JPH11303764A - 振動式圧縮機 - Google Patents

振動式圧縮機

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JPH11303764A
JPH11303764A JP11047298A JP11047298A JPH11303764A JP H11303764 A JPH11303764 A JP H11303764A JP 11047298 A JP11047298 A JP 11047298A JP 11047298 A JP11047298 A JP 11047298A JP H11303764 A JPH11303764 A JP H11303764A
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JP
Japan
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piston
movable element
dead center
fixed
top dead
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Withdrawn
Application number
JP11047298A
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English (en)
Inventor
Ko Inagaki
耕 稲垣
Ichiro Morita
一郎 森田
Masanori Kobayashi
正則 小林
Makoto Katayama
誠 片山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Publication date
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Priority to EP98308379A priority patent/EP0909896B1/en
Priority to SG1998004199A priority patent/SG76566A1/en
Priority to EP03013132A priority patent/EP1344934B1/en
Priority to TW087117085A priority patent/TW411380B/zh
Priority to DE69830935T priority patent/DE69830935T2/de
Priority to DE69834965T priority patent/DE69834965D1/de
Priority to EP05000982A priority patent/EP1524435B1/en
Priority to DE69817116T priority patent/DE69817116T2/de
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Priority to CN98121370A priority patent/CN1128293C/zh
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却システム等に使用される振動式圧縮機に
関し、共振周波数の向上により冷凍能力の向上を図る。 【解決手段】 ピストン5の上死点近傍の位置を検出す
る変位検出器19からの信号で上死点位置を演算する上
死点位置演算手段20と、モーター3の電圧または電流
値を検出する電流電圧検出手段21と、上死点位置演算
手段20と電流電圧検出手段21の出力に応じてモータ
ー3への供給電圧を変更する電源供給手段22とから構
成されるので、可動要素12を軽量化でき、共振周波数
が高くなるので、冷凍能力が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫、エアーコ
ンディショナー等に使用される振動式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の振動式圧縮機としては、特開平9
−324764号公報に記載されているものがある。以
下図面を参照しながら上記従来の振動式圧縮機について
説明する。
【0003】図6は従来の振動式圧縮機の断面図であ
る。図7は従来の振動式圧縮機の電気回路図である。図
6、図7において、1は本体、2はブロックである。モ
ーター3は、磁石である固定子3aとコイルである可動
子3bとから構成されている。4はシリンダ、5はピス
トンである。7は吸入弁7aと吐出弁7bを備えたシリ
ンダヘッドである。ピストン5はシリンダ4内に挿入さ
れ往復動自在に保持されている。9はシリンダ4、ピス
トン5、シリンダヘッド7で形成された圧縮室である。
10は吸入配管であり、11は吐出配管であり、それぞ
れ、圧縮室9と外部冷却回路を接続している。
【0004】本体2はモーター3の可動子3b、ピスト
ン5などから構成される可動要素12と、シリンダ4,
モーター3の固定子3aなどから構成される固定要素1
3とから構成されており、サスペンションスプリング
(図示せず)により、密閉ケーシング(図示せず)内に
弾性支持されている。14は弾性要素であり、一端は可
動要素12に固定され、他端が固定要素13に固定され
ている。16は変位検出器であり、ピストン軸方向に連
結部材15を介して可動要素12に連結されているコア
16aと、固定要素13に取り付けられ、コア16aを
内部に収納するコイル16bとからなる。
【0005】次に振動式圧縮機の機構について説明す
る。インバータ回路を用いて発生させた交流電源をピス
トン5に固定された可動子3bのコイルに通電すること
により、固定子3aによる磁界を横切るように推力が発
生し、可動子3aはピストン5の軸方向に往復動する。
そして可動要素12が変位すると弾性要素8は変形し、
弾性要素8に蓄えられた弾性力により可動要素12は逆
方向に押され、ピストン5は軸方向の往復運動を行う。
【0006】インバータ回路41で発生させる交流電源
の周波数は、主に可動要素12の質量や弾性要素14の
バネ定数などから定まる共振周波数で与えることで、弾
性要素14のバネ力を可動要素12の往復動に有効に用
いることができる。また、変位検出器16はピストンが
上死点から下死点に至る可動要素12の全振幅を検出し
ている。
【0007】上死点下死点位置演算手段17は変位検出
器14の位置信号から上死点と下死点の位置を演算し、
上死点位置比較手段18は上死点位置と予め設定した上
死点基準値との差である上死点比較信号を出力する。イ
ンバータ回路制御手段47は、上死点比較信号に基づ
き、上死点位置より上死点基準値の方が大きい場合イン
バータ回路41の出力電圧を増加させ、上死点位置より
上死点基準値の方が小さい場合出力電圧を減少させる。
従って、ピストン5の上死点位置は上死点基準値で設定
した位置で維持される。
【0008】冷却システムからの冷媒ガスは、吸入配管
10、吸入弁7aを介してシリンダ4内の圧縮室9に至
る。圧縮室9に至った冷媒ガスは、上述したピストン5
の往復運動により圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、
吐出弁7b、吐出配管11を通って冷却システムに吐出
される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、変位検出器で可動要素の全振幅を検出する
ためには、可動要素に取り付けられる変位検出器のコア
も長くならざるを得ない。ところが、コアには比重の大
きいパーマロイなどの金属を用いるため、この結果、可
動要素の重量が重くなり共振周波数が低下し、冷凍能力
が低下する可能性があった。
【0010】本発明は、従来の課題を解決するもので、
変位検出器を小型化して、可動要素に取り付けるコアを
軽量化することで共振周波数の低下を防止し、高い冷凍
能力の圧縮機を提供することを目的とする。
【0011】また、可動要素の全振幅を検出する変位検
出器を用いると、検出範囲が広いため、誤差要因の影響
を受けやすくなる。従って、ピストンの上死点位置の計
測精度が低下し、トップクリアランスがばらつくことに
で、冷凍能力の低下やピストンがシリンダヘッドと衝突
する事による弁の破損や騒音の発生が起きる可能性があ
った。
【0012】本発明の他の目的は、変位検出器の検出範
囲を限定することで、上死点位置近傍でのピストン位置
検出精度を向上させ、トップクリアランスを小さくする
ことにより、高い冷凍能力を提供することである。
【0013】また、可動要素の重量が大きいと可動要素
の往復動により、大きな振動が起きる可能性があった。
【0014】本発明の他の目的は、可動要素の軽量化に
より振動を低減することである。また、シリンダとピス
トンの軸心がずれて、クリアランスが不均一になると、
圧縮室からの漏れが増大して冷凍能力が低下する可能性
があった。
【0015】本発明の他の目的は、圧縮室からの冷媒ガ
スの漏れによる冷凍能力の低下を防止することである。
【0016】さらに、シリンダとピストンの軸心のずれ
や傾きにより、シリンダとピストン間の摩擦が増加し、
摺動損失が増大することで効率が低下する可能性があっ
た。
【0017】本発明の他の目的は、シリンダとピストン
間の摺動損失を低減し、効率を向上することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明の振動式圧縮機は、ブロックとピストンと、固定
子及び可動子とから構成されたモーターと、可動子とピ
ストンなどにより構成された可動要素と、ブロックや固
定子などにより構成された固定要素と、一部が可動要素
に固定され、一部が固定要素に固定された弾性要素と、
ピストンが軸方向に往復自在に挿入されるシリンダと、
ピストンの軸方向に連結し、ピストンの上死点近傍の位
置を検出する変位検出器と、変位検出器からの信号でピ
ストンの上死点位置を演算する上死点位置演算手段と、
モータの電圧または電流値を検出する電流電圧検出手段
と、上死点位置演算手段と電流電圧検出手段の出力に応
じてモーターへの供給電圧を変更する電源供給手段とか
ら構成したものである。
【0019】これにより、変位検出器は上死点近傍だけ
を検出することから、全振幅を検出する場合に比べ小型
軽量とすることができる。そのため、可動要素を軽量化
でき共振周波数を上げることができ、高い冷凍能力を得
ることができる。また、上死点近傍のみの検出であるた
め、全振幅を検出する場合に比べて上死点を精度良く検
出できるので、トップクリアランスのばらつきを押さえ
ることでトップクリアランスを小さくでき、高い冷凍能
力を得ることができるとともに、可動要素と固定要素の
衝突を防止することができる。
【0020】さらに、変位検出器の小型化により可動要
素を軽量化できることから、可動要素の往復動による振
動を低減することができる。また、電流または電圧を検
出することでピストン振幅を検出できるので、ピストン
の振幅が過剰に大きくなり、可動要素と固定要素が衝突
したり、過大振幅により弾性要素の信頼性低下が発生す
ることを防止できる。
【0021】また、本発明は、ブロックとピストンと、
固定子及び可動子とから構成されたモーターと、可動子
とピストンなどにより構成された可動要素と、ブロック
や固定子などにより構成された固定要素と、一部が可動
要素に固定され、一部が固定要素に固定された弾性要素
と、ピストンが軸方向に往復自在に挿入されるシリンダ
と、モータの固定子の半径方向内側で可動要素と固定要
素に取り付けられた変位検出器とから構成したものであ
る。
【0022】これにより、変位検出器を可動要素に取り
付けるための連結部材などの部品が不要となるため、可
動要素を軽量化でき、共振周波数を向上させることがで
きるので、高い冷凍能力を得ることができる。さらに、
可動要素の軽量化により、可動要素の往復動による振動
を低減することができる。
【0023】また、ブロックとピストンと、固定子及び
可動子とから構成されたモーターと、可動子とピストン
などにより構成された可動要素と、ブロックや固定子な
どにより構成された固定要素と、一部が可動要素に固定
され、一部が固定要素により保持された弾性要素と、弾
性要素のピストン軸まわりの回転を一方向に制御する回
転方向制御機構と、ピストンが軸方向往復自在に挿入さ
れるシリンダと、ピストンあるいはシリンダに設けられ
た動圧発生機構とから構成したものである。
【0024】これにより、可動要素の往復動に伴う弾性
要素の変形により、弾性要素は回転変位を生じ、弾性要
素は固定要素に対して一方向にしか回転しないので、ピ
ストンは常に同一方向に回転する。そのピストンの回転
により、ピストンとシリンダの摺動面に設けられた動圧
発生機構により、ピストンとシリンダの間に動圧が発生
する。この結果、ピストンがシリンダと軸心が一致し、
クリアランスが均一なるように動くため、圧縮室からの
漏れが防止できる。さらに、ピストンとシリンダの軸心
が一致し、軸の傾きも起こらないので、ピストンとシリ
ンダ間の摺動部で摩擦が増大することを防止でき、摺動
損失を低減でき効率の向上が図れる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、ブロックとピストンと、固定子及び可動子とから構
成されたモーターと、前記可動子と前記ピストンなどに
より構成された可動要素と、前記ブロックや前記固定子
などにより構成された固定要素と、一部が前記可動要素
に固定され、一部が前記固定要素に固定された弾性要素
と、前記ピストンが軸方向に往復自在に挿入されるシリ
ンダと、前記ピストンの軸方向に連結し、前記ピストン
の上死点近傍の位置を検出する変位検出器と、前記変位
検出器からの信号でピストンの上死点位置を演算する上
死点位置演算手段と、前記モータの電圧または電流値を
検出する電流電圧検出手段と、前記上死点位置演算手段
と前記電流電圧検出手段の出力に応じて前記モーターへ
の供給電圧を変更する電源供給手段とを備えたものであ
り、変位検出器は上死点近傍だけを検出することから、
全振幅を検出する場合に比べ小型軽量とすることができ
るので、可動要素を軽量化でき共振周波数を上げること
ができるので、冷凍能力を向上させることができる。ま
た、上死点近傍のみの検出であるため、全振幅を検出す
る場合に比べて上死点を精度良く検出できるので、トッ
プクリアランスのばらつきを押さえることでトップクリ
アランスを小さくでき、冷凍能力を高くすることができ
るとともに、可動要素と固定要素の衝突を防止すること
ができる。さらに、変位検出器の小型化により可動要素
を軽量化できることから、可動要素の往復動による振動
を低減することができる。また、電流または電圧を検出
することでピストン振幅を検出できるので、ピストンの
振幅が過剰に大きくなり、可動要素と固定要素の衝突や
過大振幅による弾性要素の信頼性低下が発生することを
防止するという作用を有する。
【0026】請求項2記載の発明は、ブロックとピスト
ンと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、
前記可動子と前記ピストンなどにより構成された可動要
素と、前記ブロックや前記固定子などにより構成された
固定要素と、一部が前記可動要素に固定され、一部が前
記固定要素に固定された弾性要素と、前記ピストンが軸
方向に往復自在に挿入されるシリンダと、前記モーター
の内側の位置で前記ピストンと前記シリンダに取り付け
られた変位検出器と、前記上死点位置演算手段の出力に
応じて前記モーターへの供給電圧を変更する電源供給手
段とから構成したものであり、変位検出器を可動要素に
取り付けるための連結部材など部品が無いため、可動要
素が軽量化でき、共振周波数を向上させることができる
ので、冷凍能力が向上できる。さらに、可動要素の軽量
化により、可動要素の往復動による振動を低減するとい
う作用を有する。
【0027】請求項3記載の発明は、ブロックとピスト
ンと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、
前記可動子と前記ピストンなどにより構成された可動要
素と、前記ブロックや前記固定子などにより構成された
固定要素と、一部が前記可動要素に固定され、一部が前
記固定要素により保持された弾性要素と、前記弾性要素
のピストン軸まわりの回転を一方向に制御する回転方向
制御機構と、前記ピストンが軸方向往復自在に挿入され
るシリンダと、前記ピストンあるいは前記シリンダに設
けられた動圧発生機構とから構成したものであり、可動
要素の往復動に伴う弾性要素の変形により、弾性要素は
回転変位を生じ、弾性要素は固定要素に対して一方向に
しか回転しないので、ピストンは常にこれと同じ方向に
回転する。そのピストンの回転により、ピストンがシリ
ンダに対して一定方向に回転するので、ピストンとシリ
ンダの摺動面に設けられた動圧発生機構により、ピスト
ンとシリンダの間に動圧が発生する。この結果、ピスト
ンとシリンダの軸心が一致し、クリアランスが均一なる
ように動くため、圧縮室からの漏れが防止できる。さら
に、ピストンとシリンダの軸心が一致し、軸の傾きも起
こらないので、ピストンとシリンダの摺動部で摩擦が増
大することを防止でき、効率が向上するとの作用を有す
る。
【0028】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図5を用いて説明する。尚、従来と同一構成につい
ては、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0029】(実施例1)本発明の実施の形態1につい
て説明する。図1は本発明の第1の実施例による振動式
圧縮機の断面図である。図2は同実施例の電気回路図で
ある。
【0030】図1、図2において、19は変位検出器で
あり、可動要素12に連結部材15を介してピストン軸
方向に連結されているコア19aと、固定要素に取り付
けられコア19aを内部に収納するコイル19bとから
なり、ピストン5が上死点近傍に位置しているときに、
コア19aとコイル19bが変位を検出可能な位置関係
にある。20は変位検出器19の出力からピストン5の
上死点の位置を検出する上死点位置演算手段である。
【0031】21はモーター3に流れる電流または電圧
を検出する電流電圧検出手段である。22は、上死点位
置演算手段20と電流電圧検出手段21の出力に応じ
て、モーターへの供給電源の電圧を変更する電源供給手
段である。
【0032】以上のように構成された振動式圧縮機にお
いて、以下その動作を説明する。可動要素12は変位検
出器19のコア19aと一体となって往復動するが、変
位検出器19の検出範囲は上死点近傍に限定しているの
で、コア19aは短くてよい。従って、可動要素12の
重量減となるので共振周波数が上昇し、高い冷凍能力を
得ることができる。また、往復する可動要素の重量が低
減できるため、振動を低減することができる。
【0033】さらに、変位検出器19の検出範囲を上死
点近傍に限定したため、誤差要因の影響を防止でき、精
度良くピストン5の位置を検出することができる。そし
て、電源供給手段22が上死点位置が予め設定した上死
点基準値より大きいとインバータ回路41の出力電圧を
下げ、小さいと電圧を上げることで、上死点位置を上死
点基準値近づける制御を行う。変位検出器19の検出精
度が高いため、上死点位置の上死点基準値からのずれを
小さく、安定したものにできる。従って、トップクリア
ランスを小さくするように上死点基準値を設定でき、高
い冷凍能力を得ることができる。また、上死点位置を正
確に検出しているので、ピストン5がシリンダヘッド7
に衝突することを防止でき、衝突音の発生や弁の破損を
防止できる。
【0034】また、電流電圧検出手段21では常に電流
あるいは電圧を検出しているので、ピストン5の振幅が
計算できる。さらに、上死点位置検出手段20で検出し
た上死点位置に振幅を加えることで下死点位置も検出で
きる。これに基づき、電源供給手段22は振幅が設定値
を上回ればモーター3への供給電圧を下げるので、可動
要素12の振幅が極端に大きくなり、可動要素12が固
定要素13に衝突したり、弾性要素14の変形が過大と
なり破損することを防止できる。
【0035】以上のように本実施例の振動式圧縮機は、
ブロック2とピストン5と、固定子3a及び可動子3b
とから構成されたモーター3と、可動子3bとピストン
5などにより構成された可動要素12と、ブロック2や
固定子3aなどにより構成された固定要素13と、一部
が可動要素12に固定され、一部が固定要素13に固定
された弾性要素14と、ピストン5が軸方向に往復自在
に挿入されるシリンダ4と、ピストン5の軸方向に連結
し、ピストン5の上死点近傍の位置を検出する変位検出
器19と、変位検出器19からの信号でピストン5の上
死点位置を演算する上死点位置演算手段20と、モータ
3の電圧または電流値を検出する電流電圧検出手段21
と、上死点位置演算手段20と電流電圧検出手段21の
出力に応じてモーター3への供給電圧を変更する電源供
給手段22とから構成したので、変位検出器は上死点近
傍だけを検出することから、全振幅を検出する場合に比
べ小型軽量とすることができ、可動要素を軽量化でき共
振周波数を上げることができ、高い冷凍能力を得ること
ができる。
【0036】また、上死点近傍のみの検出であるため、
全振幅を検出する場合に比べて上死点を精度良く検出で
きるので、トップクリアランスのばらつきを押さえるこ
とでトップクリアランスを小さくでき、冷凍能力を高く
することができるとともに、可動要素と固定要素の衝突
を防止することができる。さらに、変位検出器の小型化
により可動要素を軽量化できることから、可動要素の往
復動による振動を低減することができる。また、電流ま
たは電圧を検出することでピストン振幅を検出できるの
で、ピストンの振幅が過剰に大きくなり、可動要素と固
定要素が衝突したり、過大振幅により弾性要素の信頼性
低下が発生することを防止できる。
【0037】(実施例2)図3は本発明の第2の実施例
による振動式圧縮機の断面図である。
【0038】図3において、25はモータ3ーの固定子
3aの内側に配設された変位検出器である。25aはピ
ストン26の摺動面の一部に埋め込んだ円筒状のコアで
あり、25bはシリンダ27の摺動面の一部に埋め込ん
だコイルである。
【0039】以上のように構成された振動式圧縮機にお
いて、以下その動作を説明する。可動要素12には変位
検出器25のコア25aが取り付けられているが、ピス
トンに直接取り付けられており、取り付けのための連結
部材などが不要である。従って可動部12を軽量化する
ことができるので共振周波数が上昇し、冷凍能力が向上
する。また、往復動する可動要素12が軽量化できるの
で、振動を低減することができる。
【0040】なお、本実施例では変位検出器25をピス
トン26とシリンダ27の摺動面の中間に設けたが、こ
れ以外のモーター3内径側の位置でピストンとシリンダ
に変位検出器を取り付けても同様の効果が得られること
は言うまでもない。
【0041】以上のように本実施例の振動式圧縮機は、
ブロック2とピストン26と、固定子3a及び可動子3
bとから構成されたモーター3と、可動子3bとピスト
ン26などにより構成された可動要素12と、ブロック
2や固定子3bなどにより構成された固定要素13と、
一部が可動要素12に固定され、一部が固定要素13に
固定された弾性要素14と、ピストン26が軸方向に往
復自在に挿入されるシリンダ27と、モーター3の固定
子3aの半径方向内側で可動要素12と固定要素13に
取り付けられた変位検出器25とから構成されるので、
変位検出器を可動要素に取り付けるための連結部材など
が無いため、可動要素が軽量化でき、共振周波数を向上
させることができ、冷凍能力が向上できる。さらに、可
動要素の軽量化により、可動要素の往復動による振動を
低減する事ができる。
【0042】(実施例3)図4は本発明の第3の実施例
による振動式圧縮機の断面図である。図5は同実施例の
要部断面図である。
【0043】図4、図5において、30は渦巻き状の形
状の弾性要素である。弾性要素30の内径部30aは可
動要素31に固定され、外径部は固定要素32のブロッ
ク33の内径面に設けた突起33a、33bでピストン
35の軸まわりに回転自在に保持されている。34はピ
ストン35とシリンダ36の摺動面上に設けた三角形の
窪みからなる動圧発生機構である。37は回転方向制御
機構であり、弾性要素30の外径部30bの全周に設け
たつめ37aと、ブロック33の内径面のつめ37に対
向する位置に設けた逆転防止つめ37bとからなり、弾
性要素30はこの回転方向制御機構37により左回りに
しか回転しない。
【0044】以上のように構成された振動式圧縮機につ
いて、以下その動作を説明する。圧縮機運転中、可動要
素12の往復動に伴って弾性要素30の内径部30aは
ピストン35の軸方向に変位する。この際、弾性要素3
0が渦巻き状の形状であることから、内径部30aと外
径部30bの間に回転変位が生じる。この回転力の生じ
る方向は弾性要素30の変位が大きくなるときに右回
り、変位が小さくなるときに左回りとなる。
【0045】弾性要素30の内径部30aが外径部30
bに対して左回りで回転した場合、外径部30bは、回
転方向制御機構37のつめ37aと逆転防止つめ37b
が引っかかるため回転しない。従って、弾性要素30の
内径部30aと一体の可動要素31は左回りで回転す
る。一方、弾性要素30の内径部30aが外径部30b
に対して右回りで回転した場合、回転方向制御機構37
は作用しないので、ピストン35よりも慣性モーメント
の小さい弾性要素30の外径部30bは左回りで回転す
る。
【0046】従って、可動要素31のピストン35は常
に左回りの方向で回転する。ピストンの摺動面には三角
形の窪み34aからなる動圧発生機構34を設けてお
り、ピストン35がシリンダ36に対して左回りで回転
すると、窪み34aに入った潤滑油などの流体は、ピス
トン35の回転に伴い三角形34aの鋭角部分に追い込
まれて、次第に狭くなることによりくさびの効果で圧力
が上昇する。ピストン35とシリンダ36のクリアラン
スが小さいところほど圧力上昇の効果は顕著である。こ
の結果、ピストン35はシリンダ36と軸心が一致しク
リアランスが均一となる方向へ移動する。
【0047】従って、圧縮室からピストン35とシリン
ダ36の摺動面を通って漏れる冷媒の量は低減され、高
い冷凍能力を得ることができる。さらに、ピストン35
とシリンダ36の軸心のずれや軸の傾きを防止できるの
で、片当たりなどによる摩擦の増大を防止し、摺動損失
を低減でき、効率が向上できる。
【0048】以上のように本実施例の振動式圧縮機は、
ブロック33とピストン35と、固定子3a及び可動子
3bとから構成されたモーター3と、可動子3bとピス
トン35などにより構成された可動要素31と、ブロッ
ク22や固定子3aなどにより構成された固定要素32
と、一部が可動要素31に固定され、一部が固定要素3
2により保持された弾性要素30と、弾性要素30のピ
ストン35の軸まわりの回転を一方向に制御する回転方
向制御機構37と、ピストン35が軸方向往復自在に挿
入されるシリンダ36と、ピストン35あるいはシリン
ダ36に設けられた動圧発生機構とから構成したもので
あり、可動要素の往復動に伴う弾性要素の変形により、
弾性要素は回転変位を生じ、弾性要素は固定要素に対し
て一方向にしか回転しないので、ピストンは常にこれと
同じ方向に回転する。そのピストンの回転により、ピス
トンがシリンダに対して一定方向に回転するので、ピス
トンとシリンダの摺動面に設けられた動圧発生機構によ
り、ピストンとシリンダの間に動圧が発生する。この結
果、ピストンとシリンダの軸心が一致し、クリアランス
が均一なるように動くため、圧縮室からの漏れが防止で
きる。さらに、ピストンとシリンダの軸心が一致し、軸
の傾きも起こらないので、ピストンとシリンダの摺動部
で摩擦が増大することを防止でき、効率を向上させるこ
とができる。
【0049】なお、本実施例において弾性要素は渦巻き
状の形状としたが、軸方向に変形したときに回転方向の
変位が発生するこれ以外の形状の弾性要素を用いても同
様の効果が得られる。
【0050】
【発明の効果】以上の説明したように請求項1記載の発
明は、ブロックとピストンと、固定子及び可動子とから
構成されたモーターと、可動子とピストンなどにより構
成された可動要素と、ブロックや固定子などにより構成
された固定要素と、一部が可動要素に固定され、一部が
固定要素に固定された弾性要素と、ピストンが軸方向に
往復自在に挿入されるシリンダと、ピストンの軸方向に
連結し、ピストンの上死点近傍の位置を検出する変位検
出器と、変位検出器からの信号でピストンの上死点位置
を演算する上死点位置演算手段と、モータの電圧または
電流値を検出する電流電圧検出手段と、上死点位置演算
手段と電流電圧検出手段の出力に応じてモーターへの供
給電圧を変更する電源供給手段とから構成したので、変
位検出器は上死点近傍だけを検出することから、全振幅
を検出する場合に比べ小型軽量とすることができ、可動
要素を軽量化でき共振周波数を上げることができ、冷凍
能力を向上させることができる。また、上死点近傍のみ
の検出であるため、全振幅を検出する場合に比べて上死
点を精度良く検出できるので、トップクリアランスのば
らつきを押さえることでトップクリアランスを小さくで
き、冷凍能力を高くすることができるとともに、可動要
素と固定要素の衝突を防止することができる。さらに、
変位検出器の小型化により可動要素を軽量化できること
から、可動要素の往復動による振動を低減することがで
きる。また、電流または電圧を検出することでピストン
振幅を検出できるので、ピストンの振幅が過剰に大きく
なり、可動要素と固定要素が衝突したり、過大振幅によ
り弾性要素の信頼性低下が発生することを防止できる。
【0051】また、請求項2記載の発明は、ブロックと
ピストンと、固定子及び可動子とから構成されたモータ
ーと、可動子とピストンなどにより構成された可動要素
と、ブロックや固定子などにより構成された固定要素
と、一部が可動要素に固定され、一部が固定要素に固定
された弾性要素と、ピストンが軸方向に往復自在に挿入
されるシリンダと、モーターの固定子の半径方向内側で
可動要素と固定要素に取り付けられた変位検出器とから
構成されるので、変位検出器を可動要素に取り付けるた
めの部品などが無いため、可動要素が軽量化でき、共振
周波数を向上させることができ、冷凍能力が向上でき
る。さらに、可動要素の軽量化により、可動要素の往復
動による振動を低減する事ができる。
【0052】また、請求項3記載の発明は、ブロックと
ピストンと、固定子及び可動子とから構成されたモータ
ーと、可動子とピストンなどにより構成された可動要素
と、ブロックや固定子などにより構成された固定要素
と、一部が可動要素に固定され、一部が固定要素により
保持された弾性要素と、弾性要素のピストン軸まわりの
回転を一方向に制御する回転方向制御機構と、ピストン
が軸方向往復自在に挿入されるシリンダと、ピストンあ
るいはシリンダに設けられた動圧発生機構とから構成し
たものであり、可動要素の往復動に伴う弾性要素の変形
により、弾性要素は回転変位を生じ、弾性要素は固定要
素に対して一方向にしか回転しないので、ピストンは常
にこれと同じ方向に回転する。そのピストンの回転によ
り、ピストンがシリンダに対して一定方向に回転するの
で、ピストンとシリンダの摺動面に設けられた動圧発生
機構により、ピストンとシリンダの間に動圧が発生す
る。この結果、ピストンとシリンダの軸心が一致し、ク
リアランスが均一なるように動くため、圧縮室からの漏
れが防止できる。さらに、ピストンとシリンダの軸心が
一致し、軸の傾きも起こらないので、ピストンとシリン
ダの摺動部で摩擦が増大することを防止でき、効率を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による振動式圧縮機の断面図
【図2】同実施例の電気回路図
【図3】本発明の実施例2による振動式圧縮機の断面図
【図4】本発明の実施例3による振動式圧縮機の断面図
【図5】同実施例における弾性要素の平面図
【図6】従来の振動式圧縮機の断面図
【図7】従来の振動式圧縮機の電気回路図
【符号の説明】
2 ブロック 3a 固定子 3b 可動子 3 モーター 4 シリンダ 5 ピストン 12 可動要素 13 固定要素 14 弾性要素 19 変位検出器 20 上死点位置演算手段 21 電流電圧検出手段 22 電源供給手段 25 変位検出器 26 ピストン 27 シリンダ 30 弾性要素 31 可動要素 32 固定要素 33 ブロック 34 動圧発生機構 35 ピストン 36 シリンダ 37 回転方向制御手段
フロントページの続き (72)発明者 片山 誠 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブロックとピストンと、固定子及び可動
    子とから構成されたモーターと、前記可動子と前記ピス
    トンなどにより構成された可動要素と、前記ブロックや
    前記固定子などにより構成された固定要素と、一部が前
    記可動要素に固定され、一部が前記固定要素に固定され
    た弾性要素と、前記ピストンが軸方向に往復自在に挿入
    されるシリンダと、前記ピストンの軸方向に連結し、前
    記ピストンの上死点近傍の位置を検出する変位検出器
    と、前記変位検出器からの信号で前記ピストンの上死点
    位置を演算する上死点位置演算手段と、前記モータの電
    圧または電流値を検出する電流電圧検出手段と、前記上
    死点位置演算手段と前記電流電圧検出手段の出力に応じ
    て前記モーターへの供給電圧を変更する電源供給手段と
    からなる振動式圧縮機。
  2. 【請求項2】 ブロックとピストンと、固定子及び可動
    子とから構成されたモーターと、前記可動子と前記ピス
    トンなどにより構成された可動要素と、前記ブロックや
    前記固定子などにより構成された固定要素と、一部が前
    記可動要素に固定され、一部が前記固定要素に固定され
    た弾性要素と、前記ピストンが軸方向に往復自在に挿入
    されるシリンダと、前記モータの前記固定子の半径方向
    内側で前記可動要素と前記固定要素に取り付けられた変
    位検出器とからなる振動式圧縮機。
  3. 【請求項3】 ブロックとピストンと、固定子及び可動
    子とから構成されたモーターと、前記可動子と前記ピス
    トンなどにより構成された可動要素と、前記ブロックや
    前記固定子などにより構成された固定要素と、一部が前
    記可動要素に固定され、一部が前記固定要素により保持
    された弾性要素と、前記弾性要素のピストン軸まわりの
    回転を一方向に制御する回転方向制御機構と、前記ピス
    トンが軸方向往復自在に挿入されるシリンダと、前記ピ
    ストンあるいは前記シリンダに設けられた動圧発生機構
    とからなる振動式圧縮機。
JP11047298A 1997-04-20 1998-04-21 振動式圧縮機 Withdrawn JPH11303764A (ja)

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KR100480114B1 (ko) * 2002-09-24 2005-04-06 엘지전자 주식회사 왕복동식 압축기의 운전제어장치 및 방법
KR100480113B1 (ko) * 2002-09-19 2005-04-07 엘지전자 주식회사 왕복동식 압축기의 운전제어장치 및 방법
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