JPH11307124A - 二次電池およびその製造方法 - Google Patents

二次電池およびその製造方法

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JPH11307124A
JPH11307124A JP10108029A JP10802998A JPH11307124A JP H11307124 A JPH11307124 A JP H11307124A JP 10108029 A JP10108029 A JP 10108029A JP 10802998 A JP10802998 A JP 10802998A JP H11307124 A JPH11307124 A JP H11307124A
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JP
Japan
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material layer
negative electrode
spacer particles
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JP10108029A
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English (en)
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治 ▲ひろ▼井
Osamu Hiroi
Yasuhiro Yoshida
育弘 吉田
Koji Hamano
浩司 濱野
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来から用いられているようなイオン伝導に
寄与しないセパレータは使用せずに両電極間の距離を精
密に制御でき、液漏れに対する配慮を必要とせず、かつ
従来の液状電解質を使用したリチウムイオン二次電池に
匹敵する電池性能が得られる二次電池を提供することを
目的とする。 【解決手段】 正極集電体1に正極活物質層2を形成し
た正極と、負極集電体5に負極活物質層6を形成した負
極と、正極活物質層2と負極活物質層6との間に、正極
活物質層2と負極活物質層6との距離を制御するスペー
サ粒子4を含む非流動性のイオン伝導性組成物からなる
イオン伝導層3とを備えた構成の二次電池とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次電池およびそ
の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、二次
電池のイオン伝導層に関するものである。
【0002】
【従来の技術】携帯電子機器の小型・軽量化への要望は
非常に大きい。その実現は電池の性能向上に大きく依存
するものであり、これに対応すべく多様な電池の開発、
改良が進められてきた。電池に要求される特性は、高電
圧、高エネルギー密度、安全性、形状の任意性等があ
る。リチウムイオン二次電池は、これまでの電池の中で
ももっとも高電圧かつ高エネルギー密度が実現されるこ
とが期待される二次電池であり、現在でもその改良が盛
んに進められている。
【0003】リチウムイオン二次電池は、その主要な構
成要素として、正極および負極と、この正極および負極
に挟まれるイオン伝導層を有する。現在実用に供されて
いるリチウムイオン二次電池において、正極には、リチ
ウム−コバルト複合酸化物等の粉末からなる正極活物質
を集電体に塗布し板状としたものが用いられ、負極に
は、炭素系材料の粉末からなる負極活物質を集電体に塗
布し板状としたものが用いられている。また、イオン伝
導層には、ポリプロピレン等の多孔質フィルムに非水系
の電解液を満たしたものが用いられている。
【0004】イオン伝導層は、電子伝導性がないことが
必要であり、また電池性能上イオン伝導抵抗が低いこと
が要求される。すなわち、イオン伝導層の抵抗を低くす
ればより大電流での充放電が可能となる。一方で、両電
極(正極と負極)間が短絡しないように、イオン伝導層
を介して両電極を所定の距離に隔てることが要求され
る。両電極を所定の距離に隔てることは、短絡の防止お
よび安定した電池性能を得るという観点から重要なポイ
ントになる。
【0005】現在実用に供されているリチウムイオン二
次電池は、上述のように、多孔質フィルムからなるセパ
レータを用い、このセパレータで両電極を隔て、さらに
両電極間にイオン伝導を担う電解液を充填することによ
って、両電極間のイオンの移動を可能にしている。ま
た、両電極とセパレータとの電気的接触を維持するため
に、金属等の強固な外装缶に両電極とこの両電極間に挟
まれたセパレータからなる構造体を収納し、外部からこ
の構造体に圧力をかける構造にしている。このような構
造を持つリチウムイオン二次電池に関する技術は、例え
ば特開平8−83608号公報に開示されている。
【0006】上述のように構成されたリチウムイオン二
次電池は、電解液を内包しているので、電解液の漏れに
対する配慮が必要になる。そこで、イオン伝導層を非流
動化することが、重要なテーマとして盛んに研究されて
いる。
【0007】非流動性のイオン伝導性組成物に関する技
術として、ポリエチレンオキシド等のポリマに塩を固溶
したポリマー固体電解質がある。しかし、このポリマ固
体電解質は、現在のところ常温でのイオン伝導抵抗が大
きいために、実用的なリチウムイオン二次電池に適用す
ることは困難である。
【0008】また、低いイオン伝導抵抗を実現できる非
流動化技術として、一般のリチウムイオン二次電池で用
いられる電解液をポリマーでゲル化したゲル電解質があ
る。米国特許5,609,974号にはセパレータとゲ
ル電解質を併用した電池に関する技術が開示されてい
る。また、米国特許5,460,904号には、多孔質
状のゲル電解質をセパレータのように用いた、ゲル電解
質電池に関する技術が開示されている。この場合には、
多孔質フィルムのようなセパレータは使用していない
が、多孔質状で電解液を保持したポリフッ化ビニリデン
系のゲル膜が両電極間を隔てる構造になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記米国特許
5,460,904号に開示された技術では、多孔質状
のゲル電解質をセパレータのように用いることによっ
て、両電極間を隔てているが、電池性能向上のためゲル
中により多くの電解質を含有させた場合には、両電極間
の距離の制御が困難であり、安定した電池性能が得られ
ないという問題がある。
【0010】また、上記米国特許5,609,974号
に開示された発明では、イオン伝導の妨げとなるセパレ
ータが構成要素として含まれているため、イオン伝導抵
抗が大きい。このように、電解液を用いた従来のセパレ
ータを有する構造のまま電解液をゲル電解質で置き換え
ても液体電解質を用いた電池に匹敵する性能、すなわ
ち、大電流による充放電という電池性能は期待できない
という問題がある。
【0011】また、上記米国特許5,460,904号
に開示されている技術では、従来の電池に用いられてい
るようなイオン伝導に寄与しないセパレータは使用され
ていないが、電極の活物質層内部やイオン伝導層内部に
ゲル化していない電解液が存在しているため、電解液の
漏れに対する配慮が必要となるという問題が残されてい
る。
【0012】この発明は、上記のような問題を解決し、
従来から用いられているようなイオン伝導に寄与しない
セパレータは使用せずに両電極間の距離を精密に制御で
き、液漏れに対する配慮を必要とせず、かつ従来の液状
電解質を使用したリチウムイオン二次電池に匹敵する電
池性能が得られる二次電池を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の二次
電池は、正極集電体に正極活物質層を形成した正極と、
負極集電体に負極活物質層を形成した負極と、上記正極
活物質層と負極活物質層との間に、この正極活物質層と
負極活物質層との距離を制御するスペーサ粒子を含む非
流動性のイオン伝導性組成物からなるイオン伝導層とを
備えたものである。
【0014】本発明に係る第2の二次電池は、上記第1
の二次電池において、スペーサ粒子の平均粒子径が、5
μm〜50μmであるものである。
【0015】本発明に係る第3の二次電池は、上記第1
の二次電池において、スペーサ粒子の粒子径分布が、平
均粒子径の0.3倍ないし2倍の範囲に全粒子の80%
以上が含まれる分布であるものである。
【0016】本発明に係る第4の二次電池は、上記第1
の二次電池において、スペーサ粒子の形状が球状である
ものである。
【0017】本発明に係る第1の二次電池の製造方法
は、集電体に多孔質の活物質層を形成した正極および負
極を作製する工程と、上記正極および負極の少なくとも
いずれかの活物質層表面に、モノマとスペーサ粒子とを
電解液に混合した混合液を塗布し、上記正極および負極
の活物質層表面を対向させて重ね合わせる工程と、重ね
合わせた状態でモノマを重合する工程とを備えたもので
ある。
【0018】本発明に係る第2の二次電池の製造方法
は、上記第1の二次電池の製造方法において、スペーサ
粒子の平均粒子径が、5μm〜50μmであるものであ
る。
【0019】本発明に係る第3の二次電池の製造方法
は、上記第1の二次電池の製造方法において、スペーサ
粒子の粒子径分布が、平均粒子径の0.3倍ないし2倍
の範囲に全粒子の80%以上が含まれる分布であるもの
である。
【0020】本発明に係る第4の二次電池の製造方法
は、上記第1の二次電池の製造方法において、スペーサ
粒子の粒子径分布が、平均粒子径の0.3倍ないし2倍
の範囲に全粒子の80%以上が含まれる分布であるもの
である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明者らは、イオン伝導層にゲ
ル電解質等の非流動性のイオン伝導性組成物を用い、従
来から用いられているようなイオン伝導に寄与しないセ
パレータは使用せずに両電極間の距離を精密に制御で
き、液漏れに対する配慮を必要とせず、かつ従来の液状
電解質を使用したリチウムイオン二次電池に匹敵する電
池性能が得られる二次電池を得る目的に対して研究を重
ねた結果、非流動性のイオン伝導性組成物からなるイオ
ン伝導層中に両電極間の距離を制御する適当な形状と大
きさを持つ粒子を混入させる構成により、前記目的を達
成できることを見い出し、本発明を完成させるにいたっ
た。
【0022】図1は、本発明によって得られる二次電池
の一実施の形態を示す主要部断面模式図で、単一の電極
積層体を示している。図において、1は正極集電体、2
は正極集電体1上に形成された正極活物質層、5は負極
集電体、6は負極集電体5上に形成された負極活物質
層、3は正極活物質層2と負極活物質層6との間に配置
されたゲル電解質等の非流動性組成物からなるイオン伝
導層、4はイオン伝導層3中に混入され、正極活物質層
2と負極活物質層6との間の距離、すなわち電極間距離
を制御するスペーサ粒子である。
【0023】本発明に係る正極および負極に用いられる
正極集電体1および負極集電体5としては、電池内で安
定な金属であれば使用可能であるが、正極集電体1とし
てアルミニウム、負極集電体5として銅が好ましく用い
られる。集電体1、5の形状は箔、網状、エクスパンド
メタル等いずれのものでも使用可能であるが、網状、エ
クスパンドメタル等の表面積が大きいものが接着強度を
得るために好ましく用いられる。
【0024】本発明に係る正極活物質層2としては、活
物質として、たとえばコバルト、マンガン、ニッケル等
の遷移金属の複合酸化物、カルコゲン化合物、あるいは
これらの複合化合物、各種の添加元素を有するものな
ど、限定されることなく使用可能である。また負極活物
質層6としては、炭素質材料が好ましく用いられるが、
本発明の電池においては、化学的特性に関わらず用いる
ことができる。これら活物質の形状は粒状のものが用い
られる。粒径は0.3μmから20μmのものが使用可
能である。充放電時のリチウムイオンなどのイオンのド
ープ、脱ドープ効率の点で、1μmから5μmのものが
特に好ましい。粒径が大きすぎる場合は、活物質層2、
6の薄膜化が容易でなく、また、活物質の充填密度が低
下するのみならず、形成された活物質層2、5の表面の
凹凸が大きくなり好ましくない。
【0025】正極の正極活物質層2と負極の負極活物質
層6との間の距離(電極間距離)を制御するために用い
るスペーサ粒子4は、電子絶縁性であり、イオン伝導層
3内部で化学的に安定な材料が使用可能である。例え
ば、アルミナ等のセラミック、ガラス、ジビニルベンゼ
ン系、ポリメチルメタクリレート系等の硬質プラスチッ
ク粒子を用いることができる。
【0026】スペーサ粒子4の形状は、繊維状粒子、球
状粒子、鱗片状粒子などを用いることができるが、電極
間距離制御性の均一性の観点からは粒子形状に異方性が
ない球状粒子が好ましい。
【0027】また、粒径分布に関しては、電極間距離制
御の均一性の観点から粒子径分布が狭い方が望ましい
が、平均粒子径の0.3倍ないし2倍の範囲に全粒子の
80%以上が含まれていれば電極間距離を問題ない程度
に均一に制御することができる。
【0028】また、粒径に関しては、粒子径が小さすぎ
ると電極間を確実に隔てることができないので、平均粒
子径は5μm以上、好ましくは10μm以上である必要
がある。また、粒子径が大きすぎると必要以上に電極間
距離が大きくなり、イオン伝導抵抗が増加するため、電
池性能に悪影響を与える。この観点から、平均粒子径は
50μm以下、好ましくは30μm以下であることが好
ましい。
【0029】非流動性のイオン伝導性組成物としては、
ポリエチレンオキシド系等のポリマにリチウム塩を固溶
したポリマ固体電解質、電解液をポリマでゲル化したゲ
ル電解質等を用いることができる。イオン伝導抵抗を低
くするという観点からはゲル電解質が好ましい。このゲ
ル電解質の形成方法としては、電解液とモノマを混合し
てから重合を行い硬化する方法と、予め重合したポリマ
を電解液で膨潤させる方法があるが、組成の制御が正確
かつ容易にできることから前者の方法を用いることが望
ましい。さらに、電解液とモノマを混合した液体に電極
間距離を制御するためのスペーサ粒子を添加し、その後
に重合することで容易にスペーサ粒子を非流動性のイオ
ン伝導性組成物中に混入することができる。
【0030】ゲル電解質を形成するためのモノマとして
は様々なものを用いることができるが、良好な重合性と
電解質の保持力の点から、エチレンオキシド鎖を持つア
クリレートモノマ、メタクリレートモノマなどが好まし
く用いられる。また、重合開始剤としては、熱による重
合開始が可能となるアゾビスイソブチロニトリル等が使
用可能である。
【0031】ゲル電解質を形成するために用いる電解液
としては、ジメトキシエタン、ジメチルエーテル、ジエ
チルエーテル等のエーテル系溶剤、低分子量のポリエチ
レンオキシド、エチレンカーボネイト、プロピレンカー
ボネイト等の単独または混合物に、LiPF6、LiA
sF6、LiClO4、LiBF4、LiCF3SO3、L
iC(CF3SO23、LiN(CF3SO22などの塩
を溶解したものが使用できる。
【0032】図1に示した単一の電極積層体は、以下に
示すようにして製造する。正極集電体1の上に多孔質の
正極活物質層1を形成した電極を、また負極集電体5の
上に多孔質の負極活物質層6を形成した電極をそれぞれ
作製する。
【0033】上記各電極の作製は、N−メチルピロリド
ン(以下、NMPと略す)等の溶媒にポリフッ化ビニリ
デンなどのバインダ樹脂を溶解した溶液に正極活物質お
よび負極活物質それぞれを混合し調整した正極活物質ペ
ーストおよび負極活物質ペーストをそれぞれ正極集電体
および負極集電体上に塗布・乾燥し、これをさらに所定
の厚さに圧延して形成する。
【0034】作製した電極の正極および負極の少なくと
もいずれかの活物質層の面に、電解液とモノマと所定の
粒径分布のスペーサ粒子とを混合した混合液を塗布し、
各活物質層の面を対向させて重ね合わせ、加圧した状態
で加熱等により重合させる。この重合によりモノマはゲ
ル電解質となり非流動性となり、液洩れの問題はなくな
るとともに、スペーサ粒子によって電極間距離は精度よ
く制御できる。
【0035】上記の実施の形態では、イオン伝導層3の
両側の面に正極と負極とを接合した単一の電極積層体か
らなる単層電極型電池の例を示したが、複数のイオン伝
導層の間に正極および負極を交互に配置し、複数の電極
積層体を形成してもよく、複数の電極積層体を有するこ
とにより、電極積層体に比例して電池容量を大きくする
ことができる。
【0036】また、上記の実施の形態ではリチウムイオ
ン二次電池について示したが、本発明は、活物質の種類
および電解質の種類等を変えることによって、その他の
二次電池にも適用できるものである。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1. (正極の作製)LiCo2Oを87重量部、黒鉛粉8重
量部、ポリフッ化ビニリデン5重量部をNMPに分散す
ることにより調整した正極活物質ペーストを、厚さ20
μmのアルミニウム箔上にドクターブレード法にて厚さ
200μmの厚さに塗布し、これを60℃の乾燥機中に
60分間放置して半乾き状態にし、さらに120μmの
厚さに圧延することにより正極を作製した。この正極を
5cm×4cmに切断しその端部に集電用の端子(タ
ブ)を取り付けた。
【0038】(負極の作製)メソフェーズマイクロビー
ズカーボン(大阪ガス製)95重量部、ポリフッ化ビニ
リデン5重量部をNMPに分散して作製した負極活物質
ペーストを、厚さ12μmの銅箔上にドクターブレード
法にて厚さ200μmの厚さに塗布し、これを60℃の
乾燥機中に60分間放置して半乾き状態にし、さらに1
20μmの厚さに圧延することにより負極を作製した。
この負極を5cm×4cmに切断しその端部に集電用の
端子(タブ)を取り付けた。
【0039】(ゲル電解質母液の調整)モノマとして、
1官能性モノマ(GX−8301:第一製薬(株)製)
と2官能性モノマ(PEM−1000:第一製薬(株)
製)を用いた。
【0040】電解液として、エチレンカーボネート(関
東化学(株)製)と1、2−ジメトキシエタン(和光純
薬(株)製)の混合溶液(重量比で1:1)にLiPF
6(東京化成(株)製)を1.0mol/dm3の濃度で
溶解した溶液を用いた。
【0041】重合開始剤として、アゾビスイソブチロニ
トリル(東京化成(株)製)を用いた。
【0042】スペーサ粒子として、球状アルミナ粒子
(CB−A20S:昭和電工(株))製)を用いた。こ
の球状アルミナ粒子の平均粒子径は22μmであり、9
0%以上の粒子が15〜30μmの範囲に含まれる分布
のものであった。
【0043】上記モノマ、電解液、重合開始剤の混合溶
液に対して重量で8%の上記スペーサ粒子を添加し、図
2に示す組成比のゲル電解質母液を作製した。
【0044】(電池の作製)上記調整したゲル電解質母
液を、上記正極および負極それぞれの活物質層表面に塗
布し、さらに両活物質層が対向するように重ね合わせた
状態でガラス板に挟み、電池に対して10g/cm2
圧力をかけ、80℃で30分間加熱してモノマを重合し
電池を形成した。
【0045】(電池のインピーダンス測定)作製した電
池の交流インピーダンスを、インピーダンスアナライザ
(ヒューレトパッカード社製、4192A)を用いて測
定した。この電池のインピーダンスは0.51Ωであっ
た。
【0046】(短絡試験)作製した電池を平板に挟んだ
状態で、電池全体に圧力をかけたときのインピーダンス
を測定した。圧力を徐々に増加し、インピーダンスが急
激に変化した時点で短絡が生じたと判断し、その圧力値
で短絡のしやすさを評価した。この電池は0.5kg/
cm2以上の圧力で短絡を生じた。
【0047】比較例1.上記実施例1と同様の方法で作
製した正極および負極を用い、実施例1に示したスペー
サ粒子をエチレンカーボネート(関東化学(株)製)と
1、2−ジメトキシエタン(和光純薬(株)製)の混合
溶液(重量比で1:1)にLiPF6(東京化成(株)
製)を1.0mol/dm3の濃度で溶解した電解液に
混合分散し、この懸濁液を両電極の活物質層表面に塗布
し、両電極の活物質層面を対向させて重ね合わせた後、
10g/cm2の圧力でガラス板に挟み込んで電池を作
製した。
【0048】この電池は、両電極間が内部短絡した状態
であり、この内部短絡のため充放電ができなかった。
【0049】実施例2.スペーサ粒子に球状アルミナ粒
子(B−A10:昭和電工(株)製)を用い他は上記実
施例1と同様にして電池を作製した。本実施例で用いた
球状ガラス粒子の平均粒子径は10μmであり、80%
以上の粒子が3〜20μmの範囲に含まれる分布のもの
であった。図2に、この実施例で用いた材料の構成を示
す。
【0050】この電池のインピーダンスは0.43Ωで
あり、0.1kg/cm2以上の圧力で短絡を生じた。
【0051】比較例2.スペーサ粒子に、球状アルミナ
粒子(B−A05S:昭和電工(株)製)を用い、他は
実施例1と同様にして電池を作製した。このスペーサ粒
子は平均粒子径が3μmであり、90%以上の粒子が1
〜5μmの範囲に含まれる単分散粒子径であった。図2
に、この比較例で用いた材料の構成を示す。
【0052】この電池は、両電極間が内部短絡した状態
であり、この内部短絡のため充放電ができなかった。
【0053】実施例3.スペーサ粒子に球状アルミナ粒
子(CB−A30S:昭和電工(株)製)を用い他は上
記実施例1と同様にして電池を作製した。本実施例で用
いた球状アルミナ粒子の平均粒子径は29μmであり、
90%以上の粒子が20〜40μmの範囲に含まれる分
布のものであった。図2に、この実施例で用いた材料の
構成を示す。
【0054】この電池のインピーダンスは0.81Ωで
あり、0.6kg/cm2以上の圧力で短絡を生じた。
【0055】比較例3.スペーサ粒子に、平均粒径55
μmの球状アルミナ粒子(A−13H、昭和電工(株)
製)を用い、他は実施例1と同様にして電池を作製し
た。図2に、この比較例で用いた材料の構成を示す。
【0056】この電池のインピーダンスは1.25Ωで
あり、0.8kg/cm2以上の圧力で短絡を生じた。
【0057】実施例4.スペーサ粒子に上記実施例1な
いし3で用いた平均粒子径10μm、22μmおよび2
9μmのものを重量比で同量混合したものを用い、他は
実施例1と同様にして電池を作製した。図2に、この実
施例で用いた材料の構成を示す。
【0058】この電池のインピーダンスは0.75Ωで
あり、0.2kg/cm2以上の圧力で短絡を生じた。
【0059】この実施例では、3種類のスペーサ粒子を
混合したので、スペーサ粒子の粒径分布がやや広くな
り、そのために電極間距離の制御がやや不正確になった
ためにインピーダンスがやや大きくなり、短絡もやや起
こり易い状態になったものと考えられる。
【0060】実施例5.上記実施例1に示したスペーサ
粒子を用い、ゲル電解質母液中の混合溶液に対するスペ
ーサ粒子の量を16重量%に増やし、他は実施例1と同
様にして電池を作製した。図2に、この実施例で用いた
材料の構成を示す。
【0061】この電池のインピーダンスは0.62Ωで
あり、0.8kg/cm2以上の圧力で短絡を生じた。
【0062】比較例4.上記実施例1に示したスペーサ
粒子を用い、ゲル電解質母液中の混合溶液に対するスペ
ーサ粒子の量を50重量%に増やし、他は実施例1と同
様にして電池を作製した。図2に、この比較例で用いた
材料の構成を示す。
【0063】この電池のインピーダンスは1.07Ωで
あり、1.0kg/cm2以上の圧力で短絡を生じた。
【0064】実施例6.上記実施例1に示したスペーサ
粒子を用い、ゲル電解質母液中の混合溶液に対するスペ
ーサ粒子の量を4重量%に減らし、他は実施例1と同様
にして電池を作製した。図2に、この実施例で用いた材
料の構成を示す。
【0065】この電池のインピーダンスは0.47Ωで
あり、0.2kg/cm2以上の圧力で短絡を生じた。
【0066】比較例5.上記実施例1に示したスペーサ
粒子を用い、ゲル電解質母液中の混合溶液に対するスペ
ーサ粒子の量を1.0重量%に減らし、他は実施例1と
同様にして電池を作製した。図2に、この比較例で用い
た材料の構成を示す。
【0067】この電池は、両電極間が内部短絡した状態
であり、この内部短絡のため充放電ができなかった。
【0068】実施例7.ゲル電解質を形成するためのモ
ノマの量を増やし、他は実施例1と同様にして電池を作
製した。図2に、この実施例で用いた材料の構成を示
す。
【0069】この電池のインピーダンスは1.3Ωであ
り、0.9kg/cm2以上の圧力で短絡を生じた。
【0070】実施例8.ゲル電解質を形成するためのモ
ノマの量を減らし、他は実施例1と同様にして電池を作
製した。図2に、この実施例で用いた材料の構成を示
す。
【0071】この電池のインピーダンスは0.4Ωであ
り、0.1kg/cm2以上の圧力で短絡を生じた。
【0072】比較例6.スペーサ粒子に、ウイスカ状の
無機粉末(KaowoolBulk1260ミドル)を
用い、他は実施例1と同様にして電池を作製した。この
スペーサ粒子は平均繊維径が4μm、平均繊維長が19
μmであった。図2に、この比較例で用いた材料の構成
を示す。
【0073】この電池のインピーダンスは0.68Ωで
あり、0.1kg/cm2以上の圧力で短絡を生じた。
【0074】この比較例では、スペーサ粒子がファイバ
状で形状に大きな異方性があるために、両電極の位置に
よって間隔のばらつきが生じたために、インピーダンス
が大きくなったものと考えられる。
【0075】比較例7.スペーサ粒子に、アルミナ(A
S−20、昭和電工(株)製)を用い、他は実施例1と
同様にして電池を作製した。このスペーサ粒子は平均粒
子径が20μmであったが、その形状は丸みを帯びた不
定形のものであった。図2に、この比較例で用いた材料
の構成を示す。
【0076】この電池のインピーダンスは0.64Ωで
あり、0.2kg/cm2以上の圧力で短絡を生じた。
【0077】この比較例に用いたスペーサ粒子は形状が
不定形であるために、ややインピーダンスが大きくな
り、短絡も起こりやすくなったものと考えられる。
【0078】比較例8.スペーサ粒子の代わりに、リチ
ウムイオン二次電池に広く使用されているポリオレフィ
ン系セパレータフィルム(商品名:セルガード#20
0、ヘキスト社製)を電極間に挟み込む構造とし、実施
例1で用いたゲル電解質(スペーサ粒子は混入しない)
を電極間に充填して電池を形成した。
【0079】この電池のインピーダンスは1.2Ωであ
り、スペーサ粒子を用いて電極間を制御した電池に比べ
て抵抗が高かった。また、この電池は1.0kg/cm
2の圧力をかけても短絡することはなかった。
【0080】上記実施例および比較例から以下に示すこ
とが明かである。実施例1によれば、スペーサ粒子を含
む非流動化されたポリマからなるイオン伝導層を用いる
ことにより、イオン伝導抵抗の増大の原因となるセパレ
ータを用いることなく電極間の距離を精度よく制御し、
かつ液洩れの問題が解決されることがわかる。一方、比
較例1に示した液体電解質とスペーサ粒子とを組み合わ
せた構造では、両電極間距離を確実に保つことができな
い。すなわち、スペーサ粒子によって両電極間の距離を
制御する場合には、非流動性の電解質と組み合わせるこ
とが必要である。
【0081】実施例2のように、スペーサ粒子の粒子径
がやや小さいものを使用した場合には、両電極間の距離
が小さくなり、その結果やや短絡し易い傾向になるが、
イオン伝導抵抗を減少することができる。比較例2で
は、スペーサ粒子の粒子径が小さすぎるために両電極間
の距離を保つことができず、短絡を防止することができ
なかった。これらの結果から、スペーサ粒子の平均粒子
径としては5μm以上であることが必要であることがわ
かる。
【0082】実施例3のように、スペーサ粒子の粒子径
がやや大きいものを使用した場合には、両電極間の距離
が大きくなり、その結果、短絡をより効果的に防止する
ことが可能となるが、一方で、イオン伝導抵抗はやや増
加する。比較例3では、スペーサ粒子の粒子径が大きす
ぎるために両電極間の距離が大きくなりすぎ、イオン伝
導抵抗が極端に高くなる。これらの結果から、スペーサ
粒子の平均粒子径としては50μm以下であることが必
要であることがわかる。
【0083】実施例4は粒子径の異なるスペーサ粒子を
混合し、粒子径分布を広げた例であるが、スペーサ粒子
の粒子径分布が広がると両電極間の距離を保持し短絡を
防止する機能が低下するとともに、イオン伝導抵抗も増
大する。従って、スペーサ粒子の粒子径分布は狭い方が
好ましいが、上記実施例の結果から、粒子径分布は平均
粒子径の0.3倍ないし2倍の範囲に全粒子の80%以
上が含まれていることが必要であることがわかる。
【0084】実施例5のようにスペーサ粒子の量を多く
すると、短絡をより効果的に防止し、信頼性の高い電池
にすることができるが、イオン伝導抵抗は増加する。比
較例4のように、スペーサ粒子の量が多すぎるとイオン
伝導抵抗が極端に増加する。また、実施例6のように、
スペーサ粒子の量を少なくするとやや短絡しやすくなる
傾向にあるが、イオン伝導抵抗を減少することができ
る。比較例5のようにスペーサ粒子の量が少なすぎる
と、電池を形成する段階で既に短絡が生じているという
結果になる。
【0085】また、実施例7のようにイオン伝導層中の
ポリマの含有量が多くなると、より効果的に短絡を防止
し、信頼性の高い電池とすることができるが、イオン伝
導抵抗が増加する。また、実施例8のようにイオン伝導
層中のポリマの含有量が少なくなると、イオン伝導抵抗
は低下するが、短絡がより低い圧力で生じる。
【0086】従って、イオン伝導抵抗と電極間距離の制
御および保持の観点からポリマの量とスペーサ粒子の
量、さらにはスペーサ粒子の粒子径を適切に設定するこ
とによって、信頼性を優先した設計や、電池性能を優先
した設計等のように、電池特性を広範囲で制御すること
が可能になる。
【0087】
【発明の効果】請求項1および5に係る発明によれば、
第1の二次電池は、正極集電体に正極活物質層を形成し
た正極と、負極集電体に負極活物質層を形成した負極
と、上記正極活物質層と負極活物質層との間に、この正
極活物質層と負極活物質層との距離を制御するスペーサ
粒子を含む非流動性のイオン伝導性組成物からなるイオ
ン伝導層とを備えことにより、イオン伝導抵抗の増大の
原因となるセパレータを用いることなく電極間の距離を
精度よく制御し、かつ液洩れの問題を解決し、高性能の
二次電池が得られる効果がある。
【0088】請求項2および6に係る発明によれば、ス
ペーサ粒子の平均粒子径を、5μm〜50μmとするこ
とによって、イオン伝導層のイオン伝導をよくするとと
もに、精度のよい電極間距離の制御ができ、その距離の
保持により効果的に短絡を抑制できる。
【0089】請求項3および7に係る発明によれば、ス
ペーサ粒子の粒子径分布を、平均粒子径の0.3倍ない
し2倍の範囲に全粒子の80%以上が含まれる分布とす
ることにより、精度のよい電極間距離の制御ができ、そ
の距離の保持により効果的に短絡を抑制できる。
【0090】請求項4および8に係る発明によれば、ス
ペーサ粒子の形状を球状とすることによって、精度のよ
い電極間距離の制御ができ、その距離の保持により効果
的に短絡を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の二次電池の一実施の形態を説明する
主要部断面摸式図である。
【図2】 本発明の二次電池の構成に用いる材料の、構
成割合を示す図である。
【符号の説明】
1 正極集電体、2 正極活物質層、3 イオン伝導
層、4 スペーサ粒子、5 負極集電体、6 負極活物
質層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極集電体に正極活物質層を形成した正
    極と、負極集電体に負極活物質層を形成した負極と、上
    記正極活物質層と負極活物質層との間に、この正極活物
    質層と負極活物質層との距離を制御するスペーサ粒子を
    含む非流動性のイオン伝導性組成物からなるイオン伝導
    層とを備えたことを特徴とする二次電池。
  2. 【請求項2】 スペーサ粒子の平均粒子径が、5μm〜
    50μmであることを特徴とする請求項1記載の二次電
    池。
  3. 【請求項3】 スペーサ粒子の粒子径分布が、平均粒子
    径の0.3倍ないし2倍の範囲に全粒子の80%以上が
    含まれる分布であることを特徴とする請求項1記載の二
    次電池。
  4. 【請求項4】 スペーサ粒子の形状が球状であることを
    特徴とする請求項1記載の二次電池。
  5. 【請求項5】 集電体に多孔質の活物質層を形成した正
    極および負極を作製する工程と、上記正極および負極の
    少なくともいずれかの活物質層表面に、モノマとスペー
    サ粒子とを電解液に混合した混合液を塗布し、上記正極
    および負極の活物質層表面を対向させて重ね合わせる工
    程と、重ね合わせた状態でモノマを重合する工程とを備
    えたことを特徴とする二次電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 スペーサ粒子の平均粒子径が、5μm〜
    50μmであることを特徴とする請求項5記載の二次電
    池の製造方法。
  7. 【請求項7】 スペーサ粒子の粒子径分布が、平均粒子
    径の0.3倍ないし2倍の範囲に全粒子の80%以上が
    含まれる分布であることを特徴とする請求項5記載の二
    次電池の製造方法。
  8. 【請求項8】 スペーサ粒子の粒子径分布が、平均粒子
    径の0.3倍ないし2倍の範囲に全粒子の80%以上が
    含まれる分布であることを特徴とする請求項5記載の二
    次電池の製造方法。
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