JP6798912B2 - 原子炉格納容器ベントシステム - Google Patents

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Description

本発明は、原子力発電プラントに設けられる原子炉格納容器ベントシステムに関する。
原子力発電プラントにおいては、原子炉圧力容器内に配置された炉心が万が一溶融するような事態(以下「過酷事故」という。)が発生し、放射性物質が原子炉圧力容器外に放出されても、放射性物質を原子炉格納容器内に閉じ込めて外部への漏出を防ぐことは、原子炉格納容器の重要な機能の一つである。過酷事故が発生した場合においても、その後に十分な注水が行われ、かつ、原子炉格納容器が冷却されれば、事故は収束する。
しかし、万が一蒸気の生成が継続し、原子炉格納容器の冷却が不十分な場合、原子炉格納容器が加圧される。原子炉格納容器が加圧された場合は、原子炉格納容器内の気体を大気中に放出し、原子炉格納容器を減圧する場合がある。この操作をベント操作と呼ぶ。この操作を行う場合は、沸騰水型原子炉では公衆の被ばくが最小限となるように、サプレッションプールのプール水によって放射性物質を除去した上で原子炉格納容器内の気体(以下「ベントガス」という。)を大気中に放出する。
沸騰水型原子炉では、前述のように、サプレッションプールのプール水により十分に放射性物質を除去した上で、ベントガスを大気中に放出しているが、このベントガスから更に放射性物質を取り除くシステムとして、原子炉格納容器ベントシステムがある。例えば、特許文献1に記載されている一般的な原子炉格納容器のフィルタベント装置は、ベントガスから放射性物質を除去するための装置として、水を内包するタンク、タンクの水中にベントガスを導く配管、およびタンクからベントガスを排出する出口に放射性物質除去フィルタを含む構成となっている。
ベントガスに含まれる粒子状放射性物質(エアロゾル粒子)は、タンク内の水等により、物理的に大部分が除去される。一方、よう素などのガス状放射性物質は、放射性物質除去フィルタの一種であるよう素フィルタにおいて化学反応および吸着により除去される。
特許文献2には、原子力設備のベントに関して、ベントガスに含まれているキセノンおよびクリプトン(希ガス)を動的吸着により吸着剤に封じ込める吸着塔を有するシステムが記載されている。
特開2014−44118号公報 特表2016−521843号公報
放射性希ガスは、反応性に乏しいため、物理的に分離する必要があると考えられる。
特許文献2においては、放射性希ガスの除去までを目的として、吸着塔を用いている。しかし、ベントガスに含まれる希ガスの放射能が十分に減衰するまで外部に放出しないようにするためには、大型の吸着塔を複数設置する必要がある。また、吸着塔を逆洗するためのボイラや複雑な配管など付随の装置も多数必要となる。
本発明は、ベント操作の際、原子炉格納容器の外部に放射性希ガスを放出することなく、継続的に原子炉格納容器内の蒸気を系外に放出し、原子炉格納容器の圧力を継続的に減圧することを目的とする。
本発明は、原子炉格納容器の内部の気体を原子炉格納容器の外部に排出するベントラインと、ベントラインに設けられた希ガスフィルタと、ベントラインにおける希ガスフィルタの上流側と原子炉格納容器とを接続する戻り配管と、戻り配管に設けられたポンプと、を備えた原子炉格納容器ベントシステムであって、希ガスフィルタは、放射性希ガスを遮断し、かつ、水蒸気を透過する膜フィルタである。
本発明によれば、ベント操作の際、原子炉格納容器の外部に放射性希ガスを放出することなく、継続的に原子炉格納容器内の蒸気を系外に放出し、原子炉格納容器の圧力を継続的に減圧することができる。
実施例1の原子炉格納容器ベントシステムを示す概略構成図である。 実施例2の原子炉格納容器ベントシステムを示す概略構成図である。 実施例3の原子炉格納容器ベントシステムを示す概略構成図である。 実施例4の原子炉格納容器ベントシステムを示す概略構成図である。 実施例5の原子炉格納容器ベントシステムを示す概略構成図である。
本発明の原子炉格納容器ベントシステムは、原子炉格納容器内の圧力を減圧するものであり、その減圧の際に放射性物質を極力除去するものである。
以下、本発明に係る原子炉格納容器ベントシステムの詳細について、実施例を用いて説明する。
図1は、原子炉格納容器及びそのベントシステムの概略構成を示す縦断面図である。図中破線で囲んだ部分が本実施例の原子炉格納容器ベントシステムである。
本図に示す原子炉格納容器ベントシステムは、改良型沸騰水型原子炉(ABWR)に適用した例である。
本図において、原子炉格納容器1には、フィルタベント装置15(原子炉格納容器ベントシステム)が付設されている。
原子炉格納容器1内には、炉心2を内包する原子炉圧力容器3が設置されている。原子炉圧力容器3には、原子炉圧力容器3内で発生した蒸気(水蒸気)をタービン(図示せず)に送る主蒸気管4が接続されている。
原子炉格納容器1の内部は、鉄筋コンクリート製のダイヤフラムフロア12によってドライウェル5とウェットウェル7とに区画されている。ウェットウェル7は、内部にプール水を貯めている領域である。このウェットウェル7内のプールは、サプレッションプール8と呼ばれている。
ドライウェル5とウェットウェル7とは、ベント管11によって相互に連通されている。ベント管11の開口部であるベント管排気部11aは、ウェットウェル7内のサプレッションプール8の水面下に設けられている。万が一配管類の一部が損傷し、原子炉格納容器1内に蒸気が放出される配管破断事故(一般にLOCAの名称で知られ、配管が通るドライウェル5で発生する。)が発生した場合、ドライウェル5の圧力が破断口から流出する蒸気により上昇する。その際、ドライウェル5内に放出された蒸気は、ドライウェル5とウェットウェル7との圧力差により、ベント管11を通ってウェットウェル7内のサプレッションプール8の水中に導かれる。
サプレッションプール8の水で蒸気を凝縮することで、原子炉格納容器1内の圧力上昇を抑制する。この際、蒸気内に含まれている放射性物質は、サプレッションプール8の水のスクラビング効果により大半が除去される。
前述したとおり、ドライウェル5で配管破断事故が発生した場合、破断口から流出する蒸気は、ベント管11を通ってサプレッションプール8で凝縮される。同様に、原子炉圧力容器3や主蒸気管4の圧力が高くなった場合も、蒸気をサプレッションプール8に放出し、原子炉圧力容器3や主蒸気管4の圧力を下げる。また、それと共に、放出した蒸気をサプレッションプール8で凝縮することで、原子炉格納容器1の圧力上昇を緩和する。
そのための装置としては、ABWRでは、原子炉格納容器1内のドライウェル5の領域に蒸気逃し安全弁6が設置されている。蒸気逃し安全弁6を通して放出された蒸気は、蒸気逃し安全弁排気管9を通り、最終的にクエンチャ10からサプレッションプール8内に放出され、サプレッションプール8の水により凝縮される。蒸気をサプレッションプール8で凝縮して液体の水にすることで、蒸気の体積が大幅に減少し、原子炉格納容器1の圧力上昇を抑制することができる。また、その際、蒸気に含まれている放射性物質は、サプレッションプール8の水のスクラビング効果により大半が除去される。
サプレッションプール8で蒸気を凝縮し、サプレッションプール8の水を残留熱除去系(図示せず)で冷却することで、原子炉格納容器1の温度上昇及び圧力上昇を防止し、事故を収束させることができる。
しかし、非常に低い可能性ではあるが、残留熱除去系が機能を喪失した場合、サプレッションプール8のプール水の温度が上昇する。プール水の温度が上昇するのに伴い、原子炉格納容器1内の蒸気の分圧はプール水の温度の飽和蒸気圧まで上昇するため、原子炉格納容器1の圧力が上昇する。このような圧力上昇が起きた場合、原子炉格納容器1内に冷却水をスプレイすることにより、圧力上昇を抑えることができる。また、このスプレイは、外部から消防ポンプなどを接続して作動させることも可能である。
しかし、更に非常に低い可能性ではあるが、このスプレイも作動しない場合、原子炉格納容器1の圧力は上昇する。このような原子炉格納容器1の圧力上昇が起きた場合、原子炉格納容器1内の気体を外部に放出することにより、原子炉格納容器1の圧力上昇を抑えることができる。この操作のことを「ベント操作」と呼ぶ。沸騰水型原子炉では、このベント操作をウェットウェル7内の気体を放出することにより行うことで、サプレッションプール8の水で最大限放射性物質を除去した上で、外部へ気体を放出することができる。
このベント操作をする上で、外部に放出する気体から更に放射性物質を取り除く装置としてフィルタベント装置15(原子炉格納容器ベントシステム)がある。
次に、一般的なベントシステムについて説明する。
本図に示すように、フィルタベント装置15は、ベント配管13(上流側ベント配管)と、フィルタ容器16と、出口配管20(下流側ベント配管)と、排気塔22と、戻り配管24(還流配管)と、ポンプ25と、逆止弁26と、を備えている。上流側ベント配管及び下流側ベント配管は、ベントラインを構成する。
ベント配管13は、原子炉格納容器1のドライウェル5及びウェットウェル7に接続されている。このベント配管13には、隔離弁14a、14bが配設されている。隔離弁14aは、ウェットウェル側の隔離弁であり、隔離弁14bは、ドライウェル側の隔離弁である。ベント配管13は、フィルタ容器16の入口配管17に接続されている。この入口配管17の先端側は、フィルタ容器16内に開口している。なお、ベント操作は、通常はウェットウェル7側の隔離弁14aを開くことで行う。
フィルタ容器16は、その周囲を遮蔽壁21で覆われている。出口配管20は、フィルタ容器16と排気塔22とを接続する配管である。出口配管20には、上流側から、金属フィルタ19、よう素フィルタ38及び希ガスフィルタ23が設置されている。金属フィルタ19は、金網状である。
戻り配管24は、出口配管20における希ガスフィルタ23の上流側とドライウェル5とを接続する配管である。戻り配管24には、ポンプ25及び逆止弁26が設置されている。
フィルタ容器16内の下部には、スクラビング用プール水18が貯留されている。出口配管20は、フィルタ容器16の上部に接続され、遮蔽壁21を貫通している。出口配管20は、ベント配管13及び入口配管17を通過してフィルタ容器16に流入した気体を、排気塔22から外部に排出するものである。
原子炉格納容器1の圧力が上昇した場合、通常はウェットウェル側の隔離弁14aを開く。この際、サプレッションプール8の水で放出ガスをスクラビングすることで、大半の放射性物質を除去することができる。これは、沸騰水型原子炉の安全上の特徴である。フィルタベント装置15に入った放出ガスは、スクラビング用プール水18で更にスクラビングされることで、主にエアロゾル状の放射性物質のほとんどが除去される。さらに、金属フィルタ19及びよう素フィルタ38により、よう素などの気体状の放射性物質が除去される。
上記の過程により、ほとんどの放射性物質は、除去される。放射性物質が除去された放出ガスは、排気塔22から放出される。しかし、放射性希ガスは、反応性が乏しいため、一般的なフィルタベントシステムでは除去できない。そのため、現行のベント操作は、この放射性希ガスが減衰するまで待ってから行う必要がある。このため、現行のベント操作は、原子炉スクラム後から比較的短い時間の間は行うことができない。
本実施例の原子炉格納容器ベントシステムにおいては、出口配管20の下流側に希ガスフィルタ23を設置している。この希ガスフィルタ23は、放射性希ガスを遮断し、かつ、蒸気を透過するフィルタ材(膜フィルタ)で作製されている。これにより、蒸気を外部に放出し、原子炉格納容器1の圧力を下げることができる。
また、希ガスフィルタ23は、原子炉格納容器1内やベント配管13など、どの位置に設置しても放射性希ガスを除去できるが、フィルタベント装置15の下流側に設置することで、希ガスフィルタ23にエアロゾル状の放射性物質が付着することによるフィルタ性能の劣化の防止や、事故時に発生する可能性のある溶融燃料からの影響にさらされることを防止することができ、原子炉格納容器ベントシステムの信頼性を向上させることができる。
希ガスフィルタ23の構造材としては、次のものがある。
希ガスフィルタ23は、蒸気を透過する必要がある。また、原子炉格納容器1の圧力上昇を抑制するためには、希ガスフィルタ23は、炉心2が溶融した際に発生する可能性のある水素も透過できることが望ましい。透過すべき水蒸気及び水素は、分子径が0.3nm以下と小さく、透過すべきでない放射性希ガス(主にクリプトンやキセノン)は、それよりもかなり大きい。そこで、分子径が小さい蒸気や水素を選択的に透過するには分子ふるいで分離できる膜を利用することが考えられる。
沸騰水型原子炉の場合、原子炉格納容器1内の気体は、窒素置換されている。分子サイズを利用して分子ふるいでガスを選択する場合、クリプトンやキセノンと分子サイズの近い窒素は、希ガスフィルタ23を透過しない可能性がある。このことは、原子炉格納容器1の減圧の観点では、問題ない。言い換えると、希ガスフィルタ23は、放射性希ガス及び窒素を遮断し、かつ、水素及び水蒸気を透過する膜フィルタであってもよい。
このような用途に好適なフィルタ材としては、ポリイミドを主成分とする高分子膜、窒化ケイ素を主成分とするセラミック膜、炭素を主成分とする酸化グラフェン膜等がある。これらのフィルタ材は、分子ふるいによる分離が可能な膜である。これらのフィルタ材は、一般的には、水素の精製に用いるフィルタに用いられている。このほか、クリプトンやキセノンを透過せず、水素及び水蒸気を透過する膜であれば、フィルタ材として用いることができる。
なお、希ガスフィルタ23は、表面積を大きくすることが望ましい。このため、膜フィルタを蛇腹状に折り曲げて配置してもよい。また、膜フィルタとして中空糸膜を用いてもよい。
フィルタ材を用いる希ガスフィルタ23は、蒸気及び水素を透過し、窒素及び放射性物質を透過しないことにより、放射性希ガスを除去しながら、原子炉格納容器1の圧力上昇の原因となる蒸気及び水素を放出することができる。しかし、時間の経過と共に、希ガスフィルタ23の直上流部には、透過しない窒素および放射性希ガスが溜まり、これらの気体の分圧が高まることで、蒸気及び水素の透過量が低下し、原子炉格納容器1の圧力を下げる機能が低下するおそれがある。
この問題は、本実施例の戻り配管24により解決される。
戻り配管24は、希ガスフィルタ23の直上流部と原子炉格納容器1とを接続している。このため、戻り配管24に設置したポンプ25により、透過しない気体を原子炉格納容器1に戻すことができ、希ガスフィルタ23の蒸気透過性能を維持することができる。また、戻り配管24に逆止弁26を設置することにより、原子炉格納容器1から放射性物質を含む気体が逆流して希ガスフィルタ23に到達することを防止することができる。
まとめると、原子炉格納容器1から、ベント配管13、フィルタ容器16(湿式の放射性物質除去装置)及び出口配管20が順に接続されている。フィルタ容器16は、出口配管20における戻り配管24の接続部の上流側に配置されている。
原子炉格納容器1からベント配管13を介してフィルタ容器16に送られる気体には、エアロゾル状の放射性物質が含まれる。エアロゾル状の放射性物質は、気体がフィルタ容器16を通過する際に大部分が除去される。フィルタ容器16を通過した気体は、出口配管20を通り、希ガスフィルタ23に達する。希ガスフィルタ23は、水素及び水蒸気を透過するため、水素及び水蒸気は、排気塔22から放出される。一方、放射性希ガス及び窒素その他の気体は、希ガスフィルタ23を透過しないため、遮断され、戻り配管24を介して原子炉格納容器1に還流する。
また、万が一ポンプ25が作動しない場合、希ガスフィルタ23の透過流量が低下し、原子炉格納容器1の減圧が不十分になる可能性がある。そのため、希ガスフィルタ23の直上流部から希ガスフィルタ23をバイパスし、希ガスフィルタ23の下流部に接続するバイパス管27を設置する。さらに、そのバイパス管27のライン上に、ある一定以上の圧力を超えると仕切り板が破れることで弁が開くラプチャディスク28を設置することで、万が一ポンプ25が作動せず、原子炉格納容器1の圧力が上昇した場合、このラプチャディスク28が開くことで原子炉格納容器1を減圧できる構造とする。なお、このラプチャディスク28は、爆破弁やその他のバルブでも構わない。また、希ガスフィルタ23自体がある一定圧力以上で破れる構造とすることで、この機能を代替しても構わない。
言い換えると、これらは、所定の圧力以上になった場合に、希ガスフィルタ23自体の破壊、又はバイパス管27に設けたラプチャディスク28(破裂弁)の破壊により、希ガスフィルタ23の上流側の圧力を下げることができる構成である。
図2は、本実施例の原子炉格納容器及びそのベントシステムの概略構成を示す縦断面図である。
実施例2においては、フィルタベント装置15や希ガスフィルタ23の基本的な配置や構成は、実施例1と同様である。このため、ここでは実施例1との違いのみを説明する。
実施例2において実施例1と異なる点は、図2に示すように、フィルタベント装置15に水素再結合器29及びタービン30を設けたことである。
原子炉格納容器1の内部の気体は、窒素置換されており、酸素はほぼ存在しない。希ガスフィルタ23より後流部は、排気塔22を通じて外部に繋がっているため、酸素が存在する。そこで、希ガスフィルタ23の下流側に水素再結合器29を設置し、排出された水素と酸素とを反応させて水にすることにより、水素を処理する。水素再結合器29内には、水素再結合触媒が内蔵されている。この触媒の作用により、電源等を用いないで受動的に水素を処理することができる。
なお、水素再結合触媒には、酸化セリウムおよび酸化ジルコニウムなどの混合酸化物で構成された担体にパラジウムや白金を添着している触媒、またはリチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、ニッケル、銅、ストロンチウム、銀、セリウムなどの金属を含む金属酸化物触媒がある。この再結合の反応は発熱反応であり、水素再結合器29を通過することで排出ガスの温度が上昇する。このエネルギーをタービン30で回収し、動力伝達機構31を通してポンプ25を駆動する。この機構により、ポンプ25を駆動する電源等が不要になる。
図3は、本実施例の原子炉格納容器及びそのベントシステムの概略構成を示す縦断面図である。
実施例3においては、フィルタベント装置15の構成のみを実施例1から変更している。このため、ここではその違いのみを説明する。
フィルタベント装置15としては、一般に、湿式及び乾式のものがある。実施例1のように、容器内のスクラビング用プール水18でエアロゾルを除去するものが湿式のベント装置である。
これに対して、実施例3のフィルタベント装置15は、図3に示すように、フィルタ容器16の中に放射性物質除去用の砂フィルタ32を敷き詰め、その砂フィルタ32により放射性物質を除去するフィルタベント装置である。これは、乾式のベント装置であり、湿式と比較してスクラビング用プール水18の水質の管理などは必要ないが、事故時にこの装置を加熱する必要がある。
ベント配管13は、フィルタ容器16の上部に接続されている。そして、ベント配管13からのガスが砂フィルタ32の上面に万遍なく供給されるように、ベント配管13と砂フィルタ32の上面との間には、邪魔板33が設けられている。出口配管20は、フィルタ容器16の下部に接続されている。
このフィルタベント装置15でも放射性希ガスは除去できないため、希ガスフィルタ23が必要であり、それらの構成は、実施例1と同様である。また、実施例2のように水素再結合器と組み合わせてもよい。
図4は、本実施例の原子炉格納容器及びそのベントシステムの概略構成を示す縦断面図である。
実施例4においては、フィルタベント装置15の構成のみを実施例3から変更している。このため、ここではその違いのみを説明する。
実施例4においては、実施例3の砂フィルタ32の代わりに、金属フィルタ19と、よう素除去用のゼオライトフィルタ34と、を用いている。実施例4も、乾式のフィルタベント装置である。
本実施例においては、図4に示すように、金属フィルタ19をベント配管13の上流側端部(ドライウェル5及びウェットウェル7の内部)に設けるとともに、ゼオライトフィルタ34をベント配管13の途中に設けている。
金属フィルタ19及びゼオライトフィルタ34を用いても放射性希ガスは除去できないため、実施例1と同様に、希ガスフィルタ23を設けている。なお、実施例2のように、水素再結合器と組み合わせてもよい。
図5は、本実施例の原子炉格納容器及びそのベントシステムの概略構成を示す縦断面図である。
本実施例は、実施例1の原子炉格納容器ベントシステムを加圧水型原子炉に適用した例である。
本図に示すように、加圧水型原子炉の場合、原子炉格納容器1の内部には、炉心2を内包する原子炉圧力容器3、加圧器35、蒸気発生器36及び再循環ポンプ37が設置されている。蒸気発生器36には、発生した蒸気をタービン(図示せず)に送る主蒸気管4が接続されている。
また、ベント配管13及び戻り配管24は、仕切られていない原子炉格納容器1に接続されている。すなわち、加圧水型原子炉は、原子炉格納容器1の圧力上昇を抑えるためのウェットウェル7及びサプレッションプール8を有していない。このため、サプレッションプール8によるスクラビングによる放射性物質の除去は期待できない。
そこで、本実施例においては、実施例1と同様にフィルタ容器16を設けることにより、スクラビングの機能を付与している。
なお、実施例2のように、水素再結合器29を用いても構わない。また、実施例4又は5のように、乾式のフィルタベント装置15を用いても構わない。
実施例1〜5は、本発明の原子炉格納容器ベントシステムを軽水炉(沸騰水型原子炉又は加圧水型原子炉)に適用した例であるが、重水炉、黒鉛炉、ガス炉等に適用してもよい。また、いわゆる第4世代原子炉と呼ばれる高温ガス炉、超臨界圧軽水冷却炉、溶融塩炉、ガス冷却高速炉、ナトリウム冷却高速炉、鉛冷却高速炉など、他の方式を用いる炉に適用してもよい。
1:原子炉格納容器、2:炉心、3:原子炉圧力容器、4:主蒸気管、5:ドライウェル、6:蒸気逃し安全弁、7:ウェットウェル、8:サプレッションプール、9:蒸気逃し安全弁排気管、10:クエンチャ、11:ベント管、11a:ベント管排気部、12:ダイヤフラムフロア、13:ベント配管、14、14a、14b:隔離弁、15:フィルタベント装置、16:フィルタ容器、17:入口配管、18:スクラビング用プール水、19:金属フィルタ、20:出口配管、21:遮蔽壁、22:排気塔、23:希ガスフィルタ、24:戻り配管、25:ポンプ、26:逆止弁、27:バイパス管、28:ラプチャディスク、29:水素再結合器、30:タービン、31:動力伝達機構、32:砂フィルタ、33:邪魔板、34:ゼオライトフィルタ、35:加圧器、36:蒸気発生器、37:再循環ポンプ、38:よう素フィルタ。

Claims (13)

  1. 原子炉格納容器の内部の気体を前記原子炉格納容器の外部に排出するベントラインと、
    前記ベントラインに設けられた希ガスフィルタと、
    前記ベントラインにおける前記希ガスフィルタの上流側と前記原子炉格納容器とを接続する戻り配管と、
    前記戻り配管に設けられたポンプと、を備え、
    前記希ガスフィルタは、放射性希ガスを遮断し、かつ、水蒸気を透過する膜フィルタであ
    所定の圧力以上になった場合には、前記希ガスフィルタ自体の破壊又は前記ベントラインにおける前記希ガスフィルタの上流側から前記希ガスフィルタの下流側を接続するバイパス管に設けた破裂弁の破壊により、前記ベントラインにおける前記希ガスフィルタの上流側の圧力を下げることができる構成を有する、原子炉格納容器ベントシステム。
  2. 前記ベントラインにおける前記戻り配管の接続部の上流側には、湿式の放射性物質除去装置が設置されている、請求項1記載の原子炉格納容器ベントシステム。
  3. 前記ベントラインにおける前記戻り配管の接続部の上流側には、乾式の放射性物質除去装置が設置されている、請求項1記載の原子炉格納容器ベントシステム。
  4. 前記ベントラインにおける前記希ガスフィルタの下流側には、水素再結合器が設置されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の原子炉格納容器ベントシステム。
  5. 前記ベントラインにおける前記水素再結合器の下流側には、タービンが設置され、
    前記ポンプは、前記タービンにより駆動する、請求項記載の原子炉格納容器ベントシステム。
  6. 前記希ガスフィルタは、放射性希ガス及び窒素を遮断し、水素及び水蒸気を透過する膜フィルタである、請求項1〜のいずれか一項に記載の原子炉格納容器ベントシステム。
  7. 前記膜フィルタは、高分子膜、セラミック膜又は酸化グラフェン膜で形成されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の原子炉格納容器ベントシステム。
  8. 前記膜フィルタは、ポリイミドを主成分とする高分子膜で形成されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の原子炉格納容器ベントシステム。
  9. 前記膜フィルタは、窒化ケイ素を主成分とするセラミック膜で形成されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の原子炉格納容器ベントシステム。
  10. 前記膜フィルタは、炭素を主成分とする酸化グラフェン膜で形成されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の原子炉格納容器ベントシステム。
  11. 沸騰水型原子炉に付設されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の原子炉格納容器ベントシステム。
  12. 加圧水型原子炉に付設されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の原子炉格納容器ベントシステム。
  13. 重水炉、黒鉛炉、ガス炉、高温ガス炉、超臨界圧軽水冷却炉、溶融塩炉、ガス冷却高速炉、ナトリウム冷却高速炉又は鉛冷却高速炉に付設されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の原子炉格納容器ベントシステム。
JP2017049647A 2017-03-15 2017-03-15 原子炉格納容器ベントシステム Active JP6798912B2 (ja)

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