JP4652225B2 - コンプレッサ - Google Patents
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しかし、上記従来の回転検出機構では、ハウジング部材101に穴あけ加工を施して貫通穴102を形成する必要があり、コンプレッサの生産コストが高くなる。また、Oリング103によるシール構造が必要であり、さらに生産コストが高くなる。さらに、検出センサ104に付着した異物がコンプレッサの内部に入り、コンプレッサの焼付けの可能性がある等の問題があった。
上記特許文献1には、機体の外側に検出器18を設けてなり、電磁クラッチ6からの漏れ磁束を、駆動軸7、この駆動軸と共動する回転基体8(検出体)、及び機体を結合するボルト14(締結具)に順次導通せしめて循環磁気回路を形成し、回転基板8の周期運動を介してボルト14との間に磁束変化を生じさせるとともに、その磁束変化を検出器18により検出し、その検出結果に基づいてコンプレッサの回転数を検知するように構成されたものが開示されている。これにより、簡素な構造で高い検出能力を発揮できる等の利点がある。
上記特許文献2には、コンプレッサの機体1の外側に、外部磁場に応じてインピーダンスが変化する磁気インピーダンス素子(MI素子)を有する磁気センサ150を設け、検出体である斜板6の外周部に磁束発生源である永久磁石7を埋設し、さらに斜板6の1回転の何れかの時点で永久磁石7と磁気センサ150とが対向するように両者を配設してなるものが開示されている。これにより、磁気センサ150の磁気素子が、高感度MI素子であるので、機体1の外側からでも斜板6の回転による微弱な磁場変動を検出することができ、その結果、回転を高感度・高精度検出することが可能となる等の利点がある。
また、上記特許文献2では、コンプレッサの内部の検出体に磁束発生源(永久磁石7)を設けているため、この磁束発生源が検出体から脱落してコンプレッサの焼付き等が発生する恐れがある。さらに、磁束発生源が必要でありコンプレッサの生産コストが高くなる等の問題があった。
1.機体を形成する複数のハウジング部材と、該複数のハウジング部材を結合する締結具と、該機体の一端側に設けられる電磁クラッチと、該機体に挿通され且つ該電磁クラッチを介して動力源に連結される駆動軸と、該駆動軸と共動して流体の圧縮を行う可動部材と、該駆動軸と共動する検出体と、該検出体により該駆動軸の回転状態を検出する検出手段と、を備えるコンプレッサにおいて、
前記検出体及び前記駆動軸は強磁性体からなり、前記電磁クラッチからの漏れ磁束を、該電磁クラッチを構成するステータ及びプーリを介して前記機体の外部側面側から前記締結具、該検出体及び該駆動軸を順次導通させて循環磁気経路を形成し、前記検出手段は、磁気インピーダンス素子を有する磁気センサで構成されており、該磁気センサは、前記循環磁気経路の磁束変化を検出し得るように、前記機体の外部側面側であり且つ前記締結具の近傍であり更に該締結具を介して前記検出体に対向する位置に設けられていることを特徴とするコンプレッサ。
2.前記検出体が、前記電磁クラッチと前記可動部材との間に配置されており、前記磁気センサと前記締結具との間隔は20mm以下である上記1.記載のコンプレッサ。
3.前記磁気センサは、前記検出体の径方向先端面が前記締結具を介して前記機体の外部側面へ対向する位置から該機体の反電磁クラッチ側へ40mm以内の位置に該磁気センサの中心が位置するように配設されている上記1.又は2.に記載のコンプレッサ。
4.前記締結具と前記磁気センサが配置された部分の前記機体の外部側面側との間の空間における前記駆動軸と直交する方向の長さは、前記磁気センサが配置された部分の前記機体の外部側面側における前記駆動軸と直交する方向の長さより小さい上記1.乃至3.のいずれか一項に記載のコンプレッサ。
また、前記検出体が、前記電磁クラッチと前記可動部材との間に配置されており、前記磁気センサが、前記締結具を介して該検出体に対向する位置に配置されている場合は、より確実に循環磁気回路の磁束変化を検出することができる。
本発明に係るコンプレッサは、以下に述べるハウジング部材、締結具、駆動軸、可動部材、検出体、及び検出手段を備えている。このコンプレッサは、例えば、後述する斜板を更に備えることができる。
なお、上記コンプレッサの圧縮形態としては、例えば、レシプロ式、スクロール式、スクリュー式、ベーン式等を挙げることができる。
なお、上記電磁クラッチは、通常、ハウジング部材としてのフロントハウジングの先端側に回転自在に支持されている。また、上記動力源としては、例えば、内燃機関、電動モータ等を挙げることができる。
上記検出体は、例えば、上記駆動軸に取着され、駆動軸とともに回転可能であることができる。また、この検出体の材質は強磁性体(例えば、鉄等)であればよい。また、この検出体は、例えば、円盤状に形成され、且つ、その外周側に磁束変化を生じさせるための1又は2以上の縮径部または、突起部が形成されていることができる。
上記検出体は、例えば、上記電磁クラッチと上記可動部材との間に配置されていることができる。検出精度といった観点から、この検出体が、上記ハウジング部材としてのフロントハウジング内で上記電磁クラッチ寄りの位置に配置されていることが好ましい。
上記磁気センサは、例えば、上記締結具を介さずに上記検出体に対向する位置に配置されていることも可能であるが、請求項1記載の発明では、検出精度といった観点から、磁気センサが、上記締結具を介して上記検出体に対向する位置に配置している。
上記磁気センサと上記締結具との間隔は、例えば、20mm以下であることができる(請求項2記載発明)。これにより、循環磁気回路の磁束変化をより検出し易くなる。上記間隔は、例えば、0mm以上とすることができる。
上記磁気センサは、例えば、上記検出体の径方向先端面が上記締結具を介して上記機体の外部側面へ対向する位置から機体の反電磁クラッチ側へ40mm以内の距離に磁気センサの中心が位置するように配設されていることができる(請求項3記載発明)。これにより、循環磁気回路の磁束変化をより検出し易くなる。上記距離は、例えば、0mm以上とすることができる。
なお、上記磁気インピーダンス素子に、高周波電流を印加して外部磁界の変化により発生するインピーダンスの変化を電気信号に変換することで、磁気インピーダンス素子の出力が得られる。
なお、本実施例では、本発明に係るコンプレッサとして、後述の斜板の傾きの変化により圧縮容量が変化する車両空調用の可変容量型コンプレッサを例示する。
本実施例に係るコンプレッサ1は、図1に示すように、筒状でありアルミニウム製(非磁性体)のフロントハウジング3、シリンダブロック4及びリヤハウジング5(本発明に係る「ハウジング部材」として例示する。)からなる機体2を有している。このシリンダブロック4の前端にフロントハウジング3の後端を当接させ、且つ、シリンダブロック4の後端に弁板12を介してリヤハウジング5の前端を当接させた状態で、鉄系金属製(強磁性体)の複数のボルト部材6(本発明に係る「締結具」として例示する。)のネジ部(図示せず)がリヤハウジング5に螺合されると共に、各ボルト部材6の頭部6aがフロントハウジング3の外部端面に係止されることで、フロントハウジング3、シリンダブロック4及びリヤハウジング5は互いに一体的に結合されている。
次に、上記構成のコンプレッサ1の作用について説明する。
電磁クラッチ7内部の電磁コイル15に電圧が印加されると、磁場が発生してプーリ13とハブ18とが結合される。そして、ハブ18と駆動軸8及び検出体9とは接合されているため、エンジンの動力がプーリ13に伝達され、プーリ13、駆動軸8及び検出体9は同時に回転する。すると、検出体9の回転により斜板10が傾動してピストン11がシリンダ室4a内を往復動して、リヤハウジング5の吸入室5aからシリンダ室4a内に吸入された冷媒ガスが圧縮され、その圧縮ガスがリヤハウジング5の吐出室5bに吐出される。
以上より、本実施例では、機体2を形成するフロントハウジング3の外部側面であり且つボルト部材6の近傍に、磁気インピーダンス素子を有する磁気センサ20を設けてコンプレッサ1を構成したので、電磁クラッチ7からの漏れ磁束が、ステータ16、プーリ13、フロントハウジング3、ボルト部材6、検出体9及び駆動軸8に順次導通されて循環磁気回路Aが形成され、磁気センサ20によって、その循環磁気回路Aの磁束変化をフロントハウジング3の外部側面から検出してコンプレッサ1の回転状態が検出される。これにより、コンプレッサ1の機体2に穴あけ加工を施す必要がない。その結果、従来のように、機体に穴あけ加工を施したものに比べて、コンプレッサの生産コストを抑制できる。また、Oリングによるシール構造を必要とせず、さらに生産コストを抑制できる。さらに、磁気センサに付着した異物がコンプレッサ内部へ侵入して焼付け等を発生させることがない。また、従来のように、ボルト部材の頭部又は頭部と対向する電磁クラッチのステータ側に検出手段を設けたものに比べ、電磁クラッチ7とフロントハウジング3の前端面との間にセンサ取付け用スペースを設ける必要がないので、コンプレッサの機体軸方向の全長を短くすることができる。さらに、従来のように、検出体に磁束発生源(永久磁石)を設けるものに比べて、磁束発生源を必要としないので、生産コストをさらに抑制することができる。また、磁束発生源が検出体から脱落して焼付き等を発生させることがない。
また、本実施例では、検出体9が、電磁クラッチ7とピストン11との間に配置されており、磁気センサ20が、ボルト部材6を介して検出体9に対向する位置に配置されているので、磁気センサ20が循環磁気回路Aにより近くなり、この循環磁気回路Aの磁気変化を極めて精度良く検出することができる。
また、上記実施例では、一対の拡径部9a及び縮径部9bを有する検出体9を例示したが、これに限定されず、例えば、検出体9の外周側に円周方向に沿って所定間隔で複数の凹部(縮径部)を形成するようにしてもよい。
Claims (4)
- 機体を形成する複数のハウジング部材と、該複数のハウジング部材を結合する締結具と、該機体の一端側に設けられる電磁クラッチと、該機体に挿通され且つ該電磁クラッチを介して動力源に連結される駆動軸と、該駆動軸と共動して流体の圧縮を行う可動部材と、該駆動軸と共動する検出体と、該検出体により該駆動軸の回転状態を検出する検出手段と、を備えるコンプレッサにおいて、
前記検出体及び前記駆動軸は強磁性体からなり、前記電磁クラッチからの漏れ磁束を、該電磁クラッチを構成するステータ及びプーリを介して前記機体の外部側面側から前記締結具、該検出体及び該駆動軸を順次導通させて循環磁気経路を形成し、前記検出手段は、磁気インピーダンス素子を有する磁気センサで構成されており、該磁気センサは、前記循環磁気経路の磁束変化を検出し得るように、前記機体の外部側面側であり且つ前記締結具の近傍であり更に該締結具を介して前記検出体に対向する位置に設けられていることを特徴とするコンプレッサ。 - 前記検出体が、前記電磁クラッチと前記可動部材との間に配置されており、前記磁気センサと前記締結具との間隔は20mm以下である請求項1記載のコンプレッサ。
- 前記磁気センサは、前記検出体の径方向先端面が前記締結具を介して前記機体の外部側面へ対向する位置から該機体の反電磁クラッチ側へ40mm以内の位置に該磁気センサの中心が位置するように配設されている請求項1又は2に記載のコンプレッサ。
- 前記締結具と前記磁気センサが配置された部分の前記機体の外部側面側との間の空間における前記駆動軸と直交する方向の長さは、前記磁気センサが配置された部分の前記機体の外部側面側における前記駆動軸と直交する方向の長さより小さい請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンプレッサ。
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