JPH1130330A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JPH1130330A
JPH1130330A JP9202442A JP20244297A JPH1130330A JP H1130330 A JPH1130330 A JP H1130330A JP 9202442 A JP9202442 A JP 9202442A JP 20244297 A JP20244297 A JP 20244297A JP H1130330 A JPH1130330 A JP H1130330A
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brake
speed
engine brake
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pressure
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淳 田端
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2552/00Input parameters relating to infrastructure
    • B60W2552/15Road slope, i.e. the inclination of a road segment in the longitudinal direction

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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行状態に基づいてエンジンブレーキの効く
変速段を選択する場合に、フェールによってエンジンブ
レーキが効かなくなることを防止する。 【解決手段】 最高速段が制限される登降坂制御の際
に、第3速でエンジンブレーキを効かせることができる
か否かを判断(ステップ5)し、第3速でエンジンブレ
ーキを効かせることができず、かつそれより高速段側の
変速段でエンジンブレーキを効かせることができる場合
には、その高速段側のエンジンブレーキの効く変速段を
使用して登降坂制御をおこなう(ステップ6)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用の自動変
速機における変速を制御するための装置に関し、特にエ
ンジンブレーキを効かせる変速段の制御をおこなう装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的な車両用の自動変速機では、変速
を容易にするために、中低速段を設定するにあたり一方
向クラッチを係合させている。したがってこれらの中低
速段では、トルクの掛かる方向が反転するコースト状態
で一方向クラッチが解放してしまい、一方向クラッチに
よるトルクの伝達をおこなえなくなるので、これと並列
に多板形式のブレーキやクラッチを配置し、コースト時
にはその多板形式のブレーキもしくはクラッチを係合さ
せてエンジンブレーキを効くようにしている。
【0003】中低速段でエンジンブレーキを効かせるた
めには、従来では、シフトレバーを操作してエンジンブ
レーキレンジを選択し、それに伴ってマニュアルバルブ
が切り替わることにより、エンジンブレーキを効かせる
ための摩擦係合装置(すなわちコーストブレーキ)に油
圧を供給するように構成していた。これに対して最近で
は、ソレノイドバルブを電気的に制御することにより、
コーストブレーキを必要に応じて係合させるように構成
した自動変速機が用いられるようになってきている。す
なわちこの種のいわゆる電子制御式の自動変速機では、
シフトレンジの切り換えを電気的におこなうことができ
る。
【0004】このようなシフトレンジの切り換えを電気
的におこなうことのできる機能を利用して、いわゆる登
降坂制御の可能な車両が実用化されている。これは、ス
ロットル開度などのエンジン負荷あるいは出力の要求の
状態と実際の車両の加速度などの走行状態とに基づいて
登坂状態あるいは降坂状態を検出し、所定の変速段以上
へのアップシフトを禁止し、また所定の中低速段でエン
ジンブレーキを効かせる制御である。このような制御に
よれば、例えば登坂時に車速がある程度増大してもアッ
プシフトせずに比較的大きい変速比が維持されるので、
駆動力の不足を未然に回避することができる。また降坂
時には、レンジの切り換え操作をおこなわなくても、比
較的大きい変速比でエンジンブレーキを効かせることが
できるので、スムースな走行が可能になる。
【0005】しかしながら上述した自動変速機での中低
速段でのエンジンブレーキ状態は、電気的な制御によっ
て設定するから、ソレノイドバルブなどの電気的なフェ
ールが生じると、エンジンブレーキを効かせることがで
きなくなり、上記の登降坂制御が実質的に成立しなくな
る。
【0006】従来、エンジンブレーキを効かせる制御系
の電気的なフェールが生じてもエンジンブレーキ状態を
設定できるように構成した装置が開発されており、その
一例が特開平3−113161号公報に記載されてい
る。この公報に記載された装置は、コーストブレーキに
供給する油圧を調圧するバルブに、オフ状態で信号圧が
最高圧になる電磁弁を接続する一方、その信号圧に対抗
する油圧を他の制御系から調圧バルブに供給するように
構成したものである。したがって電磁弁がオフフェール
して最高圧の信号圧が出力され続ける状態になっても、
その信号圧に対抗する油圧によってコーストブレーキの
油圧の調圧レベルを所定の値に設定できるので、コース
トブレーキを係合させてエンジンブレーキ状態とするこ
とができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】エンジンブレーキ状態
を直接電気的手段で設定するように構成された自動変速
機では、その電気的手段に異常が生じれば、直ちにその
変速段でのエンジンブレーキ状態が不可能になる。また
上記の公報に記載されているように電磁弁などの電気的
手段と他の油圧系統の油圧とによってエンジンブレーキ
状態を設定するように構成した自動変速機では、電気的
手段のフェールによって直ちにエンジンブレーキ状態が
不可能になることはないが、上述したようにフェールに
よって信号圧が最高圧となり、これに他の油圧系統の油
圧を対抗させるので、コーストブレーキの調圧レベルが
低くなり、コーストブレーキの係合圧が低くなる。すな
わちコーストブレーキのトルク容量が不足し、充分なエ
ンジンブレーキを効かせることが困難になる。
【0008】このように従来では、電気的なフェールな
どによってエンジンブレーキを効かせることができない
事態が生じることがある。また変速段を電気的な制御に
よって設定する自動変速機では、電気的なフェールによ
ってエンジンブレーキの効く変速段を設定できなくなる
場合もある。このような場合、上述した登降坂制御が実
質的な成り立たなくなる不都合がある。
【0009】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、フェールによりエンジンブレーキ状態
を設定できなくなる事態を未然に防止することのできる
変速制御装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、この発明は、エンジンブレーキの
効く変速段を走行状態に基づいて選択して設定する自動
変速機の変速制御装置において、所定の変速段をエンジ
ンブレーキの効く状態で設定することの要求を判断する
エンジンブレーキ判断手段と、その変速段をエンジンブ
レーキの効く状態で設定する要求があったことをエンジ
ンブレーキ判断手段が判断した場合に、該変速段をエン
ジンブレーキ状態で設定できないことを判断するフェー
ル判断手段と、前記変速段をエンジンブレーキを効かせ
る状態で設定できないことをフェール判断手段が判断し
た場合に、その変速段より高速段側の変速段をエンジン
ブレーキの効く状態で設定できることを判断する高速段
可能状態判断手段と、前記高速段側の変速段をエンジン
ブレーキの効く状態で設定できることが前記高速段可能
状態判断手段によって判断された場合に、その高速段側
のエンジンブレーキの効く変速段を設定することにより
エンジンブレーキを効かせるエンジンブレーキ実行手段
とを備えていることを特徴とするものである。
【0011】したがってこの発明の変速制御装置によれ
ば、走行状態に基づいて選択的に設定されるエンジンブ
レーキの効く変速段が、フェールの発生により設定する
ことができなくなれば、その変速段より高速段側のエン
ジンブレーキの効く変速段を、走行状態に基づいて選択
的に設定する。そのためエンジンブレーキ状態が要求さ
れているにも拘わらず、フェールによってエンジンブレ
ーキが効かない変速段が設定されるなどの事態を未然に
防止でき、エンジンブレーキ状態を確保することにより
運転者によるシフト操作を回避し、ドライバビリティを
向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図に示す具体例
を参照して説明する。先ず、全体的な制御系統について
説明する。図2において、自動変速機1を連結してある
エンジン2は、その吸気管路3にメインスロットルバル
ブ4とその上流側に位置するサブスロットルバルブ5と
を有している。そのメインスロットルバルブ4はアクセ
ルペダル6に連結されていて、アクセルペダル6の踏み
込み量に応じて開閉される。またサブスロットルバルブ
5は、モータ7によって開閉されるようになっている。
このサブスロットルバルブ5の開度を調整するためにモ
ータ7を制御し、またエンジン2の燃料噴射量および点
火時期などを制御するためのエンジン用電子制御装置
(E−ECU)8が設けられている。この電子制御装置
8は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(R
AM、ROM)ならびに入出力インターフェースを主体
とするものであって、この電子制御装置8には、制御の
ためのデータとして、エンジン(E/G)回転数N、吸
入空気量Q、吸入空気温度、スロットル開度、車速、エ
ンジン水温、ブレーキスイッチからの信号などの各種の
信号が入力されている。
【0013】自動変速機1における変速およびロックア
ップクラッチならびにライン圧は、油圧制御装置9によ
って制御される。その油圧制御装置9は、電気的に制御
されるように構成されており、また変速を実行するため
の第1ないし第3のシフトソレノイドバルブS1 ,〜S
3 、ライン圧を制御するためのリニアソレノイドバルブ
SLT、アキュームレータ背圧を制御するためのリニアソ
レノイドバルブSLN、ロックアップクラッチを制御する
ためのリニアソレノイドバルブSLUが設けられている。
【0014】これらのソレノイドバルブに信号を出力し
て変速やライン圧あるいはアキュームレータ背圧などを
制御する自動変速機用電子制御装置(T−ECU)10
が設けられている。この自動変速機用電子制御装置10
は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RA
M、ROM)ならびに入出力インターフェースを主体と
するものであって、この電子制御装置10には、制御の
ためのデータとしてスロットル開度、車速、エンジン水
温、ブレーキスイッチからの信号、シフトポジション、
パターンセレクトスイッチからの信号、オーバードライ
ブスイッチからの信号、後述するクラッチC0 の回転速
度を検出するC0 センサからの信号、車速センサからの
信号、自動変速機の油温、マニュアルシフトスイッチか
らの信号などが入力されている。またこの自動変速機用
電子制御装置10とエンジン用電子制御装置8とは、相
互にデータ通信可能に接続されており、エンジン用電子
制御装置8から自動変速機用電子制御装置10に対して
は、1回転当たりの吸入空気量(Q/N)などの信号が
送信され、また自動変速機用電子制御装置10からエン
ジン用電子制御装置8に対しては、各ソレノイドバルブ
に対する指示信号と同等の信号および変速段を指示する
信号などが送信されている。
【0015】すなわち自動変速機用電子制御装置10
は、入力されたデータに基づいて変速段やロックアップ
クラッチのオン/オフ、あるいはライン圧の調圧レベル
などを判断し、その判断結果に基づいて所定のソレノイ
ドバルブに指示信号を出力し、さらにフェールの判断や
それに基づく制御をおこなうようになっている。またエ
ンジン用電子制御装置8は、入力されたデータに基づい
て燃料噴射量や点火時期あるいはサブスロットルバルブ
5の開度などを制御することに加え、自動変速機1での
変速時に燃料噴射量を削減し、あるいは点火時期を変
え、もしくはサブスロットルバルブ5の開度を絞ること
により、出力トルクを一時的に低下させるようになって
いる。
【0016】図3は上記の自動変速機1の歯車列の一例
を示す図であり、ここに示す構成では、前進5段・後進
1段の変速段を設定するように構成されている。すなわ
ちここに示す自動変速機1は、トルクコンバータ30
と、副変速部31と、主変速部32とを備えている。そ
のトルクコンバータ30は、ロックアップクラッチ33
を有しており、このロックアップクラッチ33は、ポン
プインペラ34に一体化させてあるフロントカバー35
とタービンランナ36を一体に取付けた部材(ハブ)3
7との間に設けられている。エンジンのクランクシャフ
ト(それぞれ図示せず)はフロントカバー35に連結さ
れ、またタービンランナ36を連結してある入力軸38
は、副変速部31を構成するオーバードライブ用遊星歯
車機構39のキャリヤ30に連結されている。
【0017】この遊星歯車機構39におけるキャリヤ4
0とサンギヤ41との間には、多板クラッチC0 と一方
向クラッチF0 とが設けられている。なお、この一方向
クラッチF0 はサンギヤ41がキャリヤ40に対して相
対的に正回転(入力軸38の回転方向の回転)する場合
に係合するようになっている。またサンギヤ41の回転
を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。
そしてこの副変速部31の出力要素であるリングギヤ4
2が、主変速部32の入力要素である中間軸43に接続
されている。
【0018】したがって副変速部31は、多板クラッチ
C0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊
星歯車機構39の全体が一体となって回転するため、中
間軸43が入力軸38と同速度で回転し、低速段とな
る。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ41の回転
を止めた状態では、リングギヤ42が入力軸38に対し
て増速されて正回転し、高速段となる。
【0019】他方、主変速部32は三組の遊星歯車機構
50,60,70を備えており、それらの回転要素が以
下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構
50のサンギヤ51と第2遊星歯車機構60のサンギヤ
61とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機
構50のリングギヤ53と第2遊星歯車機構60のキャ
リヤ62と第3遊星歯車機構70のキャリヤ72との三
者が連結され、かつそのキャリヤ72に出力軸80が連
結されている。さらに第2遊星歯車機構60のリングギ
ヤ63が第3遊星歯車機構70のサンギヤ71に連結さ
れている。
【0020】この主変速部32の歯車列では後進段と前
進側の四つの変速段とを設定することができ、そのため
のクラッチおよびブレーキが以下のように設けられてい
る。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されて
いる第2遊星歯車機構60のリングギヤ63および第3
遊星歯車機構70のサンギヤ71と中間軸43との間に
第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第
1遊星歯車機構50のサンギヤ51および第2遊星歯車
機構60のサンギヤ61と中間軸43との間に第2クラ
ッチC2 が設けられている。
【0021】つぎにブレーキについて述べると、第1ブ
レーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機
構50および第2遊星歯車機構60のサンギヤ51,6
1の回転を止めるように配置されている。またこれらの
サンギヤ51,61(すなわち共通サンギヤ軸)とケー
シング81との間には、第1一方向クラッチF1 と多板
ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されて
おり、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ41,5
1が逆回転(入力軸38の回転方向とは反対方向の回
転)しようとする際に係合するようになっている。多板
ブレーキである第3ブレーキB3 は第1遊星歯車機構5
0のキャリヤ52とケーシング81との間に設けられて
いる。そして第3遊星歯車機構70のリングギヤ73の
回転を止めるブレーキとして多板ブレーキである第4ブ
レーキB4 と第2一方向クラッチF2 とがケーシング8
1との間に並列に配置されている。なお、この第2一方
向クラッチF2 はリングギヤ73が逆回転しようとする
際に係合するようになっている。
【0022】上述した各変速部31,32の回転部材の
うち副変速部31のクラッチC0 の回転数を検出するC
0 センサ82と、出力軸80の回転数を検出する車速セ
ンサ83とが設けられている。
【0023】上記の自動変速機1では、各クラッチやブ
レーキを図4の作動表に示すように係合・解放すること
により前進5段・後進1段の変速段を設定することがで
きる。なお、図4において○印はオン状態あるいは係合
状態、×印はオフ状態あるいは解放状態、◎印はロック
アップクラッチのオン制御状態、●印は変速中にデュー
ティ制御することをそれぞれ示す。
【0024】図4の作動表に示すように、副変速部31
をオーバードライブ状態と直結状態とに切り換える制御
と第1速および第3速でエンジンブレーキを効かせる制
御とを第3ソレノイドバルブS3 でおこなうようになっ
ており、そのために図5に示す油圧回路が設けられてい
る。図5はこの発明に関係する主要部分のみを示してお
り、そのうちの更に特徴的な部分を模式的に示せば、図
6のとおりである。
【0025】第3ソレノイドバルブS3 は、オフ状態で
信号圧を出力するノーマルオープタイプのバルブであっ
て、主として副変速部31を切換え制御するために設け
られており、図5および図6に示す構成では、これを第
1速と第3速とのエンジンブレーキを制御するために転
用するようになっている。より具体的には、第3ソレノ
イドバルブS3 は、副変速部31をオーバードライブ状
態に設定する第5速および後進段でオフ制御されて信号
圧(パイロット圧)を出力することに加え、ドライブ
(D)レンジの第1速および第3速でオフ制御されて信
号圧を出力するが、このDレンジの第1速および第3速
では、第3ソレノイドバルブS3 の信号圧をB2 リリー
スコントロールバルブによっていわゆる反転制御し、こ
れら第1速あるいは第3速でエンジンブレーキを効かせ
るためのブレーキB1 ,B4 への油圧の供給を遮断する
ようになっている。
【0026】すなわち図6において、 3-4シフトバルブ
100は第1〜3速および第4,5速のそれぞれで図の
下側に記号で示すように各ポートが連通させられるスプ
ールバルブであり、第3ソレノイドバルブS3 はポート
101に接続されている。このポート101は、第1〜
3速ではポート102に連通させられ、このポート10
2からB2 リリースコントロールバルブ130の制御ポ
ート131に信号圧を送るようになっている。またポー
ト101は第4,5速でポート103に連通させられ、
ここから 4-5シフトバルブに信号圧を送るようになって
いる。
【0027】B2 リリースコントロールバルブ130
は、4つのランドのあるスプール132を有しており、
制御ポート131に信号圧が供給されることによりスプ
ール132が図6の左半分に示す位置に下がり、また反
対に制御ポート131から排圧されることによりスプー
ル132が図6の右半分に示す位置に押し上げられるよ
うになっている。このB2 リリースコントロールバルブ
130のポートのうちエンジンブレーキ圧出力ポート1
33を挟んでDレンジ圧入力ポート134とエンジンブ
レーキレンジ圧入力ポート135とが形成されている。
そして第3ソレノイドバルブS3 が信号圧を出力してい
ることによりスプール132が図6の左半分に示す位置
にあるときに、エンジンブレーキレンジ圧入力ポート1
35がエンジンブレーキ圧出力ポート133に連通す
る。
【0028】また第3ソレノイドバルブS3 が信号圧を
出力していないことによりスプール132が図6の右半
分に示す位置にあるときに、Dレンジ圧入力ポート13
4がエンジンブレーキ圧出力ポート133に連通する。
ここで第3ソレノイドバルブS3 はDレンジの第1速な
いし第3速でオフ制御されて信号圧を出力するが、この
場合は、前記Dレンジ圧入力ポート134が閉じられ、
またエンジンブレーキレンジ圧は発生していないから、
エンジンブレーキ圧出力ポート133から油圧が出力さ
れない。
【0029】上記のエンジンブレーキ圧出力ポート13
3はコーストブレーキコントロールバルブ150の入力
ポート151に接続されている。このコーストブレーキ
コントロールバルブ150は、入力された油圧を調圧し
て出力するバルブであり、2つのランドを形成したスプ
ール152と、その一端側に配置したプランジャ153
と、スプール152とプランジャ153との間に配置し
たスプリング154とを有している。そして入力ポート
151側のランドにはその両端面に開口する貫通孔が形
成され、出力圧をスプール152の端面に作用させるよ
うになっている。またプランジャ153の端部にはアキ
ュームレータ背圧コントロール圧PACCが供給され、こ
れにより調圧レベルを変えるようになっている。そして
入力ポート151に選択的に連通させられる出力ポート
155から第1速あるいは第3速でのエンジンブレーキ
用摩擦係合装置である第1ブレーキB1 もしくは第4ブ
レーキB4 に対して油圧を出力するようになっている。
【0030】すなわちDレンジ圧の発生するDレンジで
の第1速および第3速では、第3ソレノイドバルブS3
がオフ制御されて信号圧を出力していても、Dレンジ圧
がB2 リリースコントロールバルブ130で遮断される
から、第1ブレーキB1 あるいは第4ブレーキB4 に油
圧が送られず、これらが解放状態となるので、エジンブ
レーキは効かない。すなわち第3ソレノイドバルブS3
がいわゆる反転制御される。
【0031】これに対して第1速でエンジンブレーキを
効かせるLレンジでは、第3ソレノイドバルブS3 がオ
ン制御されて信号圧を出力しないから、B2 リリースコ
ントロールバルブ130のスプール132は図6の右半
分に示す位置に押し上げられ、その結果、Dレンジ圧入
力ポート134と出力ポート133とが連通してDレン
ジ圧が第4ブレーキB4 に送られ、これが係合する。ま
た第3速でエンジンブレーキを効かせる“3”レンジあ
るいは2レンジにおいても、第3ソレノイドバルブS3
がオン制御されるから、上述したLレンジでの第1速の
場合と同様に、コーストブレーキコントロールバルブ1
50を介して第1ブレーキB1 に油圧が送られてこれが
係合し、エンジンブレーキを効かせることができる。
【0032】またDレンジにおいて第3ソレイドバルブ
S3 がオフフェールした場合には、B2 リリースコント
ロールバルブ130のDレンジ圧入力ポート134が閉
じられるからエンジンブレーキが効くことはなく、した
がって変速ショックを防止することができる。
【0033】さらにB2 リリースコントロールバルブ1
30のスプール132が図6の右半分に示す位置に固定
されてしまういわゆるバルブスティックが生じた場合、
エンジンブレーキ圧入力ポート135と出力ポート13
3とが常時連通するので、エンジンブレーキレンジであ
る“3”レンジあるいは“2”レンジにおいて出力ポー
ト133から油圧を出力でき、第3速において第1ブレ
ーキB1 を係合させてエンジンブレーキを効かせること
ができる。
【0034】なお、エンジンブレーキ圧入力ポート13
5に連通する油路にオリフィス136を設けてあるの
は、第1ブレーキB1 と第2ブレーキB2 との干渉を避
けるためであり、第1ブレーキB1 を第3速で係合させ
る場合、第2ブレーキB2 の係合を先行させるべくオリ
フィス136により油圧の供給速度を遅くする。
【0035】つぎに図5に示す油圧回路についてさらに
具体的に説明する。なお、作図の都合上、図5を複数の
部分に分割して示す第6図ないし第8図を参照して以下
に説明する。
【0036】先ず、B2 リリースコントロールバルブ1
30について説明すると、図7にはB2 リリースコント
ロールバルブ130を図6とは上下を反転して記載して
あり、前述した各ポートの接続状態に加え、B2 ポート
137には第2ブレーキB2が接続されており、このB2
ポート137に選択的に連通されるポート138には
チェックボール付きオリフィス139を介して油路14
0が接続されている。また第2ブレーキB2 はオリフィ
ス141を介してこの油路140に連通されている。し
たがってB2 ポート137をポート138に連通させる
ことにより、第2ブレーキB2 はオリフィス141のみ
ならずチェックボール付きオリフィス139をも介して
油路140に連通されるので、その排圧速度が増大させ
られる。このようにB2 リリースコントロールバルブ1
30は、その制御ポート131に第3ソレノイドバルブ
S3 の信号圧を供給し、あるいは排圧することにより、
第2ブレーキB2 からの排圧速度すなわち第2ブレーキ
B2 の解放速度を緩急に切り換えるように構成されてい
る。
【0037】他方、エンジンブレーキレンジ圧入力ポー
ト135に接続された油路142は、前述したオリフィ
ス(ダブルオリィス)136を有するとともに、排圧方
向で開くチェックボール付きオリフィス143がダブル
オリフィス136に対して並列に設けられている。そし
てこの油路142は後述する 1-2シフトバルブに接続さ
れている。
【0038】つぎに 3-4シフトバルブ100について説
明すると、前述したポート101,102,103の連
通状態を切り換えるスプール104は6つのランドを有
しており、中間部分に形成されたブレーキポート105
には第1ブレーキB1 が接続されている。またこのブレ
ーキポート105に隣接する入力ポート106は、後述
する 2-3シフトバルブを介してコーストブレーキコント
ロールバルブ150に連通されている。そして前述した
ポート103は油路107を介して 4-5シフトバルブ1
70の制御ポート171に連通されている。この 4-5シ
フトバルブ170は、前記副変速部31をオーバードラ
イブ状態あるいは直結状態に制御するためのバルブであ
って、ライン圧油路PL を接続してある入力ポート17
2に対して選択的に連通されるブレーキポート173
に、副変速部31におけるブレーキB0 が接続されてい
る。また入力ポート172に対し前記ブレーキポート1
73とは反対側に位置する出力ポート174は、油路1
75を介してC0 エキゾーストバルブ190に接続され
ている。
【0039】そしてこの 4-5シフトバルブ170は5つ
のランドを有するスプール176によってポートの連通
状態を切り換えるよう構成されており、油路107を介
して第3ソレノイドバルブS3 の信号圧が制御ポート1
71に加えられると、スプール176が図7の右半分に
示す位置に押し下げられ、その結果、入力ポート172
がブレーキポート173に連通してブレーキB0 に油圧
が供給される。これとは反対に制御ポート171から排
圧されると、スプール176を図7の左半分に示す位置
に押し上げられ、その結果、入力ポトー172が出力ポ
ート174に連通され、C0 エキゾーストバルブ150
に油圧が送られる。なお、図7において符号210はソ
レノイドリレーバルブを示し、ロックアップ用リニアソ
レノイドバルブSLUからの信号圧の給排を制御し、また
第3ブレーキB3 への油圧の給排を制御するように構成
されている。なお、その他の油路の接続状態は図5に示
すとおりである。
【0040】図8において、コーストブレーキコントロ
ールバルブ150の入力ポート151には、前述したB
2 リリースコントロールバルブ130のポート133に
接続させた油路156が接続されており、また出力ポー
ト155には調圧したブレーキ圧を第1ブレーキB1 あ
るいは第4ブレーキB4 に対して出力するための油路1
57が接続されている。また、これらの油路156,1
57はチェックボール付きオリフィス158を介して相
互に接続されており、第1ブレーキB1 あるいは第4ブ
レーキB4 から排圧するときは、このチェックボール付
きオリフィス158が開くようになっている。
【0041】ブレーキ圧の供給先を第1ブレーキB1 あ
るいは第4ブレーキB4 に切り換える制御は、 2-3シフ
トバルブ230によって行われる。 2-3シフトバルブ2
30は、7つのランドを有するスプール231によって
ポートの連通状態の切り換えをおこなうバルブであっ
て、スプール231の一端側にスプリング232が設け
られるとともに、この端部に開口するホールドポート2
33には、Lレンジ圧が供給されるようになっている。
ブレーキ圧を供給する油路157は、中間部のポート2
34に連通されており、このポート234に対し図8で
の上側の出力ポート235が前述した 3-4シフトバルブ
100の入力ポート106に接続されている。またポー
ト234に対して図8での下側に位置する第2の出力ポ
ート236は、油路237を介して 1-2シフトバルブに
接続されている。この 2-3シフトバルブ230は、主と
して第2ソレノイドバルブS2 によって制御されるバル
ブであって、第1速、第2速、ニュートラルレンジおよ
びRレンジでスプール231が図8の左半分に示す位置
に押し上げられ、また第3速ないし第5速でスプール2
31が図8の右半分に示す位置に押し下げられるよう構
成されている。
【0042】したがって第1速でエンジンブレーキを効
かせる場合には、ポート234が第2の出力ポート23
6に連通させられて、ここからブレーキ圧を出力し、ま
た第3速でエンジンブレーキを効かせる場合にはポート
234が出力ポート235に連通させられてここからブ
レーキ圧を 3-4シフトバルブ100を介して第1ブレー
キB1 に供給するように構成されている。なお、第2ブ
レーキB2 はポート238に接続されている。
【0043】第1速でエンジンブレーキを効かせる際に
係合させられる第4ブレーキB4 は、シャトルバルブ2
40を介して 1-2シフトバルブ250に接続されてい
る。この 1-2シフトバルブ250は4つのランドを有す
るスプールによってポートの連通状態を切り換えるバル
ブであって、前記 2-3シフトバルブ230の第2出力ポ
ート236が入力ポート252に接続されており、この
入力ポート252とドレインポート253とに選択的に
連通される出力ポート254にシャトルバルブ240が
接続されている。
【0044】またエンジンブレーキレンジ圧を前記B2
リリースコントロールバルブ130に供給する油路14
2が他の出力ポート255に接続されており、この出力
ポート255に選択的に連通されるエンジンブレーキポ
ート256には、“3”レンジ圧を供給する油路257
と“2”レンジ圧を供給する油路258とが接続されて
いる。この 1-2シフトバルブ250のスプール251は
第1速、ニュートラルレンジおよびRレンジにおいて図
8の右半分に示す位置に押し下げられる。したがってこ
の状態では、入力ポート252が出力ポート254に連
通する。また第2速ないし第5速ではスプール251が
図8の左半分に示す位置に押し上げられ、その結果、エ
ンジンブレーキポート256が他の出力ポート255に
連通する。なお、他の油路の接続状態は図8に示すとお
りである。
【0045】ここでマニュアルバルブ260について説
明すると、これは、従来から知られているものと同様で
あって、パーキング(P)レンジ、Rレンジ、ニュート
ラル(N)レンジ、Dレンジ、“3”レンジ、“2”レ
ンジおよびLレンジの7ポジションを設定することので
きるバルブであり、Dレンジを設定した場合には、Dレ
ンジ圧をDポート261から出力し、また“3”レンジ
を設定した場合には、Dポート261および“3”ポー
ト262から油圧を出力し、この“3”ポートから出力
される油圧がいわゆる“3”レンジ圧である。また
“2”レンジを設定した場合に、Dポート261および
“3”ポート262ならびに“2”ポート263から油
圧を出力するようになっている。
【0046】なお、“3”ポート262には、前述した
油路257が接続され、また“2”ポート263には、
前記油路258が接続されている。そしてLレンジに設
定した場合には、Dポート261、“3”ポート26
2、“2”ポート263およびLポート264から油圧
を出力し、このLポート264から出力した油圧が前記
2-3シフトバルブ230のホールドポート233に供給
される。なおまた、“2”ポート263から出力される
油圧がいわゆる“2”レンジ圧である。
【0047】また図8における符号270はB3 コント
ロールバルブを示し、ソレノイドリレーバルブ210を
介して供給されるリニアソレノイドバルブSLUの信号圧
を制御ポート271に供給することにより調圧レベルを
変え、第2速を設定する際に係合させる第3ブレーキB
3 への供給油圧を制御するように構成されている。この
B3 コントロールバルブ270の構成は従来から知られ
ているので、図8に主な油路の接続状態を示してその説
明を省略する。
【0048】なお、前記C0 エキゾーストバルブ190
は副変速部31のクラッチC0 を制御するためのバルブ
であって、Dレンジの第2速では第1制御ポート191
に油圧が供給されることにより、第1速ないし第4速お
よびNレンジでDレンジ圧が供給される第1入力ポート
192を閉じるようになっている。またこの時、“2”
レンジ圧が入力される第2入力ポート193が出力ポー
ト194に連通されるようになっている。したがってD
レンジの第2速では、油圧を出力しないためにクラッチ
C0 が解放され、また“2”レンジおよびLレンジで
は、第2入力ポート193に“2”レンジ圧が供給され
るので、クラッチC0 が係合してエンジンブレーキが効
くようになっている。さらに第2制御ポート195に
は、リニアソレノイドバルブSLUの信号圧が供給される
ようになっている。
【0049】なお、図9において符号280はリニアソ
レノイドバルブSLTによって制御されるリレーバルブで
あり、また符号290はアキュームレータを示す。さら
に符号295は、アキュームレータ背圧PACC を調圧す
るためのアキュームレータコントロールバルブを示す。
【0050】したがって図5あるいは図7ないし図9に
示す油圧回路を備えた制御装置において、Dレンジの第
1速では第3ソレノイドバルブS3 がオフ制御されてそ
の信号圧が 3-4シフトバルブ100を介してB2 リリー
スコントロールバルブ130の制御ポート131に入力
される。その結果、B2 リリースコントロールバルブ1
30のスプール132が図5あるいは図7の右半分に示
す位置に押し上げられてDレンジ圧の供給されるポート
134を遮断する。そのためにDレンジ圧がコーストブ
レーキコントロールバルブ150に送られないので、第
4ブレーキB4は解放されたままとなり、エンジンブレ
ーキが効くことはない。したがってDレンジの第1速を
設定するにあたって、第3ソレノイドバルブS3 がたと
えオフフェールしたとしても、第4ブレーキB4 が係合
することはないので、第1速からの変速あるいは第1速
への変速の際に変速ショックが悪化するなどの不都合は
生じない。
【0051】なお、第1速でエンジンブレーキを効かせ
る必要のあるLレンジにおいては、第3ソレノイドバル
ブS3 がオン制御されるからB2 リリースコントロール
バルブ130の制御ポート131から排圧され、その結
果、スプール132が図5あるいは図7の左半分に示す
位置に押し下げられるので、Dレンジ圧がポート134
およびポート133を介してコーストブレーキコントロ
ールバルブ150に出力され、ここから 2-3シフトバル
ブ230および 1-2シフトバルブ250ならびにシャト
ルバルブ240を介して第4ブレーキB4 に油圧が供給
される。すなわち第4ブレーキB4 が係合してエンジン
ブレーキを効かせることができる。
【0052】また一方、Dレンジの第3速を設定する際
にも第3ソレノイドバルブS3 がオフ制御されるから、
第1速の場合と同様に、B2 リリースコントロールバル
ブ130のポート134が閉じられてDレンジ圧がカッ
トされるので、第1ブレーキB1 に油圧が供給されず、
これが解放されたままとなるので、エンジンブレーキが
効くことはない。
【0053】これに対して第3速でエンジンブレーキを
効かせる“3”レンジおよび“2”レンジでは、第3ソ
レノイドバルブS3 がオン制御されるから、B2 リリー
スコントロールバルブ130の制御ポート131から排
圧され、その結果、Dレンジ圧がポート134およびポ
ート133を介してコーストブレーキコントロールバル
ブ150に供給され、ここで調圧されたエンジンブレー
キ圧が 2-3シフトバルブ230および 3-4シフトバルブ
100を介して第1ブレーキB1 に供給され、これが係
合することによりエンジンブレーキを効かせることがで
きる。換言すれば、第3速でエンジンブレーキを効かせ
るためにはDレンジ圧が使用されるから、Dレンジにお
いても同様に制御することにより第3速でエンジンブレ
ーキを効かせることができる。
【0054】この“3”レンジあるいは“2”レンジの
第3速において、第3ソレノイドバルブS3 がオフフェ
ールした場合、B2 リリースコントロールバルブ130
の制御ポート131に油圧が供給されるために、Dレン
ジ圧の入力されているDレンジ圧入力ポート134が閉
じられる替わりに、エンジンブレーキレンジ圧の供給さ
れているエンジンブレーキレンジ圧入力ポート135が
出力ポート133に連通するので、ここからエンジンブ
レーキレンジ圧がコーストブレーキコントロールバルブ
150に供給される。その結果、ここで調圧されたエン
ジンブレーキ圧が第1ブレーキB1 に供給されてこれが
係合するので、たとえ第3ソレノイドバルブS3 がオフ
フェールしてもエンジンブレーキを効かせることができ
る。したがってDレンジで第3ソレノイドバルブS3 が
オフフェールすれば、エンジンブレーキを効かせること
ができない。
【0055】なお、B2 リリースコントロールバルブ1
30のエンジンブレーキレンジ圧入力ポート135にエ
ンジンブレーキレンジ圧を供給する場合、ダブルオリフ
ィス136を介して供給することになるので、第1ブレ
ーキB1 の油圧の立ち上がりを緩和することができ、そ
の結果、第1ブレーキB1 と第2ブレーキB2 との干渉
を避けることができる。
【0056】上述した自動変速機1では、前進5段の変
速段を設定することができ、そのうちの第4速と第5速
とは一方向クラッチを使用することなく設定されるか
ら、これらの変速段でエンジンブレーキを効かせること
ができる。これに対して第3速は第1の一方向クラッチ
F1 を係合させて設定されるから、そのままではエンジ
ンブレーキを効かせることができないが、第3ソレノイ
ドバルブS3 をオン制御すれば、第1ブレーキB1 が係
合することにより第3速でエンジンブレーキを効かせる
ことができる。したがって登降坂制御時には、これらの
第3速から第5速の変速段を適宜に設定する。
【0057】ここで登降坂制御について説明すると、こ
の制御は、車両の走行状態に基づいてアップシフトを禁
止もしくは抑制し、またエンジンブレーキを効かせる制
御である。具体的には、D(ドライブ)レンジで走行し
ている状態で、スロットル開度と車両の加速度とに基づ
いて登坂状態あるいは降坂状態が判断され、その判断が
成立することにより、最高速段(オーバードライブ段)
を制限する。したがって上記の自動変速機では、登降坂
制御が開始されることによって、第5速の走行状態であ
っても第3速もしくは第4速が設定される。
【0058】しかしながら登降坂制御のためのこれらの
変速段の設定は、ソレノイドバルブを電気的に制御して
実行されるから、電気的なフェールが生じた場合には、
登降坂制御をおこなえなくなる。そこでこの発明の制御
装置は、フェールの判定とそれに基づく変速段の設定を
以下に述べるように実行する。
【0059】図1はその制御例を説明するためのフロー
チャートであって、データの読み込みなどの入力信号の
処理(ステップ1)をおこなった後に、登降坂制御を実
行する条件が成立しているか否かが判断される(ステッ
プ2)。この登降坂制御は上述したとおりである。した
がってこのステップ2では中間の変速段でエンジンブレ
ーキを効かせることが要求されているか否かを判断する
ことになるので、このステップ2がこの発明のエンジン
ブレーキ判断手段に相当する。
【0060】登降坂制御を実行する状態にないことによ
りステップ2で否定判断された場合には特に制御をおこ
なうことなくリターンし、また登降坂制御をおこなう条
件が成立していることによりステップ2で肯定判断され
た場合には、第3ソレノイドバルブS3 がオフフェール
しているか否かが判断される(ステップ3)。ここでオ
フフェールとは、オフ状態のままになってしまい、オン
状態に切り換えることのできない故障状態であり、これ
は、断線などの電気的な故障やバルブスティックなどの
機械的故障を含む。またこのステップ3の判断は、電気
的な指示信号の出力状態と自動変速機1での油圧の状態
とに基づいて判断することができる。
【0061】前述したように第3ソレノイドバルブS3
は、第3速でオン制御されてコーストブレーキである第
1ブレーキB1 に油圧を供給してこれを係合させ、また
第4速でオン制御されて第4速を設定する。これは、図
4に示すとおりである。したがって第3ソレノイドバル
ブS3 がオフ状態に固定される故障(フェール)が生じ
ると、第3速でエンジンブレーキを効かせることができ
ず、また第4速を設定することもできなくなる。すなわ
ちこのステップ3がこの発明のフェール判断手段および
高速段可能状態判断手段に相当し、このステップ3で肯
定判断された場合、すなわち第3ソレノイドバルブS3
がオフフェールしていれば、登降坂制御を中止する(ス
テップ4)。オーバードライブ段である第5速を制限す
ることに伴って設定するべき第4速がフェールにより設
定することができず、しかもそれより低速側の第3速で
はエンジンブレーキを効かせることができないからであ
る。
【0062】他方、第3ソレノイドバルブS3 が正常に
機能していてステップ3で否定判断された場合には、第
2ソレノイドバルブS2 がオフフェールしているか否か
が判断される(ステップ5)。図4に示すように、第3
速は第1ソレノイドバルブS1 をオフ、第2ソレノイド
バルブS2 をオンに制御して設定されるから、このステ
ップ5では第3速を設定できるか否かを判断することに
なる。したがってこのステップ5が上記のステップ3と
併せてこの発明のフェール判断手段に相当する。
【0063】したがって第2ソレノイドバルブS2 がオ
フフェールしていることによりステップ5で肯定判断さ
れた場合には、第4速と第5速とを使用して登降坂制御
をおこなう(ステップ6)。第2ソレノイドバルブS2
のオフフェールによって第3速を設定できない替わり
に、第4速および第5速では、エンジンブレーキを効か
せることができるからである。なお、登降坂制御は、登
降坂時にオーバードライブ段を制限する制御であるか
ら、実際には登降坂時に第5速に替えて第4速を設定す
ることになる。したがってこのステップ6がこの発明で
のエンジンブレーキ実行手段に相当する。
【0064】またステップ5で否定判断された場合に
は、フェールがないことになるので、第3速ないし第5
速の変速段を使用して登降坂制御を実行する(ステップ
8)。すなわちエンジンブレーキの効く状態での第3速
および第4速ならびに第5速を車両の走行状態に応じて
適宜に選択して設定する。なお、登降坂制御は登降坂時
にオーバードライブ段を制限する制御であるから、実際
には登降坂状態が検出されることによりエンジンブレー
キの効く第3速もしくは第4速が設定される。
【0065】上記のように登降坂制御のための変速段と
して第3速を採用するのは、第3速でエンジンブレーキ
を効かせることができるためであり、したがって上記の
ステップ7の前段で第3速でエンジンブレーキを効かせ
ることができるか否かの判断をおこなうこととしてもよ
い。この判断は、具体的には、第3速でエンジンブレー
キ状態を達成するために必要なリニアソレノイドバルブ
SLN,SLTあるいはコーストブレーキコントロールバル
ブ150のフェールを判断することによりおこなえばよ
い。
【0066】したがって上記の制御装置によれば、第3
速でエンジンブレーキを効かせることができない場合に
は、この第3速を除き、それより高速段側の変速段を使
用して登降坂制御をおこなうから、登降坂制御中にエン
ジンブレーキが効かない状態が生じるなどの不都合を未
然に防止することができる。
【0067】なお、上記の例は、図3に示すギヤトレー
ンを有する自動変速機を対象とする制御装置を例に採っ
たものであるが、この発明は上記の例に限定されないの
であり、他のギヤトレーンを備えた自動変速機を対象と
する制御装置にも適用することができ、したがってフェ
ールを判断する変速段は第3速に限定されない。さらに
上記の例では、登降坂制御の際にフェールが生じた場合
を例に採って説明したが、この発明は、要は、車両の走
行状態に基づいて自動的にエンジンブレーキ状態を設定
する制御をおこなう場合に適用することができ、上述し
た具体例に限定されない。
【0068】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の制御装置
によれば、走行状態に応じてエンジンブレーキの効く変
速段が選択されて設定される自動変速機において、選択
されるエンジンブレーキの効く変速段を設定することに
異常があり、その変速段を設定できずあるいはエンジン
ブレーキ状態とすることができない場合には、その変速
段より高速段側のエンジンブレーキの効く変速段を選択
的に設定してエンジンブレーキを効かせるから、エンジ
ンブレーキ状態を可及的に確保することができ、その結
果、運転者によるシフト操作の頻度を低下させ、ドライ
バビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による制御の一例を説明するためのフ
ローチャートである。
【図2】この発明の一実施例を模式的に示すブロック図
である。
【図3】この発明で対象とする自動変速機の歯車変速機
構を主として示すスケルトン図である。
【図4】各走行レンジおよび変速段でのソレノイドバル
ブのオン・オフ状態および各摩擦係合装置の係合・解放
状態を示す図表である。
【図5】この発明の一実施例の主要な油圧回路部分を示
す図である。
【図6】この発明にかかる主要油圧回路部分を取り出し
て概略的に示す部分油圧回路図である。
【図7】図5に示す油圧回路の一部を示す図である。
【図8】図5に示す油圧回路の他の部分を示す図であ
る。
【図9】図5に示す油圧回路の更に他の部分を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 自動変速機 150 コーストブレーキコントロールバルブ B1 第1ブレーキ S2 第2ソレノイドバルブ S3 第3ソレノイドバルブ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンブレーキの効く変速段を、走行
    状態に基づいて選択して設定する自動変速機の変速制御
    装置において、 所定の変速段をエンジンブレーキの効く状態で設定する
    ことの要求を判断するエンジンブレーキ判断手段と、 その変速段をエンジンブレーキの効く状態で設定する要
    求があったことをエンジンブレーキ判断手段が判断した
    場合に、該変速段をエンジンブレーキ状態で設定できな
    いことを判断するフェール判断手段と、 前記変速段をエンジンブレーキを効かせる状態で設定で
    きないことをフェール判断手段が判断した場合に、その
    変速段より高速段側の変速段をエンジンブレーキの効く
    状態で設定できることを判断する高速段可能状態判断手
    段と、 前記高速段側の変速段をエンジンブレーキの効く状態で
    設定できることが前記高速段可能状態判断手段によって
    判断された場合に、その高速段側のエンジンブレーキの
    効く変速段を設定することによりエンジンブレーキを効
    かせるエンジンブレーキ実行手段とを備えていることを
    特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001193827A (ja) * 1999-12-28 2001-07-17 Hyundai Motor Co Ltd 車両用自動変速機の油圧制御システム及び車両用自動変速機のパワートレイン

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