JPH11307892A - 導電ペースト組成物およびそれを用いたセラミック配線基板 - Google Patents

導電ペースト組成物およびそれを用いたセラミック配線基板

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JPH11307892A
JPH11307892A JP11555398A JP11555398A JPH11307892A JP H11307892 A JPH11307892 A JP H11307892A JP 11555398 A JP11555398 A JP 11555398A JP 11555398 A JP11555398 A JP 11555398A JP H11307892 A JPH11307892 A JP H11307892A
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英司 小寺
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表層導体にハンダくわれ性、耐マイグレーシ
ョン性に優れた銀/パラジウムを用いて同時焼成して
も、層間接続用の銀ビア導体との接続部に断線の生じな
い、信頼性とコスト低減に優れたセラミック配線基板を
提供すること。 【構成】 銀およびパラジウムからなる導電成分と、モ
リブデンおよびタングステンの混合物からなるフィラー
成分と、を必須成分とするセラミック配線基板用の導電
ペーストにおいて、該フィラー成分を該導電成分100
重量部に対して0.35〜5.5重量部含有し、且つ、
該フィラー成分のタングステンに対するモリブデンの比
が0.1〜1.7の範囲にあることを特徴とする導電ペ
ースト組成物を同時焼成の表層導体に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック配線板の層
間を電気的に接続するための銀を導電成分とする電気的
接続手段との接続性の良好な、銀/パラジウムを導電成
分とする表層導体を有するセラミック配線板に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化・高性能化に伴
い、電子部品や配線基板に要求される小型化や電気的特
性への要求は厳しくなりつつある。従来より、電子部品
や配線基板を小型化する方法としては、配線や絶縁層を
順次印刷・焼成していく印刷多層技術や、導電ペースト
で配線を印刷形成したセラミックグリーンシートを積層
して同時焼成する多層配線化技術がある。
【0003】しかしながら、印刷多層技術は、配線や絶
縁層の印刷・焼成を順次繰り返して多層化するため工数
が多く、歩留まりが悪い。また、印刷多層した面には凹
凸が発生するため、スクリーン印刷法で微細な配線回路
を安定して形成するのは困難である。
【0004】一方、同時焼成による多層配線化技術で
は、絶縁体としてアルミナやチタン酸鉛等の焼成温度が
1000℃以上のセラミック材料を用いるため、配線材
料にはタングステンやパラジウムといった融点が100
0℃以上の高融点金属を用いる必要があった。しかし、
これらの高融点金属は導体抵抗が高いため、導体中を流
れる電気信号の損失(いわゆる導体損失)が大きいとい
った欠点があり、電気特性への市場の要求を満たすこと
ができなくなってきている。
【0005】そこで近年は、更なる市場の要求特性に応
えるために、導体抵抗が低い銀、金、銅等を導体材料に
使用可能で、かつ、1000℃以下で焼成可能な低温焼
成材料を用いた配線基板や電子部品が種々開発されてい
る。特に銀は導体抵抗が低く、銅と異なり酸化雰囲気中
でも焼成可能なことから、はやくから低温焼成材料との
同時焼成技術が検討・開発されており、その結果、セラ
ミック配線基板の電気的特性は向上した。
【0006】しかし、銀導体はハンダにくわれやすかっ
たり、銀イオンがマイグレーションして配線間が短絡す
る、といった信頼性の問題があるため、そのまま銀導体
を配線基板の表層導体として用いることはできなかっ
た。ハンダくわれ対策として、一般には銀導体の表面に
ニッケルメッキ等を施すが、酸やアルカリ等の薬液によ
る前処理が導体の基板への密着強度を下げたり、メッキ
工程の追加によるコスト高といった問題をもたらす。
【0007】銀導体のハンダくわれや銀イオンのマイグ
レーションを解決するためには、銀に耐熱性の高いパラ
ジウムを添加した銀/パラジウム導体を用いるのが有効
である。銀/パラジウムは、パラジウム濃度が5〜20
%の組成において、厚膜法によるポストファイヤメタラ
イズとしてよく用いられている。しかし、銀/パラジウ
ム導体をポストファイヤメタライズで後付けしていたた
め、その分工数が増えてコスト高になっていた。コスト
低減をするために、銀/パラジウム導体を表層導体とし
て同時焼成で形成する技術が検討された。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、銀/パラジ
ウム導体を用いて750℃以上でセラミックと同時焼成
すると、層間接続用の銀ビア導体との接続部分に焼成収
縮のミスマッチに伴う断線が発生する問題があった。こ
れは銀ビア導体の焼成収縮のタイミングに対して、銀/
パラジウム導体の焼成収縮のタイミングが遅いため、図
1(b)に示すように、銀/パラジウム導体21と銀ビ
ア導体23との接続部22付近にうねりを生じて断線が
発生するものと推察される。銀/パラジウム導体のパラ
ジウム濃度が高くなるにつれてハンダくわれには強くな
るが、一方で焼成のミスマッチが大きくなり、断線が発
生しやすくなる。
【0009】銀ビア導体の焼成収縮のタイミングと銀/
パラジウム導体の焼成収縮のタイミングとを一致させる
ことができれば、図1(a)に示すように銀/パラジウ
ム導体1の銀ビア導体3との接続部2付近にうねりを生
じないため、焼成ミスマッチに起因する断線を防止でき
る。しかし、銀と銀/パラジウムの粒径を変えたりする
程度では、両者の焼成収縮を一致させることはできない
ため、銀ビア導体との接続信頼性の高い銀/パラジウム
導体を同時焼成で形成することは容易ではなかった。
【0010】本発明は、表層導体材料にハンダくわれ
性、耐マイグレーション性に優れた銀/パラジウムを用
いて同時焼成しても、層間接続用の銀ビア導体との接続
部に断線が生じない、信頼性とコスト低減に優れたセラ
ミック配線板を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】(1)前記目的を達成す
るための請求項1の発明は、銀およびパラジウムからな
る導電成分と、モリブデンおよびタングステンとからな
るフィラー成分と、を必須成分とするセラミック配線基
板用の導電ペーストであって、該フィラー成分を金属モ
リブデン換算および金属タングステン換算で、前記導電
成分100重量部に対して0.35〜5.5重量部含有
し、該フィラー成分において、金属換算でのタングステ
ンに対するモリブデンの重量比が0.1〜1.7の範囲
であることを特徴とする導電ペースト組成物を要旨とす
る。本願発明による組成の導電ペースト組成物を銀ビア
導体と接続する表層導体に用いることで、表層の銀/パ
ラジウム導体と層間接続用の銀ビア導体との焼成収縮の
ミスマッチを低減して、良好な電気的接続信頼性を得る
ことが可能となる。
【0012】本発明では、フィラー成分としてモリブデ
ンとタングステンの両方を必須成分とすることを特徴と
する。フィラー成分としてモリブデンだけを添加する
と、両方添加した場合と比較して、表層の銀/パラジウ
ム導体と銀ビア導体間の焼成収縮のミスマッチが大きく
なり、図1(b)に示すように、銀/パラジウム導体2
1が基板24から突き出る方向にうねりを生じて、表層
の銀/パラジウム導体21と銀ビア導体23との接続面
22に断線が発生するので好ましくない。この原因とし
ては、モリブデンが銀/パラジウムの焼成収縮を抑制す
る効果を有するからと推察される。
【0013】一方、フィラー成分としてタングステンだ
けを添加しても、図1(c)に示すように、表層の銀/
パラジウム導体31と銀ビア導体33との接続面32に
は断線は発生しないが、銀/パラジウム導体31が基板
34の内側に向かってへこむ方向にうねりを生じるので
好ましくない。この原因としては、タングステンが銀/
パラジウムの焼成収縮を促進する効果を有するからと推
察される。
【0014】従がってフィラー成分としては、モリブデ
ンとタングステンの両方が必須であり、その配合比によ
り銀/パラジウムの焼成収縮を調整することが必要であ
る。銀/パラジウムは、パラジウム濃度によって焼成収
縮が変化するが、本発明では、モリブデンとタングステ
ンの配合比を調整して銀ビア導体との焼成収縮をマッチ
ングさせることが可能である。フィラー成分の添加量と
しては、銀/パラジウムからなる導電成分100重量部
に対して、0.35〜5.5重量部の範囲が好ましい。
フィラー成分の添加量が0.35重量部以下では、接続
部の断線を防止できない。また、フィラー成分の添加量
が5.5重量部以上では、導体と基板の接合部界面に余
剰のフィラーが存在して、接合強度を低下させる。
【0015】銀/パラジウムからなる導電成分として
は、銀粉末とパラジウム粉末との混合粉末や、銀とパラ
ジウムの共沈粉末あるいは合金粉末が用いられる。粉末
の形状としては、球形、不定形、偏平形、燐片形、樹状
形等の様々な形状のものが使用できるが、ペースト化す
る際の分散性を考慮すると、球形で単分散のものが好ま
しい。銀/パラジウムからなる導電成分のパラジウム含
有率としては、5〜20%が好ましいが、特にこの範囲
に限定する必要は無い。用いる粉末の粒径としては特に
限定しないが、一般的に用いられている平均粒径1〜1
0μm程度の範囲から選択すればよい。特には2〜3μ
mの範囲が好ましい。
【0016】請求項2の発明は、モリブデンおよびタン
グステンとからなるフィラー成分の粒径が0.6〜2.
0μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の
導電ペースト組成物を要旨とする。本発明は、前記請求
項1の発明におけるフィラー成分の粒径範囲を例示した
ものであり、該フィラー成分の粒径を0.6〜2.0μ
mの範囲で調製して表面積を変化させることで導電ペー
スト中における分散性をコントロールし、その結果、基
板材料による焼成条件の変化や導電成分のパラジウム濃
度の変化に幅広く対応することができる。
【0017】請求項3の発明は、基板表面において、少
なくとも一部が露出し、且つ、その導電成分が銀からな
る電気的接続手段と、該電気的接続手段と電気的導通を
有する表層導体と、を有するセラミック配線板であっ
て、該表層導体が請求項1乃至請求項2に記載の導電ペ
ースト組成物をセラミックと同時焼成して形成されたも
のであることを特徴とするセラミック配線基板を要旨と
する。本発明は、請求項1乃至請求項2の発明のセラミ
ック配線基板への効果的な適用構成を例示したものであ
り、グリーンシートに穿設されたビアホール中に充填さ
れた層間接続用の銀ビア導体の基板表面への露出面の少
なくとも一部にかかるように請求項1乃至請求項2に記
載の銀/パラジウム導電ペーストをスクリーン印刷し、
セラミックとともに同時焼成することで、焼成タイミン
グのミスマッチによる断線が発生しやすい銀/パラジウ
ム表層導体と銀ビア導体間の接続信頼性を格段に向上で
きる。
【0018】本願発明の導電ペーストには、必要に応じ
て各種の金属酸化物やガラスやカップリング剤等を添加
することができる。金属酸化物としては、酸化銅や酸化
ビスマスといった、表層導体と基板との密着強度を上げ
る効果を有するものを用いることができる。また、表層
導体の電気的特性あるいはハンダくわれ性等の信頼性を
良好にする効果を有する金属酸化物を添加できる。
【0019】また、表層導体と基板との密着強度を上げ
たり、熱膨張差を合わせる目的で、基板と同一材質のガ
ラスや、それ以外のガラスを添加できる。ガラスは粉末
で添加してもよいし、焼成過程でガラス化する有機金属
化合物として添加できる。あるいは、ペースト中での導
電成分やフィラー成分の分散性、焼成後の導体の電気的
特性、耐マイグレーション性あるいはハンダ食われ等の
信頼性を良好にするカップリング剤を添加できる。
【0020】
【実施例】以下に、実施例によって本発明を詳しく説明
する。 (1)導電ペーストの調製 導電成分として、パラジウム比が20%の銀/パラジウ
ム合金粉末(平均粒径3μm)を100重量部と、バイ
ンダー成分として、エチルセルロース5重量部とブチル
カルビトール15重量部と、金属酸化物として、CuO
粉末(平均粒径1μm)0.3重量部と、フィラー成分
として、モリブデンとタングステンとを表1の量比で配
合し、これらの混合物を三本ロールミルを用いて混練し
て導電ペーストを調製した。
【0021】ビア充填用導電ペーストの調製 導電成分として、銀粉末(平均粒径5μm)100重量
部と、バインダー成分として、エチルセルロース2重量
部とブチルカルビトール5重量部と、を含有する混合物
を三本ロールミルを用いて混練してビア充填用導電ペー
ストを調製した。
【0022】セラミックグリーンシートの調製 以下の方法により、セラミック配線基板用のセラミック
グリーンシートの調製を行なった。
【0023】セラミック原料として、市販のホウケイ酸
鉛ガラス粉末と市販のα−アルミナ粉末を用意した。有
機バインダーとしては、メタクリル酸エチル系のアクリ
ル樹脂を用意した。
【0024】次に、アルミナ製のポットに、上記のガラ
ス粉末とアルミナ粉末とを重量比で1:1、総量で1k
gとなるように秤量して入れた。さらに溶剤としてME
K(メチルエチルケトン)を200g、上記のアクリル
樹脂を100g、可塑剤としてDOP(ジオクチルフタ
レート)を50g、分散剤を5g、上記のポットに入
れ、10時間混合した。こうしてセラミックグリーンシ
ート成形用のスラリーを得た。このスラリーを用いて、
公知のドクターブレード法を用いてシート厚み0.4m
mのセラミックグリーンシートを得た。
【0025】評価サンプルの製作 本願発明の導電ペーストを評価するために、以下のよう
な評価サンプルを製作した。評価サンプルの形態は、積
層体の中で複数のビアが一連に連なった、いわゆる「ビ
アチェーン」タイプを選択した。図2をもとに評価サン
プルの製作工程を説明する。
【0026】まず、図2(a)に示すように、セラミッ
クグリーンシート5に金型を用いて直径240μmのビ
アホールを600μmのピッチで穿設した。ただし、導
通確認用の端子を形成するビアホールについては、ピッ
チを2500μmとした。これは、導通確認用パッドは
接合強度を測定するためのパッドも兼用しているため、
グリーン体で2.4mm角の大きさ(焼き上げ寸法で2
mm角)を必要とするためである。
【0027】次に、図2(b)に示すように、上記ビア
ホール6中に前記ビア充填用銀導電ペーストを用いて穴
埋め充填して、銀充填ビア7を形成した。続いて、図2
(c)に示すように、穴埋め充填後のセラミックグリー
ンシートを2枚積層して1次積層体8を得た後、各充填
ビアが一連に連なり「ビアチェーン」を形成するよう
に、1次積層体8の両面に、ビア間の接続用パターン9
を本願発明の銀/パラジウム導電ペーストを用いてスク
リーン印刷した。そして、図2(d)に示すように、1
次積層体8の片面側のみに、ビアホールを穿設していな
いセラミックグリーンシート10を1枚積層し、評価サ
ンプルのグリーン体11を得た。
【0028】その後、250℃×10時間熱処理して脱
バインダーを行い、続いて連続ベルト炉を用いて、大気
雰囲気中で840℃で10分間保持して焼成した。図2
(e)に示すように、焼成後の評価サンプル12の寸法
は焼成収縮により、グリーン体11の約83%の大きさ
になる。
【0029】導通確認試験 製作した前記ビアチェーンサンプル12の導通確認用端
子13および14のそれぞれに、マルチメーター15の
検知用端子16および17を接触させて、導通確認用端
子23および24間の導通の有無を確認した。導通があ
るものを○(合格)、断線しているものを×(不合格)
とした。結果を表1に併記する。ビアチェーンサンプル
及び導通確認試験の測定状態の概念図を図3に示す。結
果を表1に併記する。
【0030】うねり量dの測定 製作した前記ビアチェーンサンプル12のビア上の銀/
パラジウム導体に発生するうねり量dを、表面粗度計を
用いて測定した。ここでいう「うねり量」とは、電極上
を表面粗度計でトレースして得られた凹凸量をトレース
距離で除したものをいい、その単位は〔μm/mm〕で
ある。1mmあたりのうねりの方向が基板面から突き出
る方向をプラス値で表示した。基板面から突き出る方向
のうねりの状態の概念図を図1(b)に示す。一方、1
mmあたりのうねりの方向が基板面から凹む方向をマイ
ナス値で表示した。基板面から凹む方向のうねりの状態
の概念図を図1(c)に示す。うねり量dの値が、±1
0μmの範囲にあるものを合格とした。結果を表1に併
記する。
【0031】接合強度試験 製作した前記ビアチェーンサンプル12を230℃に加
熱・溶融した錫/鉛共晶ハンダ浴に浸漬し、表層導体上
にハンダをのせる。導通確認用端子23および24に直
径0.5mmのニッケルメッキ付き銅線をハンダ付け
し、基板面の法線方向に20mm/分の速度でリードプ
ルテスターで引っ張り、表層導体と基板間での破断発生
時の強度を測定した。接合強度が1kg以上のものを合
格とした。結果を表1に併記する。
【0032】
【表1】
【0033】フィラー成分をまったく含まない試料番号
1を見ると、ビアと表層導体との接続部にプラス方向に
30μmのうねりを生じ、その結果、接続性試験で断線
していることがわかる。また、フィラー成分の添加量が
0.3重量部の試料番号2においても、フィラー添加の
効果が得られず、プラス方向に20μmのうねりを生
じ、その結果、接続性試験で断線していることがわか
る。一方、フィラー成分を0.35重量部含有する試料
番号3においては、接続性試験でも断線せず、うねり量
もプラス方向に8.8μmであった。すなわち、フィラ
ー成分の含有量が本願発明の範囲以下では、うねり量お
よび接続性の不具合を抑制できないことがわかる。
【0034】フィラー成分の含有量が6重量部ある試料
番号9を見ると、接続性およびうねり量の点では満足な
結果を得ているが、接合強度が0.8kgと低かった。
一方、フィラー成分の含有量が5.5重量部ある試料番
号8を見ると、接続性およびうねり量の点で良好であっ
た。接合強度の点では1.1kgであり、合格ラインの
1kgのスペックを満足している。すなわち、フィラー
成分の含有量が本願発明の範囲以上では、うねり量およ
び接続性を確保できたとしても、接合強度の低下が起き
ることがわかる。
【0035】フィラー成分としてタングステンのみを添
加した試料番号10を見てみると、フィラーの添加量が
本願発明の範囲内にあっても、マイナス方向に15μm
のうねりを生ずることがわかる。また、フィラー成分と
してモリブデンのみを添加した試料番号11を見てみる
と、フィラーの添加量が本願発明の範囲内にあっても、
プラス方向に14μmのうねりを生ずることがわかる。
すなわち、タングステンのみの添加は表層導体とビアと
の接合部にマイナス方向のうねりを生じさせる効果があ
り、一方、モリブデンのみの添加は表層導体とビアとの
接合部にプラス方向のうねりを生じさせる効果があるこ
とがわかる。これらの結果から、フィラー成分としてタ
ングステンとモリブデンの両方を必須成分として添加
し、その配合比を調製すれば、それぞれ相反する方向の
うねりを持ってして打ち消し合う効果が期待できること
がわかる。試料番号3乃至試料番号8を見て明らかなよ
うに、フィラー成分の添加量や配合比が本願発明の範囲
内にある場合は、接続性、うねり量、接合強度の全ての
点において満足する結果を得ることができる。
【0036】フィラーの粒径については、試料番号3乃
至試料番号8に見られるように、0.6μmが最も良好
な結果を示す。フィラーの粒径が0.4μmである試料
番号12をみると、焼成時に導体の一部にハガレが発生
することがわかる。詳細な原因は不明であるが、フィラ
ーの粒径が必要以上に細かいと、フィラーが導体と基板
の間にまんべんなく介在してしまい、その結果、導体と
基板間の接合そのものを阻害してしまうものと推察され
る。また、フィラーの粒径が2.5μmである試料番号
14をみると、接続性および接合強度は問題ないが、う
ねり量がプラス方向に15μmと大きくなっていること
がわかる。一方、フィラーの粒径が試料番号14よりも
わずかに小さい2.0μmである試料番号13をみる
と、接続性、接合強度およびうねり量(プラス方向に8
μm)の全ての点で良好である。この違いの理由につい
て詳細は不明だが、以下のようだと推察される。すなわ
ち、フィラーの粒径が本願発明の範囲以上であると、フ
ィラー成分としての表面積が減少し、フィラー成分の導
体成分に対する分散の程度がまばらになってしまい、フ
ィラー添加の効果が減少してしまうものと推察される。
よって、フィラー成分の粒径は0.6〜2.0μmの範
囲に規定することが大事である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明の導電ペ
ーストは、フィラー成分としてタングステンとモリブデ
ンの両方を必須成分として、その配合比と添加量を所定
の範囲に規定することで、表層導体とビア導体との焼成
タイミングを同期化して、良好な接続信頼性を得ること
が可能となる。また、本願発明の導電ペーストを表層導
体に用いた配線基板は、表層導体とビア導体との接続信
頼性を得るのみならず、接続部の凹凸の発生を抑制し、
良好な接合強度をも可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】表層導体とビア導体との接続状態を示した説明
図。
【図2】評価用サンプル(ビアチェーンサンプル)の製
造方法を示した説明図。
【図3】マルチメーターを用いた電気的接続性試験の説
明図。
【符号の説明】
1 表層導体 2 表層導体とビア導体との接続部 3 ビア導体 4 配線基板 21 Moのみ添加した表層導体 22 Moのみ添加した表層導体とビア導体との接続
部に発生した断線部 Wのみ添加した表層導体 Wのみ添加した表層導体とビア導体との接続部に発生し
た凹み部 5 セラミックグリーンシート 6 ビアホール 7 ビア導体 1次積層体 ビア間接続用パターン 11 積層グリーン体 ビアチェーンサンプル 15 マルチメーター

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀およびパラジウムからなる導電成分
    と、モリブデンおよびタングステンとからなるフィラー
    成分と、を必須成分とするセラミック配線基板用の導電
    ペーストであって、該フィラー成分を金属モリブデン換
    算および金属タングステン換算で、前記導電成分100
    重量部に対して0.35〜5.5重量部含有し、該フィ
    ラー成分において、金属換算でのタングステンに対する
    モリブデンの重量比が0.1〜1.7の範囲であること
    を特徴とする導電ペースト組成物。
  2. 【請求項2】 前記フィラー成分の粒径が0.6〜2.
    0μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の
    導電ペースト組成物。
  3. 【請求項3】 基板表面において、少なくとも一部が露
    出し、且つ、その導電成分が銀からなる電気的接続手段
    と、該電気的接続手段と電気的導通を有する表層導体
    と、を有するセラミック配線板であって、該表層導体が
    請求項1乃至請求項2に記載の導電ペースト組成物をセ
    ラミックと同時焼成して形成されたものであることを特
    徴とするセラミック配線基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102034394B1 (ko) * 2018-09-17 2019-10-18 주식회사 코윈디에스티 레이저 화학기상증착을 이용한 미세 배선 형성 방법

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