JPH08152108A - 液体燃料燃焼装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】気化式の特徴とする低発熱量から、噴射式の特
徴とする高発熱量迄広い範囲で安定して燃焼し、かつノ
ズルの噴出孔への煤等の付着や侵入を防止する。 【構成】液体燃料をヒーター等により気化する気化器９
と、この気化器９により気化した気化ガスを噴出するノ
ズル２３と、このノズル２３を略中心部に収納して周囲
を略密閉的に包囲する略円筒状の送風ボックス２６と、
ノズル２３に対向位置して送風ボックス２６に連結した
炎ガイド筒２７と、ノズルの噴出孔に対向位置して炎ガ
イド筒内２７に装着した拡散板２８と、送風ボックス２
６の外周壁に連結され、送風器からの送風を送風ボック
ス内にその接線方向から送風する送風用ダクトとから構
成して成る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、比較的小型のごみ焼却
機等に用いる液体燃料燃焼装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】液体燃料燃焼装置は、例えば特開平６−
２１３４１６号公報等にて示される様に、ノズル３ｂの
先端より液体燃料を霧状に噴霧すると同時に、送風機４
により上記ノズルの周囲に燃焼用の空気を送風してノズ
ルの先端で燃焼する方式と、例えば特開平６−２０１１
０８号公報等にて示される様に、タンク１内の液体燃料
をポンプ２によって気化器３に給油し、この気化器にて
ヒーター等を用いて気化し、気化ガスをノズル５よりバ
ーナ４の混合管内に噴出してバーナの炎孔にて燃焼する
方式がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】一方、上記特開平６−
２１３４１６号公報にて示される方式の場合、ノズルか
ら噴出する液体燃料の量を比較的多く設定しないと霧化
しないという問題があり、低発熱量の小型バーナには不
向きである。

【０００４】又、上記特開平６−２０１１０８号公報に
て示される方式の場合には、液体燃料を気化して燃焼す
る為、ノズルの設定により低発熱量の小型バーナも設計
可能な反面、バーナの炎孔を比較的小径に形成する必要
があると同時に、炎孔からの燃焼炎の噴出速度が遅い等
の理由により、例えば炎孔部分に煤等が付着しても焼き
切れず、この方式のバーナを例えばごみ焼却機に用いた
場合、炎孔部分に煤等が付着して残り、燃焼不良を生じ
るという問題がある。

【０００５】そこで本発明は、ノズルへの煤等の付着を
防止すると共に、比較的低発熱量での燃焼が可能な液体
燃料燃焼装置を提供する事を目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、液体燃料をヒ
ーター等により気化する気化器と、この気化器により気
化した気化ガスを噴出するノズルと、このノズルを略中
心部に収納して周囲を略密閉的に包囲する略円筒状の送
風ボックスと、ノズルに対向位置して送風ボックスに連
結した炎ガイド筒と、ノズルの噴出孔に対向位置して炎
ガイド筒内に装着した拡散板と、送風ボックスの外周壁
に連結され、送風器からの送風を送風ボックス内にその
接線方向から送風する送風用ダクトとから成るものであ
る。

【０００７】又本発明は、液体燃料をヒーター等により
気化する気化器と、この気化器により気化した気化ガス
を噴出するノズルと、このノズルの先端に連結され、内
部にノズルより噴出された気化ガスが通過する噴出通路
を備えると共に、この噴出通路の途中にオリフィスを形
成した噴出ノズルと、この噴出ノズルを略中心部に収納
して周囲を略密閉的に包囲する略円筒状の送風ボックス
と、ノズルに対向位置して送風ボックスに連結した炎ガ
イド筒と、噴出ノズルに対向位置して炎ガイド筒内に装
着した拡散板と、送風ボックスの外周壁に連結され、送
風器からの送風を送風ボックス内に送風する送風用ダク
トとから成るものである。

【０００８】

【作用】気化器により液体燃料を気化してノズルに供給
し、ノズルの噴出孔より炎ガイド筒内に向けて気化ガス
を噴出すると同時に、送風ボックスを通して送風器から
の送風をノズルの周囲に螺旋状に送風し、適当な手段に
て噴出孔から噴出する気化ガスに点火することで、噴出
孔から噴出する気化ガスが拡散板に当って、送風ボック
ス内に螺旋状に送風された空気と混合し、炎ガイド筒内
で効率的に燃焼する。

【０００９】又、ノズルの先端に、このノズルより噴出
した気化ガスが通過する噴出通路の途中にオリフィスを
形成した噴出ノズルを連結したことで、このオリフィス
によりノズルの噴出孔から噴出する気化ガスの噴出速度
を減速し、オリフィスの下流部分に形成される燃焼炎の
リフト燃焼を防止して安定した燃焼を行う事が出来るも
のである。

【００１０】これにより、低発熱量から高発熱量迄広い
範囲で安定して燃焼する事が出来ると共に、ノズルの噴
出孔への煤等の付着や侵入を防止出来るものである。

【００１１】

【実施例】本発明の実施例を先ず図１に基づき説明する
と、(１)は一般家庭への設置も可能な比較的小型のごみ
焼却機で、各種のごみ屑、プラスチック、生ごみ等の図
示しない被焼却物を収納して焼却処理する、例えば容量
が３０リットル前後の円筒状の一次燃焼室(２)と、この
一次燃焼室に隣接して設置され、かつ下部側壁に上記一
次燃焼室(２)の側壁に連結された排気ダクト(３)を連通
連結した二次燃焼室(４)と、この二次燃焼室の上部に連
通連結した排気処理室(５)と、この排気処理室の上部に
連結した煙突(６)と、上記二次燃焼室の周囲に設置した
液体燃料燃焼装置(７)とから主に構成している。

【００１２】この液体燃料燃焼装置(７)は、図２にても
示す様に液体燃料を設定した液位にて貯めるタンク(８)
と、このタンク内の液体燃料を気化器(９)に給油するポ
ンプ(10)と、上記気化器(９)に連結されたノズル装置(1
1)と、このノズル装置の先端に装着されたバーナヘッド
(12)と、このバーナヘッドに燃焼用の空気を送風する送
風器(13)とから主に構成している。

【００１３】尚上記排気ダクト(３)のバーナヘッド(12)
に対向した二次燃焼室(４)の出口部分には、ノズル装置
(11)より噴出する燃焼炎(14)を排気ダクト(３)を介して
一次燃焼室(２)に導入するか、二次燃焼室(４)内を旋回
させるかを切り替える図示しないシャッターを装着して
いる。

【００１４】又上記ノズル装置(11)は水平より少し斜め
上方に傾斜していると共に、例えば図３にて示す様に、
上記気化器(９)の気化ガス流出路(15)と連通する連通路
(16)の一端に、先端に噴出孔(17)を設けたノズル(18)を
固定し、かつ上記連通路(16)内に、プランジャー(19)に
て軸方向に駆動されて上記噴出孔(17)を開閉するニード
ル(20)を装着していると共に、上記ノズル(18)の先端に
は、図４にても示す様に内部に上記噴出孔(17)より噴出
された気化ガスを通過する噴出通路(21)を備え、この噴
出通路の途中にオリフィス(22)を形成した噴出ノズル(2
3)を着脱可能に連結している。

【００１５】尚上記オリフィス(22)は、噴出通路(21)の
内径を例えば１０ｍｍとした場合、その狭小部(24)の内
径を５ｍｍ前後に設定していると共に、この狭小部より
下流の噴出通路を拡開状に形成し、狭小部(24)の下流に
上記燃焼炎(14)を形成する様に構成している。

【００１６】更に上記バーナヘッド(12)は、図５及び図
６にても示す様に、上記噴出ノズル(23)の周囲を包囲し
てこれらを収納する扁平円筒状の送風ボックス(25)と、
上記ノズル(18)に対向位置して上記送風ボックス(25)先
端面(26)の略中央部に連結した炎ガイド筒(27)と、この
炎ガイド筒内に収納され、かつ上記噴出ノズル(23)に対
向位置して装着した拡散板(28)と、上記噴出ノズル(23)
に近接して装着した点火プラグ(29)とから主に構成して
いる。

【００１７】又上記送風ボックス(25)の外周壁(30)適所
には、その接線方向に上記送風器(13)の送風ダクト(30)
を連結する送風用ダクト(31)を連結し、この送風用ダク
トより上記送風器(13)からの送風を送風ボックス(25)内
にその接線方向より導入する様に構成している。

【００１８】而して、ポンプ(10)を作動してタンク(８)
内の液体燃料を気化器(９)に給油し、この気化器内にて
図示しないヒーター等により液体燃料を加熱して気化
し、気化ガスを気化ガス流出路(15)−連通路(16)を介し
てノズル(18)の噴出孔(17)より噴出すると同時に、送風
器(13)を作動して送風用ダクト(30)より送風ボックス(2
5)内に螺旋状に送風し、噴出ノズル(23)の周囲より炎ガ
イド筒(27)内に燃焼用空気として給気する。

【００１９】一方点火プラグ(29)にて放電を行い、上記
噴出ノズル(23)の狭小部(24)より噴出する気化ガスに点
火することで、図２中に示す様に燃焼炎(14)を形成して
燃焼を開始し、この時拡散板(28)にて送風器(13)による
給気と気化ガスとが混合して効率的に燃焼を行う。

【００２０】ごみ焼却機(１)による焼却に際しては、一
次燃焼室(２)内に被焼却物を投入した後液体燃料燃焼装
置(７)を点火してその燃焼炎を二次燃焼室(４)内に供給
して二次燃焼室を適度に予熱した後、上記図示しないシ
ャッターを操作して液体燃料燃焼装置(７)の燃焼炎(14)
を排気ダクト(３)を介して一次燃焼室(２)内に導入して
被焼却物に点火し、点火を確認するとシャッターを操作
して上記燃焼炎(14)を二次燃焼室(４)内のみに供給し
て、排気ダクト(３)を通して一次燃焼室(２)から二次燃
焼室(４)内に排気される未燃焼ガスを完全燃焼して無煙
化した後煙突(６)より排気する。

【００２１】

【発明の効果】本発明の構成により、気化ガスを噴出す
るノズルの周囲に燃焼用の空気を供給する送風ボックス
内に、送風用ダクトによって螺旋状に送風することで、
ノズルから噴出される気化ガスと送風用ダクトより送風
する燃焼用の空気とを炎ガイド筒内で効率的に混合し、
これにより低発熱量から高発熱量迄広い範囲で安定して
燃焼を行う事が出来るものである。

【００２２】又本発明の構成により、気化ガスを噴出す
るノズルの先端に、このノズルより噴出した気化ガスが
通過する噴出通路の途中にオリフィスを形成した噴出ノ
ズルを連結したことで、このオリフィスによりノズルの
噴出孔から噴出する気化ガスの噴出速度を減速し、オリ
フィスの下流部分に形成される燃焼炎のリフト燃焼を防
止して安定した燃焼を行う事が出来るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を用いたごみ焼却機の実施例を示す一部
破断による側面図である。

【図２】本発明による実施例を示す側面縦断面図であ
る。

【図３】同じく要部の一部破断による側面図である。

【図４】同じく要部の側面縦断面図である。

【図５】同じく本発明による実施例を示す平面図であ
る。

【図６】同じく正面図である。

【符号の説明】

９ 気化器 18 ノズル 21 噴出通路 22 オリフィス 23 噴出ノズル 25 送風ボックス 27 炎ガイド筒 28 拡散板 31 送風用ダクト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 清志 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内 (72)発明者 松田 隆 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内 (72)発明者 田中 亮一 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体燃料をヒーター等により気化する気
   化器と、この気化器により気化した気化ガスを噴出する
   ノズルと、このノズルを略中心部に収納して周囲を略密
   閉的に包囲する略円筒状の送風ボックスと、上記ノズル
   に対向位置して上記送風ボックスに連結した炎ガイド筒
   と、上記ノズルの噴出孔に対向位置して上記炎ガイド筒
   内に装着した拡散板と、上記送風ボックスの外周壁に連
   結され、送風器からの送風を上記送風ボックス内にその
   接線方向から送風する送風用ダクトとから成る液体燃料
   燃焼装置。
2. 【請求項２】 液体燃料をヒーター等により気化する気
   化器と、この気化器により気化した気化ガスを噴出する
   ノズルと、このノズルの先端に連結され、内部に上記ノ
   ズルより噴出された気化ガスが通過する噴出通路を備え
   ると共に、この噴出通路の途中にオリフィスを形成した
   噴出ノズルと、この噴出ノズルを略中心部に収納して周
   囲を略密閉的に包囲する略円筒状の送風ボックスと、上
   記ノズルに対向位置して上記送風ボックスに連結した炎
   ガイド筒と、上記噴出ノズルに対向位置して上記炎ガイ
   ド筒内に装着した拡散板と、上記送風ボックスの外周壁
   に連結され、送風器からの送風を上記送風ボックス内に
   送風する送風用ダクトとから成る液体燃料燃焼装置。