られる。また直線路を走行しているときに車高制御
を停止することによって、車体振動による影響を解消で
き、部品の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原理を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の一形態を示す構成図である。
【図3】図3(a)は鉄道線路の平面形状の一例を示す
平面図であり、図3(b)は図3(a)に対応する曲率
ρを示すグラフ、図3(c)は図3(a)に対応する曲
率微分dρ/dtを示すグラフである。
【図4】横軸に曲率ρ、縦軸に曲率微分dρ/dtをと
って2次元表示したグラフである。
【図5】曲線検知装置12の動作を示すフローチャート
である。
【図6】本発明に係る車体姿勢制御装置を示す構成図で
ある。
【符号の説明】
1 鉄道車両 2 車体 3 台車 10 ヨーレートセンサ 11 車速センサ 12 曲線検知装置 13 車体姿勢制御装置 14 ゲート 15 車高検知装置 16 空気バネ 21 コンプレッサ 22 空気溜 23、24 吸気弁 25、26 排気弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 忠 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番 18号 川崎重工業株式会社 兵庫工場内 (56)参考文献 特開 昭53−107017(JP,A) 特開 平6−278605(JP,A) 特開 平7−309235(JP,A) 特開 平6−107172(JP,A) 特開 平8−26109(JP,A) 特開 平6−156277(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61F 5/10 B61F 5/22

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄道車両において台車から空気バネで弾
    性支持された車体に搭載されたセンサからの信号に基づ
    いて、鉄道線路の曲率ρを算出する曲率算出手段と、 曲率算出手段で得られた曲率の時間微分dρ/dtを算
    出する時間微分算出手段と、 曲率ρおよび時間微分dρ/dtから成る2次元座標が
    複数の線路状態領域に予め区分され、曲率算出手段で算
    出した曲率ρおよび時間微分算出手段で算出した曲率の
    時間微分dρ/dtから成る座標(ρ、dρ/dt)の
    位置を調べることによって、現在の走行位置における鉄
    道線路状態を判別する線路状態判別手段とを備えたこと
    を特徴とする鉄道線路状態検知装置。
  2. 【請求項2】 鉄道車両において台車から空気バネで弾
    性支持された車体に搭載されたセンサからの信号に基づ
    いて、鉄道線路の曲率ρを算出する工程と、 曲率算出手段で得られた曲率の時間微分dρ/dtを算
    出する工程と、 曲率ρおよび時間微分dρ/dtから成る2次元座標を
    複数の線路状態領域に予め区分しておいて、算出した曲
    率ρおよび曲率の時間微分dρ/dtから成る座標
    (ρ、dρ/dt)の位置を調べることによって、現在
    の走行位置における鉄道線路状態を判別する工程とを備
    えたことを特徴とする鉄道線路状態検知方法。
  3. 【請求項3】 鉄道車両において台車から空気バネで弾
    性支持された車体に搭載されたセンサからの信号に基づ
    いて、鉄道線路の曲率ρを算出する曲率算出手段と、 曲率算出手段で得られた曲率の時間微分dρ/dtを算
    出する時間微分算出手段と、 曲率ρおよび時間微分dρ/dtから成る2次元座標が
    複数の線路状態領域に予め区分され、曲率算出手段で算
    出した曲率ρおよび時間微分算出手段で算出した曲率の
    時間微分dρ/dtから成る座標(ρ、dρ/dt)の
    位置を調べることによって、現在の走行位置における鉄
    道線路状態を判別する線路状態判別手段と、 線路状態判別手段で得られた鉄道線路状態に基づいて、
    車体の姿勢を制御する姿勢制御手段とを備えたことを特
    徴とする車体姿勢制御装置。
  4. 【請求項4】 鉄道車両において台車から空気バネで弾
    性支持された車体に搭載されたセンサからの信号に基づ
    いて、鉄道線路の曲率ρを算出する曲率算出手段と、 曲率算出手段で得られた曲率の時間微分dρ/dtを算
    出する時間微分算出手段と、 曲率ρおよび時間微分dρ/dtから成る2次元座標が
    複数の線路状態領域に予め区分され、曲率算出手段で算
    出した曲率ρおよび時間微分算出手段で算出した曲率の
    時間微分dρ/dtから成る座標(ρ、dρ/dt)の
    位置を調べることによって、現在の走行位置における鉄
    道線路状態を判別する線路状態判別手段と、 線路状態判別手段で得られた鉄道線路状態に基づいて、
    車体の姿勢を制御する姿勢制御手段とを備え、 前記姿勢制御手段は、車体と台車との間に設けられた左
    右一対の車高検知装置と、 車体と台車との間に設けられた左右一対の空気バネと、 空気バネの圧力を供給する圧縮空気供給機構とを備え、 車高検知装置が検出した車体の姿勢に基づいて、各空気
    バネの圧力をそれぞれ制御して車高制御を行うことを特
    徴とする車体姿勢制御装置。
  5. 【請求項5】 線路状態判別手段が現在の線路状態を曲
    線路と判別したときは車高制御を行い、直線路と判別し
    たときは車高制御を停止することを特徴とする請求項4
    記載の車体姿勢制御装置。
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