JPH11304917A - 探査能力導出方法並びに装置、及び、探査装置 - Google Patents

探査能力導出方法並びに装置、及び、探査装置

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JPH11304917A
JPH11304917A JP10114651A JP11465198A JPH11304917A JP H11304917 A JPH11304917 A JP H11304917A JP 10114651 A JP10114651 A JP 10114651A JP 11465198 A JP11465198 A JP 11465198A JP H11304917 A JPH11304917 A JP H11304917A
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JP
Japan
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reflection time
medium
signal
correction
amplitude
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Pending
Application number
JP10114651A
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English (en)
Inventor
Hideki Hayakawa
秀樹 早川
Akira Kawanaka
彰 川中
Shigetsune Kitazaki
恵凡 北崎
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 探査対象の各部位において媒質定数が異なる
場合にあっても、柔軟に対応できる探査能力導出方法を
得る。 【解決手段】 媒質の表面を移動しながら、波動信号を
媒質中へ放射し、媒質中に存在する物体からの反射信号
を受信する送受信工程と、波動信号の物体からの反射時
間tに応じた率で反射信号の振幅を補正する信号強度調
整工程と、振幅補正後の受信信号強度に対する媒質表面
上の位置と反射時間tを座標とする画像データを生成す
る画像データ生成工程とを順次実行し、前記媒質中に存
在する物体の位置を探査する探査方法において、画像デ
ータに対して、反射時間t方向に於ける各受信信号強度
の2乗振幅平均値を位置毎の反射時間強度として求め、
この反射時間強度の分布から有効反射時間分布を各位置
毎に得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、媒質の表面を移動
しながら、電磁波または音波による波動信号を前記媒質
中へ放射し、前記媒質中に存在する物体からの反射信号
を受信して、前記媒質中に存在する物体の位置を探査す
る探査方法及び装置に関し、更に詳しくは、前記探査方
法及び装置に対する、探査能力を導出する方法及び装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁波または音波による波動信号を媒質
中へ放射し、媒質中に存在する物体からの反射信号を受
信して、前記媒質中に存在する物体の位置を探査する探
査方法または装置の一つとして、音波の反射を利用して
水中物体を探知する探査方法または装置がある。この種
の探査方法または装置においては、水中物体を探知する
センサの探知能力を計算し、探知能力可能領域を表示す
る目標存在領域表示方法が採用されている。前記目標存
在領域表示方法の一例が特開昭63−261182号公
報に開示されており、図11にその処理手順を示す。
【0003】図11において、水中物体探知装置は、水
中物体を探知するセンサ91と、前記センサ91の探知
能力値を計算するセンサ能力計算部92と、水中の音波
伝搬距離に応じた伝搬損失を計算する伝搬状況計算部9
3と、前記センサ能力計算部92のセンサの探知能力値
と前記伝搬状況計算部93の伝搬損失をもとに水中物体
の探知可能領域を求める探知可能領域計算部94、前記
センサ能力計算部92、伝搬状況計算部93、及び、探
知可能領域計算部94の動作を制御するための各種制御
命令、データ等を入力する入力部95と、センサの探知
能力値や伝搬状況等を記憶する記憶部96と、前記セン
サ91の探知情報や、センサ能力計算部92・伝搬状況
計算部93・探知可能領域計算部94の計算結果等を表
示する表示部97とから構成される。
【0004】センサ能力計算部92において、センサの
探知能力値は、[探知能力値]=[音源の強さ]−
{[水中雑音レベル]−[センサの指向性利得]+[セ
ンサの検出しきい値(探知確率)]}により計算され、
探知確率を変えることにより、それに応じた探知能力値
を計算する。伝搬状況計算部93は入力部95から入力
される水温データ・水深データ・天候データ・水中物体
の出す音波の周波数等に基づいて音波の伝搬距離に対す
る伝搬損失を計算する。
【0005】図12(イ)は伝搬状況計算部93によっ
て求められた音波の伝搬距離に対する伝搬損失の特性の
一例である。図12(ロ)において、探知能力値は入力
部95より入力される探知確率aをもとにセンサ能力計
算部92により求められる。そして、伝搬損失が探知能
力値より小さい領域(図中斜線部分)では、センサ91
が探知確率aに応じた水中物体を探知できる能力を有し
ていることを意味している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術によ
る探査能力を導出する方法を、例えば、媒質中に存在す
る物体の位置を探査する探査方法の一例である電磁波を
用いた地中探査に適用しようとした場合、伝搬状況を計
算するためには、送信機の送信出力、受信機の検出可能
な最小信号強度、使用する電磁波の周波数、使用するア
ンテナの利得、探査する地中の導電率及び比誘電率等の
値が必要となる。しかしながら、探査システムの性能を
示す、送信機の送信出力、受信機の検出可能な最小信号
強度、使用する電磁波の周波数、使用するアンテナの利
得等は事前に知ることができるが、探査する地中の導電
率及び比誘電率は、土壌の種類、探査時の含水率によっ
て変化し、しかも、探査領域内で(特に深さ方向に)不
均質な分布となっているため、掘削せずにこれらの値を
求めることは極めて困難である。このため、上記従来技
術による処理手順を電磁波を用いた地中探査に適用する
ことができなかった。さらに、発明者らは、特願平8−
197357において、空間位置xと反射時間tとを両
軸とする2次元画像データ(これは例えば地中の断面画
像となる)を対象として、各反射時間t毎の2次元画像
データの一様化処理をおこない、1次元反射時間強度分
布を求めるとともに、この分布に関して、振幅補正前の
データと振幅補正後のデータとを求め、所定の閾値に基
づいて、これらのデータから信頼性の高い探査データが
得られる有効反射時間(深度)が、どの位置にあるかを
確認する手法を提案している。しかしながら、この手法
においては、例えば地中における土質が水平方向に均一
であることを予定しているため、例えば、探査領域内に
おいて土質が大きく変化(地表の広がり方向および深度
方向共に含む)している場合は、信頼性の高い探査デー
タが得られている有効反射時間(深度)を良好に割り出
すことに改良の余地がある。従って、本発明は上述のよ
うな従来技術の有する問題点を解消するためになされた
ものであり、従来技術において処理されていた伝搬状況
の計算を行わず、つまり、探査媒質中を伝搬する波動信
号に係わる媒質定数(地中探査においては、地中の導電
率及び比誘電率)を知ることなく、「どの深さ(距離)
まで有効に探査信号が届き、対象物体から反射して返っ
てくるのか」を示す有効反射深度を自動的に判断でき、
媒質中に存在する物体の位置を探査する探査方法及び装
置において、簡単にその探査能力を知ることのできる探
査能力導出方法及び装置を提供すること、さらに、探査
領域内において媒質定数が大きく変化することがある場
合にあっても、適切な探査能力の限界点を特定できる技
術を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】〔構成〕この目的を達成
するための本発明に係わる第一の特徴構成は、探査能力
導出方法に関し、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載
した通り、媒質の表面を移動しながら、電磁波または音
波による波動信号を前記媒質中へ放射し、前記媒質中に
存在する物体からの反射信号を受信する送受信工程と、
前記波動信号の前記物体からの反射時間tに応じた増幅
率または減衰率で前記反射信号の振幅を補正する信号強
度調整工程と、前記振幅補正後の受信信号強度に対する
前記媒質表面上の位置と反射時間tを座標とする画像デ
ータを生成する画像データ生成工程とを順次実行し、前
記媒質中に存在する物体の位置を探査する探査方法にお
いて、前記画像データ生成工程で生成された前記画像デ
ータに対して、前記各座標の受信信号強度の代表値を、
前記座標毎の反射時間強度として求め、前記振幅補正後
の反射時間強度分布を求める代表値計算工程と、前記代
表値計算工程で求めた前記反射時間強度分布に対し前記
振幅補正の逆補正に相当する補正を施し、前記振幅補正
前の反射時間強度分布を求める逆補正工程を備え、前記
代表値計算工程で得られた前記振幅補正後の反射時間強
度分布において、前記媒質表面上の位置毎に、信号強度
(この場合の信号強度は、反射時間強度分布に対応する
ため、実質上は反射時間強度である)が前記振幅補正後
の受信信号の有効性を判定する第1閾値以下となる最小
の反射時間である第1有効反射時間を求める第1判定工
程と、前記振幅補正前の反射時間強度分布に対して、前
記媒質表面上の位置毎に、信号強度(この場合の信号強
度は、反射時間強度分布に対応するため、実質上は反射
時間強度である)が前記振幅補正前の受信信号の有効性
を判定する第2閾値以下となる最小の反射時間である第
2有効反射時間を求める第2判定工程を備え、前記媒質
表面上の位置毎に、前記第1有効反射時間と前記第2有
効反射時間の小さい方を真の有効反射時間とする第3判
定工程とを実行して、反射時間tの有効範囲を求める点
にある。
【0008】同第二の特徴構成は、探査能力導出方法に
関し、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した通り、
上述の第一の特徴構成が対象とする同じ探査方法におけ
る画像データ生成工程で生成された前記画像データに対
して、前記各座標の受信信号強度の代表値を前記座標毎
の反射時間強度として求め、前記振幅補正後の反射時間
強度分布を求める代表値計算工程と、前記代表値計算工
程で求めた前記反射時間強度分布に対し前記振幅補正の
逆補正に相当する補正を施し、振幅補正前の反射時間強
度分布を求める逆補正工程と、前記逆補正工程で求めた
前記振幅補正前の反射時間強度分布に対し、前記反射時
間t方向にカーブフィティング処理を施し、カーブフィ
ティング後の振幅補正前の反射時間強度分布に対し、前
記振幅補正と同等の補正を施し、前記振幅補正後の反射
時間強度分布と置換する第2補正工程とを備え、前記第
2補正工程で得られた前記振幅補正後の反射時間強度分
布において、前記媒質表面上の位置毎に、信号強度(こ
の場合の信号強度は、反射時間強度分布に対応するた
め、実質上は反射時間強度である)が前記振幅補正後の
受信信号の有効性を判定する第1閾値以下となる最小の
反射時間である第3有効反射時間を求める第4判定工程
と、前記カーブフィティング後の前記振幅補正前の反射
時間強度分布に対して、前記媒質表面上の位置毎に、信
号強度(この場合の信号強度は、反射時間強度分布に対
応するため、実質上は反射時間強度である)が前記振幅
補正前の受信信号の有効性を判定する第2閾値以下とな
る最小の反射時間である第2有効反射時間を求める第2
判定工程とを備え、前記媒質表面上の位置毎に、前記第
3有効反射時間と前記第2有効反射時間の小さい方を真
の有効反射時間とする第5判定工程とを実行して、反射
時間tの有効範囲を求める点にある。ここで、代表値と
は、受信信号強度の大きさに従って正の値をとる値(強
度の絶対値が大きい場合は大きい値を取る)であり、こ
のような値の例としては、受信信号強度の2乗振幅値、
受信信号強度の絶対値等である。以下にあっても、本願
で使用する代表値の意味は、この意味で使用する。ま
た、第一の特徴構成と、第二の特徴構成において、第2
閾値に対する判別をおこなう工程を、共通して第2判定
工程と表現しているが、それぞれにおいて判定の対象と
する分布は異にしており、第一の特徴構成の場合は、こ
れが、カーブフィティング工程を経ていない元分布を対
象とするため、元分布第2判定工程と呼ぶことができ、
第二の特徴構成の場合は、これが、カーブフィティング
工程を経た分布を対象とするため、カーブフィティング
済第2判定工程と呼ぶことができる。
【0009】同第三の特徴構成は、探査能力導出方法に
関し、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載した通り、
上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記代表値
計算工程において、工程の先頭部分に、前記画像データ
の位置毎の反射時間t方向の信号波形を前記信号波形の
包絡線で置換する工程を追加した点にある。
【0010】同第四の特徴構成は、探査能力導出方法に
関し、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載した通り、
上述の第一、二または第三の特徴構成に加えて、前記各
判定工程の後に得られる有効反射時間分布の内の少なく
とも一つの有効反射時間分布に対して、前記位置座標方
向の分布に対してスムージング処理を施し、スムージン
グ処理前の原有効反射時間分布と置換する工程を追加し
た点にある。
【0011】同第五の特徴構成は、探査能力導出装置に
関し、特許請求の範囲の欄の請求項5に記載した通り、
媒質の表面を移動しながら、電磁波または音波による波
動信号を前記媒質中へ放射し、前記媒質中に存在する物
体からの反射信号を受信する送受信手段と、前記波動信
号の前記物体からの反射時間tに応じた増幅率または減
衰率で前記反射信号の振幅を補正する信号強度変調手段
と、前記振幅補正後の受信信号を入力して受信信号強度
に対する前記媒質表面上の位置と反射時間tを座標とす
る画像データを出力する画像データ生成手段とを備えて
なり、前記媒質中に存在する物体の位置を探査する探査
装置に対する探査能力導出装置であって、前記画像デー
タを入力して、前記各座標の受信信号強度の代表値を、
前記座標毎の反射時間強度として求め、前記振幅補正後
の反射時間強度分布を出力する代表値計算手段と、前記
振幅補正後の反射時間強度分布を入力可能で、入力され
た反射時間強度分布に対して、前記信号強度変調手段で
実行する前記振幅補正の逆補正に相当する補正を施し、
前記振幅補正前の反射時間強度分布を出力する逆補正手
段と、任意の反射時間強度分布と所定の信号強度閾値を
入力可能で、入力された反射時間強度分布の信号強度が
前記信号強度閾値以下となる最小の反射時間を、前記位
置毎に有効反射時間として出力する有効反射時間抽出手
段と、前記有効反射時間を入力可能で、前記位置毎に、
二つの入力値を比較して小さい方を選択して出力する比
較選択手段とを備えている点にある。
【0012】同第六の特徴構成は、探査能力導出装置に
関し、特許請求の範囲の欄の請求項6に記載した通り、
上述の第五の特徴構成に加えて、前記振幅補正前の反射
時間強度分布を入力可能で、入力された前記振幅補正前
の反射時間強度分布に対しカーブフィティングを施すカ
ーブフィティング手段と、カーブフィティング後の前記
振幅補正前の反射時間強度分布を入力可能で、入力され
た反射時間強度分布に対して、前記信号強度変調手段で
実行する前記振幅補正と同等の補正を施し、前記振幅補
正後の反射時間強度分布を出力する順補正手段を備えて
いる点にある。ここで、このカーブフィティング手段が
働いてカーブフィティングを行う方向は、反射時間t方
向とする。
【0013】同第七の特徴構成は、探査能力導出装置に
関し、特許請求の範囲の欄の請求項7に記載した通り、
上述の第五または第六の特徴構成に加えて、任意の有効
反射時間分布を入力可能で、入力された有効反射時間分
布に対して、前記位置座標方向のスムージング処理を施
すスムージング処理手段を備えている点にある。
【0014】同第八の特徴構成は、探査装置に関し、特
許請求の範囲の欄の請求項8に記載した通り、媒質の表
面を移動しながら、電磁波または音波による波動信号を
前記媒質中へ放射し、前記媒質中に存在する物体からの
反射信号を受信する送受信手段と、前記波動信号の前記
物体からの反射時間tに応じた増幅率または減衰率で前
記反射信号の振幅を補正する信号強度変調手段と、前記
振幅補正後の受信信号を入力して受信信号強度に対する
前記媒質表面上の位置と反射時間tを座標とする画像デ
ータを出力する画像データ生成手段とを備えてなる、前
記媒質中に存在する物体の位置を探査する探査装置であ
って、請求項5、6または7記載の探査能力導出装置
と、前記画像データ及び前記探査能力導出装置の出力結
果を表示可能な出力装置を備えてなる点にある。
【0015】〔作用〕第一、第二、第五、または第六の
特徴構成によれば、探査によって得られた前記画像デー
タに関して、各位置毎に、例えば2乗振幅値、絶対値等
を代表値として、反射時間強度分布を求めることで、受
信した前記反射信号の受信入力端での有効性、つまり、
受信機の検出可能な最小信号強度より大きいかの判定
(第2判定工程)と、受信した前記反射信号の受信出力
端での有効性、つまり、前記受信機の雑音レベルより大
きいかの判定(第1判定工程または第4判定工程)の二
つの判定工程を組み合わせることにより、従来技術のよ
うに伝搬状況等を媒質定数とモデル式を用いて計算する
ことなく、実際に計測された受信信号強度分布の値のみ
から、各位置毎に有効反射深度を導出することができ
る。結果、媒質表面の広がり方向において、媒質の媒質
定数が変化しても個別に対応できるようになる。ここ
で、受信機とは、前記送受信工程と前記信号強度調整工
程または前記送受信手段と前記信号強度変調手段におけ
る反射信号の受信増幅に係わる信号処理部を指す。さら
に、本願第二、六の特徴手段を採用する場合は、カーブ
フィティング工程で処理後の滑らかになったデータに基
づく、第2補正工程で得られる振幅補正後の反射時間強
度分布を使用するので、ノイズに対して安定した有効反
射時間を得ることができる。
【0016】さらに、第三の特徴構成によれば、受信信
号強度が反射時間t方向に対して、正負両極性にわたる
0値を含む変動の激しい分布になる場合があっても、前
記画像データの段階で前記受信信号強度が反射時間t方
向に対して、ゆるやかに変化する分布となり、代表値計
算工程での誤差が小さくなり、結果として、滑らかな変
化の反射時間強度分布が得られ、精度よく有効反射時間
を導出することができる。
【0017】さらに、本願の手法の場合は、各位置毎に
有効反射時間を得ることとなるため、媒質が不均一な場
合に対応しやすいが、第四または第七の特徴構成によれ
ば、スムージング処理を施すことで、ノイズによるばら
つきを軽減できる。さらに、上記のような探査能力導出
装置を備えた探査装置を本願第八の特徴構成のように構
築することで、探査媒質中を伝搬する波動信号に係わる
媒質定数を知ることなく、「どの深さ(距離)まで有効
に探査信号が届き、対象物体から反射して返ってくるの
か」を示す有効反射時間(深度)を自動的に得ることが
できるとともに、これを出力することができ、さらに、
探査領域内において媒質定数が大きく変化することがあ
る場合にあっても、適切な探査能力の限界点を特定でき
る探査装置を得ることができた。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に示すように、媒質である土
壌1にガス等の流体を配送する鋼管などの物体2が埋設
されており、送受信手段である送受信機10とデータ解
析手段であるデータ解析装置20を備えた探査装置3が
地表面を移動しながら、前記物体2の埋設位置を探査す
る。前記送受信機10は例えば100MHz〜1GHz
の図2(イ)に例示する単発のパルス信号を送信回路1
3で発生し、送信アンテナ11より電磁波として土壌1
に放射する。前記送信アンテナ11より放射された電磁
波の中の物体に入射した入射波4は物体2表面で反射散
乱し、その中の反射波5が受信アンテナ12で受信され
た後、受信回路14において、図2(ロ)に例示するよ
うな受信信号として復調増幅される。前記送信アンテナ
11より放射され、受信アンテナ12で受信されるまで
の時間差ΔTは土壌1の表面から物体2までの距離と土
壌1の比誘電率εまたは電磁波の伝搬速度vより一義的
に決定される。送信アンテナ11と受信アンテナ12は
一定間隔で地表面に対向して配置され、図1中のx方向
に物体2を横切るように、さらに、物体2の配設方向で
ある紙面表裏方向のy方向にも移動する。
【0019】前記送受信機10に、前記受信回路14の
増幅部の利得を前記時間差ΔTに応じて変調する信号強
度変調手段15を設け、前記時間差ΔTが長くなるにつ
れて土壌1を伝搬する前記パルス信号の損失が大きくな
り、受信信号強度が減衰するのを振幅補正し、前記時間
差ΔT、つまりは反射時間tの増加に対して急激に減衰
しない受信信号強度分布を得ることができ、次段以降の
信号処理に必要な信号強度を確保する。具体的には、前
記信号強度変調手段15は前記単発のパルス信号の送信
タイミングに同期して、前記時間差ΔTの増加に伴い減
衰率を所定の変化率で自動的に低下させる減衰器で構成
され、前記増幅部の所定個所に挿入してある。
【0020】データ解析装置20はマイクロコンピュー
タや半導体メモリ等によって構成されるデータ処理部2
1と外部からの操作指示を入力するキーボード等の入力
部22と各処理段階での画像データや出力結果を表示す
る陰極線管ディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示部
23と前記各処理段階での画像データや出力結果等を保
管格納する磁気ディスク等の外部補助記憶部24から構
成されている。この受信回路14において受信信号は、
前記信号強度変調手段15による振幅補正後に、波形の
スムーシング等の雑音除去処理やA/D変換処理等の前
置処理が施され、ディジタル信号として前記データ処理
部21へ出力される。前記データ解析装置20では前記
ディジタル化された受信信号より、物体2を含む土壌1
の断面画像を、前記アンテナ11及び12の位置(x,
y)と前記反射波5の前記物体2からの反射時間tを座
標(x,y,t)とする3次元ボクセル画像データ(画
像データの一例)として生成する。ここで、受信信号強
度を複数階調で輝度表示し、図2(ロ)に示すように、
信号強度の正値を白(輝度大)、信号強度の負値を黒
(輝度小)、信号強度0を中間階調として表示部23に
表示する。
【0021】図3に示すように、前記データ処理部21
は、制御部30、3次元ボクセル画像データ生成手段3
1、2乗振幅値計算手段(代表値計算手段の一例)3
2、逆補正手段33、順補正手段34、有効反射時間抽
出手段36、比較選択手段37、カーブフィティング処
理手段38、出力処理手段39、内部データバス40、
制御・アドレスバス41、スムージング処理手段42か
ら構成されている。尚、前記2乗振幅値計算手段32は
2乗値計算手段(図示せず)を備えている。上述のよう
に、前記データ処理部21は、マイクロコンピュータや
半導体メモリ等によって具体的に構成されるが、図3に
示す各機能手段はこれらマイクロコンピュータや半導体
メモリ等の一部または全部を使用して、内部データバス
40、制御・アドレスバス41によって有機的に結合さ
れることで実現される。
【0022】図4及び図5に、前記データ処理部21で
の典型的なデータ処理手順のフローチャートを示す。図
5に示すデータ処理手順は、図4に示すデータ処理手順
と本質的に同等であるため、先ず、図5に示すフローチ
ャートに基づいて、前記データ処理部21でのデータ処
理手順及び各部の動作に付いて説明する。尚、図4及び
図5に示すデータ処理手順の相違点については後述す
る。さらに、説明にあたっては、図8(イ)に示すよう
な探査領域を探査の対象とする場合を例に取って説明す
る。図示するように、この探査領域には複数本(7本)
の金属管2がy方向にそれぞれ埋設されており、これら
の埋設深度がx方向で、xの増加に伴って深くなる構成
とされている。さらに、媒質である土壌について説明す
ると、領域はy方向で2領域に分割されており、手前側
の領域(yの小さい領域)が真砂土で占められており、
後ろ側の領域(yの大きい領域)がSR土(一般の埋め
戻し用の土)で占められている。従って、この探査領域
においては、y方向で媒質定数が異なっており、結果的
に、このように媒質定数が位置(x,y)で異なる場合
に、その有効反射時間を、どのように合理的に導出でき
るかが、本願の主眼である。
【0023】図5において、開始ポイントでは、受信信
号は前記受信回路14及び前記信号強度変調手段15に
より、前述のように既に前記振幅補正を含む前置処理が
されており、前記ディジタル化された受信信号は反射時
間tに対し一定のサンプリング期間Δtでサンプリング
されている。3次元ボクセル画像データ生成工程S1に
おいて、3次元ボクセル画像データ生成手段31を用い
て、前記ディジタル化された受信信号は、前記A/D変
換処理されたときの量子化ビット幅で、位置(x,y)
と前記反射波5の前記物体2からの反射時間tで決定さ
れる座標(x,y,t)がアドレス信号にエンコードさ
れ、3次元ボクセル画像データとして前記データ処理部
内のメモリ21aの所定の領域に格納される。図8
(イ)に対応して、上記の画像生成工程で得られる3次
元ボクセル画像データの一部例を図8(ロ、ハ)に示し
た。ここで、図8(ロ)はSR土の領域のものを、図8
(ハ)はマサ土の領域のものに対応している。この画像
は、x軸方向に沿った断面画像である。
【0024】図5に示す2乗振幅値計算工程S2(代表
値計算工程の一例)において、前記2乗振幅値計算手段
32が前記メモリ21aに格納された前記3次元ボクセ
ル画像データの各画像データ(受信信号強度に相当する
振幅値)に対して、各座標(x,y,t)毎に2乗振幅
値を前記2乗振幅値計算手段を用いて計算し、これを反
射時間強度として前記3次元ボクセル画像データをその
計算結果と置換することで,各ボクセル毎の振幅補正後
の反射時間強度分布を求める。図8(ロ、ハ)に示す前
記3次元ボクセル画像データが画面表示されたものの特
徴部分のみを抽出した説明図の探査画像に対して、その
3次元ボクセル画像データを前記2乗振幅値計算工程S
2において処理した前記振幅補正後(逆補正前)の反射
時間強度分布を模式的に図6(イ)に示す。この図にお
いては、x、yを固定し、t軸に沿った信号電力の変化
を示した。
【0025】図5に示す逆補正工程S4において、前記
逆補正手段33を用いて、前記2乗振幅値計算工程S2
で求めた前記反射時間強度分布に対し、前記信号強度変
調手段15による前記振幅補正と前記受信回路14の増
幅部の利得分を総合した前記受信回路14の反射時間t
に依存する入出力レベル間の全振幅補正の逆補正に相当
する補正を施し、振幅補正前(逆補正後)の反射時間強
度分布を求める。この処理を施した反射時間強度分布を
図6(イ)に対応して、図6(ロ) に示した。即ち、
x、yを固定し、t軸に沿った信号電力を示している。
図6(イ)(ロ)において1階調が0dB、2階調が6
dB程度に対応するため、tの大きい深い深度領域にお
いては、変動が大きくノイズの影響を認めることができ
る。
【0026】図5に示すカーブフィッティング処理工程
S7において、前記逆補正工程S4で求めた前記振幅補
正前の反射時間強度分布に対して、前記カーブフィッテ
ィング処理手段38により、反射時間tの関数f(t)
=a+b*log(t)+ctを用いて、パラメータ
a、b、cをカーブフィッティング処理により特定して
得られる前記関数f(t)で前記振幅補正前の反射時間
強度分布を置換することで前記振幅補正前の反射時間強
度分布をスムージング処理する。図6(ロ)において示
した前記振幅補正前の反射時間強度分布に対して、得ら
れたカーブフィッティング処理後の前記振幅補正前の反
射時間強度分布を、図7(イ)に示す。
【0027】ここで、前記カーブフィッティング処理工
程S7において、反射時間tの関数として、f(t)=
a+b*log(t)+ctを使用する根拠は、一般に
地中レーダシステムにおいて、受信電力の対数関数が、
送信電力、アンテナ利得、地中物体のレーダ断面積、伝
搬媒質による散乱損失等に依存し、反射時間t(物体の
深さ)に依存しない定数項と、反射時間tの対数関数に
比例する拡散減衰項と、反射時間tに比例する土壌減衰
項からなる多項式で表されることが知られており、前記
関数f(t)の第1項、第2項、第3項に夫々相当する
ことに基づいている。結果として、カーブフィッティン
グ処理に任意の関数を使用する場合に比べ、理論的な裏
付けがあるため、スムージング処理の精度が上がるので
ある。
【0028】図5に示す第2判定工程S5において、前
記有効反射時間抽出手段36に、前記カーブフィッティ
ング処理工程S7においてスムージング処理された前記
振幅補正前の反射時間強度分布と、信号強度(この場
合、この信号は反射時間強度である)が前記振幅補正前
の受信信号の有効性を判定する第2閾値とを入力し、前
記有効反射時間抽出手段36の出力より、前記第2閾値
以下となる最小の反射時間である第2有効反射時間を求
める。この処理は位置毎に独立に行われる。図7(イ)
に示すカーブフィッティング処理後の前記振幅補正前の
反射時間強度分布において、前記受信回路14の検出可
能な最小信号強度より前記第2閾値として−35dBを
設定した場合、第2有効反射時間は、SR土で約53ピ
クセル、真砂土で約44ピクセルとなる。
【0029】図5に示す第2補正工程S8において、前
記順補正手段34で、前記カーブフィッティング処理工
程S7においてスムージング処理された前記振幅補正前
の反射時間強度分布に対して、前記逆補正工程S4で行
う逆補正の逆補正に相当する順補正、つまりは、前記信
号強度変調手段15による前記振幅補正と前記受信回路
14の増幅部の利得分を総合した前記受信回路14の反
射時間tに依存する入出力レベル間の全振幅補正に相当
する順補正を行い、スムージング処理された前記振幅補
正後の反射時間強度分布を求め、前記2乗振幅計算工程
S2で求めた前記振幅補正後の反射時間強度分布と置換
する。図7(イ)に示すカーブフィッティング処理後の
前記振幅補正前の反射時間強度分布に対して、順補正を
行った結果を図7(ロ)に示す。
【0030】図5に示す第4判定工程S9において、前
記有効反射時間抽出手段36に、前記第2補正工程S8
で求めた前記振幅補正後の反射時間強度分布と、その信
号強度(この場合のこの信号は反射時間強度である)が
前記振幅補正後の受信信号の有効性を判定する第1閾値
とを入力し、前記有効反射時間抽出手段36の出力よ
り、この場合も位置毎に、信号強度(この場合のこの信
号は反射時間強度である)が前記第1閾値以下となる最
小の反射時間である第3有効反射時間を求める。前記振
幅補正後の反射時間強度分布において、前記受信回路1
4の雑音レベルより前記第1閾値として5dBを設定し
た場合、第3有効反射時間は、SR土で約69ピクセ
ル、真砂土で約63ピクセルとなる。
【0031】図5に示す第5判定工程S10において、
前記比較選択手段37に、前記第2判定工程S5及び前
記第4判定工程S9で求めた、第2有効反射時間及び第
3有効反射時間を夫々入力し、両者の小さい方を真の有
効反射時間として、前記比較選択手段37の出力より取
り出す。さらに、このようにして得られる真の有効反射
時間分布に関して、スムージング処理手段42を働かせ
て、スムージング済の有効反射時間分布を得る。図8
(イ)に示す探査領域に対して、その3次元ボクセル画
像データを得、上述の一連の処理を施した結果(真の有
効反射時間を示したもの)を図9に示した。図9(イ)
は、3次元斜視図画像を、(ロ)はx軸方向から見た透
視図を、(ハ)はy軸方向から見た透視図を示してい
る。これらの図面において、金属管の画像位置を符号2
で示すとともに、上記手法で求められた有効反射時間を
MTとして示した。この有効反射時間MTは、各位置毎
に設定されるため、(ロ)(ハ)においても、一定の幅
を有する分布となる。そこで、さらに、理解を容易にす
るために、図10に特定断面(y軸に沿った断面)に於
ける有効反射時間の分布を示した。同図に示すように、
媒質の異なるy軸方向に沿って、その値が異なっている
ことが判る。さらに、このような有効反射時間の表示か
ら、SR土の領域においては、真砂土の領域より有効反
射時間(深度)が深いことが判る。
【0032】(別実施形態)以下に他の実施形態を説明
する。
【0033】図5に示すデータ処理手順(以下、手順
B)の代わりに、図4に示すデータ処理手順(以下、手
順A)を実行しても構わない。手順Aと手順Bの相違点
は、手順Aの第1判定工程S3と手順Bの第4判定工程
S9は、いずれも前記振幅補正後の反射時間強度分布の
信号強度が前記振幅補正後の受信信号の有効性を判定す
る第1閾値以下となる最小の反射時間である第1有効反
射時間を求める点で同じ処理内容であるが、手順Aは、
前記2乗振幅値計算工程S2で求めた前記振幅補正後の
反射時間強度分布を、そのまま使用する点で手順Bと相
違する。さらに、第2判定工程S5で判定の対象となる
分布は、手順Bの場合は、逆補正工程S4、カーブフィ
ティング工程S7を経ているが、手順Aの場合は、逆補
正工程S4のみを経ている分布を対象としている。な
お、手順Aの第3判定工程S6と手順Bの第5判定工程
S10も、二つの有効反射時間の内の小さい方を選択す
る処理である点で全く同等の処理である。以上より、手
順Aと手順Bの間で本質的な処理内容の相違はない。
【0034】さて、有効反射時間に関するスムージング
処理に関しては、各判定手段(判定工程)によって得ら
れる有効反射時間のいずれか一つあるいは、その全てに
おいて実行しても構わない。
【0035】手順Aまたは手順Bにおいて、任意の反射
時間強度分布の各データ値に対して、局所平均値や、局
所加重平均値、局所メディアン等を用いるスムージング
処理や、弛緩法等によるその他の平滑化手法を用いたス
ムージング処理を施すのも好ましい実施の形態である。
【0036】前記信号強度変調手段15は減衰器の代わ
りに増幅器であっても構わない。また、図4または図5
に示す前記逆補正工程S4において、前記受信回路14
の反射時間tに依存する入出力レベル間の全振幅補正の
逆補正でなくとも、反射時間tに依存する振幅補正を相
対的に逆補正できれば、逆補正後の絶対レベルは任意で
構わない。但し、反射時間tに依存しない絶対レベルの
変動分は、前記第2判定工程S5において、前記第2閾
値に対し前記絶対レベルの変動分に相当する分を補正す
る必要が生じるが、前記有効反射時間抽出手段36の入
力である前記振幅補正前の反射時間強度分布と前記第2
閾値が同様にレベルシフトしただけであり、処理結果は
前記第2判定工程S5と同じになる。
【0037】上記の実施の形態例においては、画像デー
タとして3次元ボクセル画像データを使用する例を示し
たが、2次元ピクセル画像データを対象とするものでも
よい。
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
探査媒質中を伝搬する波動信号に係わる媒質定数を知る
ことなく、「どの深さ(距離)まで有効に探査信号が届
き、対象物体から反射して返ってくるのか」を示す有効
反射深度を自動的に判断でき、媒質中に存在する物体の
位置を探査する探査方法及び装置において、簡単にその
探査能力を知ることが可能となった。さらに、本願にお
いては、各位置毎に有効反射時間を得ることができるた
め、例えば媒質定数が探査領域内で変化していても、こ
の変化の状況に対応して、信頼性の高い有効反射時間を
得ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】探査装置のブロック構成図
【図2】送信信号と受信信号の波形図
【図3】データ解析装置の機能ブロック図
【図4】本発明のデータ処理手順を示すフローチャート
【図5】本発明のデータ処理手順を示すフローチャート
【図6】本発明の振幅補正後の反射時間強度分布の一例
を示す模式図
【図7】本発明のカーブフィティング処理後の反射時間
強度分布の一例を示す模式図
【図8】本発明で実証対象とした探査領域の構成とその
探査画像を示す図
【図9】有効反射時間を記載した図8に示す探査領域の
画像例
【図10】図9に対応する特定断面に於ける有効反射時
間の状態を示す図
【図11】従来技術の処理手順を示すブロック図
【図12】従来技術の処理内容を示す説明図
【符号の説明】
1 媒質 2 物体 3 探査装置 4 入射波 5 反射波 10 送受信手段 11 送信アンテナ 12 受信アンテナ 13 送信回路 14 受信回路 15 信号強度変調手段 20 データ解析手段 21 データ処理部 21a メモリ 22 入力部 23 表示部 24 外部補助記憶部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年4月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒質の表面を移動しながら、電磁波また
    は音波による波動信号を前記媒質中へ放射し、前記媒質
    中に存在する物体からの反射信号を受信する送受信工程
    と、前記波動信号の前記物体からの反射時間tに応じた
    増幅率または減衰率で前記反射信号の振幅を補正する信
    号強度調整工程と、前記振幅補正後の受信信号強度に対
    する前記媒質表面上の位置と反射時間tを座標とする画
    像データを生成する画像データ生成工程とを順次実行
    し、前記媒質中に存在する物体の位置を探査する探査方
    法において、 前記画像データ生成工程で生成された前記画像データに
    対して、前記各座標における前記受信信号強度の代表値
    を前記座標毎の反射時間強度として求め、各座標に対応
    した前記振幅補正後の反射時間強度分布を求める代表値
    計算工程と、前記代表値計算工程で求めた前記反射時間
    強度分布に対し前記振幅補正の逆補正に相当する補正を
    施し、前記振幅補正前の反射時間強度分布を求める逆補
    正工程を備え、 前記代表値計算工程で得られた前記振幅補正後の反射時
    間強度分布において、前記媒質表面上の位置毎に、信号
    強度が前記振幅補正後の受信信号の有効性を判定する第
    1閾値以下となる最小の反射時間である第1有効反射時
    間を求める第1判定工程と、 前記振幅補正前の反射時間強度分布に対して、前記媒質
    表面上の位置毎に、信号強度が前記振幅補正前の受信信
    号の有効性を判定する第2閾値以下となる最小の反射時
    間である第2有効反射時間を求める第2判定工程を備
    え、 前記媒質表面上の位置毎に、前記第1有効反射時間と前
    記第2有効反射時間の小さい方を真の有効反射時間とす
    る第3判定工程とを実行して、反射時間tの有効範囲を
    求める探査能力導出方法。
  2. 【請求項2】 媒質の表面を移動しながら、電磁波また
    は音波による波動信号を前記媒質中へ放射し、前記媒質
    中に存在する物体からの反射信号を受信する送受信工程
    と、前記波動信号の前記物体からの反射時間tに応じた
    増幅率または減衰率で前記反射信号の振幅を補正する信
    号強度調整工程と、前記振幅補正後の受信信号強度に対
    する前記媒質表面上の位置と反射時間tを座標とする画
    像データを生成する画像データ生成工程とを順次実行
    し、前記媒質中に存在する物体の位置を探査する探査方
    法において、 前記画像データ生成工程で生成された前記画像データに
    対して、前記各座標における前記受信信号強度の代表値
    を前記座標毎の反射時間強度として求め、各座標に対応
    した前記振幅補正後の反射時間強度分布を求める代表値
    計算工程と、前記代表値計算工程で求めた前記反射時間
    強度分布に対し、前記振幅補正の逆補正に相当する補正
    を施し、振幅補正前の反射時間強度分布を求める逆補正
    工程と、前記逆補正工程で求めた前記振幅補正前の反射
    時間強度分布に対し前記反射時間t方向に、カーブフィ
    ティングを施すカーブフィティング工程と、 前記カー
    ブフィティング処理で得た前記振幅補正前の反射時間強
    度分布に対して前記振幅補正と同等の補正を施し、前記
    振幅補正後の反射時間強度分布と置換する第2補正工程
    とを備え、 前記第2補正工程で得られた前記振幅補正後の反射時間
    強度分布において、前記媒質表面上の位置毎に、信号強
    度が前記振幅補正後の受信信号の有効性を判定する第1
    閾値以下となる最小の反射時間である第3有効反射時間
    を求める第4判定工程と、 前記カーブフィティング処理で得た前記振幅補正前の反
    射時間強度分布に対して、前記媒質表面上の位置毎に、
    信号強度が前記振幅補正前の受信信号の有効性を判定す
    る第2閾値以下となる最小の反射時間である第2有効反
    射時間を求める第2判定工程とを備え、 前記媒質表面上の位置毎に、前記第3有効反射時間と前
    記第2有効反射時間の小さい方を真の有効反射時間とす
    る第5判定工程とを実行して、反射時間tの有効範囲を
    求める探査能力導出方法。
  3. 【請求項3】 前記代表値計算工程において、工程の先
    頭部分に、前記画像データの位置毎の反射時間t方向の
    信号波形を前記信号波形の包絡線で置換する工程を追加
    した請求項1または2記載の探査能力導出方法。
  4. 【請求項4】 前記各判定工程の後に得られる有効反射
    時間分布の内の少なくとも一つの有効反射時間分布に対
    して、前記位置座標方向の分布に対してスムージング処
    理を施し、スムージング処理前の有効反射時間分布と置
    換する請求項1、2または3記載の探査能力導出方法。
  5. 【請求項5】 媒質の表面を移動しながら、電磁波また
    は音波による波動信号を前記媒質中へ放射し、前記媒質
    中に存在する物体からの反射信号を受信する送受信手段
    と、前記波動信号の前記物体からの反射時間tに応じた
    増幅率または減衰率で前記反射信号の振幅を補正する信
    号強度変調手段と、前記振幅補正後の受信信号を入力し
    て受信信号強度に対する前記媒質表面上の位置と反射時
    間tを座標とする画像データを出力する画像データ生成
    手段とを備えてなり、前記媒質中に存在する物体の位置
    を探査する探査装置に対する探査能力導出装置であっ
    て、 前記画像データを入力して、前記各座標の前記受信信号
    強度の代表値を前記座標毎の反射時間強度として求め、
    各座標に対応した前記振幅補正後の反射時間強度分布を
    出力する代表値計算手段と、 前記振幅補正後の反射時間強度分布を入力可能で、入力
    された反射時間強度分布に対して、前記信号強度変調手
    段で実行する前記振幅補正の逆補正に相当する補正を施
    し、前記振幅補正前の反射時間強度分布を出力する逆補
    正手段と、 任意の反射時間強度分布と所定の信号強度閾値を入力可
    能で、前記位置毎に、入力された反射時間強度分布の信
    号強度が前記信号強度閾値以下となる最小の反射時間を
    有効反射時間として出力する有効反射時間抽出手段と、 前記有効反射時間を入力可能で、前記位置毎に、二つの
    入力値を比較して小さい方を選択して出力する比較選択
    手段とを備えている探査能力導出装置。
  6. 【請求項6】 前記振幅補正前の反射時間強度分布を入
    力可能で、入力された前記振幅補正前の反射時間強度分
    布に対し前記反射時間t方向にカーブフィティングを施
    すカーブフィティング手段と、 カーブフィティング後の前記振幅補正前の反射時間強度
    分布を入力可能で、入力された反射時間強度分布に対し
    て、前記信号強度変調手段で実行する前記振幅補正と同
    等の補正を施し、前記振幅補正後の反射時間強度分布を
    出力する順補正手段を備えている請求項5記載の探査能
    力導出装置。
  7. 【請求項7】 任意の有効反射時間分布を入力可能で、
    入力された有効反射時間分布に対して、前記位置座標方
    向の分布に対してスムージング処理を施し、スムージン
    グ処理前の有効反射時間分布と置換するスムージング処
    理手段を備えている請求項5または6記載の探査能力導
    出装置。
  8. 【請求項8】 媒質の表面を移動しながら、電磁波また
    は音波による波動信号を前記媒質中へ放射し、前記媒質
    中に存在する物体からの反射信号を受信する送受信手段
    と、前記波動信号の前記物体からの反射時間tに応じた
    増幅率または減衰率で前記反射信号の振幅を補正する信
    号強度変調手段と、前記振幅補正後の受信信号を入力し
    て受信信号強度に対する前記媒質表面上の位置と反射時
    間tを座標とする画像データを出力する画像データ生成
    手段とを備えてなり、前記媒質中に存在する物体の位置
    を探査する探査装置であって、 請求項5、6、または7記載の探査能力導出装置と、前
    記画像データ及び前記探査能力導出装置の出力結果を表
    示可能な出力装置を備えてなる探査装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021507227A (ja) * 2017-12-15 2021-02-22 マネスキ、アレッサンドロMANNESCHI,Alessandro 横コイル付きデュアル検出器

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