JPH0821609A - 焼却装置及び処理炉 - Google Patents

焼却装置及び処理炉

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JPH0821609A
JPH0821609A JP17591994A JP17591994A JPH0821609A JP H0821609 A JPH0821609 A JP H0821609A JP 17591994 A JP17591994 A JP 17591994A JP 17591994 A JP17591994 A JP 17591994A JP H0821609 A JPH0821609 A JP H0821609A
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JP
Japan
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plasma
combustion
gas
incinerator
incineration
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JP17591994A
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Satoru Yoshinaka
悟 吉中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装填する被焼却物の体積の割合を小さくした
り、点火バーナ用の燃焼室を別途設けたり、排気ダクト
の断面積を大きくしたり、排ガス誘引ブロワを設けたり
すること等を要することなく、被焼却物に対する点火お
よび/または助燃を、安全性及び確実性高く行い得ると
共に、再点火や再助燃を迅速に行い得る。 【構成】 半乾留炉10の側壁の下端部に、底床面10
bの直上に開口するプラズマ噴射孔38・40を設け
る。プラズマ噴射孔38・40に、外側からプラズマ噴
射供給装置42・44を嵌挿固定する。プラズマ噴射供
給装置42・44は、収容部10aの下端部側方からそ
の収容部10a中に空気プラズマ46を噴出し、被焼却
物12に対する点火を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被焼却物に対する点火
または助燃装置を備えており、各種産業廃棄物等の被焼
却物を、半乾留により分解ガス化しつつ、或はマイクロ
波照射により易燃焼化した後、或は直接燃焼により焼却
する焼却装置及び焼却装置用処理炉に関する。
【0002】
【従来の技術及び解決しようとする課題】図4に示され
るように、従来の廃棄物用焼却炉aにおける被焼却物b
に対する点火や助燃等の熱源は、重油を始めとする油脂
類或はLPGなどの可燃性ガス類の、バーナcによる燃
焼熱や、被処理廃棄物自体の燃焼熱であることが一般的
であった。このような点火や助燃は、排気口等以外の開
口部を閉じて行われる。被焼却廃棄物である紙屑や木屑
などに、点火口を開けてガスライターやマッチで直接点
火が行なわれることもあったが、被焼却物から揮発した
可燃性ガスが焼却炉内に鬱積していて爆発的燃焼が起こ
り、点火作業者を危険にさらすおそれがあった。被焼却
物を半乾留により分解ガス化しつつ焼却する焼却装置や
その他の焼却装置において、閉塞的な焼却室d内に廃棄
物が装填されると、焼却室d内空間が更に狭隘となる。
そのため、特に、被焼却物の下方から、或は側方から上
記のような火炎による点火を行おうとすると、着火以前
の種火とも言うべきバーナcによる火炎eが不安定とな
って、しばしば被焼却物への着火に至らないことがあっ
た。また、一旦着火し、空気供給孔fから空気供給を開
始しても、安定燃焼に至らず失火することもしばしばあ
り、その場合に、同じく、特に、被焼却物の下方から、
或は側方から上記のように火炎により助燃を行ったとし
ても、助燃バーナの火炎及び被焼却物の燃焼火炎が共に
不安定となりがちであった。
【0003】燃料バーナcの失火が起こった場合、一般
的に用いられるガスバーナや油バーナの自動制御での燃
料送給停止作動は、失火から0.5乃至2秒間前後の遅
れを有する。その間、未燃燃料が室内に放出され続ける
ので、特に、焼却室内容積の小さい小型炉の場合、焼却
室内に可燃性のガスや液体が易燃焼状態(油ガスなど)
で鬱積し易い。短時間後にバーナcの再作動を行うと爆
発の危険があるので、迅速な再作動が妨げられ、全体的
な処理時間を長引かせる要因の一つとなっていた。一
方、被焼却物の不安定火炎燃焼、つまり失火(火炎消失
・無炎燃焼)と再火炎燃焼(有炎燃焼)の繰り返しは、
無炎燃焼が有炎燃焼に移る際に、無炎燃焼により発生す
る可燃性ガスに着火することにより爆発的現象を伴うこ
とが問題となる。点火(着火)の不確実性や不安定助燃
の原因は、焼却室d内で火炎燃焼に必要な燃焼空間が確
保できないこと、つまり、火炎燃焼空間が消炎距離(qu
enchingdistance)内に陥り易いこと、装填された被焼
却物bにより火炎燃焼空間が複雑となって燃焼廃ガスが
鬱積し易いこと、低温時における水蒸気や塩化水素ガス
等の消火性ガスの生成とその鬱積などに求められた。
【0004】それらの問題の解決策として、焼却室d内
容積に対し、装填する被焼却物bの体積の割合を小さく
とって火炎燃焼空間を大きくすること、点火バーナ用の
燃焼室を別途に設けてバーナcの燃焼の安定化を図るこ
と、排気ダクトの断面積を大きくしたり、排ガス誘引ブ
ロワを設けることにより可燃性ガスや消火性ガスの鬱積
を防ぐこと等が採られている。しかしながらこれらは、
結果として、装置全体の容積アップ、各種機器の装備増
加、及びそれらに伴う設備費の増大等をもたらした。ま
た、比較的小型の炉のみならず比較的大型の炉において
も、焼却室d内に被焼却物bが装填されている場合は、
被焼却物bの間隙に燃料ガスや被焼却物の熱分解ガスな
どの可燃性ガス等が鬱積するので、空気等によりそれら
を完全パージ(置換放逸)することは困難であり、上記
のような解決策によっても、依然、火炎燃焼の不安定要
因が根本的に解消されたとは言えなかった。特に、医療
現場等のように、設置空間が限られると共に専門の作業
者を欠くようなところで用いられることの多い小型炉の
場合に上記のような現象が起こり易いため、装置の大型
化を避けつつ安全を確保すると共に確実な焼却を可能と
するための改善の必要性が極めて高かった。
【0005】本発明は、装填する被焼却物の体積の割合
を小さくしたり、点火バーナ用の燃焼室を別途設けた
り、排気ダクトの断面積を大きくしたり、排ガス誘引ブ
ロワを設けたりすること等を要することなく、被焼却物
に対する点火および/または助燃を、安全性及び確実性
高く行い得ると共に、再点火や再助燃を迅速に行い得る
焼却装置及び処理炉を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の焼却装置は、被焼却物を熱分解および/ま
たは燃焼により処理するための処理炉を備えた焼却装置
であって、被焼却物に対する点火および/または助燃を
行うための不燃性ガスのプラズマを、処理炉のうち被焼
却物を収容する収容部の下方および/または側方から収
容部中に噴出し得るプラズマ噴射供給手段を有するもの
としている。上記処理炉は、半乾留により被焼却物を処
理するためのものであってもよい。
【0007】また本発明の焼却装置は、上記不燃性ガス
が酸素含有ガスであり、プラズマ噴射供給手段が、不燃
性ガスのプラズマを噴出した後、プラズマ状態にない不
燃性ガスを噴出し得るものとすることが望ましい。本発
明の焼却炉は、被焼却物を熱分解および/または燃焼に
より処理するための処理炉であって、被焼却物に対する
点火および/または助燃を行うための不燃性ガスのプラ
ズマを、処理炉のうち被焼却物を収容する収容部の下方
および/または側方から収容部中に噴出し得るプラズマ
噴射供給手段を有するものとしている。
【0008】
【作用】 処理炉の収容部に被焼却物を収容し、プラズマ噴射
供給手段を作動させることにより、不燃性ガスプラズマ
が被焼却物の下方および/または側方から被焼却物中に
噴出し、被焼却物に対する点火および/または助燃が行
われる。プラズマ噴射供給手段によるプラズマ噴射の開
始及び停止は、その作動のために必要な電力等のエネル
ギの供給を単に開始又は停止することにより、特別な制
御技術を要せずに行うことができ、而も、プラズマ噴射
供給手段は、燃料の火炎燃焼を行うバーナに比し使用上
の制限がきわめて少ない。従って、操作及び制御が容易
である。
【0009】 被焼却物の収容により処理炉内におけ
る被焼却物の下方や側方が狭隘となり、油類などの液体
燃料やLPGなどの気体燃料を用いるバーナを使用する
とすれば火炎燃焼に必要な燃焼空間が確保できないよう
な状態であっても、不燃性ガスプラズマの噴射供給が妨
げられることはないので、そのプラズマにより、被焼却
物に対し、点火や助燃に必要な熱量を確実に供給するこ
とができる。このような点火や助燃は、排気口等以外の
開口部を閉じて行うことができるので、点火作業者を危
険にさらすことが防がれることは言うまでもない。不燃
性ガスを用いているので、プラズマ噴射供給手段に故障
が発生したり、その作動のために必要な電力等のエネル
ギの供給が停電などにより停止して不燃性ガスがプラズ
マ化しなかったり、種々の原因によりプラズマが不安定
化するなどして、不燃性ガスがそのまま処理炉中に送給
されたとしても、安全性に問題はない。従って、被焼却
物に点火し損ねた場合の再点火や被焼却物の焼却中に消
火する場合の助燃等を、直ちに或は適時に行うことがで
きる。それゆえ、焼却作業を確実に且つ無駄な時間を費
やすことなく行うことができる。
【0010】 不燃性ガスが酸素含有ガスであり、プ
ラズマ噴射供給手段が、不燃性ガスのプラズマを噴出を
停止した後、プラズマ状態にない不燃性ガスを噴出し得
るものである場合、噴出したプラズマの熱によって被焼
却物に点火してプラズマの噴出を停止した後、プラズマ
状態にない不燃性ガスを噴出すれば、点火された被焼却
物の着火燃焼部に対し的確に酸素含有ガスを供給して燃
焼を促すことができる。
【0011】
【実施例】本発明の実施例を、図面を参照しつつ説明す
る。図1は、本発明の1実施例としての廃棄物分解燃焼
型焼却装置についての断面図、図2は、図1におけるA
部の拡大図である。この分解燃焼型焼却装置は、半乾留
炉10(処理炉)の収容部10aに被焼却物12を収容
し、被焼却物12を部分的に無炎燃焼させて熱分解によ
りガス化し(半乾留による分解ガス化)、生成した可燃
性ガスを、別の燃焼室14に送給してその燃焼室14に
おいて完全燃焼させるものである。対象となる被焼却物
12の例としては、医療廃棄物、食品廃棄物等を始めと
するあらゆる分野の様々な廃棄物を挙げることができ
る。
【0012】半乾留炉10は、鋼板により形成された外
殻の内側が耐火物でライニングされてなるものである。
勿論、半乾留炉10は特にこのように限定されるもので
はなく、例えば外殻及び内殻を鋼板で形成し、両者の間
隙に冷却水を循環させたものであってもよい。半乾留炉
10の内部は四角柱形状をなすが、円柱形状等の他の種
々の形状であっても採用し得ることは言うまでもない。
半乾留炉10の上端部は、被焼却物挿入口を開閉する挿
入口蓋16及び内部の過大な圧力を逃がすためのリリー
フ弁18を備えた天板部20により閉塞されている。側
壁22の上部(収容される被焼却物12の上端部よりも
上方)には、半乾留により生成する可燃性ガス等をエジ
ェクタ兼生成ガスバーナ24に導くための生成ガス送給
ダクト26の基端部が開口している。この実施例では、
半乾留炉10の内部のうち生成ガス送給ダクト26の基
端部よりも下方の部分に被焼却物12を収容するので、
この部分が、被焼却物12を収容する収容部10aをな
す。
【0013】半乾留炉10の底床面10bには、底床空
気供給孔28がほぼ万遍なく開設されており、これらの
底床空気供給孔28を通じて、ガス化用空気供給機30
からの空気が、底床面10bから半乾留炉10内に上向
きに満遍なく供給される。またガス化用空気供給機30
からの空気は、半乾留炉10の側壁22・31の下部に
設けられた側壁下部空気供給孔32からも半乾留炉10
内に供給される。更に、半乾留炉10内の側壁22・3
1の上部には、冷却用空気供給機33から冷却用空気を
導入するための冷却用空気供給孔34が開口している。
【0014】半乾留炉10の側壁22・31の下端部に
プラズマ噴射孔38・40が設けられ、底床面10bの
直上に開口している。そのプラズマ噴射孔38・40に
外側からプラズマ噴射供給装置42・44が嵌挿固定さ
れている。このプラズマ噴射供給装置42・44は、電
極間のアークにより空気をプラズマ化して噴射する内部
アーク発生型(非移行型)で、形状はトーチ形をなす。
底床面10b上の100mmの位置において、プラズマ
の先端の温度が1500℃の空気プラズマ46を噴射
し、プラズマの先端は、半乾留炉10内に10mm前後
突出する。それにより、収容部10aの下端部側方から
その収容部10a中に空気プラズマ46を噴出し、被焼
却物12に対する点火が行われる。なお、定格負荷電圧
及び定格出力電流は、それぞれ120V及び30Aのも
のを使用しており、両プラズマ噴射供給装置42・44
に交互に給電される。電極等の冷却保護は空気(不燃性
ガスの一例)により行われているが、勿論これに限らな
い。
【0015】好適な不燃性ガスプラズマの例としては、
空気プラズマの他、空気と炭酸ガス(二酸化炭素ガス)
の混合物のプラズマ、炭酸ガスプラズマ、アルゴンガス
プラズマの他、アルゴンガス以外の不活性ガスのプラズ
マ等も挙げることができる。プラズマ噴射供給装置の配
設に適する位置は、噴射プラズマの熱により、収容部に
収容された被焼却物の該当部分がその被焼却物の点火
(着火)温度又は助燃温度に到達して点火又は助燃する
ことができる位置であって、プラズマ噴射供給装置から
の熱伝播が最も効率的で而も排気の妨げにならない位置
である。勿論従来の燃料燃焼バーナの配設位置でもよ
い。本発明が効果を発揮するのは、プラズマ噴射供給装
置からのプラズマを収容部の下方および/または側方か
ら収容部中に噴出させる場合であるが、収容部の上方か
ら収容部中にプラズマを噴出するプラズマ噴射供給装置
を併用するものであっても本発明から逸脱するものでは
ない。
【0016】配設するプラズマ噴射供給装置の能力、数
量、配設位置等は、その処理炉(半乾留炉10や燃焼炉
等)の容量や形状等によって任意に選択採用される。例
えば、処理炉の容量が10m3 の半乾留炉においては、
図1に示すように、向かい合う側壁の下端部に、相対す
るようにそれぞれプラズマ噴射供給装置42・44を1
個ずつ設ければよく、また例えばマイクロ波加熱小型焼
却装置における50リットル容量の燃焼炉においては、
何れかの側壁の下端部の1か所に設けてもよく、図3に
示すように、向かい合う側壁の下端部に、相対するよう
にそれぞれプラズマ噴射供給装置を1個ずつ設ければよ
い。無論、被焼却物の処理を短時間に行なうことが必要
な場合は、その目標時間に合わせてプラズマ熱エネルギ
ー出力の大きいものを選択したりプラズマ噴射供給装置
の個数を増すことにより対応することができる。なお、
処理炉の容量が、目的とする処理量によって定まること
は言うまでもない。
【0017】エジェクタ兼生成ガスバーナ24の先端部
は生成ガス燃焼室14に開口し、エジェクタ兼生成ガス
バーナ24の基端部には、エジェクト用兼生成ガス燃焼
用空気供給機48からエジェクト用兼生成ガス燃焼用空
気が供給される。生成ガス送給ダクト26の先端部はエ
ジェクタ兼生成ガスバーナ24の基端部寄りに開口し、
生成ガス燃焼室14内に向かって流れるエジェクト用兼
生成ガス燃焼用空気により、半乾留により生成する可燃
性ガス等が生成ガス送給ダクト26を介して半乾留炉1
0から吸引される。半乾留により生成する可燃性ガス
は、エジェクト用兼生成ガス燃焼用空気と混合して生成
ガス燃焼室14内に供給され完全燃焼する。着火バーナ
50は、エジェクト用兼生成ガス燃焼用空気と混合した
可燃性ガスに点火するために生成ガス燃焼室14の側壁
部に設けられている。生成ガス燃焼室14内にて生成す
る燃焼廃ガスは、排気筒52から排出される。
【0018】半乾留炉10の収容部10aに被焼却物1
2である紙屑、木屑、プラスチックなどの混合雑芥
(嵩:10m3 、重量:2200kg、平均含水率:
4.7%、平均発熱量5200kCal/kg)を収容
し、排気口である生成ガス送給ダクト26の基端部を除
くすべての開口部を閉じた状態でプラズマ噴射供給装置
42・44を作動させることにより、空気プラズマ46
が被焼却物12の下端部側方から被焼却物12中に噴出
し、被焼却物12に対する点火が行われる。プラズマ噴
射供給装置42・44から噴射される空気プラズマ46
の熱量が毎秒3乃至5kCalである場合、被焼却物12へ
の点火は、一般に通常3乃至5秒で完了する。プラズマ
の噴射を3乃至5秒間継続して被焼却物12に着火した
後、プラズマ噴射供給装置42・44のアーク電源を断
ち、プラズマ噴射供給装置42・44からプラズマ状態
にない空気(プラズマ化用の作動空気及び冷却用空気)
の噴出を継続すると、空気プラズマ46の噴射により点
火された被焼却物12の着火燃焼部に的確に供空され、
燃焼を促すこととなる。
【0019】プラズマ噴射供給装置42・44によるプ
ラズマ噴射の開始及び停止は、その作動のために必要な
電力等のエネルギの供給を単に開始又は停止することに
より、特別な制御技術を要せずに行うことができ、而
も、プラズマ噴射供給装置42・44は、燃料の火炎燃
焼を行うバーナに比し使用上の制限がきわめて少ないの
で、操作及び制御が容易である。
【0020】図2に示されるように被焼却物12の収容
により半乾留炉10内における被焼却物12の下方や側
方が狭隘となり、油類などの液体燃料やLPGなどの気
体燃料を用いるバーナを使用するとすれば火炎燃焼に必
要な燃焼空間が確保できないような状態であっても、空
気プラズマ46の噴射供給が妨げられることはないの
で、そのプラズマにより、被焼却物12に対し、点火に
必要な熱量を確実に供給することができる。不燃性ガス
たる空気を用いているので、プラズマ噴射供給装置42
・44に故障が発生したり、その作動のために必要な電
力等のエネルギの供給が停電などにより停止して空気が
プラズマ化しなかったり、種々の原因によりプラズマが
不安定化するなどして、空気がそのまま処理炉中に送給
されたとしても、安全性に問題はない。従って、被焼却
物12に点火し損ねた場合の再点火を、直ちに或は適時
に行うことができる。それゆえ、焼却作業を確実に且つ
無駄な時間を費やすことなく行うことができる。
【0021】なお、被焼却物12に着火した後は、その
着火から延焼を行なわしめ、燃焼を継続させるために、
プラズマ噴射供給装置42・44以外の、底床空気供給
孔28及び側壁下部空気供給孔32を通じて、ガス化用
空気供給機30からの空気が半乾留炉10内に継続供給
される。
【0022】図3は、本発明の別の実施例としてのマイ
クロ波加熱小型焼却装置についての概略断面図である。
このマイクロ波加熱小型焼却装置は、内部が四角柱形状
をなす一次燃焼室60(処理炉)と、その一次燃焼室6
0の上方に配設された略水平円筒状をなす二次燃焼室6
2とを有してなる。一次燃焼室60の内部は、上端部を
除いて、被焼却物64を収容し得る収容部60aであ
り、その容量は50リットルである。一次燃焼室60の
上端中央部と二次燃焼室62の基部寄り(図における左
端寄り)の底部との間は、ガス送給ダクト68を介して
連通されている。二次燃焼室62の先端(図における右
端)上部には、略垂直円筒状をなす排気筒70の下端部
が開口している。これらの一次燃焼室60、二次燃焼室
62、ガス送給ダクト68及び排気筒70は、何れも、
外殻が鋼板で、内壁が耐火物でそれぞれライニングされ
ている。なお、これらは、例えば鋼板で外殻と内壁を構
成し、それらの間隙に断熱材を充填したものであっても
よい。
【0023】一次燃焼室60における向かい合う側壁7
2の下端部に、相対するようにそれぞれプラズマ噴射孔
74が1つずつ設けられ、底床面60bの直上に開口し
ている。そのプラズマ噴射孔74に、外側から、前記実
施例におけるものと同様のプラズマ噴射供給装置76が
嵌挿固定されており、このプラズマ噴射供給装置76
は、底床面上の50mmの位置において空気プラズマ7
8を噴射する。一次燃焼室60の上部には、一次燃焼室
60内に収容された被焼却物64にマイクロ波を照射す
るためのマイクロ波照射部82が設けられている。マイ
クロ波発振装置(図示を略す。)において発生したマイ
クロ波が、導波管80を介してマイクロ波照射部82に
伝送される。伝送には、導波管以外の手段を用いること
も可能である。またマイクロ波発生装置とマイクロ波照
射部とを一体的に構成することも可能である。二次燃焼
室62の基端部には、二次燃焼バーナ84が設けられて
いる。
【0024】一次燃焼室60の収容部60aに、被焼却
物64である切除された人体の一部及びプラスチック屑
等の医療廃棄物(嵩:40リットル、重量:16kg、
平均含水率:68%、平均発熱量750kCal/k
g)を収容した後、マイクロ波発振装置において発生し
たマイクロ波を、導波管80を介してマイクロ波照射部
から一次燃焼室60内の被焼却物64に照射する。する
と被焼却物64は、その内部から発熱し、被焼却物64
の被熱面積の拡大や被熱効率の向上のための撹拌等を要
することなく、含有する水分やアルコールその他の液体
が効率よく蒸発して乾燥すると共に、熱分解も引き起さ
れ、易燃焼化する。ガラス容器内残液等の加熱に対して
も有効である。
【0025】蒸発や熱分解により発生したガス類は、ガ
ス送給ダクト68を通じて二次燃焼室62へと導かれ、
その二次燃焼室62内で、二次燃焼バーナ84により焼
却される。これによって熱分解性の含臭ガス類の脱臭
や、有害ガス類の熱分解が行われる。このようにして、
例えば一次燃焼室60内温度が所定温度(例えば120
乃至150℃)となったことを温度センサ等(図示を略
す。)によって感知されることによって、焼却物の易燃
焼化が行われたことを確認した後、プラズマ噴射供給装
置76を作動させる。
【0026】噴射される空気プラズマ78により被焼却
物64に着火した後、プラズマ噴射供給装置76のアー
ク電源を断ち、プラズマ噴射供給装置76からプラズマ
状態にない空気(プラズマ化用の作動空気及び冷却用空
気)の噴出を継続すると、空気プラズマ78の噴射によ
り点火された被処理物の着火燃焼部に的確に供空され、
燃焼を促すこととなる。被焼却物64が低発熱量物質で
あったり水分を多量に含有するものである場合や、処理
炉である一次燃焼室60内の火炎燃焼空間を大きくとる
ことができないマイクロ波加熱小型焼却装置などの場合
に起きる不安定燃焼は、プラズマの噴射を連続的に或は
適宜間隔で断続的に行って助燃することにより、あたか
も種火を常時有しているごとく安定化することができ
る。この実施例において、このような助燃は、例えば両
プラズマ噴射供給装置76に1分間ずつ交互に給電する
ことにより行うことができる。不燃性ガスである空気を
用いているので、プラズマ噴射供給装置76に故障が発
生したり、その作動のために必要な電力等のエネルギの
供給が停電などにより停止して空気がプラズマ化しなか
ったり、種々の原因により空気プラズマ78が不安定化
するなどして、空気がそのまま一次燃焼室60中に送給
されたとしても、安全性に問題はない。従って、安全且
つ確実に助燃を行うことができる。
【0027】なお、被焼却物64に着火した後及び助燃
中は、その着火から延焼を行なわしめ、燃焼を継続させ
るために、プラズマ噴射供給装置76以外の底床面60
bや側壁72等に設けられた空気供給部(図示を略
す。)を通じて一次燃焼室60内に継続供給される。被
焼却物64の燃焼により発生する燃焼廃ガス及び未燃炭
素等の所謂煙り等は、ガス送給ダクト68を通じて二次
燃焼室62へと導かれ、その二次燃焼室62内で、二次
燃焼バーナ84によりほぼ完全に焼却される。なお、以
上の実施例についての記述における構成部品の寸法、個
数、材質、形状、その相対配置などは、特にそれらに限
定される旨の記載がない限りは、この発明の範囲をそれ
らのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例に
過ぎない。
【0028】
【発明の効果】本発明の焼却装置又は焼却装置用処理炉
によれば、被焼却物の収容により処理炉内における被焼
却物の下方や側方が狭隘となり、油類などの液体燃料や
LPGなどの気体燃料を用いるバーナを使用するとすれ
ば火炎燃焼に必要な燃焼空間が確保できないような状態
であっても、不燃性ガスのプラズマにより、被焼却物に
対し、点火や助燃に必要な熱量を確実に供給することが
できると共に、不燃性ガスがプラズマ化せずにそのまま
処理炉中に送給されたとしても安全性に問題はないの
で、被焼却物に点火し損ねた場合の再点火や被焼却物の
焼却中に消火する場合の助燃等を直ちに或は適時に行う
ことができる。それゆえ、焼却作業を確実に且つ無駄な
時間を費やすことなく行うことができると共に、操作及
び制御が容易である。
【0029】特に、バーナの火炎燃焼が困難で失火し易
く、而もバーナの燃料により失火後の再点火の際に爆発
的燃焼が生じ易い小型の焼却装置や焼却装置用処理炉、
例えば、被焼却物をマイクロ波照射により易燃焼化した
後焼却する小型の焼却装置等は、医療現場等のように、
操作及び制御の簡便性や、操作に起因した爆発的燃焼の
不発生等を強く求める需要者を対象とする。そのため、
本発明は、これらの小型の焼却装置及び焼却装置用処理
炉に最適である。請求項4の焼却装置によれば、噴出し
たプラズマの熱によって被焼却物に点火してプラズマの
噴出を停止した後、プラズマ状態にない不燃性ガスを噴
出すれば、点火された被焼却物の着火燃焼部に対し的確
に酸素含有ガスを供給して燃焼を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】廃棄物分解燃焼型焼却装置についての断面図で
ある。
【図2】図1におけるA部の拡大図である。
【図3】マイクロ波加熱小型焼却装置についての概略断
面図である。
【図4】従来の廃棄物用焼却炉の要部断面図である。
【符合の説明】
10 半乾留炉 10a 収容部 10b 底床面 12 被焼却物 22 側壁 38 プラズマ噴射孔 40 プラズマ噴射孔 42 プラズマ噴射供給装置 44 プラズマ噴射供給装置 46 空気プラズマ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被焼却物を熱分解および/または燃焼によ
    り処理するための処理炉を備えた焼却装置であって、被
    焼却物に対する点火および/または助燃を行うための不
    燃性ガスのプラズマを、処理炉のうち被焼却物を収容す
    る収容部の下方および/または側方から収容部中に噴出
    し得るプラズマ噴射供給手段を有することを特徴とする
    焼却装置。
  2. 【請求項2】上記処理炉が、半乾留により被焼却物を処
    理するためのものである請求項1記載の焼却装置。
  3. 【請求項3】不燃性ガスが酸素含有ガスであり、プラズ
    マ噴射供給手段が、不燃性ガスのプラズマを噴出した
    後、プラズマ状態にない不燃性ガスを噴出し得る請求項
    1又は請求項2記載の焼却装置。
  4. 【請求項4】被焼却物を熱分解および/または燃焼によ
    り処理するための処理炉であって、被焼却物に対する点
    火および/または助燃を行うための不燃性ガスのプラズ
    マを、処理炉のうち被焼却物を収容する収容部の下方お
    よび/または側方から収容部中に噴出し得るプラズマ噴
    射供給手段を有することを特徴とする焼却装置用処理
    炉。
JP17591994A 1994-07-04 1994-07-04 焼却装置及び処理炉 Pending JPH0821609A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1297781C (zh) * 2004-04-14 2007-01-31 中国科学院广州能源研究所 一种利用高频等离子体处理固体有机废弃物的方法
JP2007529711A (ja) * 2004-03-19 2007-10-25 ピート インターナショナル, インコーポレイテッド 廃棄物を処理するための方法および装置

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JP2007529711A (ja) * 2004-03-19 2007-10-25 ピート インターナショナル, インコーポレイテッド 廃棄物を処理するための方法および装置
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