JPH1130694A - 水素ガス処理設備を備えた原子炉格納容器 - Google Patents

水素ガス処理設備を備えた原子炉格納容器

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JPH1130694A
JPH1130694A JP9186234A JP18623497A JPH1130694A JP H1130694 A JPH1130694 A JP H1130694A JP 9186234 A JP9186234 A JP 9186234A JP 18623497 A JP18623497 A JP 18623497A JP H1130694 A JPH1130694 A JP H1130694A
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JP
Japan
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hydrogen
containment vessel
hydrogen gas
gas
reactor
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JP9186234A
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English (en)
Inventor
Naoki Kadani
直樹 甲谷
Takashi Asano
浅野  隆
Shozo Yamanari
省三 山成
Kimiaki Moriya
公三明 守屋
Hidetoshi Karasawa
英年 唐澤
Yuichi Kamo
友一 加▲茂▼
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原子炉格納容器内に大量に発生した水素ガスを
格納容器内雰囲気を外部に出すことなく効率よく且つ長
期的に除去すること。 【解決手段】原子炉圧力容器44を内包する原子炉格納
容器1において、水素ガスのみを透過する膜である水素
分離膜5を用いた水素分離器4を用いて、前記原子炉格
納容器1の内部で発生した水素ガスを水素排出配管6経
由で前記原子炉格納容器1の外部へ抽出し、前記原子炉
格納容器1の内部の水素ガス濃度を低減することを特徴
とする水素ガス処理設備を備えた原子炉格納容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽水炉型原子力発
電所において、万一の苛酷事故を想定した時に、原子炉
格納容器内に発生が考えられる大量の水素ガスの処理に
係わり、特に金属水素分離膜を有する水素ガス処理設備
を用いた原子炉格納容器に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電プラントにおいて、万一、原
子炉一次系配管等が破損した場合、原子炉を冷却するた
めの冷却材は配管破断箇所から原子炉格納容器内に蒸気
として放出され、原子炉圧力容器内の冷却材が減少す
る。また、これにより、原子炉格納容器内の圧力・温度
が上昇する。
【0003】上記のような冷却材喪失事故(以下、LO
CA)時においては、非常用炉心冷却系(以下、ECC
S)の自動起動により、ECCSの単一故障を想定して
も、原子炉は冷却され、燃料破損には至らないが、EC
CSの多重故障や全機能喪失まで仮想的に考えると、燃
料破損により燃料被覆管内の核燃料および核分裂生成物
が冷却材中に放出され、さらに、冷却材とともに原子炉
圧力容器または原子炉格納容器内に放出される。原子炉
圧力容器および原子炉格納容器内では、高放射線場によ
る水の放射線分解により、水素ガスと酸素ガスが発生す
る。さらに、水蒸気と燃料被覆管のジルコニウム間で水
−金属反応が進み、水素ガスが多量に発生する。これら
のガスは配管破断箇所から格納容器内に放出される。
【0004】このままの状態が続いて水素ガス濃度が4
vol% 且つ酸素濃度が5vol% を超えた場合は、気体は
可燃状態となりそのまま放置し続けると水素ガス濃度は
さらに上昇することになる。
【0005】この様な事象に対処するため、軽水炉型原
子力発電所のうち、圧力抑制型格納容器を採用している
沸騰水型原子炉(以下、BWR)では、その対策とし
て、通常時の原子炉格納容器内雰囲気を窒素ガスで置換
するとともに、万一の事故時には、ブロアで格納容器内
雰囲気を取り出し、電気ヒータで昇温させて水素と酸素
とを再結合させて水にし、残りの気体とともにクーラー
で冷却してから格納容器に戻す加熱式再結合器を用いた
可燃性ガス濃度制御系(以下、FCS)を設置してい
る。
【0006】このFCSでは主にLOCA後長期にわた
り放射線水分解により発生する水素ガスおよび酸素ガス
を再結合させ水にすることにより対応している。設計基
準事故を超えた苛酷事故時に想定される水−金属反応に
よる大量の水素ガスの発生に対しては、原子炉格納容器
内の雰囲気の窒素ガス置換により低酸素ガス濃度雰囲気
が維持できることから可燃領域に至ることはない。しか
しながら、原子炉格納容器内の大量の水素ガスは最終的
には長期経過した後に、事故収束の観点からは、原子炉
格納容器ベントにより水素ガスを放出せざるを得ない。
【0007】大型の格納容器を有する原子力発電所で
は、設計基準事故においては、その大容量の原子炉格納
容器雰囲気に希釈されるため、事故後の水素ガス濃度上
昇は緩慢であることから、特段の設備対応は不要として
いる。設計基準事故を超えた苛酷事故時に想定される水
−金属反応による大量の水素ガスの発生に対しては、イ
グナイタと呼ばれる強制点火方式のFCSの採用計画が
ある。
【0008】以上に述べた従来型では、ブロアやヒータ
等の強制駆動力及びその駆動に必要な電源を使用する
が、近時、駆動動力源を必要としない静的な装置として
触媒式の再結合器が開発されている。この装置は鋼製の
箱の中に触媒型水素反応材をペレットタイプにしたもの
をカートリッジにまとめ、カートリッジ間を気体の流路
にして水素と酸素を再結合させるもの、あるいは、触媒
型水素反応材をプレート表面に張り付け、プレート間を
気体の流路にして水素と酸素を再結合させるものであ
る。特開昭58−135991号公報には格納容器内に水素の酸
化触媒を配置する例が開示され、特開平6−130170 号公
報には格納容器内に触媒型水素反応材からなる水素ガス
濃度低減材を配置する例が開示されている。
【0009】また、特開平4−104090 号公報には、格納
容器内の上部に薄板状の水素吸着物質を吊り下げて水素
ガスを吸着し、水素ガスを低減させるものが開示されて
いるし、特開平4−34395号公報には、格納容器ドライウ
ェルやサプレッションチェンバ等に粉末状の水素吸着金
属を収容した水素吸着装置を設置する例が示されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】原子炉格納容器内で万
が一水素ガスと酸素ガスが発生した場合、圧力抑制型原
子炉格納容器を持つBWRにおいては、上記従来の技術
に示した加熱式再結合器及び触媒式の水素ガス対策設備
では、苛酷事故時に大量に水素が発生して格納容器内の
圧力を上昇させる事象が発生したときには、酸素がない
ため再結合ができずに水素ガスの除去が困難になり、長
時間にわたり格納容器内圧力が高い状態から脱却できな
いことになり、最終的には原子炉格納容器ベントによる
減圧により事故を収束させる必要があった。
【0011】また、これまでの加熱式再結合器では、水
素ガスと酸素ガスを再結合させるために約700℃まで
加熱をする必要がある。このため、電気ヒータや冷却装
置等の設備が必要となっており、配置面やコスト面で望
ましいとは言えない状況にある。
【0012】大型の原子炉格納容器を採用している加圧
水型原子炉(以下、PWR)においては、苛酷事故を想
定した時の大量の水素ガス発生の対応としてイグナイタ
による初期段階での着火・燃焼による水素ガス及び酸素
ガスの消滅を計画している。このイグナイタは原子炉格
納容器内雰囲気が可燃領域になってからしか機能(燃
焼)しないため、設計基準事故時のように放射線水分解
による緩やかな水素ガス及び酸素ガス濃度の上昇に対し
ては、1ヶ月以上の長期間の後に原子炉格納容器内の水
素ガス及び酸素ガスの燃焼によるガス濃度低減操作を行
うこととなる。苛酷事故時の原子炉格納容器内雰囲気の
水素ガス及び酸素ガスが大量の水蒸気によって希釈され
て相対濃度が可燃条件よりも低い状態から、例えば原子
炉格納容器スプレイを作動させると、一気に水蒸気が凝
縮して相対的に水素ガス及び酸素ガス濃度が急上昇する
事象が考えられ、この時イグナイタで着火すると急激な
反応による過大な圧力上昇が想定され、原子炉格納容器
の健全性を保つ観点から手順等に十分な配慮が必要とな
る。
【0013】本発明の目的は、苛酷事故時の大量の水素
ガス発生による格納容器内圧力上昇を、原子炉格納容器
内雰囲気ガスを原子炉格納容器外部に直接放出すること
なしに、効果的に緩和することが可能であり、加えて、
事故後の格納容器内雰囲気ガスに含まれる水素ガス及び
酸素ガスを再結合させることにより可燃性領域にいたら
しめないことが可能な水素ガス処理設備を備えた格納容
器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】苛酷事故時に冷却水と燃
料被覆管金属の反応により、原子炉格納容器内で大量に
発生した水素ガスによって原子炉格納容器内の圧力の上
昇を引き起こしたり、原子炉格納容器内で水素ガスの異
常燃焼等が起こるのを阻止するために、第1手段は、原
子炉圧力容器を内包する原子炉格納容器において、水素
ガスを透過する膜である水素分離膜を用いた水素分離器
を用いて、前記原子炉格納容器の内部で発生した水素ガ
スを前記原子炉格納容器の外部へ抽出し、前記原子炉格
納容器の内部の水素ガス濃度を低減することを特徴とす
る水素ガス処理設備を備えた原子炉格納容器を提供して
おり、より好ましくは、以下の各手段でも同じことでは
あるが、前述の水素ガスを透過する膜として水素ガスは
透過し水素ガス以外のガスを遮断することが可能な水素
分離膜を利用した水素分離器を用い、苛酷事故時に原子
炉格納容器の内部に発生する大量の水素ガスおよびその
他のガスの混合ガス雰囲気から水素ガスを抽出し、原子
炉格納容器の外部に排出することにより、原子炉格納容
器の内部の水素ガス濃度を減少させることを特徴とする
水素ガス処理設備を備えた原子炉格納容器とすることが
好ましく、原子炉格納容器内の水素ガス濃度を低減さ
せ、原子炉格納容器ベントを行うことなしに事故を収束
させることができる。
【0015】第2手段は、第1手段において、前記水素
分離膜として表面に水素透過性の材質を被覆した水素透
過性の金属管を用い、前記金属管を束ねて前記水素分離
膜の表面積を多くする構成としたことを特徴とする水素
分離器を有する水素ガス処理設備を備えた原子炉格納容
器であり、水素処理膜の表面積を多くし水素分離器の効
率を高めるために、水素ガス透過性の材質を被覆した水
素ガス透過性の金属膜を管状とし、その金属管を束ねた
構成とした水素分離器を用いた水素ガス処理設備を備え
た原子炉格納容器を提供することによって原子炉格納容
器内部の水素ガスを処理でき、各種の混合ガスから水素
ガスを選択的に透過する材質として、パラジウムがあ
り、また、水素ガス透過性の金属には種々あるが、パラ
ジウムより水素ガス透過性のよい金属はタンタル(T
a),バナジウム(V),ジルコニウム(Zr),ニオ
ブ(Nb)などがある。これら金属をパラジウムで全面
被覆すれば、金属表面の酸化を防止でき、水素ガスを効
率的に透過できる。水素ガスは、水素分離膜により区切
られた2つの空間の水素濃度差、すなわち、水素分圧差
により、水素分離膜を透過する。
【0016】第3手段は、第1手段において、前記水素
分離膜として表面に水素透過性の材質を被覆した水素透
過性の金属板を用い、前記金属板を波型にして前記水素
分離膜の表面積を多くする構成としたことを特徴とする
水素分離器を有する水素ガス処理設備を備えた原子炉格
納容器であり、水素処理膜の表面積を多くし水素分離器
の効率を高めるために、水素ガス透過性の材質を被覆し
た水素ガス透過性の金属膜を板状とし、その金属板を波
型にした構成の水素分離器を用いた水素ガス処理設備を
備えた原子炉格納容器を提供することによって原子炉格
納容器内部の水素ガスを処理できる。
【0017】苛酷事故時のみでなく設計基準事故時の水
の放射線分解による緩やかな水素ガス濃度上昇にも対応
するため、第4手段は、第2手段又は第3手段におい
て、前記水素分離膜の表面に水素ガスと酸素ガスの結合
を促進させる触媒作用を持つ材質を被覆し、前記原子炉
格納容器の内部で発生した水素ガスを触媒作用により酸
素ガスと結合させることにより、前記原子炉格納容器の
内部の水素ガス及び酸素ガスの濃度を低減する効果を合
わせ持つことを特徴とする水素分離器を有する水素ガス
処理設備を備えた原子炉格納容器であり、水素分離膜の
表面に水素ガスと酸素ガスの結合を促進させる触媒作用
を持つ材質を被覆した水素分離膜を用いた水素分離器を
有する水素ガス処理設備を備えた原子炉格納容器を提供
することにより、水−金属反応によって発生する大量の
水素ガスについては、膜の透過作用により水素ガスを抽
出し原子炉格納容器外へ放出する一方で、水の放射線分
解により原子炉格納容器の内部で発生する水素ガスと酸
素ガスについては、水素分離膜に被覆している触媒の作
用により再結合させ、原子炉格納容器内の水素濃度を低
減させることができる。水素ガス透過性だけでなく、触
媒作用もある材質として、パラジウムがある。
【0018】第5手段は、第1手段又は第2手段又は第
3手段又は第4手段に記載の原子炉格納容器において、
構造の一部又は全部を前記水素分離膜で構成された中空
形状の水素分離器を前記原子炉格納容器の内部に設置
し、前記水素分離器の中空部分の上方に接続し前記原子
炉格納容器を貫通して前記原子炉格納容器の外部に連通
する排気配管である水素排気配管と、前記水素排気配管
の前記原子炉格納容器外側に隔離弁と、前記水素分離器
の中空部分の下方に接続し前記原子炉格納容器を貫通し
て前記原子炉格納容器の外部に連通する吸込配管である
パージガス吸込配管と、前記パージガス吸込配管の前記
原子炉格納容器の外側に隔離弁を設置し、前記原子炉格
納容器の内部で発生した水素ガスを含む雰囲気ガスか
ら、前記水素分離器を用いて水素ガスを抽出し、前記水
素排出配管を通して、水素ガスを前記原子炉格納容器の
外部へ排出する構成としたことを特徴とする水素ガス処
理設備を備えた原子炉格納容器である。
【0019】水素分離器により抽出された水素ガスは直
接原子炉施設の外部に放出することも可能であるが、系
統内部で処理するための手段としての第6手段は、第5
手段に記載の原子炉格納容器において、前記水素排出配
管に、水素を吸着する電極と空気中の酸素を吸着する電
極を備え水素と酸素の再結合エネルギーを電気エネルギ
ーに変換する燃料電池を接続し、前記原子炉格納容器の
内部で発生した水素ガスを前記燃料電池のエネルギー変
換作用により処理できることを特徴とする水素ガス処理
設備を備えた原子炉格納容器であり、水素排出配管に燃
料電池を接続し、水素ガスを燃料電池で処理することに
より、原子炉格納容器内部の水素濃度を低減させること
ができる水素ガス処理設備を備え、燃料電池には電解質
の種類により種々あるが、現在、実機に適用可能なもの
として、固体高分子電解質型,燐酸電解質型,固体酸化
物電解質型とがある。
【0020】固体高分子電解質型は、イオン交換膜を用
いるもので、水素イオンが電荷担体であり、動作温度は
70℃程度である。燃料電池は燃料極(負極)と空気極
(正極)の2つの電極を持つ。燃料極に水素が入ると、
水素イオンが生成して電子が放出される。この水素イオ
ンが電解質中を移動して、空気極側に至る。空気極で
は、水素イオンと酸素と、外部導線を通ってきた電子と
で水が生成する。このように燃料電池では、水素と酸素
を再結合させるだけでなく、電気が発生する。単電池で
は、電圧約0.7V ,電流密度0.6A/cm2である。発
生電圧は低いので、電極を接近させることができ、積層
構造が可能である。電解質の高分子膜の種類により、電
池性能が変化している。
【0021】固体酸化物電解質型にも、水素イオン導電
性のものがある。これは、固体電解質中で水素を水素イ
オンにして、電荷を運ぶものである。ジルコニア電解質
だと1000℃付近の高温でないと作用しないが、50
℃以下の温度で使用できる電解質もある。
【0022】第7手段は、第6手段において、前記原子
炉格納容器の内部で発生する水素ガスを前記燃料電池で
処理し、水素と酸素の再結合により発生する電気を前記
燃料電池の運転に必要な補機で利用できる構成としたこ
とを特徴とする水素ガス処理設備を備えた原子炉格納容
器であり、原子炉格納容器内で発生する水素ガスを燃料
電池で処理することにより発生する電気を燃料電池の運
転維持に必要な補機類の電源として利用することによ
り、外部の電源に依存しない信頼性の高い水素ガス処理
が実施できる。
【0023】第8手段は、第7手段において、前記水素
排出配管に少なくとも2個以上の隔離弁を設けるととも
に、前記隔離弁間にフランジを設け前記燃料電池と前記
原子炉格納容器を切り離すことができるようにし、前記
燃料電池,配管弁類,計測制御設備および電源設備など
水素ガス処理設備の運転に必要な設備を移動可能な可搬
式台車あるいは自動車に積載し、複数の格納容器に対す
る水素ガス濃度制御に供することができるようにしたこ
とを特徴とする水素ガス対策設備を備えた原子炉格納容
器であり、水素排出配管に隔離弁を少なくとも2個以上
設け、隔離弁管にフランジを設けて原子炉格納容器と燃
料電池を切り離せる構成とし、原子炉格納容器外部の燃
料電池等水素ガス処理設備の運転に必要な設備を移動可
能な可搬式台車あるいは自動車に積載する構成とした水
素ガス処理設備を備えた原子炉格納容器を提供すること
により、複数の原子炉格納容器に対して水素ガス処理設
備を利用できるようにして利便性を向上させることがで
きる。
【0024】第9手段は、第1手段又は第2手段又は第
3手段又は第4手段において、構造の一部又は全部を前
記水素分離膜で構成された中空形状の水素分離器を前記
原子炉格納容器の外部に設置し、前記原子炉格納容器か
ら前記水素分離器の中空部分の一方に連通する配管であ
る、吸気配管と、前記吸気配管の前記原子炉格納容器と
前記水素分離器の間に設置される弁と、前記水素分離器
の中空部分の他方から排気を前記原子炉格納容器へ戻す
配管である排気配管と、前記排気配管の前記水素分離器
と前記原子炉格納容器の間に設置される弁と、前記吸気
配管を通して前記原子炉格納容器の内部の雰囲気ガスを
前記水素分離器へ移送し前記排気配管を通して前記原子
炉格納容器に排気する送風機と、前記水素分離膜より透
過してきた水素ガスを捕集する容器である水素ガス収集
容器と、前記水素ガス収集容器より抽出された水素ガス
を前記原子炉格納容器の外部へ排出する配管である水素
排出配管と、前記水素ガス収集容器に接続し抽出された
水素ガスを前記水素排出配管へとパージするために空気
又は水蒸気等を注入する配管であるパージガス吸込配管
を設置し、前記原子炉格納容器の内部で発生した水素ガ
スを含む雰囲気ガスを、前記送風機を用いて前記水素分
離器に移送し、前記水素分離器により前記雰囲気ガスか
ら水素ガスを抽出し前記水素排出配管を通して前記原子
炉格納容器の外部に排出する一方で、残留ガスを前記排
気配管を通して前記原子炉格納容器内に排出する構成と
したことを特徴とする水素ガス対策設備を備えた原子炉
格納容器である。
【0025】水素分離器により抽出された水素ガスを原
子炉施設の外部に放出せず、内部で処理するための第1
0手段は、第9手段において、前記水素排出配管に、水
素を吸着する電極と空気中の酸素を吸着する電極を備え
水素と酸素の再結合エネルギーを電気エネルギーに変換
する燃料電池を接続し、前記原子炉格納容器の内部で発
生した水素ガスを前記燃料電池のエネルギー変換作用に
より処理できることを特徴とする水素ガス処理設備を備
えた原子炉格納容器であり、水素排出配管に燃料電池を
接続し、水素ガスを燃料電池で処理することにより、原
子炉格納容器内部の水素濃度を低減させることができ
る。
【0026】第11手段は、第10手段において、前記
原子炉格納容器の内部で発生する水素ガスを前記燃料電
池で処理し、水素と酸素の再結合により発生する電気を
前記送風機及び前記燃料電池の運転に必要な補機で利用
できる構成としたことを特徴とする水素ガス処理設備を
備えた原子炉格納容器であり、原子炉格納容器内で発生
する水素ガスを燃料電池で処理することにより発生する
電気を送風機及び燃料電池の運転維持に必要な補機類の
電源として利用することにより、外部の電源に依存しな
い信頼性の高い水素ガス処理設備を備えた原子炉格納容
器を提供する。第12手段は、第11手段において、前
記吸気配管及び前記排気配管に少なくとも2個以上の隔
離弁を設けるとともに、前記隔離弁間にフランジを設
け、前記水素分離器と前記原子炉格納容器を切り離すこ
とができるようにし、前記水素分離器,配管弁類,計測
制御設備および電源設備など水素ガス処理設備の運転に
必要な設備を移動可能な可搬式台車あるいは自動車に積
載し、複数の格納容器に対する水素ガス濃度制御に供す
ることができるようにしたことを特徴とする水素ガス対
策設備を備えた原子炉格納容器であり、吸気配管及び排
気配管に隔離弁を少なくとも2個以上設け、隔離弁管に
フランジを設けて原子炉格納容器と水素分離器及び燃料
電池を切り離せる構成とし、原子炉格納容器外部に設置
されている水素ガス処理設備を移動可能な可搬式台車あ
るいは自動車に積載する構成とした水素ガス処理設備を
備えた原子炉格納容器を提供することにより、複数の原
子炉格納容器に対して利用できるようにして利便性を向
上させることができる。
【0027】第13手段は、第1手段から第12手段ま
でのいずれか一手段において、水素分離膜は水素のみを
透過させる膜であることを特徴とした水素ガス対策設備
を備えた原子炉格納容器であり、第1手段から第12手
段までのいずれか一手段による作用効果に加えて、水素
以外のガスを原子炉格納容器外へ出さない作用効果が得
られるようにしたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の具体的実施例を図1,図
2,図3,図4及び図5を用いて以下に説明する。
【0029】図1は沸騰水型原子力発電所の原子炉格納
容器内部に水素分離器を、外部に固体高分子電解質型燃
料電池を設置した水素ガス処理設備を備えた原子炉格納
容器の一例である。
【0030】原子炉格納容器1は原子炉圧力容器が設置
されていて通常乾燥状態にあるドライウェル(以下、D
/W)2と圧力抑制プールを持つサプレッションチャン
バー(以下、S/C)3に分けられる。D/W2内には
水素分離器4が設置されている。
【0031】水素分離器4は円筒管形状の水素ガスのみ
を透過する水素分離膜5を束ねその上部又は両端部を接
続した構成としている。原子炉格納容器1内に充満する
水素ガスは円筒管の水素分離膜5の外側から内側に透過
し水素分離器4内部に集められる。
【0032】蒸気発生器54からの蒸気ガスがパージガ
ス吸込配管55を通って水素分離器4内部に流入するこ
とにより水素ガスがパージされ、集められた水素ガスは
水素排出配管6を通って原子炉格納容器1外部へと導か
れる。
【0033】水素排出配管6には隔離弁7,8が、パー
ジガス吸込配管55には隔離弁51,52が設置されて
おり、隔離弁間にそれぞれフランジ9,53が設けてあ
る。フランジ9及び53を取り付け、取り外しすること
により、燃料電池が格納されているパッケージ10と原
子炉格納容器1を取り外し、複数の原子炉格納容器に対
してパッケージ10を移動して接続し利用することがで
きる。
【0034】配管11上には流量調節弁12と送風機1
3が設置されており、原子炉格納容器1から抽出された
水素ガスは送風機13により燃料電池の水素極14に送
られる。
【0035】配管11上には蒸気凝縮器56が設置され
ており、水素分離器から送られてきた蒸気ガスと水素ガ
スのうち蒸気ガスは蒸気凝縮器56で取り除かれ水素ガ
スのみが燃料電池の水素極14に送られる。
【0036】燃料電池の水素極14で反応しきれなかっ
た残留水素ガスは配管15によって原子炉施設の外部へ
放出される。酸素極16に空気を供給する構成として、
空気フィルタ17,送風機18,流量調節弁19,空気
供給配管20が設置されており、原子炉施設外部から空
気フィルタ17を介して取り込んだ空気は送風機18に
よって空気供給配管20を通して燃料電池の酸素極に送
り込む。
【0037】酸素極16で反応しきれなかった残留ガス
は配管21によって原子炉施設外部に排出できる。燃料
電池は水素極14,酸素極16,固体高分子電解質22
及び燃料電池を冷却するための燃料電池冷却クーラー2
3から構成される。
【0038】また、燃料電池を使用しない場合には、窒
素供給装置30により水素極14,酸素極16を窒素で
置換できる構成とする。
【0039】燃料電池を冷却する構成として、冷却水補
給配管24,冷却水タンク25,冷却水クーラー26,
ポンプ27,配管28,冷却ファン29が設置される。
【0040】燃料電池で発生する直流電力は必要により
インバータ31で交流電力に変換され、電力供給ケーブ
ル32により、流量調節弁12,19,送風機13,1
8,ポンプ27,冷却ファン29及び計測制御用機器等
に供給される。
【0041】パッケージ10が移動が可能なように台車
33に据え付けられる。
【0042】水の放射線分解により原子炉格納容器1内
に水素ガスと酸素ガスが充満した場合、水素分離膜の表
面が水素ガスと酸素ガスとの結合を促進させる触媒の機
能も有しているので、D/W2内で水素ガスと酸素ガス
を結合させ、原子炉格納容器1内の水素ガス濃度を低減
させ、水素ガスの急速な燃焼を発生させることなく事故
を収束させることができる。
【0043】図2は沸騰水型原子力発電所の原子炉格納
容器の外部に水素分離器,固体高分子電解質型燃料電池
を設置した水素ガス処理設備を備えた原子炉格納容器の
一例である。
【0044】原子炉格納容器1内で冷却水と燃料被覆管
の水−金属反応で水素ガスが発生した場合あるいは水の
放射線分解により水素ガスと酸素ガスが発生した場合、
水素ガスなどを含む原子炉格納容器内の雰囲気ガスを送
風機40を用いて原子炉格納容器外部へ導き水素ガスの
みを抽出する。原子炉格納容器雰囲気ガスは送風機40
により吸気配管41を通して水素分離器4へ導かれる。
水素分離器4では、円筒管の水素分離膜5の内側から外
側に水素ガスのみが透過する。
【0045】水素分離器4で透過しなかった残留ガスは
排気配管42を通ってS/C3へ排出される。水素分離
膜5を透過した水素ガスは水素ガス収集容器43内に貯
められ、蒸気発生器54による蒸気ガスにより水素ガス
収集容器43内にある水素ガスをパージし、加えて、送
風機13により水素排出配管6を通って燃料電池の水素
極14へと導かれる。
【0046】また、水素排出配管6上に蒸気凝縮器56
を設け、水素ガスを水素ガス収集容器43からパージす
るために用いた蒸気ガスと、水素分離膜5を透過してき
た水素ガスを分離し、燃料電池の水素極14へ導かれる
水素ガスの濃度を高くする。吸気配管41及び排気配管
42には隔離弁34,35,36,37が設置され、そ
れぞれの隔離弁間にフランジ38,39を設け、原子炉
格納容器1部とパッケージ10を切り離せる構造とし、
複数の原子炉格納容器に対して利用できる構造とする。
【0047】図3は沸騰水型原子力発電所の原子炉格納
容器内部に水素分離器を設置し、水素分離器により抽出
した水素ガスを原子炉施設の外部に放出する構成とした
水素ガス処理設備を備えた原子炉格納容器の一例であ
る。
【0048】原子炉格納容器1は原子炉圧力容器が設置
されていて通常乾燥状態にあるD/W2と圧力抑制プー
ルを持つS/C3に分けられる。
【0049】D/W2内には水素分離器4が設置されて
いる。
【0050】水素分離器4は円筒管の水素分離膜5を束
ねその上部又は両端部を接続した構成としている。原子
炉格納容器1内に充満する水素ガスは円筒管の水素分離
膜5の外側から内側に透過し水素分離器4内部に集めら
れる。
【0051】水素排出配管6に設置された隔離弁7及び
8が開であり、パージガス吸込配管55に設置された隔
離弁51及び52が開であれば、水素ガス密度や水素分
離器4自身の発熱等により、空気フィルタ57,パージ
ガス吸込配管55を介してパージガスとして空気を水素
分離器4に吸入するとともに、集められた水素ガスは水
素排出配管6を通って原子炉格納容器1外部へと導かれ
る。
【0052】水の放射線分解により原子炉格納容器1内
に水素ガスと酸素ガスが充満した場合、水素分離膜の表
面が水素ガスと酸素ガスとの結合を促進させる触媒の機
能も有しているので、D/W2内で水素ガスと酸素ガス
を結合させ、原子炉格納容器1内の水素ガス濃度を低減
させ、水素ガスの異常燃焼等が発生することなく事故を
収束させることができる。
【0053】図4は沸騰水型原子力発電所の原子炉格納
容器の外部に水素分離器を設置し、水素分離器により抽
出した水素ガスを原子炉施設の外部に放出する構成とし
た水素ガス処理設備を備えた原子炉格納容器の一例であ
る。原子炉格納容器1内で冷却水と燃料被覆管の水−金
属反応で水素ガスが発生した場合あるいは水の放射線分
解により水素ガスと酸素ガスが発生した場合、水素ガス
などを含む原子炉格納容器内の雰囲気ガスを送風機40
を用いて原子炉格納容器外部へ導き水素ガスのみを抽出
する。原子炉格納容器雰囲気ガスは送風機40により吸
気配管41を通して水素分離器4へ導かれる。水素分離
器4では、円筒管の水素分離膜5の内側から外側に水素
ガスのみが透過する。
【0054】水素分離器4で透過しなかった残留ガスは
排気配管42を通ってS/C3へ排出される。
【0055】水素ガス収集容器43へはパージガスとし
て空気が空気フィルタ,パージガス吸込配管55を通っ
て流入し、水素分離膜5を透過した水素ガスは水素ガス
収集容器43内に貯められ、水素排出配管6に設置され
た隔離弁46が開であれば、水素ガスの密度等により、
水素排出配管6を通って原子炉格納容器1外部へと導か
れる。
【0056】吸気配管41及び排気配管42には隔離弁
34,35,36,37が設置され、それぞれの隔離弁
間にフランジ38,39を設け、原子炉格納容器1部と
パッケージ10を切り離せる構造とし、複数の原子炉格
納容器に対して利用できる構造とする。
【0057】図5は原子炉格納容器内に設置される水素
分離器の構造の一例を示す概略図である。苛酷事故時に
発生すると想定される水素ガスを処理するため、1個又
は複数個の水素分離器4を格納容器内に設置する。
【0058】小型の水素分離器4を原子炉格納容器の内
部の各所に配置する場合には、格納容器内の水素ガスを
均一に処理することが可能となる。
【0059】水素ガスを含む原子炉格納容器内雰囲気ガ
スは水素分離器4の下部より水素分離器の内部に流入す
る。
【0060】流入した原子炉格納容器雰囲気ガスのうち
水素ガスのみが円管状の水素分離膜5を透過し、ヘッダ
ー50に集められる。
【0061】ヘッダー50に集められた水素ガスは水素
排出配管6を介して原子炉格納容器の外部へと導かれ
る。
【0062】水素分離器が原子炉格納容器の内部に複数
設置される場合には、それぞれの水素分離器4に接続さ
れている水素排出配管6を原子炉格納容器の内部で一本
に統合し一箇所の原子炉格納容器貫通部から原子炉格納
容器の外部へ水素ガスを排出するか、水素排出配管6を
数箇所毎に原子炉格納容器内で統合し数箇所の貫通部か
ら水素ガスを排出するか、又は、水素分離器4から延び
るそれぞれの水素排出配管6毎に貫通部を設け水素ガス
を原子炉格納容器外部に排出する構成が可能である。
【0063】また、格納容器雰囲気ガスに水素ガス及び
酸素ガスが含まれる場合には、水素分離膜の表面上に被
覆されている触媒の作用により水素ガスと酸素ガスが結
合し水蒸気となる。
【0064】水素分離膜5を透過しない残留ガス及び水
素分離膜表面で再結合した水蒸気等はヘッダー50に設
けられた隔離弁51を通って水素分離器4上部へと移動
し、水滴よけ板48,49の隙間を通って水素分離器4
の外部へ放出する。
【0065】水素分離膜5及びヘッダー50等はケーシ
ング47で覆われており、原子炉格納容器内の配管破損
による破断水が直撃して水素分離膜5及びヘッダー50
等が破損しない構造とする。
【0066】また、原子炉スプレイ等により上部から水
が飛散し、水素分離膜5が水に濡れないようにするため
に水滴よけ板48,49をヘッダー50上部に取り付け
た構造とする。
【0067】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、苛酷事
故時に冷却水と燃料被覆管との水−金属反応により発生
する大量の水素ガスを原子炉格納容器ベントを行うこと
なく長期にわたり効果的に除去することが可能となる。
また、事故時に発生する放射性核分裂生成物を原子炉格
納容器の外部に放出することなしに、水素ガスのみを効
果的に処理することが可能となる。水素を抽出するため
に可動部のない水素分離膜を利用するため信頼性が高
く、水素分離膜に金属材料を適用することで経年劣化が
なく保守,点検が容易な構造とすることができる。水素
分離器の形態に制約が少ないため、本設備を設置する際
の他の機器配置に対する影響が少ない。
【0068】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の発明に加えて、水素分離膜を円管状とし、管を束ねた
構造とすることにより、限られた体積内で水素ガスを透
過する面積を大きくし、水素分離器の効率を高めること
が可能となる。
【0069】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
の発明に加えて、水素分離膜を板状として、板を波型と
した構造とすることにより、限られた体積内で水素ガス
を透過する面積を大きくし、水素分離器の効率を高める
ことが可能となる。
【0070】請求項4に記載の発明によれば、水素分離
膜の表面に水素ガスの透過を促進させる性質と水素ガス
と酸素ガスの結合を促進させる触媒としての性質を合わ
せ持つ材質を被覆することで、水の放射線分解により発
生する水素ガスと酸素ガスが原子炉格納容器内で可燃領
域に達しないように再結合させることが可能となる。請
求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の
効果に加えて、請求項1に記載の発明の具体的構成を提
供することにより、請求項1に記載の発明の実現を可能
とする効果を生ぜしめる。
【0071】請求項6に記載の発明によれば、請求項5
に記載の発明の効果に加えて、水素分離器で抽出した水
素ガスを原子炉施設外部へ放出することなしに、水素ガ
スを燃料電池で処理することが可能となる。また、燃料
電池を利用することにより水素ガス処理設備の大きさを
抑える効果を生じせしめ、可燃性ガス濃度制御設備のコ
ストダウンを可能とする。
【0072】請求項7に記載の発明によれば、請求項6
に記載の発明の効果に加えて、燃料電池の運転に必要な
電力を自己の電池でまかなうことができ、外部の電源設
備に依存しない信頼性の高い設備とすることができる効
果を生ぜしめる。
【0073】請求項8に記載の発明によれば、請求項7
に記載の発明の効果に加えて、複数の原子炉格納容器へ
の流用を可能とし、加えて、複数の原子炉格納容器への
流用を行う際の移動作業を容易にし、移動作業の時間を
短縮する効果を生ぜしめる。請求項9に記載の発明によ
れば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、請求項1
に記載の発明の具体的構成を提供することにより、請求
項1に記載の発明の実現を可能とする効果を生ぜしめ
る。また、請求項1の発明の効果に加えて、万一、水素
分離膜が破損した場合でも、水素分離器が水素ガス収集
容器で覆われているため直接原子炉格納容器内雰囲気が
環境中に放出されることはなく、安全性が向上されてい
る。水素ガス処理設備が原子炉格納容器の外側に配置さ
れる構成のため、既存の原子炉格納容器に設置されてい
る可燃性ガス濃度制御設備の取付配管を流用することが
可能となり、既設炉への追設も比較的容易となる。
【0074】請求項10に記載の発明によれば、請求項
9に記載の発明の効果に加えて、水素分離器で抽出した
水素ガスを原子炉施設外部へ放出することなしに、水素
ガスを燃料電池で処理することが可能となる。また、燃
料電池を利用することにより水素ガス処理設備の大きさ
を抑える効果を生じせしめ、可燃性ガス濃度制御設備の
コストダウンを可能とする。
【0075】請求項11に記載の発明によれば、請求項
10に記載の発明の効果に加えて、燃料電池の運転に必
要な電力を自己の電池でまかなうことができ、外部の電
源設備に依存しない信頼性の高い設備とすることができ
る効果を生ぜしめる。
【0076】請求項12に記載の発明によれば、請求項
11に記載の発明の効果に加えて、複数の原子炉格納容
器への流用を可能とし、加えて、複数の原子炉格納容器
への流用を行う際の移動作業を容易にし、移動作業の時
間を短縮する効果を生ぜしめる。
【0077】請求項13の発明によれば、請求項1から
請求項12までのいずれか一項の発明による効果に加え
て、水素以外のガスを原子炉格納容器外へ出さない効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による原子炉格納容器に装備さ
れた水素ガス処理設備の系統図である。
【図2】本発明の他の実施例による原子炉格納容器に装
備された水素ガス処理設備の系統図である。
【図3】本発明のさらに他の実施例による原子炉格納容
器に装備された水素ガス処理設備の系統図である。
【図4】本発明のさらに一層他の実施例による原子炉格
納容器に装備された水素ガス処理設備の系統図である。
【図5】本発明の各実施例の水素分離膜を用いた水素分
離器の構造を一部切り欠いて表した斜視図である。
【符号の説明】
1…原子炉格納容器、2…ドライウェル、3…サプレッ
ションチャンバー、4…水素分離器、5…水素分離膜、
6…水素排出配管、7,8,34,35,36,37,
46,51,52,58…隔離弁、9,38,39,5
3…フランジ、10…パッケージ、11,15,21,
28…配管、12,19…流量調節弁、13,18,4
0…送風機、14…水素極、16…酸素極、17,57
…空気フィルタ、20…空気供給配管、22…固体高分
子電解質、23…燃料電池冷却クーラー、24…冷却水
補給配管、25…冷却水タンク、26…冷却水クーラ
ー、27…ポンプ、29…冷却ファン、30…窒素供給
装置、31…インバータ、32…電力供給ケーブル、3
3…台車、41…吸気配管、42…排気配管、43…水
素ガス収集容器、44…原子炉圧力容器、45…破断
口、47…ケーシング、48,49…水滴よけ板、50
…ヘッダー、54…蒸気発生器、55…パージガス吸込
配管、56…蒸気凝縮器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守屋 公三明 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 唐澤 英年 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 加▲茂▼ 友一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉圧力容器を内包する原子炉格納容器
    において、水素ガスを透過する膜である水素分離膜を用
    いた水素分離器を用いて、前記原子炉格納容器の内部で
    発生した水素ガスを前記原子炉格納容器の外部へ抽出
    し、前記原子炉格納容器の内部の水素ガス濃度を低減す
    ることを特徴とする水素ガス処理設備を備えた原子炉格
    納容器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の原子炉格納容器におい
    て、前記水素分離膜として表面に水素透過性の材質を被
    覆した水素透過性の金属管を用い、前記金属管を束ねて
    前記水素分離膜の表面積を多くする構成としたことを特
    徴とする水素分離器を有する水素ガス処理設備を備えた
    原子炉格納容器。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の原子炉格納容器におい
    て、前記水素分離膜として表面に水素透過性の材質を被
    覆した水素透過性の金属板を用い、前記金属板を波型に
    して前記水素分離膜の表面積を多くする構成としたこと
    を特徴とする水素分離器を有する水素ガス処理設備を備
    えた原子炉格納容器。
  4. 【請求項4】請求項2或いは請求項3に記載の水素ガス
    処理設備を備えた原子炉格納容器において、前記水素分
    離膜の表面に水素ガスと酸素ガスの結合を促進させる触
    媒作用を持つ材質を被覆し、前記原子炉格納容器の内部
    で発生した水素ガスを触媒作用により酸素ガスと結合さ
    せることにより、前記原子炉格納容器の内部の水素ガス
    及び酸素ガスの濃度を低減する効果を合わせ持つことを
    特徴とする水素分離器を有する水素ガス処理設備を備え
    た原子炉格納容器。
  5. 【請求項5】請求項1又は請求項2又は請求項3又は請
    求項4に記載の原子炉格納容器において、構造の一部又
    は全部を前記水素分離膜で構成された中空形状の水素分
    離器を前記原子炉格納容器の内部に設置し、前記水素分
    離器の中空部分の上方に接続し前記原子炉格納容器を貫
    通して前記原子炉格納容器の外部に連通する排気配管で
    ある水素排気配管と、前記水素排気配管の前記原子炉格
    納容器外側に隔離弁と、前記水素分離器の中空部分の下
    方に接続し前記原子炉格納容器を貫通して前記原子炉格
    納容器の外部に連通する吸込配管であるパージガス吸込
    配管と、前記パージガス吸込配管の前記原子炉格納容器
    の外側に隔離弁を設置し、前記原子炉格納容器の内部で
    発生した水素ガスを含む雰囲気ガスから、前記水素分離
    器を用いて水素ガスを抽出し、前記水素排出配管を通し
    て、水素ガスを前記原子炉格納容器の外部へ排出する構
    成としたことを特徴とする水素ガス処理設備を備えた原
    子炉格納容器。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の原子炉格納容器におい
    て、前記水素排出配管に、水素を吸着する電極と空気中
    の酸素を吸着する電極を備え水素と酸素の再結合エネル
    ギーを電気エネルギーに変換する燃料電池を接続し、前
    記原子炉格納容器の内部で発生した水素ガスを前記燃料
    電池のエネルギー変換作用により処理できることを特徴
    とする水素ガス処理設備を備えた原子炉格納容器。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の原子炉格納容器におい
    て、前記原子炉格納容器の内部で発生する水素ガスを前
    記燃料電池で処理し、水素と酸素の再結合により発生す
    る電気を前記燃料電池の運転に必要な補機で利用できる
    構成としたことを特徴とする水素ガス処理設備を備えた
    原子炉格納容器。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の原子炉格納容器におい
    て、前記水素排出配管に少なくとも2個以上の隔離弁を
    設けるとともに、前記隔離弁間にフランジを設け前記燃
    料電池と前記原子炉格納容器を切り離すことができるよ
    うにし、前記燃料電池,配管弁類,計測制御設備および
    電源設備など水素ガス処理設備の運転に必要な設備を移
    動可能な可搬式台車あるいは自動車に積載し、複数の格
    納容器に対する水素ガス濃度制御に供することができる
    ようにしたことを特徴とする水素ガス対策設備を備えた
    原子炉格納容器。
  9. 【請求項9】請求項1又は請求項2又は請求項3又は請
    求項4に記載の原子炉格納容器において、構造の一部又
    は全部を前記水素分離膜で構成された中空形状の水素分
    離器を前記原子炉格納容器の外部に設置し、前記原子炉
    格納容器から前記水素分離器の中空部分の一方に連通す
    る配管である、吸気配管と、前記吸気配管の前記原子炉
    格納容器と前記水素分離器の間に設置される弁と、前記
    水素分離器の中空部分の他方から排気を前記原子炉格納
    容器へ戻す配管である排気配管と、前記排気配管の前記
    水素分離器と前記原子炉格納容器の間に設置される弁
    と、前記吸気配管を通して前記原子炉格納容器の内部の
    雰囲気ガスを前記水素分離器へ移送し前記排気配管を通
    して前記原子炉格納容器に排気する送風機と、前記水素
    分離膜より透過してきた水素ガスを捕集する容器である
    水素ガス収集容器と、前記水素ガス収集容器より抽出さ
    れた水素ガスを前記原子炉格納容器の外部へ排出する配
    管である水素排出配管と、前記水素ガス収集容器に接続
    し抽出された水素ガスを前記水素排出配管へとパージす
    るために空気又は水蒸気等を注入する配管であるパージ
    ガス吸込配管を設置し、前記原子炉格納容器の内部で発
    生した水素ガスを含む雰囲気ガスを、前記送風機を用い
    て前記水素分離器に移送し、前記水素分離器により前記
    雰囲気ガスから水素ガスを抽出し前記水素排出配管を通
    して前記原子炉格納容器の外部に排出する一方で、残留
    ガスを前記排気配管を通して前記原子炉格納容器内に排
    出する構成としたことを特徴とする水素ガス対策設備を
    備えた原子炉格納容器。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の原子炉格納容器におい
    て、前記水素排出配管に、水素を吸着する電極と空気中
    の酸素を吸着する電極を備え水素と酸素の再結合エネル
    ギーを電気エネルギーに変換する燃料電池を接続し、前
    記原子炉格納容器の内部で発生した水素ガスを前記燃料
    電池のエネルギー変換作用により処理できることを特徴
    とする水素ガス処理設備を備えた原子炉格納容器。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の原子炉格納容器にお
    いて、前記原子炉格納容器の内部で発生する水素ガスを
    前記燃料電池で処理し、水素と酸素の再結合により発生
    する電気を前記送風機及び前記燃料電池の運転に必要な
    補機で利用できる構成としたことを特徴とする水素ガス
    処理設備を備えた原子炉格納容器。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の原子炉格納容器にお
    いて、前記吸気配管及び前記排気配管に少なくとも2個
    以上の隔離弁を設けるとともに、前記隔離弁間にフラン
    ジを設け、前記水素分離器と前記原子炉格納容器を切り
    離すことができるようにし、前記水素分離器,配管弁
    類,計測制御設備および電源設備など水素ガス処理設備
    の運転に必要な設備を移動可能な可搬式台車あるいは自
    動車に積載し、複数の格納容器に対する水素ガス濃度制
    御に供することができるようにしたことを特徴とする水
    素ガス対策設備を備えた原子炉格納容器。
  13. 【請求項13】請求項1から請求項12までのいずれか
    一項において、水素分離膜は水素のみを透過させる膜で
    あることを特徴とした水素ガス対策設備を備えた原子炉
    格納容器。
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JP2001118594A (ja) * 1999-10-19 2001-04-27 Ngk Insulators Ltd 水素分離膜を用いた燃料電池システム及びその制御方法
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