JPH11304117A - 愛玩動物の遺体などを焼却するのに適した焼却炉及び焼却方法 - Google Patents
愛玩動物の遺体などを焼却するのに適した焼却炉及び焼却方法Info
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- JPH11304117A JPH11304117A JP12417798A JP12417798A JPH11304117A JP H11304117 A JPH11304117 A JP H11304117A JP 12417798 A JP12417798 A JP 12417798A JP 12417798 A JP12417798 A JP 12417798A JP H11304117 A JPH11304117 A JP H11304117A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 動物の遺体などの効率的な焼却が可能で、ダ
イオキシンの発生を防ぐことができる焼却炉及び焼却方
法を提供する。 【解決手段】 動物の遺体などを焼却するための焼却炉
において、動物の遺体などの被焼却物を燃焼させるため
のバーナーを備えた一次燃焼室と、この一次燃焼室の上
方に備えられた二次燃焼室であって、熱を蓄積して放射
熱及び高温空気の渦流を発生させるためのスタビライザ
ーと、前記一次燃焼室から続く二次燃焼室内の空間及び
前記スタビライザーを高温の火炎で加熱するための消煙
バーナーとを備え、前記一次燃焼室から送られて来る未
燃焼ガスを完全燃焼させることによりダイオキシンの生
成を抑制するための二次燃焼室とを備えた焼却炉であ
る。
イオキシンの発生を防ぐことができる焼却炉及び焼却方
法を提供する。 【解決手段】 動物の遺体などを焼却するための焼却炉
において、動物の遺体などの被焼却物を燃焼させるため
のバーナーを備えた一次燃焼室と、この一次燃焼室の上
方に備えられた二次燃焼室であって、熱を蓄積して放射
熱及び高温空気の渦流を発生させるためのスタビライザ
ーと、前記一次燃焼室から続く二次燃焼室内の空間及び
前記スタビライザーを高温の火炎で加熱するための消煙
バーナーとを備え、前記一次燃焼室から送られて来る未
燃焼ガスを完全燃焼させることによりダイオキシンの生
成を抑制するための二次燃焼室とを備えた焼却炉であ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、犬、猫、熱帯魚な
どの愛玩動物の遺体、モルモットなどの実験用小動物の
遺体などを焼却するのに適した焼却炉及び焼却方法に関
する。
どの愛玩動物の遺体、モルモットなどの実験用小動物の
遺体などを焼却するのに適した焼却炉及び焼却方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、犬、猫などの愛玩動物の遺体
を火葬するための遺体焼却炉が知られている。従来の動
物用遺体焼却炉は、単に炉内に大容量バーナーを設置
し、このバーナーからの炎により遺体を焼却するという
ものである。
を火葬するための遺体焼却炉が知られている。従来の動
物用遺体焼却炉は、単に炉内に大容量バーナーを設置
し、このバーナーからの炎により遺体を焼却するという
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の動物
の遺体用の焼却炉は、一般のゴミ等の焼却炉と比較し
て、次のような特殊性を有している。すなわち、愛玩用
小動物の遺体、熱帯魚等の遺体、実験動物などの死骸
(遺体)の焼却(火葬)は、処理対象の動物の大きさが
ケースにより著しく異なっており、小は100gから大
は60Kg超までというように様々であり、動物の老若
により体脂肪の量も大差があることなどから、一般ゴミ
とは異なる処理が必要である。特に、前記の遺体からの
体脂肪は、火葬時の温度上昇に伴って液状化し、皮膚の
損傷部から漏れ出し、炉床面に広がり、さらに移動炉床
と側壁の間隙から零れ、フロァを汚損させ悪臭を発する
ようになる。また、この液化した脂肪は、多量の水分と
混合されてエマルジョン(脂肪と水が混合したもの)と
なり、水の蒸発時の潜熱を奪って着火温度までの温度上
昇を妨げるため、脂肪が気化し燃焼することを阻害す
る。
の遺体用の焼却炉は、一般のゴミ等の焼却炉と比較し
て、次のような特殊性を有している。すなわち、愛玩用
小動物の遺体、熱帯魚等の遺体、実験動物などの死骸
(遺体)の焼却(火葬)は、処理対象の動物の大きさが
ケースにより著しく異なっており、小は100gから大
は60Kg超までというように様々であり、動物の老若
により体脂肪の量も大差があることなどから、一般ゴミ
とは異なる処理が必要である。特に、前記の遺体からの
体脂肪は、火葬時の温度上昇に伴って液状化し、皮膚の
損傷部から漏れ出し、炉床面に広がり、さらに移動炉床
と側壁の間隙から零れ、フロァを汚損させ悪臭を発する
ようになる。また、この液化した脂肪は、多量の水分と
混合されてエマルジョン(脂肪と水が混合したもの)と
なり、水の蒸発時の潜熱を奪って着火温度までの温度上
昇を妨げるため、脂肪が気化し燃焼することを阻害す
る。
【0004】また、動物の遺体の骨の大きさも、ハムス
ターの骨のような縫い針又は爪楊枝の如きサイズから直
径5cm以上に達する物もある。大型骨の動物の火葬の
場合は、その骨髄までを短時間で焼却するにためには非
常に高温の炎を要するが、反面、ハムスター等の爪楊枝
サイズの骨の動物の火葬の場合は、高温の火炎では吹き
飛ばされて骨拾い(遺骨の回収)が出来ないという問題
がある。
ターの骨のような縫い針又は爪楊枝の如きサイズから直
径5cm以上に達する物もある。大型骨の動物の火葬の
場合は、その骨髄までを短時間で焼却するにためには非
常に高温の炎を要するが、反面、ハムスター等の爪楊枝
サイズの骨の動物の火葬の場合は、高温の火炎では吹き
飛ばされて骨拾い(遺骨の回収)が出来ないという問題
がある。
【0005】また、動物の遺体の体液や血液中に含まれ
る塩素分と有機物が混在して燃焼するため、低温燃焼で
はダイオキシンが発生してしまう。また、生前に動物が
親しんでいた玩具(塩化ビニール製が多い)を柩の中に
入れる場合が少なくないが、この玩具もダイオキシン発
生の要因となっている。
る塩素分と有機物が混在して燃焼するため、低温燃焼で
はダイオキシンが発生してしまう。また、生前に動物が
親しんでいた玩具(塩化ビニール製が多い)を柩の中に
入れる場合が少なくないが、この玩具もダイオキシン発
生の要因となっている。
【0006】また、大型犬は横たわって死に、死後硬直
を起こしていると足が邪魔をして胴体を炉床の中央に安
置する事が出来ず、炉床の中央に火炎を直接吹きつけて
も大型犬の遺体を加熱できないことが多い。
を起こしていると足が邪魔をして胴体を炉床の中央に安
置する事が出来ず、炉床の中央に火炎を直接吹きつけて
も大型犬の遺体を加熱できないことが多い。
【0007】本発明は、以上のような動物の遺体用焼却
炉の特殊性に着目してなされたものであり、その目的
は、次に述べるようなものである。
炉の特殊性に着目してなされたものであり、その目的
は、次に述べるようなものである。
【0008】(1)従来の焼却炉では、バーナーからの
炎による燃焼だけでは、どうしても不完全燃焼部分や燃
焼遅れ部分が発生するためダイオキシンが生成されると
いう恐れがあった。そこで、本発明は、動物の遺体など
の被焼却物の全体を確実に完全燃焼させてダイオキシン
の発生を有効に防ぐことができる動物の遺体などのため
の燃焼炉及び焼却方法を提供することを目的とする。
炎による燃焼だけでは、どうしても不完全燃焼部分や燃
焼遅れ部分が発生するためダイオキシンが生成されると
いう恐れがあった。そこで、本発明は、動物の遺体など
の被焼却物の全体を確実に完全燃焼させてダイオキシン
の発生を有効に防ぐことができる動物の遺体などのため
の燃焼炉及び焼却方法を提供することを目的とする。
【0009】(2)従来の動物の遺体用焼却炉のように
燃焼炉にバーナー1本を備えただけでは、大型犬を焼却
した場合、火炎が遺体に遮られて届かない場所が発生し
てしまうという問題がある。また、バーナー1本により
燃焼させるときは、反バーナー(下流)側に燃焼の遅れ
が発生してしまう。そこで、本発明は、大型犬などを焼
却する場合に、火炎が届かずに未焼却部分が残ってしま
ったり、燃焼遅れの部分が生じてしまい全体の燃焼時間
が延びてしまうという事態を防ぐことができる動物の遺
体などのための焼却炉を提供することを目的とする。
燃焼炉にバーナー1本を備えただけでは、大型犬を焼却
した場合、火炎が遺体に遮られて届かない場所が発生し
てしまうという問題がある。また、バーナー1本により
燃焼させるときは、反バーナー(下流)側に燃焼の遅れ
が発生してしまう。そこで、本発明は、大型犬などを焼
却する場合に、火炎が届かずに未焼却部分が残ってしま
ったり、燃焼遅れの部分が生じてしまい全体の燃焼時間
が延びてしまうという事態を防ぐことができる動物の遺
体などのための焼却炉を提供することを目的とする。
【0010】(3)また、従来の燃焼炉では、燃焼後の
ガスや残滓が排気用煙突内を浮遊する過程で、ダイオキ
シンが再合成される恐れがあった。そこで、本発明は、
燃焼後のガスや残滓などが排気用煙突内などで浮遊する
ことによりダイオキシンが再合成されることを有効に防
止することができる動物の遺体などの燃焼炉を提供する
ことを目的とする。
ガスや残滓が排気用煙突内を浮遊する過程で、ダイオキ
シンが再合成される恐れがあった。そこで、本発明は、
燃焼後のガスや残滓などが排気用煙突内などで浮遊する
ことによりダイオキシンが再合成されることを有効に防
止することができる動物の遺体などの燃焼炉を提供する
ことを目的とする。
【0011】(4)また、従来の焼却炉では、遺体から
の大量の体液や脂肪が移動炉床に溜まり(特に大型の老
犬の遺体は脂肪が多い)、更に移動炉床外の燃焼室内の
床面に溢れ出して、その床面を汚損し焼却終了後も悪臭
を発してしまうなどの問題がある。そこで、本発明は、
遺体からの体液や脂肪が移動炉床から流出することを防
ぎ、燃焼室の床などを汚損したり悪臭を発生したりする
ことを防ぐことができる動物の遺体の焼却炉を提供する
ことを目的とする。
の大量の体液や脂肪が移動炉床に溜まり(特に大型の老
犬の遺体は脂肪が多い)、更に移動炉床外の燃焼室内の
床面に溢れ出して、その床面を汚損し焼却終了後も悪臭
を発してしまうなどの問題がある。そこで、本発明は、
遺体からの体液や脂肪が移動炉床から流出することを防
ぎ、燃焼室の床などを汚損したり悪臭を発生したりする
ことを防ぐことができる動物の遺体の焼却炉を提供する
ことを目的とする。
【0012】(5)また、従来の焼却炉では、移動炉床
が平坦なため移動炉床に密着した遺体下部が温度不足及
び酸素不足となり不完全燃焼を起こし、臭気、ダイオキ
シン又は黒煙が発生してしまう、また、同じ原因から、
焼却に長い時間を要してしまう、という問題がある。そ
こで、本発明は、移動炉床に載置された遺体の下部をも
効率的に燃焼させることができる動物の遺体の焼却炉を
提供することを目的とする。
が平坦なため移動炉床に密着した遺体下部が温度不足及
び酸素不足となり不完全燃焼を起こし、臭気、ダイオキ
シン又は黒煙が発生してしまう、また、同じ原因から、
焼却に長い時間を要してしまう、という問題がある。そ
こで、本発明は、移動炉床に載置された遺体の下部をも
効率的に燃焼させることができる動物の遺体の焼却炉を
提供することを目的とする。
【0013】(6)また、従来の焼却炉では、小動物を
焼却する場合、焼却中に骨がバーナーからの火炎の勢い
で吹き飛ばされしまい、後で骨の回収ができなくなって
しまうという問題がある。そこで、本発明は、モルモッ
ト等の小動物の遺体を焼却する場合でも、その遺体の骨
が飛散しないようにして骨の回収が容易にできるように
する動物の遺体の焼却炉を提供することを目的とする。
焼却する場合、焼却中に骨がバーナーからの火炎の勢い
で吹き飛ばされしまい、後で骨の回収ができなくなって
しまうという問題がある。そこで、本発明は、モルモッ
ト等の小動物の遺体を焼却する場合でも、その遺体の骨
が飛散しないようにして骨の回収が容易にできるように
する動物の遺体の焼却炉を提供することを目的とする。
【0014】(7)また、従来の焼却炉では、動物の遺
体からの脂肪を含む液体が遺体を載置した移動炉床に溜
まるが、この液体は水分が多いため自燃しないし、この
液体が燃焼温度を下げるのでダイオキシンの発生原因に
もなっている。また、この液体による燃焼の後れによ
り、遺体の焼却に長時間を要している。そこで、本発明
は、この移動炉床に溜まった動物の遺体からの液体を有
効に燃焼させることができる動物の遺体の焼却炉を提供
することを目的とする。
体からの脂肪を含む液体が遺体を載置した移動炉床に溜
まるが、この液体は水分が多いため自燃しないし、この
液体が燃焼温度を下げるのでダイオキシンの発生原因に
もなっている。また、この液体による燃焼の後れによ
り、遺体の焼却に長時間を要している。そこで、本発明
は、この移動炉床に溜まった動物の遺体からの液体を有
効に燃焼させることができる動物の遺体の焼却炉を提供
することを目的とする。
【0015】(8)また、従来の燃焼炉では、複数の動
物の遺体の火葬を連続操業する場合に、炉内に前操業の
残留ガスが滞留していたり、炉内が300℃以上の高温
になったままで次の操業(火葬)に直ちに入れない(操
業効率が低下してしまう)という問題があった。そこ
で、本発明は、前述のような連続操業時に、前操業の残
留ガスを高速に排気すると共に、前操業時に加熱された
炉内を常温まで高速冷却して、速やかに次の操業に移る
ようにすることができる動物の遺体などの焼却炉を提供
することを目的とする。
物の遺体の火葬を連続操業する場合に、炉内に前操業の
残留ガスが滞留していたり、炉内が300℃以上の高温
になったままで次の操業(火葬)に直ちに入れない(操
業効率が低下してしまう)という問題があった。そこ
で、本発明は、前述のような連続操業時に、前操業の残
留ガスを高速に排気すると共に、前操業時に加熱された
炉内を常温まで高速冷却して、速やかに次の操業に移る
ようにすることができる動物の遺体などの焼却炉を提供
することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するための本発明による動物の遺体用焼却炉は、動物の
遺体などを焼却するための焼却炉において、動物の遺体
などの被焼却物を燃焼させるためのバーナーを備えた一
次燃焼室と、この一次燃焼室の上方に備えられ、前記一
次燃焼室から送られて来る未燃焼ガスを完全燃焼させる
ための二次燃焼室であって、熱を蓄積して放射熱及び高
温空気の渦流を発生させるためのスタビライザーと、前
記二次燃焼室内の空間及び前記スタビライザーを高温の
火炎で加熱するための消煙バーナーとを備え、前記一次
燃焼室から送られて来る未燃焼ガスを完全燃焼させるこ
とによりダイオキシンの生成を抑制するための二次燃焼
室と、を備えたことを特徴とするものである。
するための本発明による動物の遺体用焼却炉は、動物の
遺体などを焼却するための焼却炉において、動物の遺体
などの被焼却物を燃焼させるためのバーナーを備えた一
次燃焼室と、この一次燃焼室の上方に備えられ、前記一
次燃焼室から送られて来る未燃焼ガスを完全燃焼させる
ための二次燃焼室であって、熱を蓄積して放射熱及び高
温空気の渦流を発生させるためのスタビライザーと、前
記二次燃焼室内の空間及び前記スタビライザーを高温の
火炎で加熱するための消煙バーナーとを備え、前記一次
燃焼室から送られて来る未燃焼ガスを完全燃焼させるこ
とによりダイオキシンの生成を抑制するための二次燃焼
室と、を備えたことを特徴とするものである。
【0017】また、本発明による焼却炉を使用した焼却
方法は、一次燃焼室に点火する前に、予め、二次燃焼室
をダイオキシンの発生を防げる800℃以上の温度に昇
温しておく工程、及び、前記二次燃焼室の800℃以上
への昇温後、一次燃焼室を点火して動物の遺体などの被
焼却物を焼却する工程、を含み、一次燃焼室の立ち上げ
時におけるダイオキシンの発生を防止するようにしたこ
とを特徴とするものである。
方法は、一次燃焼室に点火する前に、予め、二次燃焼室
をダイオキシンの発生を防げる800℃以上の温度に昇
温しておく工程、及び、前記二次燃焼室の800℃以上
への昇温後、一次燃焼室を点火して動物の遺体などの被
焼却物を焼却する工程、を含み、一次燃焼室の立ち上げ
時におけるダイオキシンの発生を防止するようにしたこ
とを特徴とするものである。
【0018】また、本発明による焼却炉において、前記
一次燃焼室は、移動式の移動炉床に載置される愛玩動物
の遺体を、その頭部又は臀部の方向から臀部又は頭部の
方向へ向けて炎を放出する主バーナーであって、比較的
身長の大きい動物が炉床上で横たわったときにその遺体
の長手方向のほぼ中心線に対向するように、すなわち、
移動炉床の長手方向の中心線から偏芯した位置に対向す
るように、配置されている主バーナーと、前記主バーナ
ーの最遠部の熱不足を補うための副バーナーであって、
前記主バーナーからの炎とほぼ直交する方向に炎を放出
する副バーナーと、を備えているのがよい。なお、この
発明(特に、前記主バーナーを、移動炉床の中心から偏
芯させて配置するアイデア)は、前記の一次燃焼室と二
次燃焼室との二つの燃焼室を備えた焼却炉に限られるこ
となく、一つの燃焼室のみを備えた焼却炉においても、
適用できる。
一次燃焼室は、移動式の移動炉床に載置される愛玩動物
の遺体を、その頭部又は臀部の方向から臀部又は頭部の
方向へ向けて炎を放出する主バーナーであって、比較的
身長の大きい動物が炉床上で横たわったときにその遺体
の長手方向のほぼ中心線に対向するように、すなわち、
移動炉床の長手方向の中心線から偏芯した位置に対向す
るように、配置されている主バーナーと、前記主バーナ
ーの最遠部の熱不足を補うための副バーナーであって、
前記主バーナーからの炎とほぼ直交する方向に炎を放出
する副バーナーと、を備えているのがよい。なお、この
発明(特に、前記主バーナーを、移動炉床の中心から偏
芯させて配置するアイデア)は、前記の一次燃焼室と二
次燃焼室との二つの燃焼室を備えた焼却炉に限られるこ
となく、一つの燃焼室のみを備えた焼却炉においても、
適用できる。
【0019】また、本発明による焼却炉においては、前
記二次燃焼室の排出側に備えられたガス冷却塔であっ
て、外気を高速に取り込むためのエジェクターファンを
備え、このエジェクターファンからの空気により、前記
スタビライザーからの加熱された空気を取り込むと共
に、この取り込んだ前記の加熱された空気を約200℃
まで急冷して外部に排出し、これにより、前記二次燃焼
室から送られたガスによりダイオキシンが再合成される
ことを防止するようにしたガス冷却塔、を備えるのがよ
い。
記二次燃焼室の排出側に備えられたガス冷却塔であっ
て、外気を高速に取り込むためのエジェクターファンを
備え、このエジェクターファンからの空気により、前記
スタビライザーからの加熱された空気を取り込むと共
に、この取り込んだ前記の加熱された空気を約200℃
まで急冷して外部に排出し、これにより、前記二次燃焼
室から送られたガスによりダイオキシンが再合成される
ことを防止するようにしたガス冷却塔、を備えるのがよ
い。
【0020】また、本発明による焼却炉においては、前
記移動炉床の周囲に備えられた耐火物製の堰堤であっ
て、前記移動炉床上の動物の遺体からの脂肪が移動炉床
の外に流れ出すことを防止するための堰堤、を備えるの
がよい。
記移動炉床の周囲に備えられた耐火物製の堰堤であっ
て、前記移動炉床上の動物の遺体からの脂肪が移動炉床
の外に流れ出すことを防止するための堰堤、を備えるの
がよい。
【0021】また、本発明による焼却炉においては、前
記移動炉床の上面に備えられた耐火物製の凹凸部であっ
て、移動炉床上に載置された動物の遺体の下部に酸素及
び熱ガスを供給するための通気スペースを確保するため
の凹凸部、を備えるのがよい。
記移動炉床の上面に備えられた耐火物製の凹凸部であっ
て、移動炉床上に載置された動物の遺体の下部に酸素及
び熱ガスを供給するための通気スペースを確保するため
の凹凸部、を備えるのがよい。
【0022】また、本発明による焼却炉においては、前
記移動炉床の上面の前記凹凸部の凹部内に敷き詰められ
た粒子径が約2〜5mmの角張った砂又は砂状の粒子で
あって、前記遺体からの脂肪などの油分を上方に導いて
炉内で燃焼させるための粒子、を備えるのがよい。
記移動炉床の上面の前記凹凸部の凹部内に敷き詰められ
た粒子径が約2〜5mmの角張った砂又は砂状の粒子で
あって、前記遺体からの脂肪などの油分を上方に導いて
炉内で燃焼させるための粒子、を備えるのがよい。
【0023】また、本発明による焼却炉においては、前
記移動炉床の上面に備えられた小動物載置用エリアであ
って、前記主バーナー及び副バーナーからの炎が直接当
たらない場所に備えられ、その周囲には耐火物製の防炎
板が備えられ、これにより小動物の遺骨がバーナーから
の火炎により飛散されることを防止することができる小
動物載置用エリア、を備えるのがよい。
記移動炉床の上面に備えられた小動物載置用エリアであ
って、前記主バーナー及び副バーナーからの炎が直接当
たらない場所に備えられ、その周囲には耐火物製の防炎
板が備えられ、これにより小動物の遺骨がバーナーから
の火炎により飛散されることを防止することができる小
動物載置用エリア、を備えるのがよい。
【0024】さらに、本発明による焼却炉においては、
前記ガス冷却塔は、ある遺体の火葬工程から次の遺体の
火葬工程に移るときに、前の火葬工程時に発生した残留
ガスを外部に高速で排出すると共に、前の操業時に加熱
された燃焼室内を常温まで高速で冷却するためのエジェ
クターファンを備えているのがよい。
前記ガス冷却塔は、ある遺体の火葬工程から次の遺体の
火葬工程に移るときに、前の火葬工程時に発生した残留
ガスを外部に高速で排出すると共に、前の操業時に加熱
された燃焼室内を常温まで高速で冷却するためのエジェ
クターファンを備えているのがよい。
【0025】
【発明の実施の形態】実施形態1.図1は、本発明の実
施形態1の全体を示す概略図である。図1において、1
は一次燃焼室、2はこの一次燃焼室1からの燃え残りや
煙等のガスを処理するための二次燃焼室、3はこの二次
燃焼室2からの熱ガスなどを処理及び排出するためのガ
ス冷却塔(エジェクター煙突)である。
施形態1の全体を示す概略図である。図1において、1
は一次燃焼室、2はこの一次燃焼室1からの燃え残りや
煙等のガスを処理するための二次燃焼室、3はこの二次
燃焼室2からの熱ガスなどを処理及び排出するためのガ
ス冷却塔(エジェクター煙突)である。
【0026】前記一次燃焼室1には、扉4と、この扉か
ら一次燃焼室1の内と外に出入り自在の移動式の移動炉
床5が備えられている(本実施形態1では、遺体を乗せ
る炉床は移動式の移動炉床5として、遺体を載せること
及び骨を拾うことを容易にしている)。また、この一次
燃焼室1には、動物の遺体の長手方向に炎を放射する主
バーナー6と、この主バーナーの炎の放射方向とほぼ直
交する方向に炎を放射する副バーナー7とが、備えられ
ている。
ら一次燃焼室1の内と外に出入り自在の移動式の移動炉
床5が備えられている(本実施形態1では、遺体を乗せ
る炉床は移動式の移動炉床5として、遺体を載せること
及び骨を拾うことを容易にしている)。また、この一次
燃焼室1には、動物の遺体の長手方向に炎を放射する主
バーナー6と、この主バーナーの炎の放射方向とほぼ直
交する方向に炎を放射する副バーナー7とが、備えられ
ている。
【0027】本実施形態1では、前記主バーナー6は、
図2に示すように、移動炉床5の幅方向(長手方向と直
交する方向)の中心を通る中心線(前記移動炉床5の長
手方向に並行な線)に対向するのではなく、前記中心線
よりもいずれか一方の端部に偏芯した線に対向するよう
に設置されている。その理由は、図3に示すように、大
型犬などの比較的大型の動物の遺体の長手方向の中心
は、移動炉床5の上に載置すると、移動炉床5の中心線
A(移動炉床5の長手方向に延びる線で、移動炉床5を
二等分する線A)に対して偏芯して平行に延びる線(図
3の一点鎖線Bで示す線)上に位置するようになる。し
たがって、主バーナー6からの炎がこの線Bに沿って放
射されるようにするのが合理的である。よって、本実施
形態1では、主バーナー6は、図3の中心線Aではな
く、それから偏芯した線B(この線Bは、例えば、移動
炉床5の幅方向の一方の端部から約1/3の位置であ
る)に対向する位置に、設置されている。
図2に示すように、移動炉床5の幅方向(長手方向と直
交する方向)の中心を通る中心線(前記移動炉床5の長
手方向に並行な線)に対向するのではなく、前記中心線
よりもいずれか一方の端部に偏芯した線に対向するよう
に設置されている。その理由は、図3に示すように、大
型犬などの比較的大型の動物の遺体の長手方向の中心
は、移動炉床5の上に載置すると、移動炉床5の中心線
A(移動炉床5の長手方向に延びる線で、移動炉床5を
二等分する線A)に対して偏芯して平行に延びる線(図
3の一点鎖線Bで示す線)上に位置するようになる。し
たがって、主バーナー6からの炎がこの線Bに沿って放
射されるようにするのが合理的である。よって、本実施
形態1では、主バーナー6は、図3の中心線Aではな
く、それから偏芯した線B(この線Bは、例えば、移動
炉床5の幅方向の一方の端部から約1/3の位置であ
る)に対向する位置に、設置されている。
【0028】すなわち、本実施形態1では、超大型犬の
火葬にも対応出来る特大の床面積(W900mm×L1
200mm)を持つ一次燃焼室1に、主バーナー6を偏
芯して配置し、この主バーナー6による炎とクロスする
炎を発するように副バーナー7を配置している。一次燃
焼室1内にこの2本のバーナー6,7を配置して、動物
の遺体全体が火炎で覆われるようにした。すなわち、ダ
イオキシンの発生を抑制する為には、部分的にも不完全
燃焼を起こさせてはならず、一次燃焼室1内に温度ムラ
や空気不足領域を作ってはならない。そこで、本実施形
態1では、一次燃焼室1内の温度ムラを無くする為に、
主バーナー6及び副バーナー7の計2本のバーナーを使
用して、燃焼のデッドスペースの発生を防止している。
すなわち、大型愛玩犬の胴体を中心線上に置くことは極
めて困難なため、主バーナー6は、大型犬の胴体の位置
を想定して一次燃焼室の中心よりずらして設置する。こ
の一次燃焼室の場合、主バーナー6は、移動炉床5の一
方の端部からの幅の約1/3の位置に、設置してある。
補助バーナー7はデッドゾーンになりやすい移動炉床5
の長手方向の後ろ側の約1/3域をカバーするために、
主バーナー6の反対側で移動炉床5の長手方向の後ろ側
の約1/4の位置に、設置してある。
火葬にも対応出来る特大の床面積(W900mm×L1
200mm)を持つ一次燃焼室1に、主バーナー6を偏
芯して配置し、この主バーナー6による炎とクロスする
炎を発するように副バーナー7を配置している。一次燃
焼室1内にこの2本のバーナー6,7を配置して、動物
の遺体全体が火炎で覆われるようにした。すなわち、ダ
イオキシンの発生を抑制する為には、部分的にも不完全
燃焼を起こさせてはならず、一次燃焼室1内に温度ムラ
や空気不足領域を作ってはならない。そこで、本実施形
態1では、一次燃焼室1内の温度ムラを無くする為に、
主バーナー6及び副バーナー7の計2本のバーナーを使
用して、燃焼のデッドスペースの発生を防止している。
すなわち、大型愛玩犬の胴体を中心線上に置くことは極
めて困難なため、主バーナー6は、大型犬の胴体の位置
を想定して一次燃焼室の中心よりずらして設置する。こ
の一次燃焼室の場合、主バーナー6は、移動炉床5の一
方の端部からの幅の約1/3の位置に、設置してある。
補助バーナー7はデッドゾーンになりやすい移動炉床5
の長手方向の後ろ側の約1/3域をカバーするために、
主バーナー6の反対側で移動炉床5の長手方向の後ろ側
の約1/4の位置に、設置してある。
【0029】また、図3において、主バーナー6からの
炎だけでは、その最遠部である図3の破線Cで示す部分
が燃焼しない又は燃焼が遅れてしまうことになる。そこ
で、本実施形態1では、この最遠部Cに対向する位置
に、副バーナー7を備えるようにしている。この副バー
ナー7は、主バーナー6からの炎の熱不足を最も効率的
に補えるようにするために、主バーナー6からの炎の放
射方向とほぼ直交する方向に炎を放射するように、設置
されている。
炎だけでは、その最遠部である図3の破線Cで示す部分
が燃焼しない又は燃焼が遅れてしまうことになる。そこ
で、本実施形態1では、この最遠部Cに対向する位置
に、副バーナー7を備えるようにしている。この副バー
ナー7は、主バーナー6からの炎の熱不足を最も効率的
に補えるようにするために、主バーナー6からの炎の放
射方向とほぼ直交する方向に炎を放射するように、設置
されている。
【0030】次に、二次燃焼室2について、図1、図
2、図4、及び図5を参照して説明する。この二次燃焼
室2は、一次燃焼室1の上部に、連絡管9を介して設置
されている。図5は一次燃焼室1と二次燃焼室2との位
置関係を示す図である。二次燃焼室2は、一次燃焼室1
の平面図を示す図5の左上の上方に、配置されている。
すなわち、本実施形態1では、図1及び図5に示すよう
に、二次燃焼室2を一次燃焼室1の上部に設置し、一次
燃焼室1からのガスの出口は一次燃焼室1の長手方向中
央よりも主バーナー6寄りとし、二次燃焼室2へのガス
の入口は二次燃焼室2の長手方向中央よりも消煙バーナ
ー10寄りとすることにより、ガスのショートパスを防
止している。
2、図4、及び図5を参照して説明する。この二次燃焼
室2は、一次燃焼室1の上部に、連絡管9を介して設置
されている。図5は一次燃焼室1と二次燃焼室2との位
置関係を示す図である。二次燃焼室2は、一次燃焼室1
の平面図を示す図5の左上の上方に、配置されている。
すなわち、本実施形態1では、図1及び図5に示すよう
に、二次燃焼室2を一次燃焼室1の上部に設置し、一次
燃焼室1からのガスの出口は一次燃焼室1の長手方向中
央よりも主バーナー6寄りとし、二次燃焼室2へのガス
の入口は二次燃焼室2の長手方向中央よりも消煙バーナ
ー10寄りとすることにより、ガスのショートパスを防
止している。
【0031】本実施形態1では、二次燃焼室2に、消煙
バーナー10とスタビライザー11とが備えられてい
る。消煙バーナー10は、二次燃焼室2とスタビライザ
ー11を加熱するためのものである。スタビライザー1
1は、消煙バーナー10からの熱を蓄熱して高温の熱を
放射すると共に、高温空気の渦流を発生させるためのも
のである。一次燃焼炉1から二次燃焼室2に送られてく
る希薄な未燃焼ガスは、前記消煙バーナー10及びスタ
ビライザー11により、完全燃焼させられて、ダイオキ
シンの生成が抑制されるようになっている。
バーナー10とスタビライザー11とが備えられてい
る。消煙バーナー10は、二次燃焼室2とスタビライザ
ー11を加熱するためのものである。スタビライザー1
1は、消煙バーナー10からの熱を蓄熱して高温の熱を
放射すると共に、高温空気の渦流を発生させるためのも
のである。一次燃焼炉1から二次燃焼室2に送られてく
る希薄な未燃焼ガスは、前記消煙バーナー10及びスタ
ビライザー11により、完全燃焼させられて、ダイオキ
シンの生成が抑制されるようになっている。
【0032】すなわち、本実施形態1では、二次燃焼室
2は、温度保証(800℃以上。望ましくは平均850
℃以上)用の消煙バーナー10と、ほぼ中央に位置する
スタビライザー11(セラミックス製の多孔壁で、後流
に発生する渦と蓄熱による保焔・温度上昇の役割を持
つ)を設け、二次燃焼室2内における均一混合と更なる
温度上昇を達成した。
2は、温度保証(800℃以上。望ましくは平均850
℃以上)用の消煙バーナー10と、ほぼ中央に位置する
スタビライザー11(セラミックス製の多孔壁で、後流
に発生する渦と蓄熱による保焔・温度上昇の役割を持
つ)を設け、二次燃焼室2内における均一混合と更なる
温度上昇を達成した。
【0033】本実施形態1では、以上のような構成によ
り、一次燃焼室1及び二次燃焼室2のガスの滞留時間
は、合計2秒以上を確保しているので、一次燃焼室1又
は二次燃焼室2でダイオキシンが合成されることが有効
に防止されている。すなわち、ダイオキシンは、塩素イ
オン(食塩、塩化ビニール、塗料、血液、体液などに含
まれる)と有機物(合成樹脂,紙布,蛋白質,脂肪,炭
水化物,燃料油等々)を約300〜600℃の低温且つ
酸素不足の状態で燃焼させた時に発生する。したがっ
て、ダイオキシンを発生させない為には、約800℃以
上で2秒以上の滞留時間を確保することが必要である
が、本実施形態1はこの条件を満たすようにしている。
り、一次燃焼室1及び二次燃焼室2のガスの滞留時間
は、合計2秒以上を確保しているので、一次燃焼室1又
は二次燃焼室2でダイオキシンが合成されることが有効
に防止されている。すなわち、ダイオキシンは、塩素イ
オン(食塩、塩化ビニール、塗料、血液、体液などに含
まれる)と有機物(合成樹脂,紙布,蛋白質,脂肪,炭
水化物,燃料油等々)を約300〜600℃の低温且つ
酸素不足の状態で燃焼させた時に発生する。したがっ
て、ダイオキシンを発生させない為には、約800℃以
上で2秒以上の滞留時間を確保することが必要である
が、本実施形態1はこの条件を満たすようにしている。
【0034】すなわち、本実施形態1では、塩素イオン
や有機物を約300〜600℃の低温且つ酸素不足の状
態で燃焼させてダイオキシンを発生させるという事態を
防ぐために、次のような工夫を行っている。一般に、焼
却炉の立ち上げ時には、遺体を一次燃焼室1内に挿入し
バーナー6,7に点火し、所定の温度、例えば約800
℃以上まで昇温させる迄の間は、ダイオキシンの発生を
防ぎ得ない。本実施形態1では、これを防ぐため、二次
燃焼室2を設け、一次燃焼室1に点火する前に二次燃焼
室2及びスタビライザー11(セラミックス=煉瓦を格
子状に積んだ開口のある壁で、蓄熱能力あり。格子への
衝突及び格子通過後の背面に渦流が発生し、この混合効
果で燃焼が促進加速される)を予め充分に昇温してお
き、その後に、一次燃焼室1に点火する。そして、一次
燃焼室1の主バーナー6及び副バーナー7を共にフル燃
焼させ、二次燃焼室2もフル燃焼を継続すれば、スタビ
ライザー11や炉体が蓄熱分を放熱するので、全体で8
00℃以上で2秒間以上滞留させる、という前記の条件
を維持できる。
や有機物を約300〜600℃の低温且つ酸素不足の状
態で燃焼させてダイオキシンを発生させるという事態を
防ぐために、次のような工夫を行っている。一般に、焼
却炉の立ち上げ時には、遺体を一次燃焼室1内に挿入し
バーナー6,7に点火し、所定の温度、例えば約800
℃以上まで昇温させる迄の間は、ダイオキシンの発生を
防ぎ得ない。本実施形態1では、これを防ぐため、二次
燃焼室2を設け、一次燃焼室1に点火する前に二次燃焼
室2及びスタビライザー11(セラミックス=煉瓦を格
子状に積んだ開口のある壁で、蓄熱能力あり。格子への
衝突及び格子通過後の背面に渦流が発生し、この混合効
果で燃焼が促進加速される)を予め充分に昇温してお
き、その後に、一次燃焼室1に点火する。そして、一次
燃焼室1の主バーナー6及び副バーナー7を共にフル燃
焼させ、二次燃焼室2もフル燃焼を継続すれば、スタビ
ライザー11や炉体が蓄熱分を放熱するので、全体で8
00℃以上で2秒間以上滞留させる、という前記の条件
を維持できる。
【0035】また、従来のように燃焼室にバーナー1基
を備えただけで大容積物を燃焼させる場合は、物に火炎
が衝突して偏流し炉尻に火炎が届かない現象、すなわ
ち、炉尻にデッドゾーン(火炎が届かない為、高温で酸
素を含む排ガスが供給されない事により温度が上がら
ず、特に含水率の高い初期の条件では温度が上がらず且
つ酸素不足の状態で、自燃できないゾーン)が出現す
る。そこで、本実施形態1では、主バーナー6と副バー
ナー7との2本のバーナーを備え、更に、これらの2本
のバーナー6,7をただ並列に配しただけでは前述のよ
うな火炎の衝突、偏流現象を解消できず効果がないた
め、主バーナー6及び副バーナー7の配置を、炉尻部で
の火炎が互いに交差するようにした。これにより、主バ
ーナー6からの火炎の衝突と偏流によって発生するデッ
ドゾーンを副バーナー(2次バーナー)7の火炎で補う
ことができ、これを消去できるようになっている。な
お、焼却(火葬)終了後の骨(一般には、焼却残渣また
は焼却灰と称す)についても、その冷却過程でダイオキ
シンの再合成があると言われることがあるが、完全に骨
化していれば(有機物の存在が無ければ)、ダイオキシ
ンの再合成は無い。また、二次燃焼室2内に堆積する灰
についても、800℃以上の高温に長時間暴露されてい
るため、有機物の分解が進み無害化している。
を備えただけで大容積物を燃焼させる場合は、物に火炎
が衝突して偏流し炉尻に火炎が届かない現象、すなわ
ち、炉尻にデッドゾーン(火炎が届かない為、高温で酸
素を含む排ガスが供給されない事により温度が上がら
ず、特に含水率の高い初期の条件では温度が上がらず且
つ酸素不足の状態で、自燃できないゾーン)が出現す
る。そこで、本実施形態1では、主バーナー6と副バー
ナー7との2本のバーナーを備え、更に、これらの2本
のバーナー6,7をただ並列に配しただけでは前述のよ
うな火炎の衝突、偏流現象を解消できず効果がないた
め、主バーナー6及び副バーナー7の配置を、炉尻部で
の火炎が互いに交差するようにした。これにより、主バ
ーナー6からの火炎の衝突と偏流によって発生するデッ
ドゾーンを副バーナー(2次バーナー)7の火炎で補う
ことができ、これを消去できるようになっている。な
お、焼却(火葬)終了後の骨(一般には、焼却残渣また
は焼却灰と称す)についても、その冷却過程でダイオキ
シンの再合成があると言われることがあるが、完全に骨
化していれば(有機物の存在が無ければ)、ダイオキシ
ンの再合成は無い。また、二次燃焼室2内に堆積する灰
についても、800℃以上の高温に長時間暴露されてい
るため、有機物の分解が進み無害化している。
【0036】次に、ガス冷却塔3について、図1を参照
して説明する。前述のように、ダイオキシンを発生させ
ない為には、約800℃以上で2秒以上の滞留時間を確
保することが必要であるが、800℃からの温度降下が
遅い場合(徐冷)は、未燃焼ガス中の残留有機物と塩素
ガスが再合成してダイオキシンを発生する。このダイオ
キシンの再合成を防止するためには、1〜2秒間内に、
ダイオキシンが再合成しない温度域すなわち200℃ま
で急冷する必要がある。本実施形態1のガス冷却塔3は
このためのものである。
して説明する。前述のように、ダイオキシンを発生させ
ない為には、約800℃以上で2秒以上の滞留時間を確
保することが必要であるが、800℃からの温度降下が
遅い場合(徐冷)は、未燃焼ガス中の残留有機物と塩素
ガスが再合成してダイオキシンを発生する。このダイオ
キシンの再合成を防止するためには、1〜2秒間内に、
ダイオキシンが再合成しない温度域すなわち200℃ま
で急冷する必要がある。本実施形態1のガス冷却塔3は
このためのものである。
【0037】すなわち、図1のガス冷却塔3には、エジ
ェクターファン12が備えられている。このエジェクタ
ーファン12の作動により、外気を高速に取り込む。こ
のエジェクターファン12から取り込まれた外気は、冷
たい空気としてガス冷却塔3に供給され、ガス冷却塔3
内を急速に冷却する。これにより、二次燃焼室2から送
られたガスが、煙突内で高温のまま滞留する間にダイオ
キシンが再合成されてしまう事態が、防止されるように
なっている。すなわち、本実施形態1では、ダイオキシ
ンの再合成を防止するため、通常の煙突を拡大し、85
0℃の排ガスに冷外気(排ガスの3.5倍量)をエジェ
クター作動用兼冷却用の空気として吹き込み、概ね20
0℃迄急冷する。なお、図1の符号13で示すように、
圧縮空気と高圧水を用いた二流体ノズル(霧化ノズル)
で微小ミストを発生させ、これを吹き込む方法を併用す
ることも可能である。
ェクターファン12が備えられている。このエジェクタ
ーファン12の作動により、外気を高速に取り込む。こ
のエジェクターファン12から取り込まれた外気は、冷
たい空気としてガス冷却塔3に供給され、ガス冷却塔3
内を急速に冷却する。これにより、二次燃焼室2から送
られたガスが、煙突内で高温のまま滞留する間にダイオ
キシンが再合成されてしまう事態が、防止されるように
なっている。すなわち、本実施形態1では、ダイオキシ
ンの再合成を防止するため、通常の煙突を拡大し、85
0℃の排ガスに冷外気(排ガスの3.5倍量)をエジェ
クター作動用兼冷却用の空気として吹き込み、概ね20
0℃迄急冷する。なお、図1の符号13で示すように、
圧縮空気と高圧水を用いた二流体ノズル(霧化ノズル)
で微小ミストを発生させ、これを吹き込む方法を併用す
ることも可能である。
【0038】また、本実施形態1では、ある遺体を火葬
した後に次の遺体の火葬を行うという連続操業の場合
に、先の火葬が終了したら直ちに前記エジェクターファ
ン12を高速駆動させることにより、先の火葬時に発生
した残留ガス(異臭を放つガス)を外部に排出すると共
に、前記一次燃焼室1及び二次燃焼室2などを急速に冷
却させることにより、直ちに、次の火葬に移ることがで
きる(従来は、残留ガスの存在や熱の残留により、直ち
に(短時間内に)次の火葬に移ることは困難であっ
た)。
した後に次の遺体の火葬を行うという連続操業の場合
に、先の火葬が終了したら直ちに前記エジェクターファ
ン12を高速駆動させることにより、先の火葬時に発生
した残留ガス(異臭を放つガス)を外部に排出すると共
に、前記一次燃焼室1及び二次燃焼室2などを急速に冷
却させることにより、直ちに、次の火葬に移ることがで
きる(従来は、残留ガスの存在や熱の残留により、直ち
に(短時間内に)次の火葬に移ることは困難であっ
た)。
【0039】また、本実施形態1では、移動炉床5の外
周の4辺に、耐火物製の堰堤が備えられている。この堰
堤は、燃焼される遺体から出る脂肪や体液が移動炉床5
から外に流れ落ちないようにするためのものである。す
なわち、本実施形態1では、移動炉床5の周囲の4辺
に、耐火物製で、その高さが例えば600〜900mm
で、その幅が例えば1000〜1200mmの堰堤を設
けるようにし、これにより、遺体からの体液及び脂肪が
移動炉床5から溢出することを防止した。
周の4辺に、耐火物製の堰堤が備えられている。この堰
堤は、燃焼される遺体から出る脂肪や体液が移動炉床5
から外に流れ落ちないようにするためのものである。す
なわち、本実施形態1では、移動炉床5の周囲の4辺
に、耐火物製で、その高さが例えば600〜900mm
で、その幅が例えば1000〜1200mmの堰堤を設
けるようにし、これにより、遺体からの体液及び脂肪が
移動炉床5から溢出することを防止した。
【0040】また、本実施形態1では、移動炉床5の上
面の全体に、耐火物製の凹凸部が備えられている。この
凹凸部は、動物の遺体の下部にも酸素と熱ガスを供給す
ることにより、遺体の下部の燃焼を促進するためのもの
である。すなわち、本実施形態1では、遺体下部の酸素
不足及び熱不足の対策として、例えば並型煉瓦を50m
mの隙間を置いて並べ、正規の床面から約50mmの空
隙(凹凸)を設け、ここに熱ガスと酸素の流入するギャ
ップを構成し、遺体下部の焼却速度を確保している。す
なわち、動物の遺体の火葬炉への挿入及び骨回収を容易
にする目的での水平移動炉床方式において、最も焼却の
遅れる遺体下部の燃焼促進を図るために、耐火物製の高
さ30〜100mmの突起(凹凸部)を設け、遺体下部
と炉床間に熱ガスと酸素の供給を可能にしている。
面の全体に、耐火物製の凹凸部が備えられている。この
凹凸部は、動物の遺体の下部にも酸素と熱ガスを供給す
ることにより、遺体の下部の燃焼を促進するためのもの
である。すなわち、本実施形態1では、遺体下部の酸素
不足及び熱不足の対策として、例えば並型煉瓦を50m
mの隙間を置いて並べ、正規の床面から約50mmの空
隙(凹凸)を設け、ここに熱ガスと酸素の流入するギャ
ップを構成し、遺体下部の焼却速度を確保している。す
なわち、動物の遺体の火葬炉への挿入及び骨回収を容易
にする目的での水平移動炉床方式において、最も焼却の
遅れる遺体下部の燃焼促進を図るために、耐火物製の高
さ30〜100mmの突起(凹凸部)を設け、遺体下部
と炉床間に熱ガスと酸素の供給を可能にしている。
【0041】また、本実施形態1では、図6に示すよう
に、前記移動炉床5の上面の一部に、モルモット等の小
動物の遺体を載置するための小動物エリア14が備えら
れている。この小動物エリア14は、前記主バーナー6
及び副バーナー7からの炎が直接当たらない場所に設置
されている。この小動物エリア14の周囲の4辺には、
耐火物製の防炎板が備えられている。この防炎板は、前
記耐火物製の凹凸部の凹部に挟み込まれることにより、
設置されている。モルモット等の小動物は、前記主バー
ナー6及び副バーナー7からの炎が直接当たると、その
炎の勢いにより遺骨が飛散してしまう。そこで、本実施
形態1では、前述のような小動物エリア14の中に小動
物の遺体を載置して燃焼させるようにする。このように
することにより、小動物の遺骨が飛散して遺骨の回収が
できなくなる不都合は回避されるようになる。すなわ
ち、本実施形態1では、超小型動物の骨飛散対策とし
て、2本のバーナーからの火炎のいずれにも直撃されな
いゾーンとしての小動物エリア14を備えた。小動物エ
リア14の周囲を、耐火物製の板(高さ100〜200
mm)を前記凹凸部に差し込むことにより、囲うように
した。これにより、防熱風壁を作り、超小動物の遺骨の
飛散を防ぐようにしている。すなわち、本実施形態1で
は、炉床に設けた凹凸間に、耐火物製板により、火炎が
直撃しないように200〜300mm角の囲いを作る事
で、爪楊枝の如き細骨を、飛散させることなく、回収す
る事を可能にしている。
に、前記移動炉床5の上面の一部に、モルモット等の小
動物の遺体を載置するための小動物エリア14が備えら
れている。この小動物エリア14は、前記主バーナー6
及び副バーナー7からの炎が直接当たらない場所に設置
されている。この小動物エリア14の周囲の4辺には、
耐火物製の防炎板が備えられている。この防炎板は、前
記耐火物製の凹凸部の凹部に挟み込まれることにより、
設置されている。モルモット等の小動物は、前記主バー
ナー6及び副バーナー7からの炎が直接当たると、その
炎の勢いにより遺骨が飛散してしまう。そこで、本実施
形態1では、前述のような小動物エリア14の中に小動
物の遺体を載置して燃焼させるようにする。このように
することにより、小動物の遺骨が飛散して遺骨の回収が
できなくなる不都合は回避されるようになる。すなわ
ち、本実施形態1では、超小型動物の骨飛散対策とし
て、2本のバーナーからの火炎のいずれにも直撃されな
いゾーンとしての小動物エリア14を備えた。小動物エ
リア14の周囲を、耐火物製の板(高さ100〜200
mm)を前記凹凸部に差し込むことにより、囲うように
した。これにより、防熱風壁を作り、超小動物の遺骨の
飛散を防ぐようにしている。すなわち、本実施形態1で
は、炉床に設けた凹凸間に、耐火物製板により、火炎が
直撃しないように200〜300mm角の囲いを作る事
で、爪楊枝の如き細骨を、飛散させることなく、回収す
る事を可能にしている。
【0042】また、本実施形態1では、前記移動炉床5
の上面の凹凸部に、粒子径2〜5mmの砂(珪砂)が数
mmの厚さで敷き詰められている。前述のように、移動
炉床5の上に載置された遺体から、多量の脂肪や体液が
流出して、それが前記凹凸部の凹部に溜まってしまう。
この溜まった脂肪や体液は、そのままでは気化・燃焼し
ない。そこで、本実施形態1では、前述のような珪砂を
凹凸部に敷き詰めることにより、この珪砂を「ローソク
の芯」と同じ役割を果たさせて、前記脂肪や体液を加熱
し気化させるようにしている。すなわち、前記の凹凸部
に溜まった脂肪や体液は、前記珪砂を伝わって上昇し、
珪砂の上で加熱されて気化されることになる。なお、前
記の珪砂の代わりに、他の材料から成る粒子を使用して
もよい。以上のように、本実施形態1では、前記堰堤に
囲まれた炉床面に溜まった脂肪の燃焼及び体液の蒸発を
促進するために、前記凹凸部の凹部に2〜5mm径の角
張った砂を敷き、この砂に灯芯の役割(前記脂肪を気化
させ燃焼させる)をさせるようにしている。
の上面の凹凸部に、粒子径2〜5mmの砂(珪砂)が数
mmの厚さで敷き詰められている。前述のように、移動
炉床5の上に載置された遺体から、多量の脂肪や体液が
流出して、それが前記凹凸部の凹部に溜まってしまう。
この溜まった脂肪や体液は、そのままでは気化・燃焼し
ない。そこで、本実施形態1では、前述のような珪砂を
凹凸部に敷き詰めることにより、この珪砂を「ローソク
の芯」と同じ役割を果たさせて、前記脂肪や体液を加熱
し気化させるようにしている。すなわち、前記の凹凸部
に溜まった脂肪や体液は、前記珪砂を伝わって上昇し、
珪砂の上で加熱されて気化されることになる。なお、前
記の珪砂の代わりに、他の材料から成る粒子を使用して
もよい。以上のように、本実施形態1では、前記堰堤に
囲まれた炉床面に溜まった脂肪の燃焼及び体液の蒸発を
促進するために、前記凹凸部の凹部に2〜5mm径の角
張った砂を敷き、この砂に灯芯の役割(前記脂肪を気化
させ燃焼させる)をさせるようにしている。
【0043】実施形態2.次に、図7は本発明の他の実
施形態2を示す図である。この他の実施形態2において
も、主バーナー及び副バーナーを備えた一次燃焼室21
と、消煙・消臭バーナーを備えた二次燃焼室22と、ガ
ス冷却塔23とを備えていることは、前記の実施形態1
と同様である(基本的構成は実施形態1と同じなので詳
細は省略する)。なお、ガス冷却塔23の図示右側部分
(スタビライザーの図示左側部分)は、スタビライザー
に蓄積された熱により加熱される(「800℃以上の高
温下で2秒間以上滞留させる」というダイオキシン対策
のためのもの)ので、この図7では「3次燃焼室」と表
示している。この実施形態2においても、実施形態1と
ほぼ同様の作用効果を奏することができる。特に、この
実施形態2では、強制排気方式のため、初心者でも安全
に使用でき、また、特に300℃からの冷却が速くな
る。また、熱気の吹き出しがないので、安全であり、炉
体の損傷もない。また、二次燃焼室22に、セラミック
製のスタビライザーを設置しているので、消煙・消臭が
万全である。また、ガス冷却塔23において、ガスの急
速冷却(概ね200℃まで急冷する)のための冷風混合
も行われるので、ダイオキシンの発生が大幅に抑制され
る(厚生省令によると、「800℃以上で2秒間の滞留
時間を確保し、その後、概ね200℃まで急冷すること
により、ダイオキシンの発生は抑制できる)。よって、
この実施形態2では、ダイオキシンに関する公的規制を
ほとんどクリアーできるので、使用を制限される恐れが
ない。
施形態2を示す図である。この他の実施形態2において
も、主バーナー及び副バーナーを備えた一次燃焼室21
と、消煙・消臭バーナーを備えた二次燃焼室22と、ガ
ス冷却塔23とを備えていることは、前記の実施形態1
と同様である(基本的構成は実施形態1と同じなので詳
細は省略する)。なお、ガス冷却塔23の図示右側部分
(スタビライザーの図示左側部分)は、スタビライザー
に蓄積された熱により加熱される(「800℃以上の高
温下で2秒間以上滞留させる」というダイオキシン対策
のためのもの)ので、この図7では「3次燃焼室」と表
示している。この実施形態2においても、実施形態1と
ほぼ同様の作用効果を奏することができる。特に、この
実施形態2では、強制排気方式のため、初心者でも安全
に使用でき、また、特に300℃からの冷却が速くな
る。また、熱気の吹き出しがないので、安全であり、炉
体の損傷もない。また、二次燃焼室22に、セラミック
製のスタビライザーを設置しているので、消煙・消臭が
万全である。また、ガス冷却塔23において、ガスの急
速冷却(概ね200℃まで急冷する)のための冷風混合
も行われるので、ダイオキシンの発生が大幅に抑制され
る(厚生省令によると、「800℃以上で2秒間の滞留
時間を確保し、その後、概ね200℃まで急冷すること
により、ダイオキシンの発生は抑制できる)。よって、
この実施形態2では、ダイオキシンに関する公的規制を
ほとんどクリアーできるので、使用を制限される恐れが
ない。
【0044】以上、本発明の実施形態1及び2について
説明したが、本発明は、ダイオキシン対策が充分である
こと、800℃迄の昇温が迅速に行われることなどか
ら、愛玩動物(ペット)の火葬だけでく、モルモット等
の動物実験用小動物の焼却処理や、小容量の感染性医療
廃棄物の焼却処理にも、適用可能である。
説明したが、本発明は、ダイオキシン対策が充分である
こと、800℃迄の昇温が迅速に行われることなどか
ら、愛玩動物(ペット)の火葬だけでく、モルモット等
の動物実験用小動物の焼却処理や、小容量の感染性医療
廃棄物の焼却処理にも、適用可能である。
【0045】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明では、前
記一次燃焼室の上方に、消煙バーナーとスタビライザー
とを有する二次燃焼室を備えているので、「約800℃
以上で2秒以上の滞留時間」というダイオキシンの発生
を防止するための条件を達成することができる。
記一次燃焼室の上方に、消煙バーナーとスタビライザー
とを有する二次燃焼室を備えているので、「約800℃
以上で2秒以上の滞留時間」というダイオキシンの発生
を防止するための条件を達成することができる。
【0046】また、本発明では、一次燃焼室に点火する
前に二次燃焼室を充分に昇温しておいき、その後、一次
燃焼室を点火するようにしたので、一次燃焼室の立ち上
げ時にダイオキシンが発生することを有効に防止できる
ようになる。すなわち、一次燃焼室だけでは、一次燃焼
室を点火してから800℃まで昇温するまでの間はダイ
オキシンの生成を防げないが、本発明では、まず二次燃
焼室を点火して十分に(ダイオキシンの発生を防げる8
00℃以上に)昇温させておき、その後に一次燃焼室を
点火して遺体を焼却するようにしているので、一次燃焼
室の立ち上げ時のダイオキシンの発生が有効に防止でき
るようになっている。
前に二次燃焼室を充分に昇温しておいき、その後、一次
燃焼室を点火するようにしたので、一次燃焼室の立ち上
げ時にダイオキシンが発生することを有効に防止できる
ようになる。すなわち、一次燃焼室だけでは、一次燃焼
室を点火してから800℃まで昇温するまでの間はダイ
オキシンの生成を防げないが、本発明では、まず二次燃
焼室を点火して十分に(ダイオキシンの発生を防げる8
00℃以上に)昇温させておき、その後に一次燃焼室を
点火して遺体を焼却するようにしているので、一次燃焼
室の立ち上げ時のダイオキシンの発生が有効に防止でき
るようになっている。
【0047】また、本発明では、一次燃焼室に、主バー
ナーを、大型動物が炉床上で横たわったときにその遺体
の長手方向のほぼ中心線に対向するように、すなわち移
動炉床の長手方向の中心線から偏芯した位置に対向する
ように(動物の中心軸に沿って炎が放出されるよう
に)、配置しているので、大型動物について未燃焼部分
を少なくして効率的な焼却をすることが可能になる。ま
た、本発明では、前記主バーナーの最遠部の熱不足を補
うために、前記主バーナーからの炎とほぼ直交する方向
に炎を放出する副バーナーを備えたので、主バーナーか
らの炎の影になる部分がなくなり、未燃焼部分又は燃焼
遅れ部分をなくすことができる。
ナーを、大型動物が炉床上で横たわったときにその遺体
の長手方向のほぼ中心線に対向するように、すなわち移
動炉床の長手方向の中心線から偏芯した位置に対向する
ように(動物の中心軸に沿って炎が放出されるよう
に)、配置しているので、大型動物について未燃焼部分
を少なくして効率的な焼却をすることが可能になる。ま
た、本発明では、前記主バーナーの最遠部の熱不足を補
うために、前記主バーナーからの炎とほぼ直交する方向
に炎を放出する副バーナーを備えたので、主バーナーか
らの炎の影になる部分がなくなり、未燃焼部分又は燃焼
遅れ部分をなくすことができる。
【0048】また、本発明では、前記二次燃焼室の排出
側に、二次燃焼室からのガスを約200℃まで急速に冷
却するためのガス冷却塔を備えるようにしているので、
排出用煙突内で、前記二次燃焼室からのガスからダイオ
キシンの再合成が起きることを防止できるようになる。
すなわち、800℃からの温度降下が遅かった場合(徐
冷)は、排出用煙突内で未燃焼ガス中の残留有機物と塩
素ガスが再合成してダイオキシンが発生してしまうが、
本発明では、前記ガス冷却塔により未燃焼ガスが急冷さ
れるので、ダイオキシンの再合成が防止されている。
側に、二次燃焼室からのガスを約200℃まで急速に冷
却するためのガス冷却塔を備えるようにしているので、
排出用煙突内で、前記二次燃焼室からのガスからダイオ
キシンの再合成が起きることを防止できるようになる。
すなわち、800℃からの温度降下が遅かった場合(徐
冷)は、排出用煙突内で未燃焼ガス中の残留有機物と塩
素ガスが再合成してダイオキシンが発生してしまうが、
本発明では、前記ガス冷却塔により未燃焼ガスが急冷さ
れるので、ダイオキシンの再合成が防止されている。
【0049】また、本発明では、前記移動炉床の周囲
に、耐火物製の堰堤を備えいるので、前記移動炉床上の
遺体からの脂肪が移動炉床の外に流れ出して、床などを
汚損したり悪臭の元になることを防止できるようになっ
ている。
に、耐火物製の堰堤を備えいるので、前記移動炉床上の
遺体からの脂肪が移動炉床の外に流れ出して、床などを
汚損したり悪臭の元になることを防止できるようになっ
ている。
【0050】また、本発明では、前記移動炉床の上面
に、耐火物製の凹凸部を備えて、移動炉床上に載置され
た遺体の下部に酸素及び熱ガスを供給するための通気ス
ペースを確保するようにしているので、遺体下部の熱不
足及び酸素不足による燃焼遅れの問題が解消されてい
る。
に、耐火物製の凹凸部を備えて、移動炉床上に載置され
た遺体の下部に酸素及び熱ガスを供給するための通気ス
ペースを確保するようにしているので、遺体下部の熱不
足及び酸素不足による燃焼遅れの問題が解消されてい
る。
【0051】また、本発明では、前記移動炉床の上面の
凹凸部の凹部内に、砂状の粒子を敷き詰めるようにした
ので、前記遺体から流出して前記凹凸部に溜まった脂肪
などの油分は、この砂状の粒子の「灯芯効果」(砂状物
質の毛細管効果で脂肪を液面より上に吸い上げ気化を容
易にする、ロウソクの灯芯と同じ効果)により、気化が
促進されるようになる。
凹凸部の凹部内に、砂状の粒子を敷き詰めるようにした
ので、前記遺体から流出して前記凹凸部に溜まった脂肪
などの油分は、この砂状の粒子の「灯芯効果」(砂状物
質の毛細管効果で脂肪を液面より上に吸い上げ気化を容
易にする、ロウソクの灯芯と同じ効果)により、気化が
促進されるようになる。
【0052】また、本発明では、前記移動炉床の上面
の、前記主バーナー及び副バーナーからの炎が直接当た
らない場所に、周囲に耐火物製の防炎板で囲んだ小動物
載置エリアを備えたので、小動物の遺骨がバーナーから
の火炎により飛散されて遺骨の回収ができなくなるとい
う不都合を回避できるようになる。
の、前記主バーナー及び副バーナーからの炎が直接当た
らない場所に、周囲に耐火物製の防炎板で囲んだ小動物
載置エリアを備えたので、小動物の遺骨がバーナーから
の火炎により飛散されて遺骨の回収ができなくなるとい
う不都合を回避できるようになる。
【0053】また、本発明では、前記ガス冷却塔に、エ
ジェクターファンを備え、このエジェクターファンによ
り、ある遺体の火葬工程から次の遺体の火葬工程に移る
ときに、前の火葬工程時に発生した残留ガスを外部に高
速で排出すると共に、前記各燃焼室内を常温まで高速で
冷却するようにしたので、連続操業の場合の次の火葬へ
の移行がより速く行えるようになる。
ジェクターファンを備え、このエジェクターファンによ
り、ある遺体の火葬工程から次の遺体の火葬工程に移る
ときに、前の火葬工程時に発生した残留ガスを外部に高
速で排出すると共に、前記各燃焼室内を常温まで高速で
冷却するようにしたので、連続操業の場合の次の火葬へ
の移行がより速く行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の全体を示す概略図であ
る。
る。
【図2】 本実施形態1を説明するための概略図であ
る。
る。
【図3】 本実施形態1の主バーナーの配置を説明する
ための図である。
ための図である。
【図4】 本実施形態1を説明するための概略図であ
る。
る。
【図5】 本実施形態1の一次燃焼室と二次燃焼室との
位置関係を示す図である。
位置関係を示す図である。
【図6】 本実施形態1の小動物エリアを説明するため
の図である。
の図である。
【図7】 本発明の実施形態2の全体を示す概略図であ
る。
る。
1,21 一次燃焼室 2,22 二次燃焼室 3,23 ガス冷却塔 4 扉 5 移動炉床 6 主バーナー 7 副バーナー 10 消煙バーナー 11 スタビライザー 12 エジェクターファン 13 霧化ノズル 14 小動物エリア
Claims (9)
- 【請求項1】 愛玩動物の遺体などを焼却するのに適し
た焼却炉において、 動物の遺体などの被焼却物を燃焼させるためのバーナー
を備えた一次燃焼室と、 この一次燃焼室の上方に備えられ、前記一次燃焼室から
送られて来る未燃焼ガスを完全燃焼させるための二次燃
焼室であって、熱を蓄積して放射熱及び高温空気の渦流
を発生させるためのスタビライザーと、この二次燃焼室
内及び前記スタビライザーを加熱するための消煙バーナ
ーとを備え、前記一次燃焼室から送られて来る未燃焼ガ
スを完全燃焼させることによりダイオキシンの生成を抑
制するための二次燃焼室と、を備えたことを特徴とする
焼却炉。 - 【請求項2】 請求項1の焼却炉を使用した焼却方法に
おいて、 前記一次燃焼室に点火する前に、予め、前記二次燃焼室
を、ダイオキシンの発生を防ぐことができる800℃以
上の温度まで昇温させておく工程、及び、 前記二次燃焼室の800℃以上への昇温後、前記一次燃
焼室を点火して動物の遺体などの被焼却物を焼却する工
程、を含み、前記一次燃焼室の立ち上げ時におけるダイ
オキシンの発生を防止するようにしたことを特徴とする
焼却方法。 - 【請求項3】 請求項1において、 前記一次燃焼室は、 移動式の移動炉床に載置される愛玩動物の遺体を、その
頭部又は臀部の方向から臀部又は頭部の方向へ向けて炎
を放出する主バーナーであって、比較的大型の動物の遺
体が炉床上で横たわったときにその遺体の長手方向のほ
ぼ中心軸上に対向するように、すなわち、移動炉床の長
手方向の中心線から偏芯した位置に対向するように、配
置されている主バーナーと、 前記主バーナーの最遠部の熱不足を補うための副バーナ
ーであって、前記主バーナーからの炎とほぼ直交する方
向に炎を放出する副バーナーと、 を備えている、ことを特徴とする焼却炉。 - 【請求項4】 請求項1又は3において、さらに、 前記二次燃焼室の排出側に備えられたガス冷却塔であっ
て、外気を高速に取り込むためのエジェクターファンを
備え、このエジェクターファンからの空気により、前記
スタビライザーからの加熱された空気を取り込むと共
に、この取り込んだ前記加熱された空気を約200℃ま
で急冷して外部に排出し、これにより、前記二次燃焼室
から送られたガスによりダイオキシンが再合成されるこ
とを防止するようにしたガス冷却塔、を備えたことを特
徴とする焼却炉。 - 【請求項5】 請求項1又は3において、さらに、 前記移動炉床の周囲に備えられた耐火物製の堰堤であっ
て、前記移動炉床上の動物の遺体からの脂肪が移動炉床
の外に流れ出すことを防止するための堰堤、を備えたこ
とを特徴とする焼却炉。 - 【請求項6】 請求項1又は3において、さらに、 前記移動炉床の上面に備えられた耐火物製の凹凸部であ
って、移動炉床上に載置された動物の遺体の下部に酸素
及び熱ガスを供給するための通気スペースを確保するた
めの凹凸部、を備えたことを特徴とする焼却炉。 - 【請求項7】 請求項6において、さらに、 前記移動炉床の上面の前記凹凸部の凹部内に敷き詰めら
れた粒子径が約2〜5mmの角張った砂又は砂状の粒子
であって、前記遺体から流出した前記凹部内に溜まった
脂肪などの油分を上方に導いて炉内で燃焼させるための
粒子、を備えたことを特徴とする焼却炉。 - 【請求項8】 請求項1,3又は6において、さらに、 前記移動炉床の上面に備えられた小動物載置用エリアで
あって、前記主バーナー及び副バーナーからの炎が直接
当たらない場所に備えられ、その周囲には耐火物製の防
炎板が備えられ、これにより小動物の遺骨がバーナーか
らの火炎により飛散されることを防止することができる
小動物載置用エリア、を備えたことを特徴とする焼却
炉。 - 【請求項9】 請求項4において、さらに、 前記ガス冷却塔は、ある遺体の火葬工程から次の遺体の
火葬工程に移るときに、前の火葬工程時に発生した残留
ガスを外部に高速で排出すると共に、前の火葬工程時に
加熱された燃焼室内を常温まで高速で冷却するためのエ
ジェクターファンを備えている、ことを特徴とする焼却
炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12417798A JPH11304117A (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 愛玩動物の遺体などを焼却するのに適した焼却炉及び焼却方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12417798A JPH11304117A (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 愛玩動物の遺体などを焼却するのに適した焼却炉及び焼却方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11304117A true JPH11304117A (ja) | 1999-11-05 |
Family
ID=14878888
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12417798A Withdrawn JPH11304117A (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 愛玩動物の遺体などを焼却するのに適した焼却炉及び焼却方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11304117A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2823555A1 (fr) | 2001-04-13 | 2002-10-18 | Bio 3D Applic | Systeme et procede d'incineration de matieres organiques, notamment de farines et graisses d'origine animale |
JP2006329612A (ja) * | 2006-03-31 | 2006-12-07 | System Kaihatsu Kk | 愛玩動物の遺体などを焼却するのに適した焼却炉及び焼却方法 |
JP2008138934A (ja) * | 2006-12-01 | 2008-06-19 | Suntoy Kk | 動物火葬用設備 |
JP2018189303A (ja) * | 2017-05-08 | 2018-11-29 | 有限会社ジャパン | 遺体の処理方法 |
-
1998
- 1998-04-17 JP JP12417798A patent/JPH11304117A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2823555A1 (fr) | 2001-04-13 | 2002-10-18 | Bio 3D Applic | Systeme et procede d'incineration de matieres organiques, notamment de farines et graisses d'origine animale |
JP2006329612A (ja) * | 2006-03-31 | 2006-12-07 | System Kaihatsu Kk | 愛玩動物の遺体などを焼却するのに適した焼却炉及び焼却方法 |
JP2008138934A (ja) * | 2006-12-01 | 2008-06-19 | Suntoy Kk | 動物火葬用設備 |
JP2018189303A (ja) * | 2017-05-08 | 2018-11-29 | 有限会社ジャパン | 遺体の処理方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050705 |