JPH11302999A - 粘着剤付紙シート - Google Patents

粘着剤付紙シート

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JPH11302999A
JPH11302999A JP13125098A JP13125098A JPH11302999A JP H11302999 A JPH11302999 A JP H11302999A JP 13125098 A JP13125098 A JP 13125098A JP 13125098 A JP13125098 A JP 13125098A JP H11302999 A JPH11302999 A JP H11302999A
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裕之 荻野
Yoshihiko Nishimura
善彦 西村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】湿度の影響によるしわ、浮き、たるみ、剥がれ
などを完全に防ぐことができ、また貼り付けや貼り直し
作業を容易に行うことができ、しかも紙シート表面に粘
着剤がしみ出たり、紙シートの端から粘着剤が流出する
ことがなく、更に、表面の汚れを防止することができる
とともに、縁部が反って全体がカールするのを防ぐこと
ができ、且つ製造が容易で破れにくい粘着剤付紙シート
の提供にある。 【解決手段】表面フィルム層、紙層、内部フィルム層及
び粘着剤層が順次積層されてなる粘着剤付紙シートであ
って、該紙層は表裏両面に凹凸が形成されて波状とされ
てなることを特徴とする粘着剤付紙シート及び、前記内
部フィルム層の引っ張り強度を1とし、厚みを1とした
時に、表面フィルム層の内部フィルム層に対する引っ張
り強度の比率と厚みの比率の積が0.5〜2.0となる
ことを特徴とする請求項1記載の粘着剤付紙シートとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粘着剤付紙シートに
関し、その目的は、湿度の影響によるしわ、浮き、たる
み、剥がれなどを完全に防ぐことができ、また貼り付け
や貼り直し作業を容易に行うことができ、しかも紙シー
ト表面に粘着剤がしみ出たり、紙シートの端から粘着剤
が流出することがなく、更に、表面の汚れを防止するこ
とができるとともに、縁部が反って全体がカールするの
を防ぐことができ、且つ製造が容易で破れにくい粘着剤
付紙シートを提供することにある。
【0002】
【従来の技術】襖紙や壁紙等の紙シートの貼り付けは、
昔は技能を有する職人が行うのが一般的であった。しか
し最近では、素人でも簡便に且つ美しく貼り付けること
ができるように、紙の裏面に予め接着剤層が設けられた
種々の紙シートが存在している。即ち、簡便に貼り付け
を行えることが、優れた紙シートに求められる第一の条
件となっている。その他、湿度の影響によるしわ、浮
き、たるみ、剥がれなどを防ぐことができる、貼り直し
作業を容易に行うことができる、紙シート表面に粘着剤
がしみ出たり、紙シートの端から粘着剤が流出したりす
ることがない等が、優れた紙シートの条件となってい
る。
【0003】上記したような条件を満たす紙シートとし
て、本発明者らは、既に、特願平9−367352号に
おいて、図6に示すような粘着剤付紙シートを提案して
いる。この粘着剤付紙シート(A)は、図示の如く、凹
凸が形成されて波状とされてなる紙層(B)、フィルム
層(C)、粘着剤層(D)が順次積層されてなるもので
ある。この紙シート(A)においては、紙層(B)が波
状とされており、且つ紙層(B)と粘着剤層(D)の間
にフィルム層(C)が設けられているので、湿度の影響
によるしわ、浮き、たるみ、剥がれなどを防ぐことがで
きるとともに、紙シート(A)の表面に粘着剤がしみ出
たり、紙シート(A)の端から粘着剤が流出するのを防
ぐことができ、また、粘着剤に合成樹脂エマルションを
用いた場合には、貼り付けや貼り直し作業をより容易に
行うことができるなど、非常に優れたものである。
【0004】また、図6に示す粘着剤付紙シート(A)
は破れ易く、しかも表面が紙層(B)からなるため表面
が汚れやすいという欠点を有しているので、表面に塩化
ビニル樹脂を塗布するなど、汚れ防止処理や破れ防止処
理を施す試案例が本発明者らにより創出されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、表現性
を重視するあまり、ボリューム感を出すために表面に塩
化ビニル樹脂などの合成樹脂層を設けると、フィルム層
(C)に用いる合成樹脂と塩化ビニル樹脂の吸水や吸熱
による伸長率が大きく異なるために、湿度などの影響に
より紙シート(A)の縁部が反って全体がカールしてし
まうことがあるという問題があった。また、特開昭53
−119313号において、凹凸模様を有し、且つ汚れ
防止効果を有する化粧紙の製造方法が開示されている
が、この方法は表面にフィルム層を積層した後にエンボ
ス加工を施す方法であるため、エンボスロールの押圧に
より表面のフィルム層にピンホールが生じ、十分な防汚
効果を得ることができないという欠点を有していた。
【0006】そこで、表面の汚れを十分に防止すること
ができるとともに、縁部が反って全体がカールしてしま
うのを防ぐことができ、しかも製造が容易で破れにくい
粘着剤付紙シートの創出が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するためになされたものであって、請求項1に係る発
明は、表面フィルム層、紙層、内部フィルム層及び粘着
剤層が順次積層されてなる粘着剤付紙シートであって、
該紙層は表裏両面に凹凸が形成されて波状とされてなる
ことを特徴とする粘着剤付紙シートに関し、請求項2に
係る発明は、前記内部フィルム層の引っ張り強度を1と
し、厚みを1とした時に、表面フィルム層の内部フィル
ム層に対する引っ張り強度の比率と厚みの比率の積が
0.5〜2.0となることを特徴とする請求項1記載の
粘着剤付紙シートに関し、請求項3に係る発明は、前記
表面フィルム層と内部フィルム層が同じ材質、同じ厚み
のフィルムからなることを特徴とする請求項1記載の粘
着剤付紙シートに関する。また、請求項4に係る発明
は、前記表面フィルム層がポリオレフィン系樹脂のフィ
ルムからなることを特徴とする請求項1乃至3記載の粘
着剤付紙シートに関し、請求項5に係る発明は、前記表
面フィルム層の表面に更に異種材が貼り付けられて、装
飾加工が施されてなることを特徴とする請求項1乃至4
記載の粘着剤付紙シートに関する。
【0008】請求項6に係る発明は、粘着剤層が合成樹
脂エマルションからなることを特徴とする請求項1乃至
5記載の粘着剤付紙シートに関し、請求項7に係る発明
は、粘着剤層が合成樹脂エマルションからなり、粘着剤
が水分を含有したままの半乾きの状態で、粘着剤付紙シ
ート全体が密閉包装されてなることを特徴とする請求項
6記載の粘着剤付紙シートに関する。また、請求項8に
係る発明は、粘着剤層表面の全面又は一部に凹凸が形成
されてなることを特徴とする請求項1乃至7記載の粘着
剤付紙シートに関し、請求項9に係る発明は、粘着剤層
に対して剥離可能な剥離シートが粘着剤層の表面に貼着
されてなることを特徴とする請求項1乃至8記載の粘着
剤付紙シートに関する。
【0009】更に、請求項10に係る発明は、紙層の凹
凸がエンボス加工又はクレープ加工により形成されてな
ることを特徴とする請求項1乃至9記載の粘着剤付紙シ
ートに関し、請求項11に係る発明は、紙層の原料に再
生パルプが用いられてなることを特徴とする請求項1乃
至10記載の粘着剤付紙シートに関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。本発明に係る粘着剤付紙シ
ート(1)は、図1に示すように、表面フィルム層
(2)、紙層(3)、内部フィルム層(4)及び粘着剤
層(5)が順次積層されてなる。
【0011】紙層(3)は表裏両面に凹凸を形成するこ
とにより波状とされている。これは、湿度による紙層
(3)の横方向への伸縮を抑えるためである。即ち、波
状としておくと、湿度による紙層(3)の伸縮を厚さ方
向に逃がして横方向への伸縮を抑えることができるの
で、結果として、伸縮による粘着剤付紙シート(1)の
面積変化を抑えることができるのである。また、伸縮力
が大きく、紙層(3)の伸縮を厚さ方向に完全に逃がす
ことができない場合にも、紙層(3)は後述する内部フ
ィルム層(4)により固定されているので、紙層(3)
が横方向に伸縮することはなく、紙層(3)の伸縮によ
り、紙シート(1)の表面にシワや浮き、たるみが発生
したり、紙層(3)が内部フィルム層(4)から剥がれ
てしまうのを完全に防ぐことができる。
【0012】紙層(3)の凹凸の形成方法としては、エ
ンボス加工法やクレープ加工法を例示することができる
が、特に限定はされない。エンボス加工により凹凸を形
成する場合、版の深さ、即ち型の凹部の深さは特に限定
されないが、紙層(3)の厚さの1/2〜10倍とする
のが好ましい。また、クレープ加工により凹凸を形成す
る場合、クレープ率は5〜100%、より好ましくは5
〜50%とされる。尚、クレープ率は次式により算出す
ることができる。(但し、式中、Lはクレープ加工後の
紙層の長さ、△Lはクレープ加工前とクレープ加工後の
紙層の長さの差である。) クレープ率(%)=△L/L×100
【0013】上記した方法により形成される紙層(3)
の凹凸の大きさは特に限定されないが、凹部(31)の
最深部から凸部(32)の最高部までの高さが100〜
2000μmであるのが好ましい。100μm未満では
表面フィルム層(2)及び内部フィルム層(4)を紙層
(3)に積層した際に、紙層(3)の全面に接着してし
まうので、湿度による紙層(3)の厚さ方向の伸縮が表
面フィルム層(2)及び内部フィルム層(4)にも影響
して、粘着剤付紙シート(1)が膨れたり、剥がれてし
まったりする恐れがあり、一方、2000μmを超える
と外観上好ましくないからである。
【0014】また、凹部(31)と凹部(31)の間隔
或いは凸部(32)と凸部(32)の間隔も特に限定さ
れないが、50〜2000μmとするのが好ましい。5
0μm未満では紙層(3)と表面フィルム層(2)及び
内部フィルム層(4)の接着頻度が多くなり、外観上好
ましくなく、逆に2000μmより大きいと、紙層
(3)の内部フィルム層(4)への固定が不十分となり
好ましくないからである。
【0015】紙層(3)の原料は特に限定されず、楮、
三つ又、がん皮などの天然じん皮繊維や木材パルプ、
麻、わら、バガス、ケナフなどの非木材繊維、レーヨン
などの親水性繊維など、一般に紙の原料として用いられ
ているものであれば、化学繊維、天然繊維に関わらず全
て好適に用いることができ、2種以上の繊維を混抄して
用いることも勿論可能である。また、再生パルプを使用
することも可能である。再生パルプは未使用のパルプに
比べて湿度による繊維の伸縮が小さいので、紙層(3)
の伸縮をより抑えることができる。本発明において、紙
層(3)の原料として再生パルプを用いる場合、その配
合率は全く限定されず、再生パルプのみからなる、再生
パルプ100%の紙層(3)を使用することも可能であ
る。
【0016】また、湿度に対する寸法安定性を向上させ
るために、無機質繊維や疎水性の合成繊維を配合するの
が好ましい。配合量としては、前記した紙層(3)の原
料の5〜100%配合するのが好ましい。無機質繊維と
しては、ガラス繊維、マイクロガラス、ロックウール、
鉱滓綿、アルミナ繊維、アルミナシリカ繊維、ムライト
繊維、ホウ酸繊維、石英繊維、珪酸ガラス繊維、溶融シ
リカ繊維、チタン酸カリウム繊維、ジルコニア繊維、硫
酸カルシウム繊維、フォスフェイトファイバー繊維、ポ
ロシリケート繊維、炭素繊維、活性炭素繊維等を例示す
ることができ、2種以上を配合することも可能である。
疎水性合成繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、アクリル、酢酸ビニル、ビニロン、
ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
ウレタン、ベンゾエート及びこれらの誘導体を例示する
ことができ、2種以上を混合して用いることも可能であ
る。無機質繊維及び疎水性合成繊維の配合率が高いほ
ど、紙層(3)の伸縮変動が小さくなるので、紙層
(3)の凹凸の大きさや凹部(31)と凹部(31)の
間隔、凸部(32)と凸部(32)の間隔の選択範囲を
広くすることができ、また、後述する内部フィルム層
(4)の厚さの選択範囲も広くすることができる。
【0017】更に、必要に応じて、ろう石、カオリン、
タルク、ゼオライト等の珪酸塩や炭酸カルシウム、二酸
化チタン、水酸化アルミニウム、アルミナ、マグネシア
等の充填剤や、水溶性尿素樹脂、メラミン樹脂、カチオ
ン化澱粉、CMC、エポキシ樹脂、ポリイミン樹脂、水
溶性アクリル樹脂、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース等、紙間増強剤となる
有機結合材、マレイン酸中性サイズ剤、ロジン系サイズ
剤、高分子樹脂エマルション、ゴムラテックス等のサイ
ズ剤を添加することも可能である。
【0018】上記したような紙層(3)の裏面には、内
部フィルム層(4)が積層される。この内部フィルム層
(4)は、紙層(3)を固定して、紙層(3)の横方向
への伸縮を防ぐとともに、後述する粘着剤が紙層(3)
の表面にしみ出てくるのを防ぐために設けられる。内部
フィルム層(4)には、アルミニウム箔や、ポリエステ
ル系、ポリアミド系、ポリアクリロニトリル系、ビニロ
ン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ
オレフィン系、ポリウレタン系の合成樹脂からなるフィ
ルムを好適に使用することができるが、特に限定はされ
ない。内部フィルム層(4)の厚さも特に限定されない
が、10〜100μmが好ましい。10μm未満では紙
層(3)の伸縮力が粘着剤層(5)へ伝達されてしま
い、逆に100μmを超えると紙シートのコシが強くな
るため貼り付けにくくなり、いずれの場合も好ましくな
いからである。内部フィルム層(4)は、例えば合成樹
脂を押し出して紙層(3)の裏面にラミネートすること
により形成すればよく、この方法によれば一工程で容易
に内部フィルム層(4)を形成することができる。また
塩化ビニル樹脂などポリオレフィン系樹脂以外の合成樹
脂を用いる場合には、押し出しによるラミネートが困難
であるので、合成樹脂の薄膜を紙層に貼り合わせるドラ
イラミネート法により内部フィルム層(4)を形成すれ
ばよい。
【0019】内部フィルム層(4)の裏面には、粘着剤
層が設けられる。この粘着剤層(5)は前記内部フィル
ム層(3)の裏面に粘着剤を塗布し、乾燥させることに
より容易に形成される。粘着剤としては、合成樹脂や天
然樹脂などを溶剤に溶解させたものや乳化状にしたもの
を用いることができ、特に限定されないが、合成樹脂エ
マルションが好適に用いられる。
【0020】粘着剤として、合成樹脂エマルションを、
特に水分を含有したままの半乾きの状態で用いると、粘
着剤の初期接着力が弱いので、貼り付けや貼り直し作業
を容易に行うことができる。尚、貼り付け後には水分が
蒸発して乾燥し、接着強度が強くなるので、粘着剤付紙
シート(1)が剥がれてしまう恐れはない。合成樹脂エ
マルションを半乾きの状態で用いる場合、粘着剤の水分
含有率は特に限定されないが粘着剤中5〜10%含まれ
た状態で用いるのが望ましい。また、半乾きの状態で用
いる場合には、水分が蒸発して粘着剤層(5)が乾燥す
るのを防ぐために、粘着剤付紙シート(1)全体が密閉
包装される。密閉包装の手段は特に限定されず、減圧状
態にして包装するなど、公知の密閉方法により密閉包装
される。合成樹脂エマルションとしては、酢酸ビニルエ
マルション、エチレン酢酸ビニルエマルション、アクリ
ルエマルション等が好適に用いられるが特に限定はされ
ない。
【0021】粘着剤層(5)は、図1に示す第1実施例
の如く平面状でもよいが、図2に示す第2実施例のよう
に表面に凹凸を形成すると、初期接着力が更に弱まるの
で貼り付けや貼り直し作業をより容易に行うことがで
き、また凹部から、壁等の下地と紙シートの間の空気が
抜けるので、貼り付け時にしわが発生するのを防いで美
しく貼ることができ好ましい。尚、凹凸は図2示例の如
く全面に形成しても、或いは一部に形成してもよい。
【0022】尚、内部フィルム層(4)及び粘着剤層
(5)の紙層(3)の裏面への積層は、紙層(3)に凹
凸を形成した後に行われる。従って、紙層(3)への凹
凸形成時に粘着剤が押圧されて、紙シート(1)の端か
ら流出することはない。
【0023】一方、紙層(3)の表面には表面フィルム
層(2)が積層される。この表面フィルム層(2)は紙
シート(1)の表面の汚れを防ぐとともに、紙シート
(1)を破れ難くするために紙層(3)の表面に積層さ
れる。表面フィルム層(2)には、ポリエステル系、ポ
リアミド系、ポリアクリロニトリル系、ビニロン系、ポ
リ塩化ビニリデン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン
系の合成樹脂からなるフィルムを好適に使用することが
できる。特にポリエチレン樹脂等のポリオレフィン系の
樹脂は、押し出しによるラミネートを容易に行うことが
できるため、好ましく用いられる。
【0024】本発明においては、内部フィルム層の引っ
張り強度を1とし、厚みを1とした時に、表面フィルム
層の内部フィルム層に対する引っ張り強度の比率と厚み
の比率の積が0.5〜2.0、より望ましくは1となる
ようにするのが好ましく、表面フィルム層と内部フィル
ム層に、同じ材質、同じ厚みのフィルムを用いるのが最
も好ましい。例えば、表面フィルム層(2)の引っ張り
強度が内部フィルム層(4)の引っ張り強度の1/2の
場合には、表面フィルム層(2)の厚みを内部フィルム
層(4)の厚みの1〜4倍、より好ましくは2倍とすれ
ばよい。これにより、内部フィルム層(4)と表面フィ
ルム層(2)の、吸水や吸熱による伸長率が略等しくな
るので、湿度などの影響により紙シート(1)の縁部が
反って全体がカールしてしまうのを防ぐことができる。
【0025】表面フィルム層(2)は、例えば合成樹脂
を押し出して紙層(3)の表面にラミネートすることに
より形成すればよく、この方法によれば一工程で容易に
表面フィルム層(2)を形成することができる。
【0026】表面フィルム層(2)の表面には、図3に
示す第3実施例の如く、織物などの異種材(6)を貼り
付けたり、印刷をするなどの装飾加工を施してもよい。
また、表面に難燃・不燃加工、発泡エンボス加工を施す
ことも可能である。
【0027】また、本発明においては、前記した粘着剤
層(5)に対して剥離可能な剥離シート(7)を裏面に
貼着することも可能である(図4参照)。剥離シート
(7)を貼着することにより、粘着剤付紙シート(1)
を壁等に貼り付ける際には、剥離シート(7)を剥がし
ながら粘着剤で貼り付けることができる。剥離シート
(7)を貼着する場合、図4に示す第4実施例の如く、
平滑な粘着剤層(5)の表面に剥離シート(7)を貼着
しても、或いは、図5に示す第5実施例の如く、凹凸が
形成された粘着剤層(5)の表面に剥離シート(7)を
貼着してもよい。
【0028】本発明に係る粘着剤付紙シート(1)は、
例えば、壁紙や襖紙、書画などの裏打紙、ポスターなど
に使用することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。表1に示すように、内部フィルム層及び表面フィル
ム層にポリエチレン樹脂(PE)又はポリプロピレン樹
脂(PP)を用いて、表面フィルム層、表裏両面に凹凸
が形成されて波状とされてなる紙層、内部フィルム層及
び粘着剤層が順次積層されてなる実施例1〜4及び比較
例1〜2の粘着剤付紙シート(90cm×180cm)
を製造した。また、表面フィルム層を有さない粘着剤付
紙シートとして比較例3の紙シートを製造した。尚、使
用したポリエチレン樹脂の引っ張り強度は150kg/
cm2 、ポリプロピレン樹脂の引っ張り強度は300k
g/cm2 であった。
【0030】
【表1】 但し、表1における比率の積は、内部フィルム層の引っ
張り強度の係数をa、厚みの係数をbとし、表面フィル
ム層の引っ張り強度の係数をc、厚みの係数をdとした
時にc×d/a×bの式により算出される数値である。
【0031】上記実施例1〜4及び比較例1〜3の粘着
剤付紙シートを板材に貼り付け、平均湿度65%、平均
温度20℃の室内に放置した。1日後に、紙シートの状
態を観察し、寸法安定性及び防汚性について、以下の基
準に基づいて判定した。結果をまとめて上記表1に示
す。寸法安定性 紙シートの状態が貼り付け当初と変わらない…○ 紙シートの縁部がやや反っている…△ 紙シートの縁部が大きく反り、全体がカールしている…
×防汚性 紙シートの表面が殆ど汚れていない…○ 紙シートの表面がやや汚れている…△ 紙シートの表面がかなり汚れている…×
【0032】表1の結果からも明らかなように、内部フ
ィルム層の引っ張り強度を1とし、厚みを1とした時
に、表面フィルム層の内部フィルム層に対する引っ張り
強度の比率と厚みの比率の積が0.5〜2.0となるよ
うにすると、表面の汚れを防ぐことができるだけでな
く、紙シートの寸法が安定するので、縁部が反って全体
がカールするのを防ぐことができる。
【0033】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1に
係る発明は、表面フィルム層、紙層、内部フィルム層及
び粘着剤層が順次積層されてなる粘着剤付紙シートであ
って、該紙層は表裏両面に凹凸が形成されて波状とされ
てなることを特徴とする粘着剤付紙シートに関するもの
であるから、以下のような効果を奏する。
【0034】即ち、紙層の表面に表面フィルム層が積層
されていることにより、表面の汚れを防止することがで
きるとともに、紙シートが破れ難くなるという効果を奏
する。また、紙層が波状とされていることにより、湿度
による紙層の伸縮を厚さ方向に逃がすことができるの
で、伸縮による粘着剤付紙シートの面積変化を抑えるこ
とができ、しかも紙層の裏面に内部フィルム層が積層さ
れて紙層が内部フィルム層により固定されているので、
湿度による紙層の伸縮力が大きく、紙層の伸縮を厚さ方
向に完全に逃がすことができない場合にも、紙層が横方
向に伸縮するのを防ぐことができる。従って、湿度の影
響により、粘着剤付紙シートの表面にシワや浮き、たる
み、剥がれが発生するのを完全に防ぐことができる。更
に、内部フィルム層が積層されていることにより、使用
中に紙層の表面に粘着剤がしみ出すのを防ぐこともでき
る。
【0035】請求項2に係る発明は、前記内部フィルム
層の引っ張り強度を1とし、厚みを1とした時に、表面
フィルム層の内部フィルム層に対する引っ張り強度の比
率と厚みの比率の積が0.5〜2.0となることを特徴
とする請求項1記載の粘着剤付紙シートに関し、請求項
3に係る発明は、前記表面フィルム層と内部フィルム層
が同じ材質、同じ厚みのフィルムからなることを特徴と
する請求項1記載の粘着剤付紙シートに関するものであ
るから、紙シートの縁部が反って全体がカールするのを
防ぐことができるという効果を奏する。
【0036】請求項4に係る発明は、前記表面フィルム
層がポリオレフィン系樹脂のフィルムからなることを特
徴とする請求項1乃至3記載の粘着剤付紙シートに関す
るものであるから、製造が容易であるという効果を奏す
る。
【0037】請求項5に係る発明は、前記表面フィルム
層の表面に更に異種材が貼り付けられて、装飾加工が施
されてなることを特徴とする請求項1乃至4記載の粘着
剤付紙シートに関するものであるから、装飾性に優れた
紙シートとすることができる。
【0038】請求項6に係る発明は、粘着剤層が合成樹
脂エマルションからなることを特徴とする請求項1乃至
5記載の粘着剤付紙シートに関し、請求項7に係る発明
は、粘着剤層が合成樹脂エマルションからなり、粘着剤
が水分を含有したままの半乾きの状態で、粘着剤付紙シ
ート全体が密閉包装されてなることを特徴とする請求項
6記載の粘着剤付紙シートに関するものであるから、粘
着剤層の初期接着力が弱いので、貼り付けや貼り直し作
業を容易に行うことができ、しかも、貼り付け後には水
分が蒸発して乾燥し、接着強度が強くなるという効果を
奏する。
【0039】請求項8に係る発明は、粘着剤層表面の全
面又は一部に凹凸が形成されてなることを特徴とする請
求項1乃至7記載の粘着剤付紙シートに関するものであ
るから、粘着剤層の初期接着力が更に弱まるので貼り付
けや貼り直し作業をより容易に行うことができ、また凹
部から、壁等の下地と紙シートの間の空気が抜けるの
で、貼り付け時にしわが発生するのを防いで美しく貼る
ことができる。
【0040】請求項9に係る発明は、粘着剤層に対して
剥離可能な剥離シートが粘着剤層の表面に貼着されてな
ることを特徴とする請求項1乃至8記載の粘着剤付紙シ
ートに関するものであるから、粘着剤付紙シートを壁等
に貼り付ける際には、剥離シートを剥がしながら粘着剤
で容易に貼り付けることができるという効果を奏する。
【0041】請求項10に係る発明は、紙層の凹凸がエ
ンボス加工又はクレープ加工により形成されてなること
を特徴とする請求項1乃至9記載の粘着剤付紙シートに
関し、請求項11に係る発明は、紙層の原料に再生パル
プが用いられてなることを特徴とする請求項1乃至10
記載の粘着剤付紙シートに関するものであるから、紙層
の伸縮をより小さくすることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る粘着剤付紙シートの
部分拡大断面図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る粘着剤付紙シートの
部分拡大断面図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る粘着剤付紙シートの
部分拡大断面図である。
【図4】本発明の第4実施例に係る粘着剤付紙シートの
部分拡大断面図である。
【図5】本発明の第5実施例に係る粘着剤付紙シートの
部分拡大断面図である。
【図6】従来の粘着剤付紙シートの部分拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 粘着剤付紙シート 2 表面フィルム層 3 紙層 4 内部フィルム層 5 粘着剤層 6 異種材 7 剥離シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 27/10 B32B 27/10 D21H 27/40

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面フィルム層、紙層、内部フィルム層
    及び粘着剤層が順次積層されてなる粘着剤付紙シートで
    あって、該紙層は表裏両面に凹凸が形成されて波状とさ
    れてなることを特徴とする粘着剤付紙シート。
  2. 【請求項2】 前記内部フィルム層の引っ張り強度を1
    とし、厚みを1とした時に、表面フィルム層の内部フィ
    ルム層に対する引っ張り強度の比率と厚みの比率の積が
    0.5〜2.0となることを特徴とする請求項1記載の
    粘着剤付紙シート。
  3. 【請求項3】 前記表面フィルム層と内部フィルム層が
    同じ材質、同じ厚みのフィルムからなることを特徴とす
    る請求項1記載の粘着剤付紙シート。
  4. 【請求項4】 前記表面フィルム層がポリオレフィン系
    樹脂のフィルムからなることを特徴とする請求項1乃至
    3記載の粘着剤付紙シート。
  5. 【請求項5】 前記表面フィルム層の表面に更に異種材
    が貼り付けられて、装飾加工が施されてなることを特徴
    とする請求項1乃至4記載の粘着剤付紙シート。
  6. 【請求項6】 粘着剤層が合成樹脂エマルションからな
    ることを特徴とする請求項1乃至5記載の粘着剤付紙シ
    ート。
  7. 【請求項7】 粘着剤層が合成樹脂エマルションからな
    り、粘着剤が水分を含有したままの半乾きの状態で、粘
    着剤付紙シート全体が密閉包装されてなることを特徴と
    する請求項6記載の粘着剤付紙シート。
  8. 【請求項8】 粘着剤層表面の全面又は一部に凹凸が形
    成されてなることを特徴とする請求項1乃至7記載の粘
    着剤付紙シート。
  9. 【請求項9】 粘着剤層に対して剥離可能な剥離シート
    が粘着剤層の表面に貼着されてなることを特徴とする請
    求項1乃至8記載の粘着剤付紙シート。
  10. 【請求項10】 紙層の凹凸がエンボス加工又はクレー
    プ加工により形成されてなることを特徴とする請求項1
    乃至9記載の粘着剤付紙シート。
  11. 【請求項11】 紙層の原料に再生パルプが用いられて
    なることを特徴とする請求項1乃至10記載の粘着剤付
    紙シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2008075767A1 (ja) * 2006-12-21 2010-04-15 リンテック株式会社 粘着シート及びその製造方法

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