JP3106582U - 焼却炉 - Google Patents

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利光 小野田
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堀江 正一
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Abstract

【課題】 廃棄物をほぼ完全に焼却して有害物質を除去し、かつ排気も冷却した上で無煙・無臭状態で放出可能であり、コンパクトで構成も簡単な使い勝手の良い焼却炉を提供すること。
【解決手段】 焼却炉1は、焼却室20を備えた下段部2と再燃焼室30を備えた中断部3と噴霧室40を備えた上段部4とを連接積層して構成し、焼却室20の内部は第1のバーナ6で、再燃焼室30の内部は第2のバーナ7で、それぞれ角度を調整した火炎f、kにより加熱可能となっている。焼却室20での廃棄物の燃焼により発生したガス類等は、再燃焼室30に導かれて燃焼・分解され、更にその排気は噴霧室40内に導かれ、残存する粒子状物質が除去され冷却された上で、噴霧室40の排気口41から放出される。
【選択図】 図1

Description

本考案は、種々の廃棄物を完全に焼却して所定の環境条件をクリアすると共に、使い勝手の良好にした焼却炉に関するものである。
医療廃棄物のように、そのままでは投棄できない廃棄物は、資格を持つ業者に依頼するなど、適切に処理する必要があるが、しばしば報道もされているように、不法投棄が多発し、社会問題化している。原因として、これらを扱う業者のモラルの問題もあるが、増加する廃棄物に対して投棄する場所が不足していて、物理的に困難な状況であることも無視できない。そこで廃棄物の発生元である病院や依頼を受けた処理業者が、自ら焼却して減量すると共に有害物質を除去した後に、埋設又は通常のゴミとして所定の場所に廃棄するのが有効な解決策であるが、以下に説明するように、こうした廃棄物の処理に適した焼却炉はこれまで提案されていない。
従来多くの焼却炉が提案されている。例えば、特許文献1の廃棄物焼却処理装置は、連接する一次燃焼室と二次燃焼室の各バーナの火炎噴射角度を適切に調整して焼却対象を完全に燃焼させるものである。また特許文献2の焼却炉は、前面側の上部と下部とにバーナを備えた焼却室部と、この焼却室部の後方上側に複数のパイプで連結して配設され、上方に向けて作用するバーナを備えた再燃焼室部等とで構成され、完全燃焼により排気を無煙・無臭とすることを可能とするものである。これらは完全燃焼を目的としたもので、必須の要件ではあるが、例えば、病院のように市街地の狭い敷地内で利用するには、塵埃を除去し冷却して排気する機能も更に必要である。
特許文献3の脱煙脱臭処理装置は、臭気ガスや煙等の空気中に浮遊した粒子を水中にバブリングするとともに室内を上昇する煙等の空気中に浮遊した粒子をシャワーリングするバブリング兼シャワー室と、バブリング及びシャワーリングにより汚れた水と煙等の空気中に浮遊した粒子をフィルターによって濾過する第1フィルター室と、濾過された水を溜める水タンクと、前記第1フィルター室を通過した煙等の空気中に浮遊した粒子を水のシャワーによって水中に落下させるシャワーリング室と、シャワーリング室を通過した煙等の空気中に浮遊した粒子をフィルターによって再度濾過する第2フィルター室と、第2フィルター室を通過した臭気ガスをオゾンによって酸化分解するオゾン室とを備えてなる。活性炭を用いず、小型の設備で、効率的に無煙・無臭化を図るものであるが、前記したような完全燃焼を図る焼却炉と組合せて用いるには、脱煙脱臭の装置が過大でコストも嵩み、これらの点が普及上の難点となりかねないものである。
特開平6−288523号公報 特開平7−217836号公報 特開平7−171329号公報
本考案は、以上に述べた従来技術の問題点を解決し、廃棄物を完全に焼却して有害物質を除去し、かつ排気も無煙・無臭となし得、かつ冷却可能なコンパクトで構成も簡単な使い勝手の良い焼却炉を提供することを解決の課題とするものである。
本考案の1は、廃棄物を焼却する第1の焼却手段を備えた焼却室と、該焼却室に連接して配設され、該焼却室で発生したガス類及び粒子状物質を導入して第2の焼却手段で燃焼させる再燃焼室とを有する焼却炉に於いて、
前記再燃焼室に連接して、該再燃焼室から導入する排気類に水を噴霧して冷却すると共に含まれることのある粒子状物質も除去可能とした噴霧室を配設して構成した焼却炉である。
本考案の2は、本考案の1の焼却炉に於いて、前記焼却室を下段部に、前記再燃焼室を中段部に、前記噴霧室を上段部に、それぞれ配置することとし、各々分離可能かつ下段側から順次連接させて積層可能に構成したものである。
本考案の3は、本考案の1又は2の焼却炉に於いて、前記再燃焼室を、平面から見て円形に形成し、前記第2の焼却手段の火炎噴射作用により、該再燃焼室に導かれたガス類及び粒子状物質をその周側に沿って旋回させるように構成したものである。
本考案の1の焼却炉によれば、焼却室とこれに連接する再燃焼室とにより廃棄物を完全に焼却して有害物質を燃焼除去し、しかも生じる排気もこれに水を噴霧することにより無煙・無臭化するとともに冷却することが可能であり、更に前記した焼却室、再燃焼室及び水を噴霧する噴霧室は順次連接しているため、コンパクトで構成も簡単な焼却炉を実現することができる。
本考案の2の焼却炉によれば、前記焼却室を下段部に、前記再燃焼室を中段部に、前記噴霧室を上段部に配置して、各々分離可能にかつ下段側から順次連接させて積層可能に構成したため、設置や保守等に於いて、使い勝手の良い焼却炉を実現することができる。
本考案の3の焼却炉によれば、前記再燃焼室中で、未燃焼のガス類や粒子状物質等を旋回させながら燃焼させることができるため、単に直線的に通過する場合と比較して、十分に時間をかけて燃焼させることができるため、より燃焼が十分に行われる結果となる。
本考案の焼却炉は、廃棄物を焼却する焼却室と、該焼却室で発生した可燃ガスを第2の焼却手段で燃焼する再燃焼室とを有する焼却炉に於いて、該再燃焼室からの排気に水を噴霧して冷却すると共に塵埃をも除去可能とした噴霧室を配設したものである。
前記焼却室はこの中に投入された焼却対象を焼却するための第1の焼却手段を備え、前記再燃焼室に連接する。該再燃焼室は該焼却室から排気される可燃ガスを燃焼させるための第2の焼却手段を備え、前記噴霧室に連接する。
また前記焼却室、前記再燃焼室及び前記噴霧室は、その順序で下段部、中段部、上段部と順次連接して分離可能かつ積層可能であるように構成するのが適当である。この場合には、当然、各段を構成する前記各室は、その底面を、例えば、方形とし、更にサイズも統一し、積層容易にしておくべきである。サイズは、処理する廃棄物の量にもよるので自由に決定できるが、前記したように、手軽でコンパクトな装置を想定し、1m四方前後程のスペース内に設置でき、高さも3段合せて2300mm位を目安とするのが適当である。
前記焼却室は、積層した多数の耐火煉瓦で囲まれた空間で、前記のように積層する場合は、中段部の再燃焼室と上下隣接する上面を除き、外面をステンレススチール等の板材で覆って補強するのが適当である。またこの板材と耐火煉瓦との間には不燃性の断熱材を装入し、外面の板材が加熱するのを防止するように配慮する。該焼却室には、例えば、正面に焼却対象の廃棄物を投入可能なように扉を設ける。この扉も壁面等と同様に、内側は耐火煉瓦を配し、外面にはステンレススチール等の板材を配し、それらの間には不燃性の断熱材を配設して構成する。また空気を取入れるための吸気口を正面及び左右の側面に、監視窓を正面に、それぞれ開口しておくのが適当である。これらの吸気口は運転後の熱風の吹き出しを回避するため適当な閉塞手段を配しておくべきである。
前記第1の焼却手段は、種々の燃料を用いたバーナや電気ヒータ及びこれで加熱しつつブロワーで空気を吹付ける手段等の種々の手段を採用可能である。該第1の焼却手段は、ダイオキシンを発生させないために850℃以上の温度を発生しうるとの条件を満たすものであれば特に限定する必要はない。もっとも1200℃以上の温度で通常の焼却対象である廃棄物類は殆ど焼却可能であるから、この温度以上の温度を発生させることのできる物であるのがより好ましい。このような観点からLPガスや灯油等を用いたバーナが適当である。因みに、上記LPガスでは1200℃以上の火炎を発生する。従って第1の焼却手段としてこのようなバーナを用いれば焼却対象である廃棄物を完全に焼却することができる。なお必要に応じて該焼却室にブロワーで空気を送り込むことができる構成とするのが適当である。なおまた第1の焼却手段としてバーナを用いる場合は、該バーナを前記焼却室の側方から該焼却室内に側壁を通じて斜め下向きに向けて配し、その火炎を該焼却室内の焼却対象物に斜め上方から噴射するようにするのが適当である。
前記焼却室には、次段の再燃焼室との連接手段を構成すべきであるが、これは、前記したように、前記再燃焼室及び前記噴霧室と順次下方から積層する構成とする場合には、その天井部に上部開口として構成するのが適当である。この場合には、前記再燃焼室の底部には下部開口を構成し、これと連接し、廃棄物の燃焼で発生した未燃焼ガス等のガス類を該再燃焼室に導入するようにする。前記上部開口と前記下部開口とは、それぞれその直径を該再燃焼室の径の1/3程度とするのが適当である。
前記再燃焼室も、耐火煉瓦で囲まれた空間に構成し、前記のように、前記焼却室及び噴霧室と前記のように積層する場合は、その天井部に排気用の上部開口を設ける。この再燃焼室の周側内面は、側壁を構成する耐火煉瓦を加工して、平面から見て円形になるように構成するのが適当である。またこの再燃焼室は、前記焼却室と同様に、吸気口を正面及び左右の側面に開口しておくのが好ましい。
前記第2の焼却手段は、前記燃焼室から排気される未燃焼のガス類や粒子状物質等を燃焼させるための手段であり、種々の燃料を用いたバーナや電気ヒータ等の種々の手段を採用可能である。この第2の焼却手段は、該燃焼室から取り込まれるガス類等を旋回させながら時間をかけて確実に燃焼させる趣旨からは、これが容易に実現できるバーナがより好ましい。例えば、LPガスや灯油等を用いたバーナである。なお、この場合は、前記のように、導入されるガス類等を旋回させながら燃焼させるのが適当であるから、第2の焼却手段として、バーナを用い、該バーナを前記再燃焼室の側方から該再燃焼室内に側壁を通じて配する場合に、その向きを再燃焼室の中心を外した方向とする。火炎が該バーナの先端から、該再燃焼室の平面から見て円形の周側に沿って噴射されるようにする趣旨である。なお該再燃焼室にも必要に応じてブロワー等により空気を送り込むこととする。この場合はガス類等の旋回を補助する向きに吹き込むのが適当である。
こうして焼却対象の廃棄物は、第一段階では、前記燃焼室で850℃以上の温度、好ましくは1200℃以上程度の温度で燃焼され、ここで発生した未燃焼の可燃ガス等のガス類や炭素粒等の粒子状物質は、第二段階では、前記再燃焼室で同様の温度で時間をかけて燃焼されることとなるため、その中の一酸化炭素等の可燃ガス類を殆ど除去し、ダイオキシン等の有害物質の発生を回避することができる。
前記再燃焼室の上部開口を、前記のように、天井部に構成する場合は、前記噴霧室を該再燃焼室に積層する構成を採用するのが前提であり、従って該上部開口は、該噴霧室の中央部に突き出す排気用の煙突に構成するのが適当である。この場合は、該煙突の上端開口部は若干の隙間をあけた状態で傘で覆い、該煙突を通じて上昇し、上端から吹き出す排気がその全周斜め下方に向かって流れ出すようにしておくのが好ましい。
前記噴霧室の上部には、この中に導かれた前記再燃焼室からの排気に冷水を噴霧する噴霧手段を構成しておくものとする。前記再燃焼室の上部開口を、前記のように、煙突状に構成し、これと該噴霧手段を対応させたものとする場合は、該噴霧手段として、該噴霧室の上部内側に、噴出口を前記傘の方に向けた複数の噴霧ノズルを備えた配管を巡らせ、該配管中に別途用意したポンプで加圧して水を圧送させ、この水を前記傘に向けて噴霧させ、該傘を冷却すると共に、該噴霧室内を霧状の水で充満させるようにする。この場合は、該噴霧室の中央上部に排気口を構成し、該噴霧室内で冷却されると共に粒子状物質の洗浄除去された排気を該排気口から放出されるようにする。
なお該噴霧室はその中央部よりも下方を水槽として使用するものであり、前記噴霧手段で噴霧する水はこの水槽中から汲み上げるものとする。前記噴霧ノズルに圧送されてこれから噴霧された水は霧状態で該噴霧室の空間を降下し又は前記傘を伝って流下する等によりまた該水槽中に戻ることとなっている。このような冷却用の水は、以上のように、循環使用するものであるが、蒸発等により徐々に減少するものであるから、水位調整機能付の給水装置を設置しておき、必要に応じて、水槽中の水位を測定して不足した水を補給するようにする。
なお該噴霧室の中央上部に構成した排気口はこれを通じて異物が入ることがないように金網等で覆っておくとか、若干隙間をあけて防熱カバーで被覆しておくのが適当である。また前記ポンプの吸込口その他の適当な部位にフィルタを取り付け、循環する水に異物が混入するのを回避し、前記噴霧ノズルを詰らせる等のトラブルの発生を未然に防止するようにする。
従って本考案の焼却炉は以下のように利用することができる。
まず前記焼却室に焼却対象物を装入する。扉を開け、焼却対象物、例えば、医療用廃棄物をその底部に配置する。その際、該焼却室内に耐火性のパレットや容器に入れておき、その上に焼却対象物を配置するようにすれば、取扱いが容易となる。特に焼却対象物中に注射針等の金属類が混入していた場合は、これらが溶解して耐火煉瓦に付着するのを防止する効果もある。焼却対象物を入れた後、扉を閉め、前記した第1の焼却手段と第2の焼却手段との加熱駆動を開始する。それぞれバーナであれば着火する。またこれに先だって前記ポンプの運転を開始して水を加圧循環させ、前記噴霧ノズルから水を噴霧させ前記噴霧室内を霧で充満させておくこととする。
前記焼却室では前記第1の焼却手段により焼却対象物が高温下で焼却され、この焼却により発生したガス類及び粒子状物質は、焼却室、再燃焼室及び噴霧室を前記のように構成した場合は、該焼却室の上部開口及び該再燃焼室の下部開口を通過して該再燃焼室に導かれる。上記ガス類は、該再燃焼室に導かれると、前記第2の焼却手段により燃焼させられ、その排気は該再燃焼室の上部開口の煙突を通過して前記噴霧室内に導かれる。該第2の焼却手段を導入したガス類を旋回させうるような構成とした場合は、該ガス類を旋回させながら燃焼させ、燃焼に時間をかけ、有害物質の燃焼をより十分なものとすることができる。前記のように、噴霧室内に導かれた排気は噴霧された水によって冷却されると共に、排気中に残存することのある粒子状物質は洗浄除去され、無煙・無臭となって前記排気口から放出される。
このように、本考案の焼却炉によれば、焼却室とこれに連接する再燃焼室とで廃棄物をほぼ完全に焼却して有害物質を燃焼除去し、しかも排気もこれに水を噴霧することにより無煙・無臭とし、かつ冷却状態で排出することが可能であり、更に前記焼却室、前記再燃焼室及び噴霧室は順次連接しているためコンパクトで構成も簡単な焼却炉を実現することができる。
また前記焼却室を下段部に、前記再燃焼室を中段部に、前記噴霧室を上段部にそれぞれ配して、各々分離可能であると共に、下段側から順次、連接させて積層することを可能に構成しているため、重量の嵩む焼却炉の設置や保守等が容易で、使い勝手の良い焼却炉を実現することができる。
実施例1の焼却炉1は、図1に示すように、廃棄物dを焼却する第1のバーナ6を備えた焼却室20を下段部2に、前記焼却室20に連接して配設され、該焼却室20で発生した可燃ガス等を第2のバーナ7で燃焼する再燃焼室30を中段部3に、前記再燃焼室30に連接して配設され、該再燃焼室30からの排気に水を噴霧して冷却すると共に粒子状物質も洗浄除去する噴霧室40を上段部4に構成し、各部を、図2〜図5に示すように、分離可能であると共に、下段側から順次連接積層可能に構成している。下段部2、中段部3及び上段部4は、各々その底面を方形に構成し、そのサイズも幅90cm、奥行80cmと、高さを除いて統一し、相互の積層を容易にしている。三段合わせた焼却炉1の高さは約2.3mとなっている。なお各段の継目を各々下段側上部各隅部等に構成した固定片5で固定している。
前記焼却室20は、図1に示すように、多数の耐火煉瓦23を積層して囲んだ空間で、前記中段部3と隣接する上面を除き、外面はステンレス板25で覆って補強している。また、このステンレス板25と耐火煉瓦23との間には不燃性の断熱材24を配設し、外面のステンレス板25が加熱するのを防止している。また該焼却室20には、図2及び図3に示すように、正面から焼却対象の廃棄物dを投入可能なように、扉26を設けている。この扉26も周壁と同様に、内側は耐火煉瓦23で、外部はステンレス板25で構成し、それらの間には不燃性の断熱材24を配設する。
また、図2に示すように、空気を取入れるための吸気口22を、正面の扉26及び左右の側面に、監視窓27を正面上部に構成する。該監視窓27は、外側を広く内側は狭くして、貫通する断面は小さくても内部が広く覗き込めるようにしている。前記吸気口22には運転時に開き、運転停止時には閉じることができるスライド扉(図示していない)を構成しておき、前記監視窓27には、耐熱性の透明部材を配しておくものとする。
前記第1のバーナ6は、図1に示すように、側壁を斜め下向きに貫通する貫通穴内に、その火炎fが焼却対象の廃棄物dに斜め上方から噴射されるように取付けている。この第1のバーナ6は移動にも対応容易なLPガス用のそれを採用し、同図に示すように、LPガスはガスタンク62から該第1のバーナ6に圧送されるようになっている。LPガスを用いた該第1のバーナ6の火炎fは1200℃を越え、数kgの廃棄物dを30分位で完全に焼却することができる。
前記焼却室20の天井部には、図1及び図3に示すように、上部開口21を設け、前記再燃焼室30の底部に設けた下部開口31と連接し、廃棄物dの燃焼で発生したガス類及び粒子状物質等を該再燃焼室30に導入するようになっている。前記上部開口21と前記下部開口31は、それらの直径を20cmに構成した。
該再燃焼室30も耐火煉瓦で囲まれた空間で、その天井部には排気用の上部開口32を設けている。ただしこの再燃焼室30は、その周側を、特に図6に示すように、平面から見て円形に構成し、それ自体を円柱状の空間に構成したものである。またこの再燃焼室30は、前記焼却室20と同様に、図1、図2及び図4に示すように、吸気口33を正面及び左右の側面に開口している。
前記第2のバーナ7は、図1及び図6に示すように、側壁を貫通する貫通穴内に配する物であるが、その向きは、若干斜め下向き、かつその先端から噴出する火炎kが前記再燃焼室30の中心から若干外れた方向を向いた状態とする。こうして、前記焼却室20から昇って来るガス類及び粒子状物質等は該火炎kにより該再燃焼室30内をその周壁に沿って旋回しながら再燃焼させられ、ゆっくりと上昇することとなる。上記ガス類等には元来の上昇方向の力と該第2のバーナ7による円周方向の力が作用し、該再燃焼室30内を旋回上昇することとなるわけである。該第2のバーナ7もLPガス用のそれを採用した物であり、1200℃以上の高温を発生し得、一酸化炭素等の可燃ガスをほぼ完全に燃焼させ、ダイオキシン等の有害物質を発生させないようにすることができる。
前記再燃焼室30の上部開口32は、図1及び図4に示すように、前記噴霧室40の中央部に抜ける排気用の煙突となっていて、その頂部の開口は、特に図1に示すように、該噴霧室40側に配した傘43で若干の隙間をあけた状態で覆われ、ここを上昇する排気が頂部から斜め下向き周方向に抜けるようになっている。
該噴霧室40の上部には、図1に示すように、噴出口を前記傘43の側に向けた複数の噴霧ノズル82を備えた配管を巡らせ、別途用意したポンプ8で該配管に圧送させた水を該傘43側に向けて噴霧させ、該傘43及び周囲の排気を冷却すると共に、該噴霧室40内を霧状の水で充満させるように構成する。また該噴霧室40の中央上部には、図1及び図2に示すように、排気口41を構成し、排気sは、該噴霧室40内で冷却されると共に残存することのある粒子状物質が洗浄除去された上で放出されるようになっている。なお該排気口41の上部には若干の隙間をあけて防熱カバー41aが配してあり、排気sはその周囲から放出されるようになっている。また該防熱カバー41aは四隅の支柱で支持されている。
なお、前記噴霧室40は、図1に示すように、中央部よりも下方は水槽として用いるように構成され、前記水は、この水槽と前記配管との間を、途中霧状となる過程を経て、前記ポンプ8で加圧されて循環するようになっている。該噴霧室40中の水は蒸発等により徐々に減少し、水槽の水位Lが低下することとなるので、水位調整機能付の給水装置を設置して、給水管83を通じて自動的に補うようにしてある。なお図示しない前記水槽の吸入口には、前記ポンプ8で加圧・循環する水にゴミが混入して前記噴霧ノズル82を詰らせるようなことがないようにフィルタを介在させる。
なおまた図中28は第1のバーナ6の操作室開閉用の扉、29は下段部2の下部に配したキャスタ、36は再燃焼室30の最外部をカバーするステンレス板、37は第2のバーナ7の操作室開閉用の扉である。42は噴霧室40の中央に立ち上げた円筒状カバーであり、前記傘43を支持すると共に、煙突状に構成した前記再燃焼室30の上部開口32をカバーする構成要素である。44は該傘43を上記円筒状カバー42に取り付けるための支持部材である。61は第1のバーナ6へのガス量の調整用バルブ、63は第1のバーナ6用のガスタンク62にLPガスを供給するための配管、64は上記配管63の途中に挿入した開閉バルブ、65は第1のバーナ6の操作室を構成するステンレスカバーである。71は第2のバーナ7へのガス量の調整用バルブ、72は第2のバーナ7用のガスタンク、73は第2のバーナ7用のガスタンク72にLPガスを供給するための配管、74は上記配管73の途中に挿入した開閉バルブ、75は第2のバーナ7の操作室を構成するステンレスカバーである。81は前記噴霧ノズル82に水を供給するための配管、84は前記噴霧室40の水槽中の水を交換する際に使用する排水口、85は前記ポンプ8から噴霧室40中に延長する配管81の途中に挿入した開閉バルブであって、後記防火水圧ホース86を通じて湯を外部に取り出す際に、前記噴霧ノズル82側への湯の送給を止めるための手段である。86は上記防火水圧ホースであり、湯を利用する場合、或いは防火用に使用する場合等の種々の理由から湯を取り出す際に使用する手段である。87は、該防火水圧ホース86の連結管の途中に挿入した開閉バルブである。
従ってこの実施例の焼却炉1は、以下のように利用することができる。
前記焼却室20の扉26を開け、焼却対象である廃棄物d、例えば、医療用廃棄物を投入し、底部に載置状態とする。その際、図1に示すように、予め該焼却室20内に耐火性のパレットpに入れて取扱いを容易にしておく。扉26を閉め、吸気孔22を開けた上で、前記第1のバーナ6と第2のバーナ7とを着火するが、これに先立って前記ポンプ8を起動して水を加圧循環させ、前記噴霧ノズル82から水を噴霧して前記噴霧室40内を霧で充満しておく。
前記第1のバーナ6により廃棄物dは高温の火炎fで焼却され、焼却により発生したガス類及び粒子状物質等は上部開口21及び前記再燃焼室30の下部開口31を通過して前記再燃焼室30に導かれる。このガス類等は、前記第2のバーナ7の火炎kにより、該再燃焼室30内を旋回・上昇しながらほぼ完全に燃焼除去され、その排気は前記上部開口32の煙突を通過して前記噴霧室40内に導かれる。該噴霧室40内には霧状の水が充満されていて、排気sは、該霧状の水により冷却されると共に残留することのある粒子状物質も洗浄除去され、無煙・無臭となって前記排気口41から放出されることとなる。
このように、この実施例の焼却炉1によれば、焼却室20とこれに連接する再燃焼室30とで廃棄物dをほぼ完全に焼却して可燃ガス類を燃焼除去し、有害物質の発生を回避し、しかも最終的に排出される排気sも水を噴霧することにより、粒子状物質を洗浄除去し、無煙・無臭かつ冷却状態で放出することができるものである。また前記焼却室20と再燃焼室30と水を噴霧する噴霧室40とは、順次、積み上げ状態で連接しているため、コンパクトで構成も簡単な焼却炉となっている。
この実施例2は、実施例1の焼却炉1の燃焼室20及び再燃焼室30の側壁中に冷却用配管92を配した物であり、それ以外の構成はすべて同一である。
具体的には、図7に示すように、焼却室20及び再燃焼室30を構成する耐火煉瓦23、34の内部に冷却用配管92を配する。該再燃焼室30については前後左右の各面を取り巻く態様で、前記焼却室20については正面の扉26は避ける態様で、内径20cmの冷却用配管92を巡らせている。中段部3と下段部2との継目に当る部分、即ち、該再燃焼室30の吐出管93と焼却室20の吸入管95とは連結管94で連結している。冷却水は、上方の再燃焼室30用の吸入管91から取り込まれ、その冷却用配管92内を通過して再燃焼室30で発生する熱を吸収した後、吐出管93及び連結管94を経由して、下方の焼却室20用の吸入管95から取り込まれ、その冷却用配管内を通過して焼却室20で発生する熱を吸収した後に、吐出管97から取り出されるようになっている。
このため、焼却炉1は耐火煉瓦23、34の部位から効率的に冷却され、該耐火煉瓦23、34等を保護すると共に、熱を吸収した冷却水を温水として利用することができる。この実施例の焼却炉1は、多量の廃棄物が定常的に発生する比較的大規模な病院や専門の処理業者用に適している。
したがって、この実施例2の焼却炉によれば、水冷により、焼却炉1を保護すると共に廃熱を利用することができ、環境保全性や経済性を高めることができる。
実施例1の焼却炉の断面説明図。 実施例1の焼却炉の概略斜視図。 実施例1の焼却炉の下段部の概略斜視図。 実施例1の焼却炉の中段部の概略斜視図。 上蓋と噴霧ノズル付の配管を取外した状態に於ける、実施例1の焼却炉上段部の概略斜視図。 図1のx−x線矢視の概略断面図。 実施例2の焼却炉の背面側から見た一部切欠概略斜視図。
符号の説明
1 焼却炉
2 下段部
20 焼却室
21 焼却室の上部開口
22 焼却室の吸気孔
23 焼却室の耐火煉瓦
24 焼却室の断熱材
25 燃焼室の最外部をカバーするステンレス板
26 焼却室の扉
27 監視窓
28 第1のバーナの操作室開閉用の扉
29 キャスタ
3 中段部
30 再燃焼室
31 再燃焼室の下部開口
32 再燃焼室の上部開口
33 再燃焼室の吸気孔
34 再燃焼室の耐火煉瓦
35 再燃焼室の断熱材
36 再燃焼室の最外部をカバーするステンレス板
37 第2のバーナの操作室開閉用の扉
4 上段部
40 噴霧室
41 排気口
41a 防熱カバー
42 再燃焼室の上部開口をカバーする円筒状カバー、
43 傘
44 支持部材
5 固定片
6 第1のバーナ
61 第1のバーナへのガス量の調整用バルブ
62 第1のバーナのガスタンク
63 第1のバーナ用のガスタンクにLPガスを供給するための配管
64 第1のバーナ用のガスタンクにLPガスを供給するための配管の途中に挿入した開閉バルブ
65 第1のバーナの操作室を構成するステンレスカバー、
7 第2のバーナ
71 第2のバーナへのガス量の調整用バルブ
72 第2のバーナ用のガスタンク
73 第2のバーナ用のガスタンクにLPガスを供給するための配管
74 第2のバーナ用のガスタンクにLPガスを供給するための配管の途中に挿入した開閉バルブ
75 第2のバーナの操作室を構成するステンレスカバー
8 ポンプ
81 噴霧ノズルに水を供給するための配管
82 噴霧ノズル
83 給水管
84 排水口
85 噴霧ノズルに水を供給する配管に挿入した開閉バルブ
86 防火水圧ホース
87 該防火水圧ホースの連結管の途中に挿入した開閉バルブ
91 再燃焼室の吸入管
92 冷却用配管
93 再燃焼室側の吐出管
94 連結管
95 焼却室の吸入管
97 焼却室側の吐出管
d 廃棄物
f 第1のバーナの火炎
k 第2のバーナの火炎
L 水位
p パレット
s 排気

Claims (3)

  1. 廃棄物を焼却する第1の焼却手段を備えた焼却室と、該焼却室に連接して配設され、該焼却室で発生したガス類及び粒子状物質を導入して第2の焼却手段で燃焼させる再燃焼室とを有する焼却炉に於いて、
    前記再燃焼室に連接して、該再燃焼室から導入する排気類に水を噴霧して冷却すると共に含まれることのある粒子状物質も除去可能とした噴霧室を配設して構成した焼却炉。
  2. 前記焼却室を下段部に、前記再燃焼室を中段部に、前記噴霧室を上段部に、それぞれ配置することとし、各々分離可能かつ下段側から順次連接させて積層可能に構成した請求項1の焼却炉。
  3. 前記再燃焼室を、平面から見て円形に形成し、前記第2の焼却手段の火炎噴射作用により、該再燃焼室に導かれたガス類及び粒子状物質をその周側に沿って旋回させるように構成した請求項1又は2の焼却炉。
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