JPH11304361A - 基板乾燥装置およびそれを用いた基板処理装置 - Google Patents

基板乾燥装置およびそれを用いた基板処理装置

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JPH11304361A
JPH11304361A JP10953798A JP10953798A JPH11304361A JP H11304361 A JPH11304361 A JP H11304361A JP 10953798 A JP10953798 A JP 10953798A JP 10953798 A JP10953798 A JP 10953798A JP H11304361 A JPH11304361 A JP H11304361A
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JP
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substrate
substrate drying
solvent vapor
processing
partition wall
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JP10953798A
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Masahiro Motomura
雅洋 基村
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一で効率的に基板の乾燥が行えるとともに
溶剤の消費量が少なく、装置設定の再現性がよい基板乾
燥装置およびそれを用いた基板処理装置を提供する。 【解決手段】 整流板48は下側に向いた整流面48a
が円筒の内周面の一部に相当する凹面をなし、ガス供給
ノズル40の上方のチャンバ10の天井面側辺部から側
面上端にかけて取り付けられている。ガス供給ノズル4
0から供給されるIPAベーパーを含む混合ガスが整流
面48aに至るとその流れの方向を曲げられ、基板乾燥
空間WS側に向けられるとともに、その流れの乱流の発
生を抑えることができる。これにより、基板乾燥空間W
Sへ溢れ出る混合ガスの乱流を抑え、均一で効率的な基
板乾燥を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、溶剤蒸気を含む
雰囲気が満たされた処理室内の基板乾燥空間を、処理液
による処理後の半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基
板、液晶表示用ガラス基板、光ディスク用基板等の基板
(以下、単に「基板」という。)を通過させて乾燥させ
る基板乾燥装置およびそれを用いた基板処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から基板の洗浄と乾燥を行う基板洗
浄・乾燥装置においては、処理室内に処理槽を設け、そ
の処理槽に純水を貯留して基板を浸漬して処理を行い、
その間に処理室内に有機溶剤蒸気、たとえばIPAベー
パー(イソプロピルアルコール蒸気)を含んだ雰囲気を
形成しておき、基板の浸漬処理が終了した後、その基板
を処理槽からIPAベーパーを含んだ雰囲気中に引き上
げることにより基板を乾燥させている。そのIPAベー
パーの処理室内への供給は、短時間で処理室内に所定濃
度のIPAベーパーを含んだ雰囲気を形成するために、
一般に処理室内の対向する2つの側面上部に設けられた
一対のノズルからN2をキャリアガスとしてIPAベー
パーを下方の処理槽へ向けて噴射することによって行わ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来装
置では上方から処理槽に向けてIPAベーパーを含んだ
ガスを吹き付けるので、そこに乱流を生じることにより
IPAベーパーの供給が不均一となり、乾燥ムラの原因
となっていた。
【0004】また、乾燥ムラが生じ易いため、所定程度
の乾燥状態を得ようとすると必要以上にIPAベーパー
を含んだガスを供給しなければならずIPAのロスが大
きく、効率的でなかった。
【0005】さらに、それに伴いこの装置を複数台用い
て同様の乾燥処理を行う場合に、装置ごとに乾燥条件を
同じにするためにはIPAベーパーを含んだガスの供給
方向を同じにするため一対のノズルの微妙な調整を要
し、装置設定の再現性に乏しかった。
【0006】この発明は、従来技術における上述の問題
の克服を意図しており、均一で効率的に基板の乾燥が行
えるとともに溶剤の消費量が少なく、装置設定の再現性
がよい基板乾燥装置およびそれを用いた基板処理装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の請求項1の基板乾燥装置は、溶剤蒸気を
含む雰囲気が満たされた処理室内の基板乾燥空間を、処
理液による処理後の基板を通過させて当該基板を乾燥さ
せる基板乾燥装置であって、基板乾燥空間の側方に設け
られるとともに、ほぼ上方へ向けて溶剤蒸気を供給する
溶剤蒸気供給手段と、溶剤蒸気供給手段の上方において
溶剤蒸気供給手段から供給された溶剤蒸気の流れの乱れ
を抑えつつ、その流れの方向を基板乾燥空間側へ変える
整流手段と、を備える。
【0008】また、この発明の請求項2の装置は、請求
項1に記載の基板乾燥装置であって、整流手段の溶剤蒸
気の流れを整流する面が円筒の内周面の一部に相当する
凹面であることを特徴とする。
【0009】また、この発明の請求項3の装置は、請求
項1に記載の基板乾燥装置であって、整流手段の溶剤蒸
気の流れを整流する面が多角筒の内周面の一部に相当す
る凹面であることを特徴とする。
【0010】また、この発明の請求項4の装置は、請求
項2または請求項3に記載の基板乾燥装置であって、さ
らに、溶剤蒸気供給手段と基板乾燥空間との間を仕切る
ことにより、溶剤蒸気供給手段から供給された溶剤蒸気
の流れの緩衝空間を規定する仕切り壁を備え、仕切り壁
による基板乾燥空間と緩衝空間との仕切りが不完全であ
ることにより、基板乾燥空間と緩衝空間との間に雰囲気
通路が形成されており、緩衝空間で緩衝された後の溶剤
蒸気の流れが、雰囲気通路を介して基板乾燥空間へ流入
することを特徴とする。
【0011】また、この発明の請求項5の装置は、請求
項4に記載の基板乾燥装置であって、雰囲気通路が溶剤
蒸気供給手段よりも高い位置に設けられていることを特
徴とする。
【0012】また、この発明の請求項6の装置は、請求
項5に記載の基板乾燥装置であって、雰囲気通路が仕切
り壁と処理室の天井面との間の間隙であることを特徴と
する。
【0013】また、この発明の請求項7の装置は、請求
項6に記載の基板乾燥装置であって、仕切り壁が処理室
内部において処理室の側面にほぼ平行に設けられた保持
部材と、保持部材に可動に取り付けられる可動板と、可
動板の保持部材への取付け高さを調節する可動板調節機
構と、を備える。
【0014】また、この発明の請求項8の装置は、請求
項5に記載の基板乾燥装置であって、仕切り壁が処理室
の天井面にまで至るものであるとともに、雰囲気通路が
仕切り壁内において処理室の天井面から下方に若干離隔
して設けられていることを特徴とする。
【0015】また、この発明の請求項9の装置は、請求
項8に記載の基板乾燥装置であって、雰囲気通路が流体
抵抗を有して整流作用を生ずる複数の小穴からなること
を特徴とする。
【0016】また、この発明の請求項10の基板処理装
置は、基板に対して処理液による処理を施す基板処理部
と、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の基板乾
燥装置を用いて構成された基板乾燥部と、を備える。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0018】<1.第1の実施の形態> <<1−1.基板処理装置>>図1は、この発明の一つ
の実施の形態である基板処理装置1の構成を示す斜視図
である。図示のように、この装置は、未処理基板を収納
しているカセットCが投入されるカセット搬入部2と、
このカセット搬入部2からのカセットCが載置され内部
から複数の基板が同時に取り出される基板取出部3と、
カセットCから取り出された未処理基板が順次洗浄処理
される基板処理部5と、洗浄処理後の複数の処理済み基
板が同時にカセット中に収納される基板収納部7と、処
理済み基板を収納しているカセットCが払い出されるカ
セット搬出部8とを備える。さらに、装置の前側には、
基板取出部3から基板収納部7に亙って基板移載搬送機
構9が配置されており、洗浄処理前、洗浄処理中及び洗
浄処理後の基板を一箇所から別の箇所に搬送したり移載
したりする。
【0019】カセット搬入部2は、水平移動、昇降移動
及び垂直軸回りの回転が可能なカセット移載ロボットC
R1を備え、カセットステージ2a上の所定位置に載置
された一対のカセットCを基板取出部3に移載する。
【0020】基板取出部3は、昇降移動する一対のホル
ダ3a、3bを備える。そして、各ホルダ3a、3bの
上面にはガイド溝が刻設されており、カセットC中の未
処理基板を垂直かつ互いに平行に支持することを可能に
する。したがって、ホルダ3a、3bが上昇すると、カ
セットC中から基板が取り出される。カセットC中から
取り出された基板は、基板移載搬送機構9に設けた搬送
ロボットTRに受け渡され、水平移動後に基板処理部5
に投入される。
【0021】基板処理部5は、薬液を収容する薬液槽C
Bを備える薬液処理部5aと、純水を収容する水洗槽W
Bを備える水洗処理部5b(薬液処理部5aおよび水洗
処理部5bが「基板処理部」に相当する)と、単一槽内
で各種の薬液処理や水洗処理を行う処理槽20を備える
後に詳述する多機能処理部5dとから構成される。
【0022】基板処理部5において、薬液処理部5a及
び水洗処理部5bの後方側には、第1基板浸漬機構5c
が配置されており、これに設けた上下動及び横行可能な
リフタヘッドLH1によって、搬送ロボットTRから受
け取った基板を薬液処理部5aの薬液槽CBに浸漬した
り、水洗処理部5bの水洗槽WBに浸漬したりする。ま
た、この発明における基板乾燥装置および基板乾燥部に
相当する多機能処理部5dの内部にはリフタ30(機構
の詳細は後述)が配置されており、これに設けた上下動
可能なリフタヘッド32によって、搬送ロボットTRか
ら受け取った基板を多機能処理部5dの処理槽20内に
支持する。
【0023】基板収納部7は、基板取出部3と同様の構
造を有し、昇降可能な一対のホルダ7a、7bによっ
て、搬送ロボットTRに把持された処理済み基板を受け
取ってカセットC中に収納する。
【0024】また、カセット搬出部8は、カセット搬入
部2と同様の構造を有し、移動自在のカセット移載ロボ
ットCR2を備え、基板収納部7上に載置された一対の
カセットをカセットステージ8a上の所定位置に移載す
る。
【0025】基板移載搬送機構9は、水平移動及び昇降
移動が可能な搬送ロボットTRを備える。そして、この
搬送ロボットTRに設けた一対の回転可能なハンド9
a、9bによって基板を把持することにより、基板取出
部3のホルダ3a、3bに支持された基板を基板処理部
5の第1基板浸漬機構5cに設けたリフタヘッドLH1
側に移載したり、このリフタヘッドLH1側から隣りの
多機能処理部5dに設けたリフタヘッド32側に移載し
たり、このリフタヘッド32側から基板収納部7のホル
ダ7a、7bに移載したりする。
【0026】<<1−2.多機能処理部>>図2はこの
発明の第1の実施の形態にかかる多機能処理部5dの縦
断面図であり、図3は多機能処理部5dの他の縦断面図
である。また、図4は、多機能処理部5dの制御部9
0、各種供給源、配管およびバルブ等の構成を示す模式
図である。以下、図2〜図4を用いて多機能処理部5d
の機構的構成についてより詳細に説明する。
【0027】図示のようにこの多機能処理部5dは、主
にチャンバ10、整流板15、処理槽20、リフタ3
0、ガス供給ノズル40、仕切り壁42、N2供給源5
0、IPA供給源60、DIW供給源70、HF供給源
80、制御部90を備えている。
【0028】チャンバ10はその内部には処理槽20、
ガス供給ノズル40を、その上面には開閉可能かつ閉じ
た状態で密閉可能なシャッタ11を、さらにその底面下
方にはリフタ30が設けられ、シャッタ11を閉じた状
態で、その内部にIPAベーパーを含む雰囲気やN2
(窒素)ガスからなる雰囲気を保持することができる。
【0029】処理槽20はその内部にHF供給源80か
ら供給されるHF(フッ酸)またはDIW供給源70か
ら供給される純水DIW等の処理液を貯留し、その処理
液に基板Wを浸漬させて処理を行うことができる。ま
た、処理槽20の側面上端には処理槽20から溢れた処
理液を回収するための処理液回収溝21が設けられてい
る。
【0030】前述のリフタ30下部にはサーボモータ3
1が設けられており、その駆動によりリフタヘッド32
が昇降し、そのリフタヘッド32には基板Wを多数保持
可能な基板ガイド33が設けられている。
【0031】ガス供給ノズル40は、後に詳述するが、
チャンバ10内にN2供給源50からのN2ガスをキャリ
アガスとしてIPA供給源60からの有機溶剤の蒸気で
あるIPAベーパー(以下、併せて「混合ガス」とい
う)とともに供給したり、N2ガスのみを供給したりす
る。
【0032】仕切り壁42はガス供給ノズル40と処理
槽20との間に設けられている。そして、仕切り壁42
は、それとガス供給ノズル40に対して反対側のチャン
バ10側面との間の、ガス供給ノズル40から混合ガス
が供給され、その流速を低下させ、乱流を抑えるための
緩衝空間BS(ガス供給空間)に供給された混合ガスや
N2ガスを、チャンバ10内の処理槽20上方の基板W
が通過または停留する際に乾燥される空間(以下、「基
板乾燥空間WS」という)に間接的に供給するためのい
わば堰の役割を果たす。なお、仕切り壁42の詳細は後
述する。
【0033】整流板48はチャンバ10の天井面側辺部
から側面上端にかけて取り付けられ、ガス供給ノズル4
0から供給される混合ガスまたはN2ガスの乱流を抑え
つつその流れの方向をチャンバ10内側に向ける。な
お、整流板15の詳細も後述する。
【0034】N2供給源50、IPA供給源60にはそ
れぞれバルブV1,V2が介挿された配管P2,P3が
設けられており、さらにそれらは互いに結合され、1本
の配管P4となってチャンバ10内のガス供給ノズル4
0に接続されている。
【0035】DIW供給源70には配管P5が、HF供
給源80にはバルブV3が介挿された配管P6が接続さ
れており、さらにそれらは互いに1本の配管P7に連結
され、その配管P7はチャンバ10内の処理槽20に接
続されている。特に、DIW供給源70に接続された配
管P5には、処理槽20に供給する純水DIWを冷却す
る冷却部75、配管P5を流れる純水DIWを含む処理
液流量を計測する流量計FM1およびその流量を変化さ
せる流量変更手段である制御弁CV1が介挿されてい
る。なお、DIW供給源70と配管P5,P7を併せた
もの、またはHF供給源80と配管P6,P7を併せた
ものが「液供給手段」に相当する。
【0036】また、この装置の設置される施設内の排気
ラインにはエアポンプAPおよびバルブV4が介挿され
た配管P8が接続されており、その多端はチャンバ10
に接続されている。また、この装置の設置される施設内
の排液ラインにはバルブV5が介挿された配管P9が接
続されており、その多端はチャンバ10内の処理槽20
に接続されている。また、処理液回収溝21に接続され
た配管P10は三方弁V6により循環用配管P11と排
液ラインに通じる配管P12とに分岐される。さらに循
環用配管P11にはポンプP、フィルタFおよび循環す
る純水DIWおよびHF等の処理液の流量を計測する流
量計FM2およびその流量を変化させる制御弁CV1と
同様の流量変更手段である制御弁CV2が介挿されてい
る。
【0037】さらに、制御部90は上述のバルブV1〜
V5、三方弁V6、制御弁CV1,CV2、流量計FM
1,FM2、エアポンプAP、ポンプPに電気的に接続
されており(これら接続は図示省略)、各バルブV1〜
V5の開閉、三方弁V6の切り替え、制御弁CV1,C
V2の開度、エアポンプAPの起動および停止、ポンプ
Pの起動および停止の制御を行う。
【0038】以下、この発明の主要部について説明す
る。
【0039】仕切り壁42はチャンバ10のX軸に垂直
な対向する2つの側面の内側にそれら側面に平行に、処
理槽20とガス供給ノズル40との間に、一対、設けら
れている。
【0040】図5は仕切り壁42のX軸方向から見た側
面図である。図3および図5に示すように、仕切り壁4
2はチャンバ10に対して固定された固定板42a(こ
の発明の「保持部材」に相当)における処理槽20側の
面に可動板42bがそれぞれ取り付けられている。ま
た、固定板42a下端とチャンバ10の底面とは離隔し
ている。
【0041】図6は仕切り壁42の部分断面図である。
図6に示すように、固定板42aと可動板42bには固
定板42aへの可動板42bの取り付け位置(高さ)を
調節するための可動板調節機構が設けられている。すな
わち、固定板42aには貫通しない取付け穴AHがY軸
方向両端の若干内側に2つずつ、計4つ設けられるとと
もに、可動板42bにはそのY軸方向両端より若干内側
に複数の貫通孔THがそれぞれ設けられている。そし
て、固定板42aの取付け穴AHに可動板42bの貫通
孔THのうちの4つをそれぞれ一致させた状態で固定板
42aと可動板42bとを重ね、ボルト42cを可動板
42bの貫通孔THを貫通させた状態で固定板42aの
取付け穴AH内面に設けられたねじ溝に螺合させること
によって、可動板42bを固定板42aに取り付けるこ
とができる。そして、上記のようにしてボルト42cを
貫通させる可動板42bの貫通孔THを切替えることに
よって、可動板42bの固定板42aへの取付け高さを
矢印A1のように調節することができるようになってい
る。
【0042】また、可動板42bはその上端がチャンバ
10上面との間に間隙Sを有するように固定板42aに
取り付けられ、それにより、その間隙Sを通じて仕切り
壁42とそれに対向して隣接するチャンバ10の側面と
の間の緩衝空間BS内の雰囲気と基板乾燥空間WSの雰
囲気とが流通可能とされる。すなわち、可動板42bと
チャンバ10上面との間の間隙Sおよび仕切り壁42の
下端とチャンバ10下面との間の空間がこの発明におけ
る雰囲気通路を形成し、この雰囲気通路はガス供給ノズ
ル40よりも高い位置に設けられている。
【0043】また、ガス供給ノズル40はチャンバ10
内側面の処理槽20上端より下方に水平に設けられた配
管P1上面に混合ガスやN2ガスを供給するための多数
のガス供給口40aが設けられている。そして、緩衝空
間BS内にガス供給ノズル40から上方へ向けて供給さ
れた混合ガスやN2ガスがその流速を減じられた後、間
隙Sを通じて基板乾燥空間WS側に至る。すなわち、混
合ガスやN2ガスが仕切り壁42の上端からチャンバ1
0内側へ溢れ出る。これにより、混合ガスやN2ガスの
供給の際に発生する雰囲気内の乱流を抑えることができ
る。
【0044】また、基板Wの特性に応じて、緩衝空間B
Sから基板乾燥空間WS側へのガスの供給の際に雰囲気
中の乱流の発生を極力抑えたい場合には可動板42bの
固定板42aに対する取付け高さを高くし、乱流が多少
発生してもよい場合には低くすることができる。
【0045】また、図2に示すように、ガス供給ノズル
40の上方(緩衝空間BS上方)のチャンバ10の天井
面側辺部から側面上端にかけて整流板48が設けられて
いる。
【0046】図7はこの発明における整流板48の断面
図であり、図8はこの発明における整流板48の斜視図
である。この整流板48は下側(ガス供給ノズル側)に
向いた面が円筒の内周面の一部(中心角にしてほぼ1/
4程度)に相当する凹面の形状をなす整流面48aを有
している。すなわち、整流板48の断面はその中心角が
90°程度の弧状(いわゆるアール)となっている(図
7参照)。そして、整流板48は整流面48aを下方に
向けた状態で両ガス供給ノズル40の上方のチャンバ1
0の天井面側辺部から側面上端にかけて取り付けられて
いる。これにより、下方のガス供給ノズル40から供給
される混合ガスおよびN2ガスが整流面48aに至ると
その流れの方向を曲げて、チャンバ10内側、すなわち
基板乾燥空間WS側に向けるとともに、その流れの乱れ
を抑える。すなわち、整流板48が設けられていないチ
ャンバ10の天井面にその流れが至る場合のように乱流
が発生し難いものとなっている。
【0047】<<1−3.基板乾燥処理および効果>>
つぎに、この実施の形態の多機能処理部5dにおける基
板乾燥処理について説明する。
【0048】基板乾燥処理に先立ち、複数の基板Wが整
列して処理槽20に貯留されたHFにより処理され、そ
の後、処理槽20内のHFの代わりに洗浄液である純水
DIWが処理槽20内に供給されて基板Wの洗浄が行わ
れる。この基板洗浄の間、処理槽20内には純水DIW
の供給が続けられて、処理槽20から純水DIWが溢れ
(以下、「オーバーフロー状態」という)、その溢れた
純水DIWは処理液回収溝21に集められ、排液ライン
に排出されたり、フィルタFにより浄化された後に処理
槽20に戻されて再利用されたりする。
【0049】そして、オーバーフロー状態でガス供給ノ
ズル40からは乾燥に適した温度に高められたIPAベ
ーパーとN2ガスとの混合ガスがチャンバ10内に供給
される。このとき、この混合ガスはガス供給ノズル40
から緩衝空間BS内に供給され、仕切り壁42を越えて
基板乾燥空間WSに至り、処理槽20直上に高濃度のI
PAベーパーを含む雰囲気を形成する。
【0050】つぎに、基板乾燥空間WS内の雰囲気中の
IPAベーパーの濃度が所定濃度程度になった後、リフ
タヘッド32の上昇により基板Wが処理槽20の純水D
IW中から引き上げられる。この引き上げ時に基板Wに
付着した純水DIWがIPAの凝縮により除去される。
【0051】さらに、その後、基板乾燥空間WS内にお
いて処理槽20上方に基板Wを位置させつつ、IPAベ
ーパーを含む混合ガスの供給を続け、それとともに、処
理槽20内の純水DIWを排出する。
【0052】つぎに、ガス供給ノズル40へのIPAベ
ーパーの供給を停止し、N2ガスのみをチャンバ10内
に供給し、チャンバ10内の雰囲気を完全にN2ガスに
置換する。
【0053】つぎに、チャンバ10内の雰囲気を排気
し、内部気圧を減圧する。
【0054】最後に、チャンバ10内を大気解放した
後、チャンバ10外に基板Wを搬出する。
【0055】これで一連の基板Wの乾燥処理は終了し、
続いて搬入される別の基板Wについて同様の処理が繰返
される。
【0056】以上説明したように、第1の実施の形態に
よれば、基板乾燥空間WSとガス供給ノズル40との間
に仕切り壁42を備え、その仕切り壁42のガス供給ノ
ズル40と同一平面近傍以外の位置、取り分け、仕切り
壁42上端に雰囲気通路である間隙Sを有するため、間
隙Sを通じて間接的に基板乾燥空間にIPAベーパーを
供給することができるので、IPAベーパー供給の際の
乱流の発生を抑え、IPAベーパーの基板W表面の純水
DIWへの均一な凝縮により、乾燥ムラの発生を抑えて
効率的な基板Wの乾燥を行うことができる。また、処理
槽20から引き上げられた基板Wに付着した純水DIW
にIPAベーパーを均一に凝縮させることができるの
で、余分にIPAベーパーを供給する必要がないためI
PAの消費量を抑えることができる。また、ガス供給ノ
ズル40からのIPAベーパーの供給は処理槽20の液
面へ向けて吹き付けることにはならず、IPAベーパー
の処理槽20の処理液への溶込みが少なく、IPAベー
パーの消費量抑制および処理液中にIPAが溶け込むこ
とに起因するパーティクルの発生も少なくすることがで
きる。
【0057】また、間接的に基板乾燥空間WSにIPA
ベーパーを供給するので、ガス供給ノズル40の微妙な
調整が不要となり装置設定の再現性がよい。
【0058】また、ガス供給ノズル40は配管P1上面
にガス供給口40aを備えており、それにより上方に向
けてIPAベーパーとN2ガスとからなる混合ガスを供
給するものであるとともに、間隙Sがガス供給ノズル4
0より上方に設けられているため、上方から間接的に混
合ガスを基板乾燥空間WSに供給するので、混合ガスは
基板乾燥空間WSにおいてはIPAベーパーとN2ガス
との分子量の差により上方のN2ガスの層と下方のIP
Aベーパーの層に分かれ、したがって処理槽20直上に
高濃度のIPAベーパーの層を形成することができる。
それにより、例えば親水性部と疎水性部の混在する基板
Wを乾燥する際にもIPAベーパーにさらす時間を短く
することによりパーティクルの発生を抑えることができ
る。また、上記のように高濃度のIPA層を形成するこ
とができるので、IPA消費量を一層抑えることができ
る。
【0059】また、仕切り壁42は可動板42bの固定
板42aへの取り付け高さを調節することができるの
で、基板Wの特性に応じた基板乾燥を行うことができ
る。例えば表面に凹凸の多い基板Wの乾燥処理を行う場
合には雰囲気中の乱流の発生を極力抑えて、基板乾燥空
間WSの処理槽20直上にIPAベーパー濃度の高い雰
囲気を形成する必要がある。そのような場合には可動板
42bの固定板42aに対する取付け位置を高くして混
合ガスやN2ガスを間隙Sから溢れるように基板乾燥空
間WSに供給すればよい。逆に、例えばレジストのよう
な高濃度のIPAによって悪影響を受ける部分を有する
基板Wの乾燥処理を行う場合には、可動板42bを下げ
て間隙Sを大きくして雰囲気中に意図的に若干の乱流を
発生させることにより、N2ガス層とIPAベーパー層
を若干攪拌して混合し、IPAベーパー層中の濃度を下
げて乾燥処理を行えばよい。このように、この装置によ
れば基板特性に応じた効率の良い基板乾燥を行うことが
できる。
【0060】また、固定板42aに設けた取付け穴AH
は固定板42aを貫通していないため、固定板42aに
は雰囲気を通過させる穴が存在しない。したがって、そ
のような穴を通じて緩衝空間BSから基板乾燥空間WS
に雰囲気が流出することがないため、より乱流を抑える
ことができる。
【0061】また、ガス供給ノズル40の上方に、ガス
供給ノズル40から供給された混合ガスやN2ガスの流
れの乱れを抑えつつ、その流れの方向を基板乾燥空間W
S側へ変える整流板48を備えるため、混合ガスにおけ
る乱流の発生を抑えて基板乾燥空間WS側へ混合ガスを
供給することにより、基板W表面に付着した純水DIW
へIPAベーパーを均一に凝縮させることができ、した
がって基板Wの乾燥ムラの発生を抑えて効率的な乾燥を
行うことができる。また、IPAベーパーを基板Wに付
着した純水DIWに対して均一に凝縮させることができ
るため、余分にIPAベーパーを供給する必要がないの
でIPAの消費量を抑えることができる。また、間接的
にIPAベーパーを供給するので、ガス供給ノズル40
の微妙な調整が不要となり装置設定の再現性がよい。
【0062】また、整流板48の整流面48aが円筒の
内周面の一部に相当する凹面であるため、より乱流の発
生を抑えつつ、混合ガスの方向を変えることができるの
で、より乾燥ムラを抑えて効率的な乾燥を行うことがで
きるとともに、よりIPAの消費量を抑えることができ
る。
【0063】また、整流板48が仕切り壁42で仕切ら
れた緩衝空間BS上方のチャンバ10の天井面側辺部か
ら側面上端にかけて設けられているため、乱流を抑えら
れた混合ガスを間隙Sを通じて基板乾燥空間WSに流入
させることができるので、IPAベーパーを基板Wに付
着した純水DIWに対して一層均一に凝縮させることが
できる。そしてそれにより、一層乾燥ムラの発生を抑え
て効率的な基板Wの乾燥を行うことができるとともに、
余分にIPAベーパーを供給する必要がないのでIPA
の消費量を一層抑えることができる。
【0064】また、整流板48により乱流を抑えられた
混合ガスを上方から間接的に基板乾燥空間WSに供給す
るので、基板乾燥空間WS内におけるN2ガスを含む雰
囲気中においてはその分子量の差によりIPAベーパー
は下方に貯まり、乱流の発生が少ないのでその層は乱さ
れることが少ない。したがって、基板乾燥空間WS下方
に高濃度のIPAベーパーの層を形成することができる
ので、親水性部と疎水性部の混在する基板Wを乾燥する
際にもIPAベーパーにさらす時間を短くして乾燥する
ことによりパーティクルの発生を抑えることができる。
【0065】<2.第2の実施の形態>図9は第2の実
施の形態にかかる多機能処理部5dの縦断面図であり、
図10は多機能処理部5dの他の縦断面図である。ま
た、図11は仕切り壁46のX軸方向から見た側面図で
ある。以下、図9〜図11を用いて第2の実施の形態に
ついて説明する。
【0066】第2の実施の形態の基板処理装置1では多
機能処理部5dの仕切り壁46のみが第1の実施の形態
の仕切り壁42と異なるだけである。仕切り壁46はそ
の上端がチャンバ10上面に連結した一対の板状の部材
が、処理槽20とガス供給ノズル40との間にそれぞれ
X軸方向に垂直に設けられたものとなっている。また、
仕切り壁46には上端から若干離隔した下方の位置(す
なわち、チャンバ10の天井面(内部上面)から下方に
若干離隔した位置)に、この発明における雰囲気通路に
相当する複数の小穴であるパンチ穴PH(図10では参
照符号一部省略)が設けられており、それらパンチ穴P
Hは第1の実施の形態の間隙Sよりも大きな流体抵抗を
有している。また、ガス供給ノズル40は第1の実施の
形態と同様にガス供給口40aが配管P1上面に設けら
れたものとなっており、IPAベーパーを含んだ混合ガ
スやN2ガスを上方に向けて供給するものとなってい
る。そして、仕切り壁46のパンチ穴PHの開孔の面積
の総和はガス供給ノズル40のガス供給口40aの開孔
の面積の総和より大きくなっており、そのため、緩衝空
間BS内に供給された混合ガスは基板乾燥空間WS側に
流速を低減された状態で溢れるように流れ込むものとな
っている。また、パンチ穴PHの整流作用により緩衝空
間BSから基板乾燥空間WSに混合ガスが流れ込む際の
乱流の発生を抑えることができる。
【0067】その他の構成すなわち、基板処理装置1に
おける多機能処理部5d以外の処理部の構成、多機能処
理部5dの図4に示す制御部90、各種供給源、配管お
よびバルブ等の構成およびそれにより行われる基板乾燥
処理等の処理は第1の実施の形態と同様である。ただ
し、図4および基板乾燥処理の説明中の仕切り壁42は
ここでは仕切り壁46とみなす。
【0068】以上より、第2の実施の形態によれば、第
1の実施の形態における仕切り壁による効果のうち高さ
調節による効果以外と同様の効果を有するとともに、仕
切り壁46がチャンバ10の内部上面にまで至り、仕切
り壁46内においてチャンバ10の天井面下方に若干離
隔してパンチ穴PHを有するので、ガス供給ノズル40
から供給されたIPAベーパーを含む混合ガスがチャン
バ10の天井面に至って乱流を発生する場合でも、その
下方の乱流の少ないIPAベーパーを基板乾燥空間WS
に供給することができる。それにより均一で効率的な基
板乾燥を行うことができるとともに、余分にIPAベー
パーを供給する必要がないのでIPAの消費量を抑える
ことができる。
【0069】また、雰囲気通路としてのパンチ穴PHは
第1の実施の形態の間隙Sに比べて大きな流体抵抗を有
するため、基板乾燥空間WSに供給する際の混合ガスの
流速を一層抑えることができるとともに、その整流作用
により乱流の発生を一層抑えることができるので、一層
均一で効率的な基板乾燥を行うことができる。
【0070】また、間接的にIPAベーパーを基板乾燥
空間WSに供給するので、ガス供給ノズル40の微妙な
調整が不要となり、装置設定の再現性がよい。
【0071】また、ガス供給ノズル40の上方に、ガス
供給ノズル40から供給された混合ガスやN2ガスの流
れの乱れを抑えつつ、その方向を基板乾燥空間WS側へ
変える整流板48を備えるため、混合ガスにおける乱流
の発生を抑え、さらに、チャンバ10の天井面から若干
離隔した下方のパンチ穴PHを通じて基板乾燥空間WS
側へ混合ガスを供給することにより、第1の実施の形態
に比べて一層、基板乾燥空間WS側への混合ガス供給時
に乱流の発生を抑制することができる。そのため、基板
W表面に付着した純水DIWへIPAベーパーを一層均
一に凝縮させることができ、したがって基板Wの乾燥ム
ラの発生を抑えて効率的な乾燥を行うことができる。ま
た、IPAベーパーを基板Wに付着した純水DIWに対
して一層均一に凝縮させることができるため、余分にI
PAベーパーを供給する必要がさらにないので一層IP
Aの消費量を抑えることができる。
【0072】また、整流板48の整流面48aが円筒内
周面の一部に相当する凹面であるため、より乱流の発生
を抑えることができるので、より乾燥ムラを抑えて効率
的な乾燥を行うことができるとともに、よりIPAの消
費量を抑えることができる。
【0073】また、整流板48により乱流を抑えられた
混合ガスを仕切り壁46のパンチ穴PHを通じて上方か
ら間接的に基板乾燥空間WSに供給するので、基板乾燥
空間WS内におけるN2ガスを含む雰囲気中においては
その分子量の差によりIPAベーパーは下方に貯まり、
乱流の発生が少ないためその層は乱されることが少な
い。したがって、基板乾燥空間WS下方に高濃度のIP
Aベーパーの層を形成することができるので、親水性部
と疎水性部の混在する基板Wを乾燥する際にもIPAベ
ーパーにさらす時間を短くして乾燥することによりパー
ティクルの発生を抑えることができる。
【0074】<3.変形例>以上、各実施の形態に基づ
いてこの発明を説明したが、この発明の技術的範囲はこ
れらの実施の形態に限定されるものではない。
【0075】図12は第1の実施の形態の変形例におけ
る仕切り壁43の部分断面図である。この変形例では第
1の実施の形態における仕切り壁42において、固定板
42aに設けられていた貫通しない取付け穴AHの代わ
りに、固定板43aを貫通するように内面にねじ溝のな
い取付け穴AHを設け、可動板43bの貫通孔THと固
定板43aの取付け穴AHとを一致させた状態で固定板
43aと可動板43bとを重ねて、ボルト43cを貫通
孔THを貫通させてナット43dと螺合させることによ
って可動板43bを固定板43aに取り付けるものとし
てもよい。なお、ワッシャ43eを取付け穴AHとナッ
ト43dとの間に挿入してもよい。このような仕切り壁
43を用いた多機能処理部5dおよび基板処理装置1に
よれば第1の実施の形態と同様の効果を有する。
【0076】図13は第1の実施の形態の他の変形例に
おける仕切り壁44の側面図である。第1の実施の形態
における仕切り壁42の可動板調節機構では可動板42
bに貫通孔THが複数設けられていたのに対して、この
変形例の可動板44bは高さ方向を長手方向とする長穴
LHを有している。可動板44bの固定板44aへの固
定方法は図6におけるものと同様に長穴LHを貫通した
ボルト44cを可動板44bの取付け穴AHに螺合させ
ることによる。このような仕切り壁44を用いた多機能
処理部5dおよび基板処理装置1によれば第1の実施の
形態と同様の効果を有するとともに、第1の実施の形態
における可動板42bの固定板42aへの取付け位置が
段階的にしか調節できなかったのに対して、この変形例
では無段階に可動板44bの固定板44aへの取付け位
置を調節でき、一層、基板特性に柔軟に対応した基板乾
燥処理が行える。
【0077】図14は、第2の実施の形態の変形例にお
ける仕切り壁47の側面図である。第2の実施の形態に
おける仕切り壁46には上端から若干の間隔だけ下方の
位置に複数のパンチ穴PHが設けられていたのに対し
て、この変形例では第2の実施の形態のパンチ穴PHと
同様の位置に複数の水平方向(Y方向)に細長いスリッ
トSLが設けられている。そして、仕切り壁47のスリ
ットSLの開孔の面積の総和はガス供給ノズル40のガ
ス供給口40aの開孔の面積の総和より大きくなってお
り、そのため、緩衝空間BS内に供給された混合ガスが
基板乾燥空間WS側に流速を低減された状態で溢れるよ
うに流れ込むものとなっている。そのため、仕切り壁4
7を用いた多機能処理部5dおよび基板処理装置1によ
れば第2の実施の形態と同様の効果を有するとともに、
スリットSLは細長い形状であるためパンチ穴より一層
流体抵抗が大きいので、より基板乾燥空間WSに混合ガ
ス等を供給する際の乱流を抑えて、一層均一な乾燥が行
え、乾燥効率を向上することができる。
【0078】また、第1の実施の形態の多機能処理部5
dでは仕切り壁42の下端とチャンバ10の底面とが離
隔していたが、仕切り壁の下端には開孔を設けないでチ
ャンバ10底面に連結するものとしてもよい。
【0079】また、上記各実施の形態ではガス供給ノズ
ルを処理槽20上端より下に設けたが、雰囲気通路とほ
ぼ同一平面内以外の高さであればより高い位置に設ける
等としてもよい。
【0080】図15はこの発明の変形例における整流板
49の断面図であり、図16は整流板49の斜視図であ
る。この整流板49は整流面49aが多角筒、より正確
には正16角筒の内周面の一部(中心角にしてほぼ1/
4程度)に相当する凹面をなす整流面49aを有してい
る。すなわち、整流面49aは複数の平面を互いに若干
の角度を設けて組み合わせた形状を有している。これを
第1および第2の実施の形態と同様にガス供給ノズル4
0の上方(緩衝空間BS上方)のチャンバ10の天井面
側辺部から側面上端にかけて取り付けることにより、下
方のガス供給ノズル40から供給される混合ガスおよび
N2ガスが整流面49aに至るとその流れの方向を曲げ
て、チャンバ10内側、すなわち基板乾燥空間WS側に
向けるとともに、第1および第2の実施の形態における
整流板48ほどではないが、その流れの乱流の発生を抑
えることができる。そのため、第1または第2の実施の
形態における整流板48による乱流の発生を抑えたこと
による効果に対して、その程度は劣るもののそれらと同
種の効果を有する。また、第1および第2の実施の形態
における整流板48に比べてその成形が容易である。な
お、この多角筒は正16角筒でなくとも正32角筒等、
その他の正多角筒の一部でもよいし、さらに正多角筒以
外にも角辺の長さの異なる多角筒であってもよい。
【0081】また、上記各実施の形態において整流手段
として整流板48,49をチャンバ10の天井面側辺部
から側面上端にかけて取り付けるものとしたが、このよ
うな整流板を取り付けるのではなくチャンバ10の側面
から天井面にかけての部材自体を、下方に向いた面が円
筒または多角筒の内周面の一部に相当する凹面の形状に
なるように形成することによって整流手段としてもよ
い。
【0082】さらに、上記各実施の形態における多機能
処理部5dでは溶剤としてIPAを用い、不活性ガスと
してN2ガスを用いたが、溶剤としてエタノールやメタ
ノール等のその他の溶剤、不活性ガスとしてヘリウムガ
スやアルゴンガス等のその他不活性ガスを用いてもよ
い。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜請求項
9の基板乾燥装置によれば、溶剤蒸気供給手段の上方
に、溶剤蒸気供給手段から供給された溶剤蒸気の流れの
乱れを抑えつつ、その流れの方向を基板乾燥空間側へ変
える整流手段を備えるため、溶剤蒸気に乱流を発生させ
ないで基板乾燥空間側へ溶剤蒸気を供給することによ
り、基板表面に付着した処理液へ溶剤蒸気を均一に凝縮
させることができ、したがって基板の乾燥ムラの発生を
抑えて効率的な乾燥を行うことができる。また、溶剤蒸
気を基板に付着した処理液に対して均一に凝縮させるこ
とができるため、余分に溶剤蒸気を供給する必要がない
ので溶剤の消費量を抑えることができる。また、間接的
に溶剤蒸気を供給するので、溶剤蒸気供給手段の微妙な
調整が不要となり装置設定の再現性がよい。
【0084】また、請求項2の基板乾燥装置によれば整
流手段の溶剤蒸気の流れを整流する面が円筒の内周面の
一部に相当する凹面であるため、より乱流の発生を抑え
ることができるので、より乾燥ムラを抑えて効率的な乾
燥を行うことができるとともに、溶剤の消費量を抑える
ことができる。
【0085】また、請求項3の基板乾燥装置によれば、
整流手段の溶剤蒸気の流れを整流する面が多角筒の内周
面の一部に相当する凹面であるため、請求項2の場合に
比べて整流手段の成形が容易である。
【0086】また、請求項6および請求項7の基板乾燥
装置によれば、溶剤蒸気供給手段と基板乾燥空間との間
を仕切ることにより、溶剤蒸気供給手段から供給された
溶剤蒸気の流れの緩衝空間を規定する仕切り壁を備え、
仕切り壁と処理室の天井面との間の間隙が基板乾燥空間
と緩衝空間との間に雰囲気通路であるため、整流手段に
より乱流の発生を抑えられた溶剤蒸気の流れが、雰囲気
通路を介して基板乾燥空間へ流入するので、溶剤蒸気を
基板に付着した処理液に対して一層均一に凝縮させるこ
とができることにより、一層乾燥ムラの発生を抑えて効
率的な基板の乾燥を行うことができるとともに、余分に
溶剤蒸気を供給する必要がないので溶剤の消費量を一層
抑えることができる。
【0087】また、整流手段により乱流を抑えられた溶
剤蒸気を上方から間接的に基板乾燥空間に供給するの
で、基板乾燥空間内における不活性ガス等を含む雰囲気
中においてはその分子量の差により溶剤蒸気は下方に貯
まり高濃度の層を形成する。そして、整流手段により乱
流の発生が抑えられることによりその層は乱されること
が少ない。したがって、基板乾燥空間下方に高濃度の溶
剤蒸気の層を安定して形成することができるので、親水
性部と疎水性部の混在する基板を乾燥する際にも溶剤蒸
気にさらす時間を短くして乾燥することによりパーティ
クルの発生を抑えることができる。
【0088】また、請求項8および請求項9の基板乾燥
装置によれば、雰囲気通路が仕切り壁内において処理室
の天井面から下方に若干離隔して設けられているため、
溶剤蒸気供給手段から供給された溶剤蒸気が処理室の天
井面に至って整流手段により乱流を抑えられたうえに、
さらに、その天井面より若干下方のさらに乱流の影響の
少ない溶剤蒸気を基板乾燥空間に供給することができる
ので、より均一で効率的で溶剤消費量の少なく基板乾燥
を行うことができる。また、親水性部と疎水性部の混在
する基板を乾燥する際にも一層パーティクルの発生を抑
えることができる。
【0089】また、請求項9の発明によれば雰囲気通路
が流体抵抗を有して整流作用を生ずる複数の小穴からな
るため、基板乾燥空間に供給する際の溶剤蒸気の流速お
よび乱流を一層抑えることができるので、一層均一で効
率的な基板乾燥を行うことができる。
【0090】さらに、請求項10の基板処理装置は、請
求項1ないし請求項9のいずれかに記載の基板乾燥装置
を用いて構成された基板乾燥部を備えるので、上記と同
様の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である基板処理装置の構
成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態における多機能処理部の縦断
面図である。
【図3】第1の実施の形態における多機能処理部の他の
縦断面図である。
【図4】第1の実施の形態の多機能処理部の配管等の構
成を示す模式図である。
【図5】第1の実施の形態における仕切り壁のX軸方向
から見た側面図である。
【図6】第1の実施の形態における仕切り壁の部分断面
図である。
【図7】整流板の断面図である。
【図8】整流板の斜視図である。
【図9】第2の実施の形態における多機能処理部の縦断
面図である。
【図10】第2の実施の形態における多機能処理部の他
の縦断面図である。
【図11】第2の実施の形態における仕切り壁のX軸方
向から見た側面図である。
【図12】第1の実施の形態の変形例における仕切り壁
の部分断面図である。
【図13】第1の実施の形態の他の変形例における仕切
り壁の側面図である。
【図14】第2の実施の形態の変形例における仕切り壁
の側面図である。
【図15】本発明の変形例における整流板の断面図であ
る。
【図16】本発明の変形例における整流板の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 基板処理装置 5a 薬液処理部(基板処理部) 5b 水洗処理部(基板処理部) 5d 多機能処理部(基板乾燥装置および基板乾燥部) 10 チャンバ 20 処理槽 40,41 ガス供給ノズル(溶剤蒸気供給手段) 42〜44,46〜47 仕切り壁 42a,43a,44a 固定板(保持部材) 42b,43b,44b 可動板 42c,43c,44c ボルト 43d ナット 43e ワッシャ 48,49 整流板 48a,49a 整流面 AH 取付け穴 DIW 純水(処理液) LH 長穴 PH パンチ穴(小穴) S,SS 間隙(雰囲気通路) SL スリット(小穴) TH 貫通孔 W 基板 WS 基板乾燥空間

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤蒸気を含む雰囲気が満たされた処理
    室内の基板乾燥空間を、処理液による処理後の基板を通
    過させて当該基板を乾燥させる基板乾燥装置であって、 前記基板乾燥空間の側方に設けられるとともに、ほぼ上
    方へ向けて溶剤蒸気を供給する溶剤蒸気供給手段と、 前記溶剤蒸気供給手段の上方において前記溶剤蒸気供給
    手段から供給された溶剤蒸気の流れの乱れを抑えつつ、
    その流れの方向を前記基板乾燥空間側へ変える整流手段
    と、を備えることを特徴とする基板乾燥装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の基板乾燥装置であっ
    て、 前記整流手段の溶剤蒸気の流れを整流する面が円筒の内
    周面の一部に相当する凹面であることを特徴とする基板
    乾燥装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の基板乾燥装置であっ
    て、 前記整流手段の溶剤蒸気の流れを整流する面が多角筒の
    内周面の一部に相当する凹面であることを特徴とする基
    板乾燥装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の基板乾
    燥装置であって、さらに、 前記溶剤蒸気供給手段と前記基板乾燥空間との間を仕切
    ることにより、前記溶剤蒸気供給手段から供給された溶
    剤蒸気の流れの緩衝空間を規定する仕切り壁を備え、 前記仕切り壁による前記基板乾燥空間と前記緩衝空間と
    の仕切りが不完全であることにより、前記基板乾燥空間
    と前記緩衝空間との間に雰囲気通路が形成されており、 前記緩衝空間で緩衝された後の前記溶剤蒸気の流れが、
    前記雰囲気通路を介して前記基板乾燥空間へ流入するこ
    とを特徴とする基板乾燥装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の基板乾燥装置であっ
    て、 前記雰囲気通路が前記溶剤蒸気供給手段よりも高い位置
    に設けられていることを特徴とする基板乾燥装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の基板乾燥装置であっ
    て、 前記雰囲気通路が前記仕切り壁と前記処理室の天井面と
    の間の間隙であることを特徴とする基板乾燥装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の基板乾燥装置であっ
    て、 前記仕切り壁が前記処理室内部において前記処理室の側
    面にほぼ平行に設けられた保持部材と、 前記保持部材に可動に取り付けられる可動板と、 前記可動板の前記保持部材への取付け高さを調節する可
    動板調節機構と、を備えることを特徴とする基板乾燥装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の基板乾燥装置であっ
    て、 前記仕切り壁が前記処理室の天井面にまで至るものであ
    るとともに、前記雰囲気通路が前記仕切り壁内において
    前記処理室の天井面から下方に若干離隔して設けられて
    いることを特徴とする基板乾燥装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の基板乾燥装置であっ
    て、 前記雰囲気通路が流体抵抗を有して整流作用を生ずる複
    数の小穴からなることを特徴とする基板乾燥装置。
  10. 【請求項10】 基板に対して処理液による処理を施す
    基板処理部と、 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の基板乾燥装
    置を用いて構成された基板乾燥部と、を備えることを特
    徴とする基板処理装置。
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