JPH11302865A - 加工性、耐傷つき性及び耐食性に優れた塗装亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

加工性、耐傷つき性及び耐食性に優れた塗装亜鉛めっき鋼板及びその製造方法

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JPH11302865A
JPH11302865A JP10979798A JP10979798A JPH11302865A JP H11302865 A JPH11302865 A JP H11302865A JP 10979798 A JP10979798 A JP 10979798A JP 10979798 A JP10979798 A JP 10979798A JP H11302865 A JPH11302865 A JP H11302865A
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chromic acid
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Masaaki Yamashita
正明 山下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性(加工部密着性)、耐水密着性、耐傷
つき性、端部耐食性、クロスカット部耐食性に優れ、か
つ容易に製造できる塗装亜鉛系めっき鋼板を提供する。 【解決手段】 鋼板上に、亜鉛又は亜鉛系合金めっき
層、化成処理層、及び塗膜層を形成した塗装鋼板であっ
て、前記化成処理層は、一次粒子径が14nm以下9n
m以上と2000nm以下100nm以上の2種類のヒ
ュームドシリカとクロム酸化合物を含み、ヒュームドシ
リカの付着量をSiO2 で換算し、クロム酸化合物の付
着量を金属Crとして換算した場合の配合比が重量比で
SiO2 /Crで3以上10未満であり、かつCr付着
量が25mg/m2 以上80mg/m2 以下であること
を特徴とする加工性、耐傷つき性及び耐食性に優れた塗
装亜鉛めっき鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家電、建材向けに
使用される加工性、耐傷つき性と耐食性に優れた塗装亜
鉛、及び亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家電、建材向として、塗装亜鉛め
っき鋼板が多く使用されつつある。これらの鋼板は高耐
食性を要求される場合、主に亜鉛系めっき鋼板が用いら
れ、さらに下地用前処理としてクロメート処理等の化成
処理が行なわれている。
【0003】従来、クロメート処理の耐食性を高めるた
めに、クロム酸中にヒュームドシリカを添加することが
行われている(特開昭52−17340号公報、特開昭
60−86282号公報、特開昭61−585号公報
等)。これらの塗装下地処理としての性能は、加工性、
あるいは耐食性において十分とはいえない。また、特公
昭56−36869号公報等に示されているようにクロ
メートの前処理として、Co、あるいはNiの処理を施
す手段がある。この方法によれば加工性の向上には効果
があるが、処理工程が2工程となり製造コストの点から
好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みてなされたものであって、加工性(加工部密着
性)、耐水密着性、耐傷つき性、端部耐食性、クロスカ
ット部耐食性に優れ、かつ容易に製造できる塗装亜鉛系
めっき鋼板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために鋭意研究の結果、特定範囲の粒子径を有す
るヒュームドシリカを特定のCr還元率を有するクロム
酸液と特定の配合量、特定のCr及びSiO2 の付着量
で化成処理層を形成することにより加工性、耐傷つき性
と耐食性共に優れた特性が得られることを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、亜鉛系めっき層上に、
一次粒子径が14nm以下9nm以上と2000nm以
下100nm以上のヒュームドシリカとクロム酸化合物
を含み、ヒュームドシリカの合計付着量をSiO2 で換
算し、クロム酸化合物の付着量を金属Crとして換算し
た場合の配合比がSiO2 /Crで3以上10未満、望
ましくは、3.5以上5.5以下であり、かつCr付着
量が25mg/m2 以上80mg/m2 以下、望ましく
は、30mg/m2 以上50mg/m2 以下、さらに好
適なSiO2 付着量が85mg/m2 以上240mg/
2 以下、特に100mg/m2 以上190mg/m2
以下である化成処理層を形成させ、その上に塗装を行っ
たものである。さらに、亜鉛系めっき層がAlを3〜6
0重量%含む亜鉛−アルミ系合金めっき層であることが
望ましい。
【0007】また、前記化成処理層を形成させるため
に、処理液として、亜鉛又は亜鉛系合金めっき鋼板表面
にクロム酸の一部を還元し、未還元クロム(Cr6+)と
還元生成物(Cr3+)との比率がそれぞれCr換算した
重量比Cr3+/(Cr6++Cr3+)で0.35以上0.
55以下であるクロム酸液と、一次粒子径が14nm以
下9nm以上と2000nm以下100nm以上のヒュ
ームドシリカとを含み、ヒュームドシリカの合計添加重
量をSiO2 で換算し、クロム酸化合物の添加重量を金
属Crとして換算した場合の配合比がSiO2 /Crで
3以上10未満、望ましくは3.5以上5.5以下であ
る処理液を用い、この処理液を塗布した後、水洗するこ
となく板温60℃以上250℃以下、望ましくは100
℃以上200℃以下で乾燥し、Cr付着量が25mg/
2 以上80mg/m2 以下、好適なSiO2 付着量が
85mg/m2 以上240mg/m2 以下の化成処理層
を形成させ、その後塗装を行うことにより塗装鋼板を製
造するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明は、亜鉛系めっき層を形成した鋼板上
に、化成処理層、および塗膜層を有する塗装亜鉛めっき
鋼板に関するものである。
【0009】(鋼板の種類)本発明で塗装下地とする亜
鉛系めっき鋼板は、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっ
き鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、Zn−Al系、あ
るいはAl−Zn系の合金めっき鋼板のいずれであって
も構わない。なかでも、加工性及び耐食性の点から、A
lを3〜60重量%含む亜鉛−アルミ系合金めっき鋼板
が最適である。これは、Alを3〜60重量%含む亜鉛
−アルミ系合金めっき鋼板表面には、純粋な亜鉛めっき
鋼板にはない微細な凹凸が生じるが、この凹凸に10〜
14μmのヒュームドシリカが入り込むことにより、さ
らに高度の加工性および加工後の密着性が得られるから
である。このような凹凸はAlを3〜60重量%のとき
に最適であり、それより低くても高くても凹凸が少なく
なり、上述したような効果を十分に得ることは困難とな
る。また、Alを含有するメッキにおいて、腐食時にA
l系の腐食生成物が析出して、防食性を高めることがよ
く知られているが、微細なヒュームドシリカの存在によ
り、Alの腐食生成物の蓄積およびめっき表面への固着
が促進されることを新たに見出した。よって、本発明の
化成処理は、Alを含有するめっきにおいてさらに性能
が向上する。この効果は、めっき中のAl含有率が高ま
るほど顕著に現れる。
【0010】以上述べた亜鉛−アルミ系合金めっき鋼板
としては、5%Al含有Znめっき鋼板と、55%Al
含有Znめっき鋼板とが市販されており、いずれも上記
効果が得られるが、耐食性の観点から55%Al含有Z
nめっき鋼板がより好ましい。
【0011】(14nm≧ヒュームドシリカの粒子径≧
9nm及び2000nm≧ヒュームドシリカの粒子径≧
100nm) 化成処理層は、ヒュームドシリカとクロム酸化合物とを
含むが、ヒュームドシリカとして一次粒子径が14nm
以下9nm以上と2000nm以下100nm以上の2
種類のヒュームドシリカを含むことにより、加工性、耐
傷つき性及び耐食性のいずれにも優れたものとしてい
る。2000nm以下100nm以上のシリカが含まれ
ない場合には、耐傷つき性が不十分となり、また、14
nm以下9nmのシリカが含まれない場合には、加工性
および耐食性が不十分となる。2種類の一次粒子径のヒ
ュームドシリカの好ましい配合比率は、14nm以下9
nm以上のSiO2 と2000nm以下100nm以上
のSiO2 の重量比で4/1〜1/3である。14nm
以下9nm以上のヒュームドシリカとして例えば日本エ
アロジル(株)社製のAEROSIL200が挙げら
れ、2000nm以下100nm以上のヒュームドシリ
カとして例えば森村商事(株)社製のシリカ粉体S−3
02が挙げられる。
【0012】なお、本発明の効果を損なわない範囲で、
本発明の範囲外の一次粒子径値を持つヒュームドシリカ
を含有してもかまわない。 (3≦SiO2 /Cr<6) (25mg/m2 ≦Cr付着量≦80mg/m2 ) 本発明者は、塗装下地としてのヒュームドシリカの効果
について検討した結果、シリカのみでは加工性、耐食性
共に得られず、クロム酸化合物を所定量含むことが必要
であることを見出した。ヒュームドシリカとクロム酸化
合物の比率(SiO2 /Crの比率)は3以上10未
満、Cr付着量が25mg/m2 以上80mg/m2
下であることが必要である。SiO2 /Crが3未満に
おいては耐食性に劣り、10以上では加工性に劣る。ま
た更に、Cr付着量が25mg/m2 未満では耐食性に
劣り、80mg/m2 を越えると耐食性と加工性に劣
る。通常の場合、Cr付着量が多くなると共に耐食性が
向上するが、塗装鋼板においては塩水噴霧試験を行った
場合、端面、あるいはクロスカット部からの局部的な腐
食が進行しやすくなる。
【0013】(85mg/m2 ≦SiO2 付着量≦24
0mg/m2 ) SiO2 付着量は、加工性、耐食性のため、85mg/
2 以上、240mg/m2 以下にするのが好ましく、
特に、100mg/m2 以上、190mg/m2 以下が
望ましい。SiO2 付着量が少なすぎると加工後の沸水
浸漬後密着性とクロスカット部耐食性が劣り、多すぎる
と曲げ加工性が劣る皮膜となる。
【0014】このようにして製造された亜鉛めっき鋼板
に、塗装を施すことにより塗装亜鉛めっき鋼板が得られ
る。次に以上のような本発明の塗装亜鉛めっき鋼板の製
造方法について説明する。
【0015】 (0.35≦Cr3+/(Cr6++Cr3+)≦0.55) 上記の加工性、耐食性を満足できる化成処理層を得るた
めには、Cr還元率0.35以上0.55以下のクロム
酸と混合する必要がある。Cr還元率0.35未満では
加工性が得られず、0.55を越えると曲げ加工時の密
着性に劣る。また、還元率を過剰に高くすると処理液が
ゲル化しやすくなり、その対策としてリン酸、あるいは
フッ素化合物等の添加がなされる場合があるが、これら
の添加は耐水密着性、曲げ加工性に悪影響を及ぼすこと
があり、必要最小限度にすべきである。リン酸、あるい
はフッ素化合物等の添加を必要とせず、且つ処理液の安
定性にも優れた範囲としてはCr還元率を0.35以上
0.45以下にするのが望ましい。
【0016】(1≧PO4 /Cr) 本発明者の検討によればリン酸量をPO4 換算としてP
4 /Crが1を越えると加工性が低下する。従って、
添加量PO4 /Crで1以下が好ましい。
【0017】また、鋼板表面にクロメート液を塗布し乾
燥する際にCr6+をCr3+に還元する目的でCr6+還元
能力のある有機物、エマルジョン樹脂等を添加すること
も可能である。ただし、添加量を多くすると加工性が低
下すると共に処理液の安定性も低下するため、支障のな
いように添加物の種類と添加量を選択する必要がある。
本発明は、リン酸、フッ酸化合物、有機物、エマルジョ
ン樹脂などの添加は支障がない限り可能であり、これら
の添加を全て否定するものではない。
【0018】(塗布方法)処理液の塗布方法としては、
連続的且つ均一な付着が可能な方法を適用する。このよ
うな方法として、スプレー塗布を行いロール絞り、ある
いは気体絞りにより付着量を調整する方法、あるいはロ
ールコーターにより塗布する方法がある。塗布方法につ
いては特に規定するものでないが本発明の効果を満足で
きる範囲で均一な塗布が行える方法であればよい。
【0019】(60℃≦板温≦250℃) クロム酸処理液を塗布した後、板温60℃から250℃
の範囲で乾燥させることにより化成処理層を形成する。
乾燥後に水洗を必要としない。過剰に板温度が低いとク
ロメートの溶解性が低くなり加工性が低下する、また高
すぎると耐食性が低下する。好ましい範囲は、100℃
から200℃の範囲である。
【0020】化成処理は、塗装の直前に行うことも、ま
た亜鉛めっき後すぐに行うことも可能である。亜鉛めっ
き後すぐに化成処理を行う場合、塗装するまでに時間が
あくこともあるが、その場合もアルカリ脱脂等の前処理
を行うことなく、直接塗装しても密着性に優れており、
排水処理等の管理を必要としない。
【0021】塗装は上記化成処理皮膜の上に直接塗装す
ることも可能であるが、加工性と耐食性をさらに向上さ
せるためには、塗装鋼板に通常用いられている下塗り塗
料、すなわち、いわゆるプライマーを塗装して焼き付け
た上に、塗装することが望ましい。また、下塗り塗料用
樹脂としては、加工性と耐食性の点から、エポキシ;ポ
リエステル;エポキシで変性したポリエステル;または
ポリエステルで変性したエポキシが好ましい。その硬化
剤としては、メラミンおよびイソシアネートから選択さ
れた少なくとも1種を使用することができる。
【0022】さらに高度の耐食性が必要とされる場合
は、下塗り塗膜中に防錆顔料としてのクロム酸塩系化合
物を添加することが好ましい。クロム酸塩系化合物とし
ては、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、
カルシウムクロメート、バリウムクロメート等が好適で
あり、その含有量は塗膜中に1〜60重量%とすること
が適切である。また、下塗り塗膜の乾燥塗膜厚は、上述
した効果を得るために3〜20μm程度とすることが好
ましい。
【0023】上塗り塗料には、ポリエステル樹脂塗料、
フッ素樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、塩ビ塗料、シリコ
ーン塗料等通常の塗料が使用できる。乾燥塗膜厚は、加
工性と耐食性の点から、5〜40μmが好ましい。塗膜
厚が5μm未満では、塗膜の耐食性が低下するので好ま
しくない。一方、40μmを越えると、加工性が低下す
るほか、塗装作業性の低下や塗膜外観の低下を招き、ま
た、コストも上昇するため好ましくない。
【0024】下塗りおよび上塗り塗料中には、着色顔
料、耐湿顔料、溶剤および添加剤等を必要に応じて配合
することができる。着色顔料としては、例えば、酸化チ
タン、カーボンブラック、酸化鉄、クロム酸鉛、金属粉
末、焼成顔料、およびパール顔料等が挙げられる。耐湿
顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレイ、タル
ク、三酸化アンチモン、硫酸バリウムおよびカオリン等
が挙げられる。また、溶剤としては、例えば、トルエ
ン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブ系
溶剤、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、
ジイソブチルケトン、イソホロン、およびシクロヘキサ
ノン等が挙げられる。添加剤としては、例えば、消泡
剤、顔料分散剤、たれ防止剤、および傷つき防止剤等が
挙げられる。傷つき防止剤としては、シリカ、アルミナ
等のセラミックスビーズ、ガラスビーズ、ガラス繊維、
樹脂ビーズ、フッ素ビーズ等が耐クラック性の点から好
ましい。
【0025】塗装方法については特に制限はなく、従来
一般に行われているロールコーター法、カーテンフロー
コーター法、スプレー塗装、静電粉体塗装法、はけ塗り
等の塗装法を適用できるが、塗装鋼板の塗装において
は、ロールコーター法が最も一般的である。
【0026】ロールコーター法を使用した場合、塗料を
塗布した後の焼付処理は、20〜180秒間加熱して金
属板温度を150℃以上に到達させることによって行わ
れる。焼付時間が20秒未満では、樹脂成分の溶融硬化
が不十分であり、一方、180秒を越えると、塗料成分
の熱劣化が始まり、いずれの場合にも塗料本来の性能が
十分に発揮されなくなるため好ましくない。焼付時の加
熱方法については特別な制限はなく、熱風加熱方式、高
周波加熱方式等の方法を適用できる。
【0027】
【実施例】以下、実施例について説明する。板厚0.5
mmの溶融亜鉛めっき鋼板(片面当りめっき付着量12
0g/m2)、5%Al含有Znめっき鋼板(片面当り
めっき付着量120g/m2 )、および55%Al含有
Znめっき鋼板(片面当りめっき付着量75g/m2
に、表1および表2に示す組成に調整したクロメート処
理液をロールコーターにより塗布し、熱風乾燥炉により
到達板温100℃となる条件で乾燥したものを供試材と
した。Cr、及びSiO2 の付着量は蛍光X線により測
定した。また、この方法で形成した化成処理層中のSi
2 /Cr比率は処理液での比率と同じであった。
【0028】クロメート処理した亜鉛めっき鋼板および
亜鉛−アルミ合金めっき鋼板を、湯洗あるいはアルカリ
脱脂することなく、下塗り塗料としてエポキシ・メラミ
ン樹脂系塗料を乾燥塗膜厚が5μmになるように塗布し
た後、約200℃で60秒間焼き付けた。次いで、上塗
り塗料としてポリエステル樹脂塗料を乾燥塗膜厚が20
μmとなるように塗布した後、約250℃で60秒間焼
き付け、水冷して得られた塗装金属板を下記の各種試験
に供した。その結果を表3に示す。
【0029】評価方法 加工性;1T曲げ加工試験を行い、テープ剥離による剥
離面積で評価した。 加工部密着性;1T曲げ加工試験を行った後、沸騰水に
3時間浸漬し、次いで、テープ剥離による剥離面積で評
価した。加工性、加工部密着性の評価基準を下記に示
す。 5;皮膜剥離なし 4;剥離面積5%未満の皮膜剥離あり 3;剥離面積5%以上20%未満の皮膜剥離あり 2;剥離面積20%以上50%未満の皮膜剥離あり 1;剥離面積50%以上の皮膜剥離あり 耐傷つき性;1mm厚で30mm幅の亜鉛めっき鋼板の
エッジ部分を塗膜上に押し当て、進行方向に45度傾け
た後、5kgの荷重をかけて塗膜面を引っかいた。下地
と塗装界面における皮膜剥離を観察して、その面積で評
価した。耐傷つき性の評価基準を以下に示す。 5;皮膜剥離なし 4;剥離面積2%未満の皮膜剥離あり 3;剥離面積2%以上5%未満の皮膜剥離あり 2;剥離面積5%以上10%未満の皮膜剥離あり 1;剥離面積10%以上の皮膜剥離あり クロスカット部耐食性;サンプルサイズ幅70mm×長
さ150mmの短冊を作成し、サンプル中央に鋼板に達
するクロスカットを入れ、JIS Z2371に基づい
て1500時間の塩水噴霧を行った。次いで、クロスカ
ット部の塗膜を粘着テープを用いて強制的に剥離して剥
離幅を測定し、最大の塗膜剥離幅で評価した。クロスカ
ット部耐食性の評価基準を下記に示す。 5;塗膜剥離なし 4;最大塗膜剥離幅1mm未満 3;最大塗膜剥離幅1mm以上3mm未満 2;最大塗膜剥離幅3mm以上5mm未満 1;最大塗膜剥離幅5mm以上 端部耐食性;サンプルサイズ幅70mm×長さ150m
mのサンプルを作成し、その端部を切りっぱなしにした
ままJIS Z2371に基づいて1500時間の塩水
噴霧を行った。次いで、端部の塗膜を粘着テープを用い
て強制的に剥離して剥離幅を測定し、最大の塗膜剥離幅
で評価した。端部耐食性の評価基準を下記に示す。 5;塗膜剥離なし 4;最大塗膜剥離幅2mm未満 3;最大塗膜剥離幅2mm以上5mm未満 2;最大塗膜剥離幅5mm以上8mm未満 1;最大塗膜剥離幅8mm以上
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】No1.は、処理液のCr還元率が本発明
範囲より低く、形成した皮膜は曲げ加工に劣る皮膜とな
る。No.4は、処理液のCr還元率が本発明範囲より
高く、処理液安定性に問題が有ると共に形成した皮膜は
曲げ加工性に劣る。No.5はSiO2 /Crが本発明
範囲より小さく、曲げ加工性、耐食性に劣る。No.6
は16nmのシリカと2000nm以下100nm以上
のシリカを混合した比較例であり、曲げ加工性に劣る。
No.7は、SiO2 /Crが本発明範囲より大きく、
曲げ加工性に劣る。No.8はシリカ粒子径14nm以
下9nm以上のシリカ粒子を単独添加した例であり、耐
傷つき性が不十分である。No.14は、シリカ粒子径
2000nm以下100nm以上のシリカ粒子を単独添
加した例であり、曲げ加工性と耐食性に劣る。No.9
は、Cr付着量が本発明範囲より少なく、耐食性に劣
る。No.13は、Cr付着量が本発明範囲より大き
く、曲げ加工性に劣る。No.15、16は、可溶性成
分であるアニオンを添加した場合であり、その影響によ
り曲げ加工性、加工部密着性に劣る。No.17は、シ
リカ粒子径2500nmのシリカを添加したもので加工
性に劣り、一方、No.18は、シリカ粒子径80nm
のシリカを添加したもので耐傷つき性に劣る。本発明例
(No.2、3、10、11、12、19、20)にお
いては、全ての性能に優れているが、特に亜鉛−アルミ
系合金めっきを下地とするもの(No.19、20)
は、加工性、耐傷つき性および耐食性に優れていた。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の塗装亜鉛
めっき鋼板およびその製造方法によれば、簡便な化成処
理方法により、加工性、耐傷つき性、耐食性に優れた塗
装亜鉛めっき鋼板を得ることができる。したがって、塗
装鋼板の生産性を飛躍的に向上させる技術として本発明
の工業的価値は極めて高い。
フロントページの続き (72)発明者 吉田 啓二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板上に、亜鉛又は亜鉛系合金めっき
    層、化成処理層、及び塗膜層を形成した塗装鋼板であっ
    て、前記化成処理層は、一次粒子径が14nm以下9n
    m以上と2000nm以下100nm以上の2種類のヒ
    ュームドシリカとクロム酸化合物を含み、ヒュームドシ
    リカの合計付着量をSiO2 で換算し、クロム酸化合物
    の付着量を金属Crとして換算した場合の配合比が重量
    比でSiO2 /Crで3以上10未満であり、かつCr
    付着量が25mg/m2 以上80mg/m2 以下である
    ことを特徴とする加工性、耐傷つき性及び耐食性に優れ
    た塗装亜鉛めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 前記亜鉛系合金めっき層は、Alを3〜
    60重量%含む亜鉛−アルミ系合金めっき層であること
    を特徴とする請求項1に記載の加工性、及び耐食性に優
    れた塗装亜鉛めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 亜鉛又は亜鉛系合金めっき鋼板表面にク
    ロム酸処理液を塗布する工程と、クロム酸処理液を塗布
    した鋼板を水洗することなく板温60℃以上250℃以
    下で乾燥し、Cr付着量を25mg/m2 以上80mg
    /m2 以下として化成処理層を形成する工程と、この化
    成処理層上に塗装を行う工程とを備え、 前記クロム酸処理液は、クロム酸の一部を還元し、未還
    元クロム(Cr6+)と還元生成物(Cr3+)との比率が
    それぞれCr換算した重量比Cr3+/(Cr6++C
    3+)で0.35以上0.55以下であるクロム酸液
    と、一次粒子径が14nm以下9nm以上と2000n
    m以下100nm以上のヒュームドシリカの混合した液
    であり、合計したヒュームドシリカの添加重量をSiO
    2 で換算し、クロム酸化合物の添加重量を金属Crとし
    て換算した場合の配合比がSiO2 /Crで3以上10
    未満であることを特徴とする加工性、耐傷つき性及び耐
    食性に優れた塗装亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015045086A (ja) * 2013-07-31 2015-03-12 Jfeスチール株式会社 切断端面の耐食性に優れた鋼板およびその製造方法

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