JP2507691B2 - 車体の傾斜制御装置の異常検出方法 - Google Patents

車体の傾斜制御装置の異常検出方法

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JP2507691B2 JP2239851A JP23985190A JP2507691B2 JP 2507691 B2 JP2507691 B2 JP 2507691B2 JP 2239851 A JP2239851 A JP 2239851A JP 23985190 A JP23985190 A JP 23985190A JP 2507691 B2 JP2507691 B2 JP 2507691B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車体の傾斜制御装置の異常検出方法に係
り、特に鉄道車両に好適な方法に関する。
〔従来の技術〕
従来の車体傾斜制御システムでは、システムを構成し
ている個々の部品の故障診断は行なっているが、制御の
結果である車両の傾斜状態については特に評価すること
は行なっていない。傾斜の方向(右か左か)に関して制
御指令と応答とに矛盾がないか判定することのみ行なっ
ていた。
尚、この種の装置として関連するものには、例えば、
特公昭60−52018号等が挙げられる。
〔発明が解決しようとする課題〕 上記従来技術は制御機能の異常を把握するのみで、制
御性能が所期のものになっているか評価するには至って
おらず、その確認には定期的にシステムの試験検査を行
なう必要があった。
制御性能の評価がむずかしいのは、走行路線上の同じ
地点を走行したとしても、車両の走行速度や加減速度、
積載重量が異なると目標車体傾斜角も変われば、制御応
答も変わるので絶対比率ができないためであり、評価基
準を定めることができない点が問題となっていた。
本発明の目的は、傾斜制御装置の制御機能の異常を容
易に把握できるようにすることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、 走行中の所定の区間における各車両の車体傾斜装置の
車体傾斜角または車体傾斜角速度を求め、 求めた各傾斜装置の値の平均値に対して大きな値の車
体傾斜装置を求めること、 によって達成できる。
具体的には、直線路を走行時に、中央制御装置から各
車両の車体傾斜装置の車体傾斜角を求め、この車体傾斜
角によって性能の低下した、すなわち問題の傾斜装置を
求める。
また、曲線路を走行時に、中央制御装置から各車両の
車体傾斜装置の車体傾斜角または曲線路の入り口区間の
車体傾斜角速度の極大値を求め、これによって性能の低
下した、すなわち問題の傾斜装置を求める。
〔作用〕
以上のように走行中に各傾斜装置の値を求め、各傾斜
装置の値の相互比較によって、性能の低下した、すなわ
ち問題となる傾斜装置を求める。このため、特に、曲線
を走行の際の状態によって判定する場合においても、異
常の判定のための絶対値は不要になり、その時の傾斜状
態に対応して判定できるものである。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図〜第4図により説明
する。
第1図〜第3図で、1は編成車両の中の代表車両に搭
載される中央制御装置、2は線路データを格納する記憶
部、3は列車の走行位置を認識し、各車両の車体傾斜装
置11に傾斜制御開始時点を送信する等の制御を行なう制
御部、4はデータを収集する監視部、5は監視結果を出
力する表示部、6は中央制御装置の制御出力の伝送路、
7は車両の走行距離に対応して出力されるパルスの伝送
路、8は車体傾斜装置11からのデータを監視部4に収集
するための伝送路、9は車両走行地点修正信号入力、10
は車両の移動距離信号入力、12は車体、13は車体傾斜機
構を有する台車、14は車体傾斜装置の出力指令に応じ車
体を傾斜させるアクチュエータである。
次に本実施例における作用を説明する。
中央制御装置1は、記憶部2に格納された線路データ
と車両の移動距離入力10、具体的には車軸に取付けられ
た速度発電機が発生するパルス信号および車両走行地点
の修正信号入力9、具体的にはATS信号用地上子等の検
出出力とを照合することにより各車両毎に曲線制御の開
始時点を各車両の車体傾斜装置11に出力するものであ
る。
次に、車両が直線区間を走行している時、車体傾斜装
置11は車体12を台車13上に直立させようとアクチュエー
タ14を制御するが、この時に中央制御装置1から伝送路
6を通じてデータ要求信号が出力されたら、伝送路8を
通じて車体傾斜角を送信する。車体傾斜角は一定時間毎
にサンプリングし、送信要求を受信した時点から一定時
間前までの間のサンプル値の平均値を伝送するようにし
ておく。監視部4で各車両からのデータを相互比較し、
特に値の大きいもの、すなわち直立度の良くないものに
ついて規定値と比較する。異常と判定した場合は表示部
5に出力する。
また、曲線区間を走行する時、車体傾斜装置11は中央
制御装置1から受信する情報(制御開始時点、曲線形
状、距離パルス)に基づき、曲線の入り口部(入り口区
間)、中央部(中央区間)、出口部(出口区間)の制御
目標値を演算して求め、アクチュエータ14の制御を行な
うが、この時に中央制御装置1からデータ要求信号が出
力されたら、車体傾斜角と曲線入り口区間の車体傾斜角
速度の極大値とを送信する。監視部4では前述と同様に
各車両からのデータを相互比較し、特に値の大きいも
の、すなわち乗客の乗心地を悪化すると判定したものを
表示部5に出力する。この場合の比較では編成車両全体
の平均値と分散を算出して用い、また異常検出の頻度も
考慮し、統計的に行なう。
システムの構成は第4図の如くである。すなわち、走
行中に曲線位置を検知して編成車両全体の車体傾斜制御
を統括する中央制御装置1、各車両に配置されて中央制
御装置1からの指令を受けて各車両毎の車体傾斜を制御
する車体傾斜装置11、電気指令で空気圧を変化させる空
気サーボ弁15、左右の空気室の圧力差で制御力を発生さ
せる空気圧シリンダ16、車体の傾斜角を検出する振子変
位計17、中央制御装置1と車体傾斜装置11間の情報伝送
を行なう伝送部18、運転席から中央制御装置1を制御す
るための制御設定盤19、曲線位置を検知するための速度
発電機20、ATS車上子21、地点受信器22で構成してい
る。
中央制御装置1は走行線区の全曲線データやATS地上
子位置データを記憶部に格納してあり、これらのデータ
を基に、走行中に車軸に取付けた速度発電機20からの距
離パルス信号や地点受信器22からのATS地上子上通過信
号を受けて、車両の走行位置を演算し、編成各車の車体
傾斜装置11に各車の傾斜タイミング指令を出力する。ま
た、走行開始前に、制御設定盤19から走行線区を指定す
ると、中央制御装置1は各車の車体傾斜装置11に走行線
区の全曲線データ(曲線番号、曲線の向き、緩和曲線と
円曲線の長さ、曲線半径、カント量)を伝送し記憶させ
る。走行中は前述の傾斜タイミング指令(車両番号、曲
線番号)を制御対象曲線の緩和曲線入口から50m手前の
地点を通過時に出力する。車体傾斜装置11は、この指令
により、次に来る曲線のデータと距離パルス信号を計数
することにより得られる走行速度を加味して、適正な車
体傾斜角のパターンを発生し、所定の制御指令量を演算
し、空気サーボ弁15に振子指令を出力して車体傾斜を行
なわせる。この演算は振子変位計17からの信号をフィー
ドバックさせ、時々刻々(50ms毎)に行なうことにより
走行速度の変化に合わせて車体の傾斜角を修正するよう
にしている。また直線走行中は、振子変位がゼロになる
ように変位フィードバック制御を行なっている。中央制
御装置1と車体傾斜制御装置11間のデータ伝送は、周波
数変調した信号で行なっており、その伝送誤りの有無を
誤り制御コードによるデータチェックで確認している。
〔発明の効果〕
本発明は、各傾斜制御装置の値の相互比較によって、
傾斜制御装置の制御機能の異常を判定するようにしてい
るので、容易に異常を把握できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例の車体傾斜制御システムで
中央制御装置の詳細を表わしたブロック図、第2図は、
同システムの編成車両との対応を表わしたブロック図、
第3図は、車体傾斜機構の一実施例の簡略原理図、第4
図は、同システムのシステム構成図である。 1……中央制御装置、4……監視部、8……伝送路、11
……車体傾斜装置、15……サーボ弁、16……空気圧シリ
ンダ、17……振子変位計、18……伝送部、19……制御設
定盤、20……速度発電機、21……ATS車上子、22……地
点受信器

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】線路データ、現在の走行位置、および走行
    速度を照合して車体の傾斜角を算出し、車体を傾斜させ
    る車体の傾斜制御装置において、 走行中の所定の区間における各車両の車体傾斜装置の車
    体傾斜角または車体傾斜角速度を求め、 求めた各車体傾斜装置の値の平均値に対して大きな値の
    車体傾斜装置を求めること、 を特徴とする車体の傾斜制御装置の異常検出方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記区間が直線区間に
    おいて、前記車体傾斜角を求めること、を特徴とする車
    体の傾斜制御装置の異常検出方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記区間が曲線区間の
    入り口区間において、前記車体傾斜角速度の極大値を求
    めること、を特徴とする車体の傾斜制御装置の異常検出
    方法。
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