JPH11305049A - プラスチック光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

プラスチック光ファイバ母材の製造方法

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JPH11305049A
JPH11305049A JP10112204A JP11220498A JPH11305049A JP H11305049 A JPH11305049 A JP H11305049A JP 10112204 A JP10112204 A JP 10112204A JP 11220498 A JP11220498 A JP 11220498A JP H11305049 A JPH11305049 A JP H11305049A
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JP
Japan
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tube
optical fiber
plastic optical
fiber preform
monomer solution
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JP10112204A
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Inventor
Takashi Fujii
隆志 藤井
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い帯域幅を有するプラスチック光ファイバ
を作製しうるプラスチック光ファイバ母材の製造方法を
提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、クラッド管9とコア部21と
からなるプラスチック光ファイバ母材22の製造方法で
あって、クラッド管の一端を上向きにしてクラッド管9
内にコア部形成用モノマー溶液20を注入し、所定温度
に設定された加熱手段19でクラッド管9の外側から溶
液20を加熱し、冷却手段17でクラッド管9の上端部
を加熱手段19の温度より10℃以上低い温度に保持し
ながら、クラッド管9をその中心軸C2回りに回転させ
てモノマー溶液20を熱重合させ、クラッド管9内にコ
ア部21を形成して母材22を得る方法である。この場
合、溶液20を重合させる際に、溶液20中においてら
せん状の対流が起こり、溶液20全体にわたって温度が
均一となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック光フ
ァイバ母材の製造方法に関し、より詳細には、外側から
中心に向かって屈折率が大きくなるグレーテッド・イン
デックス型のプラスチック光ファイバ母材の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】グレーテッド・インデックス型のプラス
チック光ファイバ母材の製造方法には、例えば特開平9
−269424号公報に開示される方法がある。この方
法は、直管内にその長手方向に沿ったクラッドパイプを
製造し、続いて該クラッドパイプよりも屈折率が高く且
つ該クラッドパイプを膨潤または溶解させる重合性化合
物と非重合性化合物との混合物からなるコア液をクラッ
ドパイプ内に充填し、この直管をオイルバス中に入れて
加熱しかつ不活性ガスによって加圧した状態で該コア液
を重合させることによりプラスチック光ファイバ母材を
製造するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来からある製造方法においては、プラスチック光フ
ァイバ母材の屈折率分布が長手方向にわたって不均一と
なり、その結果、得られるプラスチック光ファイバの帯
域幅が狭くなる場合があった。
【0004】そこで、本発明は、上記事情に鑑み、広い
帯域幅を有するプラスチック光ファイバを得ることがで
きるプラスチック光ファイバ母材の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、プラスチ
ック光ファイバ母材の製造方法について鋭意研究した結
果、クラッド管内でコア部を重合させる際にコア部全体
の温度が均一とならず、プラスチック光ファイバ母材の
長手方向全体にわたって重合速度を一定にすることが困
難であることから上記問題点が生じることを見い出し、
本発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明は、クラッド管とそのク
ラッド管内に形成されたコア部とからなるプラスチック
光ファイバ母材の製造方法であって、クラッド管の一端
を上向きにしてクラッド管内にコア部形成用のモノマー
溶液を注入する注入工程と、所定温度に設定した加熱手
段によりクラッド管の外側からモノマー溶液を加熱し、
冷却手段によってクラッド管の上端部を設定温度よりも
10℃以上低い温度に保持しながらクラッド管をその長
手方向中心軸回りに回転させてモノマー溶液を熱重合さ
せ、クラッド管内にコア部を形成してプラスチック光フ
ァイバ母材を得る重合工程とを備えることを特徴とす
る。
【0007】この発明によれば、コア部形成用のモノマ
ー溶液を重合させる際に、モノマー溶液中でらせん状の
対流が起こり、コア部形成用モノマー溶液の全体にわた
って温度が均一となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプラスチック光フ
ァイバ母材の製造方法の好適な実施形態について図1〜
図4を用いて説明する。なお、全図中、同一又は相当す
る構成要素には、同一符号を付す。
【0009】図1は、プラスチック光ファイバ母材のク
ラッド管を製造する遠心成形装置を示す断面図である。
まず、図1に示すように、遠心成形用円筒管1の一端に
蓋2をし、他端に溶液供給管挿入用貫通孔3aが形成さ
れた蓋3をする。次いで、この遠心成形用円筒管1を、
水平に保持されたリング状ヒータ4内に同軸状に配置す
る。このとき、一方の蓋2は、回転力伝達チャック6に
て保持し、もう一方の蓋3は、軸受け5内に挿入してお
く。なお、図1において、7は溶液供給管、8はモノマ
ー溶液供給口、9は軸受け固定台、10は蓋密閉用ゴム
弾性リング、11は遠心成形装置、12は窒素ガス供給
用コック、13は減圧用コック、14は材料供給用コッ
クを示している。
【0010】次に、溶液供給管7の先端部を蓋3の貫通
孔3a内に挿入し、モノマー溶液供給口8からクラッド
管形成用のモノマー溶液を投入し、溶液供給用コック1
4を開いて遠心成形用円筒管1内にクラッド管形成用の
モノマー溶液を注入する。クラッド管形成用のモノマー
溶液は、少なくとも1種類のモノマー、重合開始剤、連
鎖移動剤及び/又は高屈折率ドーパントを含有するもの
である。モノマー溶液中のモノマーとしては、重合後に
伝送光に対して透明となるものであれば特に制限されな
いが、例えばメチルメタクリレート(以下、「MMA」
という)、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレ
ート(以下、「3FMA」という)、1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート
(6FMA)、2−フルオロアクリル酸2,2,2−ト
リフルオロエチル(3FFA)、2−フルオロアクリル
酸1,1−ジハイドロパーフルオロプロピル(5FF
A)、2−フルオロアクリル酸ヘキサフルオロイソプロ
ピル(HFIP2−FA)、2−フルオロアクリル酸ノ
ナフルオロt−ブチル、2−パーフルオロオクチルエチ
ルメタクリレート又はこれらの混合物が用いられる。ま
た、重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、過
酸化アセチル、アゾビスイソブチロニトリル、クメンハ
イドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、ジ
−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート(PBI)などが用いられ、連
鎖移動剤としては、例えばn−ブチルメルカプタン(n
−BM)、n−オクチルメルカプタン、ラウリルメルカ
プタン等のメルカプタン系の連鎖移動剤が用いられる。
更に、高屈折率ドーパントとしては、安息香酸ベンジ
ル、フタル酸ベンジル−n−ブチル、ジフェニルスルフ
ィド等が用いられる。
【0011】このようにして遠心成形用円筒管1内にク
ラッド管形成用のモノマー溶液を注入したならば、遠心
成形用円筒管1をその中心軸D回りに回転させながらリ
ング状ヒータ4を所定の温度に設定し、クラッド管形成
用モノマー溶液を重合させる。これにより、遠心成形用
円筒管1の内側にクラッド管9を得る。
【0012】次に、円筒管1から蓋3を取り外し(図2
(a)参照)、クラッド管9を円筒管1内に入れたまま
コア部の重合を行う。このようにクラッド管9を円筒管
1内に入れた状態にするのは、円筒管1によりクラッド
管9が例えば各種加熱オイル、熱水又は加熱アルコール
などの加熱媒体(加熱手段)と直接的に接触しないため
加熱媒体の選択の幅が広がり、また、円筒管1に加えら
れる熱量が円筒管1の内部の伝熱で分散しクラッド管9
に対して穏やかな加熱が可能となるからである。また、
母材の製造中・製造後の保管などの作業時にも円筒管1
が保護材として働くため、母材の破損が起こりにくくな
る。このとき、図3に示すように、円筒管1の端部に
は、蓋2が取り付けられている。
【0013】なお、以下の場合には、クラッド管9を円
筒管1から取り外してコア部を合成してもよい。すなわ
ち、コア部の重合中にクラッド管9が加熱媒体によって
変質することがない場合には、クラッド管9を円筒管1
から取り外してコア部を合成してもよい。このようにコ
ア部の合成前にクラッド管9を円筒管1から取り外す
と、クラッド管9の肉厚が薄いため変形する場合があ
る。しかしながら、重合により製造した母材がそのまま
取り出されるため、クラッド管9が円筒管1内に入れら
れた場合に比べて、重合後の母材の取出し作業が容易で
あり、母材の破損などが生じにくい。また、上記のよう
にクラッド管9を円筒管1から取り外す場合、クラッド
管9の端部に、後述するコア形成用モノマー材料20又
はその重合体などの流出を防止すべく蓋が取り付けられ
る。この場合、蓋を構成する材料としては、ガラス、金
属のほか、クラッド管9又はコア形成用モノマー材料2
0の重合体と同種の材料(同一材料を含む)などが挙げ
られる。これらのうち、クラッド管9又はコア形成用モ
ノマー材料20の重合体と同種の材料が好ましい。蓋の
材料としてクラッド管9又はコア形成用モノマー材料2
0の重合体と同種の材料を用いることで、材料の樹脂成
分が光ファイバ製造中にクラッド管9又はコア部の内部
に拡散して伝送特性が劣化せず、また周囲の温度変化に
より蓋に歪みが生じることがない。
【0014】このようなクラッド管9について、図2
(b)に示すように、クラッド管9の蓋3を取り外した
端部を上向きにしてクラッド管9の内部にコア形成用の
モノマー溶液20を注入する(注入工程)。ここで、コ
ア形成用のモノマー溶液20としては、クラッド管9の
製造に用いたモノマー溶液と同様の成分を含有するもの
を用いる。次いで、クラッド管9の上部開口に、熱電対
が貫通されたゴム栓を挿入し、熱電対の先端部がコア形
成用モノマー溶液20に浸漬されるようにする。
【0015】次に、図3(a)に示すように、冷却用チ
ューブ(冷却手段)17を円筒管1の上端部に巻き付け
る。ここで、上端部とは、円筒管1の開口端から円筒管
1の全長の0〜30%の長さまでの間の領域をいう。冷
却用チューブ17の巻付け回数は、通常は2〜10回で
ある。また、冷却用チューブ17としては、柔軟性が高
いことから、例えばシリコンチューブが用いられる。な
お、冷却用チューブ17と円筒管1との間には、冷却用
チューブ17と円筒管1との間の摩擦を低減すべくオイ
ルを介在させる。次いで、円筒管1の上端部の一部を把
持部材16にて把持する。
【0016】一方、水槽18を用意し、この水槽18内
に水を注入し、この水を加熱して熱水(加熱手段)19
とし、コア形成用モノマー溶液20を重合させ得る温度
に設定する。この設定温度は、モノマー溶液20に含有
されるモノマー、重合開始剤等によって異なるが、通常
は60〜80℃である。そして、円筒管1を傾斜させた
状態で円筒管1の下部を熱水19に挿入し、円筒管1及
びクラッド管9を介してモノマー溶液20を加熱する。
ここで、熱水19に挿入する円筒管1の下部の長さは、
クラッド管9内のコア形成用モノマー溶液20の全体が
熱水19に囲まれる長さであり、通常は円筒管1の全長
のうち50〜95%の長さである。これは、50%未満
では、得られる母材長が短くコストアップとなる傾向が
あり、95%を超えると、冷却用チューブ17が熱水1
9に浸漬され、冷却効果が落ちる傾向があるからであ
る。
【0017】また、クラッド管9は、鉛直軸C1に対し
て傾斜し、鉛直軸C1と円筒管1の長手方向中心軸C2
との間の角度θが5°〜75°となるようにすることが
好ましい。これは、鉛直軸C1と円筒管1の中心軸C2
との間の角度θが5°未満では、モノマー溶液20中で
対流がらせん状とならない傾向があり、θが75°を超
えると、クラッド管9の長手方向において対流しにくく
なり、長手方向における屈折率分布が均一となりにくい
傾向があるからである。
【0018】次に、冷却用チューブ17に冷却水を通す
ことにより円筒管1を介してクラッド管9の上端部を熱
水19の温度よりも10〜100℃だけ低い温度、より
好ましくは40〜80℃だけ低い温度に保持する。この
ようにするのは、熱水19の温度とクラッド管9の上端
部との間の温度差が10℃未満では、モノマー溶液20
中で対流が起こらなくなり、温度差が100℃を超える
と、重合速度が低下しすぎるからである。なお、冷却用
チューブ17に通す冷却水の温度は、例えば5〜30℃
である。
【0019】次に、図3(b)に示すように、円筒管1
をその長手方向中心軸C2の回りに回転させる(重合工
程)。このように円筒管1を回転させるのは、クラッド
管9内に形成されるコア部21の真円度(最大外径と最
小外径との比)を向上させるためである。このときのク
ラッド管9の回転速度は、好ましくは1〜300rpm
であり、より好ましくは10〜100rpmである。こ
れは、回転速度が1rpm未満では、モノマー溶液20
中の対流がらせん状とならず、コア部の屈折率分布が軸
対称でなくなったりコア部が非円したりする傾向があ
り、回転速度が300rpmを超えると、クラッド管9
の長手方向に対流しにくくなり、長手方向の屈折率分布
が均一となりにくい傾向があるからである。
【0020】このようにして、図4に示すように、クラ
ッド管9内のコア形成用モノマー溶液20を熱重合さ
せ、クラッド管9内にコア部21を形成し、最終的にク
ラッド管9の内部をコア部21で充填して、クラッド管
9とコア部21とからなるプラスチック光ファイバ母材
22を得る。
【0021】以上のような製造方法によれば、コア形成
用モノマー溶液20を重合させる際に、コア形成用のモ
ノマー溶液20中において、その表面付近の部分と底部
付近の部分との間でらせん状の対流が起こり、コア形成
用のモノマー溶液20の全体にわたって温度が均一とな
る。この結果、得られるプラスチック光ファイバ母材2
2の長手方向にわたって屈折率分布が均一となり、ひい
ては広い帯域幅を有するプラスチック光ファイバを得る
ことができる。
【0022】なお、本発明は、前述した実施形態に限定
されるものではない。例えば、前述の実施形態では、コ
ア部形成用モノマー溶液20を重合させる加熱手段とし
て、水19が用いられているが、水19に代えてリング
状ヒータが用いられてもよい。この場合、リング状ヒー
タは、円筒管1と同軸状に配置する。
【0023】また、クラッド管9の上端部を冷却するの
に冷却用チューブ17が用いられているが、冷風を吹き
付けることでクラッド管9の上端部が冷却されてもよ
い。
【0024】更に、クラッド管9の製造方法は、遠心成
形装置を用いて円筒管1の内側に形成する方法に限定さ
れず、種々の方法で作製可能である。例えば、押出法、
ワニス法、注型法などによっても作製することができ
る。
【0025】以下、実施例により、本発明の内容を更に
具体的に説明する。
【0026】
【実施例】(実施例1)まず、外径30mm、内径27
mm、長さ60cmのステンレス製円筒管を用意し、こ
の円筒管1の一端に蓋2をし、他端に溶液供給管挿入用
貫通孔3aが形成された蓋3をした。そして、この遠心
成形用円筒管1を、水平に保持されたリング状ヒータ4
内に同軸状に配置した。このとき、一方の蓋2は、回転
力伝達チャック6にて保持し、もう一方の蓋3は、軸受
け5内に挿入した。
【0027】次に、溶液供給管7の先端部を蓋3の貫通
孔3a内に挿入し、モノマー溶液供給口8からクラッド
管形成用のモノマー溶液を投入し、溶液供給用コック1
4を開いて円筒管1内にクラッド管形成用のモノマー溶
液を注入した。クラッド管形成用のモノマー溶液として
は、モノマー溶液中、MMAが99.3重量%、重合開
始剤としてのPBIが0.5重量%および連鎖移動剤と
してのn−BMが0.2重量%含有されたものを用い
た。
【0028】このようにして円筒管1内にクラッド管形
成用のモノマー溶液を注入したならば、円筒管1をその
中心軸D回りに回転させながらリング状ヒータ4を80
℃に設定し、クラッド管形成用モノマー溶液を重合させ
た。これにより、円筒管1の内側に外径27mm、内径
20mm、長さ60cmのクラッド管9を得た。
【0029】次に、円筒管1から蓋3を取り外し、クラ
ッド管9の一端を上向きにしてクラッド管9の内部にコ
ア形成用のモノマー溶液20を注入した。ここで、コア
形成用のモノマー溶液20としては、溶液20中、MM
Aが79.3重量%、重合開始剤としてのPBIが0.
5重量%、連鎖移動剤としてのn−BMが0.2重量%
および高屈折率ドーパントとしての安息香酸ベンジル
(BEN)が20重量%含有されたものを用いた。この
コア形成用モノマー溶液20は、クラッド管9の開口端
から5cmのところまで注入した。
【0030】次に、クラッド管9の上部開口に、熱電対
を取り付けたゴム栓をし、熱電対の先端部がコア形成用
モノマー溶液20の液面から3cmの深さまで浸漬され
るようにした。次いで、円筒管1の上端部の一部を把持
部材16を用いて把持し、その後、円筒管1の外周面に
おいて上部開口端から0〜10cmの領域にシリコーン
オイル(KF54、信越化学製)を塗布し、その上に内
径8mm、外径12mm、長さ10mのシリコンチュー
ブ17を5回巻き付けた。一方、深さ60cmの水槽1
8に深さ55cmだけ水を注入し、この水を加熱して熱
水19とした。なお、熱水19は、攪拌することで75
〜77℃となるように調整した。そして、円筒管1の下
部50cmを熱水19に挿入し、円筒管1の上部10c
mを水面から出るようにし、このようにしてモノマー溶
液20をクラッド管9の外側から加熱し、重合させた。
このとき、クラッド管9の傾斜角、すなわち鉛直軸C1
と長手方向中心軸C2とのなす角θは20°とした。
【0031】次に、シリコンチューブ17に10℃の冷
却水を通すことにより円筒管1を冷却し、これによりク
ラッド管9の上端部を約50℃に保持した。クラッド管
9の上端部の温度は、上記の熱電対によりコア形成用モ
ノマー材料20を介して測定した。次いで、クラッド管
9をその長手方向中心軸C2の回りに30rpmで48
時間回転させた。このようにして、クラッド管9の内部
にコア部21が充填され、これらを円筒管1から取り出
すことにより、コア部21の屈折率分布がグレーテッド
・インデックス型のプラスチック光ファイバ母材22を
得た。
【0032】このプラスチック光ファイバ母材22のう
ち、クラッド管9内にコア部21が充填された有効部は
40cmであった。この有効部について、長手方向に沿
って4cmごとに10個所の屈折率分布をプリフォーム
アナライザ(セイコー電子工業製P104屈折率分布測
定器)を用いて測定した。この結果を図5に示す。図5
において、縦軸はコア部21とクラッド管9との屈折率
差(Δn)を表し、横軸は、プラスチック光ファイバ母
材の半径を100%としたときに母材の中心からの距離
を表す(以下、図7〜図11についても同じ)。図5に
示すように、10個所の屈折率分布はほとんど同じであ
った。また、このプラスチック光ファイバ母材22を図
6に示す線引装置を用いて線引きを行い、得られたプラ
スチック光ファイバについて650nmのレーザダイオ
ードとサンプリングオシロスコープ(00S−01、浜
松ホトニクス社製)を用い、パルス法によりプラスチッ
ク光ファイバの長さ20mの部分10個所について帯域
幅を測定した。一方、プラスチック光ファイバ母材22
のコア部21の真円度をプロジェクタ6C−2(ニコン
社製)を用い10個所について測定した。その結果を表
1に示す。表1において、帯域幅は、測定した10個所
中の最低値を表し、真円度は、測定した10個所の平均
値(単位は%)を表す。なお、図6において、符号23
は線引装置、24はケース、25は円筒状の炉心管、2
6はファイバ取出口、27は母材挿入口、28はプラス
チック光ファイバ、29はファイバ巻き取り器、30は
円筒状のヒータを示すものである。
【0033】
【表1】
【0034】(実施例2)コア形成用モノマー溶液20
を重合させる際にステンレス製円筒管を鉛直軸C1と長
手方向中心軸C2とのなす角θが0°となるようにした
以外は、実施例1と同様にしてプラスチック光ファイバ
母材22を製造した。このプラスチック光ファイバ母材
22について実施例1と同様にして、プラスチック光フ
ァイバ母材22の長手方向に沿って4cmごとに10個
所の屈折率分布を測定した。この結果を図7に示す。図
7に示すように、屈折率分布は2個所でコア部21の中
央部がやや盛り上がり、1個所でコア部21の中央部が
やや盛り下がっていた。また、このプラスチック光ファ
イバ母材22を図6に示す線引装置23を用いて線引き
を行い、得られたプラスチック光ファイバ28について
実施例1と同様にして帯域幅を測定し、一方、プラスチ
ック光ファイバ母材22のコア部21について真円度を
測定した。その結果を表1に示す。
【0035】(実施例3)コア形成用モノマー溶液20
を重合させる際にステンレス製円筒管1を、鉛直軸C1
と長手方向中心軸C2とのなす角θが2°となるように
した以外は、実施例1と同様にしてプラスチック光ファ
イバ母材22を製造した。このプラスチック光ファイバ
母材22について実施例1と同様にして、プラスチック
光ファイバ母材22の長手方向に沿って4cmごとに1
0個所の屈折率分布を測定した。この結果を図8に示
す。図8に示すように、屈折率分布は1個所でコア部の
中央部がやや盛り下がっていた。また、このプラスチッ
ク光ファイバ母材22を図6に示す線引装置23を用い
て線引きを行い、得られたプラスチック光ファイバ28
について実施例1と同様にして帯域幅を測定し、一方、
プラスチック光ファイバ母材22のコア部21について
真円度を測定した。その結果を表1に示す。
【0036】(実施例4)コア形成用モノマー溶液20
を重合させる際にステンレス製円筒管を鉛直軸C1と長
手方向中心軸C2とのなす角θが80°となるようにし
た以外は、実施例1と同様にしてプラスチック光ファイ
バ母材22を製造した。このプラスチック光ファイバ母
材22について実施例1と同様にして、プラスチック光
ファイバ母材22の長手方向に沿って4cmごとに10
個所の屈折率分布を測定した。この結果を図9に示す。
図9に示すように、屈折率分布は、ステンレス製円筒管
1の下部に近くなるほどコア部21の屈折率差がやや減
少していた。また、このプラスチック光ファイバ母材2
2を図6に示す線引装置23を用いて線引きを行い、得
られたプラスチック光ファイバ28について実施例1と
同様にして帯域幅を測定し、一方、プラスチック光ファ
イバ母材22のコア部21について真円度を測定した。
その結果を表1に示す。
【0037】(実施例5)コア形成用モノマー溶液20
を重合させる際にステンレス製円筒管1を長手方向中心
軸C2の回りに350rpmで回転させた以外は、実施
例1と同様にしてプラスチック光ファイバ母材22を製
造した。このプラスチック光ファイバ母材22について
実施例1と同様にして、プラスチック光ファイバ母材2
2の長手方向に沿って4cmごとに10個所の屈折率分
布を測定した。この結果を図10に示す。図10に示す
ように、屈折率分布は、ステンレス製円筒管1の下部に
近くなるほどコア部21の屈折率がやや増加していた。
また、このプラスチック光ファイバ母材22を図6に示
す線引装置23を用いて線引きを行い、得られたプラス
チック光ファイバ28について実施例1と同様にして帯
域幅を測定し、一方、プラスチック光ファイバ母材22
のコア部21について真円度を測定した。その結果を表
1に示す。
【0038】(比較例1)コア形成用モノマー溶液20
を重合させる際に、コア液面をオイルバス液面よりも5
cm低くすることによりクラッド管9の上端部の温度を
75℃とした以外は、実施例1と同様にしてプラスチッ
ク光ファイバ母材22を作製した。このプラスチック光
ファイバ母材22について実施例1と同様にして、プラ
スチック光ファイバ母材22の長手方向に沿って4cm
ごとに10個所の屈折率分布を測定した。この結果を図
11に示す。図11に示すように、屈折率分布は、10
個所で中央部に屈折率の乱れが見られた。また、このプ
ラスチック光ファイバ母材22を図6に示す線引装置2
3を用いて線引きを行い、得られたプラスチック光ファ
イバ28について実施例1と同様にして帯域幅を測定
し、一方、プラスチック光ファイバ母材22のコア部2
1について真円度を測定した。その結果を表1に示す。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のプラスチッ
ク光ファイバ母材の製造方法によれば、コア部形成用の
モノマー溶液を重合させる際に、モノマー溶液中におい
てらせん状の対流が起こり、コア部形成用モノマー溶液
の全体にわたって温度が均一となる。この結果、得られ
るプラスチック光ファイバ母材の長手方向にわたって、
屈折率分布が均一となり、ひいては広い帯域幅を有する
プラスチック光ファイバを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック光ファイバ母材のクラッ
ド管を製造する遠心成形装置を示す断面図である。
【図2】(a)及び(b)は、クラッド管の一端を上向
きにしてクラッド管内にコア形成用のモノマー溶液を注
入する注入工程を示す図である。
【図3】(a)及び(b)は、クラッド管を熱水に挿入
し、コア形成用のモノマー溶液を加熱しながらクラッド
管をその長手方向中心軸回りに回転させる一連の工程を
示す図である。
【図4】得られるプラスチック光ファイバ母材を示す断
面図である。
【図5】実施例1で得られたプラスチック光ファイバ母
材の長手方向における10個所の屈折率分布を示すグラ
フである。
【図6】線引装置の構成を示す断面図である。
【図7】実施例2で得られたプラスチック光ファイバ母
材の長手方向における10個所の屈折率分布を示すグラ
フである。
【図8】実施例3で得られたプラスチック光ファイバ母
材の長手方向における10個所の屈折率分布を示すグラ
フである。
【図9】実施例4で得られたプラスチック光ファイバ母
材の長手方向における10個所の屈折率分布を示すグラ
フである。
【図10】実施例5で得られたプラスチック光ファイバ
母材の長手方向における10個所の屈折率分布を示すグ
ラフである。
【図11】比較例1で得られたプラスチック光ファイバ
母材の長手方向における10個所の屈折率分布を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
9…クラッド管、17…冷却用チューブ(冷却手段)、
19…熱水(加熱手段)、20…コア部形成用のモノマ
ー溶液、21…コア部、22…プラスチック光ファイバ
母材、C1…鉛直軸、C2…中心軸、θ…鉛直軸と中心
軸とのなす角度。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラッド管とそのクラッド管内に形成さ
    れたコア部とからなるプラスチック光ファイバ母材の製
    造方法であって、 前記クラッド管の一端を上向きにして前記クラッド管内
    にコア部形成用のモノマー溶液を注入する注入工程と、 所定温度に設定した加熱手段により前記クラッド管の外
    側から前記モノマー溶液を加熱し、冷却手段により前記
    クラッド管の上端部を前記設定温度よりも10℃以上低
    い温度に保持しながら前記クラッド管をその長手方向中
    心軸回りに回転させて前記モノマー溶液を熱重合させ、
    前記クラッド管内に前記コア部を形成して前記プラスチ
    ック光ファイバ母材を得る重合工程と、を備えることを
    特徴とするプラスチック光ファイバ母材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記重合工程において、前記クラッド管
    をその長手方向中心軸回りに1〜300rpmの速度で
    回転させることを特徴とする請求項1に記載のプラスチ
    ック光ファイバ母材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記重合工程において、前記クラッド管
    をその長手方向中心軸が鉛直軸に対して5°〜75°と
    なるように傾斜させることを特徴とする請求項1又は2
    に記載のプラスチック光ファイバ母材の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020029357A (ko) * 2002-03-13 2002-04-18 임천 광섬유 원료용 프리폼 제조장치
JP2003066249A (ja) * 2001-08-23 2003-03-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd 光伝送体、その製造方法および検査方法、並びにレンズアレイ、ledプリンタ及びスキャナ
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JP2007034063A (ja) * 2005-07-28 2007-02-08 Keio Gijuku 蓄熱効果を利用する自発的フロンタルポリメリゼーションによる改良された屈折率分布型光伝送体の作製方法

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