JP7457617B2 - 原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラント - Google Patents

原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラント Download PDF

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Description

本発明は、原子力発電プラントに用いられる原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントに関する。
封入容器や電源を使用せずとも格納容器外部に放射性希ガスを放出することなく、継続的に原子炉格納容器内の水蒸気を系外に放出し、原子炉格納容器の圧力を継続的に減圧できる構造を持つ原子炉格納容器ベントシステムの一例として、特許文献1には、原子炉圧力容器を内包する原子炉格納容器と、原子炉格納容器の内部に配置された、放射性希ガスを透過せず、水蒸気を透過する放射性物質分離装置と、放射性物質分離装置に接続されたベント配管と、ベント配管に接続され、放射性物質が除去されたガスを外部に放出する排気塔を備える、ことが記載されている。
特開2018-119821号公報
原子力発電プラントに備えられた原子炉格納容器の機能の一つに、原子炉圧力容器内に配置された炉心が万が一溶融するような事態(以下、過酷事故)が発生して放射性物質が原子炉圧力容器外に放出されたとしても、その放射性物質を原子炉格納容器内に閉じ込めて外部への漏出を防ぐことがある。
過酷事故が発生した場合においても、その後に十分な注水が行われ、かつ原子炉格納容器が冷却されれば、事故は収束する。
しかし、更に低確率で蒸気の生成が継続し、原子炉格納容器の冷却が不十分な場合は、原子炉格納容器の内部が加圧される。原子炉格納容器が加圧された場合に、原子炉格納容器内の気体を大気中に放出することで減圧する場合がある。この操作をベント操作と呼ぶ。
沸騰水型原子炉では、ベント操作を行った場合でも公衆の被ばくが最小限となるように原子炉格納容器ベントシステムを備えている。
沸騰水型原子炉では、まず原子炉格納容器内のサプレッションプールのプール水によるスクラビングで大部分の放射性物質を除去する。次に、原子炉格納容器内の気体(以下、ベントガス)を原子炉格納容器外に設けたタンク内の薬液中に放出してスクラビングすることで粒子状放射性物質や無機ヨウ素、セシウムを除去する。その後、スクラビングで除去しきれなかった粒子状放射性物質を金属フィルタで除去する。最後にヨウ素フィルタで化学反応および吸着によって、有機ヨウ素などのガス状放射性物質を除去し、ベントガスを大気中に放出する。
上述した特許文献1に記載の原子炉格納容器ベントシステムでは、さらに水蒸気を透過して、希ガスを透過しない膜フィルタを用いることで、上記の原子炉格納容器ベントシステムでは除去しきれない放射性希ガスを除去している。
ここで、膜フィルタによる放射性希ガスの除去までを目的とした原子炉格納容器ベントシステムでは、特許文献1のようにベントガスが通過する流路上に水蒸気、水素を透過し希ガスを透過しない膜フィルタを設置することで放射性希ガスを除去している。
このような膜フィルタへの透過ガスの供給と膜フィルタによる継続的な透過による外部への水蒸気放出は、事故時の動作を考えると動力源無しで行うことが望ましい。
そこで特許文献1では、原子炉格納容器内のベントガスが透過するラインの入り口部に膜フィルタを設置している。そして、入り口部に設置された膜フィルタには原子炉格納容器内の水蒸気、水素、窒素、微量の放射性希ガスを含むベントガスである混合ガスが供給され、膜フィルタによって選択的に水蒸気と水素のみが外部に放出される。水蒸気が取り除かれたガスは、主な成分が窒素となり、周辺の混合ガスよりも比重が重いため下方へと流れ、また新たな水蒸気、水素を含む混合ガスが供給される。
このように特許文献1では自然循環力によって膜フィルタに継続的にベントガスを供給している。しかしながら、自然循環力によるガス供給量で原子炉格納容器を十分に減圧するためには膜フィルタの面積を大きくする必要があり、膜フィルタのコストを減らす余地がある。
そこで本発明は、上記の課題を考慮し、動力源無しで膜フィルタへのベントガスの供給と継続的な透過による外部への水蒸気放出が継続でき、かつ膜フィルタの面積を減らすことができる構造を持つ原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、原子炉格納容器内の気体を外部に排出し、原子炉格納容器を減圧する原子炉格納容器ベントシステムであって、前記原子炉格納容器は、複数の気密区画に分割されており、分割した前記気密区画のうち、圧力の異なる少なくとも2つの気密区画を連通する連通配管と、前記連通配管上に配置されており、放射性希ガスを含む気体状放射性物質を透過せず、水蒸気を透過する膜ユニットと、前記膜ユニットを透過した前記水蒸気を前記外部に排気する排出ラインと、前記連通配管の高圧側の出口と前記膜ユニットとの間に設けられた、少なくとも一つ以上の弁と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、動力源無しで膜フィルタへのベントガスの供給と継続的な透過による外部への水蒸気放出が継続でき、かつ膜フィルタの面積を減らすことができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1に係る原子炉格納容器ベントシステムの構成図。 実施例1に係る原子炉格納容器ベントシステムの膜ユニットの構成を示す図。 実施例1に係る原子炉格納容器ベントシステムのフィルタを示す図。 本発明の実施例2に係る原子炉格納容器ベントシステムの構成図。 本発明の実施例3に係る原子炉格納容器ベントシステムの構成図。 本発明の実施例4に係る原子炉格納容器ベントシステムの構成図。 本発明の実施例5に係る原子炉格納容器ベントシステムの構成図。 本発明の実施例6に係る原子炉格納容器ベントシステムの構成図。
以下に本発明の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントの実施例を、図面を用いて説明する。なお、本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一、または類似の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
<実施例1>
上述の目的を達成するために好適な実施例の一つである本発明の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントの実施例1について図1乃至図3を用いて説明する。図1は本実施例1に係る原子炉格納容器ベントシステムとそれを備えた原子力発電プラントの概略構成を示す図である。図2は膜ユニットの構成を示す図、図3はフィルタを示す図である。
本実施例1の原子炉格納容器ベントシステムは、改良型の沸騰水型原子炉(ABWR:Advanced Boiling Water Reactor)を備えた原子力発電プラント150内の原子炉圧力容器3が破損するなどの過酷事故時において、原子炉格納容器1内の気体を外部に排出することで圧力を減圧する際に放射性物質を極力除去するものである。
なお、本発明の原子炉格納容器ベントシステムは古いタイプの沸騰水型原子炉や、後述する実施例6のような加圧水型原子炉、高速炉など第四世代の原子炉にも適用できる。
まず、全体のシステムとして、水蒸気を適切に排出して原子炉格納容器を減圧しながら放射性希ガスを除去するための構成とその方法について説明する。
図1に示す原子炉格納容器1内には、炉心2を内包する原子炉圧力容器3が設置されている。原子炉圧力容器3には、原子炉圧力容器3内で発生した水蒸気をタービン(図示の都合上省略)に送る主蒸気管4が接続されている。
原子炉格納容器1の最も大きな役割は、事故時にも放射性物質をその内部に閉じ込めて外部への流出を防止することであり、その内部は鉄筋コンクリート製のダイヤフラムフロア12によってドライウェル5とウェットウェル7との二つの気密空間に区画されている。
ウェットウェル7は、内部にプール水を貯めている領域のことを言う。このウェットウェル7内のプールのことをサプレッションプール8と呼ぶ。
ドライウェル5とウェットウェル7とは、ベント管11によって相互に連通されており、ウェットウェル7側の開口部であるベント管排気部11a,11b,11cは、ウェットウェル7内のサプレッションプール8のプール水面下に開口している。
万が一、配管類の一部が損傷し、原子炉格納容器1内に水蒸気が放出される配管破断事故(一般的にLOCA:Loss-of-coolant Accidentの名称で知られ、配管が通るドライウェル5で発生する)が発生した場合、ドライウェル5の圧力が破断口から流出する水蒸気により上昇する。
その際、ドライウェル5内に放出された水蒸気は、ドライウェル5とウェットウェル7との圧力差によりベント管11を通ってウェットウェル7内のサプレッションプール8のプール水中に導かれる。このプール水で水蒸気を凝縮することで原子炉格納容器1内の圧力上昇を抑制する。
この際に水蒸気内に放射性物質が含まれていた場合、プール水のスクラビング効果により大半の放射性物質が除去される。
同様に原子炉圧力容器3や主蒸気管4の圧力が高くなった場合も、水蒸気をサプレッションプール8に放出することで原子炉圧力容器3や主蒸気管4の圧力を下げる。
またそれと共に、放出した水蒸気をサプレッションプール8で凝縮することで原子炉格納容器1の圧力上昇を緩和する。そのための装置として、ABWRでは、原子炉格納容器1内のドライウェル5の領域に蒸気逃し安全弁6が設置されている。
蒸気逃し安全弁6を通して放出された水蒸気は、蒸気逃し安全弁排気管9を通って、最終的にクエンチャ10からサプレッションプール8内に放出され、プール水により凝縮される。水蒸気をサプレッションプール8で凝縮して液体の水にすることで水蒸気の体積が大幅に減少し、原子炉格納容器1の圧力上昇を抑制することができる。
並行して、原子炉圧力容器3内に非常用炉心冷却装置(図示省略)で注水することで炉心2を冷却し、事故を収束させる。
しかし、非常に低い確率ではあるがこの非常用炉心冷却装置による注水に失敗し、さらにその他の代替の注水手段による注水も失敗した場合、炉心2が溶融する。このような溶融した炉心の冷却に失敗した場合は、最終的に原子炉圧力容器3が損傷する可能性がある。
上述の配管の破断事故以外でも炉心2が溶融する可能性はあるが、どのような場合でも事故が進展した場合に対処に失敗した場合は、最終的に原子炉圧力容器3が損傷する。原子炉圧力容器3が損傷した場合、ドライウェル5の圧力はウェットウェル7の圧力よりも常に高くなる。
原子炉圧力容器3が損傷した場合、溶融した炉心はドライウェル5の一部である下部ドライウェル5bに落下して床面上に拡がる。床面に拡がった溶融炉心は外部から冷却水を注水して冷却に成功し、原子炉格納容器1の圧力上昇が収まれば事故は収束する。
床面上の溶融炉心を冷却することで生じる水蒸気もドライウェル5側で発生するため、配管破断事故と同様にベント管11を通ってウェットウェル7内のサプレッションプール8のプール水中に導かれる。
このように、サプレッションプール8のプール水で水蒸気を凝縮することで原子炉格納容器1内の圧力上昇を抑制するが、このプール水を残留熱除去系(図示省略)で冷却することで、原子炉格納容器1の温度上昇と圧力上昇を防止し、事故を収束させることができる。
しかし非常に低い可能性ではあるが、残留熱除去系が機能を喪失した場合、サプレッションプール8のプール水の温度が上昇する。プール水の温度が上昇するに伴い、原子炉格納容器1内の水蒸気の分圧はプール水の温度の飽和蒸気圧まで上昇するため、原子炉格納容器1の圧力が上昇する。
このような圧力上昇が起きた場合、原子炉格納容器1内に冷却水をスプレイすることで圧力上昇を抑えることができる。またこのスプレイは外部から消防ポンプなどを接続して作動させることも可能である。しかし、さらに非常に低い可能性ではあるが、このスプレイも作動しない場合、原子炉格納容器1の圧力は上昇する。
このような原子炉格納容器1の圧力上昇が起きた場合、原子炉格納容器1内の気体を外部に放出することで原子炉格納容器1の圧力上昇を抑えることができる。この操作のことをベント操作と呼ぶ。
このベント操作をする上で、外部放出する原子炉格納容器1内の気体から更に放射性物質を取り除く装置として、原子炉格納容器ベントシステムがある。次にこのベント操作で用いる本実施例の原子炉格納容器ベントシステムとその動作について説明する。
本実施例の原子炉格納容器ベントシステムは、連通配管15、金属メッシュ98、ドライウェル側隔離弁14a、ウェットウェル側隔離弁14b、膜ユニット34、排気塔42への配管31、サイホンブレーカ100、クエンチャ99で構成される。
連通配管15は、ドライウェル5とウェットウェル7を連通するラインである。この連通配管15上に、金属メッシュ98、ドライウェル側隔離弁14a、膜ユニット34、ウェットウェル側隔離弁14b、サイホンブレーカ100、クエンチャ99が設けられる。
ドライウェル側隔離弁14aは連通配管15上で膜ユニット34とドライウェル5の間に設けられており、ウェットウェル側隔離弁14bは連通配管15上で膜ユニット34とウェットウェル7の間に設けられている。これらドライウェル側隔離弁14aとウェットウェル側隔離弁14bは、通常運転時は閉止されていて、原子炉格納容器1のベント操作が必要となった際に初めて開放する。
金属メッシュ98は、連通配管15のドライウェル5側の端部に設けられている。
ドライウェル側隔離弁14aとウェットウェル側隔離弁14bの両隔離弁が解放されると、ドライウェル5側の圧力がウェットウェル7の圧力より高いため、ドライウェル5側の気体(主に事故時は、図1中、(2)の放射性希ガスを含む気体状放射性物質、(3)の水蒸気、(4)の水素、(5)の窒素、その他気体)と図1中、(1)のエアロゾル状放射性物質が連通配管15に流入し、連通配管15に流入した気体が膜ユニット34に供給される。
そこで、金属メッシュ98では、図1中、(2)の放射性希ガスを含む気体状放射性物質や(3)の水蒸気、(4)の水素、(5)の窒素、その他気体を透過させ、(1)のエアロゾル状放射性物質を除去する。
金属メッシュ98のメッシュサイズや材質については特に限定されず、(1)のエアロゾル状放射性物質を除去し、(2)の放射性希ガスを含む気体状放射性物質や(3)の水蒸気、(4)の水素、(5)の窒素、その他気体を透過させる仕様であればよい。
この金属メッシュ98が連通配管15の最上流部に設けられている理由は、(1)のエアロゾル状放射性物質等が膜ユニット34にダイレクトに流入するのを避けるためであり、これにより膜ユニット34の性能を高い状態で保つことができる。
なお、後述の膜ユニット34がエアロゾルの付着が起きても問題ない場合はこの金属メッシュ98は省略することができる。
膜ユニット34は、(2)の放射性希ガスを含む気体状放射性物質と(5)の窒素、その他気体放射性希ガスを含む気体状の放射性物質を透過せず、(3)の水蒸気と(4)の水素を透過するフィルタで構成されており、原子炉格納容器1の外側に配置されている。
本実施例では、連通配管15上に配置されていることで、ドライウェル5とウェットウェル7との圧力差で膜ユニット34に気体を供給することができる。このため、自然循環力を利用した場合と比較して膜ユニット34に供給する気体の流量を増加させることができる。そのため、膜ユニット34に必要な膜面積、すなわち膜ユニット34の容量を減らすことができ、膜ユニット34にかかわるコストを低減することができる。
ここで、図2および図3を用いて膜ユニット34の構成について説明する。
膜ユニット34は、図2に示すように、円筒状の外套34aの上流側および下流側がシール部34bにより封止されている中空糸膜34c(フィルタ)が周方向に複数配置される構造となっている。
中空糸膜34cは、図3に示すように円筒状の形状をしており、水蒸気を透過する必要があるのに対し、放射性希ガスは透過させたくない、との特性が望まれるものとなっている。
中空糸膜34cを構成する材料として以下がある。
中空糸膜34cは、その特性上、水蒸気を透過させる必要がある。そして放射性希ガスを含む気体状の放射性物質は透過させない、との特性を有する必要がある。
ここで、透過させるべき水蒸気は極性が大きく、透過させたくない放射性物質で、特に反応性に乏しく化学的な除去手段が無い希ガスは単原子分子のため極性が無い。また、高分子系の膜は極性が大きい分子ほど透過量が大きくなる特性がある。
そこで、高分子系の膜を中空糸膜34cの材料として用いることで、水蒸気を放出しつつ放射性希ガスを含む気体上の放射性物質を閉じ込めることができる。このような高分子系の膜として例えばポリイミド膜やポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトンなどがある。
なお、水素は密度が小さいことからこのような膜は透過しやすいため、水蒸気と共に透過する。一方窒素は極性が無いため、中空糸膜34cを透過しない。
また、透過するべき水蒸気は分子径が0.3nm以下と小さく、透過させない放射性希ガス(主にクリプトンやキセノン)やそのほかのヨウ素などの気体状放射性物質はそれよりもかなり大きい。そこで分子径が小さい水蒸気を選択的に透過するには分子ふるいで分離できる膜を利用することが考えられる。
このような用途に最適なフィルタ材として、シリカや窒化ケイ素を主成分としたセラミック膜、炭素を主成分とした酸化グラフェン膜、ゼオライト膜等の分子ふるいにより分離が可能な膜を用いることができる。この場合も水蒸気と同程度に分子径が小さい水素は透過し、クリプトンよりも分子径の大きい窒素は透過しない。
配管31は、膜ユニット34を透過した(3)の水蒸気と(4)の水素を外部に排気するラインであり、一端が膜ユニット34に、もう一端が排気塔42に接続されている。
この排気塔42への配管31の途中には、図1に示すように、ヨウ素やセシウムを除去するフィルタードベント装置を備えることができる。
配管31は、途中で、湿式のフィルタードベント装置を構成するフィルタベント容器43が接続されており、その先端側がフィルタベント容器43内に開口している。
フィルタベント容器43内の下部側には、スクラビング用のプール水44が貯留されている。フィルタベント容器43の上部側にはよう素フィルタ45が設置されている。このよう素フィルタ45には、フィルタベント容器43の出口となる配管31の一端が接続されている。
配管31の他端は遮蔽壁41を貫通して遮蔽壁41外に導出されている。そして最終的に配管31を通り排気塔42から外部に気体を排出するように設けられている。
連通配管15のウェットウェル7側の出口は、このサプレッションプール8のプール水の水面下に開口している。またこの出口側には、ベント管11の低圧側の複数のベント管排気部11a,11b,11cのうち最も鉛直方向上部のベント管排気部11aよりも鉛直方向上方側の位置にクエンチャ99が設けられている。
膜ユニット34を透過しない(5)の窒素等や(2)の気体状放射性物質はそのまま連通配管15を通してサプレッションプール8のプール水中に排出される。これにより、放射性物質を原子炉格納容器1内に留めることができる。
更に、連通配管15のうち、水面下に開口している端部側には、出口から水を吸い上げることを防ぐサイホンブレーカ100が設けられている。
次に、本実施例の効果について説明する。
上述した本発明の実施例1の原子炉格納容器1内の気体を外部に排出し、原子炉格納容器1を減圧する原子炉格納容器ベントシステムは、原子炉格納容器1は、複数の気密区画に分割されており、分割した気密区画のうち、圧力の異なる少なくとも2つの気密区画を連通する連通配管15と、連通配管15上に配置されており、放射性希ガスを含む気体状放射性物質を透過せず、水蒸気を透過する膜ユニット34と、膜ユニット34を透過した水蒸気を外部に排気する配管31と、を備える。
本発明によれば、原子炉圧力容器3から原子炉格納容器1内に放射性物質を含む気体が流出し、原子炉格納容器1の内部が加圧される事態が万一発生した場合においても、受動的に原子炉格納容器1の水蒸気を外部に放出することでき、原子炉格納容器1の加圧を防止することができる。これと共に、自然循環力を利用した場合よりも膜ユニット34の膜面積を削減することができ、従来に比べてコスト低減を図ることもできる。
また、膜ユニット34が原子炉格納容器1の外側に配置されているため、膜ユニット34のメンテナンス性を向上させることができる。
更に、連通配管15の高圧側の出口と膜ユニット34との間に、ドライウェル側隔離弁14a更に備えること、そして通常運転時は閉止されていて、原子炉格納容器1のベントが必要となった場合に開くことにより、配管破断事故発生直後に原子炉格納容器ベントシステムが利用されて不要な格納容器ベントが行われることを防ぐことができる。これにより、膜ユニット34が必要以上に消耗することを避け、余分な劣化が生じることを避けることができる。
また、気密区画のうち低圧側の気密区画のウェットウェル7には水が蓄えられており、連通配管15のうち低圧側の出口が水の水面下に開口していることにより、万が一ベント操作前にドライウェル側隔離弁14aとウェットウェル側隔離弁14bが開いた場合においても、原子炉格納容器1の圧力抑制機能を喪失することを防ぐことができる。
更に、外部への水蒸気放出に成功し、原子炉格納容器1の圧力が低下してきた場合、クエンチャ99からサプレッションプール8のプール水を吸い上げる可能性があり、膜ユニット34が水没して外部への水蒸気放出機能が低下する可能性があるが、連通配管15のうち、水面下に開口している端部側に出口から水を吸い上げることを防ぐサイホンブレーカ100が設けられていることで、サプレッションプール8のプール水を吸い上げることを防止することができ、膜ユニット34の性能低下を防ぐことができる。
また、連通配管15とは別に低圧側の気密区画と高圧側の気密区画とを接続するベント管11を更に備え、連通配管15のうち、水面下に開口している側の出口がベント管11の低圧側の複数のベント管排気部11a,11b,11cのうち最も鉛直方向上部のベント管排気部11aよりも鉛直方向上方側に配置されていることにより、ベント操作時にもベント管11を気体が通過し、膜ユニット34に気体が供給されない、といった事態が生じることを確実に避けることができる。
更に、連通配管15のうち、水面下に開口している側の出口にクエンチャ99が設けられていることで、放出気体内に水蒸気が残っていた場合も圧力変動などを抑えてスムーズに排出することができる。
また、連通配管15のうち、高圧側の出口に粒子状放射性物質を除去する金属メッシュ98が設けられていることにより、膜ユニット34にエアロゾルが供給されることを抑制し、膜ユニット34の機能を高い状態で保つことができる。
更に、配管31上に、少なくともヨウ素、セシウムを除去するフィルタードベント装置を更に備えることで、微量の気体状放射性物質が膜ユニット34を万が一透過した場合でも、それらに含まれるヨウ素やセシウムを除去できるため、外部に放出される放射性物質の量をより低減することができる。
<実施例2>
本発明の実施例2の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントについて図4を用いて説明する。図4は本発明の実施例2に係るフィルタユニットの構成図である。
本実施例2では、原子力発電プラント150Aのうち、連通配管15Aや膜ユニット34の配置位置が異なり、また外部放出管隔離弁16を備える点が実施例1と異なり、他の構成は実施例1と同様である。ここでは実施例1との違いのみを説明する。以下の実施例でも基本的に同様である。
実施例2では、図4示すように、連通配管15Aと膜ユニット34とが原子炉格納容器1内に配置される。
ここで、本実施例では、膜ユニット34がウェットウェル7側に設置されている。これは、事故時に汚れやすいと思われるドライウェル5側ではなくウェットウェル7側に設置することでその性能を高く保つことを目的としている。
また、本実施例では、排気塔への配管31に外部放出管隔離弁16を備えている。これにより、不具合が起きた場合やベント操作が不要になったときに外部放出管隔離弁16を閉止し、外部への気体放出を止めることができる。この外部放出管隔離弁16は省略することができる。
その他の構成・動作は前述した実施例1の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントと略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例2の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントにおいても、前述した実施例1の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントとほぼ同様な効果が得られる。
また、原子炉格納容器1は放射性物質の閉じ込め機能を担っており、できるだけ貫通部は少ないことが望ましい。そこで、連通配管15Aや膜ユニット34が、原子炉格納容器1の内側に配置されていることにより、連通配管15Aが原子炉格納容器1を貫通することを避け、原子炉格納容器1を貫通して外部へと繋がる配管を排気塔42への配管31の一本とすることができ、貫通部を減らすことができる。
なお、本実施例においても、配管31上にフィルタードベント装置を設けることができる。フィルタードベント装置の設置位置は外部放出管隔離弁16の上流側と下流側のいずれでもよい。
<実施例3>
本発明の実施例3の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントについて図5を用いて説明する。図5は本発明の実施例3に係るフィルタユニットの構成図である。
本実施例3の原子力発電プラント150Bでは、サプレッションプール8のプール水の吸い上げ防止機構の構成が実施例1と異なる。
図5に示すように、実施例3では、サイホンブレーカ100の代わりに、膜ユニット34からウェットウェル7への連通配管15B上に逆止弁26が設けられている。この逆止弁26によってウェットウェル7側から膜ユニット34方向へ流体が流れることを防止し、プール水の吸い上げが防止される。
また、逆止弁26が設けられているため、ウェットウェル側隔離弁14bを省略することができる。
その他の構成・動作は前述した実施例1の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントと略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例3の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントにおいても、前述した実施例1の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントとほぼ同様な効果が得られる。
また、連通配管15のうち、水面下に開口している端部側に出口から水を吸い上げることを防ぐ逆止弁26が設けられていることによっても、実施例1におけるサイホンブレーカ100を設ける場合と同様の効果が得られる。
なお、実施例1のようにフィルタードベント装置を排気塔42への配管31上に設けることができる。また、実施例2のように膜ユニット34と連通配管15を原子炉格納容器1内に配置することができる。
<実施例4>
本発明の実施例4の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントについて図6を用いて説明する。図6は本発明の実施例4に係るフィルタユニットの構成図である。
本実施例4の原子力発電プラント150Cでは、膜ユニット34からウェットウェル7側の連通配管15Cの形状が実施例1と異なる。
図6に示すように、実施例4では、連通配管15のウェットウェル7側の開口部をウェットウェル気相部7aとする。開口部をウェットウェル気相部7aとすることで、実施例1等のようなクエンチャ99や水の吸い上げ防止機構(実施例1,2でのサイホンブレーカ100、実施例3での逆止弁26)が不要となり、装置構成を実施例1等に比べて単純にすることができる。
また、本実施例では、ベント操作が必要となるまでドライウェル側隔離弁14aとウェットウェル側隔離弁14bを閉じておくことで、配管破断事故発生直後に原子炉格納容器ベントシステムが利用されることを防止し、不要な格納容器ベントが行われることを防止する。ドライウェル側隔離弁14aとウェットウェル側隔離弁14bが閉じられていることで、原子炉格納容器1の圧力抑制機能を喪失することはない。ベント操作が必要となった場合、ドライウェル側隔離弁14aとウェットウェル側隔離弁14bを開放する。
その他の構成・動作は前述した実施例1の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントと略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例4の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントにおいても、前述した実施例1の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントとほぼ同様な効果が得られる。
なお、実施例1のようにフィルタードベント装置を排気塔42への配管31上に設けることができる。また、実施例2のように膜ユニット34と連通配管15を原子炉格納容器1内に配置することができる。
<実施例5>
本発明の実施例5の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントについて図7を用いて説明する。図7は本発明の実施例5に係るフィルタユニットの構成図である。
本実施例5の原子力発電プラント150Dは、原子炉格納容器の構造が実施例1等と異なっている。
図7に示すように、本実施例の原子力発電プラント150Dは、原子炉格納容器1の外側に、更なる安全性向上のために原子炉格納容器1を内包する形で二重原子炉格納容器17が配置されている。
二重原子炉格納容器17は気密空間となっており、事故時は原子炉格納容器の一部として振る舞い、内部に放射性物質を閉じ込める機能を設ける。
また、本実施例では、連通配管15Dは、ドライウェル5と二重原子炉格納容器17内部の空間(アウターウェル18)とを連通するとともに、そのライン上に膜ユニット34が配置される。連通配管15Dのうち、膜ユニット34よりドライウェル5側にドライウェル側隔離弁14aが設けられている。
また、連通配管15Dが膜ユニット34とドライウェル5との間で分岐しており、その分岐先がウェットウェル7と連通している。連通配管15Dのうち、膜ユニット34よりウェットウェル7側にウェットウェル側隔離弁14bが設けられている。
本実施例では、膜ユニット34が原子炉格納容器1の外側、かつ二重原子炉格納容器17の内側に配置されている。
事故時はアウターウェル18と比較するとドライウェル5とウェットウェル7の圧力が高くなる。ベント操作時にドライウェル側隔離弁14aもしくはウェットウェル側隔離弁14bを開くと、原子炉格納容器1内部の気体が膜ユニット34に供給され、膜ユニット34を透過しない(2)の放射性希ガスを含む気体状放射性物質や(5)の窒素やその他の気体はアウターウェル18に放出され、放射性物質は二重原子炉格納容器17内部に維持される。(3)の水蒸気と(4)の水素は外部に放出することで原子炉格納容器1を減圧することができる。
その他の構成・動作は前述した実施例1の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントと略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例5の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントにおいても、前述した実施例1の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントとほぼ同様な効果が得られる。
なお、本実施例ではドライウェル5とウェットウェル7の両方から気体を排出できる構造としたが、どちらか片方からのみとすることができる。
また、アウターウェル18内に水を保有し、連通配管15Dのアウターウェル18側の出口をその水面下に開口させることでアウターウェル18の圧力上昇を抑制できる構造とすることができる。その場合、実施例1等のように水の吸い上げ防止機構やクエンチャ99を備えることができる。
更に、実施例1のようにフィルタードベント装置を排気塔42への配管31上に設けることができる。
<実施例6>
本発明の実施例6の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントについて図8を用いて説明する。図8は本発明の実施例6の原子炉格納容器および原子炉格納容器ベントシステムの概略構成を示す図である。
本実施例の原子力発電プラント150Eは加圧水型原子炉を備えている。
図8に示すような加圧水型原子炉を備えている場合、原子炉格納容器1Aの内部には、炉心2Aを内包する原子炉圧力容器3A、加圧器35、蒸気発生器36、および再循環ポンプ37が設置されている。蒸気発生器36には、発生した蒸気をタービン(図示省略)に送る主蒸気管4Aが接続されている。
一般的に、加圧水型原子炉は原子炉格納容器1Aは一つの区画で構成されており、実施例1等のような沸騰水型原子炉とは異なり、原子炉格納容器1A内の圧力上昇を抑えるためのウェットウェル7やサプレッションプール8が設けられていない。
そこで、図8に示すように、原子炉格納容器1A内に格納容器内閉じ込め空間101を設ける。そして原子炉格納容器1Aの格納容器内閉じ込め空間101を除く空間と格納容器内閉じ込め空間101とを連通配管15Eで連通させ、連通配管15E上に膜ユニット34を配置する。
実施例1と同様に、ベント操作が必要となった場合は起動弁102を開き、膜ユニット34に原子炉格納容器1A内の気体を供給する。膜ユニット34を透過しない(2)の放射性希ガスを含む気体状放射性物質や(5)の窒素、その他気体は格納容器内閉じ込め空間101に放出されることで、原子炉格納容器1A内に放射性物質を閉じ込めることができる。
また、格納容器内閉じ込め空間101内に水を保有し、その水面下に放出することで圧力上昇を抑制できる構造とすることができる。その場合、実施例1等のようなクエンチャ99や水の吸い上げ防止機構を備えることができる。
その他の構成・動作は前述した実施例1の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントと略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例6の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントにおいても、前述した実施例1の原子炉格納容器ベントシステムおよび原子力発電プラントとほぼ同様な効果が得られる。
なお、実施例1のように排気塔への配管31上にヨウ素やセシウムを除去できるフィルタードベント装置を備えることができる。また、実施例2のように原子炉格納容器1A内に膜ユニット34を配置することができる。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
例えば、実施例1乃至実施例6では、原子炉格納容器ベント装置を軽水炉(沸騰水型原子炉、加圧水型原子炉)に適用した場合について説明したが、本発明の原子炉格納容器ベント装置は、重水炉や黒鉛炉、ガス炉にも適用することができる。また、いわゆる第4世代原子炉と呼ばれる高温ガス炉、超臨界圧軽水冷却炉、溶融塩炉、ガス冷却高速炉、ナトリウム冷却高速炉、鉛冷却高速炉などの他炉型にも適用することができる。
1,1A…原子炉格納容器
2,2A…炉心
3,3A…原子炉圧力容器
4,4A…主蒸気管
5…ドライウェル(気密区画)
5b…下部ドライウェル
6…蒸気逃し安全弁
7…ウェットウェル(気密区画)
7a…ウェットウェル気相部
8…サプレッションプール
9…蒸気逃し安全弁排気管
10…クエンチャ
11…ベント管
11a,11b,11c…ベント管排気部(開口部)
12…ダイヤフラムフロア
14a…ドライウェル側隔離弁
14b…ウェットウェル側隔離弁
15,15A,15B,15C,15D,15E…連通配管
16…外部放出管隔離弁
17…二重原子炉格納容器(原子炉格納容器)
18…アウターウェル(気密区画)
26…逆止弁(逆止部材)
31…排気筒への配管(排出ライン)
34…膜ユニット
34a…外套
34b…シール部
34c…中空糸膜
35…加圧器
36…蒸気発生器
37…再循環ポンプ
41…遮蔽壁
42…排気塔
43…フィルタベント容器
44…プール水
45…よう素フィルタ
98…金属メッシュ(除去部材)
99…クエンチャ
100…サイホンブレーカ(逆止部材)
101…格納容器内閉じ込め空間
102…起動弁(隔離弁)
150,150A,150B,150C,150D,150E…原子力発電プラント

Claims (12)

  1. 原子炉格納容器内の気体を外部に排出し、原子炉格納容器を減圧する原子炉格納容器ベントシステムであって、
    前記原子炉格納容器は、複数の気密区画に分割されており、
    分割した前記気密区画のうち、圧力の異なる少なくとも2つの気密区画を連通する連通配管と、
    前記連通配管上に配置されており、放射性希ガスを含む気体状放射性物質を透過せず、水蒸気を透過する膜ユニットと、
    前記膜ユニットを透過した前記水蒸気を前記外部に排気する排出ラインと、
    前記連通配管の高圧側の出口と前記膜ユニットとの間に設けられた、少なくとも一つ以上の弁と、を備える
    ことを特徴とする原子炉格納容器ベントシステム。
  2. 請求項1に記載の原子炉格納容器ベントシステムにおいて、
    前記膜ユニットが、前記原子炉格納容器の外側に配置されている
    ことを特徴とする原子炉格納容器ベントシステム。
  3. 請求項1に記載の原子炉格納容器ベントシステムにおいて、
    前記連通配管および膜ユニットが、前記原子炉格納容器の内側に配置されている
    ことを特徴とする原子炉格納容器ベントシステム。
  4. 請求項に記載の原子炉格納容器ベントシステムにおいて、
    前記弁は、通常運転時は閉止されていて、前記原子炉格納容器のベントが必要となった場合に開く
    ことを特徴とする原子炉格納容器ベントシステム。
  5. 請求項1に記載の原子炉格納容器ベントシステムにおいて、
    前記気密区画のうち低圧側の気密区画には水が蓄えられており、
    前記連通配管のうち前記低圧側の出口が前記水の水面下に開口している
    ことを特徴とする原子炉格納容器ベントシステム。
  6. 請求項に記載の原子炉格納容器ベントシステムにおいて、
    前記連通配管のうち、水面下に開口している端部側に前記出口から水を吸い上げることを防ぐ逆止部材が設けられている
    ことを特徴とする原子炉格納容器ベントシステム。
  7. 請求項に記載の原子炉格納容器ベントシステムにおいて、
    前記連通配管とは別に前記低圧側の気密区画と高圧側の気密区画とを接続するベント管を更に備え、
    前記連通配管のうち、水面下に開口している側の前記出口が前記ベント管の前記低圧側の複数の開口部のうち最も鉛直方向上部の開口部よりも鉛直方向上方側に配置されている
    ことを特徴とする原子炉格納容器ベントシステム。
  8. 請求項に記載の原子炉格納容器ベントシステムにおいて、
    前記連通配管のうち、水面下に開口している側の前記出口にクエンチャが設けられている
    ことを特徴とする原子炉格納容器ベントシステム。
  9. 請求項1に記載の原子炉格納容器ベントシステムにおいて、
    前記連通配管のうち、高圧側の出口に粒子状放射性物質を除去する除去部材が設けられている
    ことを特徴とする原子炉格納容器ベントシステム。
  10. 請求項1に記載の原子炉格納容器ベントシステムにおいて、
    前記排出ライン上に、少なくともヨウ素、セシウムを除去するフィルターベント装置を更に備える
    ことを特徴とする原子炉格納容器ベントシステム。
  11. 請求項1に記載の原子炉格納容器ベントシステムを備えたことを特徴とする原子力発電プラント。
  12. 請求項1に記載の原子炉格納容器ベントシステムにおいて、
    前記連通配管の低圧側の出口と前記膜ユニットとの間に、少なくとも一つ以上の弁を更に備える
    ことを特徴とする原子炉格納容器ベントシステム。
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