JPH11309305A - 高分子凝集剤及びその製造方法、これを用いた水処理方法 - Google Patents

高分子凝集剤及びその製造方法、これを用いた水処理方法

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JPH11309305A
JPH11309305A JP12135898A JP12135898A JPH11309305A JP H11309305 A JPH11309305 A JP H11309305A JP 12135898 A JP12135898 A JP 12135898A JP 12135898 A JP12135898 A JP 12135898A JP H11309305 A JPH11309305 A JP H11309305A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリロニトリルをモノマーとして含む高分
子材料を安全に処理して親水性を付与し、生成物を高分
子凝集剤として水処理に用いることで新たな環境保全に
役立てる。 【解決手段】 シアノ基を有する高分子材料に分子間架
橋構造を導入し、さらにアミノ化合物を付加することで
シアノ基(−C≡N)の少なくとも一部をイミダミノ構
造を有する分子構造部に変換することにより、分子量の
高い高分子凝集剤とする。特に、原料となる高分子材料
に、他の目的に使用された後の使用済み廃材を用いれ
ば、リサイクルによる資源の有効利用が可能となり、環
境保全の点で極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シアノ基を有する
高分子材料を分子間架橋した高分子凝集剤に関するもの
であり、さらにはこれを製造する方法、及びこれを用い
て効率良く水処理を行なう方法に関する。
【0002】
【従来の技術】廃水処理の分野では、廃水中に分散した
微粒子を集合させて沈殿させるための試薬として凝集剤
が用いられている。工業汚水等の廃水中には、ヘドロや
高分子性の不純物がコロイド粒子となって分散している
場合が多く、凝集剤はこのコロイド粒子を凝集させて汚
水を清澄化する働きを有する。
【0003】様々な種類のものが知られる凝集剤のう
ち、長い鎖状の分子構造を持ち高い親水性を有する高分
子からなるものが高分子凝集剤であり、コロイド粒子に
対して少量添加するだけでも大きな凝集効果を示すた
め、広く用いられている。高分子凝集剤は、水に溶解し
た際の荷電によりアニオン型、カチオン型、ノニオン型
に分類される。コロイド粒子の多くは正または負に帯電
しているので、この帯電の符号に応じて高分子凝集剤を
適切に選択すれば、極めて大きなフロックを形成して効
率良く濁度を低下させることができる。
【0004】一方、工業製品の製造分野では、いたると
ころにアクリロニトリルをモノマー・ユニットとして含
有する高分子材料が利用されている。アクリロニトリル
を含有する高分子材料には、ニトリル樹脂、ABS樹脂
(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂),S
AN樹脂(スチレン−アクリロニトリル樹脂),AAS
樹脂(アクリロニトリル−アクリル−スチレン樹脂),
ACS樹脂(アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−
スチレン樹脂)等に代表されるポリスチレン系樹脂、ア
クリロニトリルを主要モノマー・ユニットとする重合体
を紡糸して得られるアクリル繊維、NBR(アクリロニ
トリル−ブタジエンゴム;別名ニトリルゴム)等の種類
がある。
【0005】アクリロニトリルをモノマー・ユニットと
して含有する樹脂成形体は剛性、寸法安定性、加工性等
の特性に優れるため、各種用途のカバーやケース、電化
製品や自動車の筐体や部品材料として多用されている。
【0006】上記アクリル繊維は軽量でかさ高く、保温
性,肌触り,耐候性,弾力性に優れるため、単独または
羊毛や木綿等の他の繊維と混紡して衣料用に広く用いら
れている。
【0007】上記ニトリルゴムは、燃料油,作動油,潤
滑油等のオイル類に対して極めて優れた耐性を有し、燃
料ホース,オイルシール,ベルト等に用いられており、
特に自動車用途には多用されている。
【0008】ところで、上述のように幅広い工業製品に
利用されているアクリロニトリル含有高分子材料は、こ
れら工業製品の製造段階、あるいは不要となった際の廃
棄に伴って、大量の廃材を発生させる。これらの高分子
系の廃材は、一般に大きく分けて、焼却、埋立て、再溶
融のいずれかの手法にて処理されている。前二者は廃棄
手法、後者はリサイクル手法である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の高分子
系廃材の処理の手法はそれぞれに問題を抱えている。
【0010】先ず、焼却については、廃材燃焼時の有毒
ガス発生の問題がある。すなわち、アクリロニトリル・
モノマー・ユニットに含まれ、重合体の側鎖のひとつを
構成しているシアノ基(−C≡N)に由来して、猛毒の
シアン・ガス(HCN)が発生する。また、炭化により
不燃物に変化し易いことも焼却を困難とする原因となっ
ている。
【0011】再溶融は、回収された廃材を加熱溶融し再
成形する手法であり、熱可塑性樹脂については有効な手
法である。しかし、加熱による分子量の低下や酸化等、
品質が劣化しやすい上、ゴミ等の異物の混入も生じやす
い。さらに、出所の異なる廃材をまとめて処理する場合
には、様々な着色剤が混合することにより再度色合わせ
が必要となるなど、技術的にもコスト的にも障害が多
い。
【0012】このため、現状では埋立による廃棄処分が
最も得策であると考えられているが、処分場の立地や確
保は年々困難となっており、環境破壊の問題も免れな
い。
【0013】このような状況の中、本願出願人は、シア
ノ基を含有する高分子材料を化学的に処理することによ
り水溶性の高分子凝集剤に転換する技術を提案したが、
一般に、シアノ基を有する高分子材料(廃材)の重量平
均分子量は20万未満と低く、凝集性能面での改善が望
まれるところである。
【0014】本発明は、シアノ基を含有する高分子材料
を出発物質とし、分子量が高く優れた凝集性能を備えた
高分子凝集剤を提供することを目的とし、さらには、そ
の製造方法、効果的に水処理を行う方法を提供すること
を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達するために提案されたものであり、シアノ基を有する
高分子材料に分子間架橋構造を導入することで分子量を
高め、凝集剤としての性能を向上したものである。
【0016】すなわち、本願発明の高分子凝集剤は、シ
アノ基を有する高分子材料に分子間架橋構造が導入され
てなることを特徴とするものである。
【0017】具体的には、シアノ基の少なくとも一部に
無機及び/又は有機アミノ化合物が付加された分子構造
部を有し、この部分が水溶性を呈するとともに、この分
子構造部の少なくとも一部において分子間架橋されてい
ることを特徴とする。
【0018】上記高分子凝集剤は、シアノ基を有する高
分子材料に無機及び/又は有機アミノ化合物を付加して
アミノ化合物付加物とした後、架橋剤を添加するか、シ
アノ基を有する高分子材料にポリアミン化合物を付加さ
せることにより、シアノ基の一部を分子間架橋すること
により容易に製造することができる。
【0019】特に、原料となる高分子材料に、他の目的
に使用された後の使用済み廃材を用いれば、リサイクル
による資源の有効利用が可能となり、環境保全の点で極
めて有用である。
【0020】このようにして得られた高分子凝集剤を被
処理水中に投入すれば、カチオン型あるいはノニオン型
の高分子凝集剤として水処理に役立てることができる。
このとき、他のノニオン型高分子凝集剤、アニオン型高
分子凝集剤、カチオン型高分子凝集剤のいずれかと併用
しても良い。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の高分子凝集剤は、高分子
材料にもともと含まれるシアノ基の少なくとも一部を架
橋し、さらにイミダミノ構造(イミダゾリン構造を含
む。)への転換を行うことにより、高分子量化するとと
もに、水溶性あるいは凝集性能を調節したものである。
【0022】本発明の高分子凝集剤の出発材料となる高
分子材料には当然のことながら、分子間架橋構造を導入
し得る形でシアノ基が含有されている必要があるが、ア
クリロニトリル(CH2 =CH−CN)をモノマー・ユ
ニットとして含む高分子材料であれば、シアノ基はポリ
マー分子の側鎖として結合されているので、好都合であ
る。その他のシアノ基成分としては、メタアクリロニト
リル、シアノ化スチレン等を挙げることができる。
【0023】上記高分子材料は、アクリロニトリルのホ
モポリマーに限られず、他のモノマー・ユニットとの共
重合体(コポリマー)であっても良い。他のモノマー・
ユニットとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、ブタジエン、イ
ソプレン、クロロプレン、塩化ビニル、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン、α−メ
チルスチレン、エチレン、プロピレン、無水フマル酸、
無水マレイン酸、無水イタコン酸、N−ビニルピロリド
ン、ビニルピリジンから選ばれるいずれか1種類、また
は数種類の組合せを挙げることができる。なお、上記ア
クリル酸エステルとメタクリル酸エステルのエステル結
合側鎖は、炭素数1〜10程度の飽和または不飽和炭化
水素にて構成されるものが好適である。
【0024】アクリロニトリルと上記の他のポリマーと
を組み合わせた代表的な高分子材料としては、アクリル
繊維、ニトリル樹脂、SAN樹脂(スチレン−アクリロ
ニトリル樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリ
ロニトリル−スチレン−アクリル樹脂、アクリロニトリ
ル−塩素化ポリエチレン−スチレン樹脂、ニトリルゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等がある。
【0025】ところで、上記高分子材料がアクリロニト
リルのホモポリマーである場合には、シアノ基の含有量
は100モル%となるが、アクリロニトリルの共重合体
である場合には、アクリロニトリルのモノマー・ユニッ
ト含有率によってシアノ基の含有量も当然変化する。
【0026】本発明では、上記高分子材料にシアノ基が
全モノマー・ユニットの15モル%以上含有されている
こと、つまり、アクリロニトリルのモノマー・ユニット
含有率が15モル%以上であることが好適である。この
値が30モル%以上であれば、なお好ましい。
【0027】シアノ基の含有量がこれよりも少ないと、
分子間架橋構造を導入し難くなり、得られる高分子凝集
剤の分子量を十分に引き上げることができなくなる虞れ
がある。
【0028】したがって、アクリロニトリルと組み合わ
せる他のモノマーは、85モル%以下であることが好ま
しく、70モル%以下であることがより好ましい。これ
らのモノマーがこれ以上含有されると、シアノ基の含有
量が低くなり、先に述べたように高分子量化が難しくな
る。
【0029】上記シアノ基を含有する高分子材料の重量
平均分子量(Mw)としては、特に限定されるものでは
ないが、通常2000〜100万であり、5万〜50万
が一般的である。
【0030】また、本発明の高分子凝集剤の原料となる
高分子材料は、新規に製造された,いわゆるバージン材
であっても無論構わないが、地球資源の有効利用と環境
破壊防止の観点から、他の目的で使用された使用済み廃
材に含まれるものを用いることが特に好適である。
【0031】これらの廃材は、たとえば電気機器,自動
車,文房具,計測機器,建材,化粧品等に使用された筐
体,ケース,カバー,容器等である。また、この廃材は
他の廃材と混合されたものであっても良い。このときの
他の廃材とはたとえば、ポリエステル,ナイロン,ポリ
ウレタン,ポリアミド,ポリフェニレンエーテル,ポリ
カーボネート,ポリフェニレンスルフィド,ポリエチレ
ンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,絹,
羊毛,木綿等の合成または天然繊維であり、着色剤,安
定化剤,保水剤,難燃剤,可塑剤,充填剤等の各種添加
剤が含まれていても良い。
【0032】上述のような他の廃材が混在する場合、他
の廃材の含有量は全体の60重量%以下に抑えるのがよ
い。60重量%を越えると、他の廃材に含まれる官能基
の影響が強く現れることになり、改質反応が阻害される
虞れがある。
【0033】したがって、上記廃材は工場,販売店,一
般家庭のいずれから回収されるものであっても良いが、
得られる高分子凝集剤の組成や性能を管理する観点から
は、他の廃棄物が混入されやすい一般家庭からの回収廃
材よりも、単一組成の廃材が大量に発生する機会の多い
工場や販売店からの回収廃材の方が好ましい。
【0034】以上に示したシアノ基を含有する高分子材
料は、改質反応(分子間架橋構造を導入するための反
応)を促進するために、小片にしておくことが好まし
い。ゴム成分を含んでいる場合は、凍結処理後に粉砕す
ると好適である。
【0035】本発明では、上述のシアノ基を有する高分
子材料に対して、例えば以下の(A)〜(C)の処理を
行うことにより、イミダミノ構造(イミダゾリン構造を
含む。)、アミド構造の少なくとも1種以上と分子間架
橋構造の導入を図り、凝集性能に優れる水溶性高分子凝
集剤とする。
【0036】(A)シアノ基を有する高分子材料にポリ
アミンを付加させることにより、イミダミノ構造と分子
間架橋構造の両方の導入を行い、高分子量の水溶性高分
子凝集剤とする。
【0037】例えば、シアノ基含有高分子材料にポリア
ミン化合物としてメチレンジアミンを付加させると、分
子内環状化(イミダゾリン環)が生じ難く、分子間架橋
が優先的に生じ易くなる。これにより高分子材料中に架
橋構造とイミダミノアルキルアミン構造(非架橋部)の
両方が形成されることになり、高分子量の水溶性高分子
凝集剤が得られる。このときの反応式を化1に示す。
【0038】
【化1】
【0039】なお、ポリアミン化合物として、分子内環
化反応が生じ易いエチレンジアミンやプロピレンジアミ
ン等を用いた場合でも、反応濃度や温度、触媒量の多少
や有無、他のポリアミン化合物との併用等の条件改善に
より、分子内架橋構造を高分子材料に導入することがで
きる。
【0040】(B)シアノ基を有する高分子材料にジア
ミン化合物を付加し、これを架橋剤の添加により分子間
架橋して高分子量の水溶性高分子凝集剤とする。
【0041】例えば、先ず、シアノ基含有高分子材料に
アミン化合物としてアルキルジアミンを付加させて、イ
ミダゾリン構造若しくはイミダミノアルキルアミン構造
を導入する。次に、各種架橋剤と反応を行って、分子間
架橋構造を導入する。
【0042】エチレンジアミンによる環化反応を化2
に、それにより形成されたイミダゾリン構造における各
種架橋反応を化3に示す。
【0043】
【化2】
【0044】
【化3】
【0045】また、イミダゾリン構造若しくはイミダミ
ノアルキルアミン構造を導入した後、これを加水分解処
理することでアルキルアミンを側鎖に有するアミドポリ
マーとし、これに対して各種架橋剤により架橋反応を行
ってもよい。この場合の反応式を化4に示す。
【0046】
【化4】
【0047】(C)シアノ基を有する高分子材料にモノ
アミン化合物を付加し、これを架橋剤の添加により分子
間架橋して高分子量の水溶性高分子凝集剤とする。
【0048】例えば、先ず、シアノ基含有高分子材料に
モノアミン化合物としてアルキルアミンを付加させて、
イミダミノアルキル構造を導入する。次に、架橋剤であ
る水溶性金属イオンやジクロロアルキル化合物と反応を
行って、分子間架橋構造を導入する。この場合の反応を
化5に示す。
【0049】
【化5】
【0050】あるいは、エタノールアミンを付加した
後、ジイソシアネート、ジカルボン酸、ジ酸クロライ
ド、ジエチレンオキシド等の架橋剤と反応させてもよ
い。このときの反応を化6に示す。
【0051】
【化6】
【0052】この場合、化7に示すように、架橋前に加
水分解してアミド化してもよい。
【0053】
【化7】
【0054】以上の反応により分子間架橋構造が導入す
ることが可能であるが、このときに用いる架橋剤として
は、水溶性金属イオンやホルマリン、さらにはハロゲ
ン、アルデヒド、イソシアネート、チオイソシアネー
ト、酸クロライド、チオニルクロライド、オレフィンオ
キシド、カルボン酸、アルキルカルボニル等の反応基を
2以上有する化合物等を挙げることができる。水溶性金
属イオンとホルマリン以外は、炭素数1〜12の炭化水
素化合物に各反応基が2個以上置換導入されたものが一
般的である。炭化水素化合物は、飽和、不飽和、環状、
鎖状(直鎖、分岐)を問わない。
【0055】代表例としては、2価以上の水溶性金属イ
オン(Ca、Al、Fe、Zn、Mn、Mg、Cu等の
金属イオン)や(パラ)ホルマリン、ジハロゲン化合物
(エチレンジクロライド、ヘキサメチレンジクロライ
ド、ジベンジルジクロライド、エチレンジブロマイド
等)、ジアルデヒド化合物(グリオキサール、マロンジ
アルデヒド、スクシンジアルデヒド、マレインジアルデ
ヒド、フマルジアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジ
ブアルデヒド等)、ジイソシアネート化合物、ジチオイ
ソシアネート化合物、ジ酸クロライド化合物(ベンゼン
ジクロライド、ジベンジルジクロライド等)、ジチオニ
ルクロライド化合物、ジエチレンオキシド化合物、ジプ
ロピレンオキシド化合物、ジカルボン酸化合物(シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等)、酸無水物
(無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物等)等を
例示することができる。これら架橋剤は、単独で用いて
もよいし、複数のものを併用してもよい。
【0056】上記架橋剤の添加量としては、高分子材料
の構成単位(モノマーユニット)に対して0.01〜2
0モル%、好ましくは0.1〜10モル%である。これ
より多くなると、架橋密度が高くなりすぎ、改質物が水
溶性を示さなくなる虞れがある。逆に、これよりも少な
いと、架橋密度を十分に確保することができず、分子量
を十分に高くすることができない。
【0057】一方、分子間架橋構造の導入やイミダミノ
構造(イミダゾリン構造を含む。)、アミド構造の導入
のために用いられるアミン化合物としては、アンモニ
ア、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン等の無機アミノ化
合物や、アンモニアの水素原子の1個または2個が炭化
水素基で置換された第1アミンまたは第2アミン等の有
機アミノ化合物を挙げることができる。上記炭化水素基
の炭素骨格は、飽和,不飽和の別、鎖状,環状の別、直
鎖状,分岐状の別をいずれも問わない。また、炭化水素
基の骨格中に、炭素、水素、窒素以外のヘテロ元素(酸
素、硫黄、ハロゲン等)が含有されていてもよい。
【0058】具体的に、上記有機アミノ化合物として
は、炭素数1〜12の飽和及び/又は不飽和の鎖状及び
/又は環状の炭化水素基で置換された第1アミン及び/
又は第2アミン、1分子内に2個以上のアミノ基を有す
る前記第1アミン及び/又は第2アミン、分子内に窒素
以外のヘテロ原子を有する前記第1アミン及び/又は第
2アミン等が挙げられる。
【0059】上記1分子内に2個以上のアミノ基を有す
る第1アミンあるいは第2アミンとしては、メチレンジ
アミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン(ジ
アミノプロパン)、テトラメチレンジアミン(ジアミノ
ブタン)、ペンタメチレンジアミン(ジアミノペンタ
ン)、ヘキサメチレンジアミン(ジアミノヘキサン)、
ヘプタメチレンジアミン(ジアミノヘプタン)等のアル
キレンジアミン類や、N−メチルメチレンジアミン、N
−メチルエチレンジアミン、N−ベンジルエチレンジア
ミン、N−メチル−1,3−ジアミノプロパン、N−ブ
チル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジメチル−
1,3−ジアミノプロパン、N−ブチル−1,3−ジア
ミノプロパン等のN−アルキルアルキレンジアミン類、
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テト
ラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポ
リエチレンイミン、ピペリジン等のアルキレンポリ(3
以上)アミン類、1,2−ジアミノシクロヘキサン、キ
シリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等の環式
ポリアミン類等を例示することができる。
【0060】分子内に窒素以外のヘテロ原子を有するア
ミノ化合物としては、エタノールアミン、プロパノール
アミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン等のヒ
ドロキシルアルキルアミン類等が挙げられ、その他、エ
タンチオールアミン等も挙げることができる。さらに
は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、アルギニ
ン、アスパラギン等のアミノ酸も使用可能である。
【0061】上記アミン化合物は、単独で用いても良い
し、2種類以上を混合して用いてもよい。あるいは、複
数のアミン化合物を逐次添加して用いても良い。
【0062】これらのアミン化合物を高分子材料と反応
させることにより、イミダミノ構造が形成されることに
なり、水溶性が付与される。ここで、イミダミノ構造を
さらに加水分解してアミド構造とするか、もしくは後述
の無機、有機の酸やハロゲン化アルキルとの反応により
酸塩や四級化塩としてもよい。
【0063】なお、これらアミン化合物の添加量は、高
分子材料中のシアノ基に対して、0.1倍モル〜100
倍モル、好ましくは0.5倍モル〜50倍モルである。
これより多くなると経済的に不利となり、逆に少なくな
るとイミダミノ構造の導入量が少なくなり水溶性を示さ
なくなる虞れがある。
【0064】また、上記アミン化合物の付加反応では、
反応促進のために触媒を用いても良い。触媒としては、
イオウ粉末、(アルカリ)金属硫化物、p−トルエンス
ルホン酸、ハイドロサルファイト、水硫化ナトリウム、
チオ安息香酸、チオアセトアミド、チオ酢酸、チオベン
ズアニリド、五硫化燐、チオグリコール酸、チオプロピ
オン酸、ジチオオキサイド、硫化水素、硫化アンモニウ
ム、硫化セレン、硫化テルル、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、そ
の他の類似物等を挙げることができる。これら触媒の添
加量としては、高分子材料の0.05〜20重量%程度
である。
【0065】上記無機あるは有機のアミン化合物が付加
して生じた分子構造部は、イミダミノあるいはイミダゾ
リン骨格を有するところとなり、窒素原子上の孤立電子
対に起因して塩基性を示す。
【0066】この窒素原子が無機酸や有機酸から供給さ
れるプロトンに配位結合すると、窒素原子が陽電荷を帯
び、酸塩を形成する。このとき無機酸としては例えば、
硫酸、クロルスルホン酸、塩酸、硝酸、リン酸を用いる
ことができる。また有機酸としては、酢酸、乳酸、フタ
ル酸、フェノール等を挙げることができる。
【0067】また、上記分子構造部にハロゲン化炭化水
素や硫酸エステルが与えられると、分子構造部の窒素原
子がハロゲン化炭化水素や硫酸エステルの炭化水素基と
結合することにより陽電荷を帯び、ハロゲンを対イオン
とする四級アミン塩が生成する。このときのハロゲン化
炭化水素としては、塩化メチルや塩化ベンジルを、また
硫酸エステルとしてはジメチル硫酸やジエチル硫酸を挙
げることができる。
【0068】これら無機酸、有機酸、ハロゲン化アルキ
ルは、それぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併
用してもよい。
【0069】この無機酸、有機酸、ハロゲン化アルキル
の添加量としては、高分子材料に形成されるイミダミノ
構造(イミダゾリン構造を含む。)とアミノ基の累計に
対して、10倍モル以下であることが好ましい。これよ
り多くなると、未反応物が多く残存することになり、品
質面やコスト面で不利である。
【0070】以上の処理により形成される酸塩や四級ア
ミン塩は、いずれも高い水溶性を発揮する。なお、無機
酸、有機酸、ハロゲン化アルキル等で処理しない場合に
は、得られる高分子凝集剤はノニオン型の特性を有する
こととなる。
【0071】次に、本発明の高分子凝集剤の製造方法で
あるが、先にも述べた通り、先ず高分子材料に含有され
るシアノ基の少なくとも一部に無機及び/又は有機アミ
ノ化合物が付加させてイミダミノ構造やイミダゾリン構
造を導入し、同時に、あるいは引き続いて架橋反応を行
う。
【0072】これら反応のうちアミン化合物によるイミ
ダミノ構造(イミダゾリン構造を含む。)の導入や同時
に起こる架橋反応は、出発原料をアミノ化合物中に直接
投入して行うことができる。このとき、反応終了後は反
応混合物にアセトンのような高分子凝集剤を溶解させな
い溶媒を大量に注ぎ、生成物を再沈殿させることができ
る。
【0073】あるいは上記反応を有機溶媒中で行うこと
もでき、このときの有機溶媒としては、炭素数5〜20
程度の脂肪族鎖状及び/又は環状炭化水素、炭素数1〜
4程度のハロゲン化炭化水素、ジクロロベンゼン、芳香
族炭化水素、エーテル類、ケトン類、エステル類、およ
びジメチルスルホキシド(DMSO),ジメチルホルム
アミド(DMF),テトラヒドロフラン(THF),ジ
オキサン等の非プロトン性極性溶媒を使用することがで
きる。有機溶媒を用いた場合には、反応終了後に反応系
に水を添加し、溶媒を留去することにより、水溶液とし
て得ることができる。
【0074】架橋剤による架橋反応は、前述の有機溶剤
中で反応させることにより実施することができる。
【0075】反応の際のアミノ化合物や架橋剤の濃度は
特に限定されるものではないが、0.1〜50%とする
ことが好適である。この濃度が低すぎると、反応速度が
低下したり、反応が十分に進行しない虞れが生ずる。逆
にあまり濃度が高くなりすぎると、溶液の粘度が高くな
り、反応が円滑に進行しなくなる虞れがある。
【0076】上記付加反応を行う際の反応温度は、出発
物質として用いる高分子材料の種類、使用するアミン化
合物や架橋剤、触媒の種類、反応系を構成する溶媒の種
類、溶媒の有無等の条件により異なるが、0〜150℃
の範囲であればまず実用的な速度と制御性をもって反応
を進行させることができる。温度がこれより低いと反応
速度が低下し、生産効率面で不利である。また、温度が
これより高いと高分子材料が低分子化し、凝集剤として
の性能が低下しやすい。より好ましい温度範囲は20〜
120℃である。
【0077】また、反応時間は使用するアミン化合物、
架橋剤の種類にもよるが、30分〜80時間の範囲であ
ればまず実用的な収率で目的の生成物を得ることができ
る。反応時間がこれより短いと十分に改質を行うことが
できないが、化学的平衡状態が達成された以降は反応時
間を延長しても意味がない。
【0078】なお、アミン化合物の付加反応を行わせた
後に加水分解を行う場合、これを酸触媒を用いる酸加水
分解または塩基性触媒を用いるアルカリ加水分解により
行うことができる。
【0079】上記の酸加水分解の酸触媒としては、硫
酸、無水硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸、塩酸、硝
酸、燐酸等の無機酸を使用することができる。また、こ
れらの無機酸と過酸化水素水のような無機過酸化物を併
用して加水分解反応を促進するようにしても良い。
【0080】上記のアルカリ加水分解の塩基触媒として
は、Li,Na,K,NH4 の水酸化物,炭酸水素塩,
炭酸塩,あるいは酢酸塩等の無機塩基を用いることがで
きる。
【0081】いずれの加水分解でも、高分子材料を無機
酸中に直接投入するか、あるいは無機塩基のアルカリ水
溶液中に投入して行なうことができる。あるいは、上述
の付加反応に用いた溶媒と同じ溶媒を用いて行なっても
良い。加水分解時の触媒の濃度、反応温度、反応時間
は、全て上述の付加反応について述べた範囲と同等に設
定すれば良い。
【0082】以上により得られる高分子凝集剤の重量平
均分子量(Mw1)としては、原料となるシアノ基含有
高分子材料の重量平均分子量(Mw2)に対して、その
比(Mw1)/(Mw2)が3〜100であることが好
ましく、5〜50であることが望ましい。重量平均分子
量(Mw1)の値としては、5000〜1000000
0であることが好ましく、10万〜800万であること
がより好ましい。
【0083】重量平均分子量(Mw1)がこれよりも大
きくなると、製造が難しくなるばかりか、水に溶解し難
くなるため、ハンドリング面で不利である。逆に、重量
平均分子量(Mw1)が前記範囲よりも小さいと、凝集
剤としての性能が低下する。
【0084】本発明の高分子凝集剤は、通常の高分子凝
集剤の使用方法にしたがい、水処理に用いることができ
る。また、本発明の高分子凝集剤を他の各種凝集剤と併
用することも可能である。
【0085】併用可能なノニオン性高分子凝集剤として
は、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリ
オキシエチレン等の合成系や、澱粉、グアーガム、ゼラ
チン等の糖や蛋白質系に代表される天然産系のもの等が
使用可能である。
【0086】カチオン性高分子凝集剤としては、ジアル
キルアミノアルキル(メタ)アクリレートの四級化物
(四級化剤としては、塩化メチル、ジメチル硫酸、塩化
ベンジル等)もしくはその酸塩(酸塩としては、塩酸
塩、硫酸塩等の無機酸塩、及び酢酸塩等の有機酸塩等)
の重合体、またはこれらと(メタ)アクリルアミドとの
共重合体(例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート
のメチルクロライド四級化物の重合体、またはこれとア
クリルアミドとの共重合体)、ジアルキルアミノアルキ
ル(メタ)アクリルアミドの四級化物もしくはその酸塩
の重合体、またはこれらと(メタ)アクリルアミドとの
共重合体(例えば、ジメチルアミノプロピルアクリルア
ミドのメチルクロライド四級化物とアクリルアミドとの
共重合体)、ポリアクリルアミドのカチオン化変性物
(例えば、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物及び
ホフマン分解物)、エピハロヒドリン−アミン縮合物
(例えば、エピハロヒドリンと炭素数2〜6のアルキレ
ンジアミンとの重縮合物)、ポリジメチルジアリルアン
モニウムクロライド、ポリビニルイミダゾリン及び/又
はその塩、ジシアンジアミド縮合物(例えば、ジシアン
ジアミドと塩化アンモニウムのホルマリン縮合物)、ポ
リエチレンイミン及びその四級化物もしくは酸塩、ポリ
ビニルイミダゾール及びその四級化物もしくは酸塩、ポ
リ−4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、キトサン及びその塩類、N−ビニルホルムアミド
/アクリロニトリルコポリマーの酸性加水分解物及びそ
の四級化物もしくは酸塩、ポリビニルピリジン及びその
四級化物もしくは酸塩、水溶性アニリン樹脂及びその四
級化物もしくは酸塩、アルキレンジクロライドとポリア
ルキレンポリアミンの縮合物、アニリン−ホルムアルデ
ヒド重縮合物塩、ポリヘキサメチレンチオ尿素酢酸塩、
ポリアミノ酸(例えば、ポリリジンやポリグルタミン酸
及びその塩類)等が挙げられる。
【0087】アニオン性高分子凝集剤としては、ポリア
クリルアミドやポリメタクリルアミドの部分加水分解
物、アクリル酸又はメタクリル酸とアクリルアミド又は
メタクリルアミドとの共重合体及びその塩類、アクリル
酸又はメタクリル酸とアクリルアミド又はメタクリルア
ミドと2−アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸
又はビニルスルホン酸又はビニルメチルスルホン酸との
3元共重合体及びその塩類、アルギン酸やグアーガム、
カルボキシメチルセルロース、澱粉の各ナトリウム塩、
ポリスチレンスルホン酸及びその塩、ポリスチレン系樹
脂廃材(ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、
ABS樹脂、SAN樹脂、ニトリルゴム等。廃材中には
ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリアミド、ポリフェニレンスル
フィド等が60重量%以下で含有されていてもよい。)
のスルホン化物及びその塩等が挙げられる。
【0088】これらアニオン性高分子凝集剤の中で、ス
ルホン化されたスチレン系ポリマーは、懸濁液の清澄化
効果も大きく、また本発明の高分子凝集剤と同様、廃材
の利用が可能であることから、好ましいと言える。
【0089】この高分子凝集剤に用いられるスチレン系
ポリマーとしては、スチレン−ブタジエン、スチレン−
アクリロニトリル、スチレン−ブタジエン−アクリロニ
トリル、スチレン−(メタ)アクリル酸、スチレン−
(メタ)アクリル酸エステル(炭素数が1〜4の脂肪族
炭化水素)、スチレン−アクリロニトリル−(メタ)ア
クリル酸エステル(炭素数が1〜4の脂肪族炭化水
素)、スチレン−ブタジエン−(メタ)アクリル酸エス
テル(炭素数が1〜4の脂肪族炭化水素)、スチレン−
無水マレイン酸、スチレン−無水イタコン酸等が挙げら
れる。この中でも、好ましくは、スチレン−ブタジエ
ン、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−ブタジエ
ン−アクリロニトリル、スチレン−無水マレイン酸、ス
チレン−アクリロニトリル−(メタ)アクリル酸エステ
ル(炭素数が1〜4の脂肪族炭化水素)、スチレン−ブ
タジエン−(メタ)アクリル酸エステル(炭素数が1〜
4の脂肪族炭化水素)が挙げられる。さらに好ましく
は、スチレン−ブタジエン、スチレン−アクリロニトリ
ル、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル、スチレ
ン−無水マレイン酸が挙げられる。
【0090】上述したスチレン系ポリマーは、高分子凝
集剤を製造するために新規につくられたもの(バージン
材)であっても、工場や販売店、家庭等からの廃棄物
(廃材)であってもよく、また、バージン材と廃材とを
併用してもよい。汎用性樹脂として大量に生産されたポ
リスチレン系樹脂製品を再利用し、地球環境を保全する
観点から、スチレン系ポリマーとしては、バージン材よ
りも廃材を用いることが好ましい。
【0091】なお、廃材を用いた場合には、上述したス
チレン系ポリマー以外にその他のポリマーが含有されて
いても良い。その他のポリマーとしては、ポリフェニレ
ンエーテル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフ
ィド、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。ま
た、好ましくは、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボ
ネートが挙げられる。このとき、その他のポリマーは、
好ましくは約60重量%以下とされる。
【0092】そして、上述したようなスチレン系ポリマ
ーは、スルホン化剤を含有する溶媒中にてスルホン化さ
れる。その後、スルホン化されたスチレン系ポリマー
は、スルホン基を中和した後に溶媒及びスルホン化剤を
留去することにより高分子凝集剤となる。
【0093】このスルホン化剤としては、無水硫酸、発
煙硫酸、クロルスルホン酸、濃硫酸等が挙げられる。こ
れらスルホン化剤は、それぞれ単独で使用しても良い
し、複数種を併用しても良い。また、スルホン化剤の添
加量としては、スチレン系ポリマー中に含まれる芳香族
環(スチレン系樹脂では側鎖のベンゼン環、ポリフェニ
レンエーテル、ポリカーボネート系樹脂では主鎖中のベ
ンゼン環)ユニット1モル当たり0.5〜2.0モルを
使用することが好ましく、さらに好ましくは、0.7〜
1.5モルの範囲で使用する。スルホン化剤は、添加量
が少ないと、スチレン系ポリマーを十分にスルホン化す
ることができない。したがって、この場合、高分子凝集
剤は、高分子電解質としての機能が発現されないような
ものとなってしまう。これに対して、スルホン化剤は、
添加量が多いと、スルホン化反応中にゲル化物を発生さ
せたり、反応系中に塩等の副生成物を多量に発生させて
しまう。したがって、この場合、高分子凝集剤は、多量
の不純物を含有することとなり、純度の低いものとなっ
てしまう。
【0094】また、スチレン系ポリマーのスルホン化に
は、上述したスルホン化剤とルイス塩基とを併用しても
良い。このルイス塩基としては、アルキルフォスフェー
ト(トリエチルフォスフェート、トリメチルフォスフェ
ート)、ジオキサン、無水酢酸、酢酸エチル、パルチミ
ン酸エチル、ジエチルエーテル、チオキサン等が挙げら
れる。これらルイス塩基の添加量は、スチレン系ポリマ
ーに含まれる芳香族環(スチレン系樹脂では側鎖のベン
ゼン環、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート系
樹脂では主鎖中のベンゼン環)ユニット1モルに対し
て、0.01〜2.0モル、好ましくは、0.02〜
1.0モルである。なお、このルイス塩基は、添加量が
少ないと、スルホン化反応中にゲル化物が発生し易くな
る。これに対して、添加量が多いと、スルホン化反応自
体が進行し難くなり高分子凝集剤の収率が低下し、コス
トが増加することとなる。
【0095】一方、上述したスチレン系ポリマーのスル
ホン化の際に用いられる溶媒としては、炭素数が1〜2
の脂肪族ハロゲン化炭化水素(好ましくは、1,2−ジ
クロロエタン 、クロロホルム、ジクロロメタン、1,
1−ジクロロエタン)、脂肪族環状炭化水素(好ましく
は、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペ
ンタン)等である。なお、これら溶媒は、単独で用いて
も良いし、複数混合して用いても良い。この溶媒の混合
において、その混合比率は、特に限定されるものではな
い。
【0096】また、上述した溶媒は、他の溶媒を混合し
て用いられてもよい。このとき、混合して用いることが
可能な他の溶媒としては、パラフィン系炭化水素(炭素
数が1〜7)、アセトニトリル、二硫化炭素、テトラヒ
ドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2-ジメトキシ
エタン、アセトン、メチルエチルケトン、チオフェン等
が挙げられる。これらの中で、他の溶媒として好ましく
は、パラフィン系炭化水素(炭素数が1〜7)、テトラ
ヒドロフラン、アセトン、アセトニトリルが挙げられ
る。なお、これら他の溶媒との混合比率は、特に限定し
ないが、好ましくは、1〜100体積%の範囲が好まし
い。なお、上述した溶媒は、スチレン系ポリマーのスル
ホン化反応終了後、抜き取りや蒸留等手法により回収し
て再度スルホン化反応に使用しても良い。
【0097】そして、上記アニオン性高分子凝集剤は、
上述したようなスチレン系ポリマー、スルホン化剤及び
溶媒を所定量混合しスルホン化反応を進行させることに
より得られる。
【0098】このスルホン化反応の際、スチレン系ポリ
マーの濃度は、0.1〜30重量%とされることが好ま
しく、より好ましくは、0.5〜20重量%とされる。
スチレン系ポリマーは、濃度が上述した範囲より薄い
と、スルホン基が導入され難くなる。これに対して、濃
度が上述した範囲より薄いと、スルホン化反応中にゲル
化物が発生し易くなったり、未反応物が多量に発生して
しまうこととなる。
【0099】また、このスルホン化反応では、反応温度
が0〜100℃、好ましくは、15〜80℃とされる。
スルホン化反応において、反応温度がこの範囲より低い
と、スルホン化反応がしにくくなり高分子凝集剤の収率
が低下してしまう。
【0100】さらに、このスルホン化反応では、反応時
間(スルホン化剤の滴下時間は含まない。)が10分〜
10時間とされ、好ましくは、30分〜5時間とされ
る。
【0101】このように、スルホン化反応が終了した溶
液は、中和剤によりスルホン基を中和した後に溶媒を留
去される。これにより、所望の高分子凝集剤が生成され
る。
【0102】このとき、中和剤としては、塩基性化合
物、例えば、アルカリ金属(ナトリウム、リチウム、カ
リウム等)やアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシ
ウム等)の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、硫酸
塩、リン酸塩等の化合物や、アンモニアや各種(1〜3
級アルキル)アミン化合物等が挙げられる。そして、こ
の中和剤は、固体の状態、もしくは水溶液の状態で反応
系中に徐々に添加され、スチレン系ポリマーに導入され
たスルホン基を中和する。また、溶媒を留去する手法と
しては、分液、蒸留等の手法が用いられる。
【0103】以上のようにして得られた本発明に係る高
分子凝集剤では、その分子量(Mw)が15万〜60万
とされることが必要である。また、分子量(Mw)は、
20万〜50万であることがより好ましい。高分子凝集
剤は、スルホン化されたスチレン系ポリマーの分子量が
15万以下であると、懸濁液中の懸濁物質に対する凝集
効果が低下するだけでなく、懸濁物質を分散させること
となる。一方、スルホン化されたスチレン系ポリマーの
分子量が60万以上であると、懸濁物質が粗大なフロッ
クとして凝集してしまい、良好な清澄化効果を得られ
ず、また、生成されるケーキの含水率も高いものとなっ
てしまう。
【0104】一方、この高分子凝集剤においては、スチ
レン系ポリマー中にスルホン基が40モル%以上導入さ
れ、好ましくは、50モル%以上導入される。高分子凝
集剤は、スチレン系ポリマー中にスルホン基が40モル
%より小となると、水に対する溶解性が低下してしま
い、懸濁液中の懸濁物質に対する凝集効果が大幅に低下
してしまう。
【0105】上述したように、この高分子凝集剤におい
て、所望する量のスルホン基を導入するためには、スチ
レン系ポリマーにスチレンユニットが60モル%以上、
好ましくは80モル%以上含有されることが好ましい。
スチレン系ポリマー中のスチレンユニットが60モル%
より少とされると、スルホン化反応により上述した量の
スルホン基を有する高分子凝集剤を得ることが困難であ
る。
【0106】これら高分子凝集剤の他、天然物系の凝集
剤も本発明の高分子凝集剤と併用可能である。天然物系
の凝集剤としては、モロヘイヤ、又はその乾燥物や抽出
物、トマトの種子周辺のゼリー状部分、又はその乾燥物
や抽出物が挙げられる。
【0107】モロヘイヤは、主にエジプトを中心にシリ
ア、ヨルダン、イラン等のアラブの熱帯地方で栽培され
ているシナノキ科のコルコルス属の1年草であり、緑黄
色野菜として古くから食用に利用されている。このモロ
ヘイヤの主成分である粘性を示す酸性多糖類を凝集剤と
して利用する。
【0108】具体的には、モロヘイヤの花、茎、葉、根
部、又はこれらの一部をペースト状にしたものを凝集剤
とする。あるいは、モロヘイヤの花、茎、葉、根部、又
はこれらの一部を乾燥状態でミキサー等により粉砕した
粉体を凝集剤としてもよい。モロヘイヤの乾燥には、天
日、日陰での風乾、真空乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥等、
任意の方法を使用することができる。
【0109】トマトは、ナス科の植物で温帯では一年生
であり、やはり緑黄色野菜として古くから食用に利用さ
れている。このトマトの種子周辺のゼリー状部分を凝集
剤として利用する。
【0110】具体的には、トマトの種子周辺のゼリー状
部分をそのまま、又はこれらを乾燥状態でミキサー等に
より粉砕した粉体を凝集剤とする。乾燥には、モロヘイ
ヤの場合と同様の手法が使用できる。
【0111】さらには、これらモロヘイヤのペーストや
粉体、あるいはのトマトの種子周辺のゼリー状部分やそ
の乾燥物を、水、温水、親水性有機溶剤(アルコール
類、エーテル類、N,N−ジメチルフォルムアミド、ジ
メチルスルフォキシド糖等)、又はこれらの混液により
抽出した抽出液を凝集剤としてもよい。さらに、抽出液
を分画したもの、或いは抽出液を乾燥したものであって
もよい。なお、抽出液としては、水もしくは温水が好ま
しい。
【0112】また、上記抽出液を貧溶媒となる有機溶剤
で再沈させたものや、これを乾燥させたものを凝集剤と
してもよい。
【0113】これら抽出液は、必要に応じて、液中の固
形物をフィルター等で濾過するとよい。
【0114】また、これら凝集剤は、アルカリ水溶液や
酸水溶液で処理又は抽出して、これを凝集剤としてもよ
い。アルカリとしては、例えば、アンモニア水、各種ア
ミン化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム等が挙げられる。酸としては、乳酸、酪酸、
酢酸、ギ酸等の有機酸や、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸
が挙げられる。
【0115】勿論、モロヘイヤやトマトの種子周辺の粘
性成分をそのまま凝集剤として用いることができるが、
上述したように、粉体や抽出液として利用する方が、処
理液(懸濁液)中での拡散をより容易にする上で効果的
である。また、モロヘイヤやトマトの種子周辺の粘性成
分をそのまま乾燥したものよりは、水、温水、水溶性有
機溶剤等で抽出した後に乾燥させたものの方が、同一固
形物重量当たりの凝集活性は有利となる。
【0116】但し、モロヘイヤの粘性の多糖成分やトマ
トの種子周辺の粘性成分は、粉砕や加熱しすぎると、そ
の主・側鎖の切断による分子量低下や分子内架橋反応に
よる水不溶化が生じ、凝集活性が低下しまうので、注意
を要する。
【0117】本発明の高分子凝集剤は、上述の何れの凝
集剤とも併用することが可能であるが、逆のタイプの高
分子凝集剤と組み合わせる場合には、効率的な処理のた
めに若干の工夫を要する。
【0118】例えば、本発明の高分子凝集剤が正の電荷
を有する場合(例えばアミノ化合物が付加された分子構
造部分を有し、これが酸塩あるいは四級アンモニウム塩
とされた場合)、上記アニオン型高分子凝集剤と組み合
わせて用いると、水中における両者の電荷が逆符号とな
るので、混合使用ではなく、逐次使用とすることが好ま
しい。
【0119】逐次使用においては、カチオン型高分子凝
集剤とアニオン型高分子凝集剤のいずれを先に被処理水
に投入しても良いが、水処理として下水処理を想定した
場合、通常の下水では一般に微生物処理を経てコロイド
が負に帯電しているため、カチオン型高分子凝集剤を先
に投入するのが一般的である。
【0120】本発明の水処理方法ではさらに、本発明の
高分子凝集剤を無機凝集剤や凝集助剤と併用することも
可能である。
【0121】上記無機凝集剤としては、例えば、硫酸ア
ルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、アルミン酸ナトリ
ウム、硫酸第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、塩化コッ
パラス、変性塩基性硫酸アルミニウム(LACS)、活
性シリカ等が挙げられる。
【0122】また、上記凝集助剤としては、例えば、消
石灰、珪酸ナトリウム、ベントナイト、フライ・アッシ
ュ等を用いることができる。
【0123】これら各薬剤の添加量としては、汚泥種類
や汚泥中の懸濁物の濃度、脱水処理設備等にもよるが、
概ね0.001〜2000ppm(対排水)、好ましく
は0.1〜500ppmである。
【0124】本発明で処理の対象とされる被処理水は特
に限定されるものではないが、主に有機性汚泥を含む下
水や、無機系粒子が懸濁している工場廃水のように汚染
度の高い水を対象とした場合に、多大な効果が得られ
る。
【0125】被処理水に対する本発明の高分子凝集剤の
添加量は、被処理水の組成や他の凝集剤や凝集助剤との
組合せによっても異なるが、少なすぎると懸濁粒子が十
分に凝集されず、また多すぎると凝集に寄与しない高分
子凝集剤の割合が大きくなり、高分子凝集剤の無駄であ
るばかりか新たな水質汚染の原因ともなりかねない。添
加量の好ましい範囲は概ね0.001〜2000ppm
であり、より好ましくは0.1〜500ppmである。
【0126】本発明の高分子凝集剤を用いて排水処理を
行う際には、凝結剤、キレート樹脂、キレート剤、活性
炭、オゾン水、イオン交換樹脂、イオン交換膜、吸水性
樹脂、過酸化水素水、塩素及び液体塩素、次亜塩素酸ナ
トリウム、二酸化塩素、さらし粉、塩素化イソシアヌ
ル、けいそう土、酸化チタン等の光触媒、生物処理剤等
の各種副処理剤を併用してもよい。
【0127】また、ベルトプレス脱水機、遠心脱水機、
スクリュープレス等の各種脱水機も使用可能である。脱
水物(ケーキ)は、公知の方法で埋め立て処理すること
が可能である。また、燃料化、コンポスト化することも
極めて容易である。
【0128】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について、実
験結果を基に説明する。
【0129】<高分子廃材の改質>先ず、シアノ基を有
する高分子廃材にアミノ化合物、架橋剤を反応させて高
分子凝集剤を製造し、その性能を調べた。
【0130】以下の実験で用いたシアノ基を有する高分
子廃材は、下記の5種類である。
【0131】・アクリル繊維廃材a セーター用アクリル繊維の廃材。アクリロニトリル含有
率95モル%以上。
【0132】・ニトリル樹脂廃材b 化粧品容器廃材。アクリロニトリル含有率90モル%以
上。
【0133】・ABS樹脂廃材c 8mmカセットケースシェル(黒色部分の廃材。アクリ
ロニトリルユニットを38モル%含有。
【0134】・SAN樹脂廃材d 8mmカセットケースシェル(透明部分の廃材。アクリ
ロニトリルユニットを40モル%含有。
【0135】・ニトリルゴム廃材e ゴムホースの廃材。アクリロニトリルユニットを25モ
ル%含有。
【0136】いずれも小片としたものを原料として用い
たが、アクリル繊維廃材aについては、鋏により一辺が
3mm以下の小片に切断した。ニトリル樹脂廃材bとS
AN樹脂廃材dについては、カッター式粉砕機により、
65メッシュ以下の小片として原料に使用した。ABS
樹脂廃材cとニトリルゴム廃材eについては、凍結した
後、カッター式粉砕機により粉砕し、やはり65メッシ
ュ以下の小片とした。
【0137】実施例1 シクロヘキサン40gにエチレンジアミン4g、硫黄粉
末0.03g、及びアクリル繊維廃材aの小片1.0g
を投入し、そのまま撹拌しながら60℃で6時間、付加
反応を行った。
【0138】その後、反応容器の底に析出した緑色固形
物を取り出し、水に溶解したものを多量のアセトン中に
注ぎ沈殿させた。
【0139】次に、この沈殿物のろ過を行い、室温下、
減圧乾燥を行って淡黄色の粉末を得た。
【0140】得られた粉末について、フーリエ変換赤外
吸収スペクトル(FT−IR)及び核磁気共鳴スペクト
ル(NMR)を測定したところ、反応固形物中のシアノ
基の83モル%がイミダゾリン環に転換されているこ
と、また、このイミダゾリン環は加水分解されていない
ことが確認された。
【0141】次に、得られた粉末を水に溶解して2%の
ポリマー水溶液とし、このポリマー水溶液100gにス
クシンジアルデヒド0.5g(純分)を加えて50℃で
1時間反応を行った。このとき、反応中に粘度の上昇が
確認された。
【0142】この反応水溶液を高分子凝集剤Aとした。
この高分子凝集剤Aは、ノニオン型高分子凝集剤に相当
する。
【0143】実施例2 原料としてABS樹脂廃材cの粉砕物を用い、他は実施
例1と同様の方法により反応水溶液を得た。
【0144】次いで、この反応水溶液に塩酸を添加して
pHを4に調整した。
【0145】この反応水溶液を高分子凝集剤Bとした。
この高分子凝集剤Bは、カチオン型高分子凝集剤に相当
する。
【0146】実施例3 実施例1で得られたポリマー水溶液を90℃で15時間
加熱した。なお、反応終了後、この水溶液のサンプリン
グを行い、乾燥物のFT−IR及びNMRを測定したと
ころ、反応前のイミダゾリン環の70モル%が加水分解
されてアミド構造に転換されていることが確認された。
【0147】次に、反応終了後の水溶液に、1,2−ジ
クロロエタン0.1gを加えて50℃で2時間反応を行
った。この反応中においても粘度の上昇が確認された。
【0148】反応終了後、未反応の1,2−ジクロロエ
タンを減圧加熱により1ppm以下になるまで留去し
た。
【0149】この反応水溶液を高分子凝集剤Cとした。
この高分子凝集剤Cは、カチオン型高分子凝集剤に相当
する。
【0150】実施例4 SAN樹脂廃材dの小片1.0gをジメチルスルホキシ
ド(DMSO)20gに溶解させ、そこにエタノールア
ミン2.5gを室温下で滴下した。そのまま撹拌しなが
ら100℃まで昇温し、12時間反応を行った。
【0151】反応終了後、未反応のエタノールアミンを
減圧蒸留により留去した。以上の処理によりシアノ基の
90%がイミノ構造に置換されたポリマーが得られた。
【0152】次に、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシ
アネート0.1gを加え、40℃で1時間反応を行っ
た。このとき、反応中に水溶液の粘度の上昇が確認され
た。
【0153】この後、反応液をエタノール中に注いで沈
殿させ、ろ過後、メタノールで洗浄を行い、室温下で減
圧乾燥した。
【0154】次いで、得られたポリマーを水中に投入
し、希硫酸でpH4の水溶液とした。
【0155】この反応水溶液を高分子凝集剤Dとした。
この高分子凝集剤Dは、カチオン型高分子凝集剤に相当
する。
【0156】実施例5 1,2−プロパンジアミン2.0gに硫黄粉末0.02
gとニトリル樹脂廃材b1.0gを投入し、110℃で
6時間反応を行った。
【0157】反応終了後、減圧蒸留により未反応の1,
2−プロパンジアミンの留去を行い、その後、残留物は
水に溶かしてアセトンで沈殿させた。
【0158】次に、この沈殿物のろ過を行い、室温下、
減圧乾燥を行って茶色の粉末を得た。
【0159】得られた粉末について、フーリエ変換赤外
吸収スペクトル(FT−IR)及び核磁気共鳴スペクト
ル(NMR)を測定したところ、反応固形物中のシアノ
基の91モル%がイミダゾリン環に転換されていること
が確認された。
【0160】次いで、この粉末を水に溶かして2%のポ
リマー水溶液とし、このポリマー水溶液100gにホル
ムアルデヒド0.2g(純分)を添加して40℃で30
分間反応を行った。このとき、反応中に粘度の上昇が確
認された。
【0161】この反応水溶液を高分子凝集剤Eとした。
この高分子凝集剤Eは、ノニオン型高分子凝集剤に相当
する。
【0162】実施例6 シクロヘキサン40gに硫黄粉末0.02gと分子架橋
用ポリアミ化合物としてヘキサメチレンジアミン0.5
gとイミダゾリン環形成用のアミン化合物としてエチレ
ンジアミン3.5g、及びアクリル繊維廃材aの小片
1.0gを投入し、そのまま撹拌しながら60℃で4時
間反応を行った。
【0163】その後、反応容器の底に析出した固形物を
取り出し、水に溶解したものを多量のアセトンに注ぎ、
沈殿させた。
【0164】次に、この沈殿物のろ過を行い、室温下、
減圧乾燥を行い、淡黄色の粉末を得た。この粉末中のシ
アノ基の73モル%がイミダゾリン環に転換されてい
た。
【0165】この粉末を高分子凝集剤Fとした。この高
分子凝集剤Fは、ノニオン型高分子凝集剤に相当する。
【0166】実施例7 ニトリルゴム廃材eを用いた以外は実施例6と同様の方
法でポリマー粉末を得た。
【0167】次に、この粉末を水に溶かして2%水溶液
とし、ここの塩化メチルを吹き込んで四級化反応を行っ
た。なお、未反応の塩化メチルは、加熱により留去し
た。
【0168】この反応水溶液を高分子凝集剤Gとした。
この高分子凝集剤Gは、カチオン型高分子凝集剤に相当
する。
【0169】比較例1 実施例1のアクリル繊維廃材aのエチレンジアミン付加
物(ただし、スクシンアルデヒドによる架橋処理は行っ
ていないもの。)を比較サンプルHとした。
【0170】比較例2 実施例5のニトリル樹脂廃材bの1,2−プロパンジア
ミン付加物(ただし、ホルムアルデヒドによる架橋処理
は行っていないもの。)を比較サンプルIとした。
【0171】<凝集性能の評価>次に、これらの高分子
凝集剤A〜Iの凝集性能を評価した。
【0172】なお、以下の一連の試験例では、本発明品
との比較、または本発明品との併用を目的として、下記
の凝集剤を用いた。
【0173】・ノニオン型高分子凝集剤J:市販のポリ
アクリルアミド ・カチオン型高分子凝集剤K:市販のポリジメチルアミ
ノエチルアクリレートのメチルクロライド四級化物(強
力カチオンタイプ) ・アニオン型高分子凝集剤L:市販のポリアクリルアミ
ド部分加水分解物(中アニオンタイプ) ・樹脂廃材スルホン化物M :ポリスチレンスルホン酸
ソーダ(原料:発泡スチロール、スルホン化率:80モ
ル%) ・繊維廃材加水分解物N :ポリアクリロニトリル加
水分解物(アクリル繊維の水酸化ナトリウム処理物) ・天然産系凝集剤O :モロヘイヤの葉の乾燥粉
砕物評価試験1 1重量%のカオリン水溶液を凝集評価用懸濁液(以下、
懸濁液と称する。)とした。この懸濁液を200ml容
の共栓付きメスシリンダに100ml入れ、凝集剤の水
溶液をメスピペットを用いてそれぞれ懸濁液中に滴下し
た。滴下量は、懸濁液中における凝集剤の濃度が2pp
mとなる量とした。
【0174】なお、以下の例でも同様であるが、二種類
の凝集剤を併用する場合には、その比率1:1とし、全
体で所定の添加量となるようにした。
【0175】滴下後、直ちにメスシリンダに栓をし、上
下反転を10回繰り返し、その後静置して懸濁粒子の沈
降速度と上澄み液の濁度とを測定した。測定結果を表1
に示す。
【0176】
【表1】
【0177】表1より、本発明の改質されたノニオン型
高分子凝集剤は、単独および混合のいずれの場合におい
ても、市販のノニオン型凝集剤よりも沈降速度、上澄み
液の濁度において良好な結果を示し、優れた凝集性能を
有していることが確認された。
【0178】また、高分子凝集剤H,Iとの比較から、
架橋剤により強制架橋されることにより、その凝集性能
が大幅に改善されていることも確認された。
【0179】評価試験2 電子部品工場の排水を硫酸バンドにて一次凝集した処理
液(pH6.2、SS1.8重量%)を凝集評価用懸濁
液とした。
【0180】この懸濁液を200ml容の共栓付きメス
シリンダに100ml入れ、各凝集剤をメスピペットを
用いてそれぞれ懸濁液中に滴下した。滴下量は、懸濁液
中における高分子凝集剤の濃度が4ppmとなる量とし
た。なお、凝集剤を二種類併用する場合には、それぞれ
前記濃度が2ppmとなるように混合して使用した。
【0181】滴下後、直ちにメスシリンダに栓をし、上
下反転を10回繰り返し、その後静置して懸濁粒子の沈
降速度と上澄み液の濁度、ろ布にて脱水後のケーキの含
水率を測定した。測定結果を表2に示す。
【0182】
【表2】
【0183】表2より、本発明の高分子凝集剤は、従来
のアニオン型凝集剤よりも沈降速度、上澄み液の濁度、
ケーキ含水率の点で優れた特性を有していることが確認
された。また、本発明の高分子凝集剤は、市販のアニオ
ン型凝集剤と混合使用することにより、さらにその凝集
性能が向上されることも確認された。
【0184】評価試験3 下水処理場の混合汚泥(pH6.5、SS2.2重量
%)についてジャーテストを行った。
【0185】先ず、ジャーテスターにて撹拌中の汚泥に
対して、カチオン型高分子凝集剤を対SS当たり0.4
重量%(2種類を混合して用いる場合には、それぞれ
0.2重量%)添加撹拌し、凝集させた。さらに、引き
続いてアニオン型高分子凝集剤を対SS当たり0.2重
量%(2種類を混合して用いる場合には、それぞれ0.
1重量%)添加し、撹拌を行い凝集させた。
【0186】その後、静置して懸濁粒子の沈降速度と上
澄み液の濁度、ろ布にて脱水後のケーキの含水率を測定
した。測定結果を表3に示す。
【0187】
【表3】
【0188】表3より、本発明の高分子凝集剤は、単独
で使用した場合、及びアニオン型凝集剤と併用した場合
のいずれにおいても、従来のカチオン型凝集剤よりも沈
降速度、上澄み液の濁度、ケーキ含水率の点で優れた特
性を有していることが確認された。
【0189】以上、本発明の具体的な実施例および評価
試験結果について説明したが、本発明はこれらの実施例
に何ら限定されるものではなく、高分子凝集剤の製造原
料となる高分子材料の種類、架橋反応条件、付加反応条
件、加水分解反応条件、酸塩の形成条件、水処理条件等
の細部については、適宜変更、選択、組合せが可能であ
る。
【0190】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の高分子凝集剤は、シアノ基、特にアクリロニトリル
起源のシアノ基を含有する高分子材料を分子量の高い水
溶性高分子に改質したものであり、凝集速度、上澄み液
の濁度、ケーキの含水率について、優れた性能を発揮す
る。
【0191】したがって、これを水処理に用いること
で、廃水の環境浄化の面で積極的な環境保全に貢献でき
るものである。
【0192】また、特に、原料として従来廃棄処分され
ていた廃材を再利用すれば、有害廃棄物の低減や資源の
有効利用を図ることも可能である。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シアノ基を有する高分子材料に分子間架
    橋構造が導入されてなる高分子凝集剤。
  2. 【請求項2】 上記高分子材料は、シアノ基の少なくと
    も一部に無機及び/又は有機アミノ化合物が付加された
    分子構造部を有し、この分子構造部の少なくとも一部に
    おいて分子間架橋されていることを特徴とする請求項1
    記載の高分子凝集剤。
  3. 【請求項3】 上記高分子材料がアクリロニトリルをモ
    ノマー・ユニットとして含むことを特徴とする請求項1
    記載の高分子凝集剤。
  4. 【請求項4】 上記高分子材料がアクリル繊維、ニトリ
    ル樹脂、スチレン−アクリロニトリル樹脂、アクリロニ
    トリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル
    −スチレン−アクリル樹脂、アクリロニトリル−塩素化
    エチレン−スチレン樹脂、ニトリルゴム、アクリロニト
    リル−ブタジエンゴムから選ばれる少なくとも1種であ
    ることを特徴とする請求項3記載の高分子凝集剤。
  5. 【請求項5】 上記高分子材料がシアノ基を全モノマー
    ・ユニットの15モル%以上含有していることを特徴と
    する請求項1記載の高分子凝集剤。
  6. 【請求項6】 上記高分子材料が他の目的に使用された
    使用済みの廃材に含まれることを特徴とする請求項1記
    載の高分子凝集剤。
  7. 【請求項7】 シアノ基を有する高分子材料に無機及び
    /又は有機アミノ化合物を付加してアミノ化合物付加物
    とした後、架橋剤を添加することにより分子間架橋する
    ことを特徴とする高分子凝集剤の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記アミノ化合物付加物を加水分解した
    後、架橋剤を添加することにより分子間架橋することを
    特徴とする請求項7記載の高分子凝集剤の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記無機アミノ化合物が、アンモニア、
    ヒドラジン、ヒドロキシルアミンから選ばれる少なくと
    も1種であることを特徴とする請求項7記載の高分子凝
    集剤の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記有機アミノ化合物が、炭素数1〜
    12の炭化水素基で置換された第1アミン、及び炭素数
    1〜12の炭化水素基で置換された第2アミンの少なく
    とも1種であることを特徴とする請求項7記載の高分子
    凝集剤の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記高分子材料として、アクリロニト
    リルをモノマー・ユニットとして含むものを用いること
    を特徴とする請求項7記載の高分子凝集剤の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記高分子材料としてアクリル繊維、
    ニトリル樹脂、スチレン−アクリロニトリル樹脂、アク
    リロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニ
    トリル−スチレン−アクリル樹脂、アクリロニトリル−
    塩素化エチレン−スチレン樹脂、ニトリルゴム、アクリ
    ロニトリル−ブタジエンゴムから選ばれる少なくとも1
    種を用いることを特徴とする請求項11記載の高分子凝
    集剤の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記高分子材料として、前記シアノ基
    を全モノマー・ユニットの15モル%以上含有するもの
    を用いることを特徴とする請求項7記載の高分子凝集剤
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記高分子材料として、他の目的に使
    用された使用済みの廃材に含まれるものを用いることを
    特徴とする請求項7記載の高分子凝集剤の製造方法。
  15. 【請求項15】 シアノ基を有する高分子材料にポリア
    ミン化合物を付加させることにより、シアノ基の一部を
    分子間架橋することを特徴とする高分子凝集剤の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 上記高分子材料として、アクリロニト
    リルをモノマー・ユニットとして含むものを用いること
    を特徴とする請求項15記載の高分子凝集剤の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 上記高分子材料としてアクリル繊維、
    ニトリル樹脂、スチレン−アクリロニトリル樹脂、アク
    リロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニ
    トリル−スチレン−アクリル樹脂、アクリロニトリル−
    塩素化エチレン−スチレン樹脂、ニトリルゴム、アクリ
    ロニトリル−ブタジエンゴムから選ばれる少なくとも1
    種を用いることを特徴とする請求項16記載の高分子凝
    集剤の製造方法。
  18. 【請求項18】 上記高分子材料として、前記シアノ基
    を全モノマー・ユニットの15モル%以上含有するもの
    を用いることを特徴とする請求項15記載の高分子凝集
    剤の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記高分子材料として、他の目的に使
    用された使用済みの廃材に含まれるものを用いることを
    特徴とする請求項15記載の高分子凝集剤の製造方法。
  20. 【請求項20】 シアノ基を有する高分子材料に分子間
    架橋構造が導入されてなる高分子凝集剤を、被処理水中
    に投入することを特徴とする水処理方法。
  21. 【請求項21】 上記高分子凝集剤を、ノニオン型高分
    子凝集剤、アニオン型高分子凝集剤、カチオン型高分子
    凝集剤の少なくとも1種と併用することを特徴とする請
    求項20記載の水処理方法。
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