JPH11302976A - エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体繊維およびその製造方法 - Google Patents

エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体繊維およびその製造方法

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JPH11302976A
JPH11302976A JP10883598A JP10883598A JPH11302976A JP H11302976 A JPH11302976 A JP H11302976A JP 10883598 A JP10883598 A JP 10883598A JP 10883598 A JP10883598 A JP 10883598A JP H11302976 A JPH11302976 A JP H11302976A
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ethylene
fiber
vinyl alcohol
protein
lignin sulfonate
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JP10883598A
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Seiji Hirakawa
清司 平川
Shoji Sueyoshi
正二 末吉
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸湿性、吸水性、汚れ除去性に富み、商品価
値のあるエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体繊維を
提供する。 【解決手段】 1,1,9,9−ビスエチレンジオキシ
ノナンを介してリグニンスルホン酸ナトリウムが固定化
されたエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体を一成分
とする繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリグニンスルホン酸
塩、あるいはリグニンスルホン酸塩と蛋白質とが特定の
化合物を介して化学結合されてなる親水性の改善された
繊維およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン−酢酸ビニル系共重合体のケン
化物であるエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体から
なる繊維は分子中にOH基を有するために、親水性、防
汚性、防臭気付着性等の点で従来の合成繊維に比較して
優れた快適性を有している。しかしながら、天然繊維に
比較すると親水性、吸湿性、吸水性は今一歩という感が
ある。そこで羊毛や絹、木綿等の天然繊維の吸湿性、風
合等に近付けようとする様々な改良が合成繊維に対して
行われている。たとえばポリビニルアルコ−ル系繊維に
天然微粒子をブレンドすることが特開平3−21350
6号公報、特開平3−213507号公報、第2588
445号特許公報等に、吸湿性を有する蛋白質の被膜を
繊維構造物にコ−ティングさせる方法が特開平9−37
72号公報等に提案されている。しかしながら、これら
吸湿性のある蛋白質系の天然微粒子はポリマ−原液中で
塊状で存在する等のため、ポリビニルアルコ−ル系繊維
中での分散性が非常に悪く、紡糸時に糸切れしやすい
上、繊維化できたとしても強度が弱い等の問題があっ
た。また、蛋白質を繊維構造物に固定できたとしても繊
維表面に強制的あるいは物理的に蛋白質を付着させるの
で繊維構造物の風合が硬くなり、商品価値のないものと
なる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、風
合、繊維強度等の諸物性を損なうことなく、従来よりも
吸湿性、吸水性、汚れ除去性に富み、商品価値のある繊
維を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は以下の構成を有する。すなわち、下記式
(1)で示される化合物を介してリグニンスルホン酸塩
あるいはリグニンスルホン酸塩と蛋白質が固定されてな
る、反応性のOH基を有するポリマ−を少なくとも一成
分とする繊維である。とくに、反応性のOH基を有する
ポリマーがエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体であ
る繊維である。また、本発明は、エチレン−ビニルアル
コ−ル系共重合体を少なくとも一成分とする繊維をpH
が2.5〜5.0の酸性下、リグニンスルホン酸塩(あ
るいはリグニンスルホン酸塩と蛋白質)および式(1)
で示される化合物を含有する溶液中に浸漬し、90℃以
上、130℃以下の温度で処理することを特徴とするエ
チレン−ビニルアルコ−ル系共重合体繊維の製造方法で
あり、さらに、本発明は、リグニンスルホン酸塩(ある
いはリグニンスルホン酸塩と蛋白質)および式(1)で
示される化合物、さらに染料を含有する溶液中に浸漬
し、90℃以上、130℃以下の温度で処理するエチレ
ン−ビニルアルコ−ル系共重合体繊維の製造方法であ
る。
【化2】
【0005】本発明において、反応性のOH基を有する
ポリマ−とは、後述するエチレン−ビニルアルコ−ル系
共重合体、ポリビニルアルコ−ル(変性されたポリビニ
ルアルコ−ルを含む)、ポリエステル、セルロ−ス等の
ポリマ−を挙げることができる。これらのポリマ−の中
のうち、代表例としてエチレン−ビニルアルコ−ル系共
重合体について以下詳述する。エチレン−ビニルアルコ
−ル系共重合体は、エチレン−酢酸ビニル系共重合体の
ケン化物である。該共重合体に含有されるエチレンの量
は25〜70モル%が好ましく、より好ましくは30〜
50モル%である。該共重合体のエチレン含有量が高く
なると、すなわちビニルアルコ−ル部分の含有量が低く
なれば、水酸基の減少のために親水性等の特性が低下
し、目的とする親水性、吸湿性、吸水性等の効果が低下
する傾向にある。一方、製糸性の点から、ビニルアルコ
−ル部分の含有量が高くなりすぎると、溶融紡糸性が低
下するとともに、繊維化する際の曳糸性や延伸性が悪化
し、単糸切れや断糸に繋がり、生産合理性に優れるとい
われる溶融紡糸繊維には不適となりやすい。
【0006】また、該共重合体と他の熱可塑性重合体と
の複合紡糸の際、熱可塑性重合体としてポリエステル等
の融点の高い重合体を使用すると、紡糸温度が高くな
り、該共重合体中のビニルアルコ−ル部分が多いと高温
での溶融紡糸が困難となりやすい。
【0007】エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体
は、エチレン−酢酸ビニル系共重合体を水酸化ナトリウ
ムによりケン化して製造されるが、ケン化度は95%以
上であることが好ましい。ケン化度が低すぎると該共重
合体の結晶性が低下し強度等の繊維基礎物性が低下して
くるのみならず、該共重合体が軟化しやすくなり、加工
工程上トラブルが発生してくると共に、得られた繊維、
繊維製品の風合が悪くなる場合がある。
【0008】該共重合体は公知の方法で製造することが
できる。たとえばメタノ−ル等の重合溶媒中でエチレン
と酢酸ビニルをラジカル重合触媒の存在下でラジカル重
合させ、ついで未反応のモノマ−を追い出し、水酸化ナ
トリウムによりケン化反応を生じせしめエチレン−ビニ
ルアルコ−ル系共重合体とした後、水中でペレット化
し、水洗して乾燥する。工程上アルカリ金属やアルカリ
土類金属が共重合体中に介入されやすく、その量は数百
ppm以上である。これらの金属イオンが存在すると該
共重合体が熱分解され易いので、100ppm以下、と
くに50ppm以下に減少させておく必要がある。かか
る金属イオンの減少方法として、上述の製造工程におけ
る湿潤状態のペレットを酢酸を含む大量の純水溶液で洗
浄し、さらに大過剰の純水のみで洗浄する方法を挙げる
ことができる。
【0009】本発明で用いられるリグニンスルホン酸塩
とは、木材をパルプ化する際に得られるセルロースから
なるOH基を有するものであれば、いずれををも使用可
能であり、該スルホン酸の塩類はアルカリ金属やアルカ
リ土類金属の塩が挙げられ、該金属類としてはナトリウ
ム、カリウム等が好ましく使用される。また化合物中に
はカルボキシル基を含有していてもよい。
【0010】本発明でリグニンスルホン酸塩と併用され
る蛋白質とは、アミノ基を有するものあれば植物性蛋白
質、動物性蛋白質いずれをも使用可能である。植物性蛋
白質としては植物種子の脱脂物およびそれらから分離し
た蛋白質、すなわち、大豆蛋白質、小麦蛋白質等を使用
することができる。また動物性蛋白質としては乳蛋白質
(カゼイン、乳漿蛋白質)、コラ−ゲン、ゼラチン、ケ
ラチン、フィブロイン等を挙げることができる。なかで
も、本発明の製造方法における処理条件下、すなわち酸
性下で耐酸性である蛋白質であることが好ましく、その
分子量は3万以上であることが好ましい。
【0011】これらのリグニンスルホン酸塩及び蛋白質
は粉末状あるいは粒子状であるので、そのまま処理溶液
中に添加してもよく、水溶液、有機溶媒中に溶解させた
上で処理液に添加してもよく、さらにはエマルジョンの
形態で使用してもよい。水、有機溶媒への可溶化、分散
性、取扱性等の点でリグニンスルホン酸塩の分子量は2
万以下、蛋白質は10万以下であることが好ましい。リ
グニンスルホン酸塩の処理液中の濃度は処理に供される
エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体に対して0.0
5〜20重量%、とくに0.1〜10重量%であること
が好ましい。リグニンスルホン酸塩は着色しているので
処理濃度が高くならないようにすることが好ましい。リ
グニンスルホン酸塩と併用する蛋白質の処理液中の濃度
は該共重合体に対して0.5〜10重量%、特に1〜5重
量%であることが好ましい。高濃度で併用する場合には
両者との混合による沈殿を抑制するためにリグニンスル
ホン酸塩濃度を蛋白質濃度の等倍以上にすることが好ま
しい。
【0012】次に上述のリグニンスルホン酸塩あるいは
リグニンスルホン酸塩と蛋白質をエチレン−ビニルアル
コ−ル系共重合体に固定させるために必要な化合物につ
いて説明する。なお、本発明において「固定」とは、式
(1)で示される化合物を介してリグニンスルホン酸塩
や蛋白質がエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体に化
学結合していることを示すものである。該化合物は下記
式(1)で示される。
【化3】 式中、R1 〜R4 で示されるアルキル基としては炭素数
が1〜4の低級アルキル基が好ましく、中でも使い易さ
の点でメチル基が好ましい。また該アルキル基はエチレ
ンオキシ基等のアルキレンオキシ基で置換されていても
よく、R1 〜R4 全てが同じ種類のアルキル基であって
も異なっていてもよい。さらに環を形成するアルキレン
基としては炭素数1〜4の低級アルキレン基が好ましい
が、環構造の安定性を考慮すると5員環、6員環が好ま
しく、したがって炭素数が2〜3個のエチレン基、プロ
ピレン基が好ましい。これらのアルキル基、アルキレン
基はいずれも置換基を有していてもよい。また式中、m
は該化合物を複数使用して処理する場合にはその組成比
に照らしあわせて算出した値であり、整数とは限らな
い。
【0013】また、リグニンスルホン酸塩や蛋白質をエ
チレン−ビニルアルコ−ル系共重合体に固定させるに
は、該化合物は分岐鎖を持たないことが好ましく、R5
は水素であることが好ましい。しかしながら、該化合物
は、R5 が炭素数1〜4の低級アルキル基である、いわ
ゆる分岐鎖を有する化合物と、分岐鎖を持たない化合物
の混合物であってもよく、かかる場合には分岐鎖を有し
ない化合物の混合比率が高いほうが好ましい。
【0014】また、R5 がアルキル基である場合、その
数はm個まで考えられるが、本発明においてはm個全部
がアルキル基である必要はなく、m個のうちの数個がア
ルキル基であって、残りが水素である場合、すなわち、
アルキル基と水素との和がm個となる場合をも含む。ま
た、アルキル基は同じ種類の基であっても異なった種類
の基が混在していてもよい。
【0015】かかる化合物の具体例として、1,1,
6,6−テトラメトキシヘキサン、1,1,6,6−テ
トラエトキシヘキサン、1,1,7,7−テトラメトキ
シヘプタン、1,1,7,7−テトラエトキシヘプタ
ン、1,1,8,8−テトラメトキシオクタン、1,
1,8,8−テトラエトキシオクタン、1,1,9,9
−テトラメトキシノナン、1,1,9,9−テトラエト
キシノナン、1,1,9,9−ビスエチレンジオキシノ
ナン、1,1,10,10−テトラメトキシデカン、
1,1,10,10−テトラエトキシデカン、1,1,
11,11−テトラメトキシウンデカン、1,1,1
1,11−テトラエトキシウンデカン等を挙げることが
できる。
【0016】該化合物は末端がアルキル基または環を形
成したアルキレン基で封鎖されているために極めて安定
であり、空気等の酸素に接触しても酸化されない。ま
た、該化合物は水に難溶性であるので水溶液として使用
する場合には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
や多環型フェノ−ルのオキシアルキレン変性スルホン酸
ナトリウム等のアニオン系界面活性剤等を使用して乳化
状態にして使用することができる。他に水−アルコ−ル
の混合溶媒を使用することもできる。
【0017】該化合物の処理液中の濃度は処理に供され
るエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体に対して5〜
30重量%、とくに10〜15重量%であることが好ま
しい。
【0018】リグニンスルホン酸塩及び蛋白質の固定
は、まずエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体に上述
の化合物が架橋結合し、架橋された化合物とリグニンス
ルホン酸塩OH基及び蛋白質のアミノ基が結合すること
によりなされる。固定は酸性下でなされるので、蛋白質
が酸により分解され末端がアミノ基の蛋白質が生成さ
れ、かかるアミノ基と上述の化合物とが結合するものと
推察される。
【0019】吸湿性及び吸水性等の効果を顕著に発現さ
せるためにはリグニンスルホン酸塩と蛋白質とを同時に
固定させることがよく、両者の相乗効果によって上記の
機能性が一層発揮される。特に増白用の蛍光染料を使用
して増白処理を同時に行う場合に大きな効果をもたら
す。すなわち、リグニンスルホン酸塩処理による着色を
抑制するために該塩の固定化量を少なくして、その少な
い固定化量を補強する意味で蛋白質を併用することで本
発明の目的がより達成しやすくなるのである。なお、例
えば、蛋白質を併用せずにリグニンスルホン酸塩単独で
処理を行うことで蛍光増白処理布の白度が不足した場合
には、過酸化水素処理による漂白を行うことがもちろん
可能である。
【0020】リグニンスルホン酸塩や蛋白質の固定に、
式(1)で示される化合物以外のジアルデヒド類を使用
した場合、エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体繊維
にリグニンスルホン酸塩や蛋白質をバランスよく固定さ
せることは困難であり、吸湿性、吸水性に非常に富んだ
繊維を得ることはできない。また、染色と同時にリグニ
ンスルホン酸塩や蛋白質の固定を行うことは困難であ
る。また、これらのジアルデヒド類、たとえばグリオキ
サ−ル、グルタルアルデヒド、ノナンジア−ル等は空気
により酸化されやすく、経時安定性が非常に悪い。その
ため、これらのジアルデヒド類を用いて上記のリグニン
スルホン酸塩や蛋白質を固定させる際、反応収率が悪く
なる。さらにアルデヒド特有の刺激臭があり、作業環境
も悪い問題がある。
【0021】本発明の方法においては、式(1)で示さ
れる化合物を使用することにより、上述の諸問題をいっ
きに解決することができたのである。
【0022】式(1)で示される化合物を用いてリグニ
ンスルホン酸塩や蛋白質を固定させる条件について説明
する。まず、本発明の目的である繊維に良好な吸湿性、
吸水性、汚れ除去性等を付与するには、適切な酸性下で
リグニンスルホン酸塩や蛋白質の固定処理を行う必要が
ある。処理液のpHが2.5未満の場合には蛋白質の重
合度の低下を引き起こし、目的とする繊維を製造するこ
とができない。また得られる繊維の着色、黄変の問題が
生じ、後述する同時染色を施す場合には染色物の退色、
耐光堅牢度不良の問題が生じる。一方、処理液のpHが
5.0を越える場合には、処理温度、処理時間等の条件
を過酷にしないと式(1)で示される化合物のエチレン
−ビニルアルコ−ル系共重合体への架橋およびリグニン
スルホン酸塩や蛋白質の固定が進みにくく、初期の目的
である吸湿性、吸水性、汚れ除去性等の性能を有し、か
つ耐熱水性に優れた繊維を得ることができない。リグニ
ンスルホン酸塩や蛋白質の耐加水分解性や固定化、上述
の化合物の架橋度合い等の点で処理液のpHは2.5以
上、4.0以下が好ましい。
【0023】かかる処理液の酸性度は塩酸、硫酸等の鉱
酸;酢酸、ギ酸、マレイン酸、酒石酸、乳酸、クエン
酸、リンゴ酸、コハク酸等の有機酸などによって調整す
ることができる。なかでも処理装置の耐腐食性の点で有
機酸が好ましい。水溶性の酸以外にも活性白土やイオン
交換樹脂などの固体酸を使用してもよい。
【0024】また、処理温度は90℃以上、130℃以
下、とくに100℃以上、120℃以下にすることが望
ましい。この場合、処理浴の処理速度を緩やかにし、均
一で再現性のよい加工を行うためには、実質的な処理温
度に到達するまでの昇温速度を遅くすることが望まし
い。該処理温度が90℃未満の場合、上述の酸性度を満
足していてもリグニンスルホン酸塩や蛋白質の固定化速
度、ひいては上述の化合物のエチレン−ビニルアルコ−
ル系共重合体への架橋速度が著しく遅くなる。一方処理
温度が130℃を越えると繊維が過大収縮を生じ、該繊
維を含む布帛の風合が損なわれる結果となる。
【0025】上記の処理温度の範囲において、100℃
以上、130℃以下は加圧下での処理となるが、その加
圧下では処理装置の減圧状態以外に、不活性ガス、たと
えば窒素、ヘリウム等が封入された状態をも含むもので
ある。無論、90℃以上100℃以下の温度においても
不活性ガス雰囲気下、あるいは減圧状態で処理が施され
てもさしつかえない。
【0026】本発明においては、前述したように該共重
合体のみで繊維化してもよいし、目的に応じて他の熱可
塑性重合体と複合してもよい。かかる熱可塑性重合体と
しては耐熱性、寸法安定性等の点で融点が150℃以上
の結晶性熱可塑性重合体が好ましく、具体的にはポリエ
ステル、ポリアミド、ポリプロピレン等を挙げることが
できる。ポリエステルとしてはテレフタル酸、イソフタ
ル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、フタル酸、
α,β−(4−カルボキシフェノキシ)エタン、4,
4’−ジカルボキシジフェニル、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;アゼライン酸、
アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸または
これらのエステル類;エチレングリコ−ル、ジエチレン
グリコ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタ
ンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチル
グリコ−ル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノ−ル、
ポリエチレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−
ル等のジオ−ルからなる繊維形成性のポリエステルを挙
げることができ、構成単位の80モル%以上がエチレン
テレフタレ−ト単位またはブチレンテレフタレ−ト単位
であるポリエステルが好ましい。また、該ポリエステル
中には少量の添加剤、たとえば蛍光増白剤、艶消剤、安
定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤等が含有されてい
てもよい。ポリアミドとしてはナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン12を主成分とする脂肪族ポリアミド、半
芳香族ポリアミド等を挙げることができ、少量の第3成
分を含有するポリアミドでもよい。該ポリアミドにも少
量の添加剤、たとえば蛍光増白剤、艶消剤、安定剤、紫
外線吸収剤、着色剤、難燃剤等が含有されていてもよ
い。
【0027】上述の複合繊維において、複合比はエチレ
ン−ビニルアルコ−ル系共重合体:他の熱可塑性重合体
(重量比)=10:90〜90:10、とくに30:7
0〜70:30であることが紡糸性の点で好ましい。ま
た複合形態は従来公知の複合形態であれば特に限定はな
く、偏心芯鞘型、多層貼合型、サイドバイサイド型、ラ
ンダム複合型等を挙げることができる。エチレン−ビニ
ルアルコ−ル系共重合体の有する親水性をおよび風合改
良性をより発現させるためには、複合繊維の断面周長の
少なくとも一部、好ましくは該断面周長の30%以上が
エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体であることが好
ましい。
【0028】本発明においては、式(1)で示される化
合物を使用することにより、リグニンスルホン酸塩や蛋
白質の固定のみならず、染色を同時に施すことが可能で
ある。式(1)で示される化合物に代えて、ジアルデヒ
ドを用い固定化とともに同時染色を施すと、染料が激し
く分解して濃染色が不可能となる。またリグニンスルホ
ン酸塩や蛋白質の固定化と染色を別工程で行う、すなわ
ち式(1)で示される化合物を用いて同時に染色を行った
後にリグニンスルホン酸塩や蛋白質の固定化を行うとリ
グニンスルホン酸塩や蛋白質の固定が困難となり、本発
明の効果が奏されなくなる。逆に、固定化の後に染色を
施しても、上述の処理条件ではリグニンスルホン酸塩や
蛋白質の固定が不十分であり、本発明の効果が奏されな
くなる。固定化の意味がなくなるのである。
【0029】本発明においては、エチレン−ビニルアル
コ−ル系共重合体のみからなる繊維、該共重合体を一成
分とする複合繊維において、該当共重合体にリグニンス
ルホン酸塩や蛋白質を固定する処理を行う前に、該共重
合体の融点以下の温度で乾熱処理を行うことが好まし
い。かかる乾熱処理により固定に起因する繊維の耐熱水
性の低下を抑制することができる。とくに該共重合体の
(融点−20)℃以上(融点−5)℃以下の温度で乾熱
処理を行うことが好ましい。この理由は定かではない
が、該共重合体の微細繊維構造における結晶化を促進す
るとともに、上述の化合物を架橋させることによる架橋
構造の導入で、より一層の分子運動の拘束によって耐熱
水性の顕著な向上が見られると推察される。したがっ
て、リグニンスルホン酸塩や蛋白質の固定による繊維の
耐熱水性の低下を上回る耐熱水性が繊維に付与され、縫
製時のアイロン、一般家庭用のスチ−ムアイロン等によ
っても繊維間の膠着、繊維の軟化を防ぐことができるの
である。
【0030】リグニンスルホン酸塩や蛋白質の固定は、
チーズ染色機を用いて繊維または複合繊維の糸状形態の
まま行われてもよいが、該繊維または複合繊維からなる
織編物、あるいは該繊維または複合繊維を含む織編物、
不織布等の布帛の形態で行ってもよい。工程上、操作性
の点で織編物、不織布の形態で固定を行うことが好まし
い。
【0031】本発明において、繊維または複合繊維とは
短繊維のみならず長繊維をも含むものであり、短繊維と
しては衣料用ステ−プル、乾式不織布、湿式不織布、湿
熱不織布等がある。もちろん、該繊維または複合繊維1
00%使いであっても他の繊維との混綿で不織布を作製
してもよい。しかしながら、ある程度の比率以上は本発
明の繊維または複合繊維を混合させなければ初期の効果
は得られないことはいうまでもない。また、本発明の繊
維または複合繊維は長繊維でも吸湿性、吸水性、汚れ除
去性と良好な風合を有するものが得られ、アンダ−ウエ
ア、ユニフォ−ム、白衣、外衣等に最適である。
【0032】さらに、本発明の繊維または複合繊維は仮
撚加工等の高次加工により5角形、6角形等の多角形に
類似した断面形状に変形したり、紡糸時の異形断面ノズ
ルにより3〜8葉形等の多葉形、T字形、U字形等の各
種の断面形状となったものでもよい。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお、実施例中の各測定値は以下の方法により測
定、算出されたものである。 (1)繊維に固定された蛋白質の同定 その1:IR評価 フ−リエ変換赤外分光光度計JIR−5000(A01
02、日本電子社製)を用いて、ATR法(表面反射
法)中セルまたはプリズム:KRS−5の方法により以
下の条件でIR測定を行い、蛋白質を固定していない繊
維とのアミド基の吸収波長における差スペクトルにより
確認を行った。 その2:蛋白質の呈色性評価 下記の条件にて繊維または繊維製品に着色を施し、発色
度合いにより確認を行った。 呈色条件 Kayacyl Blue HRL(C.I No. Acid Blue 182) 1% owf 芒 硝 2% owf 蟻 酸 5% owf 浴 比 50:1 温 度 100℃×40分 評価(蛋白質の検出は青の着色度合いにより評価) ○ 蛋白質が存在 △ 蛋白質が少し存在 × 蛋白質が存在しない (2)繊維に固定されたリグニンスルホン酸塩の同定 酸素フラスコ燃焼法いて硫酸イオンとした後、イオンク
ロマトグラフィーにて確認を行った。
【0034】(3)吸湿率(%) 温度35℃、相対湿度65%、85%の雰囲気下で恒量
に至るまで一定時間調湿後、試料を素早く秤量瓶に移し
秤量を行った。ついで再び試料を105℃の熱風乾燥機
にて絶乾後、同様に秤量した後に、その重量増加率をそ
れぞれの調湿下における吸湿率として算出した。また、
相対湿度85%における吸湿率と相対湿度65%におけ
る吸湿率の差を吸放湿差として求めた。
【0035】(4)汚れ除去性(SR性) ポリエチレンシ−トAの上に約6×6cmの試験片を水
平に置き、その中央部分に0.1ccの下記に示す汚染
液をメスピペットを用いて滴下する。ついで汚染部分の
上にポリエチレンシ−トBを載置してその上に重りをの
せる。約1分後、重りとポリエチレンシ−トBを取り除
き、約1時間放置する。放置後の試験片をJIS L
0217−103(遠心脱水洗濯機)に準拠して洗濯
し、乾燥後汚染の程度をJIS L 0805に準拠し
て汚染の程度を「級」で判定した。汚染液:ダ−ティモ
−タ−オイルにカ−ボンブラック0.1重量%添加し、
ホモミキサ−で撹拌、混合した液
【0036】(5)吸水性 JIS L 1096に準拠してB法(バイレック法)
によって吸水長を測定した。 (6)染色物の濃色性 染色物を分光光度計C−2000S型カラ−アナライザ
−によって測定した分光光度計反射率をJIS Z 8
722に準じて測定された三刺激値(X,Y,Z)およ
び色度座標(x,y)よりL* 値を以下の関係式により
算出した。該値が小さい程濃色性が良好である。 L* =116(Y/100)1/3 −16 (7)蛍光染料、増白物の測定 蛍光染料増白物をキセノンランプ照明装置を取付けたC
-2000S型カラーアナライザーによって測定した分光光
度計反射率より次式により白度(%)を算出した。該数値
が大きいほど白度が良好である。 白度(%)=4R1-3R21:波長450μmにおける反射率(%) R2:波長550μmにおける反射率(%)
【0037】実施例1〜4および比較例1〜6 重合溶媒としてメタノ−ルを用い、60℃以下の温度で
エチレンと酢酸ビニルをラジカル重合させ、エチレン含
有量が32モル%のランダム共重合体を得た。ついで水
酸化ナトリウムによりケン化処理を行い、ケン化度99
%以上のエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体を得
た。ついで湿潤状態のポリマ−を酢酸が少量添加されて
いる大過剰の純水で洗浄を繰り返した後、さらに大過剰
の純水で洗浄を繰り返し、ポリマ−中のアルカリ金属イ
オンおよびアルカリ土類金属イオンの含有量をそれぞれ
約10ppm以下とし、その後脱水機によりポリマ−か
ら水を分離してさらに100℃以下の温度で真空乾燥を
十分に行った。このポリマ−を押出機により押し出し、
口金温度250℃の条件でノズルより吐出し、1000
m/分の速度で紡糸を行った。その後常法により延伸を
行い、75デニ−ル24フィラメントのマルチフィラメ
ントを得た。
【0038】得られたマルチフィラメントを経糸および
緯糸として使用し、1/1の平織物を作製した。該生機
織物を水酸化ナトリウム1g/リットルとアクチノ−ル
R−100(松本油脂社製)0.5g/リットルを含む
水溶液で80℃30時間の糊抜きを行った。糊抜き後、
プレセットを145℃で行い、該織物を下記に示す処理
液中に浸漬し、表1に示した処理剤及び処理条件にした
がってリグニンスルホン酸ナトリウムの固定化を行っ
た。ついで水酸化ナトリウム1g/リットル、アミラジ
ンD(第一工業製薬社製)1g/リットルの組成液中、
80℃で30分間の洗浄処理を行った。得られた織物の
各評価結果を表1に示すが、実施例で得られた織物は、
リグニンスルホン酸ナトリウムが固定されており吸水
性、吸放湿性、汚れ除去性など、いずれの性能も優れて
いることがわかる。これに対して、固定化処理剤として
本発明で特定したもの以外の化合物を使用した場合及び
処理条件として適切なPHや処理温度を設定しない場合
は、リグニンスルホン酸塩が固定化されないか、微量し
か固定されないことが分かる。
【0039】処理液 リグニンスルホン酸ナトリウム(商品名:サンエキスP-2
52);純分として5% owf 固定化処理剤 表1に記載 乳化剤(ラバジョン:有効成分がドデシルベンゼンスルホ
ン酸Na、松本油脂社製) 0.5g/リットル 浴比 50:1 処理時間 40分
【0040】
【表1】
【0041】実施例5、6 極限粘度(フェノ−ル/テトラクロロエタン等重量混合
溶媒にて30℃で測定)が0.65のポリエチレンテレ
フタレ−トチップを芯成分とし、エチレン含有量44モ
ル%、ケン化度99%、融点(示差走査熱量計を使用し
て30℃から220℃まで10℃/分の速度で昇温し、
吸熱ピ−ク温度を融点とした。)165℃のエチレン−
ビニルアルコ−ル系共重合体チップを鞘成分とし、複合
比芯/鞘=1/1(重量比)となるように複合紡糸を行
い、芯鞘複合繊維を得た。紡糸温度は260℃、紡糸速
度は1000m/分であった。得られた紡糸原糸を通常
のロ−ラプレ−ト方式の延伸機を用いて、75℃の熱ロ
−ラ、140℃の熱プレ−トに接触させて延伸倍率が3
倍となるように延伸を施し、50デニ−ル/24フィラ
メントの複合フィラメントを得た。この複合フィラメン
トを経糸および緯糸に使用し、経糸には300T/Mの
撚を、緯糸には2500T/MのZ撚および2500T
/MのS撚を施し、2本ずつ交互に緯打ちを行ったサテ
ンクレ−プを製織した。かかる生機に下記に示す精練の
糊抜き処理を行い、ついで表2に示す条件でリグニンス
ルホン酸ナトリウムの固定を行うと同時に下記に示す染
色条件で染色処理、還元洗浄を行った。ついで150℃
のファイナルセットを行った。得られた染色物の各評価
を行い、結果を表2に示す(実施例5)。また、上記の
生機サテンクレ−プをシュリンクサファ−機を使用して
無緊張状態で150℃の乾熱処理を行い、精練−糊抜き
を行った後、表2に示す条件でリグニンスルホン酸ナト
リウムの固定を行うと同時に下記に示す染色条件で染色
処理、還元洗浄を行った。ついで150℃のファイナル
セットを行った。得られた染色物の各評価を行い、結果
を表2に示す(実施例6)。
【0042】精練糊抜き処理 PAS−600(洛東化成工業社製) アクチノ−ルR−100(松本油脂社製) 80℃×60分 処理液 リグニンスルホン酸ナトリウム(商品名:サンエキスP-252); 純分として5% owf 固定化処理剤 15% owf 乳化剤(ラバジョン) 2% owf 染料(Dianix Tuxedo Black Hconc liquid) 15% owf 浴比 50:1 処理条件 115℃×40分 (70〜115℃までは昇温速度1℃/分) 還元洗浄 ハイドロサルファイト 1g/リットル 水酸化ナトリウム 1g/リットル アミラジンD(第一工業製薬社製) 1g/リットル 処理条件 80℃×20分
【0043】
【表2】
【0044】比較例7 リグニンスルホン酸ナトリウムを使用しないこと以外は
実施例5と同様にして処理を行ったが、吸放湿特性、吸
水性、風合などが十分に満足できるものではなかった。
【0045】比較例8 表2に示すように処理条件としてPHが2.0となるように
調整して実施例5と同様にして処理を行ったが、吸放湿
特性、吸水性、風合などが十分に満足できるものではな
かった。
【0046】比較例9 表2に示すように処理条件としてPHが5.6となるよ
うに調整して実施例5と同様にして処理を行ったが、吸
放湿特性、吸水性、濃色性、風合などが十分に満足でき
るものではなかった。
【0047】比較例10 実施例5において、1,1,9,9−ビスエチレンジオ
キシノナンに代えて同量のグルタルアルデヒドでリグニ
ンスルホン酸ナトリウムの固定を行うと同時に、同様に
して染色物を得た。得られた染色物は、表2に示したよ
うに実施例に比較して吸水性が極端に悪く、また濃色に
染色されていないことがわかる。
【0048】実施例7 実施例5で用いたサテンクレープを実施例5の場合と同じ
条件で精練-糊抜きを行った後、150℃の乾熱処理のプレ
セットを行い、次に表2に示す条件でリグニンスルホン
酸塩と蛋白質を併用して固定を行うと同時に下記に示す
条件にて蛍光増白処理を行い、漂白処理を行った。次い
で150℃のファイナルセットを行った。得られた蛍光増
白物の評価結果を表2に示した。 処理液 リグニンスルホン酸ナトリウム(商品名:サンエキスP-252) 純分として1% owf 蛋白質(コラーゲン、分子量10万) 5% owf 固定化処理剤 15% owf 乳化剤(ラバジョン) 2% owf 蛍光増白用染料(Uvitex EBF conc. 250%) 1% owf 浴比 50:1 処理条件 115℃×40分(70〜115℃までは昇温速度1℃/分) 漂白洗浄 過酸化水素(35%) 7cc/リットル 珪酸ナトリウム 2g/リットル アクチノールR-100(松本油脂製) 1g/リットル 浴比 50:1 処理条件 90℃×20分
【0049】比較例11 実施例7において、1,1,9,9−ビスエチレンジオ
キシノナンに代えて同量のグルタルアルデヒドでリグニ
ンスルホン酸ナトリウム及び蛋白質の固定を行うと同時
に、同様にして染色物を得た。得られた染色物の各評価
を行い、表2に示す。実施例に比較して吸水性が極端に
悪く、白度及び風合が不良であった。
【0050】
【発明の効果】本発明の繊維は、従来のエチレン−ビニ
ルアルコ−ル系共重合体繊維よりも吸湿性、吸水性、汚
れ除去性に富み、より商品価値のあるものであり、かか
る繊維または繊維製品はリグニンスルホン酸塩の固定
化、染色を同時に行うことができ、工程上非常に簡略さ
れ、コストパ−フォ−マンスの上でも非常に有利であ
る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で示される化合物を介して
    リグニンスルホン酸塩が固定されてなる、反応性のOH
    基を有するポリマ−からなる繊維。 【化1】
  2. 【請求項2】 式(1)で示される化合物を介してリグニ
    ンスルホン酸塩と蛋白質が固定されてなる、反応性のO
    H基を有するポリマ−からなる繊維。
  3. 【請求項3】 ポリマ−がエチレン−ビニルアルコ−ル
    系共重合体である請求項1または2記載の繊維。
  4. 【請求項4】 式(1)で示される化合物を介してリグ
    ニンスルホン酸塩が固定されてなるエチレン−ビニルア
    ルコ−ル系共重合体と他の熱可塑性重合体とからなる複
    合繊維。
  5. 【請求項5】 式(1)で示される化合物を介してリグ
    ニンスルホン酸塩と蛋白質が固定されてなるエチレン−
    ビニルアルコ−ル系共重合体と他の熱可塑性重合体とか
    らなる複合繊維。
  6. 【請求項6】 エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体
    を少なくとも一成分とする繊維をpHが2.5〜5.0
    の酸性下、リグニンスルホン酸塩および式(1)で示さ
    れる化合物を含有する溶液中に浸漬し、90℃以上、1
    30℃以下の温度で処理することを特徴とするエチレン
    −ビニルアルコ−ル系共重合体繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体
    を少なくとも一成分とする繊維をpHが2.5〜5.0
    の酸性下、リグニンスルホン酸塩、蛋白質および式
    (1)で示される化合物を含有する溶液中に浸漬し、9
    0℃以上、130℃以下の温度で処理することを特徴と
    するエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体繊維の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体
    を少なくとも一成分とする繊維をpHが2.5〜5.0
    の酸性下、リグニンスルホン酸塩、式(1)で示される
    化合物および染料を含有する溶液中に浸漬し、90℃以
    上、130℃以下の温度で処理することを特徴とする複
    合繊維の製造方法。
  9. 【請求項9】 エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体
    を少なくとも一成分とする繊維をpHが2.5〜5.0
    の酸性下、リグニンスルホン酸塩、蛋白質、式(1)で
    示される化合物および染料を含有する溶液中に浸漬し、
    90℃以上、130℃以下の温度で処理することを特徴
    とする複合繊維の製造方法。
  10. 【請求項10】 前処理として、エチレン−ビニルアル
    コ−ル系共重合体の融点以下の温度で乾熱処理を行うこ
    とを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の製
    造方法。
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