JPH11302380A - ポリイミド粉末、その製法および成形体 - Google Patents
ポリイミド粉末、その製法および成形体Info
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- JPH11302380A JPH11302380A JP10115275A JP11527598A JPH11302380A JP H11302380 A JPH11302380 A JP H11302380A JP 10115275 A JP10115275 A JP 10115275A JP 11527598 A JP11527598 A JP 11527598A JP H11302380 A JPH11302380 A JP H11302380A
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Abstract
られる成形体の機械的強度が大きいとともに伸びも大き
いポリイミド粉末、該粉末の製法および成形体を提供す
る。 【解決手段】芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジア
ミン成分とからなるポリイミド粉末であって、タップ嵩
密度が0.5g/cm3 以下であり、最大基本粒子径が
15μm以下であるポリイミド粉末を提供する。
Description
でしかも得られる成形体の機械的強度が大きいとともに
伸びも大きい芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジア
ミン成分とからなるポリイミド粉末、その製法および芳
香族ポリイミド粉末成形体に関するものである。
テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とからなる
ポリイミド粉末、その製法およびその成形体としては、
特特開昭57−200452号公報(特公平2−485
71号公報)、特開昭57−200453号公報など
に、N−メチル−2−ピロリドン中で3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミ
ン成分とを155℃以下の温度で重合・イミド化させた
後160−300℃に短時間で昇温してイミド化を完了
させてイミド化率が95%以上の芳香族ポリイミド粉末
を微細な粒子として析出させ、反応混合物からポリイミ
ド粉末を濾集することによって、対数粘度が0.2−1
で平均粒径が3−20μのポリイミド粉末およびその加
熱・圧縮成形体を得た例が記載されている。さらに、微
粒子状グラファイトなどの無機質粉末を含有するポリイ
ミド粉末およびその成形体が、特開昭63−81160
号公報に記載されている。これらの文献によると、上記
成形体は引張強度、曲げ弾性率、曲げ強度等の機械的強
度に優れていることが示されている。
ポリイミド粉末は、フリ−シンタリング成形が困難であ
るなど、成形性が必ずしも充分に満足できるものではな
かった。また、伸びが小さいためか、成形体を切削加工
等によって種々の形状に二次加工するさいなど成形時に
欠けたりして複雑な形状への成形が困難であるとか、生
産性が高くないという問題点が指摘されている。
大きくするために加熱圧縮成形時の粉体どうしの融着性
を改良するための試みがなされた。例えば、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分と芳香族ジ
アミン成分とから得られるポリイミドに熱可塑性ポリイ
ミドを混合して得られるポリイミド粉末を圧縮成形する
方法が試みられたが、性質の全く異なる両成分の均一混
合が困難であり、得られる成形体の機械的強度および伸
びは未だ満足できるレベルに達するものではなく、また
耐熱性が却って低下するという問題点が指摘されてい
る。さらに、ポリアミック酸粉末(凝集体)を一旦取り
出して、加熱・乾燥・粉砕してポリイミド粉末を得る試
みもなされている。しかし、ポリアミック酸粉末凝集体
の加熱時の温度コントロ−ルが難しく、またポリアミッ
ク酸粉末に金属不純物が混入しやすく、実用的でないと
いう指摘がされている。従って、従来の技術によって
は、簡単な操作で成形性、機械的強度および伸びを併せ
て満足するポリイミド粉末成形体、ポリイミド粉末、お
よびその製法を得ることはできなかったのである。
来公知の芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン
とを主成分とするポリイミド粉末であって、機械的強度
および伸びを高いレベルで有している芳香族ポリイミド
粉末、その製法および粉末成形体を提供することであ
る。
芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分との
略等モルからなるイミド化率95%以上のポリイミド粉
末であって、タップ嵩密度が0.5g/cm3 以下、好
適には0.1−0.5g/cm3 であり、結晶化度20
%以上かつ最大基本粒子径が15μm以下であるポリイ
ミド粉末に関する。ここで基本粒子とはポリイミド粉末
を形成している最小単位の粒子のことをいう。また、こ
の発明は、15−100重量%がアミド系溶媒および8
5−0重量%が沸点180℃以上の非アミド系溶媒から
なり、水を0.5−5重量%含有する反応溶媒中に、芳
香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを略
等モル加え、全還流の条件下90℃以上140℃未満の
範囲内の温度で微細粒子を析出させた後、160−25
0℃の範囲内の温度、水流去条件にて反応を0.2−2
0時間継続して、対数粘度(30℃、0.5g/100
ml濃硫酸)が0.2−1.5であり、イミド化率が9
5%以上であり、結晶化度20%以上であるポリイミド
粉末を取得することを特徴とする請求項1に記載のポリ
イミド粉末の製法に関する。さらに、この発明は、前記
のポリイミド粉末を圧縮成形し、かつ圧縮成形と同時ま
たは圧縮成形した後無圧の状態で加熱処理を施してなる
こと特徴とするポリイミド成形体に関する。この発明に
おけるタップ嵩密度とは、所定量(通常10g)の粉末
を秤取し、振動を加え体積低下が認められなくなった時
点での密度を意味する。
成分としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸、ピロメリット酸、これらの酸二無水物、こ
れらの酸の低級(炭素数:1−5)一価アルコ−ルのジ
エステルなどが挙げられる。これらの一部、好ましくは
50モル%以下、特に20モル%以下を他の芳香族テト
ラカルボン酸成分、例えば3,3’,4,4’−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸や、2,2’−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)メタン、(3,4−ジカルボキシ
フェニル)エ−テル、これらの酸二無水物または酸のジ
エステルで置き変えてもよい。
しては、特に制限はないが、p−フェニレンジアミン、
4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルが好適に使用さ
れる。その一部、好適には50モル%以下、特に20モ
ル%以下を他の芳香族ジアミンで置き換えてもよい。他
の芳香族ジアミンとしては、特に制限はないが、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、メタフ
ェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロ
パン、1,4−ビス(4−アミノ−フェノキシ)ベンゼ
ン、1,3−ビス(4−アミノ−フェノキシ)ベンゼン
などを挙げることができる。
ラカルボン酸成分とジアミン成分とが95:100−1
00:95、特に98:100−100:98のモル比
で、好適にはガラス転移温度(Tg)が250〜450
℃で、対数粘度(30℃、0.5g/100ml濃硫
酸)が0.2−1.5、特に0.4−1.2で、結晶化
度(広角X線回折法による)が20%以上、特に20−
50%であり、イミド化率(IR測定)が95%以上で
ある。
適には次の方法、すなわち、不活性ガス存在下に、15
−100重量%がアミド系溶媒および85−0重量%が
沸点180℃以上の非アミド系溶媒からなり、水を0.
5−5重量%含有する反応溶媒中に、好適には溶液中の
全モノマ−の割合が2−25重量%、特に3−20重量
%となるように、芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族
ジアミン成分とを略等モル加え、全還流の条件下90℃
以上140℃未満の範囲内の温度で微細粒子を析出させ
た後、160−250℃の範囲内の温度、水留去条件に
て反応を0.2−20時間継続して、対数粘度(30
℃、0.5g/100ml濃硫酸)が0.2−1.5で
あり、イミド化率が95%以上であり、結晶化度が20
%以上、好ましくは20−50%であるポリイミド粉末
を取得することによって製造される。前記の非アミド系
溶媒、水はポリアミック酸合成に先立って混合溶媒とし
て使用してもよく、またはポリアミック酸合成後、反応
溶液に添加してもよい。前記の微細粒子の析出段階に先
立って、90℃以上140℃未満に反応溶液の温度を調
節後イミド化触媒、好適にはイミダゾ−ル系イミド化触
媒を反応系に添加し前記の加熱条件でイミド化すること
によって、イミド化速度を調節することにより、生成ポ
リイミド粉末の粒度および粒度分布を調節することが好
ましい。
がアミド系溶媒および85−0重量%が沸点180℃以
上の非アミド系溶媒からなり、水を0.5−10重量%
含有する反応溶媒中で、芳香族テトラカルボン酸成分と
芳香族ジアミン成分との略等モルを、全還流の条件下全
還流の条件下90℃以上140℃未満の範囲内の温度で
反応させることが必要である。この発明の方法において
は、微細粒子析出時の水の量を前記の範囲で含む混合溶
媒を使用することが必要である。水分の量が0.5重量
%未満では粗大凝集物が生成し、10重量%より多いと
得られるポリイミド粉末の分子量が小さくなり好ましく
ない。水分量を前記の範囲内に保つためには、添加する
混合溶媒中の水分量を前記の範囲内とし、反応時の系を
全還流状態にすることが好ましい。
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルカプロラク
タムが挙げられ、特にN−メチル−2−ピロリドンが好
適に使用される。また、前記の沸点180℃以上の非ア
ミド系溶媒としては、スルホラン、イソホラン、トリエ
チレングリコ−ルジメチルエ−テル、エチレングリコ−
ル、ジフェニルエ−テルなどが挙げられ、特にスルホラ
ンが好適に使用される。前記のアミド系溶媒と非アミド
系溶媒との割合について、アミド系溶媒の割合が100
%の場合は水分量を1.5−10%の範囲とすることが
好ましく、水分量が少ないとポリイミド粉末の溶解性が
高すぎて粉末を含む反応系全体がゲル化する傾向にあ
り、アミド系溶媒の割合が15%より少ないと得られる
ポリイミド粉末が微細化しすぎて加工成形性がかえって
低下する。
ル、2−メチルイミダゾ−ル、1,2−ジメチルイミダ
ゾ−ル、2−フェニルイミダゾ−ルなどのイミダゾ−ル
系化合物を好適に使用できる。前記イミド化触媒の使用
量は、その種類によって異なるが一般的には、使用モノ
マ−総重量に対して0.5−40重量%であることが好
ましい。0.5重量%未満ではポリイミド粉末が析出す
るまでに要する時間が長くなりすぎ、かつ粉末の粒度分
布が増大する傾向にあり好ましくなく、40重量%より
多い場合は粉末が微細化しすぎる傾向がある。
末を取得する方法としては特に制限はなく、例えば、反
応混合物をそのままあるいは室温まで冷却した後、芳香
族ポリイミド粉末を濾別し、その粉末を溶媒で洗浄し、
乾燥する方法が採用できる。前記の洗浄用の溶媒として
は、反応溶媒と置換しうる低沸点溶媒であれば何でもよ
く、水、アセトンなどが好適である。また、乾燥は25
0℃以下の常圧、減圧のいずれでも、好ましくは200
℃以下で、好ましくは350℃で1時間加熱による重量
減少率が2%以下、特に1.5%以下となる乾燥状態と
することが好ましい。この発明のポリイミド粉末は、粒
径もそろっており、特に粉砕しなくてもよいが、ヘンシ
ェルミキサ−、ウイリ−ミルなどによって粉砕してもよ
い。
イミド粉末成形体においては、無機充填剤、例えば、シ
リカ、マイカ、カオリン、窒化ほう素、ダイヤモンド
粉、酸化アルミニウム、酸化鉄、グラファイト、カ−ボ
ン、硫化モリブデン、硫化鉄など、あるいは、有機充填
剤、例えば、四フッ化エチレン重合体、四フッ化エチレ
ン・六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン・
パ−フルオロアルキルビニルエ−テル共重合体などのふ
っ素樹脂の粉末など、各種の充填剤を前記のポリイミド
粉末と混合して使用することができる。これらの混合は
ドライブレンドでもよいが、重合段階の溶液に各種粉末
を添加するほうが均質混合が達成されるので好ましい。
ドの粉末を金型内に充填し、圧力および熱を同時あるい
は別々に加えて成形してポリイミド粉末成形体を製造す
る。前記の芳香族ポリイミドの粉末はそのまま使用する
か、あるいは前記粉末から予備成形体を形成するかし
て、成形温度250〜550℃、好ましくは330〜5
00℃、および成形圧力200〜10000Kg/cm
2 、好ましくは500〜5000Kg/cm2 で圧縮成
形することによって好適に製造することができる。
前記の芳香族ポリイミド粉末を、好適には充分乾燥(前
焼成)した後あるいはその予備成形体を、成形温度:室
温〜200℃、成形圧力200〜10000Kg/cm
2 、好ましくは500〜5000Kg/cm2 で圧縮成
形した成形体を、非圧縮下、250〜550℃、好まし
くは330〜500℃にて後焼結することにより製造す
るものである。この方法によって得られる成形体は、前
述の加熱圧縮成形により得られた成形体と比較して、総
合的な特性は低下するが、並列処理ができるなど生産性
に優れているという特徴がある。
加熱・圧縮成形する場合は、例えば250℃以上、好ま
しくは300〜500℃の成形温度で、前記ポリイミド
粉末(通常は前記の無機充填剤を含有させたもの)の金
型への充填とラムによる100〜1500Kg/c
m2 、特に150〜1000Kg/cm2 の圧力下での
前記ポリイミド粉末の金型への押出し(押込み・圧縮)
とを交互に行ない、上記ポリイミド粉末を金型内で加熱
密着させながら、長尺の成形体を次第に押出すことによ
って好適に行うことができる。
成形体を製造する装置としては、任意の圧縮成形機、例
えば、4柱式油圧式プレス、高圧ホットプレスなどを挙
げることができる。また、前記の予備成形体は、例え
ば、ロ−タリ−プレス、タブレットマシ−ンを使用する
方法によって形成することが好ましい。
の特定の芳香族ポリイミド粉末から得られるものであ
り、従来公知の芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジア
ミンとから得られるポリイミド粉末成形体の優れた耐熱
性を低下させることなく、機械的強度や伸びを向上させ
ることができる。
において、ポリイミド粉末成形体の種々の物性は、次の
試験方法によって測定したものである。 引張試験:ASTM D−638に準じて、測定温度2
3℃において、引張強度(Kg/cm2 )および伸びを
求めた。
スルホラン(3%含水物)702.5gと、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−
BPDA)163.44g(0.556モル)とを、攪
拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管を備えた容量2
Lの四ツ口セパラブルフラスコに、室温において添加
し、その混合液に窒素ガス流通と攪拌をしながら、4,
4’−ジアミノジフェニルエ−テル(ODA)110.
13g(0.550モル)を添加し、約40分間で10
0℃まで昇温し、100℃に保持したまま、その溶液に
窒素ガス流通と攪拌を継続しながら、2−メチルイミダ
ゾ−ル(2MZ)27.20g(0.331モル)を添
加した。芳香族ポリイミド粉末の析出は2MZ添加後約
30分後から始まった。析出が始まって5分後、還流冷
却器の下部に水分離器を取り付け、生成水を除去しなが
ら反応を1時間継続した。その後、約30分間で180
℃まで昇温し、内温が180℃に達した後、反応を3時
間継続し、反応を完結させた。
ポリイミド粉末を濾別し、その粉末をアセトンで十分洗
浄し、さらに乾燥器中で150℃で10時間乾燥し、芳
香族ポリイミド粉末245.6g(理論収率97.4
%)を得た。この芳香族ポリイミド粉末は、対数粘度
(30℃、0.5g/100ml濃硫酸)が0.93d
l/gであり、タップ嵩密度が0.42g/cm3 であ
り、重量減少率(330℃×30分後)が0.85%、
最大基本粒子径が7μmであり、広角X線回折法(ル−
ランド法)による解析で結晶化度は39%であり、イミ
ド化率(IR法)が95%以上であった。
mm、高さ60mm)の金型内に充填し、室温下で、ガ
ス抜きをしながら圧力2000Kg/cm2 を加えて5
分間加圧した。そして、加圧状態を停止して、圧縮成形
機から取り出し成形品をさらにオ−ブン内で410℃、
10分間の焼成を行った後放冷して、ポリイミド粉末成
形体(直径57.5mmの円柱)を得た。得られたポリ
イミド粉末成形体の密度は1.330g/cm3 であっ
た。このフリ−シンタリング成形によるポリイミド粉末
成形体を切削加工して、ポリイミド粉末成形体からなる
板(試験片)を作成し、引張試験を行った。引張強度は
1250Kg/cm2 で、伸びは35%であった。また
粉末成形体は良好な切削加工性(二次加工性)を示し
た。
を得た。これらのポリイミド粉末は、理論収率が97.
2−98.0%で、対数粘度が0.86−0.92dl
/gで、タップ嵩密度が0.40−0.43g/cm3
で、重量減少率が0.75−0.9%、最大基本粒子径
が7μmで、広角X線回折法(ル−ランド法)による解
析で結晶化度が38−40%の範囲内にあり、非常に再
現性良くポリイミド粉末を得ることができた。各ポリイ
ミド粉末について実施例1と同様にフリ−シンタリング
成形して得た粉末成形体は、直径57.4−57.9m
mの範囲にある円柱状であり、その密度が1.326−
1.332g/cm3 で、引張強度が1150−135
0kg/cm2 の範囲で、伸びが20−45%の範囲で
あった。また粉末成形体は良好な切削加工性(二次加工
性)を示した。
ルホラン=281g:1124g)に変えた他は実施例
1と同様にして、ポリイミド粉末を得た。得られた粉末
は247.3g(理論収率が98.1%)であった。こ
のポリイミド粉末は、対数粘度(30℃、0.5g/1
00ml濃硫酸)が0.85dl/gであり、タップ嵩
密度が0.25g/cm3 であり、重量減少率(350
℃×30分後)が0.80%、最大基本粒子径が2μm
であり、広角X線回折法(ル−ランド法)による解析で
結晶化度は39%であり、イミド化率(IR法)が95
%以上であった。このポリイミド粉末について実施例1
と同様にフリ−シンタリング成形して得た粉末成形体
は、直径57.3mmの円柱状であり、その密度が1.
350g/cm3 で、引張強度が1450kg/cm2
で、伸びが100%であった。また粉末成形体は良好な
切削加工性(二次加工性)を示した。
を添加した他は実施例1と同様してグラファイト入りポ
リイミド粉末を得た。得られた粉末は287.9g(理
論収率が98.3%)であった。このグラファイト入り
ポリイミド粉末は、タップ嵩密度が0.38g/cm3
であり、重量減少率(350℃×30分後)が1.50
%、最大基本粒子径が6μmであり、ポリイミドの広角
X線回折法(ル−ランド法)による解析で結晶化度は3
8%であり、イミド化率(IR法)が95%以上であっ
た。このグラファイト入りポリイミド粉末について実施
例1と同様にフリ−シンタリング成形して得た粉末成形
体は、直径58.2mmの円柱状であり、その密度が
1.400g/cm3 で、引張強度が1000kg/c
m2 で、伸びが10%であった。また粉末成形体は良好
な切削加工性(二次加工性)を示した。
に準じ、実施例1のモノマ−組成のポリイミド粉末を得
た。このポリイミド粉末は、対数粘度(30℃、0.5
g/100ml濃硫酸)が0.65dl/gであり、タ
ップ嵩密度が0.57g/cm3 であり、重量減少率
(350℃×30分後)が0.70%、最大基本粒子径
が19μmであり、広角X線回折法(ル−ランド法)に
よる解析で結晶化度は40%であり、イミド化率(IR
法)が95%以上であった。また、このポリイミド粉末
のフリ−シンタリング成形による粉末成形体は、直径5
8.1mmの円柱状であり、その密度が1.225g/
cm3 で、引張強度が610kg/cm2 で、伸びが5
%であった。また粉末成形体は切削加工性(二次加工
性)が良くなかった。
と同様にして、ポリイミド粉末を得た。このポリイミド
粉末は、対数粘度(30℃、0.5g/100ml濃硫
酸)が0.85dl/gであり、タップ嵩密度が0.4
7g/cm3 であり、重量減少率(350℃×30分
後)が0.90%、最大基本粒子径が16μmであり、
広角X線回折法(ル−ランド法)による解析で結晶化度
は39%であり、イミド化率(IR法)が95%以上で
あった。また、このポリイミド粉末のフリ−シンタリン
グ成形による粉末成形体は、直径58.1mmの円柱状
であり、その密度が1.295g/cm3 で、引張強度
が1000kg/cm2 で、伸びが12%であった。
粉末を用い、ラム押出成形装置によって、常法によりラ
ム押出して棒状長尺体を成形した。得られた成形体は、
均質性が高く、機械的物性に優れ、摩耗係数(PV=1
00、V=128m/分、室温)およびが摩擦係数(P
=1.1kg/cm3 、V=150m/分、室温)(3
0分)が従来のポリイミド粉末を用いて得られる成形体
に比べて良好である。
p−フェニレンジアミン(PPD)3.24g(0.0
300mol)を、攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素
導入管を備えた容量300mlの四ツ口セパラブルフラ
スコに、室温において添加し、その混合液に窒素ガス流
通と攪拌をしながら60℃にした。そして、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−
BPDA)8.91g(0.0303モル)を添加し、
約30分間で120℃まで昇温し、その溶液に窒素ガス
流通と攪拌を継続しながら、スルホラン(3%含水物)
150mlを添加した。120℃で30分間保持した
後、2−メチルイミダゾ−ル(2MZ)1.22gを添
加した。芳香族ポリイミド粉末の析出は2MZ添加後約
8分後から始まった。析出が始まって5分後、還流冷却
器の下部に水分離器を取り付け、生成水を除去しながら
反応を1時間継続した。その後、約30分間で180℃
まで昇温し、内温が180℃に達した後、反応を3時間
継続し、反応を完結させた。
の回転可能なブレンダ−にてアセトン1100ml中で
洗浄した。芳香族ポリイミド粉末を濾別し、その粉末を
アセトンで十分洗浄し、さらに乾燥器中で160℃で1
0時間、300℃で10分間乾燥し、芳香族ポリイミド
粉末を定量的に得た。この芳香族ポリイミド粉末は、対
数粘度(30℃、0.5g/100ml濃硫酸)が0.
60dl/gであり、タップ嵩密度が0.22g/cm
3 であり、重量減少率(330℃×30分後)が0.8
5%、最大基本粒子径が約5μmであり、広角X線回折
法(ル−ランド法)による解析で結晶化度は45%であ
り、イミド化率(IR法)が95%以上であった。
mm、高さ60mm)の金型内に充填し、室温下で、ガ
ス抜きをしながら圧力2000Kg/cm2 を加えて5
分間加圧した。そして、加圧状態を停止して、圧縮成形
機から取り出し成形品をさらにオ−ブン内で300℃、
10分間、460℃、10分間の焼成を行った後放冷し
て、ポリイミド粉末成形体(直径58.2mmの円柱)
を得た。得られたポリイミド粉末成形体の密度は1.3
50g/cm3 であった。このポリイミド粉末成形体を
切削加工して、ポリイミド粉末成形体からなる板(試験
片)を作成し、引張試験を行った。引張強度は1350
Kg/cm2 で、伸びは7.0%であった。また粉末成
形体は良好な切削加工性(二次加工性)を示した。
4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(ODA)6.
01g(0.0300mol)を、攪拌機、還流冷却
器、温度計、窒素導入管を備えた容量300mlの四ツ
口セパラブルフラスコに、室温において添加し、その混
合液に窒素ガス流通と攪拌をしながら60℃にした。そ
して、ピロメリット酸二無水物(PMDA)6.61g
(0.0303モル)を添加し、約30分間で120℃
まで昇温し、その溶液に窒素ガス流通と攪拌を継続しな
がら、スルホラン(3%含水物)200mlを添加し
た。120℃で30分間保持した後、2−メチルイミダ
ゾ−ル(2MZ)1.26gを添加した。芳香族ポリイ
ミド粉末の析出は2MZ添加後約18分後から始まっ
た。析出が始まって5分後、還流冷却器の下部に水分離
器を取り付け、生成水を除去しながら反応を1時間継続
した。その後、約30分間で180℃まで昇温し、内温
が180℃に達した後、反応を3時間継続し、反応を完
結させた。
の回転可能なブレンダ−にてアセトン1300ml中で
洗浄した。芳香族ポリイミド粉末を濾別し、その粉末を
アセトンで十分洗浄し、さらに乾燥器中で160℃で1
0時間、300℃で10分間乾燥し、芳香族ポリイミド
粉末を定量的に得た。この芳香族ポリイミド粉末は、対
数粘度(30℃、0.5g/100ml濃硫酸)が0.
50dl/gであり、タップ嵩密度が0.22g/cm
3 であり、最大基本粒子径が約5μmであり、広角X線
回折法(ル−ランド法)による解析で結晶化度は47%
であり、イミド化率(IR法)が95%以上であった。
mm、高さ60mm)の金型内に充填し、室温下で、ガ
ス抜きをしながら圧力2000Kg/cm2 を加えて5
分間加圧した。そして、加圧状態を停止して、圧縮成形
機から取り出し成形品をさらにオ−ブン内で300℃、
10分間、460℃、10分間の焼成を行った後放冷し
て、ポリイミド粉末成形体(直径58.8mmの円柱)
を得た。得られたポリイミド粉末成形体の密度は1.3
2g/cm3 であった。このポリイミド粉末成形体を切
削加工して、ポリイミド粉末成形体からなる板(試験
片)を作成し、引張試験を行った。引張強度は870K
g/cm2 で、伸びは13.0%であった。また粉末成
形体は良好な切削加工性(二次加工性)を示した。
g、水98.34gに変えた他は実施例1と同様にし
て、ポリイミド粉末を得た。このポリイミド粉末は、収
量が245.0g(理論収率が97.2%)で、対数粘
度が0.63dl/gで、タップ嵩密度が0.43g/
cm3 で、重量減少率が0.90%、最大基本粒子径が
7μmで、広角X線回折法(ル−ランド法)による解析
で結晶化度が39%であり、イミド化率が95%以上で
あった。また、ポリイミド粉末成形体は直径57.5m
mの円柱状であり、その密度が1.321g/cm
3 で、引張強度が1200kg/cm2 で、伸びが25
%であった。また粉末成形体は良好な切削加工性(二次
加工性)を示した。
しているため、下記のような効果を奏する。
リ−シンタリング成形が可能であるなど成形加工性が良
好であり、しかも、得られる成形体の機械的強度および
伸びが良好である。
くポリイミド粉末を得ることができる。
成形体は、二次加工性が良好で、しかも、機械的強度お
よび伸びが良好である。
Claims (7)
- 【請求項1】芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジア
ミン成分との略等モルからなるイミド化率95%以上の
ポリイミド粉末であって、タップ嵩密度が0.5g/c
m3 以下であり結晶化度が20%以上、かつ最大基本粒
子径が15μm以下であるポリイミド粉末。 - 【請求項2】芳香族テトラカルボン酸成分が3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸またはピロメリ
ット酸、酸二無水物またはその酸エステルであり、芳香
族ジアミン成分が分子内に芳香族環を1または2個含有
する化合物を主成分とする請求項1に記載のポリイミド
粉末。 - 【請求項3】15−100重量%がアミド系溶媒および
85−0重量%が沸点180℃以上の非アミド系溶媒か
らなり、水を0.5−10重量%含有する反応溶媒中
で、芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分
とを略等モル加え、全還流の条件下90℃以上140℃
未満の範囲内の温度にて微細粒子を析出させた後、16
0−250℃の範囲内の温度、水留去条件にて反応を
0.2−20時間継続して、対数粘度(30℃、0.5
g/100ml濃硫酸)が0.2−1.5であり、イミ
ド化率が95%以上であり、結晶化度20%以上である
ポリイミド粉末を取得することを特徴とする請求項1に
記載のポリイミド粉末の製法。 - 【請求項4】微細粒子の析出段階に先立って、90℃以
上140℃未満に反応溶液の温度を調節後、イミダゾ−
ル系イミド化触媒を反応系に添加してイミド化すること
によって、イミド化速度を調節して、生成ポリイミド粉
末の粒度および粒度分布を所望の値に調節する請求項3
に記載のポリイミド粉末の製法。 - 【請求項5】請求項1に記載のポリイミド粉末を圧縮成
形し、かつ圧縮成形と同時または圧縮成形した後無圧の
状態で加熱処理を施してなること特徴とするポリイミド
成形体。 - 【請求項6】圧縮成形がホットプレス成形、フリ−シン
タリング成形またはラム押出し成形による請求項5記載
のポリイミド成形体。 - 【請求項7】成形体の摺動性、加工性、耐熱性、耐磨耗
性を改良するための無機あるいは有機質微粉末を含有す
る請求項5記載のポリイミド成形体。
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