JP3479009B2 - 焼却装置 - Google Patents

焼却装置

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JP3479009B2
JP3479009B2 JP28805099A JP28805099A JP3479009B2 JP 3479009 B2 JP3479009 B2 JP 3479009B2 JP 28805099 A JP28805099 A JP 28805099A JP 28805099 A JP28805099 A JP 28805099A JP 3479009 B2 JP3479009 B2 JP 3479009B2
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oxygen
microwave
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    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23GCREMATION FURNACES; CONSUMING WASTE PRODUCTS BY COMBUSTION
    • F23G5/00Incineration of waste; Incinerator constructions; Details, accessories or control therefor
    • F23G5/08Incineration of waste; Incinerator constructions; Details, accessories or control therefor having supplementary heating
    • F23G5/10Incineration of waste; Incinerator constructions; Details, accessories or control therefor having supplementary heating electric
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23GCREMATION FURNACES; CONSUMING WASTE PRODUCTS BY COMBUSTION
    • F23G2204/00Supplementary heating arrangements
    • F23G2204/20Supplementary heating arrangements using electric energy
    • F23G2204/203Microwave
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23GCREMATION FURNACES; CONSUMING WASTE PRODUCTS BY COMBUSTION
    • F23G2209/00Specific waste
    • F23G2209/20Medical materials

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  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Constitution Of High-Frequency Heating (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療廃棄物、食品
廃棄物等を始めとするあらゆる分野の様々な廃棄物を作
業者及び周囲に危険を及ぼすことなく焼却処理すること
のできる焼却装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】医療現
場において発生する所謂医療廃棄物、例えばHIV、感
染性肝炎、その他の伝染病等の感染性の廃棄物、摘除さ
れた臓器、胎盤、血液・体液などの付着物、患者の残
飯、検尿・検便の残滓等は、二次感染の危険性があるた
め、環境衛生保全上他の一般廃棄物と混合する前に選択
的に医療機関内で迅速処理されることが望ましい。プラ
イバシー保全や視覚、嗅覚等の感覚的な面からも、その
ような処理が望まれる。ところが、前記のような現状で
は、廃棄された注射針や鋭利な医療機器廃棄物での事故
も少なくない。医薬品研究・製造現場において発生する
実験動物の死体、糞尿等を始めとする各種生物化学的廃
棄物、廃棄培養材等も同様の問題を有する。
【0003】食品加工工場、食品売り場、駅舎等におい
て発生する動植物性食物の残滓等は、腐敗性が強く悪臭
を発し易いので、これらについても、他の一般廃棄物と
混合する前に発生現場近くで選択的に迅速処理すること
が望ましい。
【0004】しかしながら、前記のような医療機関、医
薬品研究・製造工場或は食品関係における廃棄物は、水
分等を多く含む難燃性のものが多いため、従来の油若し
くはガスバーナーにおける低効率の輻射、伝導のもとで
これらを完全に燃焼に至らしめるためには、与熱、脱水
焼却の促進のために人力による適切な撹拌等の操作が必
要であった。そのため、多大な労力を要し、而も完全焼
却が困難であることは勿論、腐敗性が強く、悪臭を発
し、また感染等のおそれを有する廃棄物が多いことか
ら、作業上の感覚的問題や危険性をも有していた。
【0005】更に、医療廃棄物などでは、アルコールな
ど爆発的着火性を持つ物質を含滲した廃棄物もしばしば
混入しており、従来の油若しくはガスバーナーによる直
接焼却は、その開始時に爆発的着火を起こすおそれがあ
った。
【0006】これらの課題を解決するには、焼却装置内
に収容された医療廃棄物等の焼却物にマイクロ波を適切
に利用することが有効である。
【0007】しかしながら、このような焼却装置に対す
る医療廃棄物等の焼却物の投入作業は、感染性の病原菌
や有害薬剤により作業者を危険にさらしたり、種々の環
境汚染等を引き起こすおそれを生ずるものであり、ま
た、焼却装置にマイクロ波を利用することは、漏出マイ
クロ波による電子医療機器等の電子機器類及びその他の
機器や装置の誤動作等の不都合の発生を招くおそれが生
じた。
【0008】本発明は、従来技術に存した上記のような
問題点に鑑み行われたものであって、その目的とすると
ころは、焼却物の投入作業を安全確実に行ない得て、感
染性の病原菌や有害薬剤により作業者を危険にさらした
り、種々の環境汚染等を引き起こすことが防止され、水
分等を多く含むような難燃性の廃棄物であっても容易且
つ確実に焼却し得、焼却物の被熱面積の拡大や被熱効率
の向上のための撹拌等は不要であってこの点で安全衛生
上の問題がなく、漏出マイクロ波による電子医療機器等
の電子機器類及びその他の機器や装置の誤動作等の不都
合の発生を効果的に防止し得るので、廃棄物の各発生現
場の近くに設置して、環境衛生保全上一般の環境から完
全に隔離してストックされ且つ処理されるべき廃棄物、
及び腐敗性が強く悪臭を発する廃棄物等を、発生から間
を置くことなく迅速且つ適切に処理することができ、而
も、アルコール等の爆発的着火性を有する物質を含む焼
却物であっても爆発的着火が防止され、排気される廃ガ
スには熱分解性の臭気や有害物や煙り等がほとんどない
焼却装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の焼却装置は、焼却物を収容する一次燃焼室
と、一次燃焼室内に酸素含有ガスを供給するための酸素
含有ガス供給装置と、一次燃焼室内の焼却物を火炎焼却
するための第1燃焼装置と、一次燃焼室内の温度を計測
するための第1温度計測手段と、二次燃焼室と、一次燃
焼室から二次燃焼室へガス類を導入する連通部と、一次
燃焼室から二次燃焼室内へ導入されたガス類を火炎焼却
するための第2燃焼装置と、二次燃焼室から廃ガスを排
気するための排気部と、マイクロ波発生装置とを備えて
なり、前記一次燃焼室は、固定上部と、ほぼ上向きに開
口する収容部を有しその収容部内に焼却物を収容し得る
可動下部からなり、前記固定上部の下側に対し可動下部
が上向きに密着することにより形成されるものであり、
前記固定上部に、前記連通部の一次燃焼室側の部分と、
前記マイクロ波発生装置において発生したマイクロ波を
導いて一次燃焼室内における可動下部の収容部に収容さ
れた焼却物に対しそのマイクロ波を照射しそれを乾燥お
よび/または熱分解させるためのマイクロ波照射部を有
し、更に、前記可動下部を固定上部の下側に対しほぼ上
下動させ得ると共に、可動下部が下降した位置において
その可動下部を側方へ往復動させ得る駆動装置と、マイ
クロ波照射部からのマイクロ波の照射により前記第1温
度計測手段による計測温度が所定温度となることによっ
て第1燃焼装置を作動させるための制御手段Wを備える
ことを特徴とする(請求項1)。
【0010】固定上部の下側に対し上向きに密着するこ
とにより一次燃焼室を形成した状態の可動下部を、駆動
装置により下降させ、更に側方へ移動させることによ
り、収容部のほぼ上向きの開口を露出させることができ
る。これにより、可動下部の収容部の開口からその収容
部内に焼却物を安全且つ確実に投入して収容部内に収容
させることができる。この可動下部を駆動装置により側
方へ移動させて上昇させることにより、固定上部の下側
に対し上向きに密着させて一次燃焼室を形成することが
できる。収容部のほぼ上向きの開口を露出させることが
できるので収容部内への焼却物の投入作業が安全且つ確
実であるにも拘らず、可動下部を固定上部の下側に対し
上向きに密着させて一次燃焼室を形成するので、マイク
ロ波の漏洩を効果的に防止し得る。
【0011】一次燃焼室から二次燃焼室へガス類を導入
する連通部の一次燃焼室側の部分、マイクロ波発生装置
において発生したマイクロ波を導いて一次燃焼室内にお
ける可動下部の収容部に収容された焼却物に対しそのマ
イクロ波を照射しそれを乾燥および/または熱分解させ
るためのマイクロ波照射部、並びに、酸素含有ガス供給
装置から供給される酸素含有ガスを固定上部の下側へ導
く上部導通路は、何れも固定上部に有するので、駆動装
置による可動下部の移動には何ら支障を来すことはな
い。一次燃焼室の形成により、一次燃焼室から二次燃焼
室へ連通部を通じてガス類が導入され、マイクロ波照射
部から可動下部の収容部に収容された焼却物に対しマイ
クロ波が照射され、固定上部の上部導通路に連通した下
部導通路を介して可動下部の収容部内に酸素含有ガスが
導入される。
【0012】このようにして一次燃焼室内に焼却物を収
容させ、次いで第2燃焼装置を作動させて二次燃焼室内
が一次燃焼室から導入されたガス類を焼却し得る状態と
した後、固定上部のマイクロ波照射部から焼却物に対す
るマイクロ波の照射を開始させると、このマイクロ波の
照射によって、一次燃焼室内の焼却物はその内部から発
熱し、含有する水分やアルコールその他の液体が効率よ
く蒸発して焼却物が乾燥すると共に、焼却物の熱分解も
引き起すこととなる。表面加熱によるものとは異なり、
焼却物の被熱面積の拡大や被熱効率の向上のための撹拌
等は不要であり、ガラス容器内残液等の加熱に対しても
有効である。蒸発や熱分解により発生したガス類は、連
通部を通じて二次燃焼室へと導かれ、その二次燃焼室内
で焼却される。これによって熱分解性の含臭ガス類の脱
臭や、有害ガス類の熱分解が行われる。
【0013】マイクロ波照射部からのマイクロ波の照射
により第1温度計測手段による計測温度が所定温度とな
ることによって、焼却物の易燃焼化が行われたことを制
御手段Wが自動的に確認し、第1燃焼装置を作動させ
る。すると、焼却物は一次燃焼室内において短時間で効
率良く焼却される。アルコール等の爆発的着火性を有す
る物質を含む焼却物であっても、マイクロ波によりアル
コール等が蒸散し、二次燃焼室にて焼却された後、第1
燃焼装置を作動させることにより、爆発的着火は防止さ
れる。発生する燃焼廃ガス、未燃炭素等の所謂煙り等
は、連通部を通じて二次燃焼室へと導かれ、その二次燃
焼室内でほぼ完全に焼却される。マイクロ波照射部から
のマイクロ波の照射は、停止しても継続してもよい。
【0014】以上のようにして二次燃焼室内において焼
却され、臭気や有害物や煙り等がほとんどなくなった廃
ガスは、排気部を通じて排気される。
【0015】一次燃焼室内に焼却物を収容させた後、第
2燃焼装置を作動させる前に、酸素含有ガス供給装置に
より一次燃焼室内に十分な量の酸素含有ガスを供給する
と、焼却物に随伴して一次燃焼室、連通部、二次燃焼室
及び排気部の内部に広がったアルコールガス等の可燃性
ガスが、排気部を通じてパージされる。その後、第2燃
焼装置を作動させれば、可燃性ガスの爆発的着火が防が
れる。
【0016】第1燃焼装置は、例えば、可動下部に固定
的に設けて駆動装置による可動下部の移動と共に移動す
るようにすることもでき、駆動装置による可動下部の移
動により可動下部に対し脱着可能なように設けることも
できる。前者の場合、例えば第1燃焼装置に対する燃料
や酸素含有ガス等の所要物質の供給路をフレキシブルな
部材又は部品により構成するようにすることができる。
後者の場合、例えば、可動下部の側壁部に外部に連通し
得る連通部を設け、第1燃焼装置を一次燃焼室の外部に
固定的に設け、固定上部の下側に対し可動下部が上向き
に密着することにより一次燃焼室が形成された状態にお
いて、可動下部の連通部に第1燃焼装置が位置するよう
にすることができる。
【0017】一次燃焼室は、マイクロ波の漏洩を効果的
に防止し得る材料により形成することが望ましい。好ま
しくは、二次燃焼室及び連通部についても同様である。
また、一次燃焼室は、マイクロ波の漏洩を効果的に防止
し得る部材により更に取り囲むことが望ましい。好まし
くは、二次燃焼室及び連通部についても同様である。
【0018】可動下部を駆動装置により下降させて側方
へ移動させることにより露出する可動下部の収容部のほ
ぼ上向きの開口は、ほぼその全体が露出するものである
ことが望ましい。
【0019】本発明の焼却装置は、固定上部に酸素含有
ガス供給装置から供給される酸素を固定上部の下側へ導
く上部導通路を有し、可動下部に、固定上部の下側に対
し可動下部が上向きに密着することにより一次燃焼室が
形成された状態において前記上部導通路に連通して収容
部内に酸素含有ガスを導入する下部導通路を有するもの
とすることが望ましい(請求項2)。
【0020】この場合、酸素含有ガス供給装置から供給
される酸素含有ガスを固定上部の下側へ導く上部導通路
は固定上部に有するので、この点においても駆動装置に
よる可動下部の移動に何ら支障を来すことはない。一次
燃焼室の形成により、固定上部の上部導通路に連通した
下部導通路を介して可動下部の収容部内に酸素含有ガス
が導入される。
【0021】また、本発明の焼却装置は、一次燃焼室、
連通部、二次燃焼室及び排気部の内部に存する可燃性ガ
スを排気部を通じてパージし得る量の酸素含有ガスを、
上記酸素含有ガス供給装置により一次燃焼室内に供給し
たことを計測するガスパージ計測手段と、そのガスパー
ジ計測手段により前記の量の酸素含有ガスを一次燃焼室
内に供給したことが計測されることによって第2燃焼装
置を作動させるための制御手段Xを備えたものとするこ
ともできる(請求項3)。
【0022】この場合、ガスパージ計測手段により一次
燃焼室、連通部、二次燃焼室及び排気部の内部に存する
可燃性ガスを排気部を通じてパージし得る量の酸素含有
ガスを一次燃焼室内に供給したことが計測されると、制
御手段Xによって第2燃焼装置が作動する。
【0023】また、本発明の焼却装置は、上記酸素含有
ガス供給装置により供給される酸素含有ガスの一部が、
マイクロ波照射部付近を経て一次燃焼室内に供給される
よう構成されたものとすることが望ましい。
【0024】この場合、第1燃焼装置の作動中に酸素含
有ガス供給装置を作動させると、酸素含有ガスの一部は
マイクロ波照射部付近を経て一次燃焼室内に供給される
ので、第1燃焼装置の作動及び焼却物の燃焼による熱に
よりマイクロ波照射部が損傷することが防止される。
【0025】また、本発明の焼却装置は、上記第2燃焼
装置が作動して二次燃焼室内が一次燃焼室から導入され
たガス類を焼却し得る状態となったことを検知するため
の検知手段と、その検知手段により第2燃焼装置が作動
して二次燃焼室内が一次燃焼室から導入されたガス類を
焼却し得る状態となったことが検知されることによって
マイクロ波照射部からのマイクロ波の照射を開始させる
ための制御手段Yを備えたものとすることができる(請
求項4)。
【0026】この場合、第2燃焼装置が作動して二次燃
焼室内が一次燃焼室から導入されたガス類を焼却し得る
状態となったことが検知手段により検知されると、制御
手段Yによって、マイクロ波照射部からのマイクロ波の
照射が自動的に開始される。
【0027】また本発明の焼却装置は、二次燃焼室内の
温度を計測するための第2温度計測手段と、その第2温
度計測手段により計測された温度と設定温度とを比較し
て二次燃焼室内の温度がほぼ設定温度以上に維持される
よう第2燃焼装置の燃焼特性を調節するための制御手段
Zを備えたものとすることが望ましい(請求項5)。
【0028】この場合、制御手段Zによって、第2温度
計測手段により計測された温度と設定温度とが比較され
て第2燃焼装置の燃焼特性が調節され、二次燃焼室内の
温度がほぼ設定温度以上に維持される。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を、図面を参照し
つつ説明する。
【0030】図1及び図2は本発明焼却装置の1実施例
についてのものである。図1は焼却装置の概略図、図2
は可動下部を側方へ露出させた状態の焼却装置の概略図
である。
【0031】一次燃焼室10は、外殻が鋼板で、内壁が
耐火物でそれぞれライニングされ、略円筒状をなす。一
次燃焼室10は、固定上部10aと、ほぼ上向きに開口
する収容部10b1を有しその収容部10b1内に焼却
物を収容し得る可動下部10bからなる。なお、一次燃
焼室10は、例えば、鋼板で外殻と内壁を構成し、それ
らの間隙に断熱材を充填したものであってもよい。
【0032】固定上部10aは、下面が水平で平坦な略
円板状をなし、その中央部(これに限らない)に連通孔
部12の一次燃焼室10側が開口する。
【0033】固定上部10aにおける連通孔部12と外
周部との間に、一次燃焼室10内に収容された焼却物に
マイクロ波を照射するために固定上部10aの上方から
導入したマイクロ波を固定上部10aの下方へ照射する
マイクロ波照射部14が設けられている。マイクロ波照
射部14の配置及び照射角度は、一次燃焼室10の形状
等の特性に従って適宜選択し得る。なお、照射されたマ
イクロ波が連通孔部12、二次燃焼室16及び排気筒1
8を経て焼却装置の外部へ漏洩することを防止するため
に、耐熱耐食性の高い金属等の導電材料により、そのマ
イクロ波の波長に応じた漏洩防止に有効な編み目サイズ
のメッシュを形成し、それを、マイクロ波漏洩経路、例
えば連通孔部12の適宜断面の全面に亙って張設するこ
とが望ましい。排気筒18の内部は、高温となるため、
このようなメッシュの張設は実際上は困難である。その
ため通常は、排気筒18については、一般的に見受けら
れる煙突アレスタ状に取り付けることとなる。
【0034】固定上部10aの外周部には、ブロア20
(酸素含有ガスとしての空気の供給源)から供給される
空気を固定上部10aの下側へ導くために上下方向に貫
通して設けられた上部導通路22を有する。
【0035】可動下部10bは、周壁の上面が水平で平
坦な略有底円筒形状をなす。可動下部10b内の収容部
10b1は、底部が下に凸に湾曲する円柱形状空間を構
成する。
【0036】可動下部10bの周壁内に、その周壁の上
面に一端を開口し、周壁の下部内面における複数箇所に
他端を開口する下部導通路24を有する。下部導通路2
4は、固定上部10aの外周部下面に対し可動下部10
bの周壁の上面が上向きに密着することにより一次燃焼
室10が形成された状態において上部導通路22に連通
して収容部10b1内に空気を導入する。
【0037】可動下部10bは、昇降駆動装置(何れも
図示を略す)により固定上部10aに対し上下駆動され
ると共に、下降状態において、水平往復駆動装置(図示
を略す)により、この焼却装置の外殻板26の一部を構
成する開閉板部26aと共に図における左方へ水平駆動
され、また右方へ復帰駆動される。可動下部10bが図
2に示されるように図における左方へ移動した状態にお
いて、収容部10b1の開口部が上方に露出する。外殻
板26の内側には、マイクロ波の外部漏洩を防止する部
材が設けられている。
【0038】可動下部10bの側壁の一部に、バーナ用
連通部10b2が設けられ、固定上部10aに可動下部
10bが上向きに密着することにより一次燃焼室10が
形成された状態において、第1燃焼ユニット28におけ
る支持部28aに支持された第1ガスバーナ28b(第
1燃焼装置の一例)及びその第1ガスバーナ28bの火
炎を感知するための第1フレームセンサ28cがバーナ
用連通部10b2内に挿入されてそれらの先端部が収容
部10b1内に臨んだ状態となっている。支持部28a
はマイクロ波を遮断し得るものである。この状態におい
て、支持部28aの可動下部10b側の面は、可動下部
10bの外側面のうちバーナ用連通部10b2の周囲の
部分に密接した状態となっている。可動下部10bが昇
降駆動装置により下降し、水平往復駆動装置により左方
へ移動することにより、第1燃焼ユニット28は可動下
部10bから分離し、可動下部10bが元の位置に戻る
ことにより第1燃焼ユニット28の第1ガスバーナ28
b及び第1フレームセンサ28cがバーナ用連通部10
b2内に挿入されてそれらの先端部が収容部10b1内
に臨み、支持部28aの可動下部10b側の面は可動下
部10bの外側面に密接する。なお、バーナ用連通部1
0b2は可動下部10bの外側に向かって上向きに傾斜
するものとして焼却物の外部脱落を確実性高く防ぐよう
にすることができる。また、前記のような第1燃焼装置
は、図2に二点鎖線で示すように可動下部10bに固定
して可動下部10bの移動と共に移動するようにするこ
ともできる。この場合、第1燃焼装置に対する燃料ガス
及び空気の供給管はフレキシブルなもので且つ十分な耐
久性を有するものとすることができる。
【0039】一次燃焼室10の上方に基部が位置するよ
うに、二次燃焼室16が配設されている。二次燃焼室1
6は、外殻が鋼板で、内壁が耐火物でそれぞれライニン
グされた、軸線が水平方向の略円筒状をなす。外殻が鋼
板で、内壁が耐火物でそれぞれライニングされた連通孔
部12は、固定上部10aの中央部下面と二次燃焼室1
6の基部下面にわたって設けられ、一次燃焼室10と二
次燃焼室16を連通する。
【0040】二次燃焼室16の先端部に、外殻が鋼板
で、内壁が耐火物でそれぞれライニングされた、略円筒
状をなす排気筒18(排気部の一例)が立設されてい
る。排気筒18は、その下端部が二次燃焼室16の先端
部の上側に開口し、上端部は上方に開口している。
【0041】電源の受入れ及び各装置及び機器への分配
を行う配電装置、各装置及び機器を制御する制御装置、
並びに各装置及び機器を操作する操作装置を備えた操作
制御盤30が外部に面して設けられている。なお、配線
については図示を省略する。
【0042】可動下部10bを駆動する昇降駆動装置及
び水平往復駆動装置は、操作制御盤30を操作すること
により制御し、収容部10b1の上方開口部の外部露
出、及び固定上部10aに対し可動下部10bを上向き
に密着させることによる一次燃焼室10の形成を行なわ
せることができる。
【0043】一次燃焼室10内の温度を計測するために
一次燃焼室10の上端側部に第1温度センサ32が設け
られている。第1温度センサ32が感知した温度情報
は、電気信号として操作制御盤30の制御装置に伝送さ
れる。
【0044】二次燃焼室16の基端部に、第2ガスバー
ナ34(第2燃焼装置の一例)と、その第2ガスバーナ
34の火炎を感知するための第2フレームセンサ36が
配装されている。
【0045】二次燃焼室16内の温度を計測するために
二次燃焼室16の先端側部に第2温度センサ38が設け
られている。第2温度センサ38が感知した温度情報
は、電気信号として操作制御盤30の制御装置に伝送さ
れる。
【0046】導波管40を介してマイクロ波照射部14
に伝送するマイクロ波を発生するマイクロ波発振装置4
2(マイクロ波発生装置の一例)は、工業用、医事用等
に国際的に割り当てられたISMバンド2450MHz
または915MHzのマイクロ波を発生する。マイクロ
波発振装置42の始動及び停止並びに出力は、操作制御
盤30の制御装置によって電気的に制御される。マイク
ロ波の伝送には、導波管以外の手段を用いることも可能
である。またマイクロ波発生装置とマイクロ波照射部と
を一体的に構成することも可能である。
【0047】第1ガスバーナ28bの始動及び停止並び
に燃焼特性は、操作制御盤30の制御装置によって電気
的に制御される。また第1フレームセンサ28cが感知
した情報は、電気信号として操作制御盤30の制御装置
に伝送される。なお、第1燃焼装置としては、油バーナ
等の他の公知燃焼装置を採用することも勿論可能であ
る。
【0048】また、第2ガスバーナ34の始動及び停止
並びに燃焼特性も、操作制御盤30の制御装置によって
電気的に制御される。第2フレームセンサ36が感知し
た情報は、電気信号として操作制御盤30の制御装置に
伝送される。第2燃焼装置としてガスバーナ等の他の公
知燃焼装置を採用することも勿論可能である。
【0049】上部導通路22は、一次燃焼室10内に供
給する空気の量及び圧力を調節するための調量調圧弁を
備えている。上部導通路22における調量調圧弁の動作
は、操作制御盤30の制御装置によって電気的に制御さ
れる。
【0050】ブロア20からの空気は、給空管44を介
して上部導通路22並びに第1ガスバーナ28b及び第
2ガスバーナ34に供給される。ブロア20の始動及び
停止は、操作制御盤30の制御装置によって電気的に制
御される。このブロア20と給空管44と上部導通路2
2が備える調量調圧弁が、酸素含有ガス供給装置の一例
を構成している。なお、空気供給源としては、コンプレ
ッサ等の公知手段を適宜採用し得る。
【0051】第1ガスバーナ28b及び第2ガスバーナ
34に対しては、燃料供給管46を介してLPGボンベ
48(燃料供給源)からLPGが供給される。ガスバー
ナの場合はLPGボンベ48に代えて都市ガス端末とす
ることができ、油バーナの場合は、例えば重油、灯油等
の燃料油のサービスタンクとすることができる。LPG
ボンベ48の開閉は、操作制御盤30の制御装置によっ
て電気的に制御される。
【0052】以上のような焼却装置の操作制御盤30を
操作して可動下部10bを図2に示されるように下降さ
せると共に図における左方へ移動させ、可動下部10b
の収容部10b1の開口部を上方に露出させた状態にお
いて、収容部10b1内に医療廃棄物等の焼却物を安全
且つ確実に一括投入して収容させることができる。次い
で操作制御盤30を操作することにより可動下部10b
を固定上部10aに対し上向きに密着させることにより
一次燃焼室10を形成することができる。これにより、
マイクロ波の漏洩を効果的に防止し得る。
【0053】次に、操作制御盤30の操作装置により、
焼却処理を開始させる。
【0054】すると、制御装置によって、上部導通路2
2の調量調圧弁が開くと共にブロア20が始動し、上部
導通路22に連通した下部導通路24を介して一次燃焼
室10内に空気が送給されるので、焼却物に随伴して一
次燃焼室10、連通孔部12、二次燃焼室16及び排気
筒18の内部に広がり得るアルコールガス等の可燃性ガ
スが、排気筒18を通じてパージされる。
【0055】一次燃焼室10、連通孔部12、二次燃焼
室16及び排気筒18の内部に存する可燃性ガスをほぼ
全てパージするに十分な量の空気を一次燃焼室10内に
供給したことを、内蔵するタイマ手段によって操作制御
盤30の制御装置が計測すると、制御装置によってLP
Gボンベ48からLPGが供給されると共に第2ガスバ
ーナ34が始動され(制御手段X)、二次燃焼室16内
に火炎が形成されると共に二次燃焼室16内及び排気筒
18内が加熱される。可燃性ガスがパージされた後で第
2ガスバーナ34が始動するので、可燃性ガスの爆発的
着火が確実に防がれる。可燃性ガスが存在しない場合
は、このようなパージの工程は勿論不要である。
【0056】第2フレームセンサ36並びに第2温度セ
ンサ38が感知した情報によって、燃焼開始及び火炎安
定、並びに二次燃焼室16内が一次燃焼室10から導入
されるガス類を焼却し得る程度に設定された温度に達し
たことが、それぞれ操作制御盤30の制御装置によって
確認されると、制御装置によってマイクロ波発振装置4
2が始動される(制御手段Y)。マイクロ波発振装置4
2において発生したマイクロ波は、導波管40を介して
マイクロ波照射部14から一次燃焼室10内の焼却物に
照射される。すると焼却物は、その内部から発熱し、焼
却物の被熱面積の拡大や被熱効率の向上のための撹拌等
を要することなく、含有する水分やアルコールその他の
液体が効率よく蒸発して焼却物が乾燥すると共に、焼却
物の熱分解も引き起され、易燃焼化する。ガラス容器内
残液等の加熱に対しても有効である。マイクロ波出力が
8kWで焼却物が45kgの場合、一次燃焼室10内の
温度は、マイクロ波照射開始後100乃至150分で、
例えば120乃至150℃となる。マイクロ波出力が一
定の場合、一次燃焼室10内の温度は照射時間の経過に
従って二次曲線的に急上昇する。その理由は、初期にお
いては、ライニングへのロスと水分等の液体の気化熱奪
取とにより温度上昇が停滞し、後半には、焼却物の炭化
が一部で始まって入射効率が向上するためと考えられ
る。蒸発や熱分解により発生したガス類は、連通孔部1
2を通じて二次燃焼室16へと導かれ、その二次燃焼室
16内で焼却される。これによって熱分解性の含臭ガス
類の脱臭や、有害ガス類の熱分解が行われる。
【0057】マイクロ波照射により急速に上昇する一次
燃焼室10内の温度の情報は、第1温度センサ32によ
って感知されて制御装置に伝送される。マイクロ波発振
装置42の出力は、第1温度センサ32によって感知さ
れる温度変化に応じ、制御手段により適切に調節するこ
とが望ましい。
【0058】制御装置は、第1温度センサ32によって
感知された温度が所定温度(例えば120乃至150
℃)となることによって焼却物の易燃焼化が行われたこ
とを確認すると、第1ガスバーナ28bを始動させる
(制御手段W)。すると、焼却物は、一次燃焼室10内
において、第1ガスバーナ28bの火炎により、或はそ
の火炎による助燃により、例えば800℃以上或は10
00℃以上の高温で短時間のうちに効率良く焼却され
る。アルコール等の爆発的着火性を有する物質を含む焼
却物であっても、マイクロ波によりアルコール等が蒸散
し、それが二次燃焼室16にて焼却された後、第1ガス
バーナ28bを作動させるものであるから爆発的着火は
防止される。一次燃焼室10内の温度が120乃至15
0℃となった時点においては、水分が蒸発し易燃焼化が
進んでいるため、第1ガスバーナ28bにおいて用いら
れる燃料に無駄がなく、焼却物に随伴する物質の爆発的
燃焼も防止される。第1ガスバーナ28bの始動により
一次燃焼室10内の温度はほとんど瞬時に400乃至5
00℃となり、5乃至6分前後で800℃以上となるよ
うにすることができる。
【0059】上部導通路22から供給される空気は、下
部導通路24を介して一次燃焼室10内に供給され、一
次燃焼室10内の焼却物の燃焼等のための空気として用
いられる。マイクロ波照射部14からのマイクロ波の照
射は、停止しても継続してもよい。なお、必要に応じ、
マイクロ波照射部を水冷又は空冷により冷却し得る冷却
装置を設けることによりマイクロ波照射部の損傷を防止
することができる。
【0060】第1ガスバーナ28b及び焼却物の燃焼に
より発生する燃焼廃ガス、未燃炭素等の所謂煙り等は、
連通孔部12を通じて二次燃焼室16へと導かれ、その
二次燃焼室16内でほぼ完全に焼却される。一次燃焼室
10内の温度が上記のように800℃以上であれば、そ
の燃焼廃ガスが直ちに二次燃焼室16へ送給されること
と第2ガスバーナ34の燃焼とが相まって、排気筒18
から排出される排ガスの温度を法令で定められた基準で
ある700℃以上に維持することは極めて容易である。
この焼却により臭気や有害物や煙り等がほとんどなくな
った廃ガスは、排気部を通じて排気される。この例で
は、焼却物に含まれていたり焼却装置内で発生したりす
る有害物、例えばHCN ,PCDDs ,PCDFs 等の熱分解温度
以上に設定された設定温度と、第2温度センサ38によ
り計測された温度とが、操作制御盤30の制御装置にお
いて比較されて第2ガスバーナ34の燃焼特性が調節さ
れ、二次燃焼室16内の温度がほぼ設定温度以上に自動
的に維持される(制御手段Z)。そのため、排気筒18
を通じて有害物が排出されることが効果的に防止され
る。
【0061】なお、金属を含む無機物、無機化合物など
のいわゆるフューム(fumes)や蒸気であって、熱分解し
ないか又は熱分解温度が著しく高い温度域にある臭気性
或は有害性の物質が排出される場合は、本発明装置の排
気部の次段にスクラバなどの公知の排ガス処理装置を設
けることによってそれらの物質を分離することが望まし
い。
【0062】上述のように操作制御盤30の制御装置に
おいて設定される二次燃焼室16内の温度は、通常、排
気筒18から排出される排ガスの温度が700乃至12
00℃となるような温度とする。焼却物に塩素化合物、
フッ素化合物などの混入が予定される場合は、排ガスの
温度が1350乃至1400℃となるように設定するこ
とが望ましい。
【0063】このような設定温度は、第2ガスバーナ3
4の制御された燃焼継続によって達成維持される。設定
温度への到達は、例えば第2ガスバーナ34の始動後1
5分前後である。
【0064】その後、第1温度センサ32によって感知
される温度情報によって制御装置が一次燃焼室10内の
焼却物の焼却完了を検知すると、制御装置によって、L
PGボンベ48からのLPGの供給が停止されると共
に、第1ガスバーナ28b及び第2ガスバーナ34並び
にマイクロ波発振装置42の作動が停止される。次い
で、第1温度センサ32によって一次燃焼室10内の温
度が残渣の排出が可能な温度、例えば100℃以下程度
に降下したことが感知されると、制御装置によってブロ
ア20が停止されると共に上部導通路22の調量調圧弁
が閉じられる。然る後、操作制御盤30を操作して可動
下部10bを図2に示されるように下降させると共に図
における左方へ移動させ、可動下部10bの収容部10
b1の開口部を上方に露出させることにより、残渣を排
出することができる。残渣の量は元の焼却物の量に比し
極めて少量なので、収容部10b1の上方開口部から真
空吸引掃除機等を適宜用いて十分に排出可能である。排
出口を必要としないので、マイクロ波の外部漏洩を防止
する上で効果的である。
【0065】
【発明の効果】本発明の焼却装置では、可動下部の収容
部の開口を露出させてその収容部内に焼却物を安全且つ
確実に投入して収容部内に収容させることができるにも
拘らず、可動下部を固定上部の下側に対し上向きに密着
させて一次燃焼室を形成するので、マイクロ波の漏洩を
効果的に防止し得る。而も、連通部の一次燃焼室側の部
分、マイクロ波照射部、及び、酸素含有ガス供給装置か
ら供給される酸素含有ガスを固定上部の下側へ導く上部
導通路は、何れも固定上部に有するので、駆動装置によ
る可動下部の移動には何ら支障を来すことはなく、一次
燃焼室の形成により、一次燃焼室から二次燃焼室へ連通
部を通じてガス類が導入され、マイクロ波照射部から可
動下部の収容部に収容された焼却物に対しマイクロ波が
照射され、固定上部の上部導通路に連通した下部導通路
を介して可動下部の収容部内に酸素含有ガスが導入され
る。
【0066】一次燃焼室内に焼却物を収容し、第2燃焼
装置の作動により二次燃焼室を導入ガス類の焼却可能な
状態とした後、マイクロ波照射部からのマイクロ波の照
射を開始すると、マイクロ波照射部からのマイクロ波の
照射により第1温度計測手段による計測温度が所定温度
となることによって、焼却物の易燃焼化が行われたこと
を制御手段Wが自動的に確認し、第1燃焼装置を作動さ
せるので、焼却物は先ずマイクロ波により乾燥及び熱分
解して易燃焼化し、その後、第1燃焼装置の作動により
焼却物は一次燃焼室内において短時間で効率良く焼却さ
れる。そのため、水分等を多く含むような難燃性の廃棄
物であっても容易且つ確実に、短時間で効率良く焼却し
得る。また、アルコール等の爆発的着火性を有する物質
を含む焼却物であっても、マイクロ波によりアルコール
等が蒸散し、二次燃焼室にて焼却された後、第1燃焼装
置を作動させることにより、爆発的着火は防止される。
【0067】更に、焼却物の易燃焼化の過程で蒸発や熱
分解により発生したガス類及び焼却物の焼却によって発
生する燃焼廃ガス、未燃炭素等の所謂煙り等は、全て二
次燃焼室内で焼却され、臭気や有害物や煙り等がほとん
どなくなった廃ガスが、排気部を通じて排気されるの
で、環境汚染の問題も防止される。
【0068】マイクロ波による易燃焼化は、焼却物の内
部から発熱して行われ、容器内残液、例えば検血や検尿
に用いたガラス容器内の残液等の加熱に対しても有効で
あること、及び、易燃焼化後の焼却物であれば第1燃焼
装置によりそのまま効率よく焼却し得ることよりして、
焼却物の被熱面積の拡大や被熱効率の向上のための撹拌
等は不要であり、この点で安全衛生上の問題も解決され
る。従って、簡便な装置であることと相まって、廃棄物
の各発生現場の近くに設置して容易且つ安全に焼却する
ことができ、医療廃棄物や医薬品研究・製造時の各種生
物化学的廃棄物等の環境衛生保全上一般の環境から完全
に隔離してストックされ且つ処理されるべき廃棄物、及
び腐敗性が強く悪臭を発する廃棄物等を、発生から間を
置くことなく迅速且つ適切に処理することを可能とす
る。
【0069】また、焼却物収容後、第2燃焼装置作動前
に、酸素含有ガス供給装置により一次燃焼室内に十分な
量の酸素含有ガスを供給すれば、焼却物に随伴して焼却
装置内部に充満し得る可燃性ガスが排気部を通じてパー
ジされ、第2燃焼装置の作動による可燃性ガスの爆発的
着火が防がれる。
【0070】請求項2の焼却装置では、酸素含有ガス供
給装置から供給される酸素含有ガスを固定上部の下側へ
導く上部導通路は固定上部に有するので、この点におい
ても駆動装置による可動下部の移動に何ら支障を来すこ
とはない。一次燃焼室の形成により、固定上部の上部導
通路に連通した下部導通路を介して可動下部の収容部内
に酸素含有ガスが導入される。
【0071】請求項3の焼却装置では、ガスパージ計測
手段により一次燃焼室、連通部、二次燃焼室及び排気部
の内部に存する可燃性ガスを排気部を通じてパージし得
る量の酸素含有ガスを一次燃焼室内に供給したことが計
測されると、制御手段Xによって第2燃焼装置が作動す
るので、可燃性ガスの爆発的着火が自動的に防止され
る。
【0072】請求項4の焼却装置では、第2燃焼装置が
作動して二次燃焼室内が一次燃焼室から導入されたガス
類を焼却し得る状態となったことが検知手段により検知
されると、制御手段Yによって、マイクロ波照射部から
のマイクロ波の照射が自動的に開始される。そのため、
マイクロ波の照射によって蒸発や熱分解により発生した
ガス類は、二次燃焼室内で確実に焼却される。
【0073】請求項5の焼却装置では、制御手段Zによ
って、第2温度計測手段により計測された温度と設定温
度とが比較されて第2燃焼装置の燃焼特性が調節され、
二次燃焼室内の温度がほぼ設定温度以上に維持されるの
で、焼却物に含まれていたり焼却装置内で発生したりす
る有害物の熱分解温度を維持して二次燃焼室から排出手
段を通じて有害物の排出することを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼却装置の概略図である。
【図2】可動下部を側方へ露出させた状態の焼却装置の
概略図である。
【符号の説明】
10 一次燃焼室 10a 固定上部 10b 可動下部 10b1 収容部 10b2 バーナ用連通部 12 連通孔部 14 マイクロ波照射部 16 二次燃焼室 18 排気筒 20 ブロア 22 上部導通路 24 下部導通路 26 外殻板 26a 開閉板部 28 第1燃焼ユニット 28a 支持部 28b 第1ガスバーナ 28c 第1フレームセンサ 30 操作制御盤 32 第1温度センサ 34 第2ガスバーナ 36 第2フレームセンサ 38 第2温度センサ 40 導波管 42 マイクロ波発振装置 44 給空管 46 燃料供給管 48 LPGボンベ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F23G 5/16 ZAB F23G 5/16 ZABE 5/50 ZAB 5/50 ZABH ZABJ ZABM H05B 6/80 H05B 6/80 Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23G 5/00 F23G 5/44 F27D 7/00 - 15/02 B09B 1/00 - 5/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼却物を収容する一次燃焼室と、一次燃焼
    室内に酸素含有ガスを供給するための酸素含有ガス供給
    装置と、一次燃焼室内の焼却物を火炎焼却するための第
    1燃焼装置と、一次燃焼室内の温度を計測するための第
    1温度計測手段と、二次燃焼室と、一次燃焼室から二次
    燃焼室へガス類を導入する連通部と、一次燃焼室から二
    次燃焼室内へ導入されたガス類を火炎焼却するための第
    2燃焼装置と、二次燃焼室から廃ガスを排気するための
    排気部と、マイクロ波発生装置とを備えてなり、前記一
    次燃焼室は、固定上部と、ほぼ上向きに開口する収容部
    を有しその収容部内に焼却物を収容し得る可動下部から
    なり、前記固定上部の下側に対し可動下部が上向きに密
    着することにより形成されるものであり、前記固定上部
    に、前記連通部の一次燃焼室側の部分と、前記マイクロ
    波発生装置において発生したマイクロ波を導いて一次燃
    焼室内における可動下部の収容部に収容された焼却物に
    対しそのマイクロ波を照射しそれを乾燥および/または
    熱分解させるためのマイクロ波照射部を有し、更に、前
    記可動下部を固定上部の下側に対しほぼ上下動させ得る
    と共に、可動下部が下降した位置においてその可動下部
    を側方へ往復動させ得る駆動装置と、マイクロ波照射部
    からのマイクロ波の照射により前記第1温度計測手段に
    よる計測温度が所定温度となることによって第1燃焼装
    置を作動させるための制御手段Wを備えることを特徴と
    する焼却装置。
  2. 【請求項2】固定上部に酸素含有ガス供給装置から供給
    される酸素を固定上部の下側へ導く上部導通路を有し、
    可動下部に、固定上部の下側に対し可動下部が上向きに
    密着することにより一次燃焼室が形成された状態におい
    て前記上部導通路に連通して収容部内に酸素含有ガスを
    導入する下部導通路を有する請求項1記載の焼却装置。
  3. 【請求項3】一次燃焼室、連通部、二次燃焼室及び排気
    部の内部に存する可燃性ガスを排気部を通じてパージし
    得る量の酸素含有ガスを、上記酸素含有ガス供給装置に
    より上部導通路及び下部導通路を経て一次燃焼室内に供
    給したことを計測するガスパージ計測手段と、そのガス
    パージ計測手段により前記の量の酸素含有ガスを一次燃
    焼室内に供給したことが計測されることによって第2燃
    焼装置を作動させるための制御手段Xを備えた請求項1
    又は2記載の焼却装置。
  4. 【請求項4】上記第2燃焼装置が作動して二次燃焼室内
    が一次燃焼室から導入されたガス類を焼却し得る状態と
    なったことを検知するための検知手段と、その検知手段
    により第2燃焼装置が作動して二次燃焼室内が一次燃焼
    室から導入されたガス類を焼却し得る状態となったこと
    が検知されることによってマイクロ波照射部からのマイ
    クロ波の照射を開始させるための制御手段Yを備えた請
    求項1、2又は3記載の焼却装置。
  5. 【請求項5】二次燃焼室内の温度を計測するための第2
    温度計測手段と、その第2温度計測手段により計測され
    た温度と設定温度とを比較して二次燃焼室内の温度がほ
    ぼ設定温度以上に維持されるよう第2燃焼装置の燃焼特
    性を調節するための制御手段Zを備えた請求項1、2、
    3又は4記載の焼却装置。
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