JP6746525B2 - 格納容器保全設備および格納容器保全方法 - Google Patents

格納容器保全設備および格納容器保全方法 Download PDF

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Description

本発明は、炉心が損傷して原子炉圧力容器から溶融炉心が流出するシビアアクシデント時において格納容器の安全を確保するための格納容器保全設備および格納容器保全方法に関する。
従来、原子力プラントにおけるシビアアクシデントを想定した対策として、例えば、特許文献1では、原子炉圧力容器を格納する原子炉一次格納容器と、原子炉一次格納容器の外部に設置された原子炉二次格納容器と、原子炉二次格納容器内に設置されて原子炉一次格納容器内の事故時に原子炉一次格納容器内から放出される高圧気体を受容して閉じ込めながら拡張し得るエアバッグと、原子炉一次格納容器とエアバッグとを連結する気相ベント管と、を有する格納容器が示されている。この格納容器は、エアバッグの膨張後は、エアバッグ内の高圧気体の圧力と原子炉二次格納容器の雰囲気の圧力が均圧化し、エアバッグ内および原子炉一次格納容器内の高圧気体を静的に閉じ込める。
また、例えば、特許文献2では、原子力設備のベントと、水素および放射性物質封じ込めシステムが示されている。このシステムは、格納容器に故障または事故時に圧力を逃がすためのベント配管が接続され、このベント配管に、ベント流に含まれている水素を酸素により蒸気に転換する触媒式再結合器と、ベント流からエアロゾルを分離するための湿式洗浄機または乾式フィルタと、ベント流に含まれている放射性希ガスを封じ込める複数の吸着塔とを有し、吸着塔の少なくとも1つをベント流から切り離してフラッシング運転して吸着塔に蓄積された放射性希ガスがフラッシング媒体により格納容器にフィードバックされることが示されている。
特許第5238649号公報 特表2016−521843号公報
特許文献1の発明は、事故時に原子炉一次格納容器内から放出される高圧気体をエアバッグにより受容して閉じ込めるとしている。しかし、放射性希ガスをエアバッグに封じ込めても原子炉一次格納容器内は蒸気が発生し続け、該蒸気により圧力が高まるため原子炉一次格納容器の保全を行うことは難しい。しかも、蒸気を含む高圧気体は放射性希ガスと共に原子炉一次格納容器内の空気が含まれるため、原子炉一次格納容器内の蒸気を含む全ての放射性希ガスを封じ込めるためには、原子炉一次格納容器以上の大容量エアバッグおよび原子炉二次格納容器が必要になり大規模な設備となってしまう。さらに、特許文献1の発明は、原子炉二次格納容器が原子炉一次格納容器の外部に設置されているとしているが、実質的には同じ構造物にあるため、事故終息後の廃炉作業において放射性希ガスの減衰を待たなければならず(半減期以上の期間を要し、環境へ放出された放射性希ガスからのガンマ線による線量が十分小さく、管理線量以下にする必要がある)、放射性希ガスが貯留されている原子炉二次格納容器内のエアバックがプラントの解体を阻害する原因になり、廃炉作業を滞らせることになる。
特許文献2の発明は、吸着塔に放射性希ガスを封じ込めるとしているが、フラッシングにより放射性希ガスを格納容器にフィードバックしている。しかし、事故などのあった格納容器の原子炉を廃炉にする場合、格納容器に放射性希ガスが存在するため、廃炉作業を妨げることになる。
本発明は上述した課題を解決するものであり、格納容器内の放射性希ガスを格納容器とは別に封じ込め、かつ格納容器内の圧力を低下させることのできる格納容器保全設備および格納容器保全方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の一態様に係る格納容器保全設備は、炉心を収容する原子炉圧力容器を気密状態で格納する格納容器の内部のガスから放射性よう素や粒子状の放射性物質を除去するフィルタユニットと、前記フィルタユニットに接続されて前記格納容器の外部に引き出されて設けられた排気配管と、前記格納容器の外部で前記排気配管の端部に接続された第一貯留部と、前記第一貯留部と並列して前記格納容器の外部で前記排気配管の端部に接続された第二貯留部と、前記フィルタユニットを通過したガスの送り先を前記第一貯留部または前記第二貯留部に切り換える切換部と、前記第一貯留部に供給されたガス中の蒸気を凝縮させる第一冷却部と、前記第二貯留部に供給されたガス中の蒸気を凝縮させる第二冷却部と、を有する。
この格納容器保全設備によれば、フィルタユニットにより放射性よう素や粒子状の放射性物質が除去されたガスは、格納容器から排気配管を通して外部に送り出され切換部により切り換えられて第一貯留部または第二貯留部に送られる。第一貯留部に先にガスが送られた場合、第一貯留部では、放射性希ガスを含む非凝縮性ガスが貯留されると共に第一冷却部により凝縮性ガスである蒸気が凝縮される。このため、事故により格納容器の内部に発生した放射性希ガスを第一貯留部に封じ込めながら、事故により上昇した格納容器の内部の圧力を低減することができる。その後、第二貯留部に送られるガスは、非凝縮性ガスである空気と凝縮性ガスである蒸気であり、第二貯留部では、非凝縮性ガスが貯留されると共に第二冷却部により蒸気が凝縮される。このため、格納容器の内部の圧力を低減することができる。この結果、格納容器の内部の放射性希ガスを格納容器とは別に封じ込め、かつ格納容器の内部の圧力を低下させることができる。しかも、この格納容器保全設備によれば、第一貯留部が格納容器とは別に設けられていることから、廃炉作業において放射性希ガスが貯留されている第一貯留部が格納容器の解体を阻害する原因にならない。
また、本発明の一態様に係る格納容器保全設備では、前記第一冷却部により凝縮された前記第一貯留部の凝縮水を前記格納容器に送る第一凝縮水送出部と、前記第一貯留部における凝縮水の水位を検出する第一貯留部水位検出部と、前記第二冷却部により凝縮された前記第二貯留部の凝縮水を前記格納容器に送る第二凝縮水送出部と、前記第二貯留部における凝縮水の水位を検出する第二貯留部水位検出部と、を有することが好ましい。
この格納容器保全設備によれば、第一貯留部水位検出部により第一貯留部の凝縮水の水位を管理することができ、第一貯留部において非凝縮性ガスを貯留する容量を確保することができる。また、第一凝縮水送出部により第一貯留部の凝縮水を格納容器の内部の冷却水として供給することができ、格納容器の温度および圧力を低減することができる。第一貯留部に貯留された放射性希ガスは非凝縮性ガスであり、凝縮水には含まれないため、放射性希ガスが格納容器に戻される事態を防ぐことができる。一方、第二貯留部水位検出部により第二貯留部の凝縮水の水位を管理することができ、第二貯留部において非凝縮性ガスを貯留する容量を確保することができる。また、第二凝縮水送出部により第二貯留部の凝縮水を格納容器の内部の冷却水として供給することができ、格納容器の温度および圧力を低減することができる。
また、本発明の一態様に係る格納容器保全設備では、前記第一貯留部に接続された分岐排気配管と、前記分岐排気配管に設けられた分岐排気開閉弁と、前記分岐排気配管に設けられた放射線検出部と、前記分岐排気配管の終端に設けられた排気筒と、を有することが好ましい。
この格納容器保全設備によれば、第一貯留部に貯留された放射性希ガスが長期間の保管により減衰した後は、放射線検出部により放射線量を監視しながら分岐排気開閉弁を開放して分岐排気配管を通じて排気筒から管理放出することができる。
また、本発明の一態様に係る格納容器保全設備では、前記格納容器の内部の事故前の圧力Pと前記格納容器の容量Vと前記格納容器の内部の事故前の温度Tとの関係P・V/T、前記第一貯留部の内部の事故前の圧力Pと前記第一貯留部の容量Vと前記第一貯留部の内部の事故前の温度T1との関係P・V/T、および前記第一貯留部の内部の事故後の想定圧力P’1と前記第一貯留部の容量V’と前記第一貯留部の内部の事故後の想定温度T’1との関係P’1・V’/T’から得られる式(P・V/T)+(P・V/T)=P’・V’/T’において、P=P、T=T、V=V’を代入してP’に応じたVを設定することが好ましい。
この格納容器保全設備によれば、圧力×容積/温度=一定の関係から、格納容器の内部の非凝縮性ガスの全量を第一貯留部に送ることができるように第一貯留部の容量Vを設定する。このようにすることで、格納容器の内部の圧力と第一貯留部の内部の圧力とが均圧されたときに、格納容器の内部の非凝縮性ガスの全量(放射性希ガスを含む)が第一貯留部に送られたものとすることができる。このように、格納容器の内部のガスを圧力差により第一貯留部に送るため、ポンプなどの機械を用いる必要がない。
上述の目的を達成するために、本発明の一態様に係る格納容器保全方法は、炉心を収容する原子炉圧力容器を気密状態で格納する格納容器の内部のガスから放射性よう素や粒子状の放射性物質を除去するフィルタユニットと、前記フィルタユニットに接続されて前記格納容器の外部に引き出されて設けられた排気配管と、前記格納容器の外部で前記排気配管の端部に接続された第一貯留部と、前記第一貯留部と並列して前記格納容器の外部で前記排気配管の端部に接続された第二貯留部と、前記フィルタユニットを通過したガスの送り先を前記第一貯留部または前記第二貯留部に切り換える切換部と、前記第一貯留部に供給されたガス中の蒸気を凝縮させる第一冷却部と、前記第二貯留部に供給されたガス中の蒸気を凝縮させる第二冷却部と、を有する格納容器保全設備を使用する格納容器保全方法であって、事故時において前記切換部の切り換えにより前記第一貯留部に前記格納容器の内部のガスを貯留しつつ前記第一冷却部によりガス中の蒸気を凝縮させる第一工程と、前記第一工程の次に、前記切換部の切り換えにより前記第二貯留部に前記格納容器の内部のガスを貯留しつつ前記第二冷却部によりガス中の蒸気を凝縮させる第二工程と、を含む。
この格納容器保全方法によれば、第一工程において、フィルタユニットにより放射性よう素や粒子状の放射性物質が除去されたガスは、格納容器から排気配管を通して外部に送り出され切換部により切り換えられて第一貯留部に送られる。第一貯留部では、放射性希ガスを含む非凝縮性ガスが貯留されると共に第一冷却部により凝縮性ガスである蒸気が凝縮される。このため、事故により格納容器の内部に発生した放射性希ガスを第一貯留部に封じ込めながら、事故により上昇した格納容器の内部の圧力を低減することができる。その後、第二工程において、第二貯留部に送られるガスは、非凝縮性ガスである空気と凝縮性ガスである蒸気であり、第二貯留部では、非凝縮性ガスが貯留されると共に第二冷却部により蒸気が凝縮される。このため、格納容器の内部の圧力を低減することができる。この結果、格納容器の内部の放射性希ガスを格納容器とは別に封じ込め、かつ格納容器の内部の圧力を低下させることができる。しかも、この格納容器保全方法によれば、第一貯留部が格納容器とは別に設けられていることから、廃炉作業において放射性希ガスが貯留されている第一貯留部が格納容器の解体を阻害する原因にならない。
また、本発明の一態様に係る格納容器保全方法では、前記格納容器保全設備が、前記第一冷却部により凝縮された前記第一貯留部の凝縮水を前記格納容器に送る第一凝縮水送出部と、前記第一貯留部における凝縮水の水位を検出する第一貯留部水位検出部と、前記第二冷却部により凝縮された前記第二貯留部の凝縮水を前記格納容器に送る第二凝縮水送出部と、前記第二貯留部における凝縮水の水位を検出する第二貯留部水位検出部と、を有しており、前記第一工程では、第一貯留部水位検出部による水位の検出に基づいて第一凝縮水送出部により前記第一貯留部の凝縮水を前記格納容器に送り、前記第二工程では、第二貯留部水位検出部による水位の検出に基づいて第二凝縮水送出部により前記第二貯留部の凝縮水を前記格納容器に送ることが好ましい。
この格納容器保全方法によれば、第一工程において、第一貯留部水位検出部により第一貯留部の凝縮水の水位を管理することができ、第一貯留部において非凝縮性ガスを貯留する容量を確保することができる。また、第一工程において、第一凝縮水送出部により第一貯留部の凝縮水を格納容器の内部の冷却水として供給することができ、格納容器の温度および圧力を低減することができる。第一貯留部に貯留された放射性希ガスは非凝縮性ガスであり、凝縮水には含まれないため、放射性希ガスが格納容器に戻される事態を防ぐことができる。一方、第二工程において、第二貯留部水位検出部により第二貯留部の凝縮水の水位を管理することができ、第二貯留部において非凝縮性ガスを貯留する容量を確保することができる。また、第二工程において、第二凝縮水送出部により第二貯留部の凝縮水を格納容器の内部の冷却水として供給することができ、格納容器の温度および圧力を低減することができる。
また、本発明の一態様に係る格納容器保全方法では、前記格納容器保全設備が、前記第一貯留部に接続された分岐排気配管と、前記分岐排気配管に設けられた分岐排気開閉弁と、前記分岐排気配管に設けられた放射線検出部と、前記分岐排気配管の終端に設けられた排気筒と、を有しており、前記第一工程および前記第二工程の後、所定期間経過して前記第一貯留部に貯留された放射性希ガスが減衰された場合、前記分岐排気開閉弁を開放して前記放射線検出部にて放射線量を検出しつつ前記分岐排気配管を通じて前記排気筒から前記第一貯留部に貯留されたガスを排気する第三工程を含むことが好ましい。
この格納容器保全方法によれば、第一貯留部に貯留された放射性希ガスが長期間の保管により減衰した後は、放射線検出部により放射線量を監視しながら分岐排気開閉弁を開放して分岐排気配管を通じて排気筒から管理放出することができる。
また、本発明の一態様に係る格納容器保全方法では、前記格納容器保全設備が、前記格納容器の内部の事故前の圧力Pと前記格納容器の容量Vと前記格納容器の内部の事故前の温度Tとの関係P・V/T、前記第一貯留部の内部の事故前の圧力Pと前記第一貯留部の容量Vと前記第一貯留部の内部の事故前の温度T1との関係P・V/T、および前記第一貯留部の内部の事故後の想定圧力P’1と前記第一貯留部の容量V’と前記第一貯留部の内部の事故後の想定温度T’1との関係P’1・V’/T’から得られる式(P・V/T)+(P・V/T)=P’・V’/T’において、P=P、T=T、V=V’を代入してP’に応じたVが設定され、かつ、前記格納容器の内部の圧力を検出する格納容器圧力検出部と、前記第一貯留部の内部の圧力を検出する第一貯留部圧力検出部と、を有しており、前記第一工程において、前記格納容器圧力検出部が検出する圧力と、前記第一貯留部圧力検出部が検出する圧力とが均圧した場合、前記切換部により前記第二工程に切り換えることが好ましい。
この格納容器保全方法によれば、圧力×容積/温度=一定の関係から、格納容器の内部の非凝縮性ガスの全量を第一貯留部に送ることができるように第一貯留部の容量Vを設定する。このため、第一工程において、格納容器の内部の圧力と第一貯留部の内部の圧力とが均圧されたときに、格納容器の内部の非凝縮性ガスの全量(放射性希ガスを含む)が第一貯留部に送られたものとすることができる。このように、放射性希ガスを第二貯留部に送ることなく第二工程に移行することができる。
本発明によれば、格納容器内の放射性希ガスを格納容器とは別に封じ込め、かつ格納容器内の圧力を低下させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る格納容器保全設備の構成図である。 図2は、本発明の実施形態に係る格納容器保全設備の制御系のブロック図である。 図3は、本発明の実施形態に係る格納容器保全設備の動作図である。 図4は、本発明の実施形態に係る格納容器保全設備の動作図である。 図5は、本発明の実施形態に係る格納容器保全設備の動作図である。 図6は、本発明の実施形態に係る格納容器保全設備の動作図である。 図7は、本発明の実施形態に係る格納容器保全設備の動作図である。 図8は、本発明の実施形態に係る格納容器保全設備の動作図である。 図9は、本発明の実施形態に係る格納容器保全設備の動作図である。 図10は、本発明の実施形態に係る格納容器保全設備における第一貯留部の容量を設定するための説明図である。 図11は、本発明の実施形態に係る格納容器保全設備における第一貯留部の容量を設定するためのグラフである。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る格納容器保全設備の構成図である。
図1において、格納容器100は、原子力設備において、炉心である複数の燃料集合体を密閉状態で収容する原子炉圧力容器101を格納するものである。原子力設備では、原子炉圧力容器101にて加熱された高温・高圧の水の熱を利用して蒸気を発生させ、この蒸気で格納容器100の外部に設けられた蒸気タービンを駆動して発電に供する。格納容器100は、岩盤などの堅固な地盤上に立設され、鉄筋コンクリートなどにより堅牢に形成されていることで、内部に所定容量の凝縮性ガスである水蒸気(以下、蒸気と記載する)および空気、放射性希ガスなどの非凝縮性ガスを含むガスを所定圧力の範囲で封じ込めることが可能に構成されている。
本実施形態の格納容器保全設備は、炉心が損傷して原子炉圧力容器101から流出する過酷事象であるシビアアクシデント時において格納容器100の安全を確保するものである。格納容器保全設備は、格納容器圧力検出部1と、フィルタユニット2と、排気配管3と、第一貯留部(希ガス貯留部)11と、第一冷却部12と、第一凝縮水送出部13と、第一貯留部水位検出部14と、第一貯留部圧力検出部15、第二貯留部(凝縮水貯留部)21と、第二冷却部22と、第二凝縮水送出部23と、第二貯留部水位検出部24と、第二貯留部圧力検出部25と、排気部31と、を有する。
フィルタユニット2は、本実施形態において格納容器100の内部に設けられている。フィルタユニット2は、ガスに含まれる放射性よう素や粒子状の放射性物質を捕捉するフィルタがケーシングの内部に設けられている。このフィルタユニット2は、ケーシングの内部に格納容器100の内部のガスを通過させることで、フィルタによりガス中の放射性よう素や粒子状の放射性物質を除去する。ただし、キセノン(Xe)やクリプトン(Kr)のような放射性希ガス、蒸気や空気はフィルタで捕捉できないためケーシングを通過する。従って、フィルタユニット2は、放射性よう素や粒子状の放射性物質を捕捉して除去する一方で、凝縮性ガスである蒸気および空気、放射性希ガスなどの非凝縮性ガスを含むガスを通過させる。
排気配管3は、フィルタユニット2に接続され、端部が格納容器100の外部に引き出されて設けられている。排気配管3は、その途中に、格納容器100の内部において排気開閉弁3Aが設けられていると共に、格納容器100の外部に引き出された部分において排気開閉弁3Bが設けられている。排気開閉弁3A,3Bは、開動作により排気配管3を開放し、閉動作により排気配管3を閉塞する。また、排気開閉弁3A,3Bは、自動弁であり、開信号の入力により開動作する一方、閉信号の入力により閉動作する。従って、排気開閉弁3A,3Bが開動作して排気配管3が開放されることで、格納容器100の内部のガスはフィルタユニット2を経て格納容器100の外部に排出される。また、排気開閉弁3A,3Bのいずれかが閉動作して排気配管3が閉塞されることで、格納容器100の内部のガスは格納容器100の外部に排出されず留まる。排気開閉弁3A,3Bは、格納容器100を内部および外部から隔離する隔離弁として機能する。
第一貯留部11は、第一貯留配管11Aと、第一貯留タンク11Bと、第一貯留開閉弁11Cと、を有している。
第一貯留配管11Aは、排気配管3が格納容器100の外部に引き出された端部に接続されている。
第一貯留タンク11Bは、第一貯留配管11Aの終端が接続されている。第一貯留タンク11Bは、容量が変化することのない密閉容器である。
第一貯留開閉弁11Cは、第一貯留配管11Aの途中に設けられ、開動作により第一貯留配管11Aを開放し、閉動作により第一貯留配管11Aを閉塞する。また、第一貯留開閉弁11Cは、自動弁であり、開信号の入力により開動作する一方、閉信号の入力により閉動作する。また、第一貯留開閉弁11Cは、自動弁ではなくてもよい。従って、第一貯留開閉弁11Cが開動作して第一貯留配管11Aが開放されることで、排気配管3を介して格納容器100の内部から排出されたガスが第一貯留タンク11Bに送られる。また、第一貯留開閉弁11Cが閉動作して第一貯留配管11Aが閉塞されることで、排気配管3を介して格納容器100の内部から排出されたガスは第一貯留タンク11Bには送られない。
第一冷却部12は、循環配管12Aと、熱交換器12Bと、冷却ポンプ12Cと、散水機12Dと、第一冷却開閉弁12E,12Fと、を有している。
循環配管12Aは、一端が第一貯留タンク11Bの下部にて第一貯留タンク11Bの内部に接続され、他端が第一貯留タンク11Bの上部にて第一貯留タンク11Bの内部に接続されて、第一貯留タンク11Bを含みループ状に設けられている。
熱交換器12Bは、循環配管12Aの途中に設けられており、冷却水が供給されるケーシングの内部に循環配管12Aの途中に介在された伝熱管が設けられている。熱交換器12Bに供給される冷却水は、例えば、海水や湖水などがあり、図示しない冷却水供給ポンプにより供給されてケーシングの内部を経て海や湖に戻される。なお、熱交換器12Bと熱交換器12Bに供給される冷却水の間に中間冷却のための熱交換器を介在させてもよい。中間冷却のための熱交換器に供給される冷却水は例えば純水などがある。
冷却ポンプ12Cは、循環配管12Aの途中に設けられており、第一貯留タンク11Bの下部に貯留された流体を循環配管12Aにより熱交換器12Bを経由して第一貯留タンク11Bの上部に戻す。従って、第一貯留タンク11Bの下部に貯留された流体は、冷却ポンプ12Cにより循環配管12Aに送られて熱交換器12Bを経由して冷却され第一貯留タンク11Bの上部に戻される。
散水機12Dは、いわゆるシャワーであって、第一貯留タンク11Bの内部の上部に設けられて循環配管12Aの他端に接続されている。従って、冷却ポンプ12Cにより循環配管12Aに送られて第一貯留タンク11Bの上部に戻された流体は、散水機12Dにより第一貯留タンク11Bの下部に向けて散水される。上述したように、第一貯留タンク11Bには、格納容器100の内部のガスに含まれる蒸気が送られる。従って、蒸気は、散水機12Dにより散水された流体により凝縮されて凝縮水となる。この凝縮水は、第一貯留タンク11Bの下部に溜められ、冷却ポンプ12Cにより循環配管12Aに送られて熱交換器12Bを経由して冷却され第一貯留タンク11Bの上部に戻される冷却用の流体となる。
第一冷却開閉弁12Eは、循環配管12Aにおいて熱交換器12Bよりも他端側(第一貯留タンク11Bの上部側)に設けられている。また、第一冷却開閉弁12Fは、循環配管12Aにおいて冷却ポンプ12Cよりも一端側(第一貯留タンク11Bの下部側)に設けられている。これら、第一冷却開閉弁12E,12Fは、開動作により循環配管12Aを開放し、閉動作により循環配管12Aを閉塞する。また、第一冷却開閉弁12E,12Fは、自動弁であり、開信号の入力により開動作する一方、閉信号の入力により閉動作する。また、第一冷却開閉弁12E,12Fは、自動弁ではなくてもよい。従って、第一冷却開閉弁12E,12Fが開動作して循環配管12Aが開放されることで、循環配管12Aを介して第一貯留タンク11Bの内部の凝縮水が循環されつつ熱交換器12Bにより冷却される。また、第一冷却開閉弁12E,12Fが閉動作して循環配管12Aが閉塞されることで、第一貯留タンク11Bの内部の凝縮水は循環や冷却されない。また、第一冷却開閉弁12Eは、熱交換器12Bと第一貯留タンク11Bの上部との間で循環配管12Aを開放または閉塞する。また、第一冷却開閉弁12Fは、第一貯留タンク11Bの下部と冷却ポンプ12Cとの間で循環配管12Aを開放または閉塞する。
第一凝縮水送出部13は、送出配管13Aと、送出ポンプ13Bと、送出開閉弁13C,13Dと、逆止弁13Eと、を有する。
送出配管13Aは、一端が第一貯留タンク11Bの下部にて第一貯留タンク11Bの内部に接続され、他端が格納容器100の内部に至り設けられている。
送出ポンプ13Bは、送出配管13Aの途中に設けられており、第一貯留タンク11Bの下部に貯留された凝縮水を送出配管13Aにより格納容器100の内部に送り出す。
送出開閉弁13Cは、送出配管13Aにおいて送出ポンプ13Bよりも一端側(第一貯留タンク11B側)に設けられている。また、送出開閉弁13Dは、送出配管13Aにおいて送出ポンプ13Bよりも他端側(格納容器100側)であって格納容器100の外部に並んで設けられている。これら、送出開閉弁13C,13Dは、開動作により送出配管13Aを開放し、閉動作により送出配管13Aを閉塞する。また、送出開閉弁13C,13Dは、自動弁であり、開信号の入力により開動作する一方、閉信号の入力により閉動作する。また、送出開閉弁13Cは、自動弁ではなくてもよい。従って、送出開閉弁13C,13Dが開動作して送出配管13Aが開放されることで、送出配管13Aを介して第一貯留タンク11Bの内部の凝縮水が格納容器100に送り出される。また、送出開閉弁13C,13Dのいずれか1つが閉動作して送出配管13Aが閉塞されることで、第一貯留タンク11Bの内部の凝縮水は格納容器100に送り出されない。送出開閉弁13Cは、第一貯留タンク11Bの下部と送出ポンプ13Bとの間で送出配管13Aを開放または閉塞する。また、送出開閉弁13Dは、送出ポンプ13Bと格納容器100との間で送出配管13Aを開放または閉塞する。送出開閉弁13Dは、最も格納容器100寄りに設けられて格納容器100を外部から隔離する隔離弁として機能する。
逆止弁13Eは、格納容器100の内部において送出配管13Aの他端に接続されている。逆止弁13Eは、送出配管13Aの他端から格納容器100の内部に送り出される凝縮水を格納容器100の内部に流出させるが、格納容器100の内部の流体を送出配管13Aの他端から格納容器100の外部に漏らさない。従って、逆止弁13Eは、格納容器100を内部から隔離する隔離弁として機能する。
第一貯留部水位検出部14は、第一貯留部11における第一貯留タンク11Bに貯留される凝縮水の水位を検出する。
第一貯留部圧力検出部15は、第一貯留部11における第一貯留タンク11Bの内部の圧力を検出する。
第二貯留部21は、第二貯留配管21Aと、第二貯留タンク21Bと、第二貯留開閉弁21Cと、を有している。
第二貯留配管21Aは、排気配管3が格納容器100の外部に引き出された端部に対し、第一貯留部11における第一貯留配管11Aと並列に接続されている。すなわち、第二貯留配管21Aは、排気配管3が格納容器100の外部に引き出された端部に対し、第一貯留配管11Aと分岐して接続されている。
第二貯留タンク21Bは、第二貯留配管21Aの終端が接続されている。第二貯留タンク21Bは、容量が変化することのない密閉容器である。
第二貯留開閉弁21Cは、第二貯留配管21Aの途中に設けられ、開動作により第二貯留配管21Aを開放し、閉動作により第二貯留配管21Aを閉塞する。また、第二貯留開閉弁21Cは、自動弁であり、開信号の入力により開動作する一方、閉信号の入力により閉動作する。また、第二貯留開閉弁21Cは、自動弁ではなくてもよい。従って、第二貯留開閉弁21Cが開動作して第二貯留配管21Aが開放されることで、排気配管3を介して格納容器100の内部から排出されたガスが第二貯留タンク21Bに送られる。また、第二貯留開閉弁21Cが閉動作して第二貯留配管21Aが閉塞されることで、排気配管3を介して格納容器100の内部から排出されたガスは第二貯留タンク21Bには送られない。
第二冷却部22は、循環配管22Aと、熱交換器22Bと、冷却ポンプ22Cと、散水機22Dと、第二冷却開閉弁22E,22Fと、を有している。
循環配管22Aは、一端が第二貯留タンク21Bの下部にて第二貯留タンク21Bの内部に接続され、他端が第二貯留タンク21Bの上部にて第二貯留タンク21Bの内部に接続されて、第二貯留タンク21Bを含みループ状に設けられている。本実施形態において、循環配管22Aは、上述した第一冷却部12における循環配管12Aの一部を共有して構成されている。具体的に、循環配管22Aは、循環配管12Aにおいて熱交換器12Bと第一冷却開閉弁12Eとの間に一端が接続されて他端が第二貯留タンク21Bの上部にて第二貯留タンク21Bの内部に接続された冷却配管22Aaを有している。また、循環配管22Aは、一端が第二貯留タンク21Bの下部にて第二貯留タンク21Bの内部に接続されて他端が循環配管12Aにおいて冷却ポンプ12Cと第一冷却開閉弁12Fとの間に接続された冷却配管22Abを有している。すなわち、循環配管22Aは、冷却配管22Aa,22Abを有することで、第一冷却部12における循環配管12Aの一部と熱交換器12Bおよび冷却ポンプ12Cとを共有して構成されている。
熱交換器22Bは、循環配管22Aの途中に設けられており、冷却水が供給されるケーシングの内部に循環配管22Aの途中に介在された伝熱管が設けられている。熱交換器22Bに供給される冷却水は、例えば、海水や湖水などがあり、図示しない冷却水供給ポンプにより供給されてケーシングの内部を経て海や湖に戻される。この熱交換器22Bは、上述したように第一冷却部12における熱交換器12Bを共有して構成されている。なお、熱交換器22Bと熱交換器22Bに供給される冷却水の間に中間冷却のための熱交換器を介在させてもよい。中間冷却のための熱交換器に供給される冷却水は例えば純水などがある。
冷却ポンプ22Cは、循環配管22Aの途中に設けられており、第二貯留タンク21Bの下部に貯留された流体を循環配管22Aにより熱交換器22Bを経由して第二貯留タンク21Bの上部に戻す。従って、第二貯留タンク21Bの下部に貯留された流体は、冷却ポンプ22Cにより循環配管22Aに送られて熱交換器22Bを経由して冷却され第二貯留タンク21Bの上部に戻される。この冷却ポンプ22Cは、上述したように第一冷却部12における冷却ポンプ12Cを共有して構成されている。
散水機22Dは、いわゆるシャワーであって、第二貯留タンク21Bの内部の上部に設けられて循環配管22A(冷却配管22Aa)の他端に接続されている。従って、冷却ポンプ22Cにより循環配管22Aに送られて第二貯留タンク21Bの上部に戻された流体は、散水機22Dにより第二貯留タンク21Bの下部に向けて散水される。上述したように、第二貯留タンク21Bには、格納容器100の内部のガスに含まれる蒸気が送られる。従って、蒸気は、散水機22Dにより散水された流体により凝縮されて凝縮水となる。この凝縮水は、第二貯留タンク21Bの下部に溜められ、冷却ポンプ22Cにより循環配管22Aに送られて熱交換器22Bを経由して冷却され第二貯留タンク21Bの上部に戻される冷却用の流体となる。
第二冷却開閉弁22Eは、循環配管22Aにおいて熱交換器22Bよりも他端側(第二貯留タンク21Bの上部側)となる冷却配管22Aaに設けられている。また、第二冷却開閉弁22Fは、循環配管22Aにおいて冷却ポンプ22Cよりも一端側(第二貯留タンク21Bの下部側)となる冷却配管22Abに設けられている。これら、第二冷却開閉弁22E,22Fは、開動作により循環配管22Aを開放し、閉動作により循環配管22Aを閉塞する。また、第二冷却開閉弁22E,22Fは、自動弁であり、開信号の入力により開動作する一方、閉信号の入力により閉動作する。また、第二冷却開閉弁22E,22Fは、自動弁ではなくてもよい。従って、第二冷却開閉弁22E,22Fが開動作して循環配管22Aが開放されることで、循環配管22Aを介して第二貯留タンク21Bの内部の凝縮水が循環されつつ熱交換器22Bにより冷却される。また、第二冷却開閉弁22E,22Fが閉動作して循環配管22Aが閉塞されることで、第二貯留タンク21Bの内部の凝縮水は循環や冷却されない。また、第二冷却開閉弁22Eは、熱交換器22Bと第二貯留タンク21Bの上部との間で循環配管22Aを開放または閉塞する。また、第二冷却開閉弁22Fは、第二貯留タンク21Bの下部と冷却ポンプ22Cとの間で循環配管22Aを開放または閉塞する。
第二凝縮水送出部23は、送出配管23Aと、送出ポンプ23Bと、送出開閉弁23C,23Dと、逆止弁23Eと、を有する。
送出配管23Aは、一端が第二貯留タンク21Bの下部にて第二貯留タンク21Bの内部に接続され、他端が格納容器100の内部に至り設けられている。本実施形態において、送出配管23Aは、上述した第一凝縮水送出部13における送出配管13Aの一部を共有して構成されている。具体的に、送出配管23Aは、一端が第二貯留タンク21Bの下部にて第二貯留タンク21Bの内部に接続され、他端が送出配管13Aにおいて送出ポンプ13Bと送出開閉弁13Cとの間に接続された接続送出配管23Aaを有している。すなわち、送出配管23Aは、接続送出配管23Aaを有することで、第一凝縮水送出部13における送出配管13Aの一部と送出ポンプ13Bと送出開閉弁13Dと逆止弁13Eとを共有して構成されている。
送出ポンプ23Bは、送出配管23Aの途中に設けられており、第二貯留タンク21Bの下部に貯留された凝縮水を送出配管23Aにより格納容器100の内部に送り出す。この送出ポンプ23Bは、上述したように第一凝縮水送出部13における送出ポンプ13Bを共有して構成されている。
送出開閉弁23Cは、送出配管23Aにおいて送出ポンプ23Bよりも一端側(第二貯留タンク21B側)に設けられている。また、送出開閉弁23Dは、送出配管23Aにおいて送出ポンプ23Bよりも他端側(格納容器100側)であって格納容器100の外部に並んで設けられている。これら、送出開閉弁23C,23Dは、開動作により送出配管23Aを開放し、閉動作により送出配管23Aを閉塞する。また、送出開閉弁23C,23Dは、自動弁であり、開信号の入力により開動作する一方、閉信号の入力により閉動作する。また、送出開閉弁23Cは、自動弁ではなくてもよい。従って、送出開閉弁23C,23Dが開動作して送出配管23Aが開放されることで、送出配管23Aを介して第二貯留タンク21Bの内部の凝縮水が格納容器100に送り出される。また、送出開閉弁23C,23Dのいずれか1つが閉動作して送出配管23Aが閉塞されることで、第二貯留タンク21Bの内部の凝縮水は格納容器100に送り出されない。送出開閉弁23Cは、第二貯留タンク21Bの下部と送出ポンプ23Bとの間で送出配管23Aを開放または閉塞する。また、送出開閉弁23Dは、送出ポンプ23Bと格納容器100との間で送出配管23Aを開放または閉塞する。送出開閉弁23Dは、最も格納容器100寄りに設けられて格納容器100を外部から隔離する隔離弁として機能する。送出開閉弁23Dは、上述したように、第一凝縮水送出部13における送出開閉弁13Dを共有して構成されている。
逆止弁23Eは、格納容器100の内部において送出配管23Aの他端に接続されている。逆止弁23Eは、送出配管23Aの他端から格納容器100の内部に送り出される凝縮水を格納容器100の内部に流出させるが、格納容器100の内部の流体を送出配管23Aの他端から格納容器100の外部に漏らさない。従って、逆止弁23Eは、格納容器100を内部から隔離する隔離弁として機能する。逆止弁23Eは、上述したように、第一凝縮水送出部13における逆止弁13Eを共有して構成されている。
第二貯留部水位検出部24は、第二貯留部21における第二貯留タンク21Bに貯留される凝縮水の水位を検出する。
第二貯留部圧力検出部25は、第二貯留部21における第二貯留タンク21Bの内部の圧力を検出する。
排気部31は、分岐排気配管31Aと、排気筒31Bと、分岐排気開閉弁31Cと、絞弁31Dと、放射線検出部31Eと、を有している。
分岐排気配管31Aは、排気配管3の端部に分岐して設けられている。具体的に、分岐排気配管31Aは、排気配管3において、排気開閉弁3Bと、第一貯留部11の第一貯留配管11Aおよび第二貯留部21の第二貯留配管21Aが接続されている部分との間に分岐して設けられている。なお、分岐排気配管31Aは、第一貯留部11の第一貯留配管11Aにおいて、排気配管3に接続されている部分と、第一貯留開閉弁11Cとの間に分岐して設けられていてもよい。すなわち、分岐排気配管31Aは、少なくとも第一貯留部11の第一貯留タンク11Bに接続できるように設けられている。
排気筒31Bは、いわゆる煙突であり、分岐排気配管31Aの先端(終端)に設けられている。
分岐排気開閉弁31Cは、分岐排気配管31Aの途中に設けられ、開動作により分岐排気配管31Aを開放し、閉動作により分岐排気配管31Aを閉塞する。また、分岐排気開閉弁31Cは、自動弁であり、開信号の入力により開動作する一方、閉信号の入力により閉動作する。また、分岐排気開閉弁31Cは、自動弁ではなくてもよい。従って、分岐排気開閉弁31Cが開動作して分岐排気配管31Aが開放されることで、分岐排気配管31Aを介して排気配管3側と排気筒31Bとが連通する。また、分岐排気開閉弁31Cが閉動作して分岐排気配管31Aが閉塞されることで、分岐排気配管31Aを介して排気配管3側と排気筒31Bとが連通しない。
絞弁31Dは、分岐排気配管31Aの途中に設けられた、例えば、オリフィスからなり、分岐排気配管31Aを通過する流体の流量を抑制する。絞弁31Dは、分岐排気配管31Aにおいて、排気配管3に接続されている部分と、分岐排気開閉弁31Cとの間に設けられている。なお、絞弁31Dは、分岐排気配管31Aにおいて、排気筒31Bと、分岐排気開閉弁31Cとの間に設けられていてもよい。
放射線検出部31Eは、分岐排気配管31Aの途中に設けられ、分岐排気配管31Aを通過する流体の放射線量を検出する。放射線検出部31Eは、分岐排気配管31Aにおいて、排気筒31Bと、分岐排気開閉弁31Cとの間に設けられている。
図2は、本実施形態に係る格納容器保全設備の制御系のブロック図である。
上述した構成の格納容器保全設備は、制御部41により統括して制御される。制御部41は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサ、ROMやRAMのようなメモリおよびストレージを含む。制御部41は、図2に示すように、格納容器圧力検出部1、第一貯留部水位検出部14、第一貯留部圧力検出部15、第二貯留部水位検出部24、第二貯留部圧力検出部25、放射線検出部31Eからの検出の信号を入力することで、熱交換器12B,22Bの冷却水供給ポンプ、第一冷却開閉弁12E,12F、冷却ポンプ12C,22C、排気開閉弁3A,3B、第一貯留開閉弁11C、送出開閉弁13C、送出開閉弁13D,23D、送出ポンプ13B,23B、第二冷却開閉弁22E,22F、第二貯留開閉弁21C、送出開閉弁23C、分岐排気開閉弁31Cを駆動する信号を出力する。
以下、図3〜図9の本実施形態に係る格納容器保全設備の動作図を参照し、制御部41による格納容器保全設備の制御である格納容器保全方法について説明する。
事故前においては、図3に示すように、制御部41は、熱交換器12B,22Bの冷却水供給ポンプ、冷却ポンプ12C,22C、送出ポンプ13B,23Bを停止する信号を出力しており、かつ第一冷却開閉弁12E,12F、排気開閉弁3A,3B、第一貯留開閉弁11C、送出開閉弁13C、送出開閉弁13D,23D、第二冷却開閉弁22E,22F、第二貯留開閉弁21C、送出開閉弁23C、分岐排気開閉弁31Cを閉動作する閉信号を出力している。
原子炉の炉心が損傷するようなシビアアクシデントの事故が発生した場合、炉心損傷後は格納容器100の内部に冷却水を供給するような格納容器100を防護する複数の対策を講じる。しかし、複数の格納容器防護対策を実施しても事象進展を止められず、格納容器100の内部の圧力が設計の限界圧力近くに到達する。
従って、シビアアクシデントの事故時において、制御部41は、熱交換器12Bに冷却水を供給するため冷却水供給ポンプを駆動させる駆動信号を出力する。また、制御部41は、第一貯留タンク11Bの水を循環させるため第一冷却開閉弁12E,12Fを開動作させる開信号を出力する。また、制御部41は、冷却ポンプ12Cを駆動する駆動信号を出力する。すなわち、図4に示すように、第一冷却部12において、第一貯留タンク11Bを含むループ状の循環配管12Aに、第一貯留タンク11Bの下部に貯留された水が循環し、熱交換器12Bを経由して冷却されて第一貯留タンク11Bの上部に戻される。
その後、格納容器圧力検出部1により検出する格納容器100の内部の圧力が設計の限界圧力となった場合、制御部41は、排気開閉弁3A,3B、第一貯留開閉弁11Cを開動作させる開信号を出力する。すなわち、図5に示すように、フィルタユニット2を通過して放射性よう素や粒子状の放射性物質が除去された格納容器100の内部のガス(凝縮性ガスである蒸気および空気、放射性希ガスなどの非凝縮性ガスを含むガス)が第一貯留タンク11Bに送られる。そして、第一貯留タンク11Bの内部では、空気、放射性希ガスなどの非凝縮性ガスが貯留される一方、第一冷却部12により循環する水で蒸気が冷却されて凝縮された凝縮水として溜まる。
第一貯留タンク11Bに蒸気を受け入れている際、凝縮した水分でタンク水位が上昇する。よって、第一貯留部水位検出部14により検出する第一貯留タンク11Bに貯留される凝縮水の水位が所定水位を超えた場合、制御部41は、第一凝縮水送出部13の送出開閉弁13C,13Dを開動作させる開信号を出力する。また、制御部41は、第一凝縮水送出部13の送出ポンプ13Bを駆動させる信号を出力する。すなわち、図6に示すように、第一貯留タンク11Bに貯留される凝縮水が格納容器100に送り出される。また、第一貯留部水位検出部14により検出する第一貯留タンク11Bに貯留される凝縮水の水位が所定水位まで下がった場合、制御部41は、第一凝縮水送出部13の送出ポンプ13Bを停止させる信号を出力し、送出開閉弁13C,13Dを閉動作させる閉信号を出力する(図5に示す動作に戻る)。この動作を繰り返すことで、第一貯留タンク11Bに貯留される凝縮水の水位を所定水位に維持する。
第一貯留タンク11Bは、最初大気圧であるが、非凝縮性ガスを貯留するに伴い圧力が上昇する。よって、第一貯留部圧力検出部15により検出する第一貯留タンク11Bの内部の圧力が、格納容器圧力検出部1により検出する格納容器100の内部の圧力とほぼ同じになり、格納容器100の内部の圧力と第一貯留タンク11Bの内部の圧力とが均圧した場合、格納容器100で発生した放射性希ガスは、全量が第一貯留タンク11Bに送られて貯留されたものとみなす(比較的事故初期において放射性希ガスは格納容器100の内部に全量放出される)。この場合、制御部41は、第一貯留開閉弁11Cを閉動作させる閉信号を出力する。すなわち、格納容器100から第一貯留タンク11Bへのガスの送りを停止する。
格納容器100で発生した非凝縮性ガスの全量を第一貯留タンク11Bに送っても、凝縮性ガスである蒸気の発生により格納容器100の内部の圧力は限界圧力は超えないものの上昇する。よって、第一貯留開閉弁11Cを閉動作させる閉信号を出力して格納容器100から第一貯留タンク11Bへのガスの送りを停止した後、制御部41は、熱交換器22Bに冷却水を供給するため冷却水供給ポンプを駆動させる駆動信号を出力する(熱交換器22Bが熱交換器12Bを共有する場合は熱交換器12Bに駆動信号を出力しているため不要)。また、制御部41は、第一貯留タンク11Bの水の循環を停止させるため冷却ポンプ12Cを停止させる停止信号を出力し、第一冷却開閉弁12E,12Fを閉動作させる閉信号を出力する。また、制御部41は、第二貯留タンク21Bの水を循環させるため第二冷却開閉弁22E,22Fを開動作させる開信号を出力する。また、制御部41は、冷却ポンプ22Cを駆動する駆動信号を出力する(冷却ポンプ22Cが冷却ポンプ12Cを共有する場合は冷却ポンプ12Cに駆動信号を出力しているため不要)。また、制御部41は、第二貯留開閉弁21Cを開動作させる開信号を出力する。すなわち、図7に示すように、フィルタユニット2を通過して放射性よう素や粒子状の放射性物質が除去された格納容器100の内部のガス(凝縮性ガスである蒸気および非凝縮性ガスである空気を含むガス)が第二貯留タンク21Bに送られる。この場合、格納容器100で発生した放射性希ガスが全量が第一貯留タンク11Bに送られて貯留されているため、基本的に第二貯留タンク21Bに放射性希ガスは送られない。さらに、図7に示すように、第二冷却部22において、第二貯留タンク21Bを含むループ状の循環配管22Aに、第二貯留タンク21Bの下部に貯留された水が循環し、熱交換器22Bを経由して冷却されて第二貯留タンク21Bの上部に戻される。このため、第二貯留タンク21Bの内部では、空気が貯留される一方、第二冷却部22により循環する水で蒸気が冷却されて凝縮された凝縮水として溜まる。これにより、格納容器100の圧力を低減させる。
ここで、第一貯留開閉弁11Cは格納容器100から第一貯留タンク11Bへのガスの送りを開閉し、第二貯留開閉弁21Cは格納容器100から第二貯留タンク21Bへのガスの送りを開閉しており、これら第一貯留開閉弁11Cおよび第二貯留開閉弁21Cの開閉により格納容器100のガスの送りを第一貯留タンク11Bや第二貯留タンク21Bに切り換えることができる。従って、本実施形態の格納容器保全設備では、第一貯留開閉弁11Cおよび第二貯留開閉弁21Cは、格納容器100のガスの送りを第一貯留タンク11Bや第二貯留タンク21Bに切り換える切換部として構成されている。
第二貯留タンク21Bに蒸気を受け入れている際、凝縮した水分でタンク水位が上昇する。よって、第二貯留部水位検出部24により検出する第二貯留タンク21Bに貯留される凝縮水の水位が所定水位を超えた場合、制御部41は、第二凝縮水送出部23の送出開閉弁23C,23Dを開動作させる開信号を出力する。また、制御部41は、第二凝縮水送出部23の送出ポンプ23Bを駆動させる信号を出力する。すなわち、図8に示すように、第二貯留タンク21Bに貯留される凝縮水が格納容器100に送り出される。また、第二貯留部水位検出部24により検出する第二貯留タンク21Bに貯留される凝縮水の水位が所定水位まで下がった場合、制御部41は、第二凝縮水送出部23の送出ポンプ23Bを停止させる信号を出力し、送出開閉弁23C,23Dを閉動作させる閉信号を出力する(図7に示す動作に戻る)。この動作を繰り返すことで、第二貯留タンク21Bに貯留される凝縮水の水位を所定水位に維持する。
第二貯留タンク21Bは、最初大気圧であるが、非凝縮性ガスである空気を貯留するに伴い圧力が上昇する。よって、制御部41は、第二貯留部圧力検出部25により検出する第二貯留タンク21Bの内部の圧力を管理する。そして、制御部41は、格納容器圧力検出部1により検出する格納容器100の内部の圧力の上昇が抑えられた場合、制御部41は、開動作中の全ての開閉弁を閉作動する閉信号を出力すると共に、稼働中の全てのポンプを停止させる信号を出力する(図3に示す状態に戻す)。
その後、第一貯留タンク11Bに貯留した放射性希ガスのうち、キセノンは半減期が短く、線量が高いので、1年以上減衰させ、無害化する。クリプトンはキセノンほど線量が高くないが、半減期が長いことから長期間、第一貯留タンク11Bに貯留した状態で減衰させる。クリプトンを数年程度減衰させた後、放射線量を監視しながら第一貯留タンク11Bに貯留したガスを管理放出する。この場合、制御部41は、図3に示す状態から、第一貯留開閉弁11Cおよび分岐排気開閉弁31Cを開動作する開信号を出力する。すなわち、図9に示すように、大気圧よりも内部が高い圧力の第一貯留タンク11Bに貯留されたガスが、第一貯留配管11Aから排気配管3の一部を経て分岐排気配管31Aに至り絞弁31Dにて流量を抑制されつつ排気筒31Bから大気に放出される。ただし、公衆被曝に影響しないように、放射線検出部31Eにより検出される放射線量が影響のない範囲でなければ、制御部41は、第一貯留開閉弁11Cおよび分岐排気開閉弁31Cを閉動作する閉信号を出力することで、図3に示す状態に戻しガスの放出を止める。
ところで、上述した動作において、第一貯留タンク11Bへのガスの送りを停止する場合、格納容器100の内部の圧力と第一貯留タンク11Bの内部の圧力とが均圧したことを格納容器100で発生した放射性希ガスの全量が第一貯留タンク11Bに送られて貯留されたものとみなすとしている。このための構成について説明する。
図10は、本実施形態に係る格納容器保全設備における第一貯留部の容量を設定するための説明図である。図11は、本実施形態に係る格納容器保全設備における第一貯留部の容量を設定するためのグラフである。
放射性希ガスのキセノンやクリプトンは燃料ウランの核分裂に伴い発生するもので、燃料損傷してから比較的短時間の間に放射性希ガス全量が放出される。放射性希ガスは、格納容器100の内部の空気と格納容器100の内部で発生する蒸気に完全混合していると考えられ、空気、放射性希ガスなどの非凝縮性ガスは発生し続ける蒸気に随伴される形で第一貯留タンク11Bに貯留される。格納容器100の容量の全量の非凝縮性ガスが第一貯留タンク11Bに貯留されると、非凝縮性ガス中に分散していた放射性希ガスも一緒に第一貯留タンク11Bに貯留されるものとして第一貯留タンク11Bの容量を設計する。
第一貯留タンク11Bは、格納容器100の全容量の非凝縮ガスを貯留するのに必要な容量に設計される。第一貯留タンク11Bに貯留する非凝縮ガスの容積は、格納容器100の内部の圧力で圧縮されるが、この容積は事故前の温度(室温)、圧力(大気圧)、容積(格納容器100の容積と第一貯留タンク11Bの容積)と事故後の温度(飽和蒸気温度)、圧力(格納容器100の設計値圧力)、容積(第一貯留タンク11Bの容積)によりボイル・シャルルの法則(PV/T=一定)から要求が満たされる。具体的には、格納容器100の容量は定数なので、事故後の格納容器100の内部の圧力(設計値圧力)を設定すれば、必要な第一貯留タンク11Bの容量を求めることができる。
本実施形態の格納容器保全設備では、図10に示すように、事故前の原子炉定常運転において、格納容器100は、内部の圧力Pは大気圧相当の0.1013MPa(a)、容量VがV(原子力設備によって異なる)、内部の温度TをT℃とする。この場合、第一貯留タンク11Bは、内部の圧力Pが大気圧相当の0.1013MPa(a)であり、容量VがV、内部の温度TをT℃とする。そして、シビアアクシデントの事故後において、格納容器100は、内部の圧力P’を設計値としてP’MPa(a)、容量V’は変わらずV、内部の温度T’をT’℃とする。この場合、第一貯留タンク11Bは、内部の圧力P’をP’MPa(a)、容量V’を変わらずV、内部の温度T’をT’℃とする。
このことから、事故前後でボイル・シャルルの法則より下記(1)式の関係となる。
(P・V/T)+(P・V/T)=P’・V’/T’…(1)
(1)式の左式が事故前の格納容器100と第一貯留タンク11BのPV/Tを表し、右式が事故後の格納容器100の内部の非凝縮性ガスが第一貯留タンク11Bに移動した後のPV/Tを表す。なお、第一貯留タンク11Bの容量としては非凝縮性ガス以外に貯留する凝縮水量および水循環に必要な水量を上乗せする必要がある。
(1)式において、P=P、T=T、V=V’を代入すると(2)式となる。
=P・V・T’/(P’・T−P・T’)…(2)
(2)式に上述した数値を代入すると、V=0.1013×V×(273+T’)/(P’×(273+T)−0.1013×(273+T’))となり、第一貯留タンク11Bの容量Vは、格納容器100の容量Vを代入し、初期の内部温度Tおよび貯留後の温度T’を設定することで、事故後の第一貯留タンク11Bの圧力P’によって決まる。第一貯留タンク11Bの圧力P’と容量Vの関係は、図11に示すように設計すると、第一貯留タンク11Bの圧力P’に応じた必要容量Vを求めることができる。このように第一貯留タンク11Bの容量Vを設計することで、第一貯留タンク11Bへのガスの送りを停止する場合、格納容器100の内部の圧力と第一貯留タンク11Bの内部の圧力とが均圧したことを格納容器100で発生した非凝縮性ガスの全量が第一貯留タンク11Bに送られて貯留されたものとみなすことができる。
なお、第一貯留タンク11Bは、上記のごとく求めた容量Vのものを1つ備えていてもよいが、容量Vをいくつかに分けて複数として、これを並列に接続してもよい。格納容器100から複数の第一貯留タンク11Bへのガスの供給は、複数の第一貯留タンク11Bに同時に行ってもよく、各第一貯留タンク11Bに順に行ってもよい。
このように、本実施形態の格納容器保全設備は、炉心を収容する原子炉圧力容器101を気密状態で格納する格納容器100の内部のガスから放射性よう素や粒子状の放射性物質を除去するフィルタユニット2と、フィルタユニット2に接続されて格納容器100の外部に引き出されて設けられた排気配管3と、格納容器100の外部で排気配管3の端部に接続された第一貯留部11と、第一貯留部11と並列して格納容器100の外部で排気配管3の端部に接続された第二貯留部21と、フィルタユニット2を通過したガスの送り先を第一貯留部11または第二貯留部21に切り換える切換部(第一貯留開閉弁11Cおよび第二貯留開閉弁21C)と、第一貯留部11に供給されたガス中の蒸気を凝縮させる第一冷却部12と、第二貯留部21に供給されたガス中の蒸気を凝縮させる第二冷却部22と、を有する。
この格納容器保全設備によれば、フィルタユニット2により放射性よう素や粒子状の放射性物質が除去されたガスは、格納容器100から排気配管3を通して外部に送り出され、切換部(第一貯留開閉弁11Cおよび第二貯留開閉弁21C)により切り換えられて第一貯留部11または第二貯留部21に送られる。第一貯留部11に先にガスが送られた場合、第一貯留部11では、放射性希ガスを含む非凝縮性ガスが貯留されると共に第一冷却部12により凝縮性ガスである蒸気が凝縮される。このため、事故により格納容器100の内部に発生した放射性希ガスを第一貯留部11に封じ込めながら、事故により上昇した格納容器100の内部の圧力を低減することができる。その後、第二貯留部21に送られるガスは、非凝縮性ガスである空気と凝縮性ガスである蒸気であり、第二貯留部21では、非凝縮性ガスが貯留されると共に第二冷却部22により蒸気が凝縮される。このため、格納容器100の内部の圧力を低減することができる。この結果、格納容器100の内部の放射性希ガスを格納容器100とは別に封じ込め、かつ格納容器100の内部の圧力を低下させることができる。しかも、この格納容器保全設備によれば、第一貯留部11(第一貯留タンク11B)が格納容器100とは排気配管3で別に設けられていることから、廃炉作業において放射性希ガスが貯留されている第一貯留部11が格納容器100の解体を阻害する原因にならない。
また、本実施形態の格納容器保全設備では、第一冷却部12により凝縮された第一貯留部11の凝縮水を格納容器100に送る第一凝縮水送出部13と、第一貯留部11における凝縮水の水位を検出する第一貯留部水位検出部14と、第二冷却部22により凝縮された第二貯留部21の凝縮水を格納容器100に送る第二凝縮水送出部23と、第二貯留部21における凝縮水の水位を検出する第二貯留部水位検出部24と、を有することが好ましい。
この格納容器保全設備によれば、第一貯留部水位検出部14により第一貯留部11の凝縮水の水位を管理することができ、第一貯留部11において非凝縮性ガスを貯留する容量を確保することができる。また、第一凝縮水送出部13により第一貯留部11の凝縮水を格納容器100の内部の冷却水として供給することができ、格納容器100の温度および圧力を低減することができる。第一貯留部11に貯留された放射性希ガスは非凝縮性ガスであり、凝縮水には含まれないため、放射性希ガスが格納容器100に戻される事態を防ぐことができる。一方、第二貯留部水位検出部24により第二貯留部21の凝縮水の水位を管理することができ、第二貯留部21において非凝縮性ガスを貯留する容量を確保することができる。また、第二凝縮水送出部23により第二貯留部21の凝縮水を格納容器100の内部の冷却水として供給することができ、格納容器100の温度および圧力を低減することができる。
また、本実施形態の格納容器保全設備では、第一貯留部11に接続された分岐排気配管31Aと、分岐排気配管31Aに設けられた分岐排気開閉弁31Cと、分岐排気配管31Aに設けられた放射線検出部31Eと、分岐排気配管31Aの終端に設けられた排気筒31Bと、を有することが好ましい。
この格納容器保全設備によれば、第一貯留部11に貯留された放射性希ガスが長期間の保管により減衰した後は、放射線検出部31Eにより放射線量を監視しながら分岐排気開閉弁31Cを開放して分岐排気配管31Aを通じて排気筒31Bから管理放出することができる。
また、本実施形態の格納容器保全設備では、格納容器100の内部の事故前の圧力Pと格納容器100の容量Vと格納容器100の内部の事故前の温度Tとの関係P・V/T、第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の内部の事故前の圧力Pと第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の容量Vと第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の内部の事故前の温度T1との関係P・V/T、および第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の内部の事故後の想定圧力P’1と第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の容量V’と第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の内部の事故後の想定温度T’1との関係P’1・V’/T’から得られる式(P・V/T)+(P・V/T)=P’・V’/T’において、P=P、T=T、V=V’を代入してP’に応じた第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の容量Vを設定することが好ましい。
この格納容器保全設備によれば、圧力×容積/温度=一定の関係から、格納容器100の内部の非凝縮性ガスの全量を第一貯留部11(第一貯留タンク11B)に送ることができるように第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の容量Vを設定する。このようにすることで、格納容器100の内部の圧力と第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の内部の圧力とが均圧されたときに、格納容器100の内部の非凝縮性ガスの全量(放射性希ガスを含む)が第一貯留部11(第一貯留タンク11B)に送られたものとすることができる。このように、格納容器100の内部のガスを圧力差により第一貯留部11(第一貯留タンク11B)に送るため、ポンプなどの機械を用いる必要がない。
また、本実施形態の格納容器保全方法は、炉心を収容する原子炉圧力容器101を気密状態で格納する格納容器100の内部のガスから放射性よう素や粒子状の放射性物質を除去するフィルタユニット2と、フィルタユニット2に接続されて格納容器100の外部に引き出されて設けられた排気配管3と、格納容器100の外部で排気配管3の端部に接続された第一貯留部11と、第一貯留部11と並列して格納容器100の外部で排気配管3の端部に接続された第二貯留部21と、フィルタユニット2を通過したガスの送り先を第一貯留部11または第二貯留部21に切り換える切換部(第一貯留開閉弁11Cおよび第二貯留開閉弁21C)と、第一貯留部11に供給されたガス中の蒸気を凝縮させる第一冷却部12と、第二貯留部21に供給されたガス中の蒸気を凝縮させる第二冷却部22と、を有する格納容器保全設備を使用する格納容器保全方法であって、事故時において切換部(第一貯留開閉弁11Cおよび第二貯留開閉弁21C)の切り換えにより第一貯留部11に格納容器100の内部のガスを貯留しつつ第一冷却部12によりガス中の蒸気を凝縮させる第一工程と、第一工程の次に、切換部(第一貯留開閉弁11Cおよび第二貯留開閉弁21C)の切り換えにより第二貯留部21に格納容器100の内部のガスを貯留しつつ第二冷却部22によりガス中の蒸気を凝縮させる第二工程と、を含む。
この格納容器保全方法によれば、第一工程において、フィルタユニット2により放射性よう素や粒子状の放射性物質が除去されたガスは、格納容器100から排気配管3を通して外部に送り出され切換部(第一貯留開閉弁11Cおよび第二貯留開閉弁21C)により切り換えられて第一貯留部11に送られる。第一貯留部11では、放射性希ガスを含む非凝縮性ガスが貯留されると共に第一冷却部12により凝縮性ガスである蒸気が凝縮される。このため、事故により格納容器100の内部に発生した放射性希ガスを第一貯留部11に封じ込めながら、事故により上昇した格納容器100の内部の圧力を低減することができる。その後、第二工程において、第二貯留部21に送られるガスは、非凝縮性ガスである空気と凝縮性ガスである蒸気であり、第二貯留部21では、空気が貯留されると共に第二冷却部22により蒸気が凝縮される。このため、格納容器100の内部の圧力を低減することができる。この結果、格納容器100の内部の放射性希ガスを格納容器100とは別に封じ込め、かつ格納容器100の内部の圧力を低下させることができる。しかも、この格納容器保全方法によれば、第一貯留部11(第一貯留タンク11B)が格納容器100とは排気配管3で別に設けられていることから、廃炉作業において放射性希ガスが貯留されている第一貯留部11が格納容器100の解体を阻害する原因にならない。
また、本実施形態の格納容器保全方法では、格納容器保全設備が、第一冷却部12により凝縮された第一貯留部11の凝縮水を格納容器100に送る第一凝縮水送出部13と、第一貯留部11における凝縮水の水位を検出する第一貯留部水位検出部14と、第二冷却部22により凝縮された第二貯留部21の凝縮水を格納容器100に送る第二凝縮水送出部23と、第二貯留部21における凝縮水の水位を検出する第二貯留部水位検出部24と、を有しており、第一工程では、第一貯留部水位検出部14による水位の検出に基づいて第一凝縮水送出部13により第一貯留部11の凝縮水を格納容器100に送り、第二工程では、第二貯留部水位検出部24による水位の検出に基づいて第二凝縮水送出部23により第二貯留部21の凝縮水を格納容器100に送ることが好ましい。
この格納容器保全方法によれば、第一工程において、第一貯留部水位検出部14により第一貯留部11の凝縮水の水位を管理することができ、第一貯留部11において非凝縮性ガスを貯留する容量を確保することができる。また、第一工程において、第一凝縮水送出部13により第一貯留部11の凝縮水を格納容器100の内部の冷却水として供給することができ、格納容器100の温度および圧力を低減することができる。第一貯留部11に貯留された放射性希ガスは非凝縮性ガスであり、凝縮水には含まれないため、放射性希ガスが格納容器100に戻される事態を防ぐことができる。一方、第二工程において、第二貯留部水位検出部24により第二貯留部21の凝縮水の水位を管理することができ、第二貯留部21において非凝縮性ガスを貯留する容量を確保することができる。また、第二工程において、第二凝縮水送出部23により第二貯留部21の凝縮水を格納容器100の内部の冷却水として供給することができ、格納容器100の温度および圧力を低減することができる。
また、本実施形態の格納容器保全方法では、格納容器保全設備が、第一貯留部11に接続された分岐排気配管31Aと、分岐排気配管31Aに設けられた分岐排気開閉弁31Cと、分岐排気配管31Aに設けられた放射線検出部31Eと、分岐排気配管31Aの終端に設けられた排気筒31Bと、を有しており、第一工程および第二工程の後、所定期間経過して第一貯留部11に貯留された放射性希ガスが減衰された場合、分岐排気開閉弁31Cを開放して放射線検出部31Eにて放射線量を検出しつつ分岐排気配管31Aを通じて排気筒31Bから第一貯留部11に貯留されたガスを排気する第三工程を含むことが好ましい。
この格納容器保全方法によれば、第一貯留部11に貯留された放射性希ガスが長期間の保管により減衰した後は、放射線検出部31Eにより放射線量を監視しながら分岐排気開閉弁31Cを開放して分岐排気配管31Aを通じて排気筒31Bから管理放出することができる。
また、本実施形態の格納容器保全方法では、格納容器保全設備が、格納容器100の内部の事故前の圧力Pと格納容器100の容量Vと格納容器100の内部の事故前の温度Tとの関係P・V/T、第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の内部の事故前の圧力Pと第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の容量Vと第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の内部の事故前の温度T1との関係P・V/T、および第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の内部の事故後の想定圧力P’1と第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の容量V’と第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の内部の事故後の想定温度T’1との関係P’1・V’/T’から得られる式(P・V/T)+(P・V/T)=P’・V’/T’において、P=P、T=T、V=V’を代入してP’に応じた第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の容量Vが設定され、かつ、格納容器100の内部の圧力を検出する格納容器圧力検出部1と、第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の内部の圧力を検出する第一貯留部圧力検出部15と、を有しており、第一工程において、格納容器圧力検出部1が検出する圧力と、第一貯留部圧力検出部15が検出する圧力とが均圧した場合、切換部(第一貯留開閉弁11Cおよび第二貯留開閉弁21C)により第二工程に切り換えることが好ましい。
この格納容器保全方法によれば、圧力×容積/温度=一定の関係から、格納容器100の内部の非凝縮性ガスの全量を第一貯留部11(第一貯留タンク11B)に送ることができるように第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の容量Vを設定する。このため、第一工程において、格納容器100の内部の圧力と第一貯留部11(第一貯留タンク11B)の内部の圧力とが均圧されたときに、格納容器100の内部の非凝縮性ガスの全量(放射性希ガスを含む)が第一貯留部11(第一貯留タンク11B)に送られたものとすることができる。なお、第二貯留部21の第二貯留タンク21Bは、格納容器100の内部の圧力を低下させるもので格納容器100の内部のガスの全量を受ける容量は必要ないため、第一貯留部11(第一貯留タンク11B)よりも少ない容量とする。
1 格納容器圧力検出部
2 フィルタユニット
3 排気配管
3A 排気開閉弁
3B 排気開閉弁
11 第一貯留部
11A 第一貯留配管
11B 第一貯留タンク
11C 第一貯留開閉弁
12 第一冷却部
12A 循環配管
12B 熱交換器
12C 冷却ポンプ
12D 散水機
12E 第一冷却開閉弁
12F 第一冷却開閉弁
13 第一凝縮水送出部
13A 送出配管
13B 送出ポンプ
13C 送出開閉弁
13D 送出開閉弁
13E 逆止弁
14 第一貯留部水位検出部
15 第一貯留部圧力検出部
21 第二貯留部
21A 第二貯留配管
21B 第二貯留タンク
21C 第二貯留開閉弁
22 第二冷却部
22A 循環配管
22Aa 冷却配管
22Ab 冷却配管
22B 熱交換器
22C 冷却ポンプ
22D 散水機
22E 第二冷却開閉弁
22F 第二冷却開閉弁
23 第二凝縮水送出部
23A 送出配管
23Aa 接続送出配管
23B 送出ポンプ
23C 送出開閉弁
23D 送出開閉弁
23E 逆止弁
24 第二貯留部水位検出部
25 第二貯留部圧力検出部
31 排気部
31A 分岐排気配管
31B 排気筒
31C 分岐排気開閉弁
31D 絞弁
31E 放射線検出部
41 制御部
100 格納容器
101 原子炉圧力容器

Claims (8)

  1. 炉心を収容する原子炉圧力容器を気密状態で格納する格納容器の内部のガスから放射性よう素や粒子状の放射性物質を除去するフィルタユニットと、
    前記フィルタユニットに接続されて前記格納容器の外部に引き出されて設けられた排気配管と、
    前記格納容器の外部で前記排気配管の端部に接続された第一貯留部と、
    前記第一貯留部と並列して前記格納容器の外部で前記排気配管の端部に接続された第二貯留部と、
    前記フィルタユニットを通過したガスの送り先を前記第一貯留部または前記第二貯留部に切り換える切換部と、
    前記第一貯留部に供給されたガス中の蒸気を凝縮させる第一冷却部と、
    前記第二貯留部に供給されたガス中の蒸気を凝縮させる第二冷却部と、
    を有する、格納容器保全設備。
  2. 前記第一冷却部により凝縮された前記第一貯留部の凝縮水を前記格納容器に送る第一凝縮水送出部と、
    前記第一貯留部における凝縮水の水位を検出する第一貯留部水位検出部と、
    前記第二冷却部により凝縮された前記第二貯留部の凝縮水を前記格納容器に送る第二凝縮水送出部と、
    前記第二貯留部における凝縮水の水位を検出する第二貯留部水位検出部と、
    を有する、請求項1に記載の格納容器保全設備。
  3. 前記第一貯留部に接続された分岐排気配管と、
    前記分岐排気配管に設けられた分岐排気開閉弁と、
    前記分岐排気配管に設けられた放射線検出部と、
    前記分岐排気配管の終端に設けられた排気筒と、
    を有する、請求項1または2に記載の格納容器保全設備。
  4. 前記格納容器の内部の事故前の圧力Pと前記格納容器の容量Vと前記格納容器の内部の事故前の温度Tとの関係P・V/T、前記第一貯留部の内部の事故前の圧力Pと前記第一貯留部の容量Vと前記第一貯留部の内部の事故前の温度T1との関係P・V/T、および前記第一貯留部の内部の事故後の想定圧力P’1と前記第一貯留部の容量V’と前記第一貯留部の内部の事故後の想定温度T’1との関係P’1・V’/T’から得られる式(P・V/T)+(P・V/T)=P’・V’/T’において、P=P、T=T、V=V’を代入してP’に応じたVを設定する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の格納容器保全設備。
  5. 炉心を収容する原子炉圧力容器を気密状態で格納する格納容器の内部のガスから放射性よう素や粒子状の放射性物質を除去するフィルタユニットと、
    前記フィルタユニットに接続されて前記格納容器の外部に引き出されて設けられた排気配管と、
    前記格納容器の外部で前記排気配管の端部に接続された第一貯留部と、
    前記第一貯留部と並列して前記格納容器の外部で前記排気配管の端部に接続された第二貯留部と、
    前記フィルタユニットを通過したガスの送り先を前記第一貯留部または前記第二貯留部に切り換える切換部と、
    前記第一貯留部に供給されたガス中の蒸気を凝縮させる第一冷却部と、
    前記第二貯留部に供給されたガス中の蒸気を凝縮させる第二冷却部と、
    を有する格納容器保全設備を使用する格納容器保全方法であって、
    事故時において前記切換部の切り換えにより前記第一貯留部に前記格納容器の内部のガスを貯留しつつ前記第一冷却部によりガス中の蒸気を凝縮させる第一工程と、
    前記第一工程の次に、前記切換部の切り換えにより前記第二貯留部に前記格納容器の内部のガスを貯留しつつ前記第二冷却部によりガス中の蒸気を凝縮させる第二工程と、
    を含む、格納容器保全方法。
  6. 前記格納容器保全設備が、
    前記第一冷却部により凝縮された前記第一貯留部の凝縮水を前記格納容器に送る第一凝縮水送出部と、
    前記第一貯留部における凝縮水の水位を検出する第一貯留部水位検出部と、
    前記第二冷却部により凝縮された前記第二貯留部の凝縮水を前記格納容器に送る第二凝縮水送出部と、
    前記第二貯留部における凝縮水の水位を検出する第二貯留部水位検出部と、
    を有しており、
    前記第一工程では、前記第一貯留部水位検出部による水位の検出に基づいて前記第一凝縮水送出部により前記第一貯留部の凝縮水を前記格納容器に送り、前記第二工程では、前記第二貯留部水位検出部による水位の検出に基づいて前記第二凝縮水送出部により前記第二貯留部の凝縮水を前記格納容器に送る、請求項5に記載の格納容器保全方法。
  7. 前記格納容器保全設備が、
    前記第一貯留部に接続された分岐排気配管と、
    前記分岐排気配管に設けられた分岐排気開閉弁と、
    前記分岐排気配管に設けられた放射線検出部と、
    前記分岐排気配管の終端に設けられた排気筒と、
    を有しており、
    前記第一工程および前記第二工程の後、所定期間経過して前記第一貯留部に貯留された放射性希ガスが減衰された場合、前記分岐排気開閉弁を開放して前記放射線検出部にて放射線量を検出しつつ前記分岐排気配管を通じて前記排気筒から前記第一貯留部に貯留されたガスを排気する第三工程を含む、請求項5または6に記載の格納容器保全方法。
  8. 前記格納容器保全設備が、
    前記格納容器の内部の事故前の圧力Pと前記格納容器の容量Vと前記格納容器の内部の事故前の温度Tとの関係P・V/T、前記第一貯留部の内部の事故前の圧力Pと前記第一貯留部の容量Vと前記第一貯留部の内部の事故前の温度T1との関係P・V/T、および前記第一貯留部の内部の事故後の想定圧力P’1と前記第一貯留部の容量V’と前記第一貯留部の内部の事故後の想定温度T’1との関係P’1・V’/T’から得られる式(P・V/T)+(P・V/T)=P’・V’/T’において、P=P、T=T、V=V’を代入してP’に応じたVが設定され、
    かつ、前記格納容器の内部の圧力を検出する格納容器圧力検出部と、
    前記第一貯留部の内部の圧力を検出する第一貯留部圧力検出部と、
    を有しており、
    前記第一工程において、前記格納容器圧力検出部が検出する圧力と、前記第一貯留部圧力検出部が検出する圧力とが均圧した場合、前記切換部により前記第二工程に切り換える、請求項5〜7のいずれか1つに記載の格納容器保全方法。
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